説明

カメラシステム

【課題】混信することなくリモートコントローラとカメラ本体とが正常に通信することができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】撮影光学系を透過した光束による像を撮像する撮像部11と、情報を無線で送受信する第1通信部13と、第1通信部により受信した情報から第1識別報を検出する第1検出部15と、を有するカメラボディ10と、カメラボディに着脱可能に設けられ、ユーザーが操作することによりカメラボディの遠隔操作が可能な操作部24と、撮像部により撮像した画像を表示する表示部23と、カメラボディに対して情報を無線で送受信する第2通信部25と、第2通信部により受信した情報から第2識別情報を検出する第2検出部27と、を有する操作装置20と、第1検出部により第1識別情報が検出され且つ第2検出部により第2識別情報が検出された場合に、カメラボディと操作装置との通信を成立させる通信制御部15、27と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能なリモートコントローラを備えたカメラシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ本体に着脱可能に設けられたリモートコントローラに、カメラ本体との通信を行う通信手段と、通信手段により受信した画像を表示する表示手段と、カメラ本体にシャッターレリーズ動作を行わせるレリーズ釦とを備えたカメラが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−174576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のカメラは、他の通信機器が発信する信号との混信により本来対応すべきリモートコントローラとカメラ本体とが正常に通信できないおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は、混信することなく対応すべきリモートコントローラとカメラ本体とが正常に通信することができるカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、撮影光学系を透過した光束による像を撮像する撮像部(11)と、情報を無線で送受信する第1通信部(13)と、前記第1通信部により受信した情報から第1識別情報を検出する第1検出部(15)と、を有するカメラボディ(10)と、前記カメラボディに着脱可能に設けられ、ユーザーが操作することにより前記カメラボディの遠隔操作が可能な操作部(24)と、前記撮像部により撮像した画像を表示する表示部(23)と、前記カメラボディに対して情報を無線で送受信する第2通信部(25)と、前記第2通信部により受信した情報から第2識別情報を検出する第2検出部(27)と、を有する操作装置(20)と、前記第1検出部により前記第1識別情報が検出され且つ前記第2検出部により前記第2識別情報が検出された場合に、前記カメラボディと前記操作装置との通信を成立させる通信制御部(15、27)と、を有することを特徴とするカメラシステムである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカメラシステムにおいて、前記第1識別情報は、特定の前記操作装置を識別するための固有情報であり、前記第2識別情報は、特定の前記カメラボディを識別するための固有情報であることを特徴とするカメラシステムである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のカメラシステムにおいて、前記操作部は、前記第1通信部及び前記第2通信部を介して前記撮像部による撮像動作を稼動させることを特徴とするカメラシステムである。
【0009】
なお、本発明を分かり易く説明するために一実施形態を表す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、実施形態に開示された構成の少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラシステムの概略的な構成を示すブロック図であって、リモートコントローラがカメラボディに装着された状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカメラシステムの概略的な構成を示すブロック図であって、リモートコントローラがカメラボディから取り外された状態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカメラボディの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るリモートコントローラの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るカメラシステムの概略的な構成を示すブロック図である。このカメラシステムは、カメラボディ10と、カメラボディ10に着脱可能に設けられたリモートコントローラ(以下、リモコンという)20とから構成されている。
【0012】
図1に示すように、カメラボディ10にリモコン20が装着された状態では、カメラボディ10とリモコン20とが電気接点群E1、E2により電気的に接続されている。そして、この電気接点群E1、E2を介してカメラボディ10とリモコン20とが通信可能となっており、後述の画像情報や識別情報等の情報の送受信が行われる。また、カメラボディ10からリモコン20への電源供給も電気接点群E1、E2を介して行われる。
【0013】
カメラボディ10は、撮影光学系Lと、撮影光学系Lを透過した光束による像を撮像する撮像部11と、撮像部11により撮像した画像の画像情報等を記憶するボディメモリ12と、リモコン20に対して情報を無線で送受信するボディ通信部13と、カメラボディ10に電源を供給するボディ電源14と、カメラボディ10を統括的に制御するボディCPU15とを有している。ボディCPU15には、撮像部11、ボディメモリ12、ボディ通信部13、ボディ電源14、電気接点群E1等が接続されている。
【0014】
撮影光学系Lは、実際には複数のレンズにより構成されるが、図1では模式的に1枚のレンズを示してある。撮影光学系Lを透過した光束は撮像部11に入射し、撮像部11に設けられた後述の受光素子上に光学像を形成する。
【0015】
撮像部11は、複数の光電変換素子が二次元配列した受光素子と、この受光素子から出力される電気信号に基づいて画像を生成する画像生成部とを有している。撮像部11の受光素子は、撮影光学系Lを透過した光束によって受光素子上に形成された光学像を光電変換し、電気信号を出力する。そして、撮像部11の画像生成部は、受光素子から出力された電気信号に基づいて受光素子上に形成された光学像に対応する画像を生成する。
【0016】
ボディメモリ12は、EEPROM等の不揮発メモリである。このボディメモリ12には、撮像部11により撮像した画像の画像情報や、カメラボディ10の識別情報(以下、ボディIDという)や、リモコン20の識別情報(以下、リモコンIDという)等が記憶されている。ここで、ボディIDは、特定のカメラボディ10を識別するための固有情報であり、リモコンIDは、ボディIDで特定されるカメラボディ10に対応する特定のリモコン20を識別するための固有情報である。
【0017】
なお、撮像部11により撮像した画像の画像情報は、後述のリモコンメモリ22にも記憶可能であり、画像情報の記憶先としてボディメモリ12又はリモコンメモリ22を予めユーザーが指定することができる。
【0018】
ボディ通信部13は、情報を無線送信するボディ送信部13aと、情報を無線受信するボディ受信部13bとを有しており、リモコン20がカメラボディ10から取り外された状態において、ボディ送信部13aとボディ受信部13bとによりリモコン20に対して情報を無線で送受信する。
【0019】
ボディ電源14は、リモコン20がカメラボディ10から取り外された状態(図2参照)では、カメラボディ10にのみ電源供給を行うが、リモコン20がカメラボディ10に装着された状態(図1参照)では、電気接点群E1、E2を介してリモコン20に対しても電源供給を行う。
【0020】
リモコン20は、カメラボディ10の動作モードを切り換えるモードスイッチ(以下、モードSWという)21と、撮像部11により撮像した画像の画像情報等を記憶するリモコンメモリ22と、撮像部11により撮像した画像を表示するモニタ23と、撮像部11の撮像動作を稼動するレリーズスイッチ(以下、レリーズSWという)24と、カメラボディ10に対して情報を無線で送受信するリモコン通信部25と、リモコン20に電源を供給するリモコン電源26と、リモコン20の動作を統括的に制御するリモコンCPU27とを有している。リモコンCPU27には、モードSW21、リモコンメモリ22、モニタ23、レリーズSW24、リモコン通信部25、リモコン電源26、電気接点群E2等が接続されている。
【0021】
モードSW21は、ユーザーが操作できるようにリモコン20に設けられている。モードSW21をユーザーが操作することで、カメラボディ10の動作モードを撮影モードと再生モードとその他のモードとに切り換えることができる。撮影モードは、撮像部11による撮像動作を稼動可能な動作モードであり、再生モードは、ボディメモリ12又はリモコンメモリ22に記憶された画像をモニタ23に表示する動作モードである。
【0022】
リモコンメモリ22は、EEPROM等の不揮発メモリである。このリモコンメモリ22には、カメラボディ10の撮像部11により撮像した画像の画像情報や、リモコンID、ボディID等が記憶されている。
【0023】
モニタ23は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置である。モニタ23には、カメラボディ10の動作モードが撮影モードに切り換えられた状態において、撮像部11により画素数を落として連続して撮像した画像(以下、スルー画像という)が逐次表示される。また、モニタ23には、カメラボディ10の動作モードが再生モードに設定された状態において、ボディメモリ12又はリモコンメモリ22に記憶された画像が表示される。
【0024】
なお、再生モード時において、画像を読み出す対象のメモリ(ボディメモリ12又はリモコンメモリ22)は、リモコン20に設けられた不図示の操作部材をユーザーが操作することにより予め設定することが可能である。
【0025】
レリーズSW24は、ユーザーが操作できるようにリモコン20に設けられている。このレリーズSW24は、第1ストローク(半押し)の操作によりオンになる第1スイッチと、第1ストロークよりも長い第2ストローク(全押し)の操作によりオンになる第2スイッチとを有している。第1スイッチがオンになると、リモコン20からカメラボディ10に第1レリーズ信号が送信され、カメラボディ10による自動焦点調節動作(AF)や自動露出調節動作(AE)等の撮影準備動作が起動される。また、第2スイッチがオンになると、リモコン20からカメラボディ10に第2レリーズ信号が送信され、カメラボディ10の撮像部11による撮像動作が稼動される。なお、以下の説明において、第2スイッチにより稼動された撮像動作により撮像した画像を本画像と称し、撮影モード時にモニタ23に逐次表示されるスルー画像と区別する。
【0026】
リモコン通信部25は、情報を無線送信するリモコン送信部25aと、情報を無線受信するリモコン受信部25bとを有しており、リモコン20がカメラボディ10から取り外された状態において、リモコン送信部25aとリモコン受信部25bとにより情報を無線で送受信する。
【0027】
リモコン電源26は、二次電池であり、リモコン20がカメラボディ10に装着された状態(図1参照)において、電気接点群E1、E2を介してボディ電源14により充電される。また、リモコン電源26は、リモコン20がカメラボディ10から取り外された状態(図2参照)において、リモコン20に電源を供給する。
【0028】
図2は、カメラボディ10からリモコン20が取り外された状態を示す図である。
【0029】
カメラボディ10からリモコン20が取り外されると、カメラボディ10とリモコン20との通信は、ボディ通信部13及びリモコン通信部25を介して行われる。具体的には、カメラボディ10のボディ送信部13aからリモコン受信部25bへ撮像部11により撮像した画像の画像情報やボディメモリ12に記憶したボディID等が無線送信される。また、リモコン20のリモコン送信部25aからボディ受信部13bへリモコンメモリ22に記憶したリモコンIDやレリーズSW24による信号等が無線送信される。
【0030】
次に、本実施形態に係るカメラボディ10の動作について図3を参照して説明する。この動作は、カメラボディ10の電源がオンにされるとスタートする。
【0031】
ステップS101において、カメラボディ10のボディCPU15は、電気接点群E1の通電状態によりリモコン20がカメラボディ10から取り外されているか否かを判定する。電気接点群E1が通電している場合には、リモコン20がカメラボディ10から取り外されていないと判定し、ステップS104に進む。一方、電気接点群E1が通電していない場合には、リモコン20がカメラボディ10から取り外されていると判定し、ステップS102に進む。
【0032】
ステップS102において、ボディCPU15は、ボディメモリ12に記憶したボディIDをボディ送信部13aによりリモコン20に送信する。このボディIDがリモコン20により受信されると、リモコン20からリモコンIDが返信される。
【0033】
ステップS103において、ボディCPU15は、ボディ受信部13bにより受信した情報から、ボディメモリ12に記憶したものと同じリモコンIDを検出したか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS102に戻り、再度ボディIDを送信する。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS104に進む。
【0034】
なお、ステップS104以降において、カメラボディ10とリモコン20との通信は、カメラボディ10にリモコン20が装着されている場合には電気接点群E1、E2を介して行い、カメラボディ10からリモコン20が取り外されている場合にはボディ通信部13及びリモコン通信部25を介して行う。
【0035】
ステップS104において、ボディCPU15は、動作モードが撮影モードか否かを判定する。撮影モードでないと判定した場合、すなわち、動作モードが再生モードの場合には、ステップS113に進む。一方、動作モードが撮影モードであると判定した場合には、ステップS105に進む。
(動作モードが撮影モードの場合)
ステップS105において、ボディCPU15は、カメラボディ10からリモコン20へスルー画像の画像情報を送信する。
【0036】
ステップS106において、ボディCPU15は、リモコン20から第1レリーズ信号を受信したか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS108に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS107に進む。
【0037】
ステップS107において、ボディCPU15は、AFやAE等の撮影準備動作を行う。
【0038】
ステップS108において、ボディCPU15は、リモコン20から第2レリーズ信号を受信したか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS106に戻る。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS109に進む。
【0039】
ステップS109において、ボディCPU15は、撮像部11により本画像を撮像する。
【0040】
ステップS110において、ボディCPU15は、予めユーザーにより設定された本画像の記憶先がボディメモリ12であるか否かを判定する。本画像の記憶先がリモコンメモリ22の場合には、ステップS112に進む。一方、本画像の記憶先がボディメモリ12の場合には、ステップS111に進む。
【0041】
ステップS111において、ボディCPU15は、撮像部11により撮像した本画像をボディメモリ12に記憶する。
【0042】
一方、ステップS112において、ボディCPU15は、撮像部11により撮像した本画像の画像情報をカメラボディ10からリモコン20に送信し、ステップS116に進む。
(動作モードが再生モードの場合)
ステップS113において、ボディCPU15は、ボディメモリ12の読み出し指示があるか否かを判定する。この判定が否定された場合は、ステップS116に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS114に進む。
【0043】
ステップS114において、ボディCPU15は、ボディメモリ12に記憶した画像の解像度を低くした所謂サムネイル画像の画像情報をカメラボディ10からリモコン20に送信する。このサムネイル画像は、リモコン20のモニタ23に一覧表示され、ユーザーにより選択可能な状態となる。ユーザーは、リモコン20に設けられた不図示の操作部材によりサムネイル画像の一覧から再生したい画像を選択する。
【0044】
ステップS115において、ボディCPU15は、ユーザーにより選択されたサムネイル画像に対応する画像(以下、再生画像という)の画像情報をボディメモリ12から読み出し、リモコン20に送信する。この画像情報がリモコン20により受信されると、再生画像がリモコン20のモニタ23に表示される。
【0045】
ステップS116において、ボディCPU15は、電源オフの指示があるか否かを判定する。電源オフの指示が無いと判定した場合には、ステップS101に戻る。一方、電源オフの指示があると判定した場合には、動作を終了する。
【0046】
次に、本実施形態に係るリモコン20の動作について図4を参照して説明する。
【0047】
ステップS201において、リモコンCPU27は、電気接点群E2の通電状態によりリモコン20がカメラボディ10から取り外されているか否かを判定する。電気接点群E2が通電している場合には、リモコン20がカメラボディ10から取り外されていないと判定し、ステップS204に進む。一方、電気接点群E2が通電していない場合には、リモコン20がカメラボディ10から取り外されていると判定し、ステップS202に進む。
【0048】
ステップS202において、リモコンCPU27は、ボディIDを検出するまで待機し、ボディIDを受信するとステップS203に進む。
【0049】
ステップS203において、リモコンCPU27は、リモコンメモリ22に記憶したリモコンIDをリモコン送信部25aによりカメラボディ10に送信し、ステップS204に進む。
【0050】
なお、ステップS204以降において、カメラボディ10とリモコン20との通信は、カメラボディ10にリモコン20が装着されている場合には電気接点群E1、E2を介して行い、カメラボディ10にリモコン20が装着されていない場合にはボディ通信部13及びリモコン通信部25を介して行う。
【0051】
ステップS204において、リモコンCPU27は、動作モードが撮影モードであるか否かを判定する。この判定が否定された場合、すなわち、動作モードが再生モードの場合には、ステップS213に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS205に進む。
(動作モードが撮影モードの場合)
ステップS205において、リモコンCPU27は、カメラボディ10から送信されたスルー画像を逐次受信する。
【0052】
ステップS206において、リモコンCPU27は、受信したスルー画像をモニタ23に表示する。これにより、ユーザーは、モニタ23に表示されたスルー画像を見ながら撮影構図を決めることができる。
【0053】
ステップS207において、リモコンCPU27は、レリーズSW24の第2スイッチがオンであるか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS208に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS210に進む。
【0054】
ステップS208において、リモコンCPU27は、レリーズSW24の第1スイッチがオンであるか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS207に戻る。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS209に進む。
【0055】
ステップS209において、リモコンCPU27は、第1レリーズ信号をカメラボディ10に送信する。この第1レリーズ信号をカメラボディ10が受信すると、カメラボディ10によるAFやAE等の撮影準備動作が起動される。
【0056】
ステップS210において、リモコンCPU27は、第2レリーズ信号をカメラボディ10に送信する。この第2レリーズ信号をカメラボディ10が受信すると、カメラボディ10による撮像動作が稼動される。
【0057】
ステップS211において、リモコンCPU27は、カメラボディ10の撮像部11により撮像した本画像の画像情報を受信したか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS220に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS212に進む。
【0058】
ステップS212において、リモコンCPU27は、カメラボディ10から受信した本画像の画像情報をリモコンメモリ22に記憶し、ステップS220に進む。
(動作モードが再生モードの場合)
また、ステップS213において、リモコンCPU27は、リモコンメモリの読み出し指示があるか否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップS215に進む。一方、この判定が肯定された場合には、ステップS214に進む。
【0059】
ステップS214において、リモコンCPU27は、リモコンメモリ22に記憶された画像情報を読み出し、その画像情報に対応するサムネイル画像をモニタ23に一覧表示する。このサムネイル画像は、前述したように、リモコン20に設けられた不図示の操作部材をユーザーが操作することにより任意に選択可能であり、ユーザーにより選択されたサムネイル画像に対応する画像が再生対象となる。
【0060】
一方、ステップS215において、リモコンCPU27は、ボディCPU15に対して信号を送信し、ボディメモリ12に記憶した画像情報の読み出し指示を行う。
【0061】
ステップS216において、リモコンCPU27は、ボディメモリ12から読み出された画像情報に対応するサムネイル画像をカメラボディ10から受信する。
【0062】
ステップS217において、リモコンCPU27は、カメラボディ10から受信したサムネイル画像をモニタ23に一覧表示する。
【0063】
ステップS218において、リモコンCPU27は、ユーザーにより選択されたサムネイル画像に対応する画像(再生画像)の画像情報をカメラボディ10から受信する。
【0064】
ステップS219において、リモコンCPU27は、再生画像をモニタ23に表示し、ステップS220に進む。
【0065】
ステップS220において、リモコンCPU27は、電源オフの指示があるか否かを判定する。電源オフの指示が無いと判定した場合には、ステップS201に戻る。一方、電源オフの指示があると判定した場合には、動作を終了する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、カメラボディ10によりリモコンIDが検出され且つリモコン20によりボディIDが検出された場合に、カメラボディ10とリモコン20との通信が成立するようにしたので、他の通信機器による混信を防止することができる。
【0067】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく種々の変形や変更が可能である。以下、例を示す。
【0068】
(1)本実施形態において、撮影光学系Lがカメラボディ10に設けられたレンズ一体型カメラの例を説明したが、レンズ交換式のカメラであってもよい。
【0069】
(2)本実施形態において、同一のメモリ内に画像情報と識別情報(ボディID及びリモコンID)とを記憶する例を説明したが、画像情報を記憶するメモリとは別に識別情報を記憶するメモリを設けてもよい。例えば、リモコンIDを記憶したRF(Radio Frequency)タグをリモコン20に設け、RFタグから発信される信号の読取装置をカメラボディ10に設けるようにしてもよい。
【0070】
(3)本実施形態において、カメラボディ10の撮像動作を稼動するレリーズスイッチをリモコン20にのみ設けた例を説明したが、カメラボディ10にもレリーズスイッチを設けるようにしてもよい。
【0071】
(4)本実施形態において、ボディID等の識別情報をカメラボディ10に設けたボディメモリ12に記憶した例を説明したが、識別情報をカメラボディ10に着脱可能なメモリに記憶するようにしてもよい。同様に、本実施形態において、リモコンID等の識別情報をリモコン20に設けたリモコンメモリ22に記憶する例を説明したが、識別情報をリモコン20に着脱可能なメモリに記憶するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
L…撮影光学系、10…カメラボディ、11…撮像部、12…ボディメモリ、13…ボディ通信部、13a…ボディ送信部、13b…ボディ受信部、14…ボディ電源、15…ボディCPU、20…リモコン、21…モードSW、22…リモコンメモリ、23…モニタ、24…レリーズSW、25…リモコン通信部、25a…リモコン送信部、25b…リモコン受信部、26…リモコン電源、27…リモコンCPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を透過した光束による像を撮像する撮像部と、
情報を無線で送受信する第1通信部と、
前記第1通信部により受信した情報から第1識別情報を検出する第1検出部と、
を有するカメラボディと、
前記カメラボディに着脱可能に設けられ、
ユーザーが操作することにより前記カメラボディの遠隔操作が可能な操作部と、
前記撮像部により撮像した画像を表示する表示部と、
前記カメラボディに対して情報を無線で送受信する第2通信部と、
前記第2通信部により受信した情報から第2識別情報を検出する第2検出部と、
を有する操作装置と、
前記第1検出部により前記第1識別情報が検出され且つ前記第2検出部により前記第2識別情報が検出された場合に、前記カメラボディと前記操作装置との通信を成立させる通信制御部と、
を有することを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラシステムにおいて、
前記第1識別情報は、特定の前記操作装置を識別するための固有情報であり、
前記第2識別情報は、特定の前記カメラボディを識別するための固有情報であることを特徴とするカメラシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカメラシステムにおいて、
前記操作部は、前記第1通信部及び前記第2通信部を介して前記撮像部による撮像動作を稼動させることを特徴とするカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−9912(P2012−9912A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141138(P2010−141138)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】