説明

カメラ制御装置、カメラ制御装置の制御方法

【課題】 撮像装置に接続されるクライアントが用いるプロトコルによっては、制御コマンドに対するエラー応答の受信により予期せぬ動作をする恐れがあった。
【解決手段】 カメラ制御装置100の通信処理部206は、クライアントから制御コマンドを受信し、CPU211は、受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、所定のエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対してエラー応答を送信し、受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、所定のエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して受理応答を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置を制御するカメラ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークカメラに接続された複数端末のうち、制御権を有する特定の端末によるカメラ制御を受け付けるようにする方法が知られている。
例えば、特許文献1には、あるクライアントが制御権を取得しているときは他クライアントからの制御コマンドを無効とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−41176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像装置に接続されるクライアントが用いるプロトコルによっては、制御コマンドに対するエラー応答の受信により予期せぬ動作をする恐れがあった。
例えば、制御権を有さないことによるエラーが定義されていないプロトコルを用いているクライアントが、撮像装置の制御コマンドの応答として、制御権を有さないことによるエラー応答を受信しても、そのエラー応答の内容を解釈できないことがあった。この場合、当該エラー応答を受信したクライアントは、例えば、エラー終了などの予期せぬ動作をしてしまう恐れがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像装置に接続されるクライアントによる予期せぬ動作を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のカメラ制御装置は、例えば、以下の構成を有する。すなわち、クライアントにネットワークを介して接続される撮像装置を制御するカメラ制御装置であって、前記撮像装置の制御のための制御コマンドを受信する受信手段と、前記受信した制御コマンドに応じた制御をする制御手段と、前記受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、前記所定のエラーを示すエラー応答を送信し、前記受信した制御コマンドに応じた制御が前記所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、当該制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する送信手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮像装置に接続されるクライアントによる予期せぬ動作を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】システム構成図
【図2】ネットワークカメラ100のブロック図
【図3】クライアント120〜122のブロック図
【図4】ネットワークカメラ100の処理を説明するためのフローチャート図
【図5】クライアント120〜122の処理を説明するためのフローチャート図
【図6】クライアント120〜122により送信されるHTTPリクエストの一部
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施例を詳細に述べる。
【0009】
図1は、本実施形態のシステム構成例を示す図である。図1では、ネットワークカメラ100とクライアント(制御装置)120〜122がネットワーク150を介して接続されている。ネットワーク150に接続されるネットワークカメラ100とクライアントの数は、図1の例に限らない。
【0010】
なお、本形態のネットワークカメラ100は、カメラの制御ができるクライアントを、制御権を有するクライアントに制限している。本形態では、クライアント120が制御権を持っており、クライアント121とクライアント122が制御権を持っていないとする。また、クライアント120とクライアント121は、制御権を有しないことによるエラー応答をネットワークカメラ100から受信した場合に、当該エラー応答の内容を解釈できるクライアントである。一方、クライアント122は、制御権を有しないことによるエラー応答を受信しても、当該エラー応答の内容を解釈できない。
【0011】
すなわち、クライアント120及び121は、制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコル(定義プロトコル)を用いてネットワークカメラ100に接続している。従って、例えば、クライアント121は、ネットワークカメラ100に対してパン制御コマンドを送信した後に、制御権を有しないことによるエラー応答を受信した場合、エラー応答に応じたエラーメッセージを表示させることができる。
【0012】
一方、クライアント122は、制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコル(非定義プロトコル)を用いてネットワークカメラ100に接続している。
【0013】
なお、以下では、制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコルを定義プロトコルとする例を中心に説明するが、別のエラーが定義されたプロトコルを定義プロトコルとしても良い。別のエラーの例として、例えば、ネットワークカメラ100に対するパン制御コマンドによる制御後のパン角度が、ネットワークカメラ100の可動範囲を超えることによるエラーがある。また、別のエラーの例として、例えば、ネットワークカメラ100がパノラマ画像の生成のための制御中に、チルト制御コマンドを受信したことによるエラーがある。本形態のネットワークカメラ100は、パノラマ画像の生成のためのパン、チルト制御中は、クライアントからのパン、チルト制御コマンドに応じたパン、チルト制御を行わない。
【0014】
図2は、ネットワークカメラ100の全体構成を表すブロック図である。本形態のネットワークカメラ100は、撮像装置と、当該撮像装置を制御するためのカメラ制御装置が一体となっている。ただし、これらが別の装置であっても構わない。
【0015】
図2において、201はレンズ部、202はCCD部、203は信号処理部、204は画像解析部、205は符号化部、206は通信処理部である。以下にネットワークカメラ100が映像データをネットワーク150へ送信するまでの処理を説明する。
【0016】
レンズ部201から取り込まれた光学映像はCCD部202でRGBデジタルデータに変換された後、信号処理部203へ送られる。信号処理部203は、RGBデジタルデータをYCbCr4:2:0フォーマットまたはYCbCr4:2:2フォーマットのデジタルデータに変換する処理、画像サイズの変換処理、各種フィルタ処理などを行う。処理された撮像データは画像解析部204に送られると共に符号化部205へ送られる。符号化部205は、信号処理部203からの撮像データをMPEG4フォーマットやJPEGフォーマットへ符号化圧縮する処理を実行する。なお、符号化の方式は上記の方式に限らない。
【0017】
通信処理部206は、符号化部205で生成されたMPEG4の動画ストリームデータや各JPEG静止画データを、TCP/IP、HTTPあるいはRTPなどのネットワークプロトコルに従って、ネットワーク150を経由して各クライアントへ送信する。なお、ネットワークプロトコルは上記のプロトコルに限らない。
【0018】
画像解析部204は、信号処理部203からの撮像データを解析して被写体や特定の画像パターンが含まれているか否かを判定する。信号処理部203、画像解析部204、符号化部205、通信処理部206の各処理ブロックは後述のCPU211により制御される。
【0019】
207はカメラ制御部で、モータ駆動部208、レンズ駆動部210と接続される。カメラ制御部207は、CPU211からの指示に従ってカメラのパン、チルト、ローテーション動作のための制御信号や、ズームやAF(オートフォーカス)動作のための制御信号を出力する。
【0020】
モータ駆動部208はモータ駆動回路を備えており、カメラ制御部207からの制御信号に従ってパン、チルト、ローテーションモータ209を駆動し、モータの回転によってカメラの撮影方向を変えることが可能となる。
【0021】
また、210はレンズ駆動部であり、ズーム、AFなどの各制御を行うためのモータとモータ駆動回路を備えていて、カメラ制御部207からの制御信号に従って制御される。
【0022】
211はCPU(中央演算処理装置)である。CPU211は、後述のROM212に格納されている制御プログラムコードを実行し、各部の動作を制御する。CPU211にはROM(リードオンリーメモリ)212、RAM(ランダムアクセスメモリ)213が接続されている。また、CPU211は、信号処理部203、画像解析部204、符号化部205、通信処理部206とも接続されており、CPU211は各処理ブロックに対して動作の開始・停止、動作条件の設定、動作結果の取得などを実行することで各処理ブロックの制御を行う。CPU211の動作については後述する。
【0023】
ROM212には、CPU211が本形態に係る処理を実行するためのプログラムやデータが格納されている。
【0024】
RAM213は、CPU211がROM212のプログラムを実行する際に、データの書き込み、読み出しを行うメモリである。RAM213は、CPU211がプログラムの実行に使用するワークエリア、一時退避エリアなどを備えている。
【0025】
図3は、クライアント120〜122の構成を表すブロック図である。なお、本形態のクライアント120〜122の構成は同様であるため、以下ではクライアント120について説明する。
【0026】
クライアント120では、キーボード301、マウス302、ディスプレイ303、CPU304、ROM305、RAM306、ネットワークI/F307が、内部バス310を介して相互に接続されている。
【0027】
キーボード301は、キーボードと接続するためのインタフェースである。マウス302は、マウスと接続するためのインタフェースである。ただし、キーボードやマウスに限らず、表示画面に対して指示を入力する入力装置であればよい。
【0028】
ディスプレイ303は、ディスプレイと接続するためのインタフェースである。クライアント120のCPU304は、ディスプレイ303を介して、ディスプレイの表示を制御する。
【0029】
次に、本形態のネットワークカメラ100の動作について説明する。
【0030】
図4は、ネットワークカメラ100の動作を説明するためのフローチャートである。なお、ネットワークカメラ100は、CPU211が、ROM212に記憶されている図4に係る処理を行うためのプログラムを読み出して各部を制御することにより、図4の処理を実現する。また、本形態のネットワークカメラ100は、撮像装置と、当該撮像装置を制御するためのカメラ制御装置を含んでいる。ただし、例えば、撮像装置とカメラ制御装置が別の装置であっても良い。また、複数の撮像装置が、カメラ制御装置を介して、ネットワーク150に接続されるような形態も可能である。
【0031】
S400(受信手順)において、ネットワークカメラ100の通信処理部206が、ネットワークカメラ100の制御のための制御コマンドをクライアント120から受信すると、S402に進む。受信する制御コマンドは、例えば、カメラの撮像方向を変更するためのパン制御コマンドやチルト制御コマンドである。ただし、制御コマンドは、フォーカスやホワイトバランスなどの各種パラメータを制御するための制御コマンドなどであっても良い。
【0032】
S402において、CPU211は、制御コマンドを送信したクライアントが用いるプロトコルを判定する。より具体的には、CPU211は、制御コマンドを送信したクライアントのプロトコルが、制御権を有しないことによるエラーが定義された定義プロトコルであるか、制御権を有しないことによるエラーが定義されていない非定義プロトコルであるかを判定する。
【0033】
上記のように、本形態のクライアント120及び121は、制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコル(定義プロトコル)を用いてネットワークカメラ100に接続している。一方、クライアント122は、制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコル(非定義プロトコル)を用いてネットワークカメラ100に接続している。CPU211がプロトコルを判定するとS404に進む。
【0034】
S402で定義プロトコルであると判定された場合はS404からS406に進み、S402で非定義プロトコルであると判定された場合はS404からS412に進む。すなわち、S402の判定結果に応じて、その後の処理が変化する。
【0035】
S402におけるプロトコルの判定方法について、以下に説明する。
【0036】
本形態のネットワークカメラ100は、クライアントからの制御コマンド(HTTPリクエスト)の接続先URLに含まれる文字列を参照して、プロトコルの種別を判定する。HTTPリクエストの接続先URLの例を図6に示す。本形態のネットワークカメラ100は、HTTPリクエストに含まれる接続先のIPアドレス又はホスト名の直後のパス名を参照する。本形態のネットワークカメラ100は、図6のhttp1という文字列に対応するプロトコルが、定義プロトコルであることを予め記憶している。また、ネットワークカメラ100は、図6のhttp2という文字列に対応するプロトコルが、非定義プロトコルであることを予め記憶している。従って、ネットワークカメラ100は、制御コマンド(HTTPリクエスト)の文字列を参照することで、当該制御コマンドが、定義プロトコルを用いるクライアントからの制御コマンドであるか否かを判定できる。すなわち、ネットワークカメラ100は、制御コマンドに含まれる文字列によって、当該制御コマンドを送信したクライアントが、制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコル(定義プロトコル)を用いるクライアントであるか否かを判定する。
【0037】
ただし、プロトコルの判定方法は、上記の方法に限らない。他の判定方法として、例えば、ネットワークカメラ100に接続するためにクライアントが送信した接続要求に含まれる文字列を用いる方法がある。すなわち、ネットワークカメラ100は、クライアントから受信した接続要求に含まれる文字列に応じて、クライアントが、定義プロトコルを用いるクライアントであるか否かを判定できる。
【0038】
また、他の判定方法として、例えば、ネットワークカメラ100に対して過去に送信されたその他のコマンドを用いる方法がある。すなわち、ネットワークカメラ100は、制御権の取得要求コマンドをクライアントから受信した場合、当該クライアントが、定義プロトコルを用いるクライアントであると判定できる。ネットワークカメラ100は、制御権の取得要求コマンドを送信したクライアントの識別情報(IPアドレスやMACアドレス)を記憶して、S402での判定に利用することが可能である。
【0039】
なおCPU211は、制御コマンドを送信したクライアントが用いるプロトコルが、定義プロトコルであるか否かを、上記の方法で判定できない場合、非定義プロトコルであると判定する。すなわち、CPU211は、制御コマンドを送信したクライアントが用いるプロトコルが、所定のエラーが定義されたプロトコルであるか否かが不明である場合、当該エラーが定義されていないプロトコルであると判定する。
【0040】
S406において、CPU211は、制御コマンドに応じた制御が可能であるか否かを判定する。CPU211は、例えば、制御コマンドの受信時に、制御権を有するクライアントが存在しない場合、非定義プロトコルで接続されるクライアント122からの制御コマンドに応じた制御が可能であると判定する。CPU211は、S406で制御コマンドに応じた制御が可能であると判定した場合、制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を、通信処理部206を介して制御コマンドの送信元のクライアントへ送信する(S408)。そして、S410(制御手順)において、CPU211は、カメラ制御部207を介して、制御コマンドに応じた制御(例えば、パン制御コマンドに応じたパン制御)を行う。
【0041】
例えば、制御権を有し、制御権がないことによるエラーが定義された定義プロトコルを利用するクライアント120から制御コマンドを受信した場合、CPU211は、クライアント120へ受理応答を送信すると共に、制御コマンドに応じた制御を実行する。なお、受理応答の送信と、制御コマンドに応じた制御の順序は、逆でも良い。
【0042】
一方、S406で制御コマンドに応じた制御が可能でないと判定した場合、CPU211は、S411(送信手順)において、制御コマンドの送信元であるクライアントに対して、エラー応答を送信する。すなわち、CPU211は、制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、当該エラーが定義された定義プロトコルを用いるクライアントから制御コマンドを受信した場合、当該エラーを示すエラー応答を送信する。所定のエラーが、制御権を有さないことによるエラーの場合、本形態のネットワークカメラ100は、S411において、制御権を有さないことによるエラーを示すエラー応答をクライアントへ送信する。
【0043】
例えば、制御権を有さず、制御権を有しないことによるエラーが定義された定義プロトコルを利用するクライアント121から制御コマンドを受信した場合、CPU211は、クライアント121へ制御権を有さないことを示すエラー応答を送信する。
【0044】
S412において、CPU211は、制御コマンドに応じた制御が可能であるか否かを判定する。CPU211は、例えば、S400で受信した制御コマンドの送信元のクライアントがネットワークカメラ100の制御権を有していれば、制御コマンドに応じた制御が可能であると判定する。CPU211は、S412で制御コマンドに応じた制御が可能であると判定した場合、制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を、通信処理部206を介して制御コマンドの送信元クライアントへ送信する(S413)。そして、CPU211は、カメラ制御部207を介して、制御コマンドに応じた制御を行う(S414)。すなわち、本形態のネットワークカメラ100は、非定義プロトコルを用いるクライアント122からの制御コマンドの受信時に、制御権を有するクライアントが存在しない場合、制御コマンドに応じた制御を実行する。なお、S413とS414の順序は逆でも良い。
【0045】
S412で制御コマンドに応じた制御が可能でないと判定された場合、CPU211は、S416(送信手順)において、制御コマンドの送信元であるクライアントに対して、制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する。
【0046】
すなわち、CPU211は、制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できなかった場合であって、当該エラーが定義されていない非定義プロトコルを用いるクライアントから制御コマンドを受信すると、制御コマンドの受理応答を送信する。
【0047】
例えば、制御権を有さず、制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコルを利用するクライアント122から制御コマンドを受信した場合、CPU211は、クライアント122へ制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する。このようにすることで、クライアント122による予期せぬ動作を低減できる。
【0048】
なお、エラーの種別は、制御権に関するエラーに限らない。他のエラーの例として、例えば、パンの可動範囲を超えるパン制御コマンドに対するエラーや、パノラマ画像の生成中におけるパン制御コマンドに対するエラーがある。すなわち、ネットワークカメラ100は、受信した制御コマンドに応じた制御が、所定のエラー(制御権のエラーや、可動範囲のエラーなど)により実行できない場合、制御コマンドを送信したクライアントが用いるプロトコルに応じて、異なる応答を送信する。
【0049】
また、図4の説明において、制御コマンドに応じた制御が可能でないと判定されてから、制御コマンドの送信元クライアントのプロトコルを判定するようにしても良い。
【0050】
例えば、制御権を有するクライアント120からパン制御コマンドを受信したものの、パン制御コマンドによる制御後のパン角度が、可動範囲を超えているために、パン制御できないと判定した場合、クライアント120のプロトコルを判定する。そして、ネットワークカメラ100は、クライアント120のプロトコルが、パンの可動範囲を超えたことによるエラーが定義された定義プロトコルであると判定した場合、クライアント120に対して、パンの可動範囲を超えたことを示すエラー応答を送信する。一方、ネットワークカメラ100は、クライアント120のプロトコルが、パンの可動範囲を超えたことによるエラーが定義されていない非定義プロトコルであると判定した場合、制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答をクライアント120へ送信する。
【0051】
また、例えば、クライアント120からパン制御コマンドを受信したときに、ネットワークカメラ100がパノラマ画像の撮像中であったために、パン制御コマンドによるパン制御ができないと判定した場合、クライアント120のプロトコルを判定する。そして、ネットワークカメラ100は、クライアント120のプロトコルが、パノラマ画像の撮像中によるエラーが定義された定義プロトコルであると判定した場合、クライアント120に対して、パノラマ画像の撮像中であることを示すエラー応答を送信する。一方、ネットワークカメラ100は、クライアント120のプロトコルが、パノラマ画像の撮像中によるエラーが定義されていない非定義プロトコルであると判定した場合、制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答をクライアント120へ送信する。
【0052】
このように、制御コマンドに応じた制御が可能でないと判定してから、プロトコルを判定することにより、制御コマンドを受信するたびにプロトコルを判定するよりも、プロトコルの判定処理に係る負荷を低減できる。
【0053】
次に、クライアント(制御装置)120〜122の動作について説明する。
【0054】
図5は、クライアント120〜122の動作を説明するためのフローチャートである。なお、クライアント120〜122はCPU304が、ROM305に記憶されている図5に係る処理を行うためのプログラムを読み出して各部を制御することにより、図5の処理を実現する。また、本形態のクライアント120〜122は、ネットワーク150を介してネットワークカメラ100に接続され、ネットワークカメラ100の撮像画像データを受信して表示させることができる。
【0055】
クライアントのCPU304は、キーボード301やマウス302の入力に応じてカメラ制御コマンドを生成する(S500)。そして、CPU304は、S500で生成された制御コマンドをネットワークI/F 307を介してネットワークカメラ100へ送信する(S502)。
【0056】
S504において、CPU304は、制御コマンドに対するネットワークカメラ100からの応答を待つ。ネットワークカメラ100からの応答があった場合、ネットワークI/F 307を介して応答を受信する(S506)。
【0057】
その後、CPU304は、受信した応答が受理応答であるか否かを判定する(S508)。受理応答でないと判定された場合、CPU304は、エラー応答に応じたエラーメッセージを表示させる。一方、S508で受理応答であると判定された場合、図5の処理を終了する。
【0058】
なお、本形態では、エラーメッセージを表示させる形態について説明しているが、例えば、エラーメッセージを音声として再生したり、エラーに応じた警告音を発生させたりしても良い。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0060】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントにネットワークを介して接続される撮像装置を制御するカメラ制御装置であって、
前記撮像装置の制御のための制御コマンドを受信する受信手段と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御をする制御手段と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、前記所定のエラーを示すエラー応答を送信し、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が前記所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、当該制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する送信手段とを有することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、制御権を有するクライアントからの撮像方向の制御コマンドに応じて前記撮像装置の撮像方向を制御し、
前記送信手段は、前記制御権を有しないクライアントであって、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから撮像方向の制御コマンドを受信した場合、当該制御コマンドを送信したクライアントに対して、前記制御権を有しないことによるエラーを示すエラー応答を送信し、
前記制御権を有しないクライアントであって、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから撮像方向の制御コマンドを受信した場合、当該制御コマンドを送信したクライアントに対して、前記制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信することを特徴とする請求項1に記載のカメラ制御装置。
【請求項3】
前記受信された制御コマンドに含まれる文字列によって、当該制御コマンドを送信したクライアントが、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントであるか否かを判定する判定手段を有し、
前記送信手段は、前記判定手段による判定結果に応じて、前記エラー応答と受理応答とのうちいずれかを送信することを特徴とする請求項2に記載のカメラ制御装置。
【請求項4】
前記撮像装置に接続するためにクライアントが送信した接続要求に含まれる文字列に応じて、前記制御コマンドを送信したクライアントが、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントであるか否かを判定する判定手段を有し、
前記送信手段は、前記判定手段による判定結果に応じて、前記エラー応答と受理応答とのうちいずれかを送信することを特徴とする請求項2に記載のカメラ制御装置。
【請求項5】
前記制御権を取得するための要求を送信したクライアントの識別情報を記憶する記憶手段を有し、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶されている識別情報に対応するクライアントであって、前記制御権を有しないクライアントからの制御コマンドに対して、前記エラー応答を送信することを特徴とする請求項2に記載のカメラ制御装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記撮像装置の制御権を有しないクライアントであって、前記制御コマンドを送信したクライアントが用いているプロトコルが、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されたプロトコルであるか、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコルであるか不明の場合、当該クライアントに対して、前記受理応答を送信することを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記制御権を有しないことによるエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントからの制御コマンドの受信時に、前記制御権を有するクライアントが存在しない場合、当該制御コマンドに応じた前記撮像装置の制御を行うことを特徴とする請求項2乃至6のうちいずれか1項に記載のカメラ制御装置。
【請求項8】
クライアントにネットワークを介して接続される撮像装置を制御するカメラ制御装置が行う制御方法であって、
前記撮像装置の制御のための制御コマンドを受信する受信工程と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御をする制御工程と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、前記所定のエラーを示すエラー応答を送信し、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が前記所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、当該制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する送信工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
クライアントにネットワークを介して接続される撮像装置を制御するコンピュータに、
前記撮像装置の制御のための制御コマンドを受信する受信手順と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御をする制御手順と、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されたプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、前記所定のエラーを示すエラー応答を送信し、
前記受信した制御コマンドに応じた制御が前記所定のエラーにより実行できない場合であって、前記所定のエラーが定義されていないプロトコルを用いるクライアントから当該制御コマンドを受信した場合、当該クライアントに対して、当該制御コマンドを正常に受理したことを示す受理応答を送信する送信手順とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−227603(P2012−227603A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91167(P2011−91167)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】