説明

カプセル内視鏡の位置検出装置、位置検出方法、並びにカプセル内視鏡システム

【課題】部品を追加することなく、検出精度よく被検体内におけるカプセル内視鏡の位置を検出する。
【解決手段】カプセル内視鏡システム2の受信装置12は、マイクロ波CT部88とデータ解析回路89とを備える。マイクロ波CT部88は、アレイアンテナ22の動作を制御してチャープパルスのマイクロ波を患者10に走査させるとともに、アレイアンテナ22からの出力を元に、患者10の体内の比誘電率分布を表す三次元画像を生成する。データ解析回路89は、三次元画像データを解析し、CE11と生体組織との比誘電率の差を利用して、三次元画像データ内のCE11に該当する領域を認識し、その位置を求める。データ解析回路89は、1フレーム前と現フレームの三次元画像データ間のCE11の移動距離を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置を検出する位置検出装置、位置検出方法、並びにカプセル内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、撮像素子や照明光源などが超小型のカプセルに内蔵されたカプセル内視鏡による医療診断が実用化されつつある。カプセル内視鏡を利用した医療診断では、まず、患者にカプセル内視鏡を嚥下させ、照明光源で患者の体内の被観察部位(体内管路の内壁面)を照明しつつ、撮像素子で被観察部位を撮像する。そして、これにより得られた画像データを受信装置に無線送信し、受信装置に設けられたフラッシュメモリなどの記憶媒体に逐次記憶していく。検査中、または検査終了後、ワークステーションなどの情報管理装置に画像データを取り込み、モニタに表示された画像を読影して診断を行う。
【0003】
カプセル内視鏡を利用した医療診断においては、体内管路の狭窄や憩室によって、カプセル内視鏡が管路内に滞留してしまうという事例が報告されている。この場合、直ちに滞留に気が付けば、電子内視鏡を用いてカプセル内視鏡を回収したり、狭窄部を広げてカプセル内視鏡を先に進めたりするなどの処置を施すことができるが、患者が腹痛を訴えてからでは上記のような処置を施すことができず、開腹手術を行ってカプセル内視鏡を取り出すしか対処法がなかった。
【0004】
上記のような背景を踏まえ、従来、体内のカプセル内視鏡の位置を検出する技術が種々提案されている(特許文献1〜3参照)。特許文献1では、処置用のベッド脇に配置された磁場ソースから発信される磁界を、カプセル内視鏡に設けられた磁場検出コイルで検出し、磁場ソースと磁場検出コイル、すなわちカプセル内視鏡との相対的な位置を検出している。また、別の実施形態として、生体透過性のよい近赤外光を、アレイ状の光源から順次スキャンしてベッドに寝た人体に向けて照射し、カプセル内視鏡に設けたフォトセンサで近赤外光を検出して、検出強度と光源との位置関係からカプセル内視鏡の位置を求める例や、人体内のpHを測定するpH計測システムをカプセル内視鏡に設け、pHが規定の値になると同時に超音波エコーの通過・反射を妨げる物質をカプセル内視鏡の外に放出し、これを超音波画像で捉えてカプセル内視鏡の位置を同定する例が開示されている。
【0005】
特許文献2には、カプセル内視鏡で得られた画像データを電波で無線受信するアンテナの受信電波の強度を元に、カプセル内視鏡とアンテナとの距離を算出する方法が記載されている。算出した距離に変化がない場合、カプセル内視鏡が管路内で滞留していると判断して、警告を発する。また、画像データの一致度や、カプセル内視鏡に加わる圧力を元に、カプセル内視鏡の滞留の有無を検知する態様も記載されている。
【0006】
特許文献3に記載の技術は、カプセル内視鏡に磁気誘導コイルを設け、処置用のベッドの周囲に、磁気誘導コイルに誘導磁気を発生させる駆動コイルと、誘導磁気を検出する磁気センサとを設け、誘導磁気の検出結果からカプセル内視鏡の位置を検出している。
【特許文献1】特許第3321235号
【特許文献2】特開2003−116781号公報
【特許文献3】特開2006−026391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、3に記載の技術では、カプセル内視鏡に位置検出用の部品(磁場検出コイル、フォトセンサ、pH計測システム、磁気誘導コイルなど)を設ける必要があるため、位置検出用の部品の分だけカプセル内視鏡のサイズが大きくなるという問題があった。
【0008】
アンテナの受信電波の強度を元に位置を検出する特許文献2に記載の技術では、アンテナを貼り付ける位置を厳密に管理しない限り、検出精度よく位置を検出することができない。また、画像データの一致度や、カプセル内視鏡に加わる圧力を元に検出する態様では、カプセル内視鏡の滞留の有無は分かるが、位置を知ることはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、部品を追加することなく、検出精度よく被検体内におけるカプセル内視鏡の位置を検出することができるカプセル内視鏡の位置検出装置、位置検出方法、並びにカプセル内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、カプセル内視鏡の位置検出装置において、チャープパルスのマイクロ波を用いて、被検体内の比誘電率分布を取得する誘電特性取得部と、取得された比誘電率分布を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置情報を取得する位置情報取得部とを備えることを特徴とする。
【0011】
取得された位置情報の時間的な変化に基づいて、カプセル内視鏡が被検体内管路で滞留しているか否かを検知する滞留検知部と、滞留が検知された場合、その旨を報せる第一表示部とを備えることが好ましい。
【0012】
取得された位置情報を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の移動軌跡を表示する第二表示部を備えることが好ましい。
【0013】
取得された比誘電率分布、および位置情報を記憶する記憶部を備えることが好ましい。
【0014】
前記誘電特性取得部は、チャープパルスのマイクロ波を発生するチャープパルス発生手段と、マイクロ波を被検体に向けて放射する複数の送信アンテナ、および被検体を透過したマイクロ波を受信する複数の受信アンテナがアレイ状に配列されてなるアレイアンテナと、マイクロ波を被検体に走査するために、マイクロ波を送受信する送信アンテナおよび受信アンテナを選択的に切り替えるマルチプレクサと、送信したマイクロ波と受信したマイクロ波とのビート信号を取り出す帯域通過フィルタと、ビート信号のうち、マイクロ波を送受信した送信アンテナおよび受信アンテナ間を直進するマイクロ波に相当する周波数成分を選択的に取り出す周波数選択手段と、取り出された周波数成分から、被検体内の三次元の比誘電率分布を表す三次元画像データを生成する三次元画像生成手段とを有し、前記位置情報取得部は、生成された三次元画像データを解析し、被検体とカプセル内視鏡との比誘電率の差を利用して、三次元画像内のカプセル内視鏡の位置を認識するデータ解析手段を有することが好ましい。
【0015】
この場合、前記データ解析手段は、認識されたカプセル内視鏡の位置の三次元画像内における座標、および三次元画像の前後のフレーム間のカプセル内視鏡の移動距離を位置情報として求めることが好ましい。また、前記アレイアンテナは、被検体が装着可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
請求項8に記載の発明は、カプセル内視鏡の位置検出方法において、被検体内の比誘電率分布を取得する工程と、取得された比誘電率分布を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置情報を取得する工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、被検体内に嚥下され、被検体内を撮像するカプセル内視鏡と、カプセル内視鏡で得られた画像データを無線受信して、これを記憶する受信装置と、受信装置から画像データを取り込んで、記憶・管理する情報管理装置とからなるカプセル内視鏡システムにおいて、請求項1ないし7のいずれかに記載のカプセル内視鏡の位置検出装置を備えることを特徴とする。
【0018】
なお、前記カプセル内視鏡は、前後で比誘電率が異なる構造であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のカプセル内視鏡位置検出装置、位置検出方法、並びにカプセル内視鏡システムによれば、チャープパルスのマイクロ波を被検体に照射して被検体内の比誘電率分布を取得し、被検体とカプセル内視鏡の比誘電率の差を利用して、被検体内のカプセル内視鏡の位置を検出するので、カプセル内視鏡に位置検出用の部品を追加する必要がない。また、チャープパルスのマイクロ波による比誘電率の空間分解能は数mmであるため、検出精度よく位置を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1において、カプセル内視鏡システム2は、患者10の口部から体内に嚥下されるカプセル内視鏡(Capsule Endoscope、以下、CEと略す)11と、患者10がベルトなどに取り付けて携帯する受信装置12と、CE11で得られた画像を読影して、医師が診断を行うためのワークステーション(以下、WSと略記する)13とから構成される。
【0021】
CE11は、体内管路を通過する際に管路の内壁面を撮像し、これにより得られた画像データを電波67(図5参照)にて受信装置12に無線送信する。
【0022】
受信装置12は、各種設定画面を表示する液晶表示器(以下、LCDと略記する)14、および各種設定を行うための操作部15を備えている。受信装置12は、CE11から電波67で無線送信された画像データを無線受信し、これを記憶する。
【0023】
WS13は、プロセッサ16と、キーボードやマウスからなる操作部17と、モニタ18とを備えている。プロセッサ16は、例えば、USBケーブル19(赤外線通信などの無線通信を用いても可)で受信装置12と接続され、受信装置12とデータを遣り取りする。プロセッサ16は、CE11による検査中、または検査終了後に、受信装置12から画像データを取り込み、患者毎に画像データを蓄積・管理する。また、画像データからテレビ画像を生成し、これをモニタ18に表示させる。
【0024】
CE11と受信装置12間の電波67の送受信は、患者10が身に付けたシールドシャツ20内に装着された複数の画像用受信アンテナ21と、CE11内に設けられた画像用送信アンテナ49(図4、および図5参照)とを介して行われる。
【0025】
患者10には、画像用受信アンテナ21の他に、マイクロ波CT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影)を行うためのアレイアンテナ22が装着される。
【0026】
図2において、アレイアンテナ22は、略円筒状の基材30の周方向、および軸方向にm×n個のアンテナエレメント31を、少なくとも送信するマイクロ波の波長の半分以上の距離を空けて等間隔で並べた構成を有する。図3に示すように、個々のアンテナエレメント31は、マイクロ波用送信アンテナ32と、マイクロ波用受信アンテナ33とを備えている。なお、基材30には、患者10の行動が不自由にならず、且つ各アンテナエレメント31の位置関係が保たれるように、ある程度の可撓性を有する材料を用いることが好ましい。また、図示はしていないが、基材30には、アレイアンテナ22を患者10の肩から吊り下げるサスペンダー23(図1参照)の取り付け部が設けられており、患者10とアレイアンテナ22との位置関係が保たれるようになっている。
【0027】
図4において、CE11は、透明な前カバー40と、この前カバー40に嵌合して水密な空間を形成する後カバー41とからなる。両カバー40、41は、比誘電率が5程度の樹脂からなり、その先端または後端が略半球形状となった筒状に形成されている。
【0028】
両カバー40、41が作る空間内には、被観察部位の像光を取り込むための対物光学系42と、被観察部位の像光を撮像するCCDやCMOSなどの撮像素子43とからなる撮像部44が組み込まれている。撮像素子43は、対物光学系42から入射した被観察部位の像光が撮像面に結像され、各画素からこれに応じた撮像信号を出力する。
【0029】
対物光学系42は、前カバー40の先端の略半球形状となった部分に配された、透明な凸型の光学ドーム42aと、光学ドーム42aの後端に取り付けられ、後端に向けて先細となったレンズホルダー42bと、レンズホルダー42bに固着されたレンズ42cとから構成される。対物光学系42は、光軸45を中心軸として、例えば、前方視野角140°〜180°の撮影範囲を有し、この撮影範囲における被観察部位の全方位画像を像光として取り込む。
【0030】
両カバー40、41内には、撮像部44の他に、被観察部位に光を照射する照明光源部46、送信回路65や電力供給回路68(ともに図5参照)が実装された電気回路基板47、ボタン型の電池48、および電波67を送信するための画像用送信アンテナ49などが収容されている。
【0031】
図5において、CPU60は、CE11の全体の動作を統括的に制御する。CPU60には、ROM61、およびRAM62が接続されている。ROM61には、CE11の動作を制御するための各種プログラムやデータが記憶される。CPU60は、ROM61から必要なプログラムやデータを読み出してRAM62に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。
【0032】
撮像素子43には、ドライバ63、およびAFE(Analog Front End)64が接続されている。ドライバ63は、一定のフレームレートで撮影が行われるように、撮像素子43、およびAFE64の動作を制御する。AFE64は、撮像素子43から出力された撮像信号に対して、相関二重サンプリング、増幅、およびA/D変換を施して、撮像信号をデジタルの画像データに変換する。
【0033】
画像用送信アンテナ49には、送信回路65が接続され、送信回路65には、変調回路66が接続されている。変調回路66は、AFE64から出力されたデジタルの画像データを電波67に変調し、変調した電波67を送信回路65に出力する。送信回路65は、変調回路66からの電波67を増幅して帯域通過濾波した後、画像用送信アンテナ49に出力する。
【0034】
電力供給回路68は、電池48の電力をCE11の各部に供給する。なお、符号69は、CPU60の制御の下に、照明光源部46の駆動を制御するためのドライバである。
【0035】
図6において、CPU80は、受信装置12の全体の動作を統括的に制御する。CPU80には、バス81を介して、ROM82、およびRAM83が接続されている。ROM82には、受信装置12の動作を制御するための各種プログラムやデータが記憶される。CPU80は、ROM82から必要なプログラムやデータを読み出してRAM83に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU80は、操作部15からの操作入力信号に応じて、受信装置12の各部を動作させる。
【0036】
画像用受信アンテナ21には、受信回路84が接続されている。受信回路84には、バス81を介して、復調回路85が接続されている。受信回路84は、画像用受信アンテナ21を介して受信した電波67を増幅して帯域通過濾波した後、復調回路85に出力する。復調回路85は、受信回路84からの信号を元の画像データに復調し、復調した画像データをDSP(Digital Signal Processor)86に出力する。
【0037】
DSP86は、復調回路85で復調された画像データに対して、γ変換やYC変換などの各種信号処理を施した後、画像データをデータストレージ87に出力する。データストレージ87は、例えば、記憶容量が1GB程度のフラッシュメモリからなる。データストレージ87は、DSP86から順次出力される画像データを記憶・蓄積する。
【0038】
マイクロ波CT部88は、アレイアンテナ22の動作を制御するとともに、アレイアンテナ22からの出力を元に、患者10の体内の比誘電率分布を表す三次元画像を生成し、そのデータをデータストレージ87、およびデータ解析回路89に出力する。データストレージ87は、DSP86からの画像データと併せて、マイクロ波CT部88からのデータを記憶する。
【0039】
図7において、マイクロ波CT部88は、チャープパルス発生器100を有する。チャープパルス発生器100は、数GHzの周波数帯域のマイクロ波を、規定の掃引周波数で時間に応じて掃引したチャープパルス(点線で囲む枠内に示す)を発生する。チャープパルス発生器100で発生されたチャープパルスのマイクロ波(以下、単にマイクロ波という)は、分配器101によって、増幅器102、およびミキサー103に分配される。すなわち、増幅器102、およびミキサー103には、同一のマイクロ波が入力される。
【0040】
増幅器102は、分配器101からのマイクロ波を所定の増幅率で増幅し、送信側マルチプレクサ104に出力する。送信側マルチプレクサ104は、m×n個のマイクロ波用送信アンテナ32のうち、マイクロ波を放射する一個のマイクロ波用送信アンテナ32を選択的に切り替える。具体的には、送信側マルチプレクサ104は、アレイアンテナ22(基材30)の軸方向の一番上のm=1のマイクロ波用送信アンテナ32から、アレイアンテナ22の周方向にわたってm個のマイクロ波用送信アンテナ32を順次一個ずつ選択していき、これを軸方向にn回繰り返す。
【0041】
マイクロ波用受信アンテナ33には、送信側マルチプレクサ104と同様の機能を有する受信側マルチプレクサ105が接続されている。受信側マルチプレクサ105は、m×n個のマイクロ波用受信アンテナ33のうち、送信側マルチプレクサ104で選択され、マイクロ波を放射するマイクロ波用送信アンテナ32と対向する位置に配されたマイクロ波用受信アンテナ33が選択されるように切り替える。つまり、マイクロ波用送信アンテナ32から放射されたマイクロ波は、点線矢印で示すように患者10の体内を一部透過して、マイクロ波を放射したマイクロ波用送信アンテナ32と対向する位置に配されたマイクロ波用受信アンテナ33で受信される。
【0042】
増幅器106は、受信側マルチプレクサ105で選択されたマイクロ波用受信アンテナ33で受信したマイクロ波を所定の増幅率で増幅し、ミキサー103に出力する。ミキサー103は、分配器101からのマイクロ波と、増幅器106からのマイクロ波とを掛け合わせ、帯域通過フィルタ107に出力する。帯域通過フィルタ107は、分配器101からのマイクロ波と、増幅器106からのマイクロ波とのビート信号を選択的に取り出す。
【0043】
FFTアナライザ(周波数選択手段に相当)108は、帯域通過フィルタ107で取り出されたビート信号に対して、高速フーリエ変換を用いたスペクトル分析を行う。FFTアナライザ108は、ビート信号のうち、マイクロ波を送受信したマイクロ波用送信アンテナ32およびマイクロ波用受信アンテナ33間を直進するマイクロ波に相当する時間遅れをもつ周波数成分のみを選択的に取り出す。これにより、時間遅れと所定時間異なる時間遅れをもった回折波や反射波がビート信号から除去され、略直進波成分のみを取り出すことができる。すなわち、マイクロ波をあたかもX線のような直線伝搬するビームとして扱うことができる。
【0044】
FFTアナライザ108で取り出したデータ(以下、一次元画像データと略す)は、マイクロ波を送受信したマイクロ波用送信アンテナ32およびマイクロ波用受信アンテナ33間における一次元的なマイクロ波の減衰量を積分した値となっている。マイクロ波の減衰量は、対象物(この場合は患者10の体内)の導電率と比誘電率によって決まる。このため、マイクロ波の減衰量を解析すれば、対象物の比誘電率分布を知ることができ、比誘電率の強度を色の階調値に変換して表せば、比誘電率分布を画像化することができる。
【0045】
三次元画像生成回路109は、X線CTなどで用いられる周知の画像再構成法、ボリュームレンダリング法に基づいて、一次元画像データから三次元画像データを生成する。具体的には、図8に模式的に示すように、三次元画像生成回路109は、まず、画像再構成法を適用して、アレイアンテナ22の周方向にわたるm個分の一次元画像データ120を元に、アレイアンテナ22の軸方向に直交する面における二次元誘電率分布を表す二次元画像データ121を求める。
【0046】
二次元画像データ121は、アンテナエレメント31が軸方向にn個並んでいるので、n個分求められる。二次元画像データ121は、マイクロ波用送信アンテナ32およびマイクロ波用受信アンテナ33間にある患者10の体を、アレイアンテナ22の軸方向に直交する面で輪切りした断層像を表している。
【0047】
三次元画像生成回路109は、ボリュームレンダリング法により、適当な方法で隣り合う二次元画像データ121間の画素補間などを行いつつ、n個分の二次元画像データ121から三次元画像データ122を求める。三次元画像データ122は、二次元画像データ121で表される断層像を、アレイアンテナ22の軸方向にn個分積み重ねた三次元画像を表している。
【0048】
図6に戻って、データ解析回路89は、三次元画像生成回路109で求めた三次元画像データを解析して、体内におけるCE11の位置情報を取得する。データ解析回路89は、取得したCE11の位置情報のデータをCPU80、およびデータストレージ87に出力する。データストレージ87は、データ解析回路89からの位置情報のデータを記憶する。
【0049】
ここで、生体組織の比誘電率は、概ね50〜80である。一方、CE11は、前述のように、比誘電率が5程度の樹脂からなる前カバー40、後カバー41で覆われている。このため、CE11とその周りの生体組織は、三次元画像データ122上では明確に区別される。
【0050】
データ解析回路89は、CE11と生体組織との比誘電率の差を利用して、三次元画像データ122内のCE11に該当する領域を認識する。CE11に該当する領域を認識する方法としては、文字通りそのまま比誘電率の差を利用する。あるいは、CE11に該当する領域をより確実に認識するために、CE11を表すデータを予めテンプレートとして用意し、三次元画像データ122の所定の領域(サーチエリア)毎に、テンプレートとの形状や色の一致の度合いを検出していく。このとき、サーチエリアの大きさや角度を種々変えながら、三次元画像データ122の全領域に亘って検出を行う。そして、一致の度合いが最も高い部分をCE11に該当する領域と判断するという方法もある。
【0051】
データ解析回路89は、上記のようにして認識したCE11に該当する領域の位置を求める。例えば、図8に示すように、三次元画像データ122を構成する各画素122aの位置をXYZの直交座標系(アレイアンテナ22の軸方向に直交する三次元画像の面の幅方向と奥行き方向をそれぞれX、Y、アレイアンテナ22の軸方向に平行な三次元画像の高さ方向をZとする)で表し、CE11に該当する領域の中心画素の座標をCE11の位置とする。
【0052】
データ解析回路89は、1フレーム前の三次元画像データ122から求めたCE11の位置と、現フレームの三次元画像データ122から求めたCE11の位置との差分、すなわち、各フレーム間のCE11の移動距離を算出する。例えば、1フレーム前のCE11に該当する領域の中心画素の座標が(X0、Y0、Z0)、同じく現フレームの座標が(X1、Y1、Z1)であったとすると、移動距離は、(X1−X0)+(Y1−Y0)+(Z1−Z0)を計算することで求められる。なお、CE11に該当する領域の中心画素の座標、およびこれから求められるCE11の移動距離は、あくまでも三次元画像データ122内におけるものであり、実際のCE11の位置、および移動距離を表すものではないが、アンテナエレメント31間の距離などのアレイアンテナ22のサイズは既知であり、体内の様子は三次元画像である程度分かるため、CE11に該当する領域の中心画素の座標、およびこれから求められるCE11の移動距離を元に、実際の体内におけるCE11の位置、および移動距離を類推することは可能である。
【0053】
CPU80は、データ解析回路89からのCE11の位置情報に基づいて、CE11が体内管路に滞留しているか否かを検知する。すなわち、CE11が管路に滞留していた場合は、CE11に該当する領域の中心画素の座標に殆ど変化が見られず、移動距離も略0(ゼロ)となる。CPU80は、CE11に該当する領域の中心画素の座標が所定時間変化しなかった場合、あるいは、移動距離が所定時間0(ゼロ)であった場合、CE11が管路に滞留していると判断する。
【0054】
CPU80は、CE11が管路に滞留していると判断した場合、LCD14にその旨を表す警告メッセージを表示させる。CE11が管路に滞留している旨を報せる手段としては、LCD14に警告メッセージを表示させる他に、パイロットランプを設けてこれを点灯させる、あるいは、スピーカーを設けて音声を出力するなどしてもよい。
【0055】
バス81には、上記各部の他に、LCD14の表示制御を行うドライバ90、USBコネクタ91を介してプロセッサ16とのデータの遣り取りを媒介する通信I/F92、電池93の電力を受信装置12の各部に供給する電力供給回路94などが接続されている。
【0056】
図9において、CPU130は、WS13の全体の動作を統括的に制御する。CPU130には、バス131を介して、モニタ18の表示制御を行うドライバ132、USBコネクタ133を経由した受信装置12とのデータの遣り取りを媒介し、受信装置12からの画像データを受信する通信I/F134、データストレージ135、およびRAM136が接続されている。
【0057】
データストレージ135には、WS13の動作に必要な各種プログラムやデータ、医師の診断を扶ける診断支援ソフトのプログラム、患者毎の診断情報などが記憶されている。また、データストレージ135には、受信装置12からダウンロードされる、撮像素子43による被観察部位の画像データ、マイクロ波CT部88による三次元画像データ122、およびデータ解析回路89によるCE11の位置情報のデータが記憶される。RAM136には、データストレージ135から読み出したデータや、各種演算処理により生じる中間データが一時記憶される。
【0058】
診断支援ソフトを立ち上げると、モニタ18には、例えば、図10に示すような作業ウィンドウ140が表示される。この作業ウィンドウ上で医師が操作部17を操作することにより、画像の表示・編集、診断情報の入力などを行うことができる。
【0059】
作業ウィンドウ140には、患者10の氏名、年齢などを記載した患者情報や、検査日などの検査情報が表示される領域141の他、体内におけるCE11の移動軌跡を表す領域142、撮像素子43による被観察部位の画像を動画像のように連続表示する領域143、および被観察部位の画像を一枚ずつ表示する領域144が設けられている。
【0060】
領域142には、簡易的な人体の解剖図145が描かれており、データ解析回路89によるCE11の位置情報から導かれるCE11の移動軌跡146が解剖図145内に表示されている。この場合、アレイアンテナ22のサイズなどを加味して、画素122aの座標と解剖図145の各点との位置関係を予め定めておく。そして、CE11に該当する領域の中心画素の座標を解剖図145の各点に割り当てていき、割り当てた点を線で結んで移動軌跡146とする。なお、ここでは、XZの二次元の移動軌跡146を例示して説明したが、勿論、解剖図145を三次元画像とし、XYZの三次元の移動軌跡を表示してもよい。
【0061】
次に、上記のように構成されたカプセル内視鏡システム2で検査を行う際の処理手順を、図11のフローチャートを参照して説明する。まず、検査前の準備として、受信装置12、シールドシャツ20、アンテナ21、およびアレイアンテナ22を患者10に装着させる。そして、受信装置12の電源を投入して、患者10の体内の三次元画像データ122をリファレンスとして取得した後、CE11の電源を投入して患者10にCE11を嚥下させる。
【0062】
CE11が患者10に嚥下されると、照明光源部46で照明されつつ、撮像素子43により体内管路の内壁面が撮像される。このとき、対物光学系42から入射した体内の被観察部位の像光は、撮像素子43の撮像面に結像され、これにより撮像素子43から撮像信号が出力される。撮像素子43から出力された撮像信号は、AFE64で相関二重サンプリング、増幅、およびA/D変換が施され、デジタルの画像データに変換される。
【0063】
AFE64から出力されたデジタルの画像データは、変調回路66で電波67に変調される。変調された電波67は、送信回路65で増幅、帯域通過濾波された後、画像用送信アンテナ21から送信される。
【0064】
画像用受信アンテナ49で電波67が受信されると、受信回路84で電波67が増幅、帯域通過濾波された後、復調回路85で元の画像データに復調される。復調された画像データは、DSP86で各種信号処理が施された後、データストレージ87に出力される。
【0065】
上記のようにして撮像素子43で被観察部位の画像が取得される一方、図11に示すように、S10において、マイクロ波CT部88によって、マイクロ波用送信アンテナ32およびマイクロ波用受信アンテナ33間でマイクロ波が送受信される。このとき、送信側マルチプレクサ104、および受信側マルチプレクサ105により、マイクロ波を送受信する各アンテナ32、33が選択的に切り替えられ、アレイアンテナ22の周方向、および軸方向にわたって、m×n回マイクロ波の送受信が繰り返される。
【0066】
マイクロ波用受信アンテナ33で受信されたマイクロ波は、増幅器106で増幅されてミキサー103に入力される。ミキサー103では、チャープパルス発生器100で発生されて分配器101で分配された送信波と同じマイクロ波と、受信されたマイクロ波とが掛け合わされる。
【0067】
そして、帯域通過フィルタ107によって、分配器101からのマイクロ波と、増幅器102からのマイクロ波とのビート信号が取り出される。次いで、FFTアナライザ108で、ビート信号のうち、マイクロ波を送受信したマイクロ波用送信アンテナ32およびマイクロ波用受信アンテナ33間を直進するマイクロ波に相当する時間遅れをもつ周波数成分、すなわち一次元画像データが選択的に取り出される。
【0068】
S11において、三次元画像生成回路109では、周知の画像再構成法、ボリュームレンダリング法が適用され、一次元画像データから三次元画像データが生成される。S12において、データ解析回路89では、三次元画像生成回路109からの三次元画像データから、体内におけるCE11の位置情報(CE11に該当する領域の中心画素の座標、および移動距離)が取得される。
【0069】
S13において、CPU80により、データ解析回路89からのCE11の位置情報に基づいて、CE11が管路に滞留しているか否かが検知される。そして、S14において、CE11が管路に滞留していると判断された場合、S15に進んで、LCD14にその旨を示す警告が表示され、S16に進む。CE11が管路に滞留していないと判断された場合は、S15に進まず、そのままS16に進む。
【0070】
S16において、撮像素子43による被観察部位の画像データと併せて、マイクロ波CT部88による三次元画像データ122、およびデータ解析回路89によるCE11の位置情報のデータがデータストレージ87に記憶される。これら一連の処理は、CE11による検査が終了する(S17でno)まで繰り返し実行される。
【0071】
検査終了後、再び受信装置12とプロセッサ16とをUSBケーブル19で接続し、データストレージ87に記憶された各データをWS13のデータストレージ135にアップロードする。そして、WS13にて、診断支援ソフトを用いて診断を行う。診断支援ソフトの作業ウィンドウ140には、CE11の位置情報を元にしたCE11の移動軌跡146が解剖図145内に表示される。
【0072】
以上説明したように、チャープパルスのマイクロ波を用いて患者10の体内の比誘電率分布を表す三次元画像を生成し、三次元画像データを解析してCE11の体内における位置情報を取得するので、CE11に位置検出用の部品を追加することなく、CE11の滞留検知や移動軌跡146の表示を行うことができる。また、チャープパルスのマイクロ波による比誘電率の空間分解能は数mmであるため、従来の方法と比べて、CE11の位置の検出精度を飛躍的に向上させることができる。さらに、人体に影響を与えることなく、非侵襲でCE11の位置を検出することができる。
【0073】
CE11の移動軌跡146を表示するので、読影時の利便性を高めることができる。また、CE11が管路に滞留したときには、滞留箇所の見当がつくので、迅速且つ的確な処置を施すことができる。さらに、アレイアンテナ22を患者10が装着可能な構成としたので、患者10を処置用のベッドに拘束する必要がなくなる。
【0074】
上記実施形態では、前カバー40と後カバー41とに同じ材料を用いているが、前カバー40と後カバー41を、比誘電率が互いに異なる材料としてもよい。前カバー40と後カバー41の比誘電率を異ならせれば、CE11と生体組織だけでなく、三次元画像データから前カバー40と後カバー41とを区別することができ、これを元にCE11の体内における方向も知ることができる。CE11の方向を知ることができれば、位置情報と併せて参照することにより、画像の具体的な撮像箇所を特定することができる。
【0075】
なお、アレイアンテナ22の構成や駆動方法は、上記実施形態で例示した態様に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態のようにマイクロ波用送信アンテナ32とマイクロ波用受信アンテナ33をそれぞれ設けるのではなく、アンテナの後段に送受信切り替えスイッチを設け、一つのアンテナでマイクロ波の送受信を賄う構成としてもよい。また、送信側マルチプレクサ104、および受信側マルチプレクサ105で一つずつ選択してマイクロ波を送受信するのではなく、隣り合う数個のアンテナを同時に選択して、数個のアンテナ単位でマイクロ波を送受信してもよい。
【0076】
撮像素子43による被観察部位の画像データ、マイクロ波CT部88による三次元画像データ122、およびデータ解析回路89によるCE11の位置情報のデータをそれぞれ関連付けて記憶しておけば、例えば、図10において、移動軌跡146にカーソル147を合わせて選択すると、その位置における被観察部位の画像を領域144に表示させるなど、各データを連携させることができ、読影を円滑に進めることができる。また、定期検診や開腹手術後の経過観察をCE11で行う場合、重点的に読影すべき病変部などの凡その位置が予め分かっているので、上記のように各データを連携させれば、目的の部位を撮像した画像を直ちに検索することができ、特に有効である。
【0077】
上記実施形態では、アレイアンテナ22を患者10が装着可能とした例を挙げたが、X線CT装置や核磁気共鳴画像(MRI)装置と同じように、ベッドサイドにアレイアンテナ22を設けて、ベッドに患者10を寝かせた状態でアレイアンテナ22を患者10の周りに回転させる、あるいはアレイアンテナ22に対してベッドを移動させるなどして、マイクロ波を患者10に走査してもよい。また、マイクロ波CT部88を受信装置12に設けた態様を例示して説明したが、これらを切り離して別々の装置としてもよい。あるいは、受信装置12にCE11の移動軌跡を生成する機能を設けて、LCD14にリアルタイムで移動軌跡を表示してもよい。要するに、本発明の主旨を逸脱しない限り、如何様な変更も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】カプセル内視鏡システムの構成を示す概略図である。
【図2】アレイアンテナの構成を示す斜視図である。
【図3】アンテナエレメントの構成を示す概略図である。
【図4】カプセル内視鏡の内部構成を示す断面図である。
【図5】カプセル内視鏡の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】受信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】マイクロ波CT部の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】三次元画像生成回路の処理を模式的に示す説明図である。
【図9】ワークステーションの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】カプセル内視鏡の移動軌跡の表示例を示す説明図である。
【図11】カプセル内視鏡の体内における位置を検出するための処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
2 カプセル内視鏡システム
11 カプセル内視鏡(CE)
12 受信装置
13 ワークステーション(WS)
14 液晶表示器(LCD)
18 モニタ
22 アレイアンテナ
32 マイクロ波用送信アンテナ
33 マイクロ波用受信アンテナ
80 CPU
87 データストレージ
88 マイクロ波CT部
89 データ解析回路
100 チャープパルス発生器
104 送信側マルチプレクサ
105 受信側マルチプレクサ
107 帯域通過フィルタ
108 FFTアナライザ
109 三次元画像生成回路
122 三次元画像データ
135 データストレージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャープパルスのマイクロ波を用いて、被検体内の比誘電率分布を取得する誘電特性取得部と、
取得された比誘電率分布を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置情報を取得する位置情報取得部とを備えることを特徴とするカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項2】
取得された位置情報の時間的な変化に基づいて、カプセル内視鏡が被検体内管路で滞留しているか否かを検知する滞留検知部と、
滞留が検知された場合、その旨を報せる第一表示部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項3】
取得された位置情報を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の移動軌跡を表示する第二表示部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項4】
取得された比誘電率分布、および位置情報を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項5】
前記誘電特性取得部は、チャープパルスのマイクロ波を発生するチャープパルス発生手段と、
マイクロ波を被検体に向けて放射する複数の送信アンテナ、および被検体を透過したマイクロ波を受信する複数の受信アンテナがアレイ状に配列されてなるアレイアンテナと、
マイクロ波を被検体に走査するために、マイクロ波を送受信する送信アンテナおよび受信アンテナを選択的に切り替えるマルチプレクサと、
送信したマイクロ波と受信したマイクロ波とのビート信号を取り出す帯域通過フィルタと、
ビート信号のうち、マイクロ波を送受信した送信アンテナおよび受信アンテナ間を直進するマイクロ波に相当する周波数成分を選択的に取り出す周波数選択手段と、
取り出された周波数成分から、被検体内の三次元の比誘電率分布を表す三次元画像データを生成する三次元画像生成手段とを有し、
前記位置情報取得部は、生成された三次元画像データを解析し、被検体とカプセル内視鏡との比誘電率の差を利用して、三次元画像内のカプセル内視鏡の位置を認識するデータ解析手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項6】
前記データ解析手段は、認識されたカプセル内視鏡の位置の三次元画像内における座標、および三次元画像の前後のフレーム間のカプセル内視鏡の移動距離を位置情報として求めることを特徴とする請求項5に記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項7】
前記アレイアンテナは、被検体が装着可能に構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のカプセル内視鏡の位置検出装置。
【請求項8】
被検体内の比誘電率分布を取得する工程と、
取得された比誘電率分布を元に、被検体内におけるカプセル内視鏡の位置情報を取得する工程とを備えることを特徴とするカプセル内視鏡の位置検出方法。
【請求項9】
被検体内に嚥下され、被検体内を撮像するカプセル内視鏡と、カプセル内視鏡で得られた画像データを無線受信して、これを記憶する受信装置と、受信装置から画像データを取り込んで、記憶・管理する情報管理装置とからなるカプセル内視鏡システムにおいて、
請求項1ないし7のいずれかに記載のカプセル内視鏡の位置検出装置を備えることを特徴とするカプセル内視鏡システム。
【請求項10】
前記カプセル内視鏡は、前後で比誘電率が異なる構造であることを特徴とする請求項9に記載のカプセル内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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