説明

カバー部材及びカートリッジ

【課題】離間部材とカバー部材とを、それぞれ別々にドラムカートリッジから取り外すことは、ユーザーの負荷が増大する。これを回避するために、離間部材とカバー部材を一体にすると、ユーザーが使用済みカートリッジにカバー部材を取り付けることが困難となる。カバー部材の取り外し動作のみで帯電ローラと感光体ドラムを離間する離間部を解除することが可能であり、かつ、カバー部材をドラムカートリッジから取り外した後に再度ドラムカートリッジに取り付ける場合においても、離間部が、カバー部材のドラムカートリッジへの取り付けを阻害しないカバー部材を提供することで、カバー部材と離間部材のリユースやリサイクルを向上させる。
【解決手段】離間部材25をカバー部材24に対し移動可能に係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材及びカートリッジに関する。
【0002】
ここで、ドラムカートリッジとは、少なくとも、帯電手段と像担持体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とするものである。そして、カバー部材とは、前記ドラムカートリッジに着脱可能であって、前記ドラムカートリッジの未使用状態、特に物流時において前記像担持体を保護する部材である。
【0003】
また、電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(レーザープリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセセッサ、それらの複合機能機等が含まれる。装置本体とは、着脱されるドラムカートリッジを除いた電子写真画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0004】
電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置或いは装置とも記す)においては、像担持体(電子写真感光体)上に形成した静電潜像を、現像手段により現像することでトナー像として可視化している。従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、少なくとも、帯電手段と像担持体とを一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするドラムカートリッジ方式が採用されている。像担持体には一般に感光体ドラム(以下、ドラムと記す)が用いられる。このドラムカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー(使用者)自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこで、このドラムカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0005】
ドラムカートリッジ(以下、カートリッジと記す)には、ドラムと、ドラムに帯電を行う帯電手段とが枠体(ドラムカートリッジ枠体)に支持されている。画像形成装置において使用される帯電手段の一つに、帯電手段とドラムを接触させた状態でドラム表面を帯電する接触帯電方式がある。帯電手段は一般にドラムに接触しドラム表面を帯電する帯電ローラが用いられる。帯電ローラは、ドラムと接触した状態を保つために、ドラムに向かって加圧された状態で枠体に支持されている。よって、帯電ローラとドラムを接触させた状態で長時間放置した場合、帯電ローラが変形するおそれがある。これを、材料や製造条件を厳しく管理することで防止しており、生産上の問題となっている。
【0006】
このような問題点を解決するために、カートリッジがユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時においては、帯電ローラとドラムとを離間するための構成が知られている(特許文献1)。この構成においては、特に物流時にドラムを保護するためのカバー部材と、カバー部材を貫通し、かつ、カバー部材をカートリッジに係止する係止部材とを設け、係止部材を帯電ローラとドラムとの間に挿入する。これにより、カートリッジの出荷時に帯電ローラとドラムとを離間する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−181328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例では、特に物流時にドラムを保護するためのカバー部材と、カートリッジの出荷時に帯電ローラとドラムとを離間するための離間部材とをそれぞれ別部品として設けている。この場合、ユーザーは、カバー部材と離間部材のそれぞれをカートリッジから取り外すことが必要となり、負荷が増加する。また、カバー部材と離間部材を一体的に設けることにより、ユーザーは、カバー部材の取り外し動作のみで帯電ローラとドラムの離間を解除することが可能となる。具体的には、カバー部材から突出した離間部を設け、その離間部を帯電ローラとドラムとの間に挿入することによって帯電ローラとドラムとを離間する構成等が考えられる。
【0009】
しかし、このような構成の場合、ユーザーがカートリッジにカバー部材を取り付ける際、カバー部材に設けられた離間部を、帯電ローラとドラムとの間に正確に挿入させる必要がある。そして、離間部が正確に挿入されない場合、カバー部材に設けられた離間部がカートリッジに干渉し、ユーザーがカバー部材をカートリッジに装着する動作を阻害することになる。このことは、ユーザーが、カートリッジにカバー部材を取り付ける際のユーザビリティを低下させることに繋がる。また、離間部がカートリッジに干渉することにより、カバー部材がカートリッジから浮いた状態となり、ドラムを保護することが出来ない場合がある。
【0010】
具体的には、カートリッジを装置本体から取り出し長期保管する場合や、使用済みのカートリッジをリサイクル品として回収先に送付する場合に、カートリッジにカバー部材を取り付ける際などが当てはまる。さらには、ユーザーが使用済みのカートリッジをリサイクル品として回収するためのリサイクル用回収専用箱に収納できない可能性もある。そして、リサイクル用回収専用箱に収まらないために、ユーザーがカバー部材をゴミとして処分してしまうことや、カバー部材が取り付けられていないために、輸送中にドラムを保護することが出来ず、ドラムのリサイクルが困難になることに繋がる可能性がある。このような問題を解決するために、リサイクル用回収専用箱を大きく設計することは、回収時の輸送効率を低下させることに繋がる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、カバー部材を取り外す動作によって帯電手段と像担持体を離間する離間部を解除することが可能な、カバー部材及びカートリッジを提供することにある。また、本発明の目的は、カバー部材を再度取り付ける場合においても、離間部が、取り付けを阻害しない、カバー部材及びカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明に係るカバー部材の代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、(a)潜像が形成される、回転可能な像担持体と、(b)前記像担持体に接触して前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、(c)前記像担持体と前記帯電手段を支持した枠体と、(d)前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、(e)前記カバー部材に移動可能に設けられた離間部材であって、前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手段を離間するための離間部と、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記カバー部材と当接して前記カバー部材から前記離間部材が外れることを防止するための抜け止め部と、を有する離間部材と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るカートリッジの代表的な構成は、潜像が形成される、回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体と前記帯電手段を支持した枠体と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記カバー部材に移動可能に設けられた離間部材であって、前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手段を離間するための離間部と、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記カバー部材と当接して前記カバー部材から前記離間部材が外れることを防止するための抜け止め部と、を有する離間部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、帯電手段と像担持体との間に挿入され、帯電手段と像担持体を離間させる離間部材は、カバー部材に係止されているため、ユーザーが故意に外すことがない限りカバー部材から外れることはない。また、離間部材は、カバー部材に移動可能に係止されているため、ユーザーがカバー部材を再度取り付ける際、離間部材によって取り付け動作が阻害されることは無い。よって、ユーザーは、離間部材が係止されたカバー部材を、容易にカートリッジに取り付けることが可能となる。このことにより、電子写真画像形成装置からカートリッジを取り出し長期保管する場合や、使用済みのカートリッジをリサイクル品として回収先に送付する場合に、像担持体を保護することが可能となる。さらには、カバー部材や離間部材のリユースやリサイクルを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は実施例のドラムカートリッジ及びカバー部材と離間部材の概略構成断面図、(b)はドラムカートリッジの概略構成断面図である。
【図2】(a)と(b)は実施例の現像カートリッジの概略構成断面図である。
【図3】(a)と(b)は実施例の電子写真画像形成装置の概略構成断面図である。
【図4】(a)は実施例の電子写真画像形成装置の概略構成断面図、(b)は実施例の離間部材を示す斜視図である。
【図5】(a)は実施例のカバー部材の斜視図、(b)は離間部材を取り付けたカバー部材の部分的な拡大図である。
【図6】カバー部材と離間部材を装着したドラムカートリッジの概略構成の断面図である。
【図7】(a)と(b)は離間部材による感光体ドラムと帯電ローラの離間を解除する操作の説明図である。
【図8】(a)と(b)は離間部材による感光体ドラムと帯電ローラの離間を解除する操作の説明図である。
【図9】(a)は帯電ローラの斜視図、(b)はカバー部材と離間部材の概略構成の断面図である。
【図10】(a)と(b)はカバー部材と離間部材の概略構成の断面図である。本発明に係るカバー部材と離間部材の一実施例の概略構成断面図である。
【図11】(a)と(b)はカバー部材をドラムカートリッジに取り付ける操作の説明図である。
【図12】(a)はバー部材をドラムカートリッジに取り付ける操作の説明図、(b)と(c)はカバー部材と離間部材の説明図である。
【図13】(a)と(b)はカバー部材をドラムカートリッジに取り付ける操作の説明図である。
【図14】(a)と(b)はカバー部材をドラムカートリッジに取り付ける操作の説明図である。
【図15】(a)と(b)はカバー部材をドラムカートリッジに取り付ける操作の説明図である。
【図16】カバー部材の取り付け方法が誤っている場合の説明図である。
【図17】(a)と(b)はカバー部材と離間部材の説明図である。
【図18】(a)と(b)はドラムカートリッジ及びカバー部材と離間部材が回収専用箱に収納された状態の概略構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例]
(画像形成装置例の全体的な概略構成)
図3の(a)と(b)、図4の(a)は本実施例における電子写真画像形成装置38の概略構成図である。装置38は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタである。すなわち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等のホスト装置(不図示)から制御回路部(不図示)に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の記録材体(以下、シートと記す)40に対してカラー画像を形成することができる。シート40は、記録材、用紙、OHTシート、ラベル等である。制御回路部(制御手段:CPU)はホスト装置や操作部(不図示)との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、装置38の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。従って、以下に説明する装置38の画像形成動作は制御回路部によって制御されるものである。
【0017】
装置38は、像担持体としての感光体ドラム2を有する。ドラム2の周囲には、ドラム2を一様に帯電するための帯電手段3と、ドラム2上にレーザー光を照射して静電潜像を形成するための露光手段4と、現像アセンブリ50を有する。アセンブリ50は、ドラム2に形成された静電潜像を現像剤(トナー)により顕像化する複数の現像手段5(5a・5b・5c・5d)を有する。また、それらの現像手段5を取り外し可能(着脱可能)に装着し得る複数の装着部を有する回転可能な現像手段移動機構としてのロータリ1を有する。ロータリ1は装置38の本体フレーム38Bに対して回転自在に支持されている。本実施例においては、ロータリ1に対して周方向にほぼ90°ずつの割り付けで、Y色現像カートリッジ5a、M色現像カートリッジ5b、C色現像カートリッジ5c、K色現像カートリッジ5dの4つの現像手段がほぼ円柱状に配置されて装着されている。Y色現像カートリッジ5aは現像剤としてイエロー色のトナーを収容した現像器、M色現像カートリッジ5bは現像剤としてマゼンタ色のトナーを収容した現像器である。また、C色現像カートリッジ5cは現像剤としてシアン色のトナーを収容した現像器、K色現像カートリッジ5dのは現像剤としてブラック色のトナーを収容した現像器である。また、装置38は、ドラム2上の残留トナーを除去するクリーニング手段6を有する。
【0018】
本実施例では、ドラム2と、帯電手段3と、クリーニング手段6が一体に構成され、かつ、装置本体38A内のカートリッジ装着部38Cに対して所定の着脱要領にて取り外し可能(着脱可能)に装着されるドラムカートリッジ39とされている。装置本体38Aとは着脱されるドラムカートリッジ39を除いた電子写真画像形成装置部分である。
【0019】
ロータリ1の下側には中間転写ベルトユニット70が配設されている。ユニット70は、装置本体38A内において、装置奥側の2次転写対向ローラ71と、装置前側の駆動ローラ72と、テンションローラ73と、1次転写ローラ8と、それらのローラ間に懸回張設された可撓性を有する無端状の中間転写ベルト7を有する。ローラ8はベルト7を介してドラム2の下面に圧接している。また、ユニット70の下側には、シート40が積載されて収容されているカセット11が配設されている。このカセット11は装置38の正面側から挿脱される(フロントローディング)。
【0020】
シート40に対するカラー画像形成動作は次のとおりである。図3の(a)は装置38のスタンバイ状態時を示している。制御回路部は画像形成開始信号に基づいて、ドラム2を、図3の(b)のように、ベルト7の回転方向である矢印B方向と同期させて、矢印C方向に回転駆動する。ベルト7とドラム2の周速度はほぼ同じである。そして、このドラム2の表面を帯電手段3によって所定の極性・電位に均一に帯電するとともに、露光手段4によって、カラー画像情報のY色成分画像に対応した光像照射を行う。これにより、ドラム2上にはY色成分画像に対応した静電潜像が形成される。
【0021】
また、制御回路部は、静電潜像の形成と所定に同期させて、駆動伝達機構(不図示)によりロータリ1を回転軸1aを中心にして矢印D方向に回転駆動する。そして、Y色現像カートリッジ5aの現像剤供給部材である現像ローラ21aが、図3の(b)のように、ドラム2と対向する現像位置Xに位置した回転角度においてロータリ1の回転を停止させる。この状態において、Y色現像カートリッジ5aの現像ローラ21aと、このローラ21aに対する現像剤供給部材であるトナー供給ローラ22を回転駆動すると共に、ローラ21aに所定の現像バイアスを印加する。すなわち、ドラム2に形成された静電潜像にY色トナーが付着するようにドラム2とローラ21aに電位差を設ける。これによって、ドラム2に成形された静電潜像にY色トナーを付着させて現像する。すなわち、ドラム2にY色トナー像が形成される。また、1次転写ローラ8にトナーの帯電極性とは逆極性で所定の電圧の1次転写バイアスを印加する。これにより、ドラム2上のY色トナー像が順次に、循環移動するベルト7上に1次転写される。
【0022】
上述のようにしてドラム2からベルト7へのY色トナー像の1次転写が終了すると、制御回路部は、ロータリ1を矢印D方向へ割り出し回転移動制御する。これにより、M色、C色、K色の現像カートリッジ5b、5c、5dを、順次に、現像ローラ21b、21c、21dがドラム2に対向する現像位置Xに位置決めする。そして、Y色成分画像の場合と同様にして、カラー画像のM色成分画像、C色成分画像、B色成分画像について、静電潜像の形成、現像、ベルト7に対する1次転写のプロセスを順次に実行する。これにより、ベルト7上にY・M・C・K4色のトナー像の重畳によるカラートナー像が合成形成される。
【0023】
上記のように回転するベルト7に対してカラートナー像が合成形成される間、2次転写対向ローラ71に対してベルト7を介して当接する2次転写ローラ9は、図3の(b)の実線示のように、ベルト7から離間している非作用位置に保持されている。また、ベルト7のクリーニングユニット10も、ベルト7から離間している非作用位置に移動されて保持されている。
【0024】
一方、制御回路部は、所定の制御タイミングにおいて給送ローラ12を駆動してカセット11からシート40をレジストローラ13に一枚分離給送する。また、2次転写ローラ9を、図4の(a)の実線示のように、ベルト7を介して2次転写対向ローラ71に圧接させた作用位置に転換する。そして、レジストローラ13によりシート40を2次転写ローラ9とベルト7との当接部である2次転写ニップ部に導入すると共に、ローラ9に対してトナーの帯電極性とは逆極性で所定の電圧の2次転写バイアスを印加する。これにより、シート40に対してベルト7上の4色重畳の合成されたカラートナー像が順次に一括して2次転写されていく。
【0025】
2次転写ニップ部を出たシート40はベルト7から分離されて定着器14に送られる。定着器14においては、シート40が熱圧され、トナー像がシート40上に定着される。これにより、シート40上にフルカラー画像が形成される。そして、そのシート40が装置38の上カバー15の排紙部15a上へ排出される。2次転写ローラ9はシート40の後端部が2次転写ニップ部を通過すると非作用位置に戻されて保持される。ユニット10は、シート40の先端部の2次転写ニップ部への到達と同期してベルト7に作用する作用位置に移動される。これにより、シート40に転写されないでベルト7上に残留した2次転写残トナーがユニット10により除去される。そして、ユニット10はシート40の後端部が2次転写ニップ部を通過すると非作用位置に戻されて保持される。ドラム2に対する色トナー像の形成順序は上記の順序に限られるものではない。また、モノクロ画像形成、モノカラー画像形成も実行させることができる。
【0026】
(現像カートリッジ)
各現像カートリッジ5a・5b・5c・5dの構成は全て同様である。よって、本実施例では、Y色現像カートリッジ5aを代表して現像カートリッジの構成を説明する。図2の(a)と(b)は現像カートリッジ5aの断面図である。現像容器23は、トナー収容室23aと、現像ローラ21aやトナー供給ローラ22を有する現像室23bとが、開口23cにより繋がっている。現像カートリッジ5aがユーザーの手元に届くまでの未使用状態においてはトナー収容室23aと現像室23bを分離する。そのために、(a)に示すように、フィルム状のトナーシール41が熱溶着などの方法により現像容器23のトナー供給開口23cに固定されている。現像カートリッジ5aを使用する前にトナーシール41を取り除くことで、トナー収容室23a内のトナー42は、現像室23bに供給可能となる。
【0027】
そして、現像カートリッジ5aは、ロータリ1に装着された後、ドラム2と対向する現像位置Xにおいて、現像室23b内に自由落下する。現像室23b内のトナー42はトナー供給ローラ22に供給される。ローラ22は(b)の矢印E方向に回転することによって、ローラ21aにトナー42を供給すると共に、ローラ21aからトナーを掻き落とす作用もする。ローラ21aは弾性ゴムローラで構成され、矢印F方向に回転し、ローラ21a上のトナー42は現像ブレード16によって規制され、ドラム2に対して供給されて静電潜像の現像に供される。現像後にローラ21a上に残されたトナー42はローラ21aとローラ22との当接摺擦部においてローラ22によって除去される。その後、再びローラ22によってローラ21aにトナーが供給される。また、現像位置Xでは、安定的にローラ21aをドラム2に当接させるため、現像カートリッジ5aが保持されたロータリ1ごと、ドラム2の方向に付勢させている。これによって、現像カートリッジ5aの現像ローラ21aがドラム2に所定の加圧力で当接する状態となる。他の現像カートリッジ5b・5c・5dについても同様である。
【0028】
(ドラムカートリッジ)
ドラムカートリッジ39について説明する。図1の(b)は本実施例のカートリッジ39の断面図である。図9の(a)は帯電手段3である帯電ローラの斜視図である。本実施例では、カートリッジ39は、ドラムカートリッジ枠体(クリーニング容器)26に、ドラム2と、帯電手段3と、クリーニング手段6と、が所定の配置関係にて一体的に組み込まれているユニットである。帯電手段3は静電潜像形成のためにドラム2を所定の極性・電位に均一に帯電させる。クリーニング手段6はドラム2上の転写残トナーを除去して、ドラムカートリッジ枠体(クリーニング容器)26内に収容する。カートリッジ39は、図3の(a)と(b)、図4の(a)に示すように、装置本体38Aの装着位置38Cに所定の要領にて取り外し可能(着脱可能)に装着されて、位置決め手段(不図示)により位置決め保持されている。カートリッジ39は装置本体39Aに対する装着状態において、装置本体39Aと機械的・電気的に結合した状態に保持される。この状態において、カートリッジ39は装置本体39A側から駆動力の伝達を受けることが可能となる。また、装置本体39A側から帯電バイアスや現像バイアスの印加を受けることが可能となる。カートリッジ39の着脱手段、着脱操作要領、位置決め手段等は本発明の要点外であるのでその説明は省略する。
【0029】
本実施例では、帯電手段3に帯電ローラ方式を採用している。帯電ローラ3は、図9の(a)に示すように、弾性体であるゴムロール部3a(ゴム部)と剛体軸3b(ゴム部を枠体26に対して回転可能に支持する軸)とを有する。剛体軸3bは、ドラム2の回転軸方向にゴムロール部3aを貫通し、両端はゴムロール部3aから突出した突出部3b1、3b2を形成する。図1の(b)に示すように、帯電ローラ軸受19は、枠体26に対し、ローラ3の軸中心O3とドラム2の軸中心O2を通る線Ga上を移動可能に取り付けられている。ローラ3は、突出部3b1を軸受19に回転可能に取り付けられており、軸受19は帯電ローラ加圧部材20により、矢印G1方向、すなわちドラム2に向かって加圧されている。突出部3b2も同様の構成により、ドラム2に向かって加圧されている。
【0030】
(カバー部材と離間部材)
次に、本実施例における、ドラム2を保護するカバー部材24と、ドラム2と帯電ローラ3を離間する離間部材25について説明する。図1の(a)は、ドラム2を保護するカバー部材24と離間部材25を取り付けたドラムカートリッジ39の断面図である。図4の(b)は離間部材25の斜視図である。図5の(a)はカバー部材24の斜視図、(b)は離間部材25を取り付けたカバー部材24の部分的な拡大図である。図17の(a)は図5の(b)を矢印K方向から見た断面図である。
【0031】
前述したカートリッジ39においては、ドラム2に形成された静電潜像を現像し、かつ、転写を行うために、図1の(b)に示すように、ドラム2の周面を広範囲で露出させる必要がある。しかし、カートリッジ39を出荷してから装置本体38Aの装着部38Cに装着するまでの間に、ドラム2にダメージを与えてしまうことが懸念される。そこで、カートリッジ39がユーザーの手元に届くまでの未使用状態、特に物流時でのドラム2を保護するために、図1の(a)に示すように、カートリッジ39に対し着脱可能なカバー部材24を取り付けている。
【0032】
また、図1の(b)に示すように、帯電ローラ3は、ドラム2と接触した状態を保つために、加圧部材20によりドラム2に向かって加圧され、ドラム2の表面に当接した状態となっている。そのため、ユーザーが使用するまで長期間放置された場合には、弾性体であるゴムロール部3aが変形してしまうおそれがある。これを、材料や製造条件を厳しく管理することでこれを防止しており、生産上の問題となっている。そこで、ユーザーの手元に届くまでの未使用状態での帯電ローラ3の変形を防止するために、ドラム2の表面とローラ3のゴムロール部3aとを離間させる必要がある。
【0033】
本実施例では、図1の(a)に示すように、離間部材25を、ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1とドラム2の表面との間に取り付けることで、ドラム2の表面とゴムローラ部3aの表面を距離Mに保っている。離間部材25の取り付け位置は、ローラ3を構成する剛体軸3bの突出部3b1、3b2の両方でも良いし、突出部3b1、3b2のいずれか片方でも良い。すなわち、離間部材25は、ドラム2の軸線方向において、一端側と他端側に設けられる。あるいは、一端側と他端側のいずれか片方に設けられる。
【0034】
さらに、離間部材25には、図4の(b)、図6に示すように、剛体軸3bの突出部3b1とドラム2の表面との間から、図6の矢印A1方向に容易に抜けてしまうことを防止するための抜け止め凸部25fが設けられている。ドラム2の表面とローラ3のゴムロール部3aとの離間を解除する際には、離間部材25を矢印A1方向に移動する。これにより、加圧部材20によりドラム2に向かって加圧されたローラ3の突出部3b1が抜け止め凸部25fを乗り越えることで、矢印G2方向に移動する。
【0035】
また、抜け止め凸部25fを設けることで、物流時の衝撃により離間部材25が図6の矢印A1方向に移動しようとした場合、ローラ3の突出部3b1を矢印G2方向に移動させることが必要となる。しかし、加圧部材20により加圧されているため、離間部材25の移動が妨げられる。このことにより、カートリッジ39の物流時に、離間部材25がローラ3の突出部3b1と感光体ドラム2の間から容易に抜けることはない。
【0036】
次に、離間部材25を、カバー部材24に対し移動可能に係止する構成について説明する。カバー部材24には、図5の(a)に示すように、離間部材25がカバー部材24を貫通するための貫通穴24b1、24b2(離間部材25が貫通する穴あるいは溝)が、カートリッジ39の長手方向(矢印L方向)の両端に設けられている。離間部材25は、図5の(b)、図6に示すように、カバー部材24に設けてある貫通穴24b1を貫通し、離間部25bをドラム2とローラ3の突出部3b1の間に挿入する。これにより、ドラム2の表面とゴムローラ部3aの表面を図1の(a)のように距離Mに保っている。
【0037】
離間部材25には、図17の(a)に示すように、カバー部材24に対し、ドラム2とローラ3の間に挿入する方向(矢印A2方向)への挿入量を規制する挿入量規制面(規制部)25a1、25a2が設けてある。本実施例では、幅Xを、カバー部材24に設けられた貫通穴24b1の幅Zより広くする。これにより、挿入量規制面25a1、25a2をカバー部材24の外側突き当て面24c1、24c2に突き当てて離間部材25のカバー部材24に対する矢印A2方向の移動を規制している。
【0038】
また、離間部材25には、離間部材25がカバー部材24から外れることを防止するために、抜け止め部25c1、25c2が設けてある。本実施例では、図17の(a)に示すように、抜け止め部25c1、25c2の幅Yを、貫通穴24b1の幅Zより広くする。これにより、離間部材25の外れ規制面25d1、25d2をカバー部材24の内側突き当て面24h1、24h2に当接させ、カバー部材24から外れることを防止している。
【0039】
抜け止め部25c1、25c2は、貫通穴24b1に挿入する方向(矢印A2方向)のガイド面25e1、25e2は、傾斜面になっている。貫通穴24b1から抜ける方向(矢印A1方向)の外れ規制面25d1、25d2は、矢印A1方向に垂直な形状になっている。このような形状にすることで、図17の(b)に示すように、離間部材25を貫通穴24b1に挿入するときは離間部材25の挿入方向(矢印A2方向)に対し、抜け止め部25c1、25c2が貫通穴24bを通過しやすい構成にしている。かつ、一度、抜け止め部25c1、25c2が貫通穴24bを通過した離間部材25は容易に抜けない構成にしている。さらに、挿入量規制面25a1、25a2と抜け止め部25c1、25c2の外れ規制面25d1、25d2との距離Vを、カバー部材24の肉厚Uよりも十分広くする。これにより、離間部材25は、カバー部材24の貫通穴24b1に貫通した状態で、離間部材25の抜き差し方向(図17の(a)の矢印A1、矢印A2方向)に移動可能に係止された状態としている。
【0040】
さらに、図5の(a)、図9の(b)に示すように、カバー部材24の貫通穴24b1の幅Sを離間部材25の幅Tよりも広くすることで、離間部材25はカバー部材24に対して、矢印R方向やQ方向に移動可能となる。このとき、カバー部材24には、離間部材25の移動範囲を規制する移動範囲規制壁24e、24fが設けられている。
【0041】
次に、離間部材25によって、カバー部材24をカートリッジ39に係止する構成を説明する。カバー部材24は、図6に示すように、枠体26に設けたカバー部材係止部26bに、カバー部材被係止部24dを係止する。かつ、離間部材25を貫通穴24b1から挿入する。そして、抜け防止凸部25fがドラム2とローラ3の軸中心O2・O3を結んだ線Gaよりも矢印A2側に位置するまで押し込む。これにより、カバー部材24をカートリッジ39に係止することができる。これは、抜け防止凸部25fが、ドラム2とローラ3の突出部3b1、3b2に規制されるため、挿入量規制面25aが、カバー部材24の外側突き当て面24cに突き当たり、カバー部材24の位置が規制されるためである。また、本実施例では、カバー部材24をカートリッジ39に係止するカバー部材係止部26bを、枠体26に設けているが、カバー部材24をカートリッジ39に係止するカバー部材係止部26bは、枠体26以外のカートリッジ39を構成する部材に設けても良い。
【0042】
(カバー部材と離間部材の取り外し)
次に、カバー部材24と離間部材25の取り外しについて説明する。図7の(a)と(b)、図8の(a)と(b)は、ドラム2とローラ3の離間を解除する際のカバー部材24と離間部材25の断面図である。カバー部材24には、図5の(a)に示すように、カートリッジ39の長手方向(矢印L方向)中央付近に、カートリッジ39からカバー部材24を取り外す際にユーザーの手掛かりとなる手掛かり部24aが設けられている。ユーザーは、手掛かり部24aを把持し、カートリッジ39の係止部26bに係止されている被係止部24dを中心として、カバー部材24を矢印H方向に回転させることで、カートリッジ39からカバー部材24を取り外すことができる。
【0043】
このとき、離間部材25も、ユーザーのカバー部材24の取り外し動作、すなわち、矢印H方向の動作に連動して、ドラム2とローラ3の突出部3b1の間から取り外すことができる。これは、図6に示した、離間部材25の挿入量規制面25a1、25a2が、カバー部材24の外側突き当て面24c1、24c2と当接し、図7、図8に示すように、離間部材25の離間部25bが図6の矢印A1方向に移動する力を受けるためである。カバー部材24に対し、離間部材25を移動可能に係止することで、ユーザーがカバー部材24を取り外す際の動作のみで、カバー部材24の取り外しと、ドラム2の表面とローラ3のゴムロール部3aの離間状態の解除が可能となる。
【0044】
(カバー部材と離間部材の取り付け)
次に、カートリッジ回収時のカバー部材24と離間部材25の取り付けについて説明する。図11、図12の(a)、図13、図14、図15は、カバー部材24をカートリッジ39に取り付ける際の、カートリッジ39とカバー部材24、離間部材25の断面である。図18の(a)と(b)はカバー部材24と離間部材25をカートリッジ39に取り付けた状態で、リサイクル用の回収専用箱27に収納されたカートリッジ39の断面図である。
【0045】
ユーザーが、カートリッジ39を装置本体38Aから取り出し長期保管する場合や、使用済みのカートリッジ39をリサイクル品として回収先に送付する場合、ドラム2を保護するために、カバー部材24を取り付けることを推奨している。このとき、カバー部材24がカートリッジ39に固定されていたり、係止されている必要はない。そのため、ユーザーは、図12の(a)に示すように、離間部材25をドラム2とローラ3の間に挿入する必要はない。本実施例では、離間部材25が、ドラム2とローラ3の間に挿入されない状態であっても、カバー部材24をカートリッジ39に取り付けることができる。また、カバー部材24をカートリッジ39に取り付けた後に、図6に示すように、離間部材25を剛体軸3bの突出部3b1とドラム2表面の間に挿入することで、ドラム2の表面とローラ3のゴムロール部3aを離間することも可能である。このような構成にすることで、装置本体38Aからカートリッジ39を取り出し長期保管する場合に、ドラム2を保護することができる。さらには、図18の(a)に示すように、リサイクル用回収専用箱27を、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39が収納できる最小の大きさに設計することが可能となり、回収時の輸送効率を向上させることができる。
【0046】
上述したように、離間部材25は、カバー部材24の外側突き当て面24c1、24c2と、内側突き当て面24h1、24h2と、移動範囲規制壁24e、24fによって移動が規制されている。これによって、離間部材25は、カバー部材に対して、図9の(b)の矢印R方向やQ方向の移動が規制されている。
【0047】
まず、カバー部材24がカートリッジ39から取り外され、かつ、離間部材25が、カバー部材24に対して図10の(a)の矢印A1方向に移動した状態のカバー部材24を、カートリッジ39に取り付けるときの動作を説明する。離間部材25が、カバー部材24に対して矢印A1方向に移動した状態においては、離間部材25は、図10の(b)に示すように、離間部材25の面25gがカバー部材24の移動規制面(保持部)24gに当接した状態となる。これは、離間部材25の重心Pが、図10の(a)に示すように、カバー部材24の貫通穴24b1よりも矢印A1側にあることによって、離間部材25は、カバー部材25の回転支点24iを支点として、矢印J方向に回動するためである。このような状態で、カバー部材24を、ユーザーがカートリッジ39に取り付ける場合、図11の(b)に示すように、被係止部24dを係止部26bに係合する。その後、被係止部24dを回転中心として、矢印O方向にカバー部材24を回転することで、カバー部材24をカートリッジ39に取り付けることができる。
【0048】
このように、ユーザーがカバー部材24をドラムカートリッジ39に取り付ける動作を離間部材25が阻害することはない。本実施例では、被係止部24dを係止部26bに係止することを推奨しているが、被係止部24dが係止部26bに係止されていなくても、カバー部材24はドラム2を保護することができる。
【0049】
また、図18の(b)に示すように、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39を回収箱27に収納することは可能である。よって、ユーザーがカバー部材24をカートリッジ39に取り付ける際、被係止部24dを係止部26bに係合させなくても良い。さらに、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39は、図12の(a)に示すように、離間部材25の位置以外は、カバー部材24を取り外す前の状態である図7の(a)と同様の状態となる。よって、図18の(a)に示すように、リサイクル用回収専用箱27を、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39が収納できる最小の大きさに設計することが可能となり、回収時の輸送効率を向上させることができる。
【0050】
次に、カバー部材24がカートリッジ39から取り外され、かつ、離間部材25がカバー部材24に対して図12の(b)の矢印A2方向に移動した状態のカバー部材24を、カートリッジ39に取り付けるときの動作を説明する。離間部材25が、カバー部材24に対して矢印A2方向に移動した状態においては、離間部材25は、図12の(c)に示すように、カバー部材24の回転支点24iを支点に図12の(b)の矢印N方向に回転する。そして、離間部材25の上側面25hがカバー部材24の移動範囲規制壁24eに突き当たる。これによって、図12の(c)の矢印N方向の回転が規制された状態となる。これは、離間部材25の重心Pが、図12の(b)に示すように、カバー部材24の貫通穴24b1よりも矢印A2側となるためである。
【0051】
図12の(b)に示す状態のカバー部材24を、ユーザーがカートリッジ39に取り付ける場合も、前述した取り付け方法と同様に、まず初めに、図11の(b)に示すように、被係止部24dを係止部26bに係合することを推奨している。ユーザーが、被係止部24dを係止部26bに係合しようとしてカバー部材24をカートリッジ39に近づけると、図13の(b)に示すように、離間部材25が、ドラム2に接触する。このとき、離間部材25は、図14の(a)に示すように、矢印A1方向に退避する。これは、離間部材25が、カバー部材24に移動可能に係止されているためである。
【0052】
その後、離間部材25が、矢印A1方向に移動し、離間部材25の重心Pが貫通穴24b1よりも矢印A1方向に移動する。そうすると、離間部材25は矢印J方向に回転し、図14の(b)で示すように、離間部材25の下側面25gをカバー部材24の移動規制面(保持部)24gに当接した状態となる。離間部材25の下側面25gが、カバー部材24の移動規制面24gに当接した状態となることで、図15の(a)に示すように、カバー部材被係止部24dをカバー部材係止部26bに係合することができる。その後、図15の(a)と(b)に示すように、被係止部24dを回転中心として、矢印O方向にカバー部材24を回転することで、カバー部材24をカートリッジ39に取り付けることができる。このように、離間部材25をカバー部材24に対して移動可能に係止することで、ユーザーがカバー部材24をカートリッジ39に取り付ける動作を離間部材25が阻害することはない。
【0053】
本実施例では、被係止部24dを係止部26bに係止することを推奨しているが、被係止部24dが係止部26bに係止されていなくても、カバー部材24はドラム2を保護することができる。また、図18の(b)に示すように、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39を回収箱27に収納することは可能である。よって、ユーザーがカバー部材24をカートリッジ39に取り付ける際、被係止部24dを係止部26bに係合させなくても良い。さらに、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39は、図15の(b)のように、離間部材25の位置以外は、カバー部材24を取り外す前の状態である図7の(a)と同様の状態となる。よって、図18の(a)に示すように、リサイクル用回収専用箱27を、カバー部材24が取り付けられたカートリッジ39が収納できる最小の大きさに設計することが可能となり、回収時の輸送効率を向上させることができる。
【0054】
また、ユーザーが、推奨とは異なる方法、例えば、図16に示すように、離間部材25がドラム2の中心よりも下側に当接するような状態でカバー部材24をカートリッジ39に取り付けようとした場合は次のようになる。すなわち、離間部材25の上側面25hが移動規制壁24eに当接し、それ以上カバー部材24とドラムカートリッジ39を近づけることが不可能となる。こうすることで、矢印W方向への移動が出来なくなり、カバー部材24の取り付け方法が誤っていることをユーザーに気付かせることが可能となる。
【0055】
上記実施例のカートリッジ39をまとめると次のとおりである。電子写真画像形成装置38の装置本体38Aに着脱可能なカートリッジ39である。カートリッジ39は、(a)潜像が形成される、回転可能な像担持体2と、(b)像担持体2に接触して像担持体2の表面を帯電する帯電手段3と、(c)像担持体2と帯電手段3を支持した枠体26を有する。また、カートリッジ39は、(d)像担持体2の表面を保護する、枠体26に取り外し可能に取り付けられたカバー部材24と、(e)カバー部材24に移動可能に設けられた離間部材25を有する。離間部材25は、像担持体2と帯電手段3との間に挿入して、像担持体2と帯電手段3を離間するための離間部25bを有する。また、離間部材25は、離間部25bが像担持体2と帯電手段3との間に挿入しない場合に、カバー部材24と当接してカバー部材24から離間部材25が外れることを防止するための抜け止め部25c1・25c2を有する。
【0056】
離間部材25は、像担持体2の回転軸線方向において一端側と他端側に設けられている。帯電手段3は、ゴム部3aとゴム部3aを枠体26に対して回転可能に支持する軸3bとを有し、離間部25bは、像担持体2の表面と軸3bとの間に挿入して、像担持体2と帯電手段3を離間する。カバー部材24は、離間部材25が貫通する穴24b1、24b2あるいは溝を有している。離間部材25には規制部25a1、25a2が設けられている。規制部25a1、25a2は、離間部25bを像担持体2と帯電手段3との間に挿入する挿入方向A2において、抜け止め部25c1・25c2よりも上流側に、カバー部材24と当接して挿入方向A2へ離間部材25が移動するのを規制する。離間部材25は、離間部25bを像担持体2と帯電手段3との間に挿入する挿入方向A2において、離間部25bよりも下流側に、帯電手段3と係合して挿入方向A2と反対の方向A1へ離間部材25が移動するのを規制する凸部25fが設けられている。カバー部材25は、離間部25bが像担持体2と帯電手段3との間に挿入しない場合に、離間部材25を保持する保持部24gを有する。
【0057】
また、上記実施例のカバー部材24をまとめると次のとおりである。カバー部材24は、電子写真画像形成装置38の装置本体38Aに着脱可能なカートリッジ39に用いられる像担持体2の表面を保護する、枠体26に取り外し可能に取り付けられたカバー部材24である。カートリッジ39は、潜像が形成される、回転可能な像担持体2と、像担持体2に接触して像担持体2の表面を帯電する帯電手段3と、像担持体2と帯電手段3を支持した枠体26と、を有する。カバー部材24は、カバー部材24に移動可能に設けられた離間部材25を有する。離間部材25は、像担持体2と帯電手段3との間に挿入して、像担持体2と帯電手段3を離間するための離間部25bを有する。また、離間部材25は、離間部25bが像担持体2と帯電手段3との間に挿入しない場合に、カバー部材24と当接してカバー部材24から離間部材25が外れることを防止するための抜け止め部25c1・25c2を有する。
【0058】
離間部材25は、像担持体2の回転軸線方向において一端側と他端側に設けられている。カバー部材24は、離間部材25が貫通する穴24b1、24b2あるいは溝を有している。離間部材25には規制部25a1、25a2が設けられている。規制部25a1、25a2は、離間部25bを像担持体2と帯電手段3との間に挿入する挿入方向A2において、抜け止め部25c1・25c2よりも上流側に、カバー部材24と当接して挿入方向A2へ離間部材25が移動するのを規制する。離間部材25は、離間部25bを像担持体2と帯電手段3との間に挿入する挿入方向A2において、離間部25bよりも下流側に、帯電手段3と係合して挿入方向A2と反対の方向A1へ離間部材25が移動するのを規制する凸部25fが設けられている。カバー部材24は、離間部25bが像担持体2と帯電手段3との間に挿入しない場合に、離間部材25を保持する保持部24gを有する。
【符号の説明】
【0059】
38・・電子写真画像形成装置、38A・・装置本体、39・・カートリッジ、2・・像担持体、3・・帯電手段、26・・枠体、24・・カバー部材、25・・離間部材、25b・・離間部、25c1・25c2・・抜け止め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、(a)潜像が形成される、回転可能な像担持体と、(b)前記像担持体に接触して前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、(c)前記像担持体と前記帯電手段を支持した枠体と、(d)前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材と、(e)前記カバー部材に移動可能に設けられた離間部材であって、前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手段を離間するための離間部と、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記カバー部材と当接して前記カバー部材から前記離間部材が外れることを防止するための抜け止め部と、を有する離間部材と、を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記離間部材は、前記像担持体の回転軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記帯電手段は、ゴム部と前記ゴム部を前記枠体に対して回転可能に支持する軸とを有し、前記離間部は、前記像担持体の表面と前記軸との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手段を離間することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記離間部材が貫通する穴あるいは溝を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記離間部材には、前記離間部を前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入する挿入方向において、前記抜け止め部よりも上流側に、前記カバー部材と当接して前記挿入方向へ前記離間部材が移動するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記離間部材は、前記離間部を前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入する挿入方向において、前記離間部よりも下流側に、前記帯電手段と係合して前記挿入方向と反対の方向へ前記離間部材が移動するのを規制する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記離間部材を保持する保持部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
潜像が形成される、回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体と前記帯電手段を支持した枠体と、を有する、電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに用いられる前記像担持体の表面を保護する、前記枠体に取り外し可能に取り付けられたカバー部材であって、前記カバー部材に移動可能に設けられた離間部材であって、前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入して、前記像担持体と前記帯電手段を離間するための離間部と、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記カバー部材と当接して前記カバー部材から前記離間部材が外れることを防止するための抜け止め部と、を有する離間部材を有することを特徴とするカバー部材。
【請求項9】
前記離間部材は、前記像担持体の回転軸線方向において一端側と他端側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のカバー部材。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記離間部材が貫通する穴あるいは溝を有していることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のカバー部材。
【請求項11】
前記離間部材には、前記離間部を前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入する挿入方向において、前記抜け止め部よりも上流側に、前記カバー部材と当接して前記挿入方向へ前記離間部材が移動するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のカバー部材。
【請求項12】
前記離間部材は、前記離間部を前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入する挿入方向において、前記離間部よりも下流側に、前記帯電手段と係合して前記挿入方向と反対の方向へ前記離間部材が移動するのを規制する凸部が設けられていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のカバー部材。
【請求項13】
前記カバー部材は、前記離間部が前記像担持体と前記帯電手段との間に挿入しない場合に、前記離間部材を保持する保持部を有することを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載のカバー部材。

【図5】
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【図9】
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【図10】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−95536(P2011−95536A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250059(P2009−250059)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】