説明

カラオケ装置

【課題】歌唱者の歌唱に適するカラオケ楽曲あるいは不得手なカラオケ楽曲の選定を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】カラオケ楽曲の基準音域と歌唱者の歌唱結果とを比較して歌唱者の歌唱音域を判定する歌唱音域測定手段と、記録されている音域を参照し、音域分類に対応するカラオケ楽曲を管理テーブルに登録する楽曲音域管理手段と、選定された所定数の音域の異なるカラオケ楽曲の一部をつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成する音域別メドレー楽曲作成手段と、前記音域別メドレー楽曲にもとづいて歌唱者が歌唱し、この歌唱結果を前記歌唱音域測定手段により判定して音域別メドレー楽曲毎に歌唱者の歌唱音域を判定する歌唱音域別歌唱手段と、前記音域別メドレー楽曲毎の歌唱音域の判定結果にもとづいて、歌唱者が適正に歌唱できる音域を判定する適正音域判定手段と、による歌唱音域判定システムを備えたカラオケ装置となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者がカラオケ楽曲を歌唱するにあたり、歌唱者の歌唱可能なる歌唱音域を判定できるようにしたカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ装置にてカラオケ楽曲を歌唱する場合、カラオケ楽曲毎に歌唱者自身の歌唱音域に適するように、カラオケ装置本体の操作パネルやリモコンのキーコントロールによりカラオケ楽曲の再生音の音域を任意に設定するようにしている。このキーコントロールによる音域の設定は、歌唱者が歌唱を終了すると標準状態に設定が戻ってしまうため、各々の楽曲毎に設定しなければならず、歌唱者にとって面倒な操作となっている。また、歌唱者は大凡の感覚で音域を設定するため、自身に適した設定であるかは実際にカラオケ楽曲を歌唱してみるまで判断することができない。
【0003】
このような問題の対策のため、歌唱者が歌唱前に誘導音に従って発音することにより、発音可能の最高音と最低音を判定するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。また、選択したカラオケ楽曲の歌唱中に、マイクロホンから入力された歌唱音声が音程検出回路に入力され、入力音声信号における最高音程および最低音程をカラオケ楽曲の演奏開始から終了までの間検出し、この検出結果をモニタに五線譜とともに音符あるいはキーコードで表示して歌唱者の音域を可視化し、選択したカラオケ楽曲の音域が自身に適合するものであるか判断するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−212185号公報
【特許文献2】特開2002−73058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された技術では、誘導音に従って発声した結果により歌唱者の音域を判定するようにしたものであり、実際に歌唱者が楽曲を歌唱した結果により判定したものではないため、歌唱者の本来の歌唱音域が判定できるとは限らない。また、基準音から始まって1音(または半音)ずつ上昇する音階に追従して歌唱者が順次発声してゆくため、機械的処理の感覚が残るもので、娯楽性を重視するカラオケにおいては好ましいものではない。一方、特許文献2に開示された技術では、モニタに音符あるいはキーコードを表示して歌唱者に自身の音域を認識できるようにしたものであるが、歌唱者のすべてが音楽知識を備えるものではなく、音符あるいはキーコードから自身の音域に適合するカラオケ楽曲を選定することは甚だ困難であり、簡易な方法とすることはできない。
【0005】
そこで本発明では、歌唱者が実際にカラオケ楽曲の歌唱を楽しむ感覚で歌唱して歌唱音域が円滑に判定できるようにするとともに、判定結果にもとづいて歌唱に適するカラオケ楽曲または不適なカラオケ楽曲のリストの作成が可能となるようにして歌唱し易いカラオケ楽曲の選択が容易となるようにすることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1記載のカラオケ装置とは歌唱音域判定システムを備えるもので、所定の音域の異なるカラオケ楽曲を選定して音域別メドレー楽曲を作成し、歌唱者がこの音域別メドレー楽曲を歌唱することにより、歌唱者本来の適正音域を判定できるものである。すなわち、任意のカラオケ楽曲の基準音域と歌唱者の歌唱結果とを比較して歌唱者の歌唱音域を判定する歌唱音域測定手段と、カラオケ楽曲に記録されている音域を参照し、予め設定した音域分類に対応するカラオケ楽曲を管理テーブルに登録する楽曲音域管理手段と、前記楽曲音域管理手段の管理テーブルに登録されているカラオケ楽曲から選定された所定数の音域の異なるカラオケ楽曲の一部をつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成する音域別メドレー楽曲作成手段と、前記音域別メドレー楽曲にもとづいて歌唱者が歌唱し、この歌唱結果を前記歌唱音域測定手段により判定して音域別メドレー楽曲毎に歌唱者の歌唱音域を判定する歌唱音域別歌唱手段と、前記音域別メドレー楽曲毎の歌唱音域の判定結果にもとづいて、歌唱者が適正に歌唱できる音域を判定する適正音域判定手段と、を具備してなることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明とは、請求項1記載のカラオケ装置において、前記音域別メドレー楽曲作成手段は、さらに楽曲選定手段を有し、該楽曲選定手段は歌唱者が前記管理テーブルに記録されているカラオケ楽曲を選定することにより、所定数の音域の異なるカラオケ楽曲の一部をつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1記載のカラオケ装置によれば、カラオケ楽曲の歌唱を楽しみながら歌唱者が本来具える適正音域を判定することが可能となる。すなわち、歌唱音域メドレー楽曲という通常のメドレー楽曲にはない楽曲の歌唱者による歌唱が可能となるようにしたことから、従来の誘導音による判定とは異なり、カラオケ楽曲の歌唱をメドレーで楽しみながら適正な歌唱音域を判定することができる。したがって、判定結果にもとづいて当該歌唱者の歌唱に適するカラオケ楽曲のリストを容易に作成することができ、カラオケ楽曲の選定が容易となる。一方、歌唱に不適との判定結果にもとづくカラオケ楽曲のリストの作成も容易に可能であるので、これをエクササイズ用リストとして不得手なカラオケ楽曲に挑戦するための参考に供することができる。
【0009】
そして、本発明の請求項2記載のカラオケ装置によれば、歌唱音域メドレーを作成する際に、歌唱者自身が音域の異なる歌唱区間を選定し、歌唱音域メドレー楽曲を作成することが可能となる。すなわち、歌唱者が知っているカラオケ楽曲や好みのカラオケ楽曲を選定し、歌唱音域メドレー楽曲を作成できるため、楽曲の歌唱をより楽しみながら歌唱者本来の適正音域を判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態を図にもとづいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施例におけるカラオケ装置1の構成を通信カラオケシステムの演奏端末として示している。同図において、中央制御部11は内部にCPU、RAM、ROMを含むマイコンであり、制御/データバス50を介してこれに接続された各構成要素と信号の授受を行い、システム全体の統括および制御を行う。
【0011】
前記中央制御部11は通信制御部12を制御し、情報通信ネットワークNを介してカラオケホスト装置100に接続することによりデータ通信を行うことができる。カラオケホスト装置100はカラオケ楽曲データはもとより、管理データ、統計データなどを蓄積したデータベースが構築されており、カラオケ演奏端末との間でデータの授受が行われる。カラオケホスト装置100から配信された楽曲データなどはハードディスク装置13に格納され、中央制御部11の制御にもとづいて読み出される。
【0012】
楽曲データはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式により記述されたカラオケ伴奏音楽の起源となる音楽生成データと、そのカラオケ楽曲の演奏に同期して表示する歌詞やその文字の属性(表示位置、表示色、表示/消去タイミングなど)を記述した歌詞描画データとを含んでいる。中央制御部11はリモコン送信機14およびリモコン受信部15や操作パネル16からリクエスト楽曲のID入力を操作制御部17を介して受け取ると、その入力順とIDとを対応づけてRAMに格納し、楽曲の演奏予約登録を行う。
【0013】
そして、予約順に従って該当するカラオケ楽曲の楽曲データなどをハードディスク装置13から取り出し、楽曲データ中のMIDIデータをシンセサイザ18に転送すると、シンセサイザ18はこのMIDIデータに従って内蔵音源を制御し、カラオケ伴奏音楽を生成する。シンセサイザ18が出力するカラオケ伴奏音楽の演奏信号は、ミキシングアンプ19でマイクロホン20からの歌唱音声信号と混合されて出力し、スピーカシステム21を駆動して音響出力が得られる。
【0014】
一方、カラオケ伴奏音楽の生成処理に同期し、歌詞画像となるビットマップ画像をビデオRAM22に展開する。映像制御部23は、このビットマップ画像をビデオディスク装置24から出力される背景映像にスーパーインポーズする処理を行ってディスプレイ25に映像出力する。
【0015】
図2は、歌唱音域測定部26の具体的構成を示すブロック図であり、専用のDSP(Digital Signal Processor)により構成されている。同図に示すように、マイクロホン20から入力した歌唱音声信号をサンプリングするためのD/Aコンバータ26aと、このD/Aコンバータ26aが出力したサンプリングデータをリアルタイムで解析して歌唱者の発声ピッチを取得するための歌唱ピッチ取得部26bと、取得した発声ピッチとノート番号により与えられる現に演奏中の伴奏音楽における発声すべき基準ピッチとを比較してその差を誤差データとして出力するピッチ比較部26cとを機能要素として内蔵している。なお、この場合、基準ピッチはMIDIデータにおける主旋律に相当するデータの各楽音ピッチを採用する。
【0016】
図3は、前記音域測定部26により生成された誤差データから歌唱音域を特定する方法を説明するもので、同図に示すように横軸にキーコード毎の基準ピッチを取り、この基準ピッチに対し歌唱者の歌唱音声信号から得られた歌唱ピッチとを比較し、その誤差をプロットする。なお、1曲のカラオケ楽曲の演奏中には同じ基準ピッチが複数回出現するため、同じ基準ピッチに対する歌唱ピッチの誤差は、その平均値をプロットする。その結果、歌唱ピッチが基準ピッチを越えた時点のキーコードの範囲内が歌唱者の歌唱音域と判定することができる。同図の場合、キーコードG4からキーコードF3が歌唱者の歌唱音域であることを示している。
【0017】
つぎに、異なる複数のカラオケ楽曲の一部を抽出し、これをつなぎ合わせて歌唱音域を判定するための音域別メドレー楽曲を作成する方法について以下に説明する。周知のようにカラオケ楽曲の音域は各楽曲毎に区々であり、例えば、全音域の高域、中域、低域に偏るもの、あるいは高域から低域までの広い音域のカラオケ楽曲があり、僅か1曲のカラオケ楽曲のみで歌唱者の歌唱音域を正確に判定することはできない。
【0018】
そこで本発明では、異なる複数のカラオケ楽曲の一部を選出し、これをつなぎ合わせ、異なる音程のカラオケ楽曲により歌唱者の歌唱音域を正確に判定できる音域別メドレー楽曲を作成するようにした。この場合、音域別メドレー楽曲は各々異なる音域であることが望ましく、このため、記憶されているカラオケ楽曲を音域毎に分類して登録する管理テーブルを設け、速やかにカラオケ楽曲の選出が可能となるようにした。
【0019】
図4は、前記管理テーブルにおける登録状態を示すもので、音域を高域、中域、低域、そして広い音域幅の広域というように大略的に分類する。そして、前記楽曲データから音域情報(最高音および最低音)を抽出し、当該カラオケ楽曲が前記の分類されたどの音域に相当するかを判定する。このようにして判定された各カラオケ楽曲はその楽曲IDが各音域の指定部分に同図に示すように登録され、例えば、末尾番号でいずれの音域に相当するか判断できるようにする。
【0020】
このようにしてカラオケ楽曲を音域毎に分類して登録し、音域別メドレー楽曲を作成する場合、選定したカラオケ楽曲のすべて楽章をつなぎ合わせることはなく、楽曲の一部を選出することになる。例えば、歌謡曲などのように歌唱部分が1番、2番、3番で完結するものは、通常各楽章で同じメロディーが繰り返されるため、1番のみのコーラスをつなぎ合わせればよい。
【0021】
なお、複数のコーラスをつなぎ合わせて冗長となる場合は、いわゆるサビ部を抽出してつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成することも可能である。また、音域別メドレー楽曲を作成するにあたっては、例えば、年齢、性別、音楽ジャンルなどを入力して特定条件を設定したり、管理テーブルの高域、中域、低域、広域の楽曲を無限定に各1曲づつ抽出することも可能である。また、管理テーブルに登録されている高域、中域、低減、広域のカラオケ楽曲をディスプレイ25にリスト表示し、このリストから歌唱者が任意に選定することも可能である。なお、本実施例では、音域別メドレー楽曲を作成するにあたっては、特定情報を入力することとした。
【0022】
つぎに、以上のように構成された本発明のカラオケ装置1により音域別メドレー楽曲の生成および歌唱者の歌唱音域のプログラムによる判定処理の流れを以下に説明する。図5に示すようにメドレー楽曲の選定の端緒において、前述で示したような特定条件を入力する(Sa1)。この入力が終了すると(Sa2)、中央制御部11は管理テーブルから入力条件に対応するカラオケ楽曲を各音域(高域、中域、低域、広域)から1曲だけ選出する。
【0023】
このようにして選出されたカラオケ楽曲は中央制御部11において配列されてつなぎ合わされ(Sa4)、RAMに一時記憶されメドレー楽曲の演奏予約がなされる(Sa5)。図6は音域別メドレー楽曲のメドレーリストの完成状態の一例を示すもので、先頭にメドレー楽曲の演奏が開始することを知らせるメッセージに相当するイントロInt.を配し、これにつづいて1stメドレー区間(高域)、2ndメドレー区間(中域)、3rdメドレー区間(低域)、4thメドレー区間(広域)、エンディングEnd.が配される。なお、ISはイントロスタートマーク、IEはイントロエンドマーク、CSはコーラススタートマーク、CEはコーラスエンドマーク、ESはエンディングスタートマーク、EEはエンディングエンドマークを示す。
【0024】
このように音域別メドレー楽曲が作成され、歌唱者によるリモコン送信機14の操作などによりメドレー演奏開始の指示がなされ(Sa6)、イントロInt.の演奏から順次各メドレーが演奏され、最終の4thメドレー区間が演奏の終了を確認すると(Sa7)、エンディングEnd.を演奏してすべての演奏を終了する。なお、各メドレー区間は、前曲の音量を徐々に低下させ、次曲の音量を徐々に上昇させるクロスフェードなどの処理を施すことにより曲間の自然な繋がりが得られる。
【0025】
以上の処理の流れは複数のカラオケ楽曲のメドレー区間をつなぎ合わせるようにしたことから、比較的長い演奏時間となるが、歌唱者の歌唱音域の判定に精度の高い結果を期待することができる。これに対し、演奏時間を短くすることを意図する場合は、メドレー区間中の特徴的部分(サビ部)を抽出して上述したように音域別メドレー楽曲を完成すればよい。図7はコーラス内にサビスタートマークSSとサビエンドマークSEでサビ部MG1〜MG4が特定された第1メドレー区間〜第4メドレー区間のメドレーリストを示すもので、このサビ部MG1〜MG4をつなぎ合わせて完成した音域別メドレー楽曲を図8に示す。
【0026】
つぎに、以上のようにして作成された音域別メドレー楽曲を演奏し、これに合わせて歌唱する歌唱者の歌唱音域のプログラムによる判定処理の流れを図9にもとづいて説明する。図5におけるステップSa6の処理がなされ、これから演奏されるメドレー楽曲を認識(Sb1)すると、そのメドレー楽曲の楽曲IDからメドレー区間の基準ピッチを歌唱音域測定部26のピッチ比較部26cにセットする(Sb2)。
【0027】
そして、各メドレー区間が順次演奏され、歌唱者の歌唱ピッチが歌唱ピッチ取得部26bにより取得され、ピッチ比較部26cから図3に示すような誤差データが得られる(Sb3)。図10は、このようにして得られた誤差データから各メドレー区間の基準音域と歌唱者の歌唱音域を比較した例を模式的に示したものである。この場合、高域にある1stメドレー区間の基準音域がキーコードE3〜G4であるのに対し、歌唱音域がキーコードF3〜G4であり、これから歌唱者がキーコードF3以上の歌唱が困難であることが判る。
【0028】
2ndメドレー区間は1stメドレー区間よりキーの低い中域にあるカラオケ楽曲であり、この基準音域がキーコードG3〜A4であり、歌唱者の歌唱音域が十分対応していることが判る。3rdメドレー区間は2ndメドレー区間よりさらにキーの低い低域にかかるカラオケ楽曲であり、この基準音域がキーコードC4〜D5であり、歌唱者が対応できていることが判る。
【0029】
しかしながら、この場合の歌唱者はさらに低いカラオケ楽曲を歌唱できる可能性を残すことになり、1st〜3rdメドレー区間のみではこれを判定することができない。4thメドレー区間はこのような問題に対応できるようにしたもので、高音から低音までの音域の広いカラオケ楽曲が選択されるようにしている。4thメドレー区間の基準音域がキーコードD#3〜E5であり、歌唱者の歌唱音域がキーコードF3〜D#5となっていることから、このカラオケ楽曲の歌唱はかなり困難であることが判る。
【0030】
このように、各メドレー区間の演奏が終了すると(Sb4)、各メドレー区間毎に歌唱者の最高音と最低音のキーコードが判定され記憶される(Sb5)。そして、すべてのメドレー区間の演奏が終了すると(Sb6)、各メドレー区間の最高音と最低音のキーコードから歌唱者の正確な歌唱音域がキーコードF3〜D#5と判定され、この音域内にある2ndメドレー区間、3rdメドレー区間およびこれに相当する音域のカラオケ楽曲が当該歌唱者に歌唱し易いものと判断されることになる(Sb7)。
【0031】
以上の結果にもとづいて歌唱者がリモコン送信機14または操作パネル16から選曲を指定すると、年齢、性別、音楽ジャンルなどの特定条件を設定している場合、この特定条件にもとづいて前述した管理テーブルから音域が2ndメドレー区間、3rdメドレー区間の音域に相当または近似するカラオケ楽曲を予め設定した所定数だけ抽出し、これをリスト化してディスプレイ25に表示する。そして、歌唱者は表示された楽曲リストから直ちに好ましいカラオケ楽曲を選定することができる。また、歌唱者が歌唱し難いと判定されたカラオケ楽曲のリストの作成も可能であるので、これを参考にして難曲に挑戦するなどの試みが可能となる。
【0032】
このように歌唱音域の測定結果にもとづき、歌唱者に適するカラオケ楽曲を直ちに提示することが可能となることから、従来のように歌唱音域の結果を音符やキーコードで表示していた場合に較べ、迅速的確にカラオケ楽曲の選定が可能となる。また、歌唱音域の判定はメドレー楽曲を楽しんで歌唱しながら行われるので、アミューズメント性を向上することができるなど本発明特有の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のカラオケ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】歌唱音域測定部の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】歌唱音域を特定する方法を説明する図である。
【図4】カラオケ楽曲の登録された管理テーブルをを示す図である。
【図5】メドレー楽曲の生成および演奏処理の流れを説明する図である。
【図6】メドレーリストの一例を示す図である。
【図7】メドレー区間の形成の状態を示す図である。
【図8】メドレーリストの一例を示す図である。
【図9】歌唱音域の判定処理の流れを示す図である。
【図10】基準音域と歌唱音域の比較例を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・・・カラオケ装置
11・・・・・中央制御装置
12・・・・・通信制御部
13・・・・・ハードディスク装置
14・・・・・リモコン送信機
15・・・・・リモコン受信部
16・・・・・操作パネル
17・・・・・操作制御部
18・・・・・シンセサイザ
19・・・・・ミキシングアンプ
20・・・・・マイクロホン
21・・・・・スピーカシステム
22・・・・・ビデオRAM
23・・・・・映像制御部
24・・・・・ビデオディスク装置
25・・・・・ディスプレイ
50・・・・・バス
100・・・・カラオケホスト装置
N・・・・・・情報通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歌唱者がカラオケ楽曲を歌唱する際に適した音域を判定する歌唱音域判定システムを備えたカラオケ装置であって、歌唱音域測定手段と、楽曲音域管理手段と、音域別メドレー楽曲作成手段と、歌唱区間別評価手段と、適正音域判定手段とからなり、
(ア)歌唱音域測定手段とは、任意のカラオケ楽曲の基準音域と歌唱者の歌唱結果とを比較して歌唱者の歌唱音域を判定するものであり、
(イ)楽曲音域管理手段とは、カラオケ楽曲に記録されている音域を参照し、予め設定した音域分類に対応するカラオケ楽曲を管理テーブルに登録するものであり、
(ウ)音域別メドレー楽曲作成手段とは、前記楽曲音域管理手段の管理テーブルに登録されているカラオケ楽曲から選定された所定数の音域の異なるカラオケ楽曲の一部をつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成するものであり、
(エ)歌唱区間別評価手段とは、前記音域別メドレー楽曲にもとづいて歌唱者が歌唱し、この歌唱結果を前記歌唱音域測定手段により判定して音域別メドレー楽曲毎に歌唱者の歌唱音域を判定するものであり、
(オ)適正音域判定手段とは、前記音域別メドレー楽曲毎の歌唱音域の判定結果にもとづいて、歌唱者が適正に歌唱できる音域を判定するものである、
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記音域別メドレー楽曲作成手段は、さらに楽曲選定手段を有し、該楽曲選定手段は歌唱者が前記管理テーブルに記録されているカラオケ楽曲を選定することにより、所定数の音域の異なるカラオケ楽曲の一部をつなぎ合わせ、音域別メドレー楽曲を作成することができる請求項1記載のカラオケ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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