説明

カバーキャップの内側面の上に、微小球体を有するソーラーセンサー

【解決手段】 本発明の根底をなす着想は、カバーキャップ2、または、他の光線透過性の領域の内側面2.1に、センサー1の変換器3の上側で、光Lを同様に散乱するがしかしながら同時にはるかに僅かの減衰を有する微小球体6を備えることである。これら微小球体6は、有利には、この内側面2.1内に貼り付けられ、または溶融される。球体材料として、合成物質またはガラスが可能である。透明性、並びに、ほぼ球のような形をした形状は、重要である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばキャップまたはケーシング内において、変換器、およびこの変換器の上方に設けられている光線透過性の領域を有する、ソーラーセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーロッパ特許第492 352号明細書(特許文献1)から、ソーラーセンサーが公知であり、このソーラーセンサーは、電気−光学的な変換器として、光感応性の面を有している。このセンサーの変換器の上側に設けられているレンズは、その際に、ケーシングの一部であり、この部分が、レンズのように、光透過性の材料、例えば合成物質、またはガラスから成っている。このレンズ材料は、自身で光を散乱させる。
【0003】
同様にドイツ連邦共和国特許出願公開第100 62 932号明細書(特許文献2)は、ソーラーセンサーを記載している。電気−光学的な変換器は、その際、入射する太陽光のためのカバー内に組み込まれた散乱領域の下側に装着されている。この散乱領域、および電気−光学的な変換器は、太陽光がこの変換器を照射する前に、この第1の光入射角度範囲内において入射する太陽光が、この散乱領域を通って散乱されるように互いに配設されている。この太陽光は、このことによって、予め与えられた角度範囲内において散乱され、これに対して、この太陽光が、この範囲の範囲外で散乱されない。この第1の角度範囲内における太陽光の散乱によって、この変換器を照射する太陽光の低減が達せられ、このことによって、信号過大は、この角度範囲内において回避、または低減される。この散乱領域は、このセンサーのカバーの残っている表面と比較して増大された表面粗面状態を有している。
【特許文献1】ヨーロッパ特許第492 352号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第100 62 932号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、同様に太陽光の傾斜の緩やかな入射角度の場合でも、太陽負荷に比例している信号を発する、ソーラーセンサーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の根底をなす着想は、カバーキャップ、もしくは、センサーの変換器を覆う光線透過性の領域の内側面に、光を同様に散乱するがしかしながら同時にはるかに僅かの減衰を有する微小球体を備えることである。これら微小球体は、有利には、この表面内に貼り付けられ、または溶融される(eingeschmolzen)。球体材料として、合成物質またはガラスが可能である。透明性、並びに、ほぼ球のような形をした形状は、重要である。
【0007】
これら微小球体は、比較的に高い光を散乱する作用を有している。何故ならば、これら微小球体が、これら微小球体の形状によって、急傾斜の側面の大きな増大を、公知の微小構造体に比べて有しているからである。このことは、比較的に強度な付加的な屈折を生起し、その際、この付加的な屈折が、この球体内への入射の際に生じる。これら微小球体自体は、僅かの吸収、即ち僅かの吸収特性を備えており、従って、比較的に小さな受光面でもって、比較可能な信号が形成可能になる。この散乱は、それに加えて、球形部の連続的な経過に基づいて均一である。
【0008】
この解決策の利点は、強度な、且つ意図された散乱作用にもかかわらず、高い光強度を維持された状態に留まることにある。
更に別の利点は、センサーの製造の際に与えられる。
微小球体は、このセンサーの合成物質キャップの内側面の全体に付着され得る。工具における、その他に公知の付着は、回避される。
【0009】
次に、図を有する実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。ただ1つの図は、部分断面図における、最も重要な部分を図示されたソーラーセンサー1のためのカバーキャップを示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ソーラーセンサー1は、ケーシング、即ちキャップ2を有し、このキャップが、
変換器3、並びに、
更に別のこのセンサー1内に設けられている電気的な構成要素4、および、
これら構成要素3、4の収容、およびこのセンサー1の内側の他の詳細に図示されていない構成部品群もしくはこのセンサー1の外側に設けられている更に別の構成部品群10とのこれら構成要素3、4の電気的な接触のためのプリント基板5、
を覆っている。
本実施例において、キャップ2の全体は、光線透過性の領域2.2である。しかしながら同様に、比較的に小さな領域も可能である。このセンサーキャップ2の下側に、有利には、このセンサーキャップの内側面2.1の上に微小球体6の層が設けられており、この微小球体を通って、このキャップ2の光線透過性の領域2.2を通り抜けた後の光Lが、再び、且つ従って付加的に散乱され、且つこの変換器3の上に導かれる。
【0011】
キャップ2は、有利には、合成物質、またはガラスから成っている。微小球体6は、類似のまたは同一の材料を備えており、且つ、このキャップ2のように透明である。微小球体6の形状は、有利には、球形、少なくともしかしながら、球のような形である。
これら微小球体(英語ではmicrospheres)は、例えば40μmと70μmとの間の直径を有している。他の大きさは、全く同様に有効に使用され得るが、しかしながら、場合によっては、使用または処理の際に、問題をもたらす可能性がある。上記の直径範囲は、ふるい分けによって製造され、且つ、種々の製造者を介して購入することができる。例えば、Potters社、SiLi社、またはSiltrade社から購入することができる。
【0012】
変換器3は、電気−光学的な変換器、赤外線変換器、または他の公知の変換器であり、この変換器が、光線に等価の電気的な信号を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】部分断面図における、最も重要な部分を図示されたソーラーセンサー1のためのカバーキャップの図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーセンサーであって、このソーラーセンサーが、例えばキャップ(2)またはケーシング内において、変換器(3)、およびこの変換器の上方に設けられている光線透過性の領域(2.2)を有する様式の上記ソーラーセンサーにおいて、
この光線透過性の領域内において、微小球体(6)が設けられており、これら微小球体において、この領域を通って射出する光(L)が、再び拡散されるように構成されていることを特徴とするソーラーセンサー。
【請求項2】
微小球体(6)は、光線透過性の領域の内側面に貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーセンサー。
【請求項3】
微小球体(6)は、光線透過性の領域の内側面に溶融されていることを特徴とする請求項1に記載のソーラーセンサー。
【請求項4】
微小球体(6)は、層として、付着されている、または溶融されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のソーラーセンサー。
【請求項5】
微小球体(6)は、球のような形をした形状を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のソーラーセンサー。
【請求項6】
微小球体(6)は、合成物質、またはガラスから成ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のソーラーセンサー。
【請求項7】
微小球体(6)は、40μmと70μmとの間の直径を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のソーラーセンサー。

【公表番号】特表2007−503588(P2007−503588A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529886(P2006−529886)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005448
【国際公開番号】WO2004/104649
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(504162556)プレー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (24)
【Fターム(参考)】