説明

カメラ三脚用雌ネジ部の製造方法

【課題】カメラの三脚用雌ネジ部を製造する際において中ぐり部を有する雌ネジ部の下穴をプレス加工によって形成することが可能なカメラの三脚用雌ネジ部の形成方法を提供する。
【解決手段】平板に球面状の張出部12を形成し、張出部12を先端が平面状に形成された皿状体20に形成し、皿状体20の平面状部分の中央位置に円錐台状に突出した中央張出部32を形成し、中央張出部32を高さ方向に伸ばし、中央張出部32の開口部側位置における側壁部分36を薄肉化し、薄肉化加工をした側壁部分36を外側に押し出し、外側に押し出された部分を中ぐり部62の側壁部分とし、かつ、中ぐり部62における外径寸法と他の部位における外形寸法とが同一寸法とし、皿状体60の開口部側側壁部分68の内周面に雌ネジ部を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ三脚用雌ネジ部の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを三脚に保持させる際には、カメラの筐体の底面に形成された雌ネジ部分に三脚の上部に形成された雄ネジを螺合させる連結構造が広く知られている。このようなカメラと三脚の連結構造において、雌ネジ部分の加工方法としては、たとえば、非特許文献1のように標準化されている。また、非特許文献1により標準化されている形状を利用して、カメラのネジ穴に装着した装着物のぬけ止め部として用いる点が特許文献1に開示されている。
以上のようにカメラの三脚を接続する雌ネジの形状は、標準化機構により標準化されており、標準化された形状を用いて便利な用途についても提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−196412号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本工業標準調査会:データベース-JIS詳細表示、“http://www.jisc.go.jp/app/pager?id=77017”[online]、[平成22年6月28日検索]、インターネット<URL:http://www.jisc.go.jp/app/pager?id=77017>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や非特許文献に開示されているような中ぐり部を有するカメラの三脚用雌ネジ部を製造する場合においては、切削加工やダイキャスト加工が採用されていることが多い。これらのうち、切削加工による中ぐり部の形成方法では切削屑の発生量が多くなり、切削屑の処理コストが嵩んでしまうため、中ぐり部を有するカメラの三脚用雌ネジ部の製造コストが高騰してしまうという課題がある。このため、製造コストを低減させることが可能なカメラの三脚用雌ネジ部の製造方法の提案が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、工業製品の標準化機構により標準化されているカメラの三脚用雌ネジ部の製造を低コストで行なうことが可能なカメラの三脚用雌ネジ部の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、カメラの三脚用雌ネジ部を形成する構成について鋭意研究をした結果、本願発明の構成を見出すことに成功した。
すなわち、本願発明は、金属製の平板に複数のパンチとダイとを用いてプレス加工を施すことによってネジ山形成部より径大な円柱状空間部に形成された中ぐり部を有するカメラの三脚用雌ネジ部を製造する方法であって、前記平板の所要位置に球面状の張出部を形成する第1の形成工程と、前記球面状の張出部を、先端が平面状に形成された皿状体に形成する第2の形成工程と、前記皿状体の平面状部分の中央位置に円錐台状に突出した中央張出部を形成する第3の形成工程と、前記中央張出部の側壁部分を高さ方向に延伸させ、前記中央張出部の開口部側位置における側壁部分を他の側壁部分よりも薄肉化する加工を施す第4の形成工程と、前記薄肉化する加工を施した側壁部分を当該側壁部分の内側から外側に押し出しする加工を施す第5の形成工程と、前記第5の形成工程により外側に押し出された薄肉化加工部分を中ぐり部の側壁部分とし、かつ、該中ぐり部における外径寸法と他の部位における外形寸法とが同一寸法となるように加工する第6の形成工程と、前記皿状体の開口部側側壁部分の内周面に雌ネジ部を形成する第7の形成工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明におけるカメラの三脚用雌ネジ部の製造方法を採用することにより、プレス加工によりいわゆる中ぐり部を形成することができるため、低コストでカメラの三脚用雌ネジ部を製造することが可能になる。また、雌ネジ部のネジ山を加工する以外は切削加工が不要である。このため、切削屑の処理が必要でなく製造コストを低減させることができ好都合である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
【図2】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
【図3】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
【図4】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
【図5】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
【図6】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程における中間成形体と上下の金型の概略形状を示す説明図である。
【図7】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体を示す断面図である。
【図8】本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体をカメラの筐体に組み込んでなるカメラ三脚用雌ネジ部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかるカメラの三脚用雌ネジ部製造方法についての好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5は、本実施形態にかかるカメラの三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程におけるパンチの正面図と中間成形体およびダイの概略形状を示す説明図である。
本願発明は、プレス加工により金属製の平板からネジ山形成部より径大な中ぐり部を有するカメラの三脚用雌ネジ部を形成する点が最大の特徴である。
【0011】
まず、図1(A)に示すように、カメラの三脚用雌ネジ部となる金属製の平板であるステンレス製の平板1の所要箇所に絞りプレス加工によって略半球面のドーム状をなす球面状の張出部12を有する第1の成形体10を形成する。具体的には、平面中央位置にファンネル状に形成された孔DHを有するダイD1と、ダイD1の孔DHに対応する大きさで半球面状に形成された先端部PTを有するパンチP1を用いて、平板1をプレス加工することにより第1の形成工程としている。
【0012】
次に、図1(B)に示すように、第1の成形体10のうち球面状をなす張出部12の先端部が平面状になるようプレス加工を施して、皿状の凹部22を有する皿状体20を形成する第2の形成工程を実行する。具体的には、第1の成形体10を形成した第1の形成工程と同様に、プレス加工部の平面中央位置にファンネル状に形成された孔DHを有するダイD2と、ダイD2の孔DHに対応する大きさで鍋底形状(先端角丸の円柱状)に形成された先端部PTを有するパンチP2を用いてダイD2にセットされた第1の成形体10の球面状の張出部12の先端部をプレス加工することにより球面状の張出部12の先端部に平面状部分を形成している。
【0013】
次に、図1(C)に示すように、皿状体20の平面状部分の中央位置をプレス加工することにより、皿状体20の凹部22の中央部分を更にくぼませて張り出させることにより、円錐台状をなした中央張出部32を有する皿状体30を形成する。ここでは先端部PTが徐々に縮径する円錐台状に形成されたパンチP3と、パンチP3が当接する平面位置に、パンチP3の先端部PTの形状に対応させて円錐台形状に形成されたくぼみ部DCを有するダイD3を用いてプレス加工が施される。
このようにして形成された皿状体30は、中央張出部32と残存凹部34との二段底を有する変形した皿状体に形成されている。
【0014】
次に、図2(A)に示すように、皿状体30の中央張出部32の側壁部分36(図1(C)参照)の一部をパンチP4およびダイD4により絞りプレス加工して、中央張出部32の側壁部分36を高さ方向に延伸させ、中央張出部32の開口部側位置における側壁部分36を他の部分よりも薄肉化する第4の形成工程を施す。
次に、図2(B)に示すように、皿状体30の中央張出部32をパンチP5およびダイD5によりプレス加工して、中央張出部32の角部R形状をエッジ形状に成形する。
パンチP4,P5とダイD4,D5の基本形状は、皿状体30を形成したパンチP3とダイD3の形状と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図2(B)からも明らかなとおり、第4の形成工程により形成された二段底を有する変形した皿状体40の中央張出部42は、中央張出部42の開口部側(残存凹部44側)における内径寸法よりも内底面側における内径寸法の方が小径となるよう(中央張出部42が円錐台形状に維持された状態)に形成されている。
【0015】
次に図3(A)に示すように、皿状体40の中央張出部42における側壁部分46と、皿状体40の開口部側側壁部分48との中途位置をパンチP6とダイD6を用いてプレス加工する。パンチP6の先端部PTは円弧状の凹状脚部PLを有する円錐台状に形成され、ダイD6は円弧状の凹状脚部PLに対応するファンネル状の孔DHを有している。
【0016】
次に図3(B)〜図4(B)に示すように、皿状体40には、開口部側側壁部分48を高さ方向に延伸させる工程が施される。この工程は、パンチP7、P8,P9とダイD7,D8,D9を用いたプレス加工により行われる。パンチP7,P9の先端部PTは円弧状の凹状脚部PLを有する円錐台状に形成され、ダイD7,D8,D9は円弧状の凹状脚部PLに対応するファンネル状の孔DHを有している。パンチP7,P9の先端部PTは、パンチP6の先端部PTの形状と略相似形状をなしている。パンチP8の先端部PTは、先端面Tと外周面Sとの境界部分が面取り加工(アール加工)された円柱状体に形成されている。ダイD7,D8,D9は、それぞれの孔DHがダイD6の孔DHと略相似形状に形成されていて、徐々に孔DHを縮小させている。
【0017】
パンチP7とダイD7を用いて、皿状体40に対する絞りプレス加工が施される。図3(B)に示されているように、この絞りプレス加工により皿状体40の残存凹部44は引き伸ばされることにより消滅し、皿状体40の中央張出部42における側壁部分46と開口部側側壁部分48とが面一となる内壁面49に形成されることになる。
【0018】
次に図4(A)に示すように、皿状体40にパンチP8とダイD8を用いたプレス加工が施される。ここでは、パンチP8の先端部を皿状体40の中央張出部42の内底面に当接させているが、パンチP8に対応させたダイD8の形状により、実際には皿状体40のうち開口部側側壁部分48がプレス加工されることになる。そして図4(B)に示すようにパンチP9とダイD9を用いて皿状体40の中央張出部42における側壁部分46と開口部側側壁部分48を縮径させるプレス加工をする。
【0019】
次に図5(A)に示すように、皿状体40が内壁面59を中央張出部52における側壁部分56(薄肉部分)で曲折した皿状体50を形成するための第5の形成工程であるプレス加工を施す。具体的には、図5(A)に示すように、円弧状の凹状脚部PLを有する円錐台状をなす先端部PTに形成されたパンチP10と、パンチP10の凹状脚部PLの曲面に対応するファンネル状の孔DHが形成されたダイD10を用い、パンチP10の凹状脚部PLの部分を皿状体50の開口部側側壁部分58を開口部側から所要範囲に当接させた状態でプレス加工を行なった。これにより皿状体50は、開口部側側壁部分58の中央張出部52側における所要範囲部分が内壁面59の内側から外側に向けて押し出されると共に、中央張出部52における側壁部分56の開口部側が内壁面59の内側に向かって縮径することになる。これにより皿状体50の内底部から開口部に亘って面一状態だった内壁面49は、くの字状の曲折部分53を有する内壁面59に形成される。
【0020】
次に図5(B)に示すように、円柱状のパンチP11とダイD10の孔DHよりも幅狭な孔DHに形成されたダイD11を用いて、皿状体50に絞りプレス加工を行う。パンチP11の先端部PTは、図5(A)に示す皿状体50の内壁面59の径寸法よりも小径寸法の円柱状に形成されたものが用いられる。具体的には図5(A)に示す皿状体50の中央張出部52の内底面にパンチP11の先端部PTを直接押圧させ、中央張出部52における側壁部分56を中央張出部52の底面に対する直交方向に起立させると共に、開口部側側壁部分58を縮径させるプレス加工が施される。このプレス加工により、皿状体51は、開口部側側壁部分58における内径寸法よりも、中央張出部52における側壁部分56における内径寸法の方が径大となる拡径部57を有する皿状体51が形成される。
【0021】
そして、図5(C)、図5(D)に示すように、パンチP11と同様な円柱形状をなす先端部PTに形成されたパンチP12,P13と、ストッパSを具備するダイD12,D13を用いて皿状体51,51Aの中央張出部52の内底面を直接押圧することで、薄肉化加工部分を拡径部57の側壁部分とし、かつ、開口部側側壁部分58の径寸法を縮径させ、拡径部57の形状を整形して中ぐり部62に形成する加工が施される。
【0022】
ここで、ダイD12,D13にはファンネル状に形成された孔DHの下方にストッパSが配設されていることに加え、パンチP12,P13は皿状体51,51Aの中央張出部52の内底面に当接可能な形状を有するものが用いられている。これらにより皿状体51,51Aの開口部側側壁部分58の高さ方向の延伸が拘束された状態となると共に、中ぐり部62(拡径部57)の外形寸法と開口部側側壁部分58の外形寸法が同一寸法となるようにプレス加工をすることができ、中ぐり部62(拡径部57)の整形をスムーズに行なうことができる。このようなプレス加工をすることにより中ぐり部62が形成された皿状体60を得ることができる。
図5(D)に示すように、皿状体60は、中ぐり部62の内壁面64が開口部側側壁部分68とほぼ平行に形成することができる。このような中ぐり部62はJIS規格等により雌ネジの標準形状として定められている形状である。
【0023】
図6は、本実施形態にかかるカメラ三脚用雌ネジ体の製造工程において、各工程における中間成形体と上下の金型の概略形状を示す説明図である。図6(A)〜図6(C)に示すように、上金型UM1〜UM3および下金型LM1〜LM3を用いて皿状体60の開口部側側壁部分68とつば部63との曲折部を迫出部76に形成するプレス加工が施される。この迫出部76は、雄ネジのネジ頭(図示せず)を密着(当接)させて、雄ネジを固定するためのストッパとして用いることができる。図6(A)〜図6(C)に示すように下金型LM1〜LM3は、皿状体60,61,61Aの筒状部分67が収容される円柱状の孔DHが形成され、孔DHの外周縁部分が突出する突出部PRが形成されている。上金型UM1〜UM3のそれぞれには下金型LM1〜LM3に設けられた突出部PRに対応する位置にファンネル状に形成された開口部OPが形成されている。また、上金型UM1〜UM3には、皿状体60,61,61Aの開口部側側壁部分68に接触しながら進入する突出体PPがそれぞれ設けられている。突出体PPを皿状体60,61,61Aの開口部側側壁部分68の内部に進入させた状態でプレス加工することで、迫出部66,76の形成時における幅方向および高さ方向における寸法のばらつきの発生を抑えて(雌ネジ部の下穴形状を保持して)いる。
【0024】
図6(C)に示すような迫出部76が形成された皿状体70とした後、皿状体70の開口部側側壁部分78の内周面を図示しない公知のタップツールを用いて雌ネジ部のネジ山を形成する第7の形成工程を施す。この第7の形成工程により図7に示すような中ぐり部82、ネジ部84、迫出部86を有するカメラ三脚用雌ネジ部80を得ることができる。このカメラ三脚用雌ネジ部80を図8に示すように筐体92の底面92Aに、迫出部86が筐体92の底面92Aと面一状態またはわずかに突出させた状態となるようにして組み込みすれば、標準化機構により特定されたカメラ三脚用雌ネジ部80を有するカメラ90を得ることができる。
【0025】
本実施形態におけるカメラの三脚用雌ネジ部94の製造方法によれば、JIS規格等で標準化されている中ぐり部82を有する雌ネジ部のネジ山以外の部分を、金属製の平板をプレス加工のみで製造することができる。このため、切削屑の発生を雌ネジ部のネジ山を形成加工する際のみに制限することができる。また、プレス加工による成形であるから仕上がり形状の寸法精度が高く高品質なカメラの三脚用雌ネジ部94を製造することができる点においても好都合である。
【0026】
雌ネジ部のネジ穴の径寸法が深さ方向(奥行き方向)に均一な寸胴形状に形成されている場合、タップツールでネジ山を形成しようとすると、タップツールの先端部分により形成されるネジ山形状が不完全なものになってしまう。このような不完全なネジ山が形成された雌ネジ部に通常の雄ネジを螺合させると、雄ネジの先端部が雌ネジ部の奥側部分に形成された不完全なネジ山部分と嵌合して(噛み込んで)しまい、雄ネジが外せなくなってしまうことがある。
これに対して本実施形態のような中ぐり部82が形成された雌ネジ部を採用することで、タップツールの先端部分が中ぐり部82に位置することになるため、雌ネジ部に不完全なネジ山が形成されることを防止できる。これにより、雄ネジ(カメラ用三脚)が外せなくなってしまうという不具合の発生を排除することができる点において好適である。
【0027】
以上、実施形態に基づいて本願発明について詳細に説明をしてきたが、本願発明の技術的範囲は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、皿状体70を形成した後に、開口部側側壁部分78の内周面に雌ネジ部のネジ山を形成して雌ネジ体80を得ているが、図5(D)に示す皿状体60とした後に、この皿状体60の開口部側側壁部分68の内周面に雌ネジ部のネジ山を形成する加工を施して雌ネジ体とし、この雌ネジ体(図示せず)を本実施形態と同様にしてカメラ90の筐体92の底面に組み込んでカメラ三脚用雌ネジ部94を得てもよい。
また、本実施形態においては金属製の平板としてステンレス製の平板を用いて説明を行なっているが、アルミニウム製の平板等他の金属製の平板を用いることもできる。
【符号の説明】
【0028】
10 第1の成形体
12 張出部
20,30,40,50,51,51A,60,61,61A,70 皿状体
22 凹部
32,42,52 中央張出部
34,44 残存凹部
36,46,56 側壁部分
48,58,68,78 開口部側側壁部分
39,49,59,64 内壁面
53 曲折部分
57 拡径部
62,82 中ぐり部
66,76,86 迫出部
67 筒状部分
80 雌ネジ体
84 ネジ部
90 カメラ
92 筐体
92A 底面
94 カメラ三脚用雌ネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の平板に複数のパンチとダイとを用いてプレス加工を施すことによってネジ山形成部より径大な円柱状空間部に形成された中ぐり部を有するカメラの三脚用雌ネジ部を製造する方法であって、
前記平板の所要位置に球面状の張出部を形成する第1の形成工程と、
前記球面状の張出部を、先端が平面状に形成された皿状体に形成する第2の形成工程と、
前記皿状体の平面状部分の中央位置に円錐台状に突出した中央張出部を形成する第3の形成工程と、
前記中央張出部の側壁部分を高さ方向に延伸させ、前記中央張出部の開口部側位置における側壁部分を他の側壁部分よりも薄肉化する加工を施す第4の形成工程と、
前記薄肉化する加工を施した側壁部分を当該側壁部分の内側から外側に押し出しする加工を施す第5の形成工程と、
前記第5の形成工程により外側に押し出された薄肉化加工部分を中ぐり部の側壁部分とし、かつ、該中ぐり部における外径寸法と他の部位における外形寸法とが同一寸法となるように加工する第6の形成工程と、
前記皿状体の開口部側側壁部分の内周面に雌ネジ部を形成する第7の形成工程と、
を有することを特徴とするカメラ三脚用雌ネジ部の製造方法。
【請求項2】
前記第7の形成工程の前に、前記皿状体の開口部側側壁部とつば部との曲折部に迫出部を形成する工程をさらに有していることを特徴とする請求項1記載のカメラ三脚用雌ネジ部の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−37705(P2012−37705A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177229(P2010−177229)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(592143057)株式会社 サンコー (30)
【Fターム(参考)】