説明

カメラインタフェース装置および画像通信システム

【課題】多数の閲覧端末からのアクセスにも対応可能であり、管理負担の小さい画像の配信技術を提供することを課題とする。
【解決手段】店舗PC11Aは、カメラ12A1〜12A3のプロトコルにそれぞれ対応した第1〜第3インタフェース114〜116を備える。店舗PC11Aは、第1〜第3インタフェースを用い、カメラ12A1〜12A3から画像を取得し、ハードディスク111に格納する。ユーザ端末25は、ネットワーク2経由でアプリケーションサーバ31にアクセスし、店舗管理システムの画面データを取得する。取得した画面データには、店舗PC11を経由して取得したカメラ12A1〜12A3で撮像された画像が合成され、ユーザ端末25のモニタに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗などのエリア内に設置された複数のカメラを制御するためのインタフェース装置、および、複数のカメラとインタフェース装置により店舗などのエリア内の状況を配信するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアなどの店舗には、監視カメラが設置されている。監視カメラが撮像した店舗内の画像は、店舗内に設置されたハードディスク装置などに蓄積され、後で再生して閲覧することが可能である。あるいは、監視カメラが撮像した画像は、ネットワーク経由で管理センタなどに設置された閲覧端末に転送される。店舗の管理者やフランチャイズチェーンの管理者などは、各店舗の画像をネットワーク経由で閲覧することで、店舗ごとの状況を比較し、分析することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−283230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、監視カメラが撮像した画像はネットワーク経由で転送されるため、多数のユーザが同時に監視カメラの画像を閲覧することが可能である。しかし、多数のユーザが利用する閲覧端末が同時にネットワーク経由で監視カメラにアクセスした場合、監視カメラに処理負荷が掛かり、監視カメラのパフォーマンスが劣化する可能性がある。多数のアクセスに対しても充分にパフォーマンスできるような高性能なCPUを監視カメラに搭載することはコストの面からも現実的ではない。
【0005】
また、高画質が要求される環境においては、監視カメラに搭載されるバッファメモリにも大きな容量が要求されることになる。しかし、やはりコスト面から監視カメラに大きなバッファメモリを持たせることは現実的ではない。多数の監視カメラを設置するシステム構成であれば、各監視カメラに大きなバッファメモリを保有させることは、システム全体のコストを増大させることになる。
【0006】
また、複数の異なるメーカの監視カメラが混在して使用されるケースは、めずらしいケースではない。このようなケースでは、閲覧端末からこれら異なるメーカの監視カメラの画像を閲覧しようとすれば、閲覧端末に各メーカのカメラに対応したドライバをインストールする必要がある。ネットワークに多数の閲覧端末が接続されている場合には、これら多数の閲覧端末それぞれに各メーカのドライバをインストールする必要があり、管理が煩雑である。
【0007】
上記特許文献1は、店舗内に設置された複数の監視カメラの画像をネットワーク経由で閲覧可能とするシステムに関する。このシステムでは、閲覧端末が直接複数の監視カメラに接続される形態であるので、新たな閲覧端末を追加した場合には、その閲覧端末に複数の監視カメラに対応したドライバをインストールする必要があると考えられる。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、多数の閲覧端末からのアクセスにも対応可能であり、管理負担の小さい画像の配信技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、カメラインタフェース装置であって、第1〜第Nのカメラに対応したプロトコルを利用して、前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を入力する第1〜第Nのカメラインタフェースと、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して入力した画像を蓄積する記憶装置と、画像閲覧端末との間で前記第1〜第Nのカメラの種別に依存しない共通プロトコルを利用して通信を行い、前記記憶装置に格納された前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を前記画像閲覧端末に転送する端末インタフェースと、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のカメラインタフェース装置であって、さらに、ネットワーク経由で前記第1〜第Nのカメラの設定情報を取得し、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して前記第1〜第Nのカメラの設定を行うカメラ設定部、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、画像通信システムであって、カメラインタフェース装置と、前記カメラインタフェース装置とネットワークを介して接続された画像閲覧端末と、前記カメラインタフェース装置に接続された第1〜第Nのカメラと、を備え、前記カメラインタフェース装置は、前記第1〜第Nのカメラに対応したプロトコルを利用して、前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を入力する第1〜第Nのカメラインタフェースと、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して入力した画像を蓄積する記憶装置と、前記画像閲覧端末との間で前記第1〜第Nのカメラの種別に依存しない共通プロトコルを利用して通信を行い、前記記憶装置に格納された前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を前記画像閲覧端末に転送する端末インタフェースと、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の画像通信システムにおいて、さらに、前記画像閲覧端末とネットワークを介して接続されたアプリケーションサーバ、を備え、前記アプリケーションサーバは、前記画像閲覧端末に対して画像表示インタフェース用のデータを送信するユーザインタフェース送信部、を含み、前記画像閲覧端末のモニタには、前記アプリケーションサーバから取得した前記画像表示インタフェースに、前記カメラインタフェース装置から取得した画像が埋め込まれて表示されることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3に記載の画像通信システムにおいて、さらに、前記カメラインタフェース装置とネットワークを介して接続された管理サーバ、を備え、前記カメラインタフェース装置は、前記管理サーバからネットワーク経由で前記第1〜第Nのカメラの設定情報を取得し、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して前記第1〜第Nのカメラの設定を行うカメラ設定部、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のカメラインタフェース装置は、第1〜第Nのカメラそれぞれのプロトコルに対応した第1〜第Nのカメラインタフェースを備え、画像閲覧端末に対しては、第1〜第Nのカメラの種別に依存しない共通プロトコルを利用して画像を配信する。これにより、画像閲覧端末には、各カメラに対応したドライバソフトウェアをインストールする必要がなく、システムの構築負担、メンテナンス負担を低減させることができる。
【0015】
また、カメラインタフェース装置は、第1〜第Nのカメラで撮像された画像を蓄積する記憶装置を備え、当該記憶装置に一旦蓄積した画像を画像閲覧端末に転送する。これにより、各カメラに大きなバッファメモリを持たせる必要がなくなり、システム構築コストを低減させることができる。
【0016】
さらには、画像閲覧端末が各カメラに直接アクセスする形態ではないため、複数の画像閲覧端末のアクセスが1つのカメラに集中するといった問題が発生しない。これにより、カメラに搭載させるCPUに高いスペックが要求されず、カメラのコストを低減させることができる。
【0017】
また、カメラインタフェース装置を経由することで、管理サーバは、第1〜第Nのカメラに対する設定操作を一元管理することができる。これにより、システムのメンテナンス負担を大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】店舗管理システムのシステム全体構成図である。
【図2】店舗管理システムのアプリケーション動作時におけるユーザ端末とアプリケーションサーバの処理形態を示す図である。
【図3】カメラが撮像した画像の蓄積形態を示す図である。
【図4】カウント装置が取得したカウントデータの蓄積形態を示す図である。
【図5】店舗管理システムのアプリケーション動作時にユーザ端末がアクセスする各種データベースを示す図である。
【図6】店舗PCの構成を示す図である。
【図7】店舗カメラ一覧画面を示す図である。
【図8】店舗の状況を表示している状態の店舗状況表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る店舗管理システムの全体図である。店舗管理システムは、店舗1A、1B、1Cに設置された店舗内システム10A、10B、10Cと、本部管理センタ3内に設置されたセンタシステム30などから構成される。店舗内システム10A、10B、10Cとセンタシステム30とは、ネットワーク2によって接続されている。ネットワーク2としては、専用線やインターネットを利用することができる。
【0020】
店舗1A、1B、1Cは、たとえばコンビニエンスストアやドラッグストアであり、店舗1A、1B、1Cは、同じフランチャイズに加盟している。本部管理センタ3は、フランチャイズの全加盟店を統括する本部である。また、地域統括センタ4は、フランチャイズの加盟店のうち、特定の地域を統括するセンタである。
【0021】
店舗1Aには、LAN15Aが設置されている。LAN15Aには、店舗PC(パーソナルコンピュータ)11A、カメラ12A1〜12A3、カウント装置13Aが接続されている。このように店舗1Aには、3台のカメラ12A〜12A3が設置されている。これらLAN15A、店舗PC11A、カメラ12A1〜12A3、カウント装置13Aにより店舗内システム10Aを構成している。
【0022】
店舗PC11Aは、店舗内システム10Aを管理する端末であり、カメラ12A1〜12A3が撮像した画像を蓄積する機能や、蓄積した画像を本部管理センタ3に転送する機能などを備える。カメラ12A1〜12A3は、店舗1A内の画像を撮像可能としている。
【0023】
カウント装置13Aは、店舗1Aの入り口付近に設置されており、店舗1Aへ入場する客の人数、店舗1Aから退場する客の人数を検知可能としている。カウント装置13Aは、入場者数、退場者数をカウントすることで、現在の店舗1A内における客の滞留者数を算出することができる。カウント装置13Aは、入り口付近を撮像範囲とする画像を取得し、画像解析をすることによって入り口を通過する客の人数を算出することを可能としている。
【0024】
店舗1B、1Cに設置された店舗内システム10B、10Cの構成も店舗内システム10Aと同様である。店舗1B、1Cには、それぞれLAN15B、15Cが設置され、LAN15B、15Cには、それぞれ店舗PC11B、11Cが接続されている。また、LAN15B、15Cには、カメラ12B、12Cが接続され、それぞれ店舗1B、1C内の画像を撮像する。さらに、店舗1B、1Cの入り口付近には、カウント装置13B、13Cが接続され、店舗1B、1Cへの入退場数をカウントする。ここでは、店舗1B、1Cには、それぞれ1台のカメラ12B、12Cが接続されている場合を例に説明しているが、店舗1Aと同様複数のカメラが接続されていてもよい。
【0025】
以下の説明において、店舗1A〜1Cを適宜総称して店舗1として説明する。また、店舗PC11A〜11Cを総称して店舗PC11と、カメラ12A1〜12A3、12B、12Cを総称してカメラ12と、カウント装置13A〜13Cを総称してカウント装置13として説明する。たとえば、図3におけるカメラ12は、カメラ12A1〜12A3、12B、12Cに共通の説明として参照される。また、図4におけるカウント装置13は、カウント装置13A〜13Cに共通の説明として参照される。
【0026】
本部管理センタ3には、センタシステム30が設置されている。センタシステム30は、LAN35と、LAN35に接続されたアプリケーションサーバ31、管理サーバ32、画像データベース33、入店者数データベース34、ユーザ端末25などを備えて構成される。
【0027】
アプリケーションサーバ31は、この店舗管理システムを利用するユーザに対して、様々なサービスを提供するサーバである。店舗管理システムを利用するユーザとは、たとえば、本部管理センタ3内で業務を行うフランチャイズ本部の管理者や、店舗1A〜1Cの各店長などである。あるいは、店舗1A〜1Cのある地域を統括する地域統括センタ4にいる地域管理者などである。これらのユーザは、ユーザ端末25を利用してアプリケーションサーバ31にアクセスし、店舗管理システムのサービスを受けることができる。
【0028】
図に示すように、本部管理センタ3には、フランチャイズ本部の管理者が利用するユーザ端末25がLAN35に接続されている。また、地域統括センタ4には、地域管理者が利用するユーザ端末25が配置されている。また、店舗1Cには、店舗1Cの店長が利用するユーザ端末25がLAN10Cに接続されている。なお、店舗PC11が、ユーザ端末25としての機能を備えていてもよい。
【0029】
本実施の形態においては、図2に示すように、アプリケーションサーバ31は、WEBを利用してユーザ端末25に店舗管理システムのサービスを提供する。アプリケーションサーバ31には、WWWサーバ311が実装されており、ユーザ端末25にインストールされているWEBブラウザ251が、WWWサーバ311にアクセスする。そして、アプリケーションサーバ31に格納されている店舗管理システム用コンテンツ312がHTTPを利用してユーザ端末25にダウンロードされ、ユーザ端末25に店舗管理システムのユーザインタフェースを提供する。ユーザインタフェースの詳細については後で説明する。
【0030】
管理サーバ32は、店舗管理システムのメンテナンスを行なうためのサーバである。管理サーバ32は、アプリケーションサーバ31に対する各種の設定や、画像データベース33、入店者数データベース34のメンテナンスなどを行なうことができる。また、管理サーバ32は、店舗1に接続された各カメラ12の制御を行うことができる。後述するように、管理サーバ32は、直接各カメラ12を制御するのではなく、店舗PC11に対して各カメラ12に対する制御情報を送る。
【0031】
画像データベース33は、店舗1A〜1Cのカメラ12A1〜12A3、12B、12Cで撮像された画像を蓄積するデータベースである。図3に示すように、カメラ12で撮像された画像は、店舗PC11に蓄積される。たとえば、本実施の形態では、カメラ12は、1fps(frame per second)で画像を取得し、そのままのフレームレートで撮像画像を店舗PC11のハードディスク111に格納する。
【0032】
店舗PC11のハードディスク111に格納された画像は、さらに、ネットワーク2経由で本部管理センタ3に転送され、画像データベース33に蓄積される。画像データベース33には、スナップショット用の画像として、フレームレートを落とした画像が格納される。本実施の形態においては、画像データベース33には、1分間に1フレームのフレームレートで画像が保存される。
【0033】
入店者数データベース34は、店舗1A〜1Cのカウント装置13A〜13Cによってカウントされたカウントデータを蓄積するデータベースである。図4に示すように、カウント装置13は、メモリ131を備えている。カウント装置13は、店舗11の入り口において、入店者数および退場者数をカウントし、入店者数データと退場者数データをメモリ131に格納する。また、カウント装置13は、入店者数データと退場者数データから現在の店舗内の客の滞留者数を算出し、滞留者数データを格納する。
【0034】
カウント装置13は、メモリ131にカウントデータを5日分保存するようにしている。カウントデータは、入場者数データ、退場者数データ、滞留者数データからなるデータである。また、カウント装置13は、30分に1回の頻度で、メモリ131に蓄積しているカウントデータを、5日分まとめて本部管理センタ3に転送し、入店者数データベース34に登録する。これにより、本部管理センタ3の入店数データベース34には、店舗1A〜1Cから転送された過去5日分のカウントデータが追加更新されることになる。
【0035】
このように、本実施の形態の店舗管理システムにおいては、店舗1A〜1Cで撮像された画像が、店舗1A〜1Cに設置されている店舗PC11A〜11Cに蓄積される。この画像は、上述したように、たとえば1fpsなどのコマ数の多い画像であり、後で、店舗内の状況を詳細に把握することに役立つデータである。
【0036】
また、本部管理センタ3の画像データベース33にも、店舗1A〜1Cで撮像された画像が蓄積される。ただし、この画像は、たとえば1分間に1フレームなど、コマ数の少ない画像である。この画像は、店舗内のおおよその状況を把握するのに役立つデータである。
【0037】
さらに、本部管理センタ3の入店者数データベース34には、店舗1A〜1Cで取得されたカウントデータが格納される。このデータは、後で、店舗1A〜1Cの入店者数、滞留者数を分析する目的に用いられる。
【0038】
次に、ユーザ端末25の機能について説明する。上述したように、ユーザ端末25は、本部管理センタ3や店舗1A〜1C、地域統括センタ4などに設置され、管理者や店長などが店舗内の状況を閲覧するために利用する。
【0039】
図5は、ユーザ端末25において店舗管理システムのアプリケーションを起動したときの、データアクセス経路を示す図である。上述したように、本実施の形態においては、店舗管理システムは、WEBを利用しているので、まず、ユーザは、ユーザ端末25においてWEBブラウザ251を起動し、アプリケーションサーバ31のWWWサーバ311にアクセスする。これにより、アプリケーションサーバ31から店舗管理システム用コンテンツ312がダウンロードされ、店舗管理システムのWEBアプリケーションが起動する。そして、WEBアプリケーションは、アプリケーションサーバ31を介して、入店者数データベース34にアクセスし、カウントデータを取得する。また、WEBアプリケーションは、店舗PC11にアクセスし、ハードディスク111に格納されている画像データを取得する。あるいは、WEBアプリケーションは、アプリケーションサーバ31を介して、画像データベース33にアクセスし、画像データを取得する。そして、WEBアプリケーションは、取得した画像データやカウントデータを利用して、後で説明するユーザインタフェース画面をモニタに表示するのである。
【0040】
図6は、店舗PC11Aのブロック図である。店舗PC11Aには、上述したように、3台のカメラ12A1〜12A3が接続されている。カメラ12A1〜12A3は、それぞれ異なるメーカのカメラである。したがって、店舗PC11Aとカメラ12A1〜12A3の間のプロトコルは、それぞれ異なるプロトコルである。店舗PC11Aは、カメラ12A1〜12A3にそれぞれ対応した第1〜第3インタフェース114〜116を備えている。
【0041】
第1〜第3インタフェース114〜116は、店舗PC11Aに、カメラ12A1〜12A3に対応したドライバソフトウェアがインストールされることにより構成されるインタフェースである。店舗PC11Aは、第1〜第3インタフェース114〜116を利用して、カメラ12A1〜12A3から画像データを取得し、ハードディスク111に格納する。
【0042】
店舗PC11Aは、また、端末インタフェース112を備えている。店舗PC11Aは、端末インタフェース112を介して、ネットワーク2に接続されたユーザ端末25に画像を転送する。ユーザ端末25は、上述したように、本部管理センタ3や地域統括センタ4などに設置されている。ユーザ端末25は、端末インタフェース112を介して、ハードディスク111に格納された画像データを取得する。
【0043】
これにより、ユーザ端末25は、カメラ12A1〜12A3で撮像された画像を単一のインタフェースを利用して閲覧することができる。つまり、カメラ12A1〜12A3にアクセスするためには、それぞれのカメラに対応した異なるプロトコルを利用する必要があるが、店舗PC11Aがカメラごとのプロトコルの違いを吸収している。したがって、ユーザ端末25は、カメラごとのプロトコルの違いを意識することなく、店舗PC11Aの端末インタフェース112を介して画像データを取得することができる。本実施の形態においては、上述したように、ユーザ端末25のユーザインタフェース画面は、WEBアプリケーションにより構成されているので、端末インタフェース112は、HTTP上で構築されるインタフェースである。
【0044】
店舗PC11Aは、また、カメラ制御部113を備えている。カメラ制御部113は、カメラ12A1〜12A3に対する各種の制御を行う。カメラ制御部113は、ネットワーク2を介して管理サーバ32からカメラ制御情報を受信し、受信したカメラ制御情報に基づいて、第1〜第3インタフェース114〜116を利用して、カメラ12A1〜12A3に制御信号を出力する。カメラ12A1〜12A3は、店舗PC11Aから入力した制御信号に基づいて動作内容を決定する。カメラ制御情報としては、たとえば、店舗1Aの開店時間(撮影開始時間)と閉店時間(撮影終了時間)などのスケジュール情報、フレームレートに関する制御情報、カメラ角度(パン、チルト)、ズーム動作に関する制御情報などが含まれる。
【0045】
図7は、ユーザ端末25のモニタに表示された店舗カメラ一覧画面51を示す。ユーザは、まず、店舗カメラ一覧画面51において、閲覧したい店舗に設置されたカメラ12の選択を行なう。
【0046】
ここで、店舗カメラ一覧画面51には、ユーザごとに表示されるカメラ12のリストが異なる。図示省略しているが、店舗カメラ一覧画面51に画面が遷移する前に、モニタにはログイン画面が表示される。ユーザは、ログイン画面において、ユーザIDやパスワードを入力している。店舗カメラ一覧画面51は、ユーザIDに基づいて表示するカメラ12のリストを決定する。
【0047】
たとえば、フランチャイズ本部の管理者であれば、全カメラを参照する権限を持つので、フランチャイズに加盟している全店舗の全カメラを参照することができる。これに対して、たとえば、店舗1Cの店長であれば、店舗1Cに設置されたカメラ12Cだけを閲覧する権限を持つ。地域統括センタ4の管理者であれば、統括している地域の全店舗のカメラを閲覧する権限を持たせることができる。
【0048】
ユーザが、店舗カメラ一覧画面51から閲覧したい店舗のカメラを選択すると、図8に示す店舗状況表示画面53が表示される。ここでは、ユーザが、図7に示す店舗カメラ一覧画面51において雄琴店の第1カメラを選択した場合を例に説明する。図7に示すように、雄琴店には第1、第2の2台のカメラが設置されており、ユーザは、第1カメラを選択している。
【0049】
図8に示すように、店舗状況表示画面53は、上段の画像操作部61と、下段のヒストグラム表示部62から構成されている。店舗状況表示画面53が表示されると、ユーザは、画面上部の日付指定欄531において、店舗の状況を閲覧したい日付を指定する。図では、ユーザが、2008年12月24日(水)を指定した状態を示している。気象情報欄532には、日付指定欄531において指定された日付の天気(図は晴れマーク)と、最高気温、最低気温の情報が表示されている。気象情報欄532に表示させる情報は、たとえば、管理センタ3に設置されたデータベースや、インターネット上のデータベースなどから取得される。
【0050】
画像操作部61の画像表示部611には、カメラ12が撮像した画像が表示される。図の例では、日付指定欄531において指定された2008年12月24日(水)の雄琴店の第1カメラが撮影した画像が表示されている。画像表示部611に表示される画像は、カメラ12において撮像され、店舗PC11のハードディスク111に格納されている画像である。あるいは、時刻指定欄533において時刻が指定されると、日付指定欄531において指定された日における時刻指定欄533において指定された時刻の画像が表示される。
【0051】
このように本実施の形態の店舗管理システムは、カメラ12で撮像された画像が、カメラインタフェース装置として動作する店舗PC11に格納され、店舗PC11を経由してユーザ端末25に転送される。これにより、特定のカメラ12に対して多数のユーザ端末25から画像の参照要求が発生した場合にも、特定のカメラ12にアクセスが集中することを防止できる。特定のカメラ12に対する画像の参照要求が多数発生した場合にも、それらの要求を店舗PC11が受け付けるので、カメラ12に処理負荷が掛かり、パフォーマンスが劣化するという問題を防止できる。店舗PC11に高性能のCPUを搭載しておけば、多数のアクセスにも対応可能であり、カメラ12のCPUのスペックを標準的なもので構成しても対応可能である。これにより、店舗1内に多数のカメラ12が設置される場合にも、システムコストを低減させることができる。
【0052】
また、カメラ12で撮像した画像を店舗PC11のハードディスク111に格納するので、カメラ12に搭載するメモリ131のサイズを低減させることができる。店舗PC11に大規模なストレージを1台用意すればよく、店舗1内のそれぞれのカメラ12に大きなサイズのストレージを用意する場合と比べてコストを抑えることができる。また、PC用のストレージは汎用的な低コストなものが存在するので、カメラ12に大規模なストレージを搭載するよりも低コストな構成とすることができる。
【0053】
ヒストグラム表示部62には、日付指定欄531で指定された日付に対応する入店者数のヒストグラムが表示されている。ヒストグラム表示部62は、入店者数データベース34に格納されているカウントデータに基づいてヒストグラムを表示する。ヒストグラムは、0時から24時までの入店者数を2時間刻みでグラフ化している。図では、カウントデータに含まれる入店者数データに基づいてヒストグラムが表示されている。したがって、図のヒストグラムは店舗への入店者数の推移を示している。また、カウントデータに含まれる滞留者数データに基づいてヒストグラムを表示させるよう表示設定を変更することができる。この場合であれば、時間帯別の店舗内の客の滞留者数の推移を示すことができる。滞留者数の表示方法としては、たとえば、指定された時間帯における滞留者数の平均人数をグラフ化すればよい。
【0054】
ユーザは、まず、ヒストグラムを参照することで、日付指定欄531で指定された日の店舗の入店者数の推移を把握することができる。そして、入店者数の中で、気になる時間帯があったとすれば、その時間帯のグラフを選択操作する。ユーザがマウスを操作し、特定の時間帯のグラフをクリックすれば、その操作に応答して、画像表示部611に、選択された時間帯の画像が表示される。なお、ある時間帯のグラフが選択されたときに表示される初期の画像は、選択された時間帯の先頭の画像であってもよいし、あるいは選択された時間帯の中央の時間の画像であってもよい。なお、画像の再生中には、時刻指定欄533には、再生中の画像の時刻が表示される。
【0055】
図8では、ユーザが、12時〜14時の入店者数が多いことに注目し、12時〜14時のグラフを選択した状態を示している。12時〜14時のグラフが選択されることにより、選択された時間帯のグラフの色が変わり強調表示されていることが分かる。これにより、ユーザは、画像表示部611に表示されている画像が、どの時間帯の画像であるかを即座に把握することができる。
【0056】
ユーザは、ヒストグラムの任意の時間帯のグラフを選択して、対応する時間帯の画像を表示させた後、再生ボタン612をマウスでクリックすることにより、画像表示部611に表示されている画像を動画像として再生することができる。具体的には、店舗PC11からハードディスク111に格納されている1fpsの動画像が転送され、画像表示部61に動画像が表示される。
【0057】
また、ユーザは、ヒストグラムの任意の時間帯のグラフを選択して、対応する時間帯の画像を表示させた後、進むボタン613を選択することにより、画像表示部611に表示させている画像の時間を進めることができる。たとえば、進むボタン613をマウスでクリックするごとに、1秒後の画像が表示される。逆に、戻るボタン614をマウスでクリックすると、1秒前の画像が表示される。また、早送りボタン615をマウスでクリックすることにより、1分後の画像が表示される。逆に、巻き戻しボタン616をマウスでクリックすることにより、1分前の画像が表示される。
【0058】
このように、本実施の形態の店舗管理システムにおいては、入店者数のヒストグラムを表示するとともに、ヒストグラムにおいて選択された時間帯に対応する画像がヒストグラムとともに表示される。これにより、ユーザは、ヒストグラムで入店者数の分布を閲覧して、入店者数の推移を分析しながら、各時間帯に対応する画像を即座に閲覧することができる。
【0059】
たとえば、店舗の店長は、ヒストグラムと対応する時間帯を閲覧することで、自分の店舗において、入店者数の多い時間帯と少ない時間帯の店舗の様子を比較することができる。入店者数の少ない時間帯の店員の様子を観察し、店員の接客指導に役立てることができる。あるいは、入店数の多い時間帯の客層を分析し、マーケティングに役立てることができる。また、気象情報欄532をあわせて参照することで、気象状況を加味した上で、時間帯別の店内の様子を分析することができる。
【0060】
また、本実施の形態の店舗管理システムにおいては、ユーザ端末25は、図5にも示したように、店舗PC11に直接アクセスして画像を取得する構成となっている。ユーザ端末25は、この店舗管理システムのサービスを受けるために、アプリケーションサーバ31にアクセスするが、店舗PC11に格納されている画像は、アプリケーションサーバ31を経由して転送されるのではなく、店舗PC11からユーザ端末25に直接転送される構成となっている(上述したように、アプリケーションサーバ31を経由して画像データベース33から画像を取得する方法も可能であるが、ここでは基本的な処理形態として店舗PC11から画像を取得する場合を示している。)。
【0061】
つまり、アプリケーションサーバ31は、店舗状況表示画面53などのユーザインタフェースをユーザ端末25に送信するが、画像表示部611に表示させる画像については、ユーザ端末25と店舗PC11との間の通信により転送されるのである。アプリケーションサーバ31は、店舗カメラ一覧画面51においてユーザにより選択されたカメラ12を特定すると、特定したカメラ12が接続された店舗PC11へのアクセス情報をユーザ端末25に通知する。ユーザ端末25は、取得したアクセス情報に基づいて店舗PC11にアクセスし、画像表示部611に表示させる画像を取得するのである。
【0062】
このようなシステム構成とすることで、アプリケーションサーバ31の処理負荷を各店舗PC11に分散させることができる。たとえば、フランチャイズチェーンの全店舗の全カメラ画像がアプリケーションサーバ31を経由してユーザ端末25に転送されるのであれば、アプリケーションサーバ31への処理負荷が増大し、パフォーマンスが劣化する場合が考えられるが、本システム構成であれば、そのような問題を回避できる。その一方、ユーザ端末25がアクセスするサーバはアプリケーションサーバ31で共通となっているので、ユーザにとって利便性が高く、また、アプリケーションのメンテナンスが行い易い構成となっている。つまり、画像の転送処理を分散させることで、システム全体の高いパフォーマンスを維持しながら、サービスを受けるためにアクセスするサーバを1つのアプリケーションサーバ31としているので、利便性の高いシステム構成となっている。
【0063】
これに対して、カウントデータについては、アプリケーションサーバ31を介してユーザ端末25に転送しているようにしているが、カウントデータについては、データ容量が小さいので特に処理負荷などが問題となることはないだろう。
【0064】
また、本実施の形態の店舗管理システムでは、店舗1に複数のカメラ12が設置される場合があるが、これら複数のカメラ12に対する制御を管理サーバ32において実行可能となっている。たとえば、フランチャイズ本部のシステム管理者が、各店舗1におけるカメラの動作時間、フレームレートなどを一括して制御することが可能である。
【0065】
管理サーバ32において入力指示されたカメラ制御情報は、ネットワーク2を介して店舗PC11に送信される。たとえば、図6に示す店舗PC11Aのカメラ制御部113は、第1〜第3インタフェース114〜116を利用して、カメラ12A1〜12A3に対する制御を行う。このように、管理サーバ32を利用して各店舗11の全てのカメラ12を制御することができるので、カメラの制御が容易であり、管理負担が大幅に軽減される。また、カメラ12が直接制御端末から制御を受ける構成とした場合、複数の制御端末からアクセスを受けると、アクセス権をも考慮した動作を行う必要がある。しかし、全てのカメラ12にそのような動作を行うソフトウェアを搭載することはコスト高となる。この点、PC11を介在させて制御情報を受信させるようにすることで、PC11において、対象となるカメラ12を制御する人の権限を判断し、優先度の高い人に制御権を与えるなどの機能を持たせることができる。あるいは、先に制御を行なっているユーザがあれば、後からアクセスをしたユーザに制御中であることを通知するなどの機能を持たせることができる。
【0066】
上述した実施の形態においては、画像表示部611には、店舗PC11のハードディスク111に格納されている画像を表示させるようにした。これにより、再生ボタン612が選択されることにより、指定された時間帯の動画像を再生することができる。上記の例であれば、1fpsで動画像を表示させることができる。たとえば、店舗PC11のハードディスク111に1週間分の画像データが蓄積されているのであれば、1週間前までの画像についてはコマ数の多い画像を閲覧することができる。
【0067】
これ以外に、この店舗管理システムでは、本部管理センタ3の画像データベース33に格納されたスナップショット用の画像を利用することができる。画像データベース33には、1分間に1フレームなどコマ数の少ない画像が長期間にわたって蓄積されている。たとえば、1ヶ月分の画像が蓄積されている。したがって、日付指定欄531において、2週間前などの日付が指定された場合には、アプリケーションサーバ31は、画像データベース33から指定された時間帯の画像データを取得し、ユーザ端末25に送信する。これにより、画像表示部611には、画像データベース33から取得した画像が表示されるのである。なお、1ヶ月前の画像を表示させる仕様とするのであれば、入店者数データベース34においても、1ヶ月間分のカウントデータを保存するようにすればよい。
【0068】
このように、ユーザ端末25は、比較的最近の時間帯が指定された場合には、店舗PC11からコマ数の多い画像を取得し、2週間前などの時間帯が指定された場合には、画像データベース33からコマ数の少ない画像を取得する。これにより、直近の店舗内の状況についてはより詳細な画像を閲覧することを可能とするとともに、ある程度時間が経過した後でも、おおよその状況は把握できるようになっている。
【0069】
上記の実施の形態においては、日付指定欄531で指定された過去の日のヒストグラムと画像を表示させる場合を説明した。これ以外に、この店舗管理システムは、現在の店舗内の画像をライブ表示することもできる。上述したように、店舗PC11には、カメラ12が撮像した画像が1fpsでリアルタイムで蓄積されている。ユーザ端末25において、この撮像画像をリアルタイムで取得して画像表示部611に表示するのである。そして、ヒストグラム表示部62には、たとえば当日の0時から現在時刻までのヒストグラムを表示させればよい。あるいは、現在時刻から遡って1日前からのヒストグラムを表示させてもよい。これにより、ユーザは、現時点での直近の入店者数の分布と、現在の店舗内の様子とを把握することができる。
【符号の説明】
【0070】
1A〜1C 店舗
3 本部管理センタ
4 地域統括センタ
11(11A〜11C) 店舗PC
12(12A1〜12A3、12B、12C) カメラ
13(13A〜13C) カウント装置
25 ユーザ端末
31 アプリケーションサーバ
32 管理サーバ
33 画像データベース
34 入店者数データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第Nのカメラに対応したプロトコルを利用して、前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を入力する第1〜第Nのカメラインタフェースと、
前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して入力した画像を蓄積する記憶装置と、
画像閲覧端末との間で前記第1〜第Nのカメラの種別に依存しない共通プロトコルを利用して通信を行い、前記記憶装置に格納された前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を前記画像閲覧端末に転送する端末インタフェースと、
を備えることを特徴とするカメラインタフェース装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラインタフェース装置であって、さらに、
ネットワーク経由で前記第1〜第Nのカメラの設定情報を取得し、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して前記第1〜第Nのカメラの設定を行うカメラ設定部、
を備えることを特徴とするカメラインタフェース装置。
【請求項3】
カメラインタフェース装置と、
前記カメラインタフェース装置とネットワークを介して接続された画像閲覧端末と、
前記カメラインタフェース装置に接続された第1〜第Nのカメラと、
を備え、
前記カメラインタフェース装置は、
前記第1〜第Nのカメラに対応したプロトコルを利用して、前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を入力する第1〜第Nのカメラインタフェースと、
前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して入力した画像を蓄積する記憶装置と、
前記画像閲覧端末との間で前記第1〜第Nのカメラの種別に依存しない共通プロトコルを利用して通信を行い、前記記憶装置に格納された前記第1〜第Nのカメラで撮像された画像を前記画像閲覧端末に転送する端末インタフェースと、
を含むことを特徴とする画像通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像通信システムにおいて、さらに、
前記画像閲覧端末とネットワークを介して接続されたアプリケーションサーバ、
を備え、
前記アプリケーションサーバは、
前記画像閲覧端末に対して画像表示インタフェース用のデータを送信するユーザインタフェース送信部、
を含み、
前記画像閲覧端末のモニタには、前記アプリケーションサーバから取得した前記画像表示インタフェースに、前記カメラインタフェース装置から取得した画像が埋め込まれて表示されることを特徴とする画像通信システム。
【請求項5】
請求項3に記載の画像通信システムにおいて、さらに、
前記カメラインタフェース装置とネットワークを介して接続された管理サーバ、
を備え、
前記カメラインタフェース装置は、
前記管理サーバからネットワーク経由で前記第1〜第Nのカメラの設定情報を取得し、前記第1〜第Nのカメラインタフェースを介して前記第1〜第Nのカメラの設定を行うカメラ設定部、
を含むことを特徴とする画像通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate