説明

カメラの車載構造

【課題】容易にカメラを着脱することができるカメラの車載構造の提供。
【解決手段】車体側に固定されるベース12と、カメラ11と、ベース12に対しカメラ11をスライドによって着脱可能に係合させるスライド機構37と、スライド機構37で係合されたベース12とカメラ11との間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させてベース12にカメラ11を保持するバネ部材40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの車載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、車外の状況を撮像するカメラを車載することがある。このカメラは、例えば車両前方の映像を記録するドライブレコーダを構成する。このようなカメラを車載するにあたって、フロントガラスに両面テープで取付部を固定し、この取付部にボルトでカメラを固定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−195235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにボルトでカメラを固定するものであると、カメラの着脱が面倒であるという課題が生じる。
【0005】
本発明は、容易にカメラを着脱することができるカメラの車載構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車体側に固定されるベースと、カメラと、前記ベースに対し前記カメラをスライドによって着脱可能に係合させるスライド機構と、該スライド機構で係合された前記ベースと前記カメラとの間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させて前記ベースに前記カメラを保持するバネ部材とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記バネ部材は、前記カメラに取り付けられるとともに、装着時の前記カメラの装着スライド方向に対して後側ほど前記カメラから離れる方向に傾斜する第1バネ板部と、該第1バネ板部の前記装着スライド方向の後端から該第1バネ板部に対し逆方向に傾斜する第2バネ板部と、該第2バネ板部の前記装着スライド方向の後端から該第2バネ板部に対し逆方向に傾斜する第3バネ板部とを有するS字状バネ部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記ベースには、前記S字状バネ部に係合して前記カメラの前記スライド方向の位置決めを行う位置決め部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明において、前記バネ部材は、前記第1バネ板部側が前記カメラに取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記ベースは、前記スライド方向に対して左右にスライドガイド部を有し、前記カメラは、前記スライド方向に対して左右に、対向面にスライド凹部が形成されたスライド壁部を有し、前記スライド機構が左右の前記スライドガイド部と左右の前記スライド凹部とにより構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記バネ部材は、前記カメラにおける左右の前記スライド壁部の間に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、車体側に固定されたベースに対しカメラをスライドさせてスライド機構により係合させると、バネ部材が、ベースとカメラとの間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させてベースにカメラを保持することになる。よって、ベースに対してカメラを、バネ部材の付勢力による摺動抵抗に抗してスライドさせれば着脱することができる。したがって、容易にカメラを着脱することができる。また、別途のバネ部材を用いるため、ベースおよびカメラが弾力性がない金属製であっても適用可能となる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、係合のためカメラをスライドさせると、例えば、バネ部材の第1バネ板部が、ベースの装着スライド方向の後縁部に当接し、その傾斜によってカメラ側に変形してベースのカメラ側に入り込む。その後、バネ部材は、第1バネ板部と第2バネ板部との間の角部にてベースに接触して進んだ後、この角部がベースから離れるとカメラとは反対側に若干戻り、この状態で第3バネ板部の第2バネ板部とは反対側をベースに当接させてベースとカメラとの間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させてベースにカメラを保持することになる。バネ部材が、このような第1バネ板部、第2バネ板部および第3バネ板部を有するS字状バネ部を備えることで、カメラの着脱に要する荷重およびカメラのベースへの保持荷重を容易に調整可能となるとともに、ベースからのカメラの容易な抜け出しを規制可能となる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、ベースに設けられた位置決め部が、S字状バネ部に係合してカメラのスライド方向の位置決めを行うため、簡素な構造でベースに対するカメラのスライド方向の位置決めを行うことができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、バネ部材は、第1バネ板部側がカメラに取り付けられているため、装着時に第1バネ板部の第2バネ板部とは反対側から乗り上げるベースを円滑に乗り上げさせることができ、バネ部材のめくれ上がりを回避できる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、スライド機構が、ベースの左右のスライドガイド部と、カメラの左右のスライド壁部に対向形成された左右のスライド凹部とにより構成されるため、簡素な構造で、ベースに対しカメラを着脱可能に係合させることができる。したがって、コスト増を抑制することができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、バネ部材が、カメラにおける左右のスライド壁部の間に取り付けられているため、カメラをベースに装着した状態では、バネ部材を左右のスライド壁部を含むカメラとベースとで囲むことができ、バネ部材の露出を抑えることができる。したがって、外観性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図であって、(a)は係合前の状態、(b)は係合途中の状態、(c)は係合後の状態を示すものである。
【図2】本発明の第1実施形態の係合後の状態を示す部分斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のベースおよびバネ部材を示す部分側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のベースおよびバネ部材を示す部分側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態のベースおよびバネ部材を示す部分側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態のベースおよびバネ部材を示す部分側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態のベースおよびバネ部材を示す部分側面図である。
【図9】本発明の第1実施形態のベースの変形例とバネ部材とを示す部分側面図である。
【図10】本発明の第1実施形態のベースの変形例とバネ部材とを示す部分側面図である。
【図11】本発明の第1実施形態のベースの変形例とバネ部材とを示す部分側面図である。
【図12】本発明の第2実施形態の係合後の状態を示す部分側面図である。
【図13】本発明の第2実施形態のバネ部材の変形例等を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施形態に係るカメラの車載構造を図1〜図11を参照して以下に説明する。
【0020】
図中符号11はカメラであり、符号12はこのカメラ11を車載するためのベースである。図1(a)〜(c)に示すように、カメラ11は、ベース12に対しスライドさせられることで着脱されるようになっている。
【0021】
ベース12は、高さの低い略四角板状の取付部15と、この取付部15の下部から横四方向に広がる四角板状のガイド板部16とを有している。このベース12は、取付部15およびガイド板部16が一体成形されており、具体的には金属の鋳造品となっている。ベース12は、図3に示すように、車体側の前下がりのフロントガラス17に取付部15の上面が両面接着シート18により接着されて取り付けられることになる。
【0022】
取付部15に対してフロントガラス17とは反対側に設けられるガイド板部16は、図1に示すように、前縁部21と後縁部22とが平行をなしており、左右一対の側縁部23,23が互いに平行をなし前縁部21および後縁部22に対し直交している。ガイド板部16の側縁部23,23を含む両側部分が、取付部15よりも左右に延出する一対のスライドガイド部24,24を構成している。
【0023】
カメラ11は、撮像のための各種部品が内蔵されたカメラ本体28と、カメラ本体28の前端に上下に角度調整可能に連結されたレンズ部29とを有しており、レンズ部29が車両前方を向くようにして車載される。カメラ本体28は、外側がケース31で覆われており、このケース31の上面には、上方に突出し前後方向に延在する左右一対のスライド壁部34,34が形成されている。このケース31は、左右一対のスライド壁部34,34を含む全体が一体成形されており、具体的には金属の鋳造品となっている。
【0024】
左右一対のスライド壁部34,34には、それぞれの対向面に、互いに離間する方向に凹んで前後方向に貫通するスライド凹部36がケース33の上面と平行となして形成されている。これにより、左右一対のスライド凹部36,36は、左右一対のスライド壁部34,34に対向形成されている。ここで、カメラ11は、ベース12に対して、左右一対のスライド凹部36,36に左右一対のスライドガイド部24,24を嵌合させて前方Fにスライドすることにより装着され、左右一対のスライド凹部36,36に左右一対のスライドガイド部24,24を嵌合させた状態で後方Rにスライドすることにより取り外されることになる。このような着脱時に、カメラ11は、一対のスライドガイド部24,24に沿って移動する。一対のスライドガイド部24,24と一対のスライド凹部36,36とが、ベース12に対しカメラ11をスライドによって着脱可能に係合させるスライド機構37を構成している。
【0025】
カメラ11のケース31の上面には、左右一対のスライド壁部34,34間の中央位置に上方に突出する突起39が鋳造時に一体成形されており、この突起39に加締めによってバネ部材40が取り付けられている。よって、バネ部材40は、カメラ11の左右一対のスライド壁部34,34の間に取り付けられている。
【0026】
バネ部材40は、図3に示すように、装着時のカメラ11のスライド方向Fに対して後上がりに(つまり後側ほどカメラ11から離れる方向に)傾斜する第1バネ板部41と、この第1バネ板部41の後端から第1バネ板部41に対し後下がりに(つまり第1バネ板部41とは逆方向に)傾斜する第2バネ板部42と、この第2バネ板部42の後端から第2バネ板部42に対し後上がりに(つまり第2バネ板部42とは逆方向に)傾斜する第3バネ板部43と、この第3バネ板部43の後端から第3バネ板部43に対し後下がりに傾斜する第4バネ板部44と、この第4バネ板部44の後端から第4バネ板部44に対し後上がりに傾斜しカメラ11のスライド方向に沿って延出する取付板部45とを有している。バネ部材40は、取付板部45がケース31の上面に当接させられた状態で、取付穴46に挿通された突起39が加締められることによりケース31に取り付けられる。上記した第1バネ板部41と第2バネ板部42と第3バネ板部43とがS字状バネ部47を構成している。
【0027】
フロントガラス17に固定されたベース12に対して、カメラ11を取り付ける場合、図1(a)〜(c)に示すように、スライド機構37を構成する左右一対のスライドガイド部24,24と左右一対のスライド凹部36,36とを嵌合させるようにして、カメラ11を車両前後方向後側から前側にスライドさせる。すると、その初期に、バネ部材40の後上がりに傾斜する第1バネ板部41が、ベース12の後縁部22に当接し、自身の傾斜によって下方に変位し、ベース12の下側に入り込む。これにより、バネ部材40は、ケース31の上面側に変形してベース12とカメラ11との間に、スライド方向に対し交差する方向(カメラ11の上面に垂直な方向)の付勢力を発生させる。
【0028】
その後、バネ部材40は、図3に示す後上がりに傾斜する第1バネ板部41と第1バネ板部41に対し後下がりに傾斜する第2バネ板部42との間の角部50にてベース12の下面に接触して比較的大きな摺動抵抗を発生させながら進んだ後、この角部50がベース12の下面から離れると上方に若干戻って摺動抵抗を減らし、図4に示すように、後下がりに傾斜する第2バネ板部42にてベース12の前縁部21に係合する。このとき、後上がりに傾斜する第3バネ板部43と後下がりに傾斜する第4バネ板部44との角部52がベース12の下面に当接する。この状態でも、バネ部材40は、スライド機構37で係合されたベース12とカメラ11との間にスライド方向に対し交差する方向(カメラ11の上面に垂直な方向)に付勢力を発生させて、ガタツキをなくしベース12にカメラ11を保持することになる。このとき、後下がりに傾斜する第2バネ板部42がベース12の前縁部21(位置決め部)に係合することで、カメラ11の装着時のスライド方向Fの位置決めがなされる。
【0029】
以上に述べた第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0030】
フロントガラス17に固定されたベース12に対しカメラ11をスライドさせてスライド機構37により係合させると、バネ部材40が、ベース12とカメラ11との間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させてベース12にカメラ11をガタツキなく保持することになる。よって、ベース12に対してカメラ11を、バネ部材40の付勢力による摺動抵抗に抗してスライドさせれば着脱することができる。したがって、容易にカメラ11を着脱することができる。また、別途のバネ部材40を用いるため、ベース12およびカメラ11が弾力性がない金属製であっても適用可能となる。
【0031】
バネ部材40が、第1バネ板部41、第2バネ板部42および第3バネ板部43を有するS字状バネ部47を備えることで、カメラ11の着脱に要する荷重およびカメラ11のベース12への保持荷重を容易に調整可能となるとともに、ベース12からのカメラ11の容易な抜け出しを規制可能となる。例えば、図5に示すように、装着時のスライド方向Fに対して、第1バネ板部41の傾斜角度を破線のように小さくすれば、カメラ11の装着に要する荷重を小さくでき、第1バネ板部41の傾斜角度を実線のように大きくすれば、カメラ11の装着に要する荷重を大きくできる。また、図6に示すように、取り外し時のスライド方向Rに対して、第2バネ板部42の傾斜角度を破線のように小さくすれば、カメラ11の取り外しに要する荷重を小さくでき、第2バネ板部42の傾斜角度を実線のように大きくすれば、カメラ11の取り外しに要する荷重を大きくでき、容易な抜け出しを規制可能となる。なお、バネ部材40側で調整するのではなく、図7に示すように、装着時のスライド方向Fに対して、ベース12の後縁部22を破線のように後上がりとすれば、カメラ11の装着に要する荷重を小さくでき、実線のように後下がりとすれば、カメラ11の装着に要する荷重を大きくできる。また、図8に示すように、取り外し時のスライド方向Rに対して、ベース12の前縁部21を破線のように前下がりとすれば、カメラ11の取り外しに要する荷重を小さくでき、実線のように前上がりとすれば、カメラ11の取り外しに要する荷重を大きくできる。加えて、第3バネ板部43と第4バネ板部44との間の角部52の自然状態での高さ位置を高くすればするほど、カメラ11のベース12への保持荷重を高くできる。
【0032】
バネ部材40が、第1バネ板部41、第2バネ板部42および第3バネ板部43を有するS字状バネ部47を備えるため、カメラ11の装着時にベース12が第1バネ板部41と第2バネ板部42との間の角部50に乗り上げることで摺動抵抗が上がり、装着位置では、ベース12が角部50から離れることでこの摺動抵抗が下がり、いわゆるクリック感を発生させることができる。また、その際に、角部50と段差を有する、第3バネ板部43と第4バネ板部44との間の角部52がベース12に当たって音を発生させることになる。これらにより、適正な装着位置にカメラ11が至ったことを報知できる。
【0033】
ベース12に設けられた位置決め部としての前縁部21が、S字状バネ部47の第2バネ板部42に係合してカメラ11のスライド方向の位置決めを行うため、簡素な構造でベース12に対するカメラ11のスライド方向の位置決めを行うことができる。なお、位置決め部として、図9に示すように、ベース12の下面に断面四角形状の凹部55を形成し、この凹部55に第1バネ板部41および第2バネ板部42をそれぞれ線接触させるようにしてこれらの間の角部50を入れ込むことで、ベース12に対するカメラ11の着脱方向のガタツキをなくしてこの方向の位置決めができることになる。また、図10に示すように、ベース12の下面に断面三角形状の凹部56を形成し、この凹部56に第3バネ板部43および第4バネ板部44を面接触させるようにしてこれらの間の角部52を入れ込むことでも、ベース12に対するカメラ11の着脱方向のガタツキをなくしてこの方向の位置決めができることになる。また、図11に示すように、ベース12の下面に突起部57を形成し、この突起部57を第2バネ板部42と第3バネ板部43とに当接させるようにしてこれらの間に入れ込むことでも、ベース12に対するカメラ11の着脱方向のガタツキをなくしてこの方向の位置決めができることになる。
【0034】
スライド機構37が、ベース12のフロントガラス17への取付部15よりも左右に延出する一対のスライドガイド部24,24と、カメラ11の上面から上方に突出する左右一対のスライド壁部34,34に対向形成された左右一対のスライド凹部36,36とにより構成されるため、簡素な構造で、ベース12に対しカメラ11を着脱可能に係合させることができる。したがって、コスト増を抑制することができる。
【0035】
バネ部材40が、カメラ11における左右一対のスライド壁部34,34の間に取り付けられているため、カメラ11をベース12に装着した状態では、バネ部材40を一対のスライド壁部34,34を含むカメラ11と、ベース12とで囲むことができ、バネ部材40の露出を抑えることができる。したがって、外観性能を向上できる。
【0036】
本発明の第2実施形態に係るカメラの車載構造を図12および図13を参照して第1実施形態との相違部分を中心に説明する。
【0037】
第2実施形態においては、図12に示すように、バネ部材60が、装着時のカメラ11のスライド方向Fに沿って延出する取付板部61と、この取付板部61の後端から取付板部61に対して後上がりに傾斜する第1バネ板部62と、この第1バネ板部62の後端から第1バネ板部62に対して後下がりに傾斜する第2バネ板部63と、この第2バネ板部63の後端から第2バネ板部63に対して後上がりに傾斜する第3バネ板部64と、この第3バネ板部64の後端から第3バネ板部64に対して後下がりに傾斜する第4バネ板部65とを有している。このバネ部材60は、第1バネ板部62側の取付板部61においてカメラ11のケース31の上面に取り付けられる。また、第1バネ板部62と第2バネ板部63と第3バネ板部64とがS字状バネ部67を構成している。
【0038】
そして、ベース12の下面に断面四角形状の凹部69を形成し、この凹部69に第3バネ板部64および第4バネ板部65の間の角部70を入れ込むことで、ベース12に対するカメラ11のスライド前後方向の位置決めを行うようになっている。
【0039】
このような構成の第2実施形態によれば、バネ部材60が第1バネ板部62側の取付板部61にてカメラ11に取り付けられているため、装着時に第1バネ板部62の第2バネ板部63とは反対側(固定側)から乗り上げるベース12を円滑に乗り上げさせることができ、バネ部材60の開放側めくれ上がりを回避できる。
【0040】
なお、図13に示すように、バネ部材60を、第4バネ板部65の後端から第4バネ板部65に対して後上がりに傾斜する第5バネ板部72と、この第5バネ板部72の後端から第5バネ板部72に対して後下がりに傾斜する第6バネ板部73と、この第6バネ板部73の後端から第6バネ板部73に対して後上がりに傾斜してスライド方向Fに沿う第2取付板部74とを設け、取付板部61および第2取付板部74においてカメラ11のケース31の上面に取り付けるようにしても良い。
【0041】
以上において、ベース12の取付部15をフロントガラス17以外に取り付けることも可能であり、例えば天井部に取り付けたり、上下を反転させてインストルメントパネルの上面に取り付けたりすることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
11 カメラ
12 ベース
15 取付部
16 スライドガイド部
17 フロントガラス(車体側)
21 前縁部(位置決め部)
34 スライド壁部
36 スライド凹部
37 スライド機構
40,60 バネ部材
41,62 第1バネ板部
42,63 第2バネ板部
43,64 第3バネ板部
47,67 S字状バネ部
55,56,69 凹部(位置決め部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に固定されるベースと、
カメラと、
前記ベースに対し前記カメラをスライドによって着脱可能に係合させるスライド機構と、
該スライド機構で係合された前記ベースと前記カメラとの間にスライド方向に対し交差する方向に付勢力を発生させて前記ベースに前記カメラを保持するバネ部材とを備えることを特徴とするカメラの車載構造。
【請求項2】
前記バネ部材は、
前記カメラに取り付けられるとともに、
装着時の前記カメラの装着スライド方向に対して後側ほど前記カメラから離れる方向に傾斜する第1バネ板部と、
該第1バネ板部の前記装着スライド方向の後端から該第1バネ板部に対し逆方向に傾斜する第2バネ板部と、
該第2バネ板部の前記装着スライド方向の後端から該第2バネ板部に対し逆方向に傾斜する第3バネ板部とを有するS字状バネ部を備えることを特徴とする請求項1記載のカメラの車載構造。
【請求項3】
前記ベースには、前記S字状バネ部に係合して前記カメラの前記スライド方向の位置決めを行う位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項2記載のカメラの車載構造。
【請求項4】
前記バネ部材は、前記第1バネ板部側が前記カメラに取り付けられていることを特徴とする請求項2または3記載のカメラの車載構造。
【請求項5】
前記ベースは、前記スライド方向に対して左右にスライドガイド部を有し、
前記カメラは、前記スライド方向に対して左右に、対向面にスライド凹部が形成されたスライド壁部を有し、
前記スライド機構が左右の前記スライドガイド部と左右の前記スライド凹部とにより構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のカメラの車載構造。
【請求項6】
前記バネ部材は、前記カメラにおける左右の前記スライド壁部の間に取り付けられていることを特徴とする請求項5記載のカメラの車載構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−91596(P2012−91596A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239072(P2010−239072)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【特許番号】特許第4906954号(P4906954)
【特許公報発行日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(300052246)株式会社ホンダエレシス (105)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】