カムコーダー装置
【課題】カムコーダー装置に記録された動画像データの再生時に所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を向上させる。
【解決手段】カムコーダー装置は、動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながらディスク3bに記録し、そのディスク3bに記録された動画像をクリップ毎に再生する。CPU11は、動画像の記録時に、電源断またはディスク取り出し操作があるまで、ディスク3bに記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて繋ぎ撮りグループ管理情報12bに管理する。CPU11は、動画像の再生時に、繋ぎ撮りグループ管理情報12bに基づいて、LCD7の再生メニュー画面上でクリップを選択するための代表画像を繋ぎ撮りグループ毎に表示する。このとき、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが視覚的に判断可能な形式で表示する。
【解決手段】カムコーダー装置は、動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながらディスク3bに記録し、そのディスク3bに記録された動画像をクリップ毎に再生する。CPU11は、動画像の記録時に、電源断またはディスク取り出し操作があるまで、ディスク3bに記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて繋ぎ撮りグループ管理情報12bに管理する。CPU11は、動画像の再生時に、繋ぎ撮りグループ管理情報12bに基づいて、LCD7の再生メニュー画面上でクリップを選択するための代表画像を繋ぎ撮りグループ毎に表示する。このとき、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが視覚的に判断可能な形式で表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムコーダー装置に係り、特にカムコーダー装置に記録される動画像データの管理方法と、その動画像データの再生メニュー表示時の制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカムコーダー装置を用いた撮影においては、次のような動画像の繋ぎ撮りが行われる場合がある。まず、ユーザーは、記録待機(ポーズ)状態で記録トリガーボタンを押下する。これをトリガーにして、記録待機状態から記録(REC)状態に移行させ、記録を開始する。これにより、ユーザーは、動画像の撮影時間が数秒から数分の短いクリップを撮影する。その後、ユーザーは、再び記録トリガーボタンを押下する。これをトリガーにして、記録状態から記録待機状態に戻し、記録を終了する。こういった一連の動作を連続して何回も行なうことで、動画像を繋ぎ撮りしながら、繋ぎ撮り中の各クリップを記録媒体上に記録する。
【0003】
このように記録媒体に記録された動画像の各クリップの中から所望のクリップを再生する場合、まず、再生モードに切り替えて、表示装置の画面上に所定の再生メニュー画面を表示させる。この画面には、各クリップの代表フレーム(通常は先頭フレーム)に対応するサムネイル画像(縮小画像)がクリップ毎に表示される。ユーザーは、表示されたサムネイル画像を見ながら、所望のクリップを選択する。こうすることで、選択されたクリップの動画像が再生される。
【0004】
上記の再生メニュー用のサムネイル画像は、クリップすべてについて表示出力する必要がある。この場合、再生メニュー画面のサイズは一定であるため、1画面(1ページ)に表示し得るサムネイル画像の枚数にも制約がある。このため、前述のように記録待機状態と記録状態とを繰り返しながら撮影すると、クリップが増える分、再生メニュー画面のページ数も増え、複数ページに渡って構成されることになる(例えば、特許文献1参照)。そうすると、所望のクリップにアクセスする際に、対応するサムネイル画像を表示しているページが確認されるまで、ページを送る操作(メニューページ送り操作)が必要となる。
【特許文献1】特開2005−079823号公報
【特許文献2】特開平11−215457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなカムコーダー撮影の状況下においては、ユーザーが所望のクリップにアクセスしてその再生を行なうまでに、煩雑なメニューページ送り操作を必要とする。このため、所望のクリップにアクセスするまでの検索性が良くない。その対策の一つとしては、メニュー画面を年、月、日の期間毎にカレンダー表示することによって記録内容の検索性を容易にする方法が知られている(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2では、画像登録リストと日付別編集テーブルとを使用し、記録されている撮影画像の縮小画像を年、月、日ごとにカレンダー表示する撮影画像表示装置が開示されている。この装置では、使用者が撮影画像の検索範囲を自由に指定すると、テーブル内の情報をサーチしてメニュー画面を再構成する。しかし、これによれば、同じ日時において、比較的短いクリップを多数撮影する運動会や音楽会などの使用環境下では、やはりメニュー画面のページ数が増えてメニュー階層が深くなってしまう。そうすると、前述の状況と同様に、再生時に所望のクリップにアクセスするまでの検索性が良くないといった問題が残ってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、カムコーダー装置に記録された動画像データの再生時に所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るカムコーダー装置は、動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながら記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された前記動画像をクリップ毎に再生する。この構成で、前記動画像の記録時に、電源断または前記記録媒体の取り出し操作があるまで、前記記録媒体に記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて管理する繋ぎ撮りグループ管理手段を有する。
【0009】
本発明において、前記動画像の再生時に、前記繋ぎ撮りグループ管理手段により管理される情報に基づいて、再生メニュー画面上で前記クリップを選択するための代表画像を前記繋ぎ撮りグループ毎に表示する再生メニュー表示手段をさらに有してもよい。
【0010】
前記再生メニュー表示手段は、以下のような態様であってもよい。
【0011】
1)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが前記再生メニュー画面上で視覚的に判断可能な形式で前記繋ぎ撮りグループ毎に前記代表画像を表示する。
【0012】
2)前記再生メニュー画面上に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像を複数枚重ね合わせた形式で表示する。
【0013】
3)前記再生メニュー画面上の前記代表画像内またはその代表画像に隣接する表示領域に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のクリップ数を視認可能に表示する。
【0014】
4)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のうち第一クリップの第一フレームの縮小画像を前記代表画像として表示する。
【0015】
5)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像として、前記複数のクリップの各々に対応する複数の第一フレームの縮小画像を複数枚重ね合わせた形式で、その各々の表示プレーンを互いに切り替え可能に表示する。
【0016】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、以下のような態様であってもよい。
【0017】
1)繋ぎ撮りグループ数と、グループ番号と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを関連付けて管理する。この場合、前記電源断または前記記録媒体の取り出し操作時に前記繋ぎ撮りグループ数を更新し、次回電源投入または前記記録媒体の充填操作後に繋ぎ撮りされた一連のクリップ群を新規の同一繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理してもよい。
【0018】
2)電源投入時に前回電源断からの経過時間を判断する。その結果、前記経過時間が予め設定された時間以内であれば、前記電源投入後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記電源断前に前記記録媒体に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理する。
【0019】
3)前記記録媒体の充填時に前回取り出された記録媒体と今回充填された記録媒体とが同一かどうかを判断する。その結果、両者が同一であれば、前記記録媒体の充填後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記記録媒体の取り出し前に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を、記録媒体の取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として管理している。これによって、繋ぎ撮りを行なった一連の動画像をグループとして管理するようにしたため、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態は、カムコーダー装置による記録撮影時に繋ぎ撮り中の一連の動画像のクリップ群を、記録媒体の取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、グループ化して管理、すなわち同一の繋ぎ撮りグループとして関連付けて管理するものである。繋ぎ撮りグループの管理は、例えば、繋ぎ撮りのグループ数と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを動画データとは別の管理情報として関連付けることによって実現する。この繋ぎ撮りグループを関連付けるための管理情報は、カムコーダー装置内に設けた不揮発性メモリ上に記憶してもよいし、記録媒体上に記録書き込みを行なってもよい。
【0023】
さらに、上記繋ぎ撮りによるグループ化を施したクリップを再生する場合には、サムネイルメニュー画面としてグループであることを、かつ該グループに幾つクリップが含まれているかの情報を表示する。このような撮影操作情報も含めたカムコーダー装置の再生機能を実現することで、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を向上させることができる。
【0024】
なお、上述の手段に加え、短いクリップ撮影の直後に電源断をする操作を頻繁に繰り返した場合には、上記グループ関連情報の最終更新時間とカムコーダー内部の現在時刻情報とを比較し、最終更新日時からの経過時間(例えば、メモリ内のデータ保持期間)によってグループ化を行なう手段を具備してもよいものとする。
【0025】
同様にディスク取り出し操作直後に再び同じディスクを装填されたような場合には、ディスク装填操作前後にディスクから取得したディスク識別情報を比較し、同じIDである場合にはディスク装填前の最終グループにクリップ情報を追加するように管理する手段を具備してもよいものとする。
【0026】
図1には、本実施の形態によるカムコーダー装置の概略構成ブロック図を示す。
【0027】
図1に示すカムコーダー装置は、ディスク記録再生装置を具備したもので、システムバス10に接続された複数のシステムブロックを備える。各システムブロックには、カメラ1aを駆動するカメラ部1、ECC(Error Check and Correct)部2、ディスクドライバ3aを制御するディスクコントローラ3、DRAM(Dynamic Random Access Memory)4が含まれる。その他、MPEG(Moving Picture Experts Group)コーデック5、操作部6、LCD(液晶ディスプレイ)7、タッチパネル8、スピーカー9、CPU(Central Processing Unit)11、及び不揮発性メモリ12が含まれる。これらの各システムブロックは、システムバス10を経由して、互いにデータ転送や制御用コマンドの送受信が可能となっている。
【0028】
このうち、カメラ部1は、画像入力や、フォーカス・ピント調整等、カメラ1aの駆動を行なう。ECC部2は、データにエラー検出用パリティを付加し、その付加されたパリティ情報を元に実データ中のエラー訂正を行なう。ディスクコントローラ3は、ディスクドライブ3aを制御して、ディスク(記録媒体)3bへのデータ書き込み、またはディスク3bからのデータ読み出し再生を行なう。DRAM4は、各システムブロックでの処理に必要なデータ蓄積を行なう。MPEGコーデック5は、元画像をMPEG形式のデータに圧縮し、これとは逆にMPEG形式のデータから元画像に復号する。
【0029】
また、操作部6は、ユーザーからのボタン押下による動作指示や、リモコン(非図示)からの操作指示を受信し、本システムに通知するインタフェースとして設けられる。動作・操作指示には、例えば各種動作モードの切り替えや、記録開始/終了、再生開始/終了、電源ON/OFF、ディスク挿入/取り出し等の指示が含まれる。これらの指示信号は、CPU11に送られる。
【0030】
また、LCD7は、カメラ部1から入力された動画像をそのままスルーで画面上にモニタ出力し、またはディスク3bからの再生読み出しを行った後の動画像を画面上に表示出力する。タッチパネル8は、LCD7の表示画面上から、ユーザーが本システムの制御用の各種操作を行なえるためのインタフェースとして設けられる。スピーカー9は、入力された音声データをD/A(Digital to Analog)変換後に音声出力を行なう。
【0031】
さらに、CPU11は、上記各システムブロックの動作全体を記録再生システムとして制御するソフトウェアをプログラムメモリ(非図示)に搭載している。CPU11は、そのプログラムメモリに搭載された制御ソフトウェアのプログラムコードを実行して、各システムブロックの動作を制御する。メモリ12は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、繋ぎ撮りグループ管理情報(以下、「管理情報」と略称する)12aを更新可能に保持する。管理情報12aの詳細については後述する。このメモリ12は、単独で設けてもよく、CPU11内に設けてもよい。あるいは、DRAM4と兼用してもよい。
【0032】
次に、上記カムコーダーの記録再生システムにおける記録と再生の基本動作について説明する。
(記録時の基本動作)
まず、記録時の基本動作について説明する。CPU11には、電源ON及びディスク挿入状態にて、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8に対して、ユーザーの操作により記録動作モードの操作指令が与えられる。
これにより、CPU11は、記録動作モードを起動し、記録待機モードに遷移させる。この記録待機モードでは、CPU11の制御のもとで、カメラ部1からAD(Analog to digital)変換された動画像の非圧縮デジタル画像データが入力され、システムバス10を経由してDRAM4のビデオフレーム用領域に蓄積される。これと同時に、ユーザーにはLCD7の画面上に現在撮影中の動画像のフレームが表示出力される。
【0033】
この記録待機モードで、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、記録開始命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その記録開始命令を受けると、これを記録動作の開始トリガーとして、記録待機モードから記録実行(記録中)モードに遷移させて記録を開始し、次のようなシーケンスでシステムの各ブロックを制御する。
【0034】
すなわち、記録実行モードでは、DRAM4に蓄積された非圧縮デジタル画像データは、逐次MPEGコーデック5においてMPEGストリーム形式にデータ圧縮され、その後折り返しシステムバス10を経由してDRAM4のMPEGデータ格納領域に蓄積される。さらに該MPEGデータに対して、ECC部2はエラー訂正のパリティビット符号を付加した後、ディスクコントローラ3から記録媒体3bにデータ書き込みを行なう。
【0035】
そして、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、記録停止命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その記録停止命令を受けると、これを記録終了のトリガーとして、記録実行モードから記録待機モードに遷移させ、ECC部2、ディスクコントローラ3、MPEGコーデック5の動作を停止する。この場合、カメラ部1から画像入力とLCD7へのスルー表示動作は停止しなくともよい。
(再生時の基本動作)
次に、再生時の基本動作について説明する。CPU11には、電源ON及びディスク挿入状態にて、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8に対して、ユーザーの操作により再生動作モードの操作指令が与えられる。これにより、CPU11は、再生動作モードを起動し、再生待機モードに遷移させる。この再生待機モードでは、CPU11の制御のもとで、ディスク3bにユーザーが撮影した、どのような動画コンテンツが格納されているかの概略を知ることが出来るように縮小画像(サムネイル画像)が、LCD7の画面上に並べてメニュー表示される。本実施の形態では、例えば動画コンテンツの代表画像を取り出して作成したサムネイル画像を、LCD7上に並べてメニュー表示するものとする。
【0036】
上記のサムネイル画像は、記録済み動画像データがディスク3b上のどの位置から記録されているかの再生時の読み出し、アクセスに必要な位置情報との関連付けがなされている。そして、そのサムネイル画像を選択することによって所望のクリップを再生することが可能となる。通常、このサムネイル画像は、記録済みのクリップの先頭に位置する第1フレーム(Iピクチャ)のみをディスク3bから読み出し、MPEGコーデック5で復号処理を行い、縮小処理を行なった後、LCD7の画面上に複数枚並べて表示する。
【0037】
上記の再生待機モードにて、前述の記録開始時と同様に操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、所望のクリップに対する再生開始命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その再生開始命令を受けると、これを再生動作の開始トリガーとして、再生待機モードから再生実行(再生中)モードに遷移させて再生を開始し、次のようなシーケンスでシステムの各ブロックを制御する。
【0038】
再生開始命令を受けたCPU11は、該再生対象クリップの動画像データが記録されているディスク3b上の位置やサイズを管理するファイルシステムなどのディスク管理情報を元に、ディスクコントローラ3からディスク3bにアクセスする。そして、該当する動画像データをDRAM4に読み出し蓄積する。
【0039】
次いで、DRAM4に蓄積したディスク3bからの読み出しデータに対して、ECC部2はエラー訂正処理を行い、ディスク3b上の傷や劣化に起因するデータエラーを訂正する。続いて、エラー訂正後の読み出しデータから、ECC部2のパリティ符号ビットを除いた実データ(MPEGデータ)を、MPEGコーデック5に入力し、MPEGデータの復号処理を行なう。MPEGコーデック5の復号処理によって生成された元画像データは、システムバス10を介して、DRAM4のビデオフレーム領域に蓄積し、LCD7の画面上に連続して出力表示する。これは、画像データがNTSC(National Television System Committee)規格のビデオ信号の場合は1秒間に30フレームの間隔で行なう。
【0040】
そして、ディスク3bの読み出し位置が、該動画コンテンツのデータ終端に達し、CPU11がこれを検知すると、CPU11は、それを再生終了のトリガーとして、再生実行モードから再生待機モードに遷移させる。これは、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、再生停止のコマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信した場合も同様である。この再生終了時には、CPU11は、ECCブロック2、ディスクコントローラ3、MPEGコーデック5、LCD7への表示出力動作を停止する。
(繋ぎ撮り時の記録再生動作)
次に、上記システム構成をもつカムコーダー装置のディスク記録再生システムに、本発明による繋ぎ撮りによる撮影クリップのグループ化を適用した場合について説明する。
【0041】
図2(a)及び(b)は、本発明による繋ぎ撮りクリップのグループ化の処理開始及び処理終了に対応するトリガーを説明するカムコーダー装置の状態遷移図である。
【0042】
図2(a)は、前述した記録待機モードM10、記録中モードM11、再生待機モードM20、再生中モード21に加え、電源断モードM30を含むものである。この場合、ユーザーからの電源ON操作による状態遷移がグループ化の処理開始のトリガーとなり、ユーザーからの電源OFF操作による電源断モードM30への遷移がグループ化の処理終了(グループ完結)のトリガーとなる。
【0043】
図2(b)は、図2(a)の電源断モードM30に代えてディスク取り出しモードM40を含むものである。この場合、ユーザーからのディスク挿入操作による状態遷移がグループ化の処理開始のトリガーとなり、ユーザーからのディスク取り出し操作によるディスク取り出しモードM40への遷移がグループ化の処理終了のトリガーとなる。
【0044】
図2(a)および(b)の状態遷移図に示すように、通常の繋ぎ撮り記録は、次のような動作で行われる。すなわち、記録待機モードM10から、ユーザーからの記録開始操作により記録中モードM11に遷移し、記録動作を行なう。そして、ユーザーからの記録停止操作によって再び記録待機モードM10に戻る。この動作は、再生動作モードへの切り替え操作、あるいは電源断(電源OFF)操作又はディスク取り出し操作が行なわれない限り、再び記録開始操作が行なわれることによって繰り返し行われる。これにより、動画像の各クリップを繋ぎ撮りしながら、一連の動画撮影が行なわれる。
【0045】
このような繋ぎ撮り撮影を行なうと、図3(a)〜(d)に示すようにディスク3b上の空き領域へ、動画像の各クリップが連続するようにデータ書き込みが行なわれる。図3(a)〜(d)は、上記のような繋ぎ撮り記録を行なった場合のディスク3b上に配置される動画像の各クリップのデータ配置を示している。同図には、以下に説明する繋ぎ撮りグループの管理情報12aによって各クリップへ関連付けられた繋ぎ撮りグループ番号(GRP#1、#2等)と、各グループ内のクリップ番号(SCN#1、#2、#3等)が示される。
【0046】
例えば、図3(a)〜(c)の例は、同じグループ1(GRP#1)に属する3つのクリップ(SCN#1〜#3)を順次、繋ぎ撮り撮影した状態を示している。図3(d)の例は、図3(a)〜(c)に示すグループ1の繋ぎ撮り撮影が完了後に、グループ2(GRP#2)に属する1つ目のクリップ(SCN#1)を撮影した状態を示している。図中のFRM#1は、グループ1、2の各クリップの先頭フレームを表し、本実施の形態では後述するサムネイル画像として用いる代表画像を構成する。
【0047】
本実施の形態では、上記のような繋ぎ撮り撮影によって動画像の各クリップが生成される毎に、CPU11が、メモリ12上に、図4に示す管理情報12aを作成することを特徴とする。図4は、本実施の形態による管理情報12aのデータ(テーブル)構造を示したものである。同図に示す管理情報12aのテーブルには、繋ぎ撮りグループ数と、最後のクリップ情報が作成された最終更新日時(非図示)と、各グループのクリップ群情報と、各クリップの再生情報とが階層化されて管理される。このうち、各グループのクリップ群情報には、該グループ内に含まれるクリップ数と、クリップ番号と、再生開始時間と、再生終了時間とが含まれる。なお、ファイル完結でクリップを生成する場合には、管理情報12aのテーブル上あるいはその他の管理情報のテーブル上で、クリップ番号と、ファイル名とが対の関係になるように関連付けすることにより、繋ぎ撮りグループの管理を行なっても良い。
【0048】
図4の場合には、ディスク3b上に全部でN個の繋ぎ撮りグループ1〜Nが存在し、グループ1に含まれるクリップはM個、グループ2に含まれるクリップはK個、グループNに含まれるクリップはL個と数珠繋ぎ的な構造で構成される。このようなデータ構造にすることによって、新たな繋ぎ記録によるクリップを生成した際の、管理情報12aの更新処理を容易にすることができる。
【0049】
図5及び図6は、新規にクリップの撮影をした前後でのメモリ12上の管理情報12aのデータ構造の変化を示した図である。図5は、繋ぎ撮り撮影前の管理情報12aのデータ構造であり、図6は、繋ぎ撮り撮影後の管理情報12aのデータ構造である。図5の例は、前述した図3(b)のデータ配置に示すように、グループ1(GRP#1)の1つ目のクリップ(SCN#1)を撮影して記録した後に2つ目のクリップ(SCN#2)を撮影して繋ぎ記録を行った場合の管理情報12aに対応する。図6の例は、前述した図3(c)のデータ配置に示すように、図3(b)のデータ配置からグループ1(GRP#1)の3つ目のクリップ(SCN#3)を撮影して再び繋ぎ記録を行った場合の管理情報12aに対応する。
【0050】
すなわち、図5の繋ぎ撮り前の管理情報12aは、クリップ数が2である。また、該当する繋ぎ撮りグループ(GRP#1)に含まれるクリップ情報は、30秒分のクリップ再生情報(SCN#1)と、15秒分のクリップ(SCN#2)との二つのクリップが存在している。これに対し、図6の繋ぎ撮り撮影後の管理情報12aは、クリップ数が一つ増加し3になるとともに、さらに30秒分のクリップ(SCN#3)の再生情報が追加されることが分かる。
【0051】
上記の管理情報12aは、前述したようにDRAMや、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶されている。このため、図2(a)および(b)に示す記録待機モードM10中に再生待機モードM20に切り替えられても、管理情報12aが保持される。そのため、再び記録待機モードM10に遷移した後、そのまま繋ぎ記録を継続し、クリップ情報を追加することが可能となる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、図2(a)に示す記録待機モードM10あるいは再生待機モードM20から電源断モードM30への状態遷移が、ユーザーの電源OFF操作によって行なわれた場合、次のように動作する。すなわち、この電源OFF操作により、一連の繋ぎ撮り動作が不連続になってしまう操作が発生したとし、これをトリガーとして、繋ぎ撮りグループを完結することを特徴とする。これは、図2(b)におけるディスク取り出しモードM40へのディスク取り出し操作による状態遷移が、ユーザーによって行なわれた場合も同様である。
【0053】
先に述べたように、管理情報12aは、通常メモリ12上に展開されているデータであるため、長時間電源断状態にあると該データは消去されてしまう。また、ディスク取り出しを行なった直後に他のディスクを装填された場合等、管理情報12aが実際の動画データと関連性が無くなってしまう。
【0054】
こういった問題を回避するため、本実施の形態では、電源断あるいはディスク取り出し処理を行なった時には、システム終了処理の一手順として、一連の繋ぎ撮り撮影でメモリ12上に記録される管理情報12aの各クリップ情報を1つの同一グループ内のものとして完結させる。そして、動画像データとは異なる管理情報データファイルとして、ディスク3b上に記録書き込みを行なった後、電源断またはディスク排出を行なう。再度電源投入あるいはディスク装填を検出した時には、その管理情報データファイルをディスク3b上の所定位置より読み出し、メモリ12上に展開する。
【0055】
なお、以下に述べる本発明による電源断あるいはディスク取り出し操作についての実施例においては記載していない。しかし、比較的短いクリップの記録直後に、電源断を行なう操作を繰り返す場合でも、多数のグループを作成してしまうことなく一連のグループとして管理する方法として、次のような手段を具備してもよい。すなわち、この手段は、図5の管理情報12aのテーブル中の最終更新時間(非図示)とカムコーダー内部の現在時刻情報とを比較し、最終更新日時からの経過時間によってグループ化を行なうものである。この場合、グループ完結を行なう経過時間としては、1時間毎、あるいは数時間毎など、不揮発メモリ内のデータが保持可能な時間を上限として設定することが望ましい。
【0056】
また、ユーザーの操作ミスなどによってディスク取り出し操作直後に再び同じディスクを装填されたような場合においても、必要以上にグループを作成してしまうことを回避する方法として、次のような手段を具備してもよい。すなわち、この手段は、ディスク装填操作前後でのディスクから取得したディスク識別情報を比較し、同じIDである場合には、ディスク装填前の最終グループにクリップ情報を追加し、新規グループを作成しないよう管理するものである。このような各種の操作状況も含めた、グループ化を行なうための制約条件を持つことによって、従来技術において生じていた課題を破綻なく解決することが可能となる。
【0057】
図6〜図8は、電源断処理またはディスク取り出し処理によって、新規に繋ぎ撮りグループを生成した場合のメモリ12上に記録される管理情報12aのデータ構造を示した図である。図6〜図8には、この繋ぎ撮りグループの管理情報12aを用いて、電源断操作またはディスク取り出し操作によって新規に繋ぎ撮りグループ情報を生成し、再び新規クリップを撮影した前後の管理情報12aのデータ構造変化を示している。
【0058】
図6は、ディスク取り出し前の管理情報12aのデータ構造である。図7は、ディスク取り出し或いは電源断操作直後の管理情報12aのデータ構造である。図8は、電源投入後またはディスク装填後に、新規動画クリップ撮影を行なった後の管理情報12aのデータ構造である。
【0059】
図6〜図8に示す管理情報12aの変化は、前述した図3(c)のクリップを撮影した後、ディスク取り出しあるいは電源断操作を経由した後、再び繋ぎ記録を行い、図3(d)のデータ配置になったケースに対応する。
【0060】
図6〜図8に示すように、管理情報12aのグループ完結及び新規グループ登録の方法は、次のようにして実現する。すなわち、図6に示すディスク取り出し前あるいは電源断前の状態では、管理情報12aは、グループ1(GRP#1)の3つのクリップ情報(SCN#1〜#3)が記録され、グループ数が「1」、クリップ数が「3」である。この状態から、ディスク取り出しあるいは電源断操作を検出すると、図7のディスク取り出し後あるいは電源断後の状態に示すように、管理情報12aは、繋ぎ撮りグループ数を1つインクリメントして「2」とし、グループ2(GRP#2)に含まれるクリップ数を「0」に更新する。これによって、グループ1を完結させる。そして、次回ディスク装填時あるいは電源投入時には、管理情報12aを参照し、図8に示す新規クリップ撮影後の状態のように、グループ2(GRP#2)に属するクリップ情報(SCN#1)を追加していけばよい。また、更新された管理情報12aは、ディスク3a上の管理データ領域に動画ファイルと区別できる位置に書き込み記録を行い、しかるべき終了処理またはディスクイジェクト処理を行なう。
【0061】
上記のような手順で管理情報12aを、図3(c)及び(d)に示すように、電源断あるいはディスク取り出し操作を経由することで更新する。すなわち、管理情報12aにおいて、繋ぎ撮りグループ番号をインクリメントし、クリップ番号を新規に割り当てる。こうすることで、動画像の一連の繋ぎ撮りクリップ群をグループ化することができる。
【0062】
次に、上述の繋ぎ撮りグループ化を行なった動画像のクリップ群の再生方法について説明する。
【0063】
図9〜図11は、上記の繋ぎ撮り記録によって生成した管理情報12aに基づいて、図2(a)及び(b)での再生待機モードM20時にLCD7の表示パネル21上に表示される代表画像(サムネイル用アイコン)22を用いた再生メニュー表示画面の例を示す。
【0064】
本実施の形態では、図9のトップ階層メニュー画面に示すように、繋ぎ撮りグループ管理情報12aの繋ぎ撮りグループ数に応じた各グループ(GRP#1〜#6)のそれぞれに対応する代表画像22をLCD7の表示パネル21に出力する。図9中の符号23は、選択された代表画像22を示す。
【0065】
また、LCD7の表示パネルに表示可能な各グループの代表画像22の画像枚数は、例えば図9に示すように最大6枚までの制限などが存在し、その枚数を超える繋ぎ撮りグループ数がある場合には、複数ページに渡って再生メニュー画面が構成される。図9の例では、1ページ分の再生メニュー画面には、2行3列の表示形式で計6グループ(GRP#1〜#6)分の代表画像22が表示される。再生メニュー画面のページ間のページ送り操作は、図9中に示すように、メニューページ送り用アイコン25を表示し、ユーザーが選択操作可能とすることでページ送りやページ戻りを実現する。
【0066】
また、各クリップの代表画像は、本実施の形態では前述したように各クリップの先頭フレーム(FRM#1)を復号した縮小画像が用いられる。同一繋ぎ撮りグループ内に複数クリップが含まれる場合は、その旨をユーザーが容易に視認できる形式で表示出力する。例えば、図9に示すように、同一繋ぎ撮りグループ内の各クリップについて、複数枚の縮小された代表画像22を表示する複数の表示プレーンを互いに重なり合わせた形式で表示出力する。図9の例では、同一繋ぎ撮りグループ内の複数のクリップのうち1番目のクリップ(SCN#1)の先頭フレーム(FRM#1)の表示プレーンが最前面側に位置している。同一繋ぎ撮りグループ内の各クリップの代表画像22を重ね合わせた表示プレーンは、ユーザーの選択操作により切り替え可能となっている。
【0067】
さらに、図9中の符号24に示すように、代表画像22に隣接する画面領域に、管理情報12aを参照して、同一繋ぎ撮りグループに含まれるクリップ数を表示出力する。こうすることで、ユーザーに対して所望のクリップ再生を行なうための補助情報を合わせて出力する。
【0068】
また、本実施の形態では、前述したように、同一繋ぎ撮りグループ内に複数クリップを含む場合の代表画像22は、1番目のクリップ(SCN#1)の代表画像22を表示する。このグループの代表画像22がユーザーに選択されると、図10に示すように、同一グループに含まれる全てのクリップの代表画像22を表示出力したサブ階層メニュー画面にジャンプする。これにより、同一グループ内の全てのクリップの代表画像22を視認しながら、所望のクリップ再生を行なう。図10中の符号23は、選択された代表画像22を示す。この場合は、図中に示すようにジャンプ前の上位階層に戻れる戻り用アイコン26を設ける。
【0069】
その他の方法として、図11のように図9の例と同じメニュー画面表示のままで、同一グループ内の異なるクリップの代表画像22を出力し、所望のクリップ再生を行なう方法などが考えられる。この場合には、ユーザーが再生クリップ選択と再生決定を異なるインタフェース、例えばジョグダイヤルや十字キーで再生クリップの選択をし、ボタンで再生決定をする必要がある。図11の例では、符号27に示すように、選択中の代表画像23に同期して選択中の再生クリップが、同一グル−プ内の何番目にあるかも合わせて表示している。図11の例では、グループ1(GRP#1)内の3つのクリップ(SCN#1〜#3)のうちの2番目のクリップ(SCN#2)の代表画像が選択されている。
【0070】
図12及び図13は、上記の動画像の記録時および再生時の処理例を説明するフローチャートである。同図に示すフローチャートに対応する制御プログラムは、例えばCPU11内のプログラムメモリに予め保持され、CPU11により実行される。
【0071】
図12において、CPU11は、ユーザーからの電源投入又はディスク充填操作に対応する指令を受けると(ステップSt1:YES)、ディスク3bから繋ぎ撮りグループの管理情報12aを読み出し、メモリ12上に展開する(ステップSt2)。次に、CPU11は、ユーザーからの記録動作モードの指令を受けると(ステップSt3:記録動作モード)、記録待機モードM10に遷移させる(ステップSt4)。
【0072】
この状態で、CPU11は、ユーザーからの記録開始操作に対応する指令を受けると(ステップSt5:YES)、記録中モードM11に遷移させ、繋ぎ撮り中のクリップのディスク3b上への記録を開始する(ステップSt6)。次いで、CPU11は、ユーザーからの記録停止操作に対応する指令を受けると(ステップSt7:YES)、クリップのディスク3bへの記録を停止する。これと同時に、CPU11は、メモリ12上の管理情報12bに対して、前述の図6に示すように、繋ぎ撮りクリップ数をインクリメントし、該当するクリップ情報を追加する(ステップSt8)。以上のステップSt3〜St8の処理は、CPU11がユーザーからの電源断又はディスク取り出し操作に対応する指令を受けるまで繰り返し実行される。
【0073】
次いで、CPU11は、ユーザーからの電源断又はディスク取り出し操作に対応する指令を受けたとする(ステップSt9:NO)。そうすると、CPU11は、メモリ12上の管理情報12bに対し、前述の図7に示すように、繋ぎ撮りグループ番号をインクリメントし、そのインクリメントされたグループ番号で特定される新規グループの元でクリップ番号を新規に割り当てる(ステップSt10)。そして、CPU11は、メモリ12上で更新された管理情報12aをディスク3b上に書き込み(ステップSt11)、その後で電源断又はディスク排出の処理を行なう(ステップSt12)。
【0074】
一方、CPU11は、上記ステップSt3にてユーザーからの再生動作モードの動作指令を受けると、図13に示すように、再生待機モードM10に遷移させる(ステップSt21)。
【0075】
この状態で、CPU11は、LCD7上にトップ階層メニュー画面(図9参照)を表示させる(ステップSt22)。そして、CPU11は、ユーザーからのLCD7上のアイコン操作(前述参照)によるページ送り・戻り操作に対応する指令を受けると(ステップSt23:YES)、ページ送り・戻りを実行する(ステップSt24)。また、CPU11は、ユーザーからのサブ階層メニュー画面への遷移操作(前述参照)に対応する指令を受けると(ステップSt25:YES)、LCD7上にサブ階層メニュー画面(図10s参照)を表示させる(ステップSt26)。
【0076】
次いで、CPU11は、ユーザーからの代表画像22の選択操作に対応する指令を受けると(ステップSt27:YES)、再生中モードM21に遷移させ、選択された代表画像22のクリップに対応する動画像の再生を実行する(ステップSt29)。これにより、所望のクリップの動画像データがLCD7上に再生出力される。以上のステップSt21〜St28の処理は、CPU11がユーザーからの再生終了操作に対応する指令を受けるまで繰り返し実行される(ステップSt29)。
【0077】
従って、本実施の形態によれば、繋ぎ撮り中のクリップ群を、ディスク3bの取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として管理している。そして、その管理情報12aに基づいて、クリップ再生時の再生メニュー画面上に、繋ぎ撮りグループ毎に代表画像を表示する。このとき、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが視覚的に判断可能な形式で表示する。また、同一の繋ぎ撮りグループに幾つクリップが含まれているかの情報も表示する。これによって、繋ぎ撮りを行なった一連の動画像をグループとして管理するようにしたため、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を大幅に向上させることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、カムコーダー装置の用途に利用可能である。例えば、カムコーダー装置に記録される動画像データの管理方法と、その再生メニュー表示時の制御方法との用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係るカムコーダー装置の全体構成を示す概略システムブロック図である。
【図2】(a)及び(b)は、カムコーダー装置の状態遷移図である。
【図3】(a)〜(d)は、動画記録時にディスク上に記録される動画像のクリップのデータ構造を説明する図である。
【図4】繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図5】繋ぎ撮り撮影前の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図6】繋ぎ撮り撮影後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図7】ディスク取り出し(電源断)前の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図8】ディスク取り出し(電源断)後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図9】新規クリップ撮影後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図10】動画再生時の再生メニュー画面のうちトップ階層メニュー画面の表示例を説明する図である。
【図11】動画再生時の再生メニュー画面のうちサブ階層メニュー画面図の表示例を説明する図である。
【図12】動画再生時の再生メニュー画面のうちトップ階層メニュー画面の表示例を説明する図である。
【図13】動画記録時の処理例を説明するフローチャートである。
【図14】動画再生時の処理例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 カメラ部
2 ECC部
3 ディスクコントローラ
4 DRAM
5 MPEGコーデック
6 操作部
7 LCD
8 タッチパネル
9 スピーカー
10 システムバス
11 CPU
12 メモリ
12a 繋ぎ撮りグループ管理情報
21 表示パネル
22 代表画像
23 選択された代表画像
24 クリップ数
25 メニューページ送り用アイコン
26 上位階層メニューへの戻り用アイコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムコーダー装置に係り、特にカムコーダー装置に記録される動画像データの管理方法と、その動画像データの再生メニュー表示時の制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカムコーダー装置を用いた撮影においては、次のような動画像の繋ぎ撮りが行われる場合がある。まず、ユーザーは、記録待機(ポーズ)状態で記録トリガーボタンを押下する。これをトリガーにして、記録待機状態から記録(REC)状態に移行させ、記録を開始する。これにより、ユーザーは、動画像の撮影時間が数秒から数分の短いクリップを撮影する。その後、ユーザーは、再び記録トリガーボタンを押下する。これをトリガーにして、記録状態から記録待機状態に戻し、記録を終了する。こういった一連の動作を連続して何回も行なうことで、動画像を繋ぎ撮りしながら、繋ぎ撮り中の各クリップを記録媒体上に記録する。
【0003】
このように記録媒体に記録された動画像の各クリップの中から所望のクリップを再生する場合、まず、再生モードに切り替えて、表示装置の画面上に所定の再生メニュー画面を表示させる。この画面には、各クリップの代表フレーム(通常は先頭フレーム)に対応するサムネイル画像(縮小画像)がクリップ毎に表示される。ユーザーは、表示されたサムネイル画像を見ながら、所望のクリップを選択する。こうすることで、選択されたクリップの動画像が再生される。
【0004】
上記の再生メニュー用のサムネイル画像は、クリップすべてについて表示出力する必要がある。この場合、再生メニュー画面のサイズは一定であるため、1画面(1ページ)に表示し得るサムネイル画像の枚数にも制約がある。このため、前述のように記録待機状態と記録状態とを繰り返しながら撮影すると、クリップが増える分、再生メニュー画面のページ数も増え、複数ページに渡って構成されることになる(例えば、特許文献1参照)。そうすると、所望のクリップにアクセスする際に、対応するサムネイル画像を表示しているページが確認されるまで、ページを送る操作(メニューページ送り操作)が必要となる。
【特許文献1】特開2005−079823号公報
【特許文献2】特開平11−215457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなカムコーダー撮影の状況下においては、ユーザーが所望のクリップにアクセスしてその再生を行なうまでに、煩雑なメニューページ送り操作を必要とする。このため、所望のクリップにアクセスするまでの検索性が良くない。その対策の一つとしては、メニュー画面を年、月、日の期間毎にカレンダー表示することによって記録内容の検索性を容易にする方法が知られている(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2では、画像登録リストと日付別編集テーブルとを使用し、記録されている撮影画像の縮小画像を年、月、日ごとにカレンダー表示する撮影画像表示装置が開示されている。この装置では、使用者が撮影画像の検索範囲を自由に指定すると、テーブル内の情報をサーチしてメニュー画面を再構成する。しかし、これによれば、同じ日時において、比較的短いクリップを多数撮影する運動会や音楽会などの使用環境下では、やはりメニュー画面のページ数が増えてメニュー階層が深くなってしまう。そうすると、前述の状況と同様に、再生時に所望のクリップにアクセスするまでの検索性が良くないといった問題が残ってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、カムコーダー装置に記録された動画像データの再生時に所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るカムコーダー装置は、動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながら記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された前記動画像をクリップ毎に再生する。この構成で、前記動画像の記録時に、電源断または前記記録媒体の取り出し操作があるまで、前記記録媒体に記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて管理する繋ぎ撮りグループ管理手段を有する。
【0009】
本発明において、前記動画像の再生時に、前記繋ぎ撮りグループ管理手段により管理される情報に基づいて、再生メニュー画面上で前記クリップを選択するための代表画像を前記繋ぎ撮りグループ毎に表示する再生メニュー表示手段をさらに有してもよい。
【0010】
前記再生メニュー表示手段は、以下のような態様であってもよい。
【0011】
1)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが前記再生メニュー画面上で視覚的に判断可能な形式で前記繋ぎ撮りグループ毎に前記代表画像を表示する。
【0012】
2)前記再生メニュー画面上に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像を複数枚重ね合わせた形式で表示する。
【0013】
3)前記再生メニュー画面上の前記代表画像内またはその代表画像に隣接する表示領域に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のクリップ数を視認可能に表示する。
【0014】
4)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のうち第一クリップの第一フレームの縮小画像を前記代表画像として表示する。
【0015】
5)前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像として、前記複数のクリップの各々に対応する複数の第一フレームの縮小画像を複数枚重ね合わせた形式で、その各々の表示プレーンを互いに切り替え可能に表示する。
【0016】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、以下のような態様であってもよい。
【0017】
1)繋ぎ撮りグループ数と、グループ番号と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを関連付けて管理する。この場合、前記電源断または前記記録媒体の取り出し操作時に前記繋ぎ撮りグループ数を更新し、次回電源投入または前記記録媒体の充填操作後に繋ぎ撮りされた一連のクリップ群を新規の同一繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理してもよい。
【0018】
2)電源投入時に前回電源断からの経過時間を判断する。その結果、前記経過時間が予め設定された時間以内であれば、前記電源投入後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記電源断前に前記記録媒体に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理する。
【0019】
3)前記記録媒体の充填時に前回取り出された記録媒体と今回充填された記録媒体とが同一かどうかを判断する。その結果、両者が同一であれば、前記記録媒体の充填後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記記録媒体の取り出し前に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を、記録媒体の取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として管理している。これによって、繋ぎ撮りを行なった一連の動画像をグループとして管理するようにしたため、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態は、カムコーダー装置による記録撮影時に繋ぎ撮り中の一連の動画像のクリップ群を、記録媒体の取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、グループ化して管理、すなわち同一の繋ぎ撮りグループとして関連付けて管理するものである。繋ぎ撮りグループの管理は、例えば、繋ぎ撮りのグループ数と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを動画データとは別の管理情報として関連付けることによって実現する。この繋ぎ撮りグループを関連付けるための管理情報は、カムコーダー装置内に設けた不揮発性メモリ上に記憶してもよいし、記録媒体上に記録書き込みを行なってもよい。
【0023】
さらに、上記繋ぎ撮りによるグループ化を施したクリップを再生する場合には、サムネイルメニュー画面としてグループであることを、かつ該グループに幾つクリップが含まれているかの情報を表示する。このような撮影操作情報も含めたカムコーダー装置の再生機能を実現することで、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を向上させることができる。
【0024】
なお、上述の手段に加え、短いクリップ撮影の直後に電源断をする操作を頻繁に繰り返した場合には、上記グループ関連情報の最終更新時間とカムコーダー内部の現在時刻情報とを比較し、最終更新日時からの経過時間(例えば、メモリ内のデータ保持期間)によってグループ化を行なう手段を具備してもよいものとする。
【0025】
同様にディスク取り出し操作直後に再び同じディスクを装填されたような場合には、ディスク装填操作前後にディスクから取得したディスク識別情報を比較し、同じIDである場合にはディスク装填前の最終グループにクリップ情報を追加するように管理する手段を具備してもよいものとする。
【0026】
図1には、本実施の形態によるカムコーダー装置の概略構成ブロック図を示す。
【0027】
図1に示すカムコーダー装置は、ディスク記録再生装置を具備したもので、システムバス10に接続された複数のシステムブロックを備える。各システムブロックには、カメラ1aを駆動するカメラ部1、ECC(Error Check and Correct)部2、ディスクドライバ3aを制御するディスクコントローラ3、DRAM(Dynamic Random Access Memory)4が含まれる。その他、MPEG(Moving Picture Experts Group)コーデック5、操作部6、LCD(液晶ディスプレイ)7、タッチパネル8、スピーカー9、CPU(Central Processing Unit)11、及び不揮発性メモリ12が含まれる。これらの各システムブロックは、システムバス10を経由して、互いにデータ転送や制御用コマンドの送受信が可能となっている。
【0028】
このうち、カメラ部1は、画像入力や、フォーカス・ピント調整等、カメラ1aの駆動を行なう。ECC部2は、データにエラー検出用パリティを付加し、その付加されたパリティ情報を元に実データ中のエラー訂正を行なう。ディスクコントローラ3は、ディスクドライブ3aを制御して、ディスク(記録媒体)3bへのデータ書き込み、またはディスク3bからのデータ読み出し再生を行なう。DRAM4は、各システムブロックでの処理に必要なデータ蓄積を行なう。MPEGコーデック5は、元画像をMPEG形式のデータに圧縮し、これとは逆にMPEG形式のデータから元画像に復号する。
【0029】
また、操作部6は、ユーザーからのボタン押下による動作指示や、リモコン(非図示)からの操作指示を受信し、本システムに通知するインタフェースとして設けられる。動作・操作指示には、例えば各種動作モードの切り替えや、記録開始/終了、再生開始/終了、電源ON/OFF、ディスク挿入/取り出し等の指示が含まれる。これらの指示信号は、CPU11に送られる。
【0030】
また、LCD7は、カメラ部1から入力された動画像をそのままスルーで画面上にモニタ出力し、またはディスク3bからの再生読み出しを行った後の動画像を画面上に表示出力する。タッチパネル8は、LCD7の表示画面上から、ユーザーが本システムの制御用の各種操作を行なえるためのインタフェースとして設けられる。スピーカー9は、入力された音声データをD/A(Digital to Analog)変換後に音声出力を行なう。
【0031】
さらに、CPU11は、上記各システムブロックの動作全体を記録再生システムとして制御するソフトウェアをプログラムメモリ(非図示)に搭載している。CPU11は、そのプログラムメモリに搭載された制御ソフトウェアのプログラムコードを実行して、各システムブロックの動作を制御する。メモリ12は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、繋ぎ撮りグループ管理情報(以下、「管理情報」と略称する)12aを更新可能に保持する。管理情報12aの詳細については後述する。このメモリ12は、単独で設けてもよく、CPU11内に設けてもよい。あるいは、DRAM4と兼用してもよい。
【0032】
次に、上記カムコーダーの記録再生システムにおける記録と再生の基本動作について説明する。
(記録時の基本動作)
まず、記録時の基本動作について説明する。CPU11には、電源ON及びディスク挿入状態にて、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8に対して、ユーザーの操作により記録動作モードの操作指令が与えられる。
これにより、CPU11は、記録動作モードを起動し、記録待機モードに遷移させる。この記録待機モードでは、CPU11の制御のもとで、カメラ部1からAD(Analog to digital)変換された動画像の非圧縮デジタル画像データが入力され、システムバス10を経由してDRAM4のビデオフレーム用領域に蓄積される。これと同時に、ユーザーにはLCD7の画面上に現在撮影中の動画像のフレームが表示出力される。
【0033】
この記録待機モードで、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、記録開始命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その記録開始命令を受けると、これを記録動作の開始トリガーとして、記録待機モードから記録実行(記録中)モードに遷移させて記録を開始し、次のようなシーケンスでシステムの各ブロックを制御する。
【0034】
すなわち、記録実行モードでは、DRAM4に蓄積された非圧縮デジタル画像データは、逐次MPEGコーデック5においてMPEGストリーム形式にデータ圧縮され、その後折り返しシステムバス10を経由してDRAM4のMPEGデータ格納領域に蓄積される。さらに該MPEGデータに対して、ECC部2はエラー訂正のパリティビット符号を付加した後、ディスクコントローラ3から記録媒体3bにデータ書き込みを行なう。
【0035】
そして、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、記録停止命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その記録停止命令を受けると、これを記録終了のトリガーとして、記録実行モードから記録待機モードに遷移させ、ECC部2、ディスクコントローラ3、MPEGコーデック5の動作を停止する。この場合、カメラ部1から画像入力とLCD7へのスルー表示動作は停止しなくともよい。
(再生時の基本動作)
次に、再生時の基本動作について説明する。CPU11には、電源ON及びディスク挿入状態にて、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8に対して、ユーザーの操作により再生動作モードの操作指令が与えられる。これにより、CPU11は、再生動作モードを起動し、再生待機モードに遷移させる。この再生待機モードでは、CPU11の制御のもとで、ディスク3bにユーザーが撮影した、どのような動画コンテンツが格納されているかの概略を知ることが出来るように縮小画像(サムネイル画像)が、LCD7の画面上に並べてメニュー表示される。本実施の形態では、例えば動画コンテンツの代表画像を取り出して作成したサムネイル画像を、LCD7上に並べてメニュー表示するものとする。
【0036】
上記のサムネイル画像は、記録済み動画像データがディスク3b上のどの位置から記録されているかの再生時の読み出し、アクセスに必要な位置情報との関連付けがなされている。そして、そのサムネイル画像を選択することによって所望のクリップを再生することが可能となる。通常、このサムネイル画像は、記録済みのクリップの先頭に位置する第1フレーム(Iピクチャ)のみをディスク3bから読み出し、MPEGコーデック5で復号処理を行い、縮小処理を行なった後、LCD7の画面上に複数枚並べて表示する。
【0037】
上記の再生待機モードにて、前述の記録開始時と同様に操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、所望のクリップに対する再生開始命令に対応する制御用コマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信する。CPU11は、その再生開始命令を受けると、これを再生動作の開始トリガーとして、再生待機モードから再生実行(再生中)モードに遷移させて再生を開始し、次のようなシーケンスでシステムの各ブロックを制御する。
【0038】
再生開始命令を受けたCPU11は、該再生対象クリップの動画像データが記録されているディスク3b上の位置やサイズを管理するファイルシステムなどのディスク管理情報を元に、ディスクコントローラ3からディスク3bにアクセスする。そして、該当する動画像データをDRAM4に読み出し蓄積する。
【0039】
次いで、DRAM4に蓄積したディスク3bからの読み出しデータに対して、ECC部2はエラー訂正処理を行い、ディスク3b上の傷や劣化に起因するデータエラーを訂正する。続いて、エラー訂正後の読み出しデータから、ECC部2のパリティ符号ビットを除いた実データ(MPEGデータ)を、MPEGコーデック5に入力し、MPEGデータの復号処理を行なう。MPEGコーデック5の復号処理によって生成された元画像データは、システムバス10を介して、DRAM4のビデオフレーム領域に蓄積し、LCD7の画面上に連続して出力表示する。これは、画像データがNTSC(National Television System Committee)規格のビデオ信号の場合は1秒間に30フレームの間隔で行なう。
【0040】
そして、ディスク3bの読み出し位置が、該動画コンテンツのデータ終端に達し、CPU11がこれを検知すると、CPU11は、それを再生終了のトリガーとして、再生実行モードから再生待機モードに遷移させる。これは、操作部6あるいはLCD7上のタッチパネル8から、再生停止のコマンドをシステムバス10経由でCPU11が受信した場合も同様である。この再生終了時には、CPU11は、ECCブロック2、ディスクコントローラ3、MPEGコーデック5、LCD7への表示出力動作を停止する。
(繋ぎ撮り時の記録再生動作)
次に、上記システム構成をもつカムコーダー装置のディスク記録再生システムに、本発明による繋ぎ撮りによる撮影クリップのグループ化を適用した場合について説明する。
【0041】
図2(a)及び(b)は、本発明による繋ぎ撮りクリップのグループ化の処理開始及び処理終了に対応するトリガーを説明するカムコーダー装置の状態遷移図である。
【0042】
図2(a)は、前述した記録待機モードM10、記録中モードM11、再生待機モードM20、再生中モード21に加え、電源断モードM30を含むものである。この場合、ユーザーからの電源ON操作による状態遷移がグループ化の処理開始のトリガーとなり、ユーザーからの電源OFF操作による電源断モードM30への遷移がグループ化の処理終了(グループ完結)のトリガーとなる。
【0043】
図2(b)は、図2(a)の電源断モードM30に代えてディスク取り出しモードM40を含むものである。この場合、ユーザーからのディスク挿入操作による状態遷移がグループ化の処理開始のトリガーとなり、ユーザーからのディスク取り出し操作によるディスク取り出しモードM40への遷移がグループ化の処理終了のトリガーとなる。
【0044】
図2(a)および(b)の状態遷移図に示すように、通常の繋ぎ撮り記録は、次のような動作で行われる。すなわち、記録待機モードM10から、ユーザーからの記録開始操作により記録中モードM11に遷移し、記録動作を行なう。そして、ユーザーからの記録停止操作によって再び記録待機モードM10に戻る。この動作は、再生動作モードへの切り替え操作、あるいは電源断(電源OFF)操作又はディスク取り出し操作が行なわれない限り、再び記録開始操作が行なわれることによって繰り返し行われる。これにより、動画像の各クリップを繋ぎ撮りしながら、一連の動画撮影が行なわれる。
【0045】
このような繋ぎ撮り撮影を行なうと、図3(a)〜(d)に示すようにディスク3b上の空き領域へ、動画像の各クリップが連続するようにデータ書き込みが行なわれる。図3(a)〜(d)は、上記のような繋ぎ撮り記録を行なった場合のディスク3b上に配置される動画像の各クリップのデータ配置を示している。同図には、以下に説明する繋ぎ撮りグループの管理情報12aによって各クリップへ関連付けられた繋ぎ撮りグループ番号(GRP#1、#2等)と、各グループ内のクリップ番号(SCN#1、#2、#3等)が示される。
【0046】
例えば、図3(a)〜(c)の例は、同じグループ1(GRP#1)に属する3つのクリップ(SCN#1〜#3)を順次、繋ぎ撮り撮影した状態を示している。図3(d)の例は、図3(a)〜(c)に示すグループ1の繋ぎ撮り撮影が完了後に、グループ2(GRP#2)に属する1つ目のクリップ(SCN#1)を撮影した状態を示している。図中のFRM#1は、グループ1、2の各クリップの先頭フレームを表し、本実施の形態では後述するサムネイル画像として用いる代表画像を構成する。
【0047】
本実施の形態では、上記のような繋ぎ撮り撮影によって動画像の各クリップが生成される毎に、CPU11が、メモリ12上に、図4に示す管理情報12aを作成することを特徴とする。図4は、本実施の形態による管理情報12aのデータ(テーブル)構造を示したものである。同図に示す管理情報12aのテーブルには、繋ぎ撮りグループ数と、最後のクリップ情報が作成された最終更新日時(非図示)と、各グループのクリップ群情報と、各クリップの再生情報とが階層化されて管理される。このうち、各グループのクリップ群情報には、該グループ内に含まれるクリップ数と、クリップ番号と、再生開始時間と、再生終了時間とが含まれる。なお、ファイル完結でクリップを生成する場合には、管理情報12aのテーブル上あるいはその他の管理情報のテーブル上で、クリップ番号と、ファイル名とが対の関係になるように関連付けすることにより、繋ぎ撮りグループの管理を行なっても良い。
【0048】
図4の場合には、ディスク3b上に全部でN個の繋ぎ撮りグループ1〜Nが存在し、グループ1に含まれるクリップはM個、グループ2に含まれるクリップはK個、グループNに含まれるクリップはL個と数珠繋ぎ的な構造で構成される。このようなデータ構造にすることによって、新たな繋ぎ記録によるクリップを生成した際の、管理情報12aの更新処理を容易にすることができる。
【0049】
図5及び図6は、新規にクリップの撮影をした前後でのメモリ12上の管理情報12aのデータ構造の変化を示した図である。図5は、繋ぎ撮り撮影前の管理情報12aのデータ構造であり、図6は、繋ぎ撮り撮影後の管理情報12aのデータ構造である。図5の例は、前述した図3(b)のデータ配置に示すように、グループ1(GRP#1)の1つ目のクリップ(SCN#1)を撮影して記録した後に2つ目のクリップ(SCN#2)を撮影して繋ぎ記録を行った場合の管理情報12aに対応する。図6の例は、前述した図3(c)のデータ配置に示すように、図3(b)のデータ配置からグループ1(GRP#1)の3つ目のクリップ(SCN#3)を撮影して再び繋ぎ記録を行った場合の管理情報12aに対応する。
【0050】
すなわち、図5の繋ぎ撮り前の管理情報12aは、クリップ数が2である。また、該当する繋ぎ撮りグループ(GRP#1)に含まれるクリップ情報は、30秒分のクリップ再生情報(SCN#1)と、15秒分のクリップ(SCN#2)との二つのクリップが存在している。これに対し、図6の繋ぎ撮り撮影後の管理情報12aは、クリップ数が一つ増加し3になるとともに、さらに30秒分のクリップ(SCN#3)の再生情報が追加されることが分かる。
【0051】
上記の管理情報12aは、前述したようにDRAMや、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶されている。このため、図2(a)および(b)に示す記録待機モードM10中に再生待機モードM20に切り替えられても、管理情報12aが保持される。そのため、再び記録待機モードM10に遷移した後、そのまま繋ぎ記録を継続し、クリップ情報を追加することが可能となる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、図2(a)に示す記録待機モードM10あるいは再生待機モードM20から電源断モードM30への状態遷移が、ユーザーの電源OFF操作によって行なわれた場合、次のように動作する。すなわち、この電源OFF操作により、一連の繋ぎ撮り動作が不連続になってしまう操作が発生したとし、これをトリガーとして、繋ぎ撮りグループを完結することを特徴とする。これは、図2(b)におけるディスク取り出しモードM40へのディスク取り出し操作による状態遷移が、ユーザーによって行なわれた場合も同様である。
【0053】
先に述べたように、管理情報12aは、通常メモリ12上に展開されているデータであるため、長時間電源断状態にあると該データは消去されてしまう。また、ディスク取り出しを行なった直後に他のディスクを装填された場合等、管理情報12aが実際の動画データと関連性が無くなってしまう。
【0054】
こういった問題を回避するため、本実施の形態では、電源断あるいはディスク取り出し処理を行なった時には、システム終了処理の一手順として、一連の繋ぎ撮り撮影でメモリ12上に記録される管理情報12aの各クリップ情報を1つの同一グループ内のものとして完結させる。そして、動画像データとは異なる管理情報データファイルとして、ディスク3b上に記録書き込みを行なった後、電源断またはディスク排出を行なう。再度電源投入あるいはディスク装填を検出した時には、その管理情報データファイルをディスク3b上の所定位置より読み出し、メモリ12上に展開する。
【0055】
なお、以下に述べる本発明による電源断あるいはディスク取り出し操作についての実施例においては記載していない。しかし、比較的短いクリップの記録直後に、電源断を行なう操作を繰り返す場合でも、多数のグループを作成してしまうことなく一連のグループとして管理する方法として、次のような手段を具備してもよい。すなわち、この手段は、図5の管理情報12aのテーブル中の最終更新時間(非図示)とカムコーダー内部の現在時刻情報とを比較し、最終更新日時からの経過時間によってグループ化を行なうものである。この場合、グループ完結を行なう経過時間としては、1時間毎、あるいは数時間毎など、不揮発メモリ内のデータが保持可能な時間を上限として設定することが望ましい。
【0056】
また、ユーザーの操作ミスなどによってディスク取り出し操作直後に再び同じディスクを装填されたような場合においても、必要以上にグループを作成してしまうことを回避する方法として、次のような手段を具備してもよい。すなわち、この手段は、ディスク装填操作前後でのディスクから取得したディスク識別情報を比較し、同じIDである場合には、ディスク装填前の最終グループにクリップ情報を追加し、新規グループを作成しないよう管理するものである。このような各種の操作状況も含めた、グループ化を行なうための制約条件を持つことによって、従来技術において生じていた課題を破綻なく解決することが可能となる。
【0057】
図6〜図8は、電源断処理またはディスク取り出し処理によって、新規に繋ぎ撮りグループを生成した場合のメモリ12上に記録される管理情報12aのデータ構造を示した図である。図6〜図8には、この繋ぎ撮りグループの管理情報12aを用いて、電源断操作またはディスク取り出し操作によって新規に繋ぎ撮りグループ情報を生成し、再び新規クリップを撮影した前後の管理情報12aのデータ構造変化を示している。
【0058】
図6は、ディスク取り出し前の管理情報12aのデータ構造である。図7は、ディスク取り出し或いは電源断操作直後の管理情報12aのデータ構造である。図8は、電源投入後またはディスク装填後に、新規動画クリップ撮影を行なった後の管理情報12aのデータ構造である。
【0059】
図6〜図8に示す管理情報12aの変化は、前述した図3(c)のクリップを撮影した後、ディスク取り出しあるいは電源断操作を経由した後、再び繋ぎ記録を行い、図3(d)のデータ配置になったケースに対応する。
【0060】
図6〜図8に示すように、管理情報12aのグループ完結及び新規グループ登録の方法は、次のようにして実現する。すなわち、図6に示すディスク取り出し前あるいは電源断前の状態では、管理情報12aは、グループ1(GRP#1)の3つのクリップ情報(SCN#1〜#3)が記録され、グループ数が「1」、クリップ数が「3」である。この状態から、ディスク取り出しあるいは電源断操作を検出すると、図7のディスク取り出し後あるいは電源断後の状態に示すように、管理情報12aは、繋ぎ撮りグループ数を1つインクリメントして「2」とし、グループ2(GRP#2)に含まれるクリップ数を「0」に更新する。これによって、グループ1を完結させる。そして、次回ディスク装填時あるいは電源投入時には、管理情報12aを参照し、図8に示す新規クリップ撮影後の状態のように、グループ2(GRP#2)に属するクリップ情報(SCN#1)を追加していけばよい。また、更新された管理情報12aは、ディスク3a上の管理データ領域に動画ファイルと区別できる位置に書き込み記録を行い、しかるべき終了処理またはディスクイジェクト処理を行なう。
【0061】
上記のような手順で管理情報12aを、図3(c)及び(d)に示すように、電源断あるいはディスク取り出し操作を経由することで更新する。すなわち、管理情報12aにおいて、繋ぎ撮りグループ番号をインクリメントし、クリップ番号を新規に割り当てる。こうすることで、動画像の一連の繋ぎ撮りクリップ群をグループ化することができる。
【0062】
次に、上述の繋ぎ撮りグループ化を行なった動画像のクリップ群の再生方法について説明する。
【0063】
図9〜図11は、上記の繋ぎ撮り記録によって生成した管理情報12aに基づいて、図2(a)及び(b)での再生待機モードM20時にLCD7の表示パネル21上に表示される代表画像(サムネイル用アイコン)22を用いた再生メニュー表示画面の例を示す。
【0064】
本実施の形態では、図9のトップ階層メニュー画面に示すように、繋ぎ撮りグループ管理情報12aの繋ぎ撮りグループ数に応じた各グループ(GRP#1〜#6)のそれぞれに対応する代表画像22をLCD7の表示パネル21に出力する。図9中の符号23は、選択された代表画像22を示す。
【0065】
また、LCD7の表示パネルに表示可能な各グループの代表画像22の画像枚数は、例えば図9に示すように最大6枚までの制限などが存在し、その枚数を超える繋ぎ撮りグループ数がある場合には、複数ページに渡って再生メニュー画面が構成される。図9の例では、1ページ分の再生メニュー画面には、2行3列の表示形式で計6グループ(GRP#1〜#6)分の代表画像22が表示される。再生メニュー画面のページ間のページ送り操作は、図9中に示すように、メニューページ送り用アイコン25を表示し、ユーザーが選択操作可能とすることでページ送りやページ戻りを実現する。
【0066】
また、各クリップの代表画像は、本実施の形態では前述したように各クリップの先頭フレーム(FRM#1)を復号した縮小画像が用いられる。同一繋ぎ撮りグループ内に複数クリップが含まれる場合は、その旨をユーザーが容易に視認できる形式で表示出力する。例えば、図9に示すように、同一繋ぎ撮りグループ内の各クリップについて、複数枚の縮小された代表画像22を表示する複数の表示プレーンを互いに重なり合わせた形式で表示出力する。図9の例では、同一繋ぎ撮りグループ内の複数のクリップのうち1番目のクリップ(SCN#1)の先頭フレーム(FRM#1)の表示プレーンが最前面側に位置している。同一繋ぎ撮りグループ内の各クリップの代表画像22を重ね合わせた表示プレーンは、ユーザーの選択操作により切り替え可能となっている。
【0067】
さらに、図9中の符号24に示すように、代表画像22に隣接する画面領域に、管理情報12aを参照して、同一繋ぎ撮りグループに含まれるクリップ数を表示出力する。こうすることで、ユーザーに対して所望のクリップ再生を行なうための補助情報を合わせて出力する。
【0068】
また、本実施の形態では、前述したように、同一繋ぎ撮りグループ内に複数クリップを含む場合の代表画像22は、1番目のクリップ(SCN#1)の代表画像22を表示する。このグループの代表画像22がユーザーに選択されると、図10に示すように、同一グループに含まれる全てのクリップの代表画像22を表示出力したサブ階層メニュー画面にジャンプする。これにより、同一グループ内の全てのクリップの代表画像22を視認しながら、所望のクリップ再生を行なう。図10中の符号23は、選択された代表画像22を示す。この場合は、図中に示すようにジャンプ前の上位階層に戻れる戻り用アイコン26を設ける。
【0069】
その他の方法として、図11のように図9の例と同じメニュー画面表示のままで、同一グループ内の異なるクリップの代表画像22を出力し、所望のクリップ再生を行なう方法などが考えられる。この場合には、ユーザーが再生クリップ選択と再生決定を異なるインタフェース、例えばジョグダイヤルや十字キーで再生クリップの選択をし、ボタンで再生決定をする必要がある。図11の例では、符号27に示すように、選択中の代表画像23に同期して選択中の再生クリップが、同一グル−プ内の何番目にあるかも合わせて表示している。図11の例では、グループ1(GRP#1)内の3つのクリップ(SCN#1〜#3)のうちの2番目のクリップ(SCN#2)の代表画像が選択されている。
【0070】
図12及び図13は、上記の動画像の記録時および再生時の処理例を説明するフローチャートである。同図に示すフローチャートに対応する制御プログラムは、例えばCPU11内のプログラムメモリに予め保持され、CPU11により実行される。
【0071】
図12において、CPU11は、ユーザーからの電源投入又はディスク充填操作に対応する指令を受けると(ステップSt1:YES)、ディスク3bから繋ぎ撮りグループの管理情報12aを読み出し、メモリ12上に展開する(ステップSt2)。次に、CPU11は、ユーザーからの記録動作モードの指令を受けると(ステップSt3:記録動作モード)、記録待機モードM10に遷移させる(ステップSt4)。
【0072】
この状態で、CPU11は、ユーザーからの記録開始操作に対応する指令を受けると(ステップSt5:YES)、記録中モードM11に遷移させ、繋ぎ撮り中のクリップのディスク3b上への記録を開始する(ステップSt6)。次いで、CPU11は、ユーザーからの記録停止操作に対応する指令を受けると(ステップSt7:YES)、クリップのディスク3bへの記録を停止する。これと同時に、CPU11は、メモリ12上の管理情報12bに対して、前述の図6に示すように、繋ぎ撮りクリップ数をインクリメントし、該当するクリップ情報を追加する(ステップSt8)。以上のステップSt3〜St8の処理は、CPU11がユーザーからの電源断又はディスク取り出し操作に対応する指令を受けるまで繰り返し実行される。
【0073】
次いで、CPU11は、ユーザーからの電源断又はディスク取り出し操作に対応する指令を受けたとする(ステップSt9:NO)。そうすると、CPU11は、メモリ12上の管理情報12bに対し、前述の図7に示すように、繋ぎ撮りグループ番号をインクリメントし、そのインクリメントされたグループ番号で特定される新規グループの元でクリップ番号を新規に割り当てる(ステップSt10)。そして、CPU11は、メモリ12上で更新された管理情報12aをディスク3b上に書き込み(ステップSt11)、その後で電源断又はディスク排出の処理を行なう(ステップSt12)。
【0074】
一方、CPU11は、上記ステップSt3にてユーザーからの再生動作モードの動作指令を受けると、図13に示すように、再生待機モードM10に遷移させる(ステップSt21)。
【0075】
この状態で、CPU11は、LCD7上にトップ階層メニュー画面(図9参照)を表示させる(ステップSt22)。そして、CPU11は、ユーザーからのLCD7上のアイコン操作(前述参照)によるページ送り・戻り操作に対応する指令を受けると(ステップSt23:YES)、ページ送り・戻りを実行する(ステップSt24)。また、CPU11は、ユーザーからのサブ階層メニュー画面への遷移操作(前述参照)に対応する指令を受けると(ステップSt25:YES)、LCD7上にサブ階層メニュー画面(図10s参照)を表示させる(ステップSt26)。
【0076】
次いで、CPU11は、ユーザーからの代表画像22の選択操作に対応する指令を受けると(ステップSt27:YES)、再生中モードM21に遷移させ、選択された代表画像22のクリップに対応する動画像の再生を実行する(ステップSt29)。これにより、所望のクリップの動画像データがLCD7上に再生出力される。以上のステップSt21〜St28の処理は、CPU11がユーザーからの再生終了操作に対応する指令を受けるまで繰り返し実行される(ステップSt29)。
【0077】
従って、本実施の形態によれば、繋ぎ撮り中のクリップ群を、ディスク3bの取り出しあるいは電源断の操作が行なわれるまで、同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として管理している。そして、その管理情報12aに基づいて、クリップ再生時の再生メニュー画面上に、繋ぎ撮りグループ毎に代表画像を表示する。このとき、同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが視覚的に判断可能な形式で表示する。また、同一の繋ぎ撮りグループに幾つクリップが含まれているかの情報も表示する。これによって、繋ぎ撮りを行なった一連の動画像をグループとして管理するようにしたため、ユーザーが所望のクリップにアクセスする際の検索の利便性を大幅に向上させることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、カムコーダー装置の用途に利用可能である。例えば、カムコーダー装置に記録される動画像データの管理方法と、その再生メニュー表示時の制御方法との用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係るカムコーダー装置の全体構成を示す概略システムブロック図である。
【図2】(a)及び(b)は、カムコーダー装置の状態遷移図である。
【図3】(a)〜(d)は、動画記録時にディスク上に記録される動画像のクリップのデータ構造を説明する図である。
【図4】繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図5】繋ぎ撮り撮影前の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図6】繋ぎ撮り撮影後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図7】ディスク取り出し(電源断)前の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図8】ディスク取り出し(電源断)後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図9】新規クリップ撮影後の繋ぎ撮りグループ管理情報のデータ構造を説明する図である。
【図10】動画再生時の再生メニュー画面のうちトップ階層メニュー画面の表示例を説明する図である。
【図11】動画再生時の再生メニュー画面のうちサブ階層メニュー画面図の表示例を説明する図である。
【図12】動画再生時の再生メニュー画面のうちトップ階層メニュー画面の表示例を説明する図である。
【図13】動画記録時の処理例を説明するフローチャートである。
【図14】動画再生時の処理例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 カメラ部
2 ECC部
3 ディスクコントローラ
4 DRAM
5 MPEGコーデック
6 操作部
7 LCD
8 タッチパネル
9 スピーカー
10 システムバス
11 CPU
12 メモリ
12a 繋ぎ撮りグループ管理情報
21 表示パネル
22 代表画像
23 選択された代表画像
24 クリップ数
25 メニューページ送り用アイコン
26 上位階層メニューへの戻り用アイコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながら記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された前記動画像をクリップ毎に再生するカムコーダー装置において、
前記動画像の記録時に、電源断または前記記録媒体の取り出し操作があるまで、前記記録媒体に記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて管理する繋ぎ撮りグループ管理手段を有することを特徴とするカムコーダー装置。
【請求項2】
前記動画像の再生時に、前記繋ぎ撮りグループ管理手段により管理される情報に基づいて、再生メニュー画面上で前記クリップを選択するための代表画像を前記繋ぎ撮りグループ毎に表示する再生メニュー表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のカムコーダー装置。
【請求項3】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが前記再生メニュー画面上で視覚的に判断可能な形式で前記繋ぎ撮りグループ毎に前記代表画像を表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項4】
前記再生メニュー表示手段は、前記再生メニュー画面上に前記同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像を複数枚重ね合わせた形式で表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項5】
前記再生メニュー表示手段は、前記再生メニュー画面上の前記代表画像内またはその代表画像に隣接する表示領域に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のクリップ数を視認可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項6】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のうち第一クリップの第一フレームの縮小画像を前記代表画像として表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項7】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像として、前記複数のクリップの各々に対応する複数の第一フレームの縮小画像を複数枚重ね合わせた形式で、その各々の表示プレーンを互いに切り替え可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項8】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、繋ぎ撮りグループ数と、グループ番号と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを関連付けて管理することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【請求項9】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、前記電源断または前記記録媒体の取り出し操作時に前記繋ぎ撮りグループ数を更新し、次回電源投入または前記記録媒体の充填操作後に繋ぎ撮りされた一連のクリップ群を新規の同一繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項8に記載のカムコーダー装置。
【請求項10】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、電源投入時に前回電源断からの経過時間を判断し、前記経過時間が予め設定された時間以内であれば、前記電源投入後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記電源断前に前記記録媒体に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【請求項11】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、前記記録媒体の充填時に前回取り出された記録媒体と今回充填された記録媒体とが同一かどうかを判断し、両者が同一であれば、前記記録媒体の充填後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記記録媒体の取り出し前に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【請求項1】
動画像をクリップ毎に繋ぎ撮りしながら記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された前記動画像をクリップ毎に再生するカムコーダー装置において、
前記動画像の記録時に、電源断または前記記録媒体の取り出し操作があるまで、前記記録媒体に記録されている繋ぎ撮り中の一連のクリップ群を同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群として関連付けて管理する繋ぎ撮りグループ管理手段を有することを特徴とするカムコーダー装置。
【請求項2】
前記動画像の再生時に、前記繋ぎ撮りグループ管理手段により管理される情報に基づいて、再生メニュー画面上で前記クリップを選択するための代表画像を前記繋ぎ撮りグループ毎に表示する再生メニュー表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のカムコーダー装置。
【請求項3】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群であることが前記再生メニュー画面上で視覚的に判断可能な形式で前記繋ぎ撮りグループ毎に前記代表画像を表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項4】
前記再生メニュー表示手段は、前記再生メニュー画面上に前記同一繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像を複数枚重ね合わせた形式で表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項5】
前記再生メニュー表示手段は、前記再生メニュー画面上の前記代表画像内またはその代表画像に隣接する表示領域に前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のクリップ数を視認可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項6】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群のうち第一クリップの第一フレームの縮小画像を前記代表画像として表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項7】
前記再生メニュー表示手段は、前記同一の繋ぎ撮りグループに属するクリップ群を構成する複数のクリップの各々の代表画像として、前記複数のクリップの各々に対応する複数の第一フレームの縮小画像を複数枚重ね合わせた形式で、その各々の表示プレーンを互いに切り替え可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のカムコーダー装置。
【請求項8】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、繋ぎ撮りグループ数と、グループ番号と、各グループに含まれるクリップ数と、各クリップの再生時間または再生サイズとを関連付けて管理することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【請求項9】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、前記電源断または前記記録媒体の取り出し操作時に前記繋ぎ撮りグループ数を更新し、次回電源投入または前記記録媒体の充填操作後に繋ぎ撮りされた一連のクリップ群を新規の同一繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項8に記載のカムコーダー装置。
【請求項10】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、電源投入時に前回電源断からの経過時間を判断し、前記経過時間が予め設定された時間以内であれば、前記電源投入後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記電源断前に前記記録媒体に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【請求項11】
前記繋ぎ撮りグループ管理手段は、前記記録媒体の充填時に前回取り出された記録媒体と今回充填された記録媒体とが同一かどうかを判断し、両者が同一であれば、前記記録媒体の充填後に前記記録媒体に記録されるクリップ群を、前記記録媒体の取り出し前に記録されたクリップ群と同一の繋ぎ撮りグループに割り当てるように管理することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカムコーダー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−42449(P2008−42449A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213251(P2006−213251)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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