説明

カメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法

【課題】粗成形加工品のフォーカススプリングの加工時、搬送時、組み立て時など工程中で変形させることなく最終製品として用いることができるカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法の提供。
【解決手段】時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材が基材として用いられ、各弾性支腕部および細い各つなぎ部を介して複数位置にて相互に連結され内輪部と外輪部とを備え、該外輪部側を連結腕部を介して一対のリードフレームに各別に連結させてなる粗成形加工品を前記基材から形成する第1の工程と、前記粗成形加工品をさらに高温のフルアニール熱処理する第2の工程と、前記粗成形加工品のつなぎ部を切除することで、前記弾性支腕部を介して連結された前記内輪部と前記外輪部とを備えるフォーカススプリング素材とする第3の工程とを少なくとも経て製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等を含む各種の小型モバイルツールに搭載されるカメラ等が備えるレンズ側を、歪みや撓みのない平坦性を保持させて高精度に支持するのに用いられるカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
例えば、光ディスクを用いて情報の記録・再生を行う光学式情報記録再生装置には、性能上のバラツキの少ない光学系支持装置が組み込まれている。
【0003】
この場合、光学系支持装置においては、固定部に対しレンズの位置や傾き精度を正確に出して支持させる必要がある一方で、レンズ自体を移動可能に支持させる必要もあることから、支持体にバネ材が用いられるが、レンズの位置や傾き精度を常に正確にした状態ものとで固定部に保持させることが困難になる問題がある。
【0004】
下記特許文献1には、その際のレンズの支持手法が開示されている。該従来例においては、レンズを保持するホルダが上下に配設された計4本の板ばねで支持されている。
【特許文献1】特開平5−273451号公報
【0005】
また、下記特許文献2には、対物レンズ駆動装置が開示されている。該従来例においては、対物レンズのフォーカス制御が円形を呈する2枚の板ばねを介して行えるようになっている。
【特許文献2】特開平11−242818号公報
【0006】
さらに、下記特許文献3には、レンズ体が固定されているレンズ支持体を、その前後方向に配置された平面視円環状の板ばねを介して支持できるようにした構造が開示されている。
【特許文献3】特開2006−284652号公報
【0007】
この場合に用いられる板ばねは、円環状の内環と、該内環よりも半径の大きな外環とを備え、これら内環と外環とは複数の腕部を介して連結されている。
【0008】
一方、板ばね材として時効硬化特性を有する合金材料が用いられることが多い。例えばベリリウム銅合金を含む適宜合金の熱処理においては、時効硬化処理に先立って溶体化処理が行われている。該溶体化処理とは、合金を固溶体の溶解度曲線より高い温度に加熱し、溶質原子を均一に分布させてから低温に急冷する操作をいう。特許文献4には、このような熱処理手法を時計用外装部品に適用した例が開示されている。
【特許文献4】特開昭63−62818号公報
【0009】
また、下記特許文献5には、繰り返し曲げ応力に耐える薄板形金属導体と、これに密着して繰り返し曲げ応力に耐える絶縁被覆層とを備えるフラット形口出線の絶縁処理方法が開示されている。この場合、薄板形金属導体には、厚みが0.12mm,幅5mmのベリリウム銅合金が用いられており、従来手法のひとつである本願の図4(a)に示すように、時効硬化特性を有する加工硬化生材を成形加工後に比較的低温度の315℃、2〜3時間加熱する熱処理(時効硬化処理)を施すことで、ばね定数を3倍程度上昇させて使用できるとされている。また、薄板形金属導体としては、時効硬化特性を有するジュラルミンやステンレス合金などを用いることができる旨の指摘もなされている。
【特許文献5】特開平5−325648号公報
【0010】
さらに、下記特許文献6には、圧電体を構成するばね性の良好なシム材がベリリウム銅材からなるミルハードン材により形成されている例が開示されている。ここで、ミルハードン材とは、成形後の時効硬化処理(人工的な析出硬化処理)を行わなくてすむように先に硬化処理をしてあるものをいい、正規の強度に比べて60〜70%に仕上げられていることから、比較的加工性がよいとされている。
【特許文献6】特開平7−66466号公報
【0011】
この場合、ミルハードン材からなるシム材に対しては、例えば従来手法のひとつである本願の図4(b)に示すように必要な加工を施すのみで、時効硬化済みであるミルハードン材の加工性の利点が得られ、ミルハードン材をばね加工材として用いる最も一般的な製造方法をが採用されている。その結果、バネ特性が良好で残留歪みが残らない圧電体が形成することができるとされている。
【0012】
また、下記特許文献7には、従来手法のひとつとして本願の図4(c)に示されているように、ベリリウム銅材のミルハードン材からなる帯材をエッチングまたはプレス加工により櫛歯状に成形加工し、所定長に切断した後にその開放端側を曲げ加工してピン素材を形成した後、300℃2時間のフルアニールではない低温の時効硬化による熱処理を行うようにしたコンタクトピンの製造方法が開示されている。
【特許文献7】特開平5−29057号公報
【0013】
すなわち、上記特許文献1〜7には、レンズの支持をバネ材で行うこと、ベリリウム銅合金を含む合金の熱処理にあっては時効硬化処理に先立って溶体化処理が行われること、繰り返し曲げ応力に耐える部材として時効硬化処理を経たベリリウム銅合金やジュラルミンやステンレス合金が用いられること、平坦性を保持させるためにベリリウム銅材からなる加工性のあるミルハードン材が用いられること、ベリリウム銅材を成形した後にフルアニールではない低温の
時効硬化処理を行うこと、などの技術が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、携帯電話を含む各種の小型モバイルツールには、オートフォーカス機能が付与されたレンズを備える微小なカメラが搭載されている。この場合、レンズ側は、通常、特許文献1〜3に開示されているようなばね材を用いて高精度に支持させておく必要がある。
【0015】
しかし、特許文献1〜3に開示されているようなばね材は、その製造工程中においては歪みのない優れた平坦性をある程度は維持させておくことができるにしても、カメラ等の装置側に組み込む際に歪んだり撓んだりして平坦性の維持が困難となり、結果的に所望する光学精度を出すことができなくなるという不都合があった。
【0016】
また、特許文献4〜7には、時効硬化処理を経たベリリウム銅合金等や、ベリリウム銅材からなるミルハードン材や、ベリリウム銅材からなるミルハードン材を成形加工した後に時効硬化処理を施したものが、基材として用いられる旨の記載がある。
【0017】
しかし、特許文献4〜7に開示されている従来手法は、加工硬化生材もしくは時効硬化させたミルハードン材の基材を加工したり、基材を加工した後に時効硬化のフルアニールではない低温の熱処理を施したものを最終製品として用いようとするものであり、該最終製品を装置側に組み込むに至るまでに変形が生じてしまうという不具合は依然として残るものであった。
【0018】
本発明は、上記従来技術にみられた課題に鑑み、粗成形加工品そのものをフルアニール熱処理して硬化させておき変形を防止し、また、粗成形加工品を装填するカメラ等製品の装置等への組み込み時に連結腕部から切り離すことで、変形させることなく最終製品として用いることができるカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材が板ばね基材として用いられ、粗成形加工品を前記板バネ基材から形成する第1の工程と、前記粗成形加工品をさらにフルアニール熱処理して時効硬化する第2の工程とを少なくとも含むことを最も主要な特徴とする。
【0020】
さらに本発明は、時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材が板ばね基材として用いられ、各弾性支腕部および各つなぎ部を介して複数位置にて相互に連結され内輪部と外輪部とを備え、該外輪部側の連結腕部を介して一対のリードフレームに各別に連結させてなる粗成形加工品を前記板ばね基材から形成する第1の工程と、前記粗成形加工品をさらにフルアニール熱処理して時効硬化する第2の工程と、前記粗成形加工品の前記つなぎ部を切除することで、前記弾性支腕部を介して連結された前記内輪部と前記外輪部とを備えるフォーカススプリング素材とする第3の工程とを少なくとも含むことを最も主要な特徴とする。
【0021】
この場合、時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材の板ばね基材がニッケル錫銅合金であることが好ましい。
【0022】
また、フォーカススプリング素材からのフォーカススプリングの切り離しは、該フォーカススプリングを装填するカメラ等製品の装置側への組み込み前に行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、時効硬化特性を有するミルハードン材を用いて粗成形加工品を製造する方法において、粗成形加工後にさらに高温のフルアニール熱処理をするため、粗成形加工品の変形、撓みなどが発生せず、カメラレンズを高精度に支持することができるフォーカススプリングを提供することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、箔状のミルハードン材からなる板ばね基材から形成された粗成形加工品に対し高温のフルアニール熱処理を施した後に持ち運び、必要時点でつなぎ部を切り離すことで、弾性支腕部を介して連結された内輪部と外輪部とを備えてリードフレームに連結された状態のフォーカススプリング素材とすることができるので、該フォーカススプリング素材からフォーカススプリングを切り離す際に発生しがちな変形を確実に抑制することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材の板ばね基材がニッケル錫銅合金とし、粗成形加工品に対し高温のフルアニール熱処理を施すことで、高強度でありながら、極めて変形が少なく、応力緩和性特性の優れた、ばね材料が得られ、カメラレンズを高精度に支持することができるフォーカススプリングを提供することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、フォーカススプリング素材からのフォーカススプリングの切り離しは、該フォーカススプリングを装填するカメラ等製品の装置側への組み込み前に行われるので、より変形が少なく、精度もより高い状態のもとで装置側に組み込むことができ、結果として、カメラレンズを高精度に支持することができるフォーカススプリングを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1(a)は、本発明方法の工程例を示す説明図であり、本発明方法においては、加工硬化リール状生材より製造されて素材メーカより供給を受けた、ニッケル錫銅合金(例えば三菱電機メテックス(株)製の合金製品;品種「MX215」質別(HM)等)を含む時効硬化特性を有する20μm〜150μm程度の箔状のミルハードン材が板ばね基材として用いられる。
【0028】
この場合におけるミルハードン材からなる板ばね基材には、ニッケル錫銅合金のほか、ベリリウム銅合金など、他の時効硬化特性を有する適宜の金属材を用いることができるが、ニッケル錫銅合金がもっとも仕上がり性能に優れる。
【0029】
このようなミルハードン材からなる板ばね基材に対しては、粗成形加工品を形成するためのエッチング加工、プレス加工およびレーザ加工を含む適宜の加工手法が施され、例えば図2(a)に示すように、蛇行状に屈曲形成された4個の弾性支腕部18および板片状の4カ所の細いつなぎ部19を介して各4カ所にて相互に連結された内輪部14と外輪部16とを備え、該外輪部16側を一対のリードフレーム32,33に各別に連結させてなる粗成形加工品12が板ばね基材11側から加工形成される(第1の工程)。
【0030】
これを図2(a)に基づいてより詳しく説明すれば、粗成形加工品12は、内周縁14aで内側が仕切られて、その組み立て時に図示しないレンズ側が配置される空域部20を有する内輪部14と、該内輪部14の外周縁14bとの間に所定幅の空隙21を介在させるべく離間させた内周縁16aを有して内輪部14を囲繞するように配置される外輪部16とを備えている。
【0031】
また、これら内輪部14と外輪部16とは、空隙21内に形成されている弾性支腕部18を介して4カ所で弾性的に連結されおり、一体化されたその全体でフォーカススプリング素材13を形成している。
【0032】
さらに、外輪部16は、その外周縁16b側における一方の辺側の2カ所を連結腕部34で連結する一方のリードフレーム32と、一方の辺側とは対向する位置関係にある他方の辺側の2カ所を連結腕部35で各別に連結する他方のリードフレーム33とを備えている。なお、粗成形加工品12は、図2(a)に示す例では一対のリードフレーム32,33相互間に1個のフォーカススプリング素材13のみが連結された状態のもとで示されているが、実際には、例えば一対のリードフレーム32,33相互間の長さ方向に計5個のフォーカススプリング素材13を連結するなど、適宜の複数個が連結された状態のもとで形成されることになる。
【0033】
第2の工程においては、第1の工程を経て得られた粗成形加工品12をより硬化させるための熱処理が行われる。この場合の熱処理としては、例えば酸化性で無い状態で315℃〜350℃、好ましくは高温の450℃の温度雰囲気中に2時間にわたり粗成形品12を曝すフルアニールの高温の時効硬化処理が好適な処理例として含まれる。時効硬化の熱処理温度により特性が異なり、上記条件がビッカース硬度やばね性としても好ましい特性が得られる処理方法である。
【0034】
第3の工程においては、まず、図1(b)で示すように、図2(a)の状態にある粗成形加工品12を図2(b)の状態となるように図では細く示されている各つなぎ部19を切除するとともに、1個のフォーカススプリング素材13のみがリードフレーム32,33相互間に連結された状態となるようにリードフレーム32,33側を各別に切断することで行われる。
【0035】
つまり、第3の工程においては、図2(a)に示す1個の内輪部14が図2(b)に示すように左右で隣り合う2個の内輪片部15に、1個の外輪部16が左右で隣り合う2個の外輪片部17にそれぞれが分割された状態となってリードフレーム32,33相互間に連結されることになる。
【0036】
しかも、この場合、各内輪片部15は、それぞれが2個の弾性支腕部18を介して対応する位置関係にある各外輪片部17側に連結されることになる。そして、各外輪片部17は、連結腕部34,35を介してリードフレーム32,33に依然として連結されることになる。
【0037】
つまり、図2(b)に示す1個のフォーカススプリング素材13は、図3にその右半分の要部を拡大して示すように、リードフレーム32,33側に連結された状態を最終製品形状として、需要企業等に供給されることになる。
【0038】
したがって、需要企業等は、図2(b)の状態にあるフォーカススプリング素材13を購入してカメラレンズ支持用のフォーカススプリングとして用いる際、つまり使用前、より好ましくは使用直前になって初めてリードフレーム32,33側からフォーカススプリング素材13を切り離してフォーカススプリングを得るので、その時点まで製品精度を安定的に維持させることができることになる。なお、上述した粗成形加工品12から図2(b)の状態を得る各つなぎ部19を切除するのではなく、リードフレーム32、33側からフォーカススプリング素材13を切り離してフォーカススプリングを得る際に、同時に、各つなぎ部19を切除する方法を採用することもでき、より安定な製品精度が得られる。
【0039】
このため、フォーカススプリングは、ミルハードン材からなる基材11に粗成形加工を施して粗成形加工品12を形成した後に、該粗成形加工品12にフルアニールの高温熱処理を施すことで強いばね性が付与されたフォーカススプリング素材13とし、しかる後に連結腕部34,35側から切り離すことで形成されることになる。
【0040】
かくして、フォーカススプリングは、該フォーカススプリングを装填するカメラ等製品の装置側への組み込み直前に行われるので、装置等への組み込み時に連結腕部34,35から切り離して用いられることになり、より変形が少なく、精度を低下させる要因である歪みや撓みのない平坦性に優れた高精度のもとで装置等に組み込むことができることになり、結果として、カメラレンズを高精度に支持することができるフォーカススプリングを仕上げることができる。
【0041】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その具体的な内容は、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形を加えたものとすることができる。例えば、粗成形加工品の具体的な形状は、図示例に限られるものではなく、各弾性支腕部および各つなぎ部を介して複数位置にて相互に連結され内輪部と外輪部とを備え、該外輪部側を連結腕部を介して一対のリードフレームに各別に連結させて形成されるものでさえあれば、所望に応じた各種の形状を付与して形成することができる。
【0042】
また、以上の説明は各弾性支腕部および各つなぎ部を介して複数位置にて相互に連結され内輪部と外輪部とを備え、該外輪部側を連結腕部を介して一対のリードフレームに各別に連結させて形成され、カメラレンズなどが組み立てられる納入先で、細いつなぎ部を切断して組み立てられるフォーカススプリングの場合であったが、図1(a)のように、フォーカススプリングとして切り離した後に、組み立て部品として納品する場合であっても、その変形と撓みに強い応力緩和特性に優れた部品として納入することができ、カメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法として優れている。
【0043】
粗成形加工品12をさらに熱処理する第2の工程は、時効硬化を確実に行う、所謂フルアニールをもたらす高温度の例えば315〜450℃の温度雰囲気で2〜3時間とするなど、所望に応じた適宜の条件のもとで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明方法の工程例を示す説明図。そのうちの(a)は、粗成形加工品をフルアニール時効硬化処理した後、つなぎ部を切断後スプリングリングをトレーに収納する場合を示し、(b)は、つなぎ部を切り離さずリードフレームの状態でトレーに収納する場合を示す。
【図2】本発明方法が適用される一例としてのカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの状態説明図であり、そのうちの(a)は、エッチング直後の状態を、(b)は、切り離しを終えた後の最終製品の状態をそれぞれ平面図として示す。
【図3】図2(b)における右半分側の要部拡大説明図。
【図4】従来方法を(a)〜(c)してパターン別に示す説明図。
【符号の説明】
【0045】
11 板ばね基材
12 粗成形加工品
13 フォーカススプリング素材
14 内輪部
14a 内周縁
14b 外周縁
15 内輪片部
16 外輪部
16a 内周縁
16b 外周縁
17 外輪片部
18 弾性支腕部
19 つなぎ部
20 空域部
21 空隙
32,33 リードフレーム
34,35 連結腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材が板ばね基材として用いられ、粗成形加工品を前記板バネ基材から形成する第1の工程と、前記粗成形加工品をさらにフルアニール熱処理して時効硬化する第2の工程とを少なくとも含むことを特徴とするカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法。
【請求項2】
時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材が板ばね基材として用いられ、
各弾性支腕部および各つなぎ部を介して複数位置にて相互に連結され内輪部と外輪部とを備え、該外輪部側をの連結腕部を介して一対のリードフレームに各別に連結させてなる粗成形加工品を前記板バネ基材から形成する第1の工程と、
前記粗成形加工品をさらにフルアニール熱処理して時効硬化する第2の工程と、
前記粗成形加工品の前記つなぎ部を切除することで、前記弾性支腕部を介して連結された前記内輪部と前記外輪部とを備えるフォーカススプリング素材とする第3の工程とを少なくとも含むことを特徴とするカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法。
【請求項3】
時効硬化特性を有する箔状のミルハードン材の板ばね基材がニッケル錫銅合金である請求項1または請求項2に記載されたカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法。
【請求項4】
フォーカススプリング素材からのフォーカススプリングの切り離しは、該フォーカススプリングを装填するカメラ等製品の装置側への組み込み前に行う請求項2または請求項3に記載されたカメラレンズ支持用のフォーカススプリングの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−20169(P2009−20169A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180895(P2007−180895)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(505022127)鈴木接点工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】