カメラ
【課題】「使い捨て」タイプのカメラの多くの利点を可能にしたデジタルカメラ及び関連装置を低価格で提供する。
【解決手段】デジタルカメラ3は、画像データを保存するメモリ14を有し、専用ダウンロード装置30と併用されるための独自仕様の接続を有するが、コンピュータあるいは他の記憶媒体と接続するためのいかなる接続インターフェースを有していない。インターフェース32、34は、ダウンロード装置内に設けられる。
【解決手段】デジタルカメラ3は、画像データを保存するメモリ14を有し、専用ダウンロード装置30と併用されるための独自仕様の接続を有するが、コンピュータあるいは他の記憶媒体と接続するためのいかなる接続インターフェースを有していない。インターフェース32、34は、ダウンロード装置内に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラ、デジタルカメラやそれに関連するダウンロード装置及びカメラ再活性化装置を有するシステム、並びに、画像のダウンロードと検証技術を内蔵するカメラの再活性化の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル写真は、人々が写真を撮影する方法や人々が写真で行いたいことの方法を変革した。撮影直後の写真を見てその写真を保存するか削除するかを選択する能力は、非常に有力な機能である。デジタル形式で画像を所有することは、それらの画像を印刷してハードコピーを取るか、あるいは後にコンピュータ上で見るために電子的に保存するかどうかを選択する自由をユーザに与え、かつ、多くのデジタル画像処理技術において画像が用いられるようになる上、ユーザに、電子メールによって友人や家族に画像を送ったり、ウェブサイトに掲示したりできるようにする。
【0003】
しかしながらデジタルカメラは、特に単純な、被写体に向けてボタンを押すだけの従来のフィルムカメラと比較すると、比較的複雑な装置であるため、現代の豊かさを増した社会においても多くの人にとって値ごろ感を越えた高額なものとなっている。
【0004】
さらに、デジタルカメラを持っている人でも、旅行中など、カメラを持ってきてはいないものの写真を取りたいという場合がある。従来の写真撮影では、一般的に「使い捨てカメラ」と呼ばれるカメラが、低価格と利便性によって人々に充分に受け入れられている。これらは特に、カメラをそのまま客に贈答品として贈るパーティーや結婚式、あるいは他の会合において非常に多く使われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、「使い捨て」タイプのカメラの多くの利点を可能にしたデジタルカメラ及び関連装置を提供することにあり、このデジタルカメラを非常に低価格で購入者に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様によれば、画像データを保存するメモリ手段と、画像データを上記メモリ手段からダウンロードするために、カメラをダウンロード装置に接続する接続手段とを備えたデジタルカメラであって、カメラが、外部のコンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に対して接続を許可するいかなる接続インターフェースを持たないことを特徴とするデジタルカメラが提供される。
【0007】
デジタルカメラにおける従来の接続インターフェースは、PCなどの外部コンピュータ手段、あるいは外部の記憶装置、あるいはプリンタなどの他のコンピュータ周辺機器にカメラを接続することを可能にする。最も広く使用されているインターフェース、すなわちユニバーサル・シリアル・バス(USB)は、関連する回路、例えばデータ回線上で電圧の安定化を図る回路のほかに、データ回線と電力線に接触するポートも使用する。このインターフェースを、画像データをダウンロードするためのカメラ、又は不完全なインターフェースのみを含むカメラから除去することによって、このカメラは、ダウンロード装置のみと併用することができるようになる。これはダウンロード装置が、いわゆる写真現像店などの所定の処理設備においてのみ使用可能であろうことを意味する。そのためカメラのユーザは、画像をダウンロードするために写真現像店にカメラを持っていかなければならなくなる。ダウンロードに続いて、カメラは通常、写真現像店から確認、再調整、再梱包、再活性化のために製造業者に返却される。これについては以下に説明する。
【0008】
好ましくは、カメラとダウンロード装置間を接続するための接続手段は、非標準の専用の接続であって、ピン及びソケットの設計及び/又は他の物理的な接続の形状によって、標準的な接続と区別されてもよい。
【0009】
本発明の他の態様において、本発明は、上述したデジタルカメラに存在し、上記デジタルカメラが上記接続手段を介して接続可能な別個のダウンロード装置と組み合わされ、上記ダウンロード装置は外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に接続可能となる接続インターフェース手段を備える。ダウンロード装置の上記インターフェース手段は、少なくとも二本のデータ回線接続と二本の電力接続を含むUSBポートなどの標準的な構成の接続ポートを含む。このようなインターフェースはさらに、例えばインピーダンス整合技術を用いる電圧安定化回路を含む。インターフェースはまた、電力接続に関して安定化電力供給機能を含んでもよい。
【0010】
上記ダウンロード装置は、上記カメラとダウンロード装置間の上記接続手段内における電気接続の完全性を検出する検出回路を含んでもよい。これはユーザに適切な電気接続がなされたことを示す、LEDなどの可視的な視覚表示手段を含んでもよい。上記ダウンロード装置はさらに、データを転送できるように上記回線を接続する上記データ回線に接続されたユーザ動作可能な切り替え手段を含んでもよい。このダウンロード装置は、さらに上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在を検出するデータ・フロー検出回路を含み、ユーザに上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在を示す第二の可視的な視覚表示手段を有してもよい。
【0011】
ビジネスモデルを有効に動作させ、それによってカメラが原価に近いかあるいはそれ以下でエンドユーザに提供されるため、製造業者に対するカメラの返却率が高いことが重要である。その一端として、エンドユーザを特定の写真処理設備と結びつけることが望ましい。この特定の写真処理設備は、カメラが購入されたところか、あるいは写真処理の系列販売小売店の特定チェーンのような、商業的に関連するものである。
【0012】
さらなる発展を考慮して、上記ダウンロード装置は、さらに、上記カメラと相互に接続して上記カメラから識別信号を受信する検証回路などの、上記ダウンロード装置とともに上記カメラを用いることが許可されるかどうかを検証するための検証手段を含む。この回路は、有効な識別信号を受信すると、ダウンロード装置を有効にする。識別信号は、一つの信号ピンの信号電圧レベルの単純なものであってもよいが、識別信号が論理ゲートの基準を満たす場合、識別信号を受けて、活性化信号あるいは電圧を出力するように構成された、一つ以上の論理ゲートを設けた検証回路を有する一つ以上のピンにおける信号を含んでもよい。同様に、例えば、所定の範囲内の電圧を有する識別信号における活性化信号あるいは電圧を出力する電圧検出回路のような、アナログ識別が用いられてもよい。さらに複雑な構成では、上記識別信号は、上記カメラ内に保存された識別コードを備え、上記ダウンロード装置は、上記識別コードと比較される保存された許可コードを含む。
【0013】
このダウンロード装置は、好適には、ダウンロード・イベントに関連するデータを提供するように構成され、さらに上記データを遠隔制御センターに送信する送信手段を含む。このようなデータは、一つ以上のダウンロードの時間及び/又は日付、カメラ識別情報、ダウンロード装置識別情報を備える。カメラの返却率を最大にする目的で、ダウンロード・イベントとカメラの返却を監視するためには、上記データを別個の制御センターに提供することが重要である。この制御センターは、製造業者において提供されてもよいし、または製造業者によって制御されてもよい。
【0014】
上記ダウンロード装置は、具体的には、例えば、データをデータ・パケットとして送信するモデムを含み、あるいはSMSなどの標準メッセージ技術、又はデュアルトーン多重周波数(DTMF)符号化などの符号化技術を用いて、データを電話回線によって制御センターに直接送信するように構成されてもよい。または、データは、無線で送信されてもよく、このときダウンロード装置は、GSMエンジンと関連ハードウエアを内蔵する。
【0015】
好適な実施の形態において、上記カメラは、その制御プログラムに、カメラの機能性のための活性化コード又はプログラムの存在を含み、そのコードあるいはプログラムは、画像をダウンロードするときに消去され、それによってダウンロード後にカメラを非活性化して、エンドユーザがこのカメラをさらに使用することを防ぐ。カメラの再活性化は、カメラ再活性化コードあるいはプログラムをそのカメラに送信するため、上記接続手段を通じてカメラと接続可能な専用カメラ再活性化装置を用いて達成される。このことは、好適には、再活性化プログラムあるいはコードを送信する外部コンピュータ手段に対する接続を可能にする、USBインターフェースなどのインターフェース手段を含む。許可されたユーザによってのみ再活性化装置が用いられ、特定のカメラのみを再活性化することが重要である。例えば、特定の商業店舗である写真現像店は、その店がもともと売却したカメラのみを再活性化することが許可されてよい。このため、再活性化装置は、さらに、この装置がそのカメラと併用されることが許可されていることを検証する手段を備える。
【0016】
本発明のさらなる態様において、本発明は、デジタルカメラを含み、カメラ識別手段と、上記カメラが上記ダウンロード装置と併用されることが許可されているかどうかを検証するように構成された検証手段を備える専用ダウンロード装置とを有することを特徴とするデジタルカメラシステムを提供する。
【0017】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラに接続してそこから画像データをダウンロードするダウンロード装置であって、上記ダウンロード装置は、上記カメラから識別コードあるいは信号を受信し、本装置が接続されたカメラから画像をダウンロードすることが許可されているかどうかを検証するカメラ検証手段を含むことを特徴とするダウンロード装置を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラに接続して、再活性化コードあるいはプログラムを上記カメラにアップロードする再活性化装置であって、上記カメラは、識別手段を含み、上記再活性化装置はさらに、上記再活性化装置が該装置に接続されたカメラと併用されることが許可されているかどうかを検証する検証手段を備えることを特徴とする再活性化装置を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、専用ダウンロード装置を用いてデジタルカメラから画像をダウンロードする方法であって、上記カメラは、信号あるいはコード識別を含み、上記方法は、以下のステップ、1)上記カメラとダウンロード装置とを接続するステップと、2)上記ダウンロード装置において識別コードあるいは信号を受信して、上記識別コードあるいは信号がカメラとダウンロード装置の許可された組み合わせを示す規定の基準を満たす場合にのみ、画像データのダウンロードを有効にするステップとを備えることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラを再活性化する方法であって、上記カメラは、カメラの機能性に必要な活性化コードあるいはプログラムを含み、また識別信号あるいはコードを含み、上記方法は、以下のステップ、1)上記カメラと専用再活性化装置とを接続するステップと、2)上記再活性化装置において識別コードあるいは信号を受信して、上記識別コードあるいは信号がカメラと再活性化装置の許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、再活性化コードあるいはプログラムのアップロードを有効にするステップとを備えることを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を一例として説明する。
図1に示されるように、従来のデジタルカメラは、多くの基本的なシステムコンポーネント及び/又は回路を含む。このカメラは、電荷結合素子(CCD)などの撮像センサ6上に光を合焦するレンズ4を有する遮光ハウジング2を組み込む。デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)8と称される主処理装置は、主要なカメラの機能を制御する。ユーザインターフェース10は、カメラで得られた映像を表示し、既に取られた写真と、カメラの設定及び機能の詳細とを表示するための表示スクリーンを備え、さらに、シャッター・ボタンを含む複数の制御ボタンを含む。電源装置12は、電力をカメラに供給する。参照符号14で表される内部カメラメモリ(例えばSDRAM、フラッシュ・メモリ)が設けられる一方、外部あるいは取り外し可能なメモリ16(例えばSDあるいはコンパクト・フラッシュCFカード)が付加的に設けられ、それに画像が保存される。参照符号18で表されるように、フラッシュ装置及びその制御回路が設けられる。PCインタフェース20が設けられ、一般的にユニバーサル・シリアル・バス接続などの標準的な構成の接続を介してカメラの外部接続が可能になり、またカメラからパーソナルコンピュータ、プリンタ及び/又は他の記憶装置などの外部コンピュータ・デバイスへ画像のダウンロードが可能となる。
【0022】
本発明の態様によるデジタルカメラ及び関連する構成の外観を図2に示す。従来のデジタルカメラと比較して、参照符号3で表されるカメラは、画像の回収(retrieval)を可能にする従来の接続手段を欠いており、専用ダウンロード装置30にのみ接続可能である。ダウンロード装置30は、写真屋、暗室、あるいは写真現像店などの写真処理設備に設けられるであろうと考えられ、その結果、ユーザは、画像を回収するためにカメラを上記設備に持ち込まなければならない。上記設備は、カメラが最初に購入された店、あるいはカメラの販売店に関連する、あるいはカメラの販売店にて許可された設備である。ダウンロード装置30自身は、パーソナル・コンピュータ(PC)あるいは専用処理ステーションであろうコンピュータ手段に接続されている。専用処理ステーションにおいては、写真処理設備における人員、あるいは個々のユーザがどの画像をどの形式で保存するか、例えば、印画紙に印刷するか、CD、DVD、SDカードあるいはそれと類似したものなどの記憶媒体にコピーするか、及び/又は電子メールによって特定の電子メール・アドレスに送信するかなどを選択する。ユーザ及び/又は処理設備の店員は、種々の画像操作、写真のトリミング、拡大、種々の他の処理あるいは特定の効果の適用などを行うかもしれない。さらに以下に述べるように、画像をダウンロードした後、カメラ3は、非活性化され、再活性化するまで写真は取れなくなる。カメラ3は、写真処理設備に預けられ、再チェック、再梱包、及びカメラの再活性化のために製造業者に返却される。
【0023】
さらに詳細には、参照符号3で示されるデジタルカメラは、上述のように従来のカメラの構成部分の多くを用いている。これらの構成部分は、図1と同様の参照符号にて図4に示されている。しかしながら、従来のカメラと比較すると、PC及び/又は外部のメモリなどの他の装置とともに、カメラの完全なインターフェースに関連するそれらの構成部分は、省略されるか、あるいは不完全な方法で提供され、その代わり、これらの構成部分は、外部ダウンロード装置30に組み込まれている。この装置30は、カメラを他の装置とインターフェース接続させるためには必須であり、したがって、その中に保存された写真の回収にも必須である。PCインターフェースは、図4において参照符号32で示される。同様に、参照符号34によって示されるように、SDあるいはCFカードなどの外部メモリとのインターフェースは、カメラから省かれ、上記ダウンロード装置に組み込まれる。PCインターフェース32と外部メモリインターフェース34の両方が設けられる一方、より簡易な形では、どちらかは、ダウンロード装置30から省くことが可能である。
【0024】
カメラ3は、一連のピン、ソケットあるいはコンタクトの形態を取る、ダウンロード装置と接続させる接続手段を含むけれども、データ搬送ピンが識別可能であるとしても、これらを直接、PCあるいは記憶媒体に簡単に直接に接続することはできない点において、上記接続は、真のインターフェースあるいは完全なインターフェースを構成しない。
【0025】
カメラの画像保存メモリが一旦満杯になってしまうと、そのカメラは、ユーザによって写真処理設備に返却される。写真処理設備において、カメラ3は、図3に示されるようにカメラ受け台を備えたダウンロード装置30に接続される。ダウンロード装置30のハウジングは、そのカメラにおける一連の接続ピン、ソケットあるいはコンタクトが凹部35内で適切な一連のピン、ソケットあるいはコンタクトと電気的に接触するように、カメラ3を受け入れ可能な、適切な凹部35を形成する。この接続の配置は、上記カメラ3が専用ダウンロード装置30にのみ接続可能なように、独自に開発された標準外のものであることが好ましい。それはまた、実際に使用される個数よりも多数のピン、ソケットあるいはコンタクトを配列することが可能である。例えば20個のピンを設けることができ、その内の数本は、余剰分である。
【0026】
図6には、ダウンロード装置30の主要な動作構成部分が示されている。ダウンロード装置30は、上述のように、電気的な接続をカメラ3に供給する一般的な構成のコネクタを組み込んでいる。ここでは、ほんのわずかなピン接続のみが図示されており、さらに以下に述べるように、図6の右側には特に、データ関連ピン、DN及びDPを示している。本装置の左側に示されたダウンロード装置30の出力は、USBポートなどの標準タイプの、参照符号32で示される出力コネクタを含むのが好ましく、それは、PCあるいはプリンタあるいは他の電子装置などのコンピュータ手段に容易に接続されることを可能とする。
【0027】
ダウンロード装置内には、ダウンロード装置とカメラコンタクトとの各接点又は特定の接続ごとに、内部チェックを行うプロセッサを組み込んだ検出回路34が組み込まれる。この検出回路34は、すべての接点あるいは特定の接点にて適切な接続がなされたときに、電気的接続の完全性をチェックしたり、LED36にて視覚表示を出力したりするように構成される。
【0028】
参照符号38で示される切り替え制御部は、単純なボタン・スイッチなどのユーザが起動することが可能なスイッチ40と、(DN及びDPで示される)データ回線上で接続をなしたり、接続を切ったりする継電器44を制御する制御回路42とを含む。抵抗46は、3.3Vの電源から電圧分配を行う。データ検出回路48が検出のために設けられ、LED50の照明により、データ・フローの「進行中」を可視的に表示する。
【0029】
電力回路52は、コネクタ32のピン1を通して電圧、一般的には5Vを受け取り、これを、検出回路とダウンロード装置内の他の場所へ供給するために安定化した3.3Vにまで減少させる。データ回線における電圧の安定化は、インピーダンス整合技術による既知の方法で、回路56によって実行される。これによってデータ転送の安定性が図られる。
【0030】
動作において、写真処理設備(「写真現像店」など)で、カメラ3は、ダウンロード装置30の受け台に接続される。検出回路34は、接続がなされたときに、電気的な接続の完全性を検出して、LED36を作動させる。オペレータは、スイッチ40の切り替えによりダウンロード・シーケンスを手動で開始する。このとき画像データは、USBコネクタ32を介して、付属のコンピュータ、プリンタ、独立した記憶装置あるいは他の電子装置に送信される。ダウンロードのプロセスは、それが完了すると消灯するLED50によって示される。そして写真は、ユーザに、例えばCD−ROMあるいはDVD、あるいは電子メールなどの電子的形態、及び/又は要求によりハードコピーの形態で返却可能である。
【0031】
図4に示されるように、ダウンロード装置30自身は、組み込み式のSDカードあるいはCFカードなどの外部記憶媒体に対して従来のインターフェースを有していてもよい。ここでダウンロード装置30は、PCインターフェース32とカード・インターフェースの両方を含むのが好ましいが、装置30は、そのどちらか、あるいは他のインターフェースを含んでもよい。
【0032】
カメラ3は、画像のダウンロード中、カメラが非活性化して、再活性化プログラム、コードあるいは「キー」がカメラに供給されることによって適切な再活性化がなされるまで非活性な状態を維持するように、プログラミングあるいはDSPによる動作制御を介して適合される。この再活性化は、図5において参照符号60で示される専用再活性化装置を用いて、全ての、種々の写真処理設備、写真現像店などから使用済みの全てのカメラが送られてくる工場で行われることが好ましい。再活性化装置60は、ダウンロード装置30と同様な方法で、PCあるいは他のコンピュータ手段、及び参照符号62で示され電圧源を含む関連するインターフェース構成部分に対するUSBあるいは他の標準的な接続と、安定化回路とを組み込む。再活性化装置60とカメラ3との間に独自仕様の接続(例えば、上述の20ピン接続)がなされる。装置60とカメラ3との間に適切な接続がなされるのを確実にするため、回路34と類似した検出回路が使用可能である。再活性化している間、装置60は、PCから小規模のソフトウエアあるいはデータ、あるいはコードのアップロードを開始して、カメラ3の再活性化を図る。これはさらに以下で説明される。
【0033】
上述のようにカメラと関連する構成部分とを用いて、成功したビジネスモデルを動作させるためには、特に、このビジネスモデルによってカメラが原価に近いかあるいはそれ以下で販売可能であり、そして画像をダウンロードするため特定の写真処理設備にカメラを戻しさらに製造業者にカメラを返却されねばならないためには、カメラが写真処理設備に戻され、そこから工場に送られることを、可能な限り監視して制御することが強く求められる。さらに、カメラの製造業者が画像のダウンロードの事実、及びそれによりエンドユーザからのカメラの受け取りを監視可能であることが望まれ、その結果、これらのカメラが返却されたカメラの記録と比較することが可能となる。
【0034】
図7は、写真処理設備においてカメラの検証及び/又は識別を可能にする手段を組み込んだ、カメラ及び関連するダウンロード装置の第二の実施の形態を図示している。参照符号103で示されるカメラは、図4に示される第一の実施の形態のカメラのすべての構成部分を含み、同様の参照符号は、同様の構成部分を示している。さらにカメラ103には、識別コード又は類似の形態でカメラを識別するための、参照符号105によって示される手段が設けられている。ダウンロード装置132は、カメラ103が特定のダウンロード装置に返却されることを許可されていることを検証する手段106を含む。例えばカメラIDは、カメラが購入された特定の写真処理設備を識別するためのコードであってもよい。あるいはカメラIDは、特定のカメラに一致した独自の識別子であってもよい。またダウンロード装置は、製造業者に存在可能、あるいはその製造業者に報告する写真処理設備に存在可能な制御センターにそれらのIDを通して識別される、特定のカメラについてのダウンロードのログ及び/又は情報などの、画像のダウンロードについての情報を送信する、参照符号107で示された手段も含む。当然のことながら、特定のダウンロード装置とともに用いられることが許可された特定のカメラを検証する種々の技術が用いられてもよい。例えば、カメラは、製造業者にて設けられたシリアル番号あるいはそのカメラ内に保存されたコードを有していてもよいし、あるいはデジタル形式あるいはアナログ形式、あるいはそれらの任意の組み合わせによる識別信号を出力するようにプログラミングされてもよい。カメラIDは、例えばDSP8などの読み出し専用メモリ(ROM)内に、あるいは内部メモリ14に、あるいはEEPROMまたは一時PROMなどの専用の揮発性メモリに保存されてもよい。またハードウエアの実施の形態においては、ID回路が用いられて識別信号を提供する。
【0035】
図示するように、ダウンロード装置132は、カメラIDを受信し、これが特定の指定された基準に見合うかどうかを検証する手段106を組み込む。MCUなどの制御器は、検証処理を行うことが好ましい。例えばカメラIDがシリアル番号あるいはコードであれば、MCUは、認可されたシリアル番号あるいはコードの保存リストを、例えばルックアップ・テーブル内に有していてもよく、一致するシリアル番号あるいはコードがあるときのみ、ダウンロード装置132が有効になる。
【0036】
図7はダウンロード装置内のカメラID検証手段106を示しているが、これはまた、ダウンロード装置132に接続されたPCなどの外部コンピュータ手段上で作動するプログラムとして提供されてもよい。
【0037】
さらに別の選択肢としては、検証処理は、カメラ内のプログラムあるいは他の制御によって実行することも可能である。
【0038】
図8は、カメラIDの検証の単純な形態を用いて、ダウンロード装置132のある実施の形態の主要な動作構成部分を示す回路図である。カメラからの識別入力は、VCINで示され、二つの可能な状態のうちの一つ、HIGH又はLOWの状態、を有している。この図の最上部において、回路は、PCに対するUSB接続の電圧ピンに、一般的には+5Vで接続する電圧バス202を含み、電力調整集積回路252がそこに接続され、+3.3Vの安定化した電源を出力する。バス202は、カメラからの信号入力VCINに応答するスイッチングMOSFETQ1、及び以下に説明するスイッチングMOSFETQ5を組み込んでいる。ライン202とグランドとの間に接続されたLED1は、ダウンロード装置へのカメラの接続について可視的に表示する。上記回路は、ライン210、212及びUSBポートを介してカメラ内のデータ出力ピンからPCに対する接続と、ライン216、218を介してデータ出力ピンからカード・スロット214などの外部メモリコネクタに対する接続とをそれぞれ制御する、一対の継電器208と209とを含む。ユーザ動作可能スイッチSW1が抵抗206を通して、グランドとトランジスタQ1のベースとの間に接続される。その結果、スイッチSW1を閉じて、上記ベースをLOW信号まで引き込み、トランジスタQ2のバイアスVbeを転送し、トランジスタQ2をオンして、HIGH信号をQ2のコレクタとトランジスタQ4のベースに印加して、Q4をオンして、Q4のコレクタ電圧をLOW信号まで引き込み、そこに接続されたMPSFETスイッチQ5を閉じる。Q5が閉じると、カメラに+5Vの電力が供給される。この方法でカメラの入力信号VCINは、回路によって「検証」され、このような検証によってカメラの電力を起動させる。Q2のコレクタにおけるHIGH信号とベースにおけるLOW信号とが、オンされたQ3のベースとコレクタにそれぞれ接続される。この状態で、継電器208及び209を介する電圧降下は、継電器を起動させるのに充分である。その結果、データがカメラからダウンロード装置を介して二つのデータ回線210、212の上で、USB接続とPCに送信され、回線216、218を介してカード・スロット214に送信されるように、データ接続を閉じる。LED2は、継電器を閉じた電圧状態の可視的表示を提供し、このため、データ送信を表示する。Q3がオンの状態で、Q3のコレクタとQ2のベースとがLOW状態に維持され、Q2は、オン状態を維持し、回線の接続を維持するのに充分な継電器を介する電圧が維持される。
【0039】
上述のように、図8は、カメラからの単一のHIGH信号のみが、ダウンロード装置の起動を制御するために用いられるという非常に単純な検証技術を示している。当然のことながら、カメラからの識別信号は、カメラからの数本の信号線の上で検出されてもよい。例えば、図9(a)は、特定の論理状態が満たされたとき、MOSFETQ1を切り替えるために制御出力を供給するように使用される単純な論理ANDゲート300とともに、カメラからの二つの信号線A及びBを示している。付加的な論理ゲートやカメラからの信号線を用いて、さらに複雑な検証が確立できるのは言うまでもない。
【0040】
図9(b)は、入力信号VCがV1より低くV2より高い場合に「検証」されるように、一対の差動増幅器302及び303と、ANDゲート304を用いたアナログ技術の使用法を示す図である。
【0041】
言うまでもなく、入力信号と必要検証の複雑性を増す可能性がある。例えば、カメラ内のアナログ・デジタル変換器(ADC)と、ダウンロード装置内のデジタル・アナログ変換器(DAC)とによって、複雑なアナログ信号を用いることも可能である。
【0042】
図10は、検証とダウンロードのプロセスを示している。カメラ103とダウンロード装置132は、ステップ160において接続されている。検証プロセスは、ステップ162において行われ、ステップ164において、カメラがダウンロード装置と併用されることが許可されたかどうかが確認される。もし検証されていれば、カメラ103は、ステップ166で、ダウンロード機能を有効とし、ダウンロード装置は、PCインターフェース32を介してPCに接続され及び/又は外部メモリ34に接続されている画像データを受信する。カメラ103が許可されていると検証されない場合、カメラ103は、ステップ170において、ダウンロード機能を無効にして、ステップ172において、PCインターフェース32及び/又は外部メモリ34を無効にする。
【0043】
図11は、カメラを検証するためにシリアル番号の技術を用いた、カメラとダウンロード装置のさらに別の実施の形態におけるある構成を示す図である。上述のように、ある種類においては、カメラにはそこに保存された識別シリアル番号を与えることができる。これは、特定の写真処理設備によって販売され処理されたカメラを識別する番号であり、及び/又は個々のカメラを独自に識別する独自のコードであってもよい。例えばこの番号は、販売及び処理する写真処理設備を識別する特定の分野や、特定のカメラを独自に識別する特定の分野を有していてもよい。特定のカメラを独自に識別することによって、返却されたカメラを修理する写真処理設備あるいは製造業者が、カメラが使用された回数を監視することができるようにする。例えば、カメラが特定の回数、使用された後、あるいはカメラが完全に廃棄された後、特定の構成部分が置き換えられるように取り決めてもよい。
【0044】
図11は、カメラ400とダウンロード装置401を示している。このカメラには、デジタル信号プロセッサ(DSP)402が設けられている。EEPROM416などのメモリは、カメラのシリアル番号や他の適当なデータを保存する。ダウンロード装置内のMCU418は、検証装置として作動して、DSPからの二本の信号線SCL(クロック)及びSDA(データ)を用いて、IICバスを介して信号を受信する。このMCU418は、トランジスタ420のスイッチングにより、継電器412及び414の動作を制御して、それによって、図8に示される実施の形態と同様な方法で、ダウンロード装置、USBポート及び/又はカード・スロットに接続されたデータ回線の接続及び切断を制御する。
【0045】
上述のように、写真処理設備から製造業者へのカメラの返却を監視し制御するために、ダウンロード装置には、制御センターに対するデータの自動ロギングと発送の機能が与えられてもよい。このようなデータには、ダウンロードの時間及び日付、カメラID、カメラが画像をダウンロードした回数、写真処理設備を識別するコード、使用された特定のダウンロード装置を識別するコード、及び他の関連データなどが含まれる。図12は、上述のようにカメラ500が接続されるダウンロード装置501を用いたシステムを概略的に示している。ダウンロード装置501は、カメラIDを受信し、PC接続504を介して、これと他の適当なデータを写真処理設備、例えば写真現像店のコンピュータに通信するMCU502を含む。これは、順番に、インターネットを介して、例えば制御センターのウェブサイトにアップロードすることによって、このデータや他の関連データを製造業者によって作動される遠隔制御センターに送ったり、製造業者に報告したりする。このデータが用いられて、そこから画像がダウンロードされたすべてのカメラが製造業者に返却されたこと、あるいは少なくとも満足のいくカメラの返却率が得られたことを検証することが可能である。
【0046】
図13は、電話回線によって制御センターに対する通信を行うシステムを概略的に示している。カメラ600は、ダウンロード装置601に接続されている。このダウンロード装置601には、MCU602とPCインターフェース604が設けられている。このMCU602は、モデム610と適当なダイヤル回路612を介した、制御センター608に対する通信や、電話回線を使った、データを受信し処理する遠隔制御センター508に対する通信を制御する。
【0047】
図14は、図13のシステムと類似したシステムを示しているが、ここでは通信は、デュアルトーン多重周波数(DTMF)の技術を用いることによってなされている。MCU702は、電話回線によるデータの発送を制御している。ここでダイアラは、DTMFダイアラ712内のDTMF信号列に変換される。制御センターは、制御センターPC708に関して、データを復号するDTMFデコーダ710を含む。言うまでもなく、周波数偏移変調(FSK)あるいは位相偏移変調(PSK)などの他の符号化の技術を用いてもよい。
【0048】
図15は、図13のシステムと類似したシステムを示しているが、無線技術を用いて、モデム810とダイアラ812を有するGSMエンジンを備えたダウンロード装置801が、GSMネットワーク・プロバイダ809を介して制御センター808と通信する。図15及び図13のシステムは、特に、データを搬送するためのショート・メッセージ・サービス(SMS)を使用するために用いられる。
【0049】
写真処理設備で画像データをダウンロードした後に、カメラのDSPによって実行された内部制御を用いて、カメラメモリから画像データを消去する。これは、各画像がダウンロードされた後に、順次、消去するように構成されてもよいし、あるいはダウンロードのプロセスの最後に消去するように構成されてもよい。ダウンロードの完了後、カメラは、内的に非活性化される。これは、内部コードあるいはいくつかのソフトウエアをカメラから消去することによって、カメラを動作不可能にせずに達成されてもよい。このカメラは、その後、試験、修理、及び再梱包するために写真処理設備から製造業者に返却される。カメラは、好ましくは製造業者によって再活性化されねばならないが、写真処理設備あるいはエンドユーザ自身によって適切に制御されてもよい。図5に示すように、再活性化するためには、参照符号60によって示される再活性化装置の使用が必要となる。この装置60は、カメラに対する独自仕様の接続部を有する装置を備え、標準USB接続などのPCに対する接続用のインターフェースを含む。装置60は、カメラと上述のダウンロード装置との間の検証に類似した方法で、カメラIDの検証を実行する手段65をも含むことができる。再活性化は、製造業者において行われる必要はないものの、この検証手段65は、写真処理設備あるいはカメラの個々のユーザなどの他の実存物に再活性化装置が代わりに設けられるところで特に有効である。図16は、検証手順を用いた再活性化プロセスを示している。ステップ900に示されるように、カメラは再活性化装置60に接続されている。ステップ902において検証手順が実行され、ここでカメラIDは、装置60によって受信され、検証手段65によって設定された基準を満たすとすれば、ステップ904において示されるように、カメラは有効となる。例えばダウンロード装置とカメラID間の検証確認と全く同様に、特定のピンでは単純な信号、複数のピンでは複雑な信号、あるいは保存されたシリアル番号あるいはコードであってもよい。適合が検証されたと仮定すると、カメラは、ステップ906において有効になるため、再活性コードあるいはいくつかのソフトウエアが、ステップ908においてカメラにアップロードされることが可能になり、カメラの完全な機能性が復活する。しかしながら、適合が検証されなければ、カメラは、ステップ910において無効な状態のままとなる。
【0050】
この検証手順は、再活性化装置60が許可された一台あるいは複数のカメラのみを再活性化するために用いられることを確実にする。
【0051】
あるいは再活性化手順は、カメラ内で作動するようにすることも可能である。このときカメラと再活性化装置との識別が一致することを確認する。
【0052】
さらなる実施の形態において、再活性化装置とダウンロード装置の機能を単一の装置内に組み込むことが可能である。
【0053】
異なる写真処理設備によって動作される別個のダウンロード装置と再活性化装置とを用いる必要性は、カメラを「使い捨て」タイプにすると考えられるが、代わりにこれらの装置が両方とも、そのIDによって識別されるように、ユーザの特定なカメラと併用されるようにエンドユーザに供給されることも可能である。検証手順によって、ユーザは、彼自身のカメラとのみこれらの装置を用いることを確実にする。そうするとカメラは、ダウンロードあるいは再活性化のために他のいかなる写真処理設備に返却されることはなく、「マルチユース」となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来のデジタルカメラの構成を示した概略図である。
【図2】本発明のカメラと、それとともに用いる関連するダウンロード装置とコンピュータのシステム概観図である。
【図3】ダウンロード装置に取り付けられたときのカメラを示した外観斜視図である。
【図4】本発明のデジタルカメラとダウンロード装置のさらに詳細な概略図である。
【図5】デジタルカメラと再活性化装置を示した概略図である。
【図6】ダウンロード装置を示した回路図である。
【図7】識別検証を用いたカメラ及び関連するダウンロード装置の第二の実施の形態を示した概略図である。
【図8】図7に示されたダウンロード装置を示した回路図である。
【図9(a)】カメラからダウンロード装置へ別の識別が入力される様子を示した図である。
【図9(b)】カメラからダウンロード装置へ別の識別が入力される様子を示した図である。
【図10】検証機能を示したフローチャートである。
【図11】カメラ識別子を実行するカメラとダウンロード装置の構成を示した概略図である。
【図12】インターネットを介して制御センターと通信するダウンロード装置を組み込んだシステムを示した概略図である。
【図13】電話線によって通信を行う別のシステムを示した概略図である。
【図14】ダイアルトーン技術を用いた通信を取り入れたシステムを示した概略図である。
【図15】無線通信を取り入れたシステムを示した概略図である。
【図16】カメラの再活性化を示したフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラ、デジタルカメラやそれに関連するダウンロード装置及びカメラ再活性化装置を有するシステム、並びに、画像のダウンロードと検証技術を内蔵するカメラの再活性化の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル写真は、人々が写真を撮影する方法や人々が写真で行いたいことの方法を変革した。撮影直後の写真を見てその写真を保存するか削除するかを選択する能力は、非常に有力な機能である。デジタル形式で画像を所有することは、それらの画像を印刷してハードコピーを取るか、あるいは後にコンピュータ上で見るために電子的に保存するかどうかを選択する自由をユーザに与え、かつ、多くのデジタル画像処理技術において画像が用いられるようになる上、ユーザに、電子メールによって友人や家族に画像を送ったり、ウェブサイトに掲示したりできるようにする。
【0003】
しかしながらデジタルカメラは、特に単純な、被写体に向けてボタンを押すだけの従来のフィルムカメラと比較すると、比較的複雑な装置であるため、現代の豊かさを増した社会においても多くの人にとって値ごろ感を越えた高額なものとなっている。
【0004】
さらに、デジタルカメラを持っている人でも、旅行中など、カメラを持ってきてはいないものの写真を取りたいという場合がある。従来の写真撮影では、一般的に「使い捨てカメラ」と呼ばれるカメラが、低価格と利便性によって人々に充分に受け入れられている。これらは特に、カメラをそのまま客に贈答品として贈るパーティーや結婚式、あるいは他の会合において非常に多く使われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、「使い捨て」タイプのカメラの多くの利点を可能にしたデジタルカメラ及び関連装置を提供することにあり、このデジタルカメラを非常に低価格で購入者に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様によれば、画像データを保存するメモリ手段と、画像データを上記メモリ手段からダウンロードするために、カメラをダウンロード装置に接続する接続手段とを備えたデジタルカメラであって、カメラが、外部のコンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に対して接続を許可するいかなる接続インターフェースを持たないことを特徴とするデジタルカメラが提供される。
【0007】
デジタルカメラにおける従来の接続インターフェースは、PCなどの外部コンピュータ手段、あるいは外部の記憶装置、あるいはプリンタなどの他のコンピュータ周辺機器にカメラを接続することを可能にする。最も広く使用されているインターフェース、すなわちユニバーサル・シリアル・バス(USB)は、関連する回路、例えばデータ回線上で電圧の安定化を図る回路のほかに、データ回線と電力線に接触するポートも使用する。このインターフェースを、画像データをダウンロードするためのカメラ、又は不完全なインターフェースのみを含むカメラから除去することによって、このカメラは、ダウンロード装置のみと併用することができるようになる。これはダウンロード装置が、いわゆる写真現像店などの所定の処理設備においてのみ使用可能であろうことを意味する。そのためカメラのユーザは、画像をダウンロードするために写真現像店にカメラを持っていかなければならなくなる。ダウンロードに続いて、カメラは通常、写真現像店から確認、再調整、再梱包、再活性化のために製造業者に返却される。これについては以下に説明する。
【0008】
好ましくは、カメラとダウンロード装置間を接続するための接続手段は、非標準の専用の接続であって、ピン及びソケットの設計及び/又は他の物理的な接続の形状によって、標準的な接続と区別されてもよい。
【0009】
本発明の他の態様において、本発明は、上述したデジタルカメラに存在し、上記デジタルカメラが上記接続手段を介して接続可能な別個のダウンロード装置と組み合わされ、上記ダウンロード装置は外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に接続可能となる接続インターフェース手段を備える。ダウンロード装置の上記インターフェース手段は、少なくとも二本のデータ回線接続と二本の電力接続を含むUSBポートなどの標準的な構成の接続ポートを含む。このようなインターフェースはさらに、例えばインピーダンス整合技術を用いる電圧安定化回路を含む。インターフェースはまた、電力接続に関して安定化電力供給機能を含んでもよい。
【0010】
上記ダウンロード装置は、上記カメラとダウンロード装置間の上記接続手段内における電気接続の完全性を検出する検出回路を含んでもよい。これはユーザに適切な電気接続がなされたことを示す、LEDなどの可視的な視覚表示手段を含んでもよい。上記ダウンロード装置はさらに、データを転送できるように上記回線を接続する上記データ回線に接続されたユーザ動作可能な切り替え手段を含んでもよい。このダウンロード装置は、さらに上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在を検出するデータ・フロー検出回路を含み、ユーザに上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在を示す第二の可視的な視覚表示手段を有してもよい。
【0011】
ビジネスモデルを有効に動作させ、それによってカメラが原価に近いかあるいはそれ以下でエンドユーザに提供されるため、製造業者に対するカメラの返却率が高いことが重要である。その一端として、エンドユーザを特定の写真処理設備と結びつけることが望ましい。この特定の写真処理設備は、カメラが購入されたところか、あるいは写真処理の系列販売小売店の特定チェーンのような、商業的に関連するものである。
【0012】
さらなる発展を考慮して、上記ダウンロード装置は、さらに、上記カメラと相互に接続して上記カメラから識別信号を受信する検証回路などの、上記ダウンロード装置とともに上記カメラを用いることが許可されるかどうかを検証するための検証手段を含む。この回路は、有効な識別信号を受信すると、ダウンロード装置を有効にする。識別信号は、一つの信号ピンの信号電圧レベルの単純なものであってもよいが、識別信号が論理ゲートの基準を満たす場合、識別信号を受けて、活性化信号あるいは電圧を出力するように構成された、一つ以上の論理ゲートを設けた検証回路を有する一つ以上のピンにおける信号を含んでもよい。同様に、例えば、所定の範囲内の電圧を有する識別信号における活性化信号あるいは電圧を出力する電圧検出回路のような、アナログ識別が用いられてもよい。さらに複雑な構成では、上記識別信号は、上記カメラ内に保存された識別コードを備え、上記ダウンロード装置は、上記識別コードと比較される保存された許可コードを含む。
【0013】
このダウンロード装置は、好適には、ダウンロード・イベントに関連するデータを提供するように構成され、さらに上記データを遠隔制御センターに送信する送信手段を含む。このようなデータは、一つ以上のダウンロードの時間及び/又は日付、カメラ識別情報、ダウンロード装置識別情報を備える。カメラの返却率を最大にする目的で、ダウンロード・イベントとカメラの返却を監視するためには、上記データを別個の制御センターに提供することが重要である。この制御センターは、製造業者において提供されてもよいし、または製造業者によって制御されてもよい。
【0014】
上記ダウンロード装置は、具体的には、例えば、データをデータ・パケットとして送信するモデムを含み、あるいはSMSなどの標準メッセージ技術、又はデュアルトーン多重周波数(DTMF)符号化などの符号化技術を用いて、データを電話回線によって制御センターに直接送信するように構成されてもよい。または、データは、無線で送信されてもよく、このときダウンロード装置は、GSMエンジンと関連ハードウエアを内蔵する。
【0015】
好適な実施の形態において、上記カメラは、その制御プログラムに、カメラの機能性のための活性化コード又はプログラムの存在を含み、そのコードあるいはプログラムは、画像をダウンロードするときに消去され、それによってダウンロード後にカメラを非活性化して、エンドユーザがこのカメラをさらに使用することを防ぐ。カメラの再活性化は、カメラ再活性化コードあるいはプログラムをそのカメラに送信するため、上記接続手段を通じてカメラと接続可能な専用カメラ再活性化装置を用いて達成される。このことは、好適には、再活性化プログラムあるいはコードを送信する外部コンピュータ手段に対する接続を可能にする、USBインターフェースなどのインターフェース手段を含む。許可されたユーザによってのみ再活性化装置が用いられ、特定のカメラのみを再活性化することが重要である。例えば、特定の商業店舗である写真現像店は、その店がもともと売却したカメラのみを再活性化することが許可されてよい。このため、再活性化装置は、さらに、この装置がそのカメラと併用されることが許可されていることを検証する手段を備える。
【0016】
本発明のさらなる態様において、本発明は、デジタルカメラを含み、カメラ識別手段と、上記カメラが上記ダウンロード装置と併用されることが許可されているかどうかを検証するように構成された検証手段を備える専用ダウンロード装置とを有することを特徴とするデジタルカメラシステムを提供する。
【0017】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラに接続してそこから画像データをダウンロードするダウンロード装置であって、上記ダウンロード装置は、上記カメラから識別コードあるいは信号を受信し、本装置が接続されたカメラから画像をダウンロードすることが許可されているかどうかを検証するカメラ検証手段を含むことを特徴とするダウンロード装置を提供する。
【0018】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラに接続して、再活性化コードあるいはプログラムを上記カメラにアップロードする再活性化装置であって、上記カメラは、識別手段を含み、上記再活性化装置はさらに、上記再活性化装置が該装置に接続されたカメラと併用されることが許可されているかどうかを検証する検証手段を備えることを特徴とする再活性化装置を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、専用ダウンロード装置を用いてデジタルカメラから画像をダウンロードする方法であって、上記カメラは、信号あるいはコード識別を含み、上記方法は、以下のステップ、1)上記カメラとダウンロード装置とを接続するステップと、2)上記ダウンロード装置において識別コードあるいは信号を受信して、上記識別コードあるいは信号がカメラとダウンロード装置の許可された組み合わせを示す規定の基準を満たす場合にのみ、画像データのダウンロードを有効にするステップとを備えることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、デジタルカメラを再活性化する方法であって、上記カメラは、カメラの機能性に必要な活性化コードあるいはプログラムを含み、また識別信号あるいはコードを含み、上記方法は、以下のステップ、1)上記カメラと専用再活性化装置とを接続するステップと、2)上記再活性化装置において識別コードあるいは信号を受信して、上記識別コードあるいは信号がカメラと再活性化装置の許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、再活性化コードあるいはプログラムのアップロードを有効にするステップとを備えることを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を一例として説明する。
図1に示されるように、従来のデジタルカメラは、多くの基本的なシステムコンポーネント及び/又は回路を含む。このカメラは、電荷結合素子(CCD)などの撮像センサ6上に光を合焦するレンズ4を有する遮光ハウジング2を組み込む。デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)8と称される主処理装置は、主要なカメラの機能を制御する。ユーザインターフェース10は、カメラで得られた映像を表示し、既に取られた写真と、カメラの設定及び機能の詳細とを表示するための表示スクリーンを備え、さらに、シャッター・ボタンを含む複数の制御ボタンを含む。電源装置12は、電力をカメラに供給する。参照符号14で表される内部カメラメモリ(例えばSDRAM、フラッシュ・メモリ)が設けられる一方、外部あるいは取り外し可能なメモリ16(例えばSDあるいはコンパクト・フラッシュCFカード)が付加的に設けられ、それに画像が保存される。参照符号18で表されるように、フラッシュ装置及びその制御回路が設けられる。PCインタフェース20が設けられ、一般的にユニバーサル・シリアル・バス接続などの標準的な構成の接続を介してカメラの外部接続が可能になり、またカメラからパーソナルコンピュータ、プリンタ及び/又は他の記憶装置などの外部コンピュータ・デバイスへ画像のダウンロードが可能となる。
【0022】
本発明の態様によるデジタルカメラ及び関連する構成の外観を図2に示す。従来のデジタルカメラと比較して、参照符号3で表されるカメラは、画像の回収(retrieval)を可能にする従来の接続手段を欠いており、専用ダウンロード装置30にのみ接続可能である。ダウンロード装置30は、写真屋、暗室、あるいは写真現像店などの写真処理設備に設けられるであろうと考えられ、その結果、ユーザは、画像を回収するためにカメラを上記設備に持ち込まなければならない。上記設備は、カメラが最初に購入された店、あるいはカメラの販売店に関連する、あるいはカメラの販売店にて許可された設備である。ダウンロード装置30自身は、パーソナル・コンピュータ(PC)あるいは専用処理ステーションであろうコンピュータ手段に接続されている。専用処理ステーションにおいては、写真処理設備における人員、あるいは個々のユーザがどの画像をどの形式で保存するか、例えば、印画紙に印刷するか、CD、DVD、SDカードあるいはそれと類似したものなどの記憶媒体にコピーするか、及び/又は電子メールによって特定の電子メール・アドレスに送信するかなどを選択する。ユーザ及び/又は処理設備の店員は、種々の画像操作、写真のトリミング、拡大、種々の他の処理あるいは特定の効果の適用などを行うかもしれない。さらに以下に述べるように、画像をダウンロードした後、カメラ3は、非活性化され、再活性化するまで写真は取れなくなる。カメラ3は、写真処理設備に預けられ、再チェック、再梱包、及びカメラの再活性化のために製造業者に返却される。
【0023】
さらに詳細には、参照符号3で示されるデジタルカメラは、上述のように従来のカメラの構成部分の多くを用いている。これらの構成部分は、図1と同様の参照符号にて図4に示されている。しかしながら、従来のカメラと比較すると、PC及び/又は外部のメモリなどの他の装置とともに、カメラの完全なインターフェースに関連するそれらの構成部分は、省略されるか、あるいは不完全な方法で提供され、その代わり、これらの構成部分は、外部ダウンロード装置30に組み込まれている。この装置30は、カメラを他の装置とインターフェース接続させるためには必須であり、したがって、その中に保存された写真の回収にも必須である。PCインターフェースは、図4において参照符号32で示される。同様に、参照符号34によって示されるように、SDあるいはCFカードなどの外部メモリとのインターフェースは、カメラから省かれ、上記ダウンロード装置に組み込まれる。PCインターフェース32と外部メモリインターフェース34の両方が設けられる一方、より簡易な形では、どちらかは、ダウンロード装置30から省くことが可能である。
【0024】
カメラ3は、一連のピン、ソケットあるいはコンタクトの形態を取る、ダウンロード装置と接続させる接続手段を含むけれども、データ搬送ピンが識別可能であるとしても、これらを直接、PCあるいは記憶媒体に簡単に直接に接続することはできない点において、上記接続は、真のインターフェースあるいは完全なインターフェースを構成しない。
【0025】
カメラの画像保存メモリが一旦満杯になってしまうと、そのカメラは、ユーザによって写真処理設備に返却される。写真処理設備において、カメラ3は、図3に示されるようにカメラ受け台を備えたダウンロード装置30に接続される。ダウンロード装置30のハウジングは、そのカメラにおける一連の接続ピン、ソケットあるいはコンタクトが凹部35内で適切な一連のピン、ソケットあるいはコンタクトと電気的に接触するように、カメラ3を受け入れ可能な、適切な凹部35を形成する。この接続の配置は、上記カメラ3が専用ダウンロード装置30にのみ接続可能なように、独自に開発された標準外のものであることが好ましい。それはまた、実際に使用される個数よりも多数のピン、ソケットあるいはコンタクトを配列することが可能である。例えば20個のピンを設けることができ、その内の数本は、余剰分である。
【0026】
図6には、ダウンロード装置30の主要な動作構成部分が示されている。ダウンロード装置30は、上述のように、電気的な接続をカメラ3に供給する一般的な構成のコネクタを組み込んでいる。ここでは、ほんのわずかなピン接続のみが図示されており、さらに以下に述べるように、図6の右側には特に、データ関連ピン、DN及びDPを示している。本装置の左側に示されたダウンロード装置30の出力は、USBポートなどの標準タイプの、参照符号32で示される出力コネクタを含むのが好ましく、それは、PCあるいはプリンタあるいは他の電子装置などのコンピュータ手段に容易に接続されることを可能とする。
【0027】
ダウンロード装置内には、ダウンロード装置とカメラコンタクトとの各接点又は特定の接続ごとに、内部チェックを行うプロセッサを組み込んだ検出回路34が組み込まれる。この検出回路34は、すべての接点あるいは特定の接点にて適切な接続がなされたときに、電気的接続の完全性をチェックしたり、LED36にて視覚表示を出力したりするように構成される。
【0028】
参照符号38で示される切り替え制御部は、単純なボタン・スイッチなどのユーザが起動することが可能なスイッチ40と、(DN及びDPで示される)データ回線上で接続をなしたり、接続を切ったりする継電器44を制御する制御回路42とを含む。抵抗46は、3.3Vの電源から電圧分配を行う。データ検出回路48が検出のために設けられ、LED50の照明により、データ・フローの「進行中」を可視的に表示する。
【0029】
電力回路52は、コネクタ32のピン1を通して電圧、一般的には5Vを受け取り、これを、検出回路とダウンロード装置内の他の場所へ供給するために安定化した3.3Vにまで減少させる。データ回線における電圧の安定化は、インピーダンス整合技術による既知の方法で、回路56によって実行される。これによってデータ転送の安定性が図られる。
【0030】
動作において、写真処理設備(「写真現像店」など)で、カメラ3は、ダウンロード装置30の受け台に接続される。検出回路34は、接続がなされたときに、電気的な接続の完全性を検出して、LED36を作動させる。オペレータは、スイッチ40の切り替えによりダウンロード・シーケンスを手動で開始する。このとき画像データは、USBコネクタ32を介して、付属のコンピュータ、プリンタ、独立した記憶装置あるいは他の電子装置に送信される。ダウンロードのプロセスは、それが完了すると消灯するLED50によって示される。そして写真は、ユーザに、例えばCD−ROMあるいはDVD、あるいは電子メールなどの電子的形態、及び/又は要求によりハードコピーの形態で返却可能である。
【0031】
図4に示されるように、ダウンロード装置30自身は、組み込み式のSDカードあるいはCFカードなどの外部記憶媒体に対して従来のインターフェースを有していてもよい。ここでダウンロード装置30は、PCインターフェース32とカード・インターフェースの両方を含むのが好ましいが、装置30は、そのどちらか、あるいは他のインターフェースを含んでもよい。
【0032】
カメラ3は、画像のダウンロード中、カメラが非活性化して、再活性化プログラム、コードあるいは「キー」がカメラに供給されることによって適切な再活性化がなされるまで非活性な状態を維持するように、プログラミングあるいはDSPによる動作制御を介して適合される。この再活性化は、図5において参照符号60で示される専用再活性化装置を用いて、全ての、種々の写真処理設備、写真現像店などから使用済みの全てのカメラが送られてくる工場で行われることが好ましい。再活性化装置60は、ダウンロード装置30と同様な方法で、PCあるいは他のコンピュータ手段、及び参照符号62で示され電圧源を含む関連するインターフェース構成部分に対するUSBあるいは他の標準的な接続と、安定化回路とを組み込む。再活性化装置60とカメラ3との間に独自仕様の接続(例えば、上述の20ピン接続)がなされる。装置60とカメラ3との間に適切な接続がなされるのを確実にするため、回路34と類似した検出回路が使用可能である。再活性化している間、装置60は、PCから小規模のソフトウエアあるいはデータ、あるいはコードのアップロードを開始して、カメラ3の再活性化を図る。これはさらに以下で説明される。
【0033】
上述のようにカメラと関連する構成部分とを用いて、成功したビジネスモデルを動作させるためには、特に、このビジネスモデルによってカメラが原価に近いかあるいはそれ以下で販売可能であり、そして画像をダウンロードするため特定の写真処理設備にカメラを戻しさらに製造業者にカメラを返却されねばならないためには、カメラが写真処理設備に戻され、そこから工場に送られることを、可能な限り監視して制御することが強く求められる。さらに、カメラの製造業者が画像のダウンロードの事実、及びそれによりエンドユーザからのカメラの受け取りを監視可能であることが望まれ、その結果、これらのカメラが返却されたカメラの記録と比較することが可能となる。
【0034】
図7は、写真処理設備においてカメラの検証及び/又は識別を可能にする手段を組み込んだ、カメラ及び関連するダウンロード装置の第二の実施の形態を図示している。参照符号103で示されるカメラは、図4に示される第一の実施の形態のカメラのすべての構成部分を含み、同様の参照符号は、同様の構成部分を示している。さらにカメラ103には、識別コード又は類似の形態でカメラを識別するための、参照符号105によって示される手段が設けられている。ダウンロード装置132は、カメラ103が特定のダウンロード装置に返却されることを許可されていることを検証する手段106を含む。例えばカメラIDは、カメラが購入された特定の写真処理設備を識別するためのコードであってもよい。あるいはカメラIDは、特定のカメラに一致した独自の識別子であってもよい。またダウンロード装置は、製造業者に存在可能、あるいはその製造業者に報告する写真処理設備に存在可能な制御センターにそれらのIDを通して識別される、特定のカメラについてのダウンロードのログ及び/又は情報などの、画像のダウンロードについての情報を送信する、参照符号107で示された手段も含む。当然のことながら、特定のダウンロード装置とともに用いられることが許可された特定のカメラを検証する種々の技術が用いられてもよい。例えば、カメラは、製造業者にて設けられたシリアル番号あるいはそのカメラ内に保存されたコードを有していてもよいし、あるいはデジタル形式あるいはアナログ形式、あるいはそれらの任意の組み合わせによる識別信号を出力するようにプログラミングされてもよい。カメラIDは、例えばDSP8などの読み出し専用メモリ(ROM)内に、あるいは内部メモリ14に、あるいはEEPROMまたは一時PROMなどの専用の揮発性メモリに保存されてもよい。またハードウエアの実施の形態においては、ID回路が用いられて識別信号を提供する。
【0035】
図示するように、ダウンロード装置132は、カメラIDを受信し、これが特定の指定された基準に見合うかどうかを検証する手段106を組み込む。MCUなどの制御器は、検証処理を行うことが好ましい。例えばカメラIDがシリアル番号あるいはコードであれば、MCUは、認可されたシリアル番号あるいはコードの保存リストを、例えばルックアップ・テーブル内に有していてもよく、一致するシリアル番号あるいはコードがあるときのみ、ダウンロード装置132が有効になる。
【0036】
図7はダウンロード装置内のカメラID検証手段106を示しているが、これはまた、ダウンロード装置132に接続されたPCなどの外部コンピュータ手段上で作動するプログラムとして提供されてもよい。
【0037】
さらに別の選択肢としては、検証処理は、カメラ内のプログラムあるいは他の制御によって実行することも可能である。
【0038】
図8は、カメラIDの検証の単純な形態を用いて、ダウンロード装置132のある実施の形態の主要な動作構成部分を示す回路図である。カメラからの識別入力は、VCINで示され、二つの可能な状態のうちの一つ、HIGH又はLOWの状態、を有している。この図の最上部において、回路は、PCに対するUSB接続の電圧ピンに、一般的には+5Vで接続する電圧バス202を含み、電力調整集積回路252がそこに接続され、+3.3Vの安定化した電源を出力する。バス202は、カメラからの信号入力VCINに応答するスイッチングMOSFETQ1、及び以下に説明するスイッチングMOSFETQ5を組み込んでいる。ライン202とグランドとの間に接続されたLED1は、ダウンロード装置へのカメラの接続について可視的に表示する。上記回路は、ライン210、212及びUSBポートを介してカメラ内のデータ出力ピンからPCに対する接続と、ライン216、218を介してデータ出力ピンからカード・スロット214などの外部メモリコネクタに対する接続とをそれぞれ制御する、一対の継電器208と209とを含む。ユーザ動作可能スイッチSW1が抵抗206を通して、グランドとトランジスタQ1のベースとの間に接続される。その結果、スイッチSW1を閉じて、上記ベースをLOW信号まで引き込み、トランジスタQ2のバイアスVbeを転送し、トランジスタQ2をオンして、HIGH信号をQ2のコレクタとトランジスタQ4のベースに印加して、Q4をオンして、Q4のコレクタ電圧をLOW信号まで引き込み、そこに接続されたMPSFETスイッチQ5を閉じる。Q5が閉じると、カメラに+5Vの電力が供給される。この方法でカメラの入力信号VCINは、回路によって「検証」され、このような検証によってカメラの電力を起動させる。Q2のコレクタにおけるHIGH信号とベースにおけるLOW信号とが、オンされたQ3のベースとコレクタにそれぞれ接続される。この状態で、継電器208及び209を介する電圧降下は、継電器を起動させるのに充分である。その結果、データがカメラからダウンロード装置を介して二つのデータ回線210、212の上で、USB接続とPCに送信され、回線216、218を介してカード・スロット214に送信されるように、データ接続を閉じる。LED2は、継電器を閉じた電圧状態の可視的表示を提供し、このため、データ送信を表示する。Q3がオンの状態で、Q3のコレクタとQ2のベースとがLOW状態に維持され、Q2は、オン状態を維持し、回線の接続を維持するのに充分な継電器を介する電圧が維持される。
【0039】
上述のように、図8は、カメラからの単一のHIGH信号のみが、ダウンロード装置の起動を制御するために用いられるという非常に単純な検証技術を示している。当然のことながら、カメラからの識別信号は、カメラからの数本の信号線の上で検出されてもよい。例えば、図9(a)は、特定の論理状態が満たされたとき、MOSFETQ1を切り替えるために制御出力を供給するように使用される単純な論理ANDゲート300とともに、カメラからの二つの信号線A及びBを示している。付加的な論理ゲートやカメラからの信号線を用いて、さらに複雑な検証が確立できるのは言うまでもない。
【0040】
図9(b)は、入力信号VCがV1より低くV2より高い場合に「検証」されるように、一対の差動増幅器302及び303と、ANDゲート304を用いたアナログ技術の使用法を示す図である。
【0041】
言うまでもなく、入力信号と必要検証の複雑性を増す可能性がある。例えば、カメラ内のアナログ・デジタル変換器(ADC)と、ダウンロード装置内のデジタル・アナログ変換器(DAC)とによって、複雑なアナログ信号を用いることも可能である。
【0042】
図10は、検証とダウンロードのプロセスを示している。カメラ103とダウンロード装置132は、ステップ160において接続されている。検証プロセスは、ステップ162において行われ、ステップ164において、カメラがダウンロード装置と併用されることが許可されたかどうかが確認される。もし検証されていれば、カメラ103は、ステップ166で、ダウンロード機能を有効とし、ダウンロード装置は、PCインターフェース32を介してPCに接続され及び/又は外部メモリ34に接続されている画像データを受信する。カメラ103が許可されていると検証されない場合、カメラ103は、ステップ170において、ダウンロード機能を無効にして、ステップ172において、PCインターフェース32及び/又は外部メモリ34を無効にする。
【0043】
図11は、カメラを検証するためにシリアル番号の技術を用いた、カメラとダウンロード装置のさらに別の実施の形態におけるある構成を示す図である。上述のように、ある種類においては、カメラにはそこに保存された識別シリアル番号を与えることができる。これは、特定の写真処理設備によって販売され処理されたカメラを識別する番号であり、及び/又は個々のカメラを独自に識別する独自のコードであってもよい。例えばこの番号は、販売及び処理する写真処理設備を識別する特定の分野や、特定のカメラを独自に識別する特定の分野を有していてもよい。特定のカメラを独自に識別することによって、返却されたカメラを修理する写真処理設備あるいは製造業者が、カメラが使用された回数を監視することができるようにする。例えば、カメラが特定の回数、使用された後、あるいはカメラが完全に廃棄された後、特定の構成部分が置き換えられるように取り決めてもよい。
【0044】
図11は、カメラ400とダウンロード装置401を示している。このカメラには、デジタル信号プロセッサ(DSP)402が設けられている。EEPROM416などのメモリは、カメラのシリアル番号や他の適当なデータを保存する。ダウンロード装置内のMCU418は、検証装置として作動して、DSPからの二本の信号線SCL(クロック)及びSDA(データ)を用いて、IICバスを介して信号を受信する。このMCU418は、トランジスタ420のスイッチングにより、継電器412及び414の動作を制御して、それによって、図8に示される実施の形態と同様な方法で、ダウンロード装置、USBポート及び/又はカード・スロットに接続されたデータ回線の接続及び切断を制御する。
【0045】
上述のように、写真処理設備から製造業者へのカメラの返却を監視し制御するために、ダウンロード装置には、制御センターに対するデータの自動ロギングと発送の機能が与えられてもよい。このようなデータには、ダウンロードの時間及び日付、カメラID、カメラが画像をダウンロードした回数、写真処理設備を識別するコード、使用された特定のダウンロード装置を識別するコード、及び他の関連データなどが含まれる。図12は、上述のようにカメラ500が接続されるダウンロード装置501を用いたシステムを概略的に示している。ダウンロード装置501は、カメラIDを受信し、PC接続504を介して、これと他の適当なデータを写真処理設備、例えば写真現像店のコンピュータに通信するMCU502を含む。これは、順番に、インターネットを介して、例えば制御センターのウェブサイトにアップロードすることによって、このデータや他の関連データを製造業者によって作動される遠隔制御センターに送ったり、製造業者に報告したりする。このデータが用いられて、そこから画像がダウンロードされたすべてのカメラが製造業者に返却されたこと、あるいは少なくとも満足のいくカメラの返却率が得られたことを検証することが可能である。
【0046】
図13は、電話回線によって制御センターに対する通信を行うシステムを概略的に示している。カメラ600は、ダウンロード装置601に接続されている。このダウンロード装置601には、MCU602とPCインターフェース604が設けられている。このMCU602は、モデム610と適当なダイヤル回路612を介した、制御センター608に対する通信や、電話回線を使った、データを受信し処理する遠隔制御センター508に対する通信を制御する。
【0047】
図14は、図13のシステムと類似したシステムを示しているが、ここでは通信は、デュアルトーン多重周波数(DTMF)の技術を用いることによってなされている。MCU702は、電話回線によるデータの発送を制御している。ここでダイアラは、DTMFダイアラ712内のDTMF信号列に変換される。制御センターは、制御センターPC708に関して、データを復号するDTMFデコーダ710を含む。言うまでもなく、周波数偏移変調(FSK)あるいは位相偏移変調(PSK)などの他の符号化の技術を用いてもよい。
【0048】
図15は、図13のシステムと類似したシステムを示しているが、無線技術を用いて、モデム810とダイアラ812を有するGSMエンジンを備えたダウンロード装置801が、GSMネットワーク・プロバイダ809を介して制御センター808と通信する。図15及び図13のシステムは、特に、データを搬送するためのショート・メッセージ・サービス(SMS)を使用するために用いられる。
【0049】
写真処理設備で画像データをダウンロードした後に、カメラのDSPによって実行された内部制御を用いて、カメラメモリから画像データを消去する。これは、各画像がダウンロードされた後に、順次、消去するように構成されてもよいし、あるいはダウンロードのプロセスの最後に消去するように構成されてもよい。ダウンロードの完了後、カメラは、内的に非活性化される。これは、内部コードあるいはいくつかのソフトウエアをカメラから消去することによって、カメラを動作不可能にせずに達成されてもよい。このカメラは、その後、試験、修理、及び再梱包するために写真処理設備から製造業者に返却される。カメラは、好ましくは製造業者によって再活性化されねばならないが、写真処理設備あるいはエンドユーザ自身によって適切に制御されてもよい。図5に示すように、再活性化するためには、参照符号60によって示される再活性化装置の使用が必要となる。この装置60は、カメラに対する独自仕様の接続部を有する装置を備え、標準USB接続などのPCに対する接続用のインターフェースを含む。装置60は、カメラと上述のダウンロード装置との間の検証に類似した方法で、カメラIDの検証を実行する手段65をも含むことができる。再活性化は、製造業者において行われる必要はないものの、この検証手段65は、写真処理設備あるいはカメラの個々のユーザなどの他の実存物に再活性化装置が代わりに設けられるところで特に有効である。図16は、検証手順を用いた再活性化プロセスを示している。ステップ900に示されるように、カメラは再活性化装置60に接続されている。ステップ902において検証手順が実行され、ここでカメラIDは、装置60によって受信され、検証手段65によって設定された基準を満たすとすれば、ステップ904において示されるように、カメラは有効となる。例えばダウンロード装置とカメラID間の検証確認と全く同様に、特定のピンでは単純な信号、複数のピンでは複雑な信号、あるいは保存されたシリアル番号あるいはコードであってもよい。適合が検証されたと仮定すると、カメラは、ステップ906において有効になるため、再活性コードあるいはいくつかのソフトウエアが、ステップ908においてカメラにアップロードされることが可能になり、カメラの完全な機能性が復活する。しかしながら、適合が検証されなければ、カメラは、ステップ910において無効な状態のままとなる。
【0050】
この検証手順は、再活性化装置60が許可された一台あるいは複数のカメラのみを再活性化するために用いられることを確実にする。
【0051】
あるいは再活性化手順は、カメラ内で作動するようにすることも可能である。このときカメラと再活性化装置との識別が一致することを確認する。
【0052】
さらなる実施の形態において、再活性化装置とダウンロード装置の機能を単一の装置内に組み込むことが可能である。
【0053】
異なる写真処理設備によって動作される別個のダウンロード装置と再活性化装置とを用いる必要性は、カメラを「使い捨て」タイプにすると考えられるが、代わりにこれらの装置が両方とも、そのIDによって識別されるように、ユーザの特定なカメラと併用されるようにエンドユーザに供給されることも可能である。検証手順によって、ユーザは、彼自身のカメラとのみこれらの装置を用いることを確実にする。そうするとカメラは、ダウンロードあるいは再活性化のために他のいかなる写真処理設備に返却されることはなく、「マルチユース」となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】従来のデジタルカメラの構成を示した概略図である。
【図2】本発明のカメラと、それとともに用いる関連するダウンロード装置とコンピュータのシステム概観図である。
【図3】ダウンロード装置に取り付けられたときのカメラを示した外観斜視図である。
【図4】本発明のデジタルカメラとダウンロード装置のさらに詳細な概略図である。
【図5】デジタルカメラと再活性化装置を示した概略図である。
【図6】ダウンロード装置を示した回路図である。
【図7】識別検証を用いたカメラ及び関連するダウンロード装置の第二の実施の形態を示した概略図である。
【図8】図7に示されたダウンロード装置を示した回路図である。
【図9(a)】カメラからダウンロード装置へ別の識別が入力される様子を示した図である。
【図9(b)】カメラからダウンロード装置へ別の識別が入力される様子を示した図である。
【図10】検証機能を示したフローチャートである。
【図11】カメラ識別子を実行するカメラとダウンロード装置の構成を示した概略図である。
【図12】インターネットを介して制御センターと通信するダウンロード装置を組み込んだシステムを示した概略図である。
【図13】電話線によって通信を行う別のシステムを示した概略図である。
【図14】ダイアルトーン技術を用いた通信を取り入れたシステムを示した概略図である。
【図15】無線通信を取り入れたシステムを示した概略図である。
【図16】カメラの再活性化を示したフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを保存するメモリ手段と、
上記画像データを上記メモリ手段からダウンロードするため、カメラをダウンロード装置に接続する接続手段とを備えるデジタルカメラであって、
上記カメラは、外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に対して接続を許可するいかなる接続インターフェースを有しないことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
上記カメラは、外部デジタル記憶媒体に対するいかなる接続インターフェースを有しない、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
上記接続手段は、非標準の専用接続である、請求項1又は2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
保存された通信コードあるいは信号をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
上記カメラが上記接続手段を介して接続可能な別個のダウンロード装置と組み合わされ、上記ダウンロード装置は、外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に接続可能となる接続インターフェース手段を備える、請求項1から4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、標準的な構成の接続ポートを備える、請求項5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、少なくとも二つのデータ回線接続と二つの電力接続とを含むユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを備える、請求項5又は6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置の上記接続インターフェース手段は、その中に、データ回線に接続された電圧安定化回路を含む、請求項5又は7に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置の上記接続インターフェース手段は、安定化電力供給回路を含む、請求項5から8のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、上記カメラと上記ダウンロード装置との間の上記接続手段内に電気接続の完全性を検出する検出回路をさらに備える、請求項5から9のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検出回路は、適切な電気接続がなされたことをユーザに示す可視的表示手段を含む、請求項10に記載のデジタルカメラ。
【請求項12】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、データ転送を可能にするように回線を接続するデータ回線に接続されたユーザ動作可能な切り替え手段をさらに備える、請求項5から11のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、データ回線におけるデータ搬送信号の存在を検出するデータ・フロー検出回路をさらに備える、請求項5から12のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記データ・フロー検出回路は、上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在をユーザに示す第二の可視的表示手段を備える、請求項13に記載のデジタルカメラ。
【請求項15】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、上記ダウンロード装置とともに上記カメラを用いることが許可されるか否かを検証するように適合された検証手段をさらに備える、請求項5から14のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項16】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証手段は、上記ダウンロード装置内に検証回路を備え、上記検証回路は、上記カメラと相互に接続して上記カメラから識別信号を受信する、請求項15に記載のデジタルカメラ。
【請求項17】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証回路は、有効な識別信号の受信にて上記ダウンロード装置を有効にする、請求項16に記載のデジタルカメラ。
【請求項18】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証回路は、上記識別信号を受信し、上記識別信号が論理ゲートの基準を満たしているとき、活性化信号あるいは電圧を出力するように適合された一つ以上の論理ゲートを含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項19】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記識別信号が規定範囲内の電圧を有しているとき、上記検証回路は、活性化信号あるいは電圧を出力する電圧検出手段を含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項20】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記識別信号は、上記カメラ内に保存された識別コードを備え、上記ダウンロード装置は、上記識別コードと比較される、保存された許可コードを含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項21】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、ダウンロード・イベントに関連するデータを提供するように構成され、上記データを遠隔制御センターに送信する送信手段をさらに備える、請求項5から20のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項22】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、ダウンロード・イベントに関連する上記データは、ダウンロードの一つ以上の時間及び/又は日付、カメラ識別情報、ダウンロード装置識別情報を備える、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項23】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データを電話回線を介して送信するように構成される、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項24】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データが上記制御センターに符号化された形式で送信されるデュアルトーン多重周波数エンコーダを含む、請求項23に記載のデジタルカメラ。
【請求項25】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データを携帯電話網を介して上記制御装置に送信するように構成される、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項26】
上記カメラは、画像データのダウンロードに続いて非活性化されるように構成される、請求項1から4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項27】
上記カメラのプログラミングには、カメラの機能性に関する活性化コードあるいはプログラムの存在が必要であり、そのコードあるいはプログラムは、画像のダウンロードにて消去される、請求項1から4、26のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項28】
上記接続手段を介してカメラに接続可能であり、カメラ再活性化コード又はプログラムを上記カメラに送信するカメラ再活性化装置と組み合わされる、請求項1から4、26、27のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項29】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラ再活性化装置は、再活性化プログラム又はコードを送信する外部コンピュータ手段に対する接続を可能にするインターフェース手段を含む、請求項28に記載のデジタルカメラ。
【請求項30】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを備える、請求項28又は29に記載のデジタルカメラ。
【請求項31】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラと上記再活性化装置との間の電気接続の完全性を検出する検出回路をさらに備える、請求項28から30のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項32】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラは識別手段を含み、上記再活性化装置は、上記装置が上記カメラと併用されることが許可されていることを検証する検証手段をさらに備える、請求項28から31のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項33】
デジタルカメラを含み、カメラ識別手段と、上記カメラがダウンロード装置と併用されることが許可されているか否かを検証するように構成された検証手段を備える専用ダウンロード装置とを有することを特徴とするデジタルカメラシステム。
【請求項34】
デジタルカメラに接続されて画像データをダウンロードするダウンロード装置であって、該ダウンロード装置は、カメラから識別コード又は信号を受信し、接続されたカメラから画像をダウンロードすることを当該装置が許可されているか否かを検証するカメラ検証手段を含むことを特徴とするダウンロード装置。
【請求項35】
デジタルカメラに接続されて、再活性化コードあるいはプログラムを上記カメラにアップロードする再活性化装置であって、上記カメラは、識別手段を含み、上記再活性化装置は、接続されたカメラと併用されることを当該再活性化装置が許可されているか否かを検証する検証手段をさらに備えることを特徴とする再活性化装置。
【請求項36】
専用ダウンロード装置を用いてデジタルカメラから画像をダウンロードする方法であって、上記カメラは信号あるいはコード識別を含み、上記方法は、
1)上記カメラとダウンロード装置とを接続するステップと、
2)上記ダウンロード装置において識別コードあるいは信号を受信し、上記識別コードあるいは信号が、カメラと装置との許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、画像データのダウンロードを有効にするステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項37】
デジタルカメラを再活性化する方法であって、上記カメラは、カメラの機能性に必要な活性化コードあるいはプログラムを含み、また識別信号あるいはコードを含み、上記方法は、
1)上記カメラと専用再活性化装置とを接続するステップと、
2)上記再活性化装置において識別コードあるいは信号を受信し、上記識別コードあるいは信号が、カメラと再活性化装置との許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、再活性化コードあるいはプログラムのアップロードを有効にするステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項1】
画像データを保存するメモリ手段と、
上記画像データを上記メモリ手段からダウンロードするため、カメラをダウンロード装置に接続する接続手段とを備えるデジタルカメラであって、
上記カメラは、外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に対して接続を許可するいかなる接続インターフェースを有しないことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
上記カメラは、外部デジタル記憶媒体に対するいかなる接続インターフェースを有しない、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
上記接続手段は、非標準の専用接続である、請求項1又は2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
保存された通信コードあるいは信号をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
上記カメラが上記接続手段を介して接続可能な別個のダウンロード装置と組み合わされ、上記ダウンロード装置は、外部コンピュータ手段あるいはコンピュータ周辺機器に接続可能となる接続インターフェース手段を備える、請求項1から4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、標準的な構成の接続ポートを備える、請求項5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、少なくとも二つのデータ回線接続と二つの電力接続とを含むユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを備える、請求項5又は6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置の上記接続インターフェース手段は、その中に、データ回線に接続された電圧安定化回路を含む、請求項5又は7に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置の上記接続インターフェース手段は、安定化電力供給回路を含む、請求項5から8のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、上記カメラと上記ダウンロード装置との間の上記接続手段内に電気接続の完全性を検出する検出回路をさらに備える、請求項5から9のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検出回路は、適切な電気接続がなされたことをユーザに示す可視的表示手段を含む、請求項10に記載のデジタルカメラ。
【請求項12】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、データ転送を可能にするように回線を接続するデータ回線に接続されたユーザ動作可能な切り替え手段をさらに備える、請求項5から11のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、データ回線におけるデータ搬送信号の存在を検出するデータ・フロー検出回路をさらに備える、請求項5から12のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記データ・フロー検出回路は、上記データ回線上におけるデータ搬送信号の存在をユーザに示す第二の可視的表示手段を備える、請求項13に記載のデジタルカメラ。
【請求項15】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、上記ダウンロード装置とともに上記カメラを用いることが許可されるか否かを検証するように適合された検証手段をさらに備える、請求項5から14のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項16】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証手段は、上記ダウンロード装置内に検証回路を備え、上記検証回路は、上記カメラと相互に接続して上記カメラから識別信号を受信する、請求項15に記載のデジタルカメラ。
【請求項17】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証回路は、有効な識別信号の受信にて上記ダウンロード装置を有効にする、請求項16に記載のデジタルカメラ。
【請求項18】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記検証回路は、上記識別信号を受信し、上記識別信号が論理ゲートの基準を満たしているとき、活性化信号あるいは電圧を出力するように適合された一つ以上の論理ゲートを含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項19】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記識別信号が規定範囲内の電圧を有しているとき、上記検証回路は、活性化信号あるいは電圧を出力する電圧検出手段を含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項20】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記識別信号は、上記カメラ内に保存された識別コードを備え、上記ダウンロード装置は、上記識別コードと比較される、保存された許可コードを含む、請求項16又は17に記載のデジタルカメラ。
【請求項21】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記ダウンロード装置は、ダウンロード・イベントに関連するデータを提供するように構成され、上記データを遠隔制御センターに送信する送信手段をさらに備える、請求項5から20のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項22】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、ダウンロード・イベントに関連する上記データは、ダウンロードの一つ以上の時間及び/又は日付、カメラ識別情報、ダウンロード装置識別情報を備える、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項23】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データを電話回線を介して送信するように構成される、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項24】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データが上記制御センターに符号化された形式で送信されるデュアルトーン多重周波数エンコーダを含む、請求項23に記載のデジタルカメラ。
【請求項25】
ダウンロード装置と組み合わされたカメラにおいて、上記送信手段は、上記データを携帯電話網を介して上記制御装置に送信するように構成される、請求項21に記載のデジタルカメラ。
【請求項26】
上記カメラは、画像データのダウンロードに続いて非活性化されるように構成される、請求項1から4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項27】
上記カメラのプログラミングには、カメラの機能性に関する活性化コードあるいはプログラムの存在が必要であり、そのコードあるいはプログラムは、画像のダウンロードにて消去される、請求項1から4、26のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項28】
上記接続手段を介してカメラに接続可能であり、カメラ再活性化コード又はプログラムを上記カメラに送信するカメラ再活性化装置と組み合わされる、請求項1から4、26、27のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項29】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラ再活性化装置は、再活性化プログラム又はコードを送信する外部コンピュータ手段に対する接続を可能にするインターフェース手段を含む、請求項28に記載のデジタルカメラ。
【請求項30】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記インターフェース手段は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートを備える、請求項28又は29に記載のデジタルカメラ。
【請求項31】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラと上記再活性化装置との間の電気接続の完全性を検出する検出回路をさらに備える、請求項28から30のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項32】
再活性化装置と組み合わされたカメラにおいて、上記カメラは識別手段を含み、上記再活性化装置は、上記装置が上記カメラと併用されることが許可されていることを検証する検証手段をさらに備える、請求項28から31のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項33】
デジタルカメラを含み、カメラ識別手段と、上記カメラがダウンロード装置と併用されることが許可されているか否かを検証するように構成された検証手段を備える専用ダウンロード装置とを有することを特徴とするデジタルカメラシステム。
【請求項34】
デジタルカメラに接続されて画像データをダウンロードするダウンロード装置であって、該ダウンロード装置は、カメラから識別コード又は信号を受信し、接続されたカメラから画像をダウンロードすることを当該装置が許可されているか否かを検証するカメラ検証手段を含むことを特徴とするダウンロード装置。
【請求項35】
デジタルカメラに接続されて、再活性化コードあるいはプログラムを上記カメラにアップロードする再活性化装置であって、上記カメラは、識別手段を含み、上記再活性化装置は、接続されたカメラと併用されることを当該再活性化装置が許可されているか否かを検証する検証手段をさらに備えることを特徴とする再活性化装置。
【請求項36】
専用ダウンロード装置を用いてデジタルカメラから画像をダウンロードする方法であって、上記カメラは信号あるいはコード識別を含み、上記方法は、
1)上記カメラとダウンロード装置とを接続するステップと、
2)上記ダウンロード装置において識別コードあるいは信号を受信し、上記識別コードあるいは信号が、カメラと装置との許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、画像データのダウンロードを有効にするステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項37】
デジタルカメラを再活性化する方法であって、上記カメラは、カメラの機能性に必要な活性化コードあるいはプログラムを含み、また識別信号あるいはコードを含み、上記方法は、
1)上記カメラと専用再活性化装置とを接続するステップと、
2)上記再活性化装置において識別コードあるいは信号を受信し、上記識別コードあるいは信号が、カメラと再活性化装置との許可された組み合わせを示す所定の基準を満たす場合にのみ、再活性化コードあるいはプログラムのアップロードを有効にするステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−314106(P2006−314106A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−129307(P2006−129307)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(506154339)
【氏名又は名称原語表記】Chan Yet
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129307(P2006−129307)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(506154339)
【氏名又は名称原語表記】Chan Yet
【Fターム(参考)】
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