説明

カラートナー組成物及び現像剤組成物並びにそのような組成物の製造方法及び使用方法

本発明は、ポリマー着色剤を含む新規な着色トナー用組成物及び現像剤組成物を提供する。このような組成物は、比較的長鎖オリゴマーが付いた、ポリ(オキシアルキレン)或いはポリ(アルキルエステル)置換発色団を包含する。本発明のカラートナー用組成物及び現像剤組成物は、色滲み及び色凝集に抵抗性があり、長期間にわたって色の忠実度を保持する。このようなカラートナー用組成物は、カラー画像形成システムに有益である。本発明で提供される新規な組成物は、ポリマー着色剤或いはオリゴマー着色剤を使用して容易に調合でき、容易に製造できる。本発明のトナーは、荷電制御剤、熱可塑性樹脂、着色剤及び添加物を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、静電潜像を作成する電子写真画像形成装置での使用に適合された新規なカラートナー組成物及び現像剤組成物並びにそのようなカラートナー組成物の製造方法に関する。
【0002】
発明の背景
画像は、静電的方法により光導電性材料の表面に形成することができる。電子写真画像形成方法は、光導電体上に均一な静電荷電を作り出し、それを光影画像に露出して、その領域で電荷を除去し、その後、微細に分割されたエレクトロスコピックトナー材料を付着させることにより生成した静電潜像を現像することを包含する。トナー材料すなわち「トナー」は、電荷を保持する受光域に電気的に引き寄せられ、それにより、静電潜像に対応するトナー画像を形成する。現像された画像は、その後、紙のような基板に転写され、熱、圧力、溶媒或いは被覆処理により永久に基板に定着される。カラーコピー作成のような、多色画像を得る場合には、原画はまず色分解フィルターを通して露光され、その操作は、黄色、マゼンタ色、シアン色、黒色のカラートナーを使用してその後繰り返され、その結果カラー画像が形成される。
【0003】
トナー材料は、結着樹脂、ワックス或いはポリオレフィン、荷電制御剤、流動剤、顔料及び/又は染料そして他の添加物からなり得る。二成分の現像剤が使用されるシステムでは、トナー粒子は、ガラスビーズ、鉄粉或いはフェライト粉のような固体キャリア粒子との混合物で使用される。トナーとキャリアの組成については、接触摩擦の結果、トナーが光導電性層上の電荷に対して逆極性となるように、トナーとキャリアの組成が選択される。接触摩擦の結果、キャリアは、静電的に(摩擦電気的に)トナーをその粒子表面に引きつける。この結果、トナーは現像アセンブリーを通って移送され、光導電性層上へトナーが供給される。
【0004】
染料と顔料は、いくつかのカラートナーへの応用に適している。そのような染料と顔料は、比較的高い染色力、良好な透明性、良好な熱安定性及び受容できる樹脂適合性を有する有機染料及び顔料を包含する。顔料は、マゼンタ色用としては、キナクリドン、リソールルビン、ローダミン顔料を、シアン色用としては、フタロシアニンブルー顔料を、黄色用としては、ジアリーリド黄色顔料を、数ある中でも包含する。
【0005】
顔料をトナーに使用する時には、問題と障害がある。例えば、樹脂不溶性の有機顔料を含むトナー組成物は、望ましくない透明性の減少と透過光の色合いの変動を引き起こす。この問題に対しては、米国特許第6,153,345号、第5,437,949号に開示されたプロセス等、改良がなされてきた。しかしながら、色彩の再現を達成するためにトナーに顔料を使用することは、トナー製造業界において引き続き意義のある挑戦である。
【0006】
カラートナーに対して、顔料に代えて有機染料を選択する一つの効果は、染料は色彩の忠実度の増加を呈することである。これは、染料が結着樹脂中に分子的に分散する程度による。均質な分散を得るためには、樹脂適合性を向上せしめる置換基を分子中に導入する必要がある。染料分子が実質的に完全に樹脂と適合していないと、これら分子は、加熱、圧力、湿気にさらされた際に、長期にわたって凝集する傾向を有する。この結果、色の忠実度の損失を招来する。染料分子の分子量が低いと、樹脂中での染料の高い移動性を引き起こし、望ましくない染料の滲出が生じる結果となる。このように、トナーへの染料の使用もまた、障害と不利益がある。
【0007】
比較的高い解像度、低コスト、環境リスクの低下、低レベルの移動性、滲出レベルの低下、そして、より環境に対して安全な製造方法についてのバランスを達成することができるトナー組成物及びトナープロセスが、産業界では引き続き長期間待望されている。本発明は産業界のこれらニーズに向けられたものである。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、新規な着色されたトナー(以後、「カラートナー」という。)及びポリマー着色剤を含む現像剤組成物を提供する。このような組成物は、ポリ(オキシアルキレン)置換発色団を含む。本発明のカラートナー組成物及び現像剤組成物は、色滲出と凝集に抵抗性があり、長期間にわたる色彩の忠実度を保持することができるという、顕著な効果を奏する。このようなカラートナー組成物は、カラー画像形成システムに有益である。本発明は、新規で有益なカラートナー組成物及び現像剤組成物を提供するものであり、ポリマー着色剤を使用して、簡単に調合され、製造されるものである。本発明は、また、ポリマー或いはオリゴマー着色剤を使用する着色されたトナー組成物及び現像剤組成物の製造方法に関する。
【0009】
本発明は、少なくとも一つの樹脂、少なくとも一つの樹脂適合性ポリマー着色剤、及び少なくとも一つの荷電制御剤を含むカラートナー組成物に関する。樹脂は、着色剤と混合されていてもよい。他の応用では、樹脂は着色剤と共重合化され、着色された共重合体を形成していてもよい。このような電子写真用、静電記録用、或いは静電印刷用の粒状トナーを製造するには、粉砕工程が使用される。本発明は、カラー製版、レーザープリンター及びコピー機に使用されるポリマー着色剤トナー組成物にも向けられている。このような組成物の製造方法が開示されている。また、このような本発明のカラートナー組成物及び現像剤組成物を電子写真印刷用に使用する方法も開示されている。
【0010】
トナーに適用されるポリマー着色剤
ポリ(オキシアルキレン)置換着色剤は、ここでは、「ポリマー着色剤」或いはポリアルキレンオキシ置換発色団と呼ばれる。本発明は、ホスト結着樹脂と少なくとも一つの式(I)のポリマー着色剤を含むトナー組成物及び現像剤組成物の提供に向けられたものであり、
(I)
R-[E(オリゴマー成分-X)nm
ここで、R或いはR-Eは、有機染料ラジカルであり、そして、Eは、N、O、S、SO3、SON或いはCOその他同様のものからなる群より選択される結合基である。
【0011】
「オリゴマー成分」は、以下の(1)、(2)及び(3)から選択することができる。
【0012】
(1)2価のオリゴマーアルキレンオキサイドラジカル及びオリゴマーアルキレンオキサイド共重合体であって、その“オリゴマー成分”のアルキレン部分は2又はそれ以上の炭素原子を含み、そして、そのような“オリゴマー成分”は、44〜約3000の分子量を有し、その“アルキレンオキサイド”は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、グリシドール及びそれらの誘導体で例示される;
(2)式(II)の構造を有する、2価の脂肪族オリゴマーエステルラジカル、
【化6】

【0013】
ここで、R及びRは、それぞれ独立してH或いはC−C10アルキル群から選択され、fは、1〜10の間の整数を含有し、gは、1〜20の間の正の整数及び分数を含む;そして、
(3)以下に定義するオリゴマーアルキレンオキサイドラジカル及び脂肪族オリゴマーエステルラジカルとの組み合わせ;
X基は、末端基であり得、トナー組成物中の着色剤の機能に関して重要であるとは考えられない。例えば、末端基は、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート及び有機スルフェート、アミドより選択することができ、n及びmは、独立して1〜5の整数より選択することができる。
【0014】
もう一つの本発明の具体例は、ホスト結着樹脂と少なくとも一つの式(III)のポリマー着色剤種を含むトナー用及び現像剤組成物を提供することにより達成され、
【化7】

【0015】
ここで、R或いはR(G)hは、染料ラジカルであり;Gは、-SO或いは-COからなる群より選択され;Rは、H、アルキル類、アリール類であり;Mは、窒素原子或いは燐であり;X及び“オリゴマー成分”は、上記で定義されたとおりのものであり、hは、1〜4の間の整数であり、kは、0〜5の間の整数であり、jは、1〜6の間の整数であり、(k+j)=4の時、Mは、窒素であり、(k+j)=6の時、Mは燐である。
【0016】
本発明の一つの具体例においては、カラートナー用組成物は、電子写真印刷用に供され、(a)少なくとも一つの熱可塑性樹脂;(b)荷電制御剤;及び(c)ポリマー着色剤を含む。ポリマー着色剤は、メチン系着色剤、アゾ系着色剤、ベンゾジフラノン系着色剤、銅フタロシアニン系着色剤、及びトリフェニルメタン系着色剤からなる群より選択される。
【0017】
例として、ポリマー着色剤のいくつかの異なる化学種が、本発明の実施には有益であり、更に以下に説明する。
【0018】
メチン系ポリマー着色剤
メチン系ポリマー着色剤は、下記構造式(IV)のように表わすことができる。
【化8】

【0019】
ここで、R´は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール或いは、−(オリゴマー成分)-Xとして表される基からなる群より選択され、ここで、R´は、フェニル部分と結合して環を形成することができる。それぞれのRは、他と独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、ニトリル、ニトロ、アミド及びスルホンアミド基からなる群より選択される置換基であり得;qは、0、1、2、3、4のいずれかの整数であり得;R”及びR”’は、それぞれ他と独立して、水素、ハロゲン、3級アミノ、イミン、シアノ、ピリジニウム、エステル、アミド、スルフェート、スルホネート、スルフィド、スルホキシド、ホスフィン、ホスフィニウム、ホスファート、ニトリル、メルカプト、ニトロ、スルホン、アシル、アゾ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アリールアキロキシ、アルキルアリール、アルキルアリールオキシより選択され得る。Xは、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート、有機スルフェート及びアミドより選択され得る。オリゴマー成分は、アルキレンオキサイドラジカル及びエステルラジカルの群より選択され得る。
【0020】
アゾ系ポリマー着色剤
アゾ系ポリマー着色剤或いはアゾ系オリゴマー着色剤は、下記構造式(V)のように表わされ、
【化9】

【0021】
ここで、R´、R、 オリゴマー成分、X、及びqは、すべてメチン系構造に関して前記定義したとおりのものであり;Rは、芳香族含有基或いは複素芳香族含有基であり、;Qは、水素であるか、O、S、CO、SO2、-Cアルキル、C-Cアルケン、p-フェニレンジアミン、m-ヒドロキシベンゼン及びm-ジC-Cアルコキシベンゼンからなる群より選択される結合基であり;rは、1或いは2であり得る。
【0022】
トリフェニルメタン系ポリマー着色剤
本発明の実施に有益なトリフェニルメタン系ポリマー着色剤は、下記構造式(VI)のように表わされる。
【化10】

【0023】
ここで、R´、 オリゴマー成分、X、及びqは、前記定義したとおりのものであり;R5は、それぞれ互いに他と独立しており、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ及びアリールアミノからなる群より選択される基であり;Rは、それぞれ他と独立しており、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ニトロ、アミド、SO及びスルホンアミド基からなる基より選択される基である。
フタロシアニン系ポリマー着色剤或いはフタロシアニン系オリゴマー着色剤は、前記構造式(III)のように表わされるが、そこで、Rは、金属フタロシアニン誘導体ラジカルである。
【0024】
ベンゾジフラノン系ポリマー着色剤
本発明の実施に使用されるベンゾジフラノン系ポリマー着色剤或いはベンゾジフラノン系ポリマー着色剤は、構造式(VII)のように表わされるものを包含する。
【化11】

【0025】
ここで、Yは、O、S、NR14からなる群より選択され、ここで、R14は、水素、アルキル、または、アリールであり;R及びRは、同一か異なるものであり、水素、アルキル、ハロゲン、アルケニル、ヒドロキシ及びアルコキシからなる群より独立して選択され;R、R10、R11、R12及びR13は、同一か異なるものであり、水素、C1-20アルキル、C1-20アルキルエステル、ハロゲン、ヒドロキシル、水素、チオ、シアノ、スルフォニル、スルフォ、スルファート、アリール、ニトロ、カルボキシル、C1-20アルコキシ、C1-20アルキルアミノ、アクリルアミノ、C1-20アルキルチオ、C1-201-20アルキルスルフォニル、C1-20アルキルフェニル、ホスホニル、C1-20アルキルホスホニル、C1-20アルコキシカルボニル、フェニルチオ、及び、E-(オリゴマー成分-X)からなる群より選択され、ここで、R乃至R13の少なくとも一つは、E-(オリゴマー成分-X)であり、ここで、 E,X、n及び「オリゴマー成分」は前記定義したとおりのものである。好ましくは、R11が、E-(オリゴマー成分-X)である。
【0026】
具体的な組成物と応用
着色トナー組成物及び現像剤組成物は、少なくとも一つの結着樹脂と、構造式(VIII)により表されるメチン、構造式(IX)により表されるアゾ、構造式(X)により表されるビスアゾ、構造式(XI)により表されるトリフェニルメタン、銅フタロシアニン誘導体、或いは構造式(XII)により表されるベンゾジフラノンからなる発色団より選択される少なくとも一つのポリマー着色剤或いはオリゴマー着色剤を含む。このように、特定の応用に応じて、多くの異なった化合物が、本発明のトナー組成物に効果的に使用される。
【0027】
有用なメチン系ポリマー着色剤或いはメチン系オリゴマー着色剤は、構造式(VIII)により表され、
【化12】

【0028】
ここで、Xは、以前に定義したとおりのものであり;R14は、シアノ、ニトロ、アルキルカルボニル、アラルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド等からなる群より選択される基であり;R15は、水素、C1-20アルキル、C7-20アラルキル等からなる群より選択される基であり;R16は、水素、C1-20アルキル、アリール、C7-20アラルキル、C7-20アルキルアリール或いは−(オリゴマーオキシアルキレン )-Xで表される基(ここで、2価の「オリゴマーオキシアルキレン」は以前に定義したものである。)からなる群より選択される基である。
トナーに有用なアゾ系ポリマー着色剤或いはアゾ系オリゴマー着色剤は、構造式(IX)により表される。
【化13】

【0029】
ここで、R、R15、R16、X及び「オリゴマーオキシアルキレン」は、以前に定義したとおりのものである。
【0030】
本発明の実施に有用なビスアゾ系ポリマー着色剤或いはビスアゾ系オリゴマー着色剤は、構造式(X)により表される。
【化14】

【0031】
ここで、Wは、結合基であり、O、S、SO2、CO、C-Cアルキル、C−Cアルキレン及びp-フェニレンジアミンからなる群より選択され;R15、R16、X及び「オリゴマーオキシアルキレン」は、以前に定義したとおりのものである。
【0032】
本発明の実施に有用なトリフェニルメタン系ポリマー着色剤或いはトリフェニルメタン系オリゴマー着色剤は、構造式(XI)により表され、
【化15】

【0033】
ここで、X及び「オリゴマーオキシアルキレン」は、以前に定義したとおりのものであり;R18は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ及びアリールアミノからなる群より選択される基であり;R17は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール或いは、−(オリゴマーオキシアルキレン)-Xとして表される基からなる群より選択される基であり、ここで、R17は、R18と結合して環を形成することができる。
【0034】
フタロシアニン系ポリマー着色剤或いはフタロシアニン系オリゴマー着色剤は、上記構造式(III)により表される。
【0035】
ここで、Rは、銅フタロシアニンラジカルで、GはSOで、h、j、kは、それぞれ2であり、Rは、C1-20アルキル、Mは、窒素、及び“オリゴマー成分”は、以前に定義した「オリゴマーオキシアルキレン」であり、Xは、以前に定義したとおりのものである。
【0036】
ベンゾジフラノン系ポリマー着色剤或いはベンゾジフラノン系オリゴマー着色剤は、上記構造式(XII)により表され、
【化16】

【0037】
ここで、R´、X及び「オリゴマーオキシアルキレン」は、以前に定義したとおりのものであり;R19は、水素、ハロゲン、アルコキシ、アルキルアミノ、(R20)C(O)NH-(ここで、R20は、水素、アルキル、及びアリールからなる群より選ばれる。)からなる群より選択される。
【0038】
着色トナー組成物及び現像剤組成物は、結着樹脂及び少なくとも一つの下記のものからなる発色団から選択されるポリマー着色剤或いはポリマー着色剤を含む
構造式(VIII)により表されるメチン、ここで、R14は、シアノ又はC1-10アルキルカルボニル基で、R15は、水素又はメチル基、R16は、-(オリゴマーオキシアルキレン)-Xで、Xは、以前に定義したとおりのものである;構造式(IX)により表されるアゾ、ここで、Rは、芳香族含有基或いは複素芳香含有基、R15は、水素又はメチル基、R16は、-(オリゴマーオキシアルキレン)-Xで、Xは、以前に定義したとおりのものである;構造式(X)により表されるビスアゾ、ここで、Wは、SOで、R15は、水素又はメチル基、R16は、-(オリゴマーオキシアルキレン)-Xで、Xは、以前に定義したとおりのものである;構造式(XI)により表されるトリフェニルメタン、ここで、R18は水素、R17は-(オリゴマーオキシアルキレン)-Xで、Xは、以前に定義したとおりのものである;構造式(III)により表されるフタロシアニン、ここで、Rは銅フタロシアニンラジカルで、GはSOで、h、j、kは2であり、Rは、互いに独立して、メチル、C14-20アルキルからなる群より選択され、Mは窒素で、「オリゴマー成分」は、以前に定義した「オリゴマーオキシアルキレン」であり、Xも同様、以前に定義したとおりのものである;構造式(XII)により表されるベンゾジフラノン、ここで、R19は、水素又はメチル類、R‘は、-(オリゴマーオキシアルキレン)-Xで、Xは、以前に定義したとおりのものである。
【0039】
本発明においては、式(I)及び(III)のポリマー着色剤に加えて、色合いを調節するポリマー着色剤を組み合わせて使用することができる。これら着色剤は、公知の顔料や染料を包含する。青色着色剤の例としては、それらに限定されるものではないが、フタロシアニンC.I.ピグメントブルー15:3及びインダントロンC.I.ピグメントブルー60を包含し、赤色着色剤の例としては、それらに限定されるものではないが、キナクリドンC.I.ピグメントレッド122や、アゾC.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:3及びC.I.ピグメントレッド57:1を包含し、黄色着色剤の例としては、それらに限定されるものではないが、アゾC.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー155、ベンズイミダゾールC.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154及びC.I.ピグメントイエロー180を包含し、黒色着色剤の例としては、それらに限定されるものではないが、カーボンブラック及びソルベントブラック27を包含する。
【0040】
カラートナー用組成物に使用されるポリマー着色剤の量は、結着樹脂の荷電性や他の要因に依存する。このような要因としては、陰影調整目的の染料及び/又は顔料のような、他の公知の着色剤が任意に選択的に使われているか否かということを包含している。考慮すべき一つの要因は、ビス(4-tertブチルサリチル酸)クロムII錯体、N-オクタデシル-ピリジニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムクロライドのような添加物(荷電制御剤)の荷電特性である。別の要因としては、ポリマー着色剤の結着樹脂との混和性や樹脂への分散方法がある。使用されるポリマー着色剤の量は、特定の重量範囲に限定されるものではない。しかしながら、必要なポリマー着色剤の量は、約0.1〜30重量%濃度であり、結着樹脂に対しては、約1〜15重量%の範囲である。
【0041】
前記の顔料と染料は、一般式(I)及び(III)のポリマー着色剤と組合わせて使用される。例えば、オレンジ色のトナーは、ポリマー黄色着色剤を組み合わせて使用することにより製造されるし、青紫色のトナーは、ポリマーシアン色着色剤を組合わせて使用することにより製造される。式(I)及び(III)のポリマー着色剤を他の通常の着色剤と組合わせて使用する時には、式(I)及び(III)のポリマー着色剤の量は、10重量%或いはそれ以上、又は20重量%或いはそれ以上であり、また30重量%或いはそれ以上とすることもできる。
【0042】
樹脂とその使用
本発明のカラートナー用組成物が適用される結着樹脂としては、樹脂が良好な荷電性を呈し、一般式(I)或いは(II)で表されるポリマー着色剤と適切に混和する限り、多くの公知の熱可塑性樹脂が使用される。
【0043】
好適な結着樹脂の例としては、次のものが包含されるが、限定されるものではない。スチレンアクリル系共重合体樹脂、ポリスチレン、ポリ-p-クロロスチレン及びポリビニルトルエンのようなスチレン及び置換スチレンの単重合体、スチレン-ビニルナフタレン共重合体、スチレン-メチルアクリレート共重合体、スチレン-エチルアクリレート共重合体、スチレン-ブチルアクリレート共重合体、スチレン-オクチルアクリレート共重合体、スチレン-メチルメタクリレート共重合体、スチレン-エチルメタクリレート共重合体、スチレン-ブチルメタクリレート共重合体、スチレン-メチル-α-クロロブチルメタクリレート共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプロピレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレンマレアート共重合体のようなスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィンワックス及びパラフィンワックス。パラフィンは一般式C2n+2(nは20以上)の高分子量鎖式飽和炭化水素類に対する共通名である。
【0044】
これら化合物は、単独で或いはそれらの混合物の形で使用される。本発明に使用される結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃或いはそれ以上、より好ましくは55℃或いはそれ以上であり、融点は、80℃或いはそれ以上である。一つの具体例では、融点は、80〜180℃の範囲内である。結着樹脂は、ポリスチレン、スチレン含量が約70〜約95重量%のスチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリレート共重合体、線状或いは架橋ポリエステル等或いはそれらの混合物である。
【0045】
特に興味のある本発明の一つの好適な具体例は、ポリオレフィン或いは合成硬パラフィンワックスとスチレン-アクリレート共重合体との混合物である。上記したように、ポリエスチレン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンアクリレート共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂のどのような混合物も、本発明の使用に好適である。
【0046】
トナー結着樹脂は、トナー組成物に対して、約70重量%〜約99重量%存在し、他の具体例では、約80重量%〜約98重量%存在する。
【0047】
任意に選択可能なワックス組成物及び他の添加物
トナーは、トナーの非付着性を助けるワックス成分も含む。カルナバワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン及び他の天然及び合成ワックス或いは多くの供給者から商業的に入手しうるワックス様材料のような種々の天然或いは合成ワックスが使用される。例えば、本発明の一つの応用は、低分子量ポリプロピレンワックス成分をトナーに使用するものである。この成分は、常に使われる必要はないが、トナーやプリントエンジンのような他のパラメターに依存する。これらワックスの添加量は、トナーの1〜6(重量)%である。
【0048】
トナーは、更に粘着防止を促進する添加物として充填剤を含む。この材料は、種々の金属酸化物、金属炭化物或いは同様に作用するそれらの等価材料のような、表面処理された或いは表面処理されない無機物質である。例えば、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウムであり、他の同様な材料が使用される。これらの添加量は、トナーの約0.1〜5(重量)%である。
【0049】
前記結着樹脂とポリマー着色剤を含むトナーは、任意に選択的に他の染料及び/又は顔料を含むが、更に、トナーが使用される実機やエンジンに特有な、荷電制御剤、流動性改善剤や他の公知の添加物のような添加物を包含してもよい。
【0050】
荷電制御剤
荷電制御剤は、トナー製品をより負荷電或いはより正荷電にする目的でトナーに添加される。トナーをより負荷電或いはより正荷電にする必要があるか否かは、数種の要因によって決まる。これら要因のうちのいくつかは、結合した残りのトナー成分の電気陰性度を包含する。異なる着色剤(ポリマー着色剤或いは染料及び顔料)と樹脂は、異なる荷電特性をトナー組成物に付与する。キャリアは、使用すると、多くのキャリア物質がトナー組成物に電荷を付与することを考慮しなければならない。トナーが使用される実機はトナーに電荷を付与する。トナーの荷電制御剤成分の目的は、荷電についてトナーを安定化することである。これにより、トナー粒子上の電荷の過多や過小と関連する印刷品質、カラーバランス及び曇りの問題を回避する。
【0051】
使用される正荷電制御剤の例としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩及び4級アンモニウム塩含有樹脂及び/又はアミノ類含有樹脂を包含する。
【0052】
使用される負荷電制御剤の例としては、トリメチルエタン染料、サリチル酸金属錯体塩、ベンジル酸金属錯体塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ顔料、アゾ染料金属錯体塩、アゾクロム錯体のような(クロム、亜鉛、アルミニウムのような)重金属含有酸性染料、カリックスアレーン型フェノール縮合物、環状多糖類及びカルボキシ類又はスルホニル類含有樹脂を包含する。
【0053】
荷電制御剤は、金属含有錯体、或いは、窒素含有化合物である。それらは、トナーに所望の電荷を付与するが、使用される成分と荷電制御剤に応じて、他のトナー組成物により付与された電荷を、中和するか、増強するかする。
【0054】
本発明性のトナー製品に使用するのに好適な荷電制御剤は、オリエント化学製の商品名S-34、S-54、E-84及びE-88により入手可能なものや、保土ヶ谷化学製の商品名TRH、T-77、T-95及びTNS-2により商業的に入手可能なものや、日本カーリット製の商品名LR-147及びLR-120により商業的に入手可能なものや、ゼネカ製の商品名CCCA-7により入手可能なものや、バスフ社や他社から入手可能な他の材料のような負荷電制御剤を包含する。
【0055】
使用される商業的に入手可能な正荷電制御剤は、オリエント化学製の商品名N-01、N-02、N-03、N-04、N-05S、N-06、N-07、N-08、N-09、N-10、N-11、N-12及びN-13により入手可能なニグロシン化合物及び種々の供給者から商業的に入手可能なセチル ピリジニウム クロライド(CPC)及び他の4級アンモニウム化合物を包含する。また、ヘキスト/クラリアントにより商業的に販売されたコピーブルーPRのようなある種の染料は、トナーへ正荷電効果を与えるために包含される。
【0056】
これら荷電制御剤は、単独或いは組み合わせて使用され、0.1〜5重量部の範囲の量で結着樹脂と混合すると、良好な荷電特性が得られる。
【0057】
現像剤組成物
本発明のポリマー着色剤を含む現像剤組成物が使用される。現像剤組成物はカラートナー及びキャリア粒子を含む。鉄、フェライト或いはその同効物のような磁性物質粒子を成分とする非被覆キャリアが使用される。代替物として、磁性粒子の表面が樹脂で被覆された樹脂被覆キャリアが使用される。キャリア粒子の平均直径は、体積平均直径で、15〜150ミクロンである。前述した本発明の着色トナー組成物と混合するために選択されるキャリア粒子の例は、トナー粒子の電荷と反対の極性を持つ電荷を得ることのできるような物質を包含する。本発明のキャリア粒子は、正に荷電したトナー粒子をキャリア粒子に接着し、それを包囲するような負極性をもつものから選択される。キャリア物質の例は、粒状ジルコン、粒状シリコン、ポリメチルメタクリレート、ガラス、鋼、鉄、フェライト、二酸化珪素及びその同効物を包含する。
【0058】
本発明のトナーの調製
例えば粉砕工程や化学的重合工程のような、多くの工程が、トナー組成物を調製するために使用できる。粉砕方法は、主に粉末トナーを製造する方法として使用されるが、結着樹脂或いは樹脂混合物は、ポリマー着色剤と任意に選択的に顔料及び/又は染料、荷電調整剤及び他の成分と混合され、第1の混合物を形成する。その後、第1の混合物は、ボールミルのような機械によって混合される。
【0059】
混合に続いて、第1の混合物は、加熱され、溶融混練或いは押出され、冷却され、ペレット化されて、平均体積粒子直径が9〜20ミクロンで、1.3〜1.7という広範な幾何学的サイズ分布を有するトナー粒子が提供される。任意に選択的に、得られた微細粒子トナーは、空気分級機に連続的に通され、電子写真工程で有害な、通常5ミクロン以下の特に細かい粒子が、選択的に主に除去される。
化学的工程も、本発明のトナー組成物を製造するために使用される。懸濁重合法は、モノマー、重合開始剤、ポリマー着色剤及び荷電制御剤を均一に溶解分散することを包含する。これらは、分散安定剤の存在下、水性媒体中で混合物に添加され、油滴を形成するように撹拌され、モノマーを重合してトナー粒子を得る。ポリマー着色剤を含むカラートナーは、光透過性である。このことは、印刷物の高解像度を達成する多段階印刷工程を容易にする。ポリマー着色剤が液体或いはペースト状であることにより、粉砕工程や化学的工程を含むカラートナー製造工程中の取扱が容易になる。
【0060】
ポリマー着色剤のポリマー鎖の柔軟度は、どのようなポリマーにも適合するように設計或いは変更され、それにより、カラートナー用結着樹脂として選択されるべき熱可塑性樹脂の広範な選択が可能となる。ポリマー着色剤を含むカラートナーは、着色剤と結着樹脂との優れた適合性に基づいて、一般的には、滲出性や移動性は低いか零である。ポリマー着色剤が液体或いはペースト状であることにより、カラー製造工程(粉砕工程や化学的工程)が容易になり、埃がずっと少なくなり、したがって、通常の染料や顔料と比較して、高度に望ましいものとなる。
【0061】
ポリマー着色剤とカラートナーの洗浄し易さが改善されるため、製造設備を簡単に清掃することができ、製造工程をより経済効率的にすることができる。ポリマー着色剤が本来有する特性により、異なるポリマー着色剤を完全に適合的にすることができる。ポリマー着色剤が本来有する特性により、一般式(I)及び(III)のポリマー着色剤を含むカラートナーを、通常の顔料を含むものよりも、より明るい色合いにすることができる。
【0062】
製造工程の1例として、本発明のカラートナー粒子は、一般式(I)及び(III)の少なくとも一つのポリマー着色剤を有する熱可塑性樹脂と架電制御剤と他の添加物とを、ボールミルのような混合機械により完全に混合し、その後、ヒートロール或いは押出し機のような加熱混練機を使って混合物を溶融混練し、樹脂を一緒に溶融せしめる。次に、溶融物中の着色剤を分散溶解し、冷却により固化し、粉砕する。ポリマー着色剤を含むカラートナーの粉砕製造工程は、所望のカラートナーを得るための、厳格な分級工程からなってもよいし、そうでなくてもよい。他の応用では、樹脂或いはポリマーを有するポリマー着色剤を実際に共重合することができ、それにより、着色熱可塑性共重合体樹脂を形成する。
【0063】
本発明の組成物は、工業的画像形成方法に有益である。例えば、カラー画像が、光受容体に繰り返し形成され、得られた画像はその後移送され、カラー画像が形成される。別の例では、画像は、光受容体に繰り返し形成され、連続的に中間移送膜に移送される。それから、カラー画像が、中間移送膜に形成される。その後、得られたカラー画像を紙のような画像形成材料に移送することにより、カラー画像が、形成される。
【0064】
ポリマー着色剤の合成
例1
アニリン2EO/15PO/5EO(67.5g)が、無水酢酸(17.2g)と加熱反応される。酢酸と過剰の無水酢酸を移動して除去した後、得られた混合物は、その後、DMF(13.5g)とPOCl3(11g)との混合物と、無水酢酸(1.3g)の存在下反応させられる。窒素保護下90℃で2時間加熱後、混合物は熱水で洗浄され、生成物層が集められ、水と45%KOHの50%アルカリ剤で満たされ、数時間加熱される。処理後、得られた残留中間体は、炭酸アンモニウム(0.4g)の存在下、エチルシアノアセテート(7.5g)と反応される。処理後、色値が、423nmで35abs./g/L(メタノール中)である、液体生成物(歩留まり90%)が得られる。
【0065】
例2
水(23.0g)と93%硫酸(35.0g)を撹拌した水溶液に、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(10.8g)を加える。得られた反応混合物は、ニトロソ硫酸(40%、31.0g)と反応される。ビスジアゾニウム塩溶液が、その後、m-トルイジン2EO/10PO/6EO(89.8g)、水(45.0g)及び尿素(2.0g)の混合物と反応される。赤色の反応混合物が所要時間撹拌され、その後50%アルカリ剤(60g)がPHを7以上に調整するために添加された。得られた生成物層は分離され、数回熱水で洗浄され、回転式蒸発機を経て除去され、色値が、471nmで27abs./g/L(メタノール中)である、オレンジ色のオイルが得られる。
【0066】
例3
例2記載と同様な手順を使って、2-アミノ-4-メチルベンゾチアゾール(16.4g)を、m-トルイジン2EO/10PO/6EO(1eq.)と反応させて、色値が、512nmで53abs./g/L(メタノール中)である、オレンジ色の液体が得られる。
【0067】
例4
例2記載と同様な手順を使って、5-アミノ-3-メチル-2,4-チオフェンジカルボニトリル(11.3g)を、m-トルイジン2EO/14PO/8EO(94g)と85%燐酸の存在下反応させて、色値が、570nmで29abs./g/L(メタノール中)である紫色の液体が得られる。
【0068】
例5
アニリン2EO/13PO(131g)、93%硫酸(3.6g)、オルト-フォルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(14.6g)、水(10g)、尿素(0.1g)及びアンモニウム メタ-バナデート(0.71g)が、フラスコに満たされ、全混合物は4時間加熱され、その後、30%過酸化水素(18g)と水(18g)との混合物で満たされる。75℃で1時間保持後、反応混合物は冷却され、熱水で洗浄される。水除去後、色値が、630nmで53abs./g/L(メタノール中)である、暗青色の液体が得られる。
【0069】
例6
補正色値27である例1で得られた黄色着色剤20.2%と、補正色値30abs./g/Lである例3で得られた赤色着色剤21.2%と、補正色値24である例4で得られた紫色着色剤6.7%と及び補正色値25abs./g/Lである例5で得られた青色着色剤51.9%とを完全に混合することにより、黒色のポリマー着色剤が得られる。
【0070】
本発明のカラートナーの調製
例7
負荷電した本発明の黄色トナーNNY-7
23x10〜24x10のMw、69℃のTgで、133℃のTfを有するスチレンアクリル系共重合体樹脂の86部(グラム)が、4部の合成硬パラフィンワックス(フィシャートロプシュワックス)と完全に混合される。上記の樹脂混合物と、例1で得られたポリマー黄色着色剤2.0部とピグメントイエロー12の3.5部とが、PCM30 2軸スクリュー押出機中で、荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物ボントロンE-84(オリエンタル化学製、登録商標名)1部、低分子量ポリプロピレンワックス2部及びシリカR202(デグッサ製)1部と混合される。全混合物は、加熱され、120〜135℃で溶融混練され、粉砕され、その後ジェットミルで微粉砕され、約6〜8ミクロンの直径(体積平均)を有する微粒子となる。粒子混合物は、ついで、ドラム清掃改善用アルミナ0.1部及び流動性改善用シリカTG308(キャボット製)1部と共に冷却混合機に挿入され、そして、静電バッグに包装することにより、電荷損失を防止する。
【0071】
例8
負荷電した本発明の赤色トナーNNR-8
例1で得られたポリマー黄色着色剤とピグメントイエロー12に代えて、例3で得られたポリマー赤色着色剤(2.5部)とピグメントレッド122(3.0部)とを使用して、例7と同様の手順が繰り返される。
【0072】
例9
負荷電した本発明の青色トナーNNB-9
例1で得られたポリマー黄色着色剤とピグメントイエロー12に代えて、例5で得られたポリマー青色着色剤(2.5部)とC.I.ピグメントブルー15:3(3.0部)とを使用して、例7と同様の手順が繰り返される。
【0073】
例10
負荷電した本発明の黒色トナーNNBK-10
例1で得られたポリマー黄色着色剤とピグメントイエロー12に代えて、例6で得られたポリマー黒色着色剤(2.0部)とカーボンブラック(6.0部)とソルベントブラック27(1.0部)とを夫々使用して、例7と同様の手順が繰り返される。
【0074】
例11
正荷電した本発明の黄色トナーPNY-11
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩(1部)を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例7と同様の手順が繰り返される。
【0075】
例12
正荷電した本発明の赤色トナーPNR-12
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩(1部)を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例8と同様の手順が繰り返される。
【0076】
例13
正荷電した本発明の青色トナーPNB-13
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩(1部)を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例9と同様の手順が繰り返される。
【0077】
例14
正荷電した本発明の黒色トナーPNBK-14
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩(1部)を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例10と同様の手順が繰り返される。
【0078】
例15
負荷電した本発明の黄色トナーNNY-15
23x10〜24x10のMw、69℃のTgで、133℃のTfを有するスチレンアクリル系共重合体樹脂の86部(グラム)が、4部の合成硬パラフィンワックス(フィシャートロプシュワックス)と完全に混合される。上記の樹脂混合物と、例1で得られたポリマー黄色着色剤を5.0部と、例2で得られたポリマーオレンジ色着色剤を0.5部とが、PCM30 2軸スクリュー押出機中で、荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物(ボントロン-E84、登録商標名)1部、低分子量ポリプロピレンワックス2部及びシリカR202(デグッサ製)1部と混合される。全混合物は、加熱され、120〜135℃で溶融混練され、粉砕され、その後ジェットミルで微粉砕され、約6〜8ミクロン直径(体積平均)を有する微粒子となる。粒子混合物は、ついで、ドラム清掃改善用アルミナ0.1部及び流動性改善用シリカTG308(キャボット製)1部と共に冷却混合機に挿入され、そして、静電バッグに包装することにより、電荷損失を防止する。
【0079】
例16
負荷電した本発明の赤色トナーNNR-16
例1で得られたポリマー黄色着色剤と例2で得られたポリマーオレンジ色着色剤とに代えて、例3で得られたポリマー赤色着色剤全量5部を使用して、例15と同様の手順が繰り返される。
【0080】
例17
負荷電した本発明の紫色トナーNNV-17
例1で得られたポリマー黄色着色剤と例2で得られたポリマーオレンジ色着色剤とに代えて、例4で得られたポリマー紫色着色剤全量5部を使用して、例15と同様の手順が繰り返される。
【0081】
例18
負荷電した本発明の青色トナーNNB-18
例1で得られたポリマー黄色着色剤と例2で得られたポリマーオレンジ色着色剤とに代えて、例5で得られたポリマー青色着色剤全量5部を使用して、例15と同様の手順が繰り返される。
【0082】
例19
負荷電した本発明の黒色トナーNNBK-19
例1で得られたポリマー黄色着色剤と例2で得られたポリマーオレンジ色着色剤とに代えて、例6で得られたポリマー黒色着色剤全量5部を使用して、例15と同様の手順が繰り返される。
【0083】
例20
正荷電した本発明の黄色トナーPNY-20
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例15と同様の手順が繰り返される。
【0084】
例21
正荷電した本発明の赤色トナーPNR-21
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例16と同様の手順が繰り返される。
【0085】
例22
正荷電した本発明の紫色トナーPNV-22
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例17と同様の手順が繰り返される。
【0086】
例23
正荷電した本発明の青色トナーPNB-23
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例18と同様の手順が繰り返される。
【0087】
例24
正荷電した本発明の黒色トナーPNBK-24
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例19と同様の手順が繰り返された。
【0088】
例25
負荷電した本発明の黄色トナーNNY-25(分級を伴う)
23x10〜24x10のMw、69℃のTgで、133℃のTfを有するスチレンアクリル系共重合体樹脂の86部(グラム)が、4部の合成硬パラフィンワックス(フィシャートロプシュワックス)と完全に混合される。上記の樹脂混合物と、例1で得られたポリマー黄色着色剤2.0部とピグメントイエロー12の3.5部とが、PCM30 2軸スクリュー押出機中で、荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物(ボントロンE-84、登録商標名)1部、低分子量ポリプロピレンワックス2部及びシリカR202(デグッサ製)1部と混合される。全混合物は加熱され、120〜135℃で溶融混練され、粉砕され、その後ジェットミルで微粉砕され、約6〜8ミクロン直径(体積平均)を有する微粒子となる。得られた微粉末トナー粒子は、空気分級機により超微粒子と非常に粗大な粒子を選択除去される。粒子混合物は、ついで、ドラム清掃改善用アルミナ0.1部及び流動性改善用シリカTG308(キャボット製)1部と共に冷却混合機に挿入され、そして、静電バッグに包装することにより、電荷損失を防止する。
【0089】
例26
正荷電した本発明の黄色トナーPNY-26(分級を伴う)
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例26と同様の手順が繰り返される。
【0090】
例27
負荷電した本発明の赤色トナーNNR-27(分級を伴う)
23x10〜24x10のMw、69℃のTgで、133℃のTfを有するスチレンアクリル系共重合体樹脂の86部(グラム)が、4部の合成硬パラフィンワックス(フィシャートロプシュワックス)と完全に混合される。上記の樹脂混合物と例1で得られたポリマー赤色着色剤5.0部とが、PCM30 2軸スクリュー押出機中で、荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物(ボントロンE-84、登録商標名)1部、低分子量ポリプロピレンワックス2部及びシリカR202(デグッサ製)1部と混合される。全混合物は、加熱され、120〜135℃で溶融混練され、粉砕され、その後ジェットミルで微粉砕され、約6〜8ミクロン直径(体積平均)を有する微粒子となる。得られた微粉末トナー粒子は、空気分級機により超微粒子と非常に粗大な粒子を選択除去される。粒子混合物は、ついで、ドラム清掃改善用アルミナ0.1部及び流動性改善用シリカTG308(キャボット製)1部と共に冷却混合機に挿入され、そして、静電バッグに包装することにより、電荷損失を防止する。
【0091】
例28
正荷電した本発明の赤色トナーPNR-28(分級を伴う)
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例27と同様の手順が繰り返される。
【0092】
比較例のカラートナーの製造
例29
負荷電した比較例の黄色トナーNNY-29
23x10〜24x10のMw、69℃のTgで、133℃のTfを有するスチレンアクリル系共重合体樹脂の86部(グラム)が、4部の合成硬パラフィンワックス(フィシャートロプシュワックス)と完全に混合される。上記の樹脂混合物とピグメントイエロー12の3.5部とが、PCM30 2軸スクリュー押出機中で、荷電制御剤(ボントロンE-84、登録商標名)1部、低分子量ポリプロピレンワックス2部及びシリカR202(デグッサ製)1部と混合される。全混合物は、加熱され、120〜135℃で溶融混練され、粉砕され、その後ジェットミルで微粉砕され、例7と同様の工程で微粒子となる。粒子混合物は、ついで、ドラム清掃改善用アルミナ0.1部及び流動性改善用シリカTG308(キャボット製)1部と共に冷却混合機に挿入され、そして、静電バッグに包装することにより、電荷損失を防止する。
【0093】
例30
負荷電した比較例の赤色トナーNNR-30
C.I.ピグメントイエローに代えて、3.6部のC.I.ピグメントレッド122を使用して、例29同様の手順が繰り返される。
【0094】
例31
負荷電した比較例の青色トナーNNB-31
C.I.ピグメントイエローに代えて、3.5部のC.I.ピグメントブルー15:3を使用して、例29同様の手順が繰り返される。
【0095】
例32
負荷電した比較例の黒色トナーNNBK-32
C.I.ピグメントイエローに代えて、6.0部のカーボンブラックと1部のソルベントブラック27を使用して、例29同様の手順が繰り返される。
【0096】
例33
正荷電した比較例の黄色トナーPNY-33
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例29と同様の手順が繰り返される。
【0097】
例34
正荷電した比較例の赤色トナーPNR-34
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリ カTG820G(キャボット製)を使用して、例30と同様の手順が繰り返される。
【0098】
例35
正荷電した比較例の青色トナーPNB-35
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例31と同様の手順が繰り返される。
【0099】
例36
正荷電した比較例の青色トナーPNB-35
負荷電制御剤であるオキシカルボン酸化合物に代えて、正荷電制御剤である4級アンモニウム塩化合物1部を使用し、また、シリカR202とシリカTG308に代えて、シリカTG820G(キャボット製)を使用して、例32と同様の手順が繰り返される。
【0100】
本発明のカラートナーと比較例のカラートナーの特性
1.カラートナーの粒子サイズ分布
レーザー光散乱機を使って、粒子サイズ測定がなされる。サイズ分布は、レーザー光と粒子の干渉から生じる散乱パターンから計算される。散乱光の強さと組合わせて、光が散乱される角度が、光感応検出系により測定される。検出系により得られた電気値を使って粒子サイズの関数として粒子の体積を計算する。特定の百分量に分布を分割することを目的として、分布を使って、パーセンタイルを計算する。これらの値は、製品の粒子サイズ特性を特定するために使用される。計器、はマイクロトラックX100が使用される。
【0101】
手順としては、トナー粉末の代表的サンプルが、粉末を溶解しない流体を使って、流体循環システムに分散導入される必要がある。この場合、1%(重量)トリトンX-100を含む水が、トナー分散用に使用される。トリトンX-100は、ダウケミカルカンパニーのユニオンカーバイド子会社により供給される非イオン性界面活性剤である。撹拌や超音波エネルギーを使用して、粉末を湿潤し、存在する凝集物を消失させる。計器を起動し、分散されたレーザー光を収集し、粒子サイズ分布と、10%、50%、90%パーセンタイルのような種々の分布特性を計算する。これらのパラメターを使って、体積基準の粒子サイズ分布の微細部、中間部、粗大部が描写される。10%パーセンタイルとは、粒子分布の最小から10%の粒子径よりも大きく、粒子分布の最大から90%の粒子径よりも小さいサイズである。10%、50%、90%パーセンタイルは通常、D10、D50、D90と夫々呼ばれる。
【0102】
更に詳細に述べると、0.3〜0.4グラムのトナー粉末が、250mlガラスビーカー中のトリトンX-100界面活性剤希釈液(1%水溶液)125mlに添加される。粉末懸濁液は、30mmタービン撹拌機を使って3分間600rpmで撹拌され、粒子を湿潤、分散する。懸濁液は、緩い凝集物が確実に消失するように、2分間超音波浴槽に移送され、その後、再度撹拌機に置かれ、粒子を界面活性剤中に均一に懸濁する。トナー懸濁液の約5mlが、マイクロトラックX100レーザー光散乱(LLS)分析機に移送される。
【0103】
LLS機は、循環システムと検出ユニットを有する。使用された循環システムは、250ml.の水を含み、ポンプと内部超音波プローブを使って、粒子を懸濁し、分散させる。検出ユニットは、レーザーと光半導体アレイを含む。レーザー光は、循環する粉末懸濁液を含む透明フローセルに集束され、散乱光信号がシリコン光感応検出器により測定される。
【0104】
計算は、シリコン光感応検出システムにより測定された散乱光信号に基づいてなされる。懸濁流体に関連する材料特性として発生する光散乱光学効果を補正するために、MIe散乱計算或いはその改良が使用される。これらの計算は、粉末材料と懸濁液の屈折率の使用を含む。水の屈折率は1.33と実証されている。粉末トナーに使われる屈折率は1.7である。そして、その結果は表1に要約されている。
【表1】

【0105】
2.本発明のカラートナーのガラス転移温度
本発明のカラートナーのガラス転移温度は、10℃/分でDSCにより測定されるが、その結果は表2に要約されている。
【表2】

【0106】
3.カラートナーの軟化点
本発明のカラートナーの軟化点は、1x1ダイ、20kgf及び6℃/分の条件で決定されるが、その結果は表3に要約されている。
【表3】

【0107】
4.本発明のカラートナーの分子量
本発明のカラートナーの分子量は、GPCにより測定されるが、その結果は表4に要約されている。
【表4】

【0108】
5.本発明のカラートナーの摩擦電荷量
本発明のカラートナーの摩擦電荷量は、T/D=5%でFB-100Sキャリアとし、ブローオフ法を使用して測定されるが、その結果は表5に要約されている。
【表5】

【0109】
本発明のカラートナーと比較例のカラートナーのパフォーマンステスト
6.画像再現テスト
本発明のカラートナーと比較例のカラートナーは、ゼロックスドクカラー12(Xerox Docucolor12)及びゼロックスAカラー635(Xerox Acolor635)の両カラー複写機で、画像再現をテストされる。それぞれのカラートナーは、トナーキャニスターに移され原画の多数の複写が作られる。複写画像は、原画と比較され、評価される。結果を表6に掲載する。
【表6】

【0110】
7.色合い
ウエブオフセットプルーフィング用インクレファランス及びハーフトーングラビア-SWOP(Specifications Web Offset Publications)ハイ-ロ―(Hi-Lo)カラーレファラアンスが購入される。ハイ-ローカラーレファランスは、X-Rite938分光写真濃度計で測定され、平均値が計算される。プルーフィング用インクレファランスは、ゼロックスドクカラー12(Xerox Docucolor12)カラー複写機でゼロックストナーを使って、標準セッティングで複写される。
【0111】
ゼロックストナーキャニスターが、移動され、カラー複写機が4色空になったことを表示するまで、複写される。複写機を作動させるために、それぞれの色が終わると、本発明のトナーを装填する必要がある。ゼロックストナーがすべて空になった後、試験複写前に、50枚以上の複写がなされた。テスト複写は、標準複写機セッティングでなされた。
【0112】
同じ手順が、比較例のカラートナーのセットに対して繰り返された。試験トナーはキャニスターから除去され、残余は真空作業場で除去された。比較例のカラートナーのセットが、空のトナーキャニスターに添加された。本発明のカラートナーに対する色合いは、図1に示されている。
【0113】
本発明は、多くの具体例と関連して詳細に説明されてきた。しかしながら、それら具体例の変形は当業者には自明のことである。例えば、本発明のトナーは、スチレンアクリル系共重合体樹脂と関連して説明されているが、例えばポリエステル等の、トナーに使用される通常の他の樹脂も使用できる。そのような変形は、添付クレームに示された本発明の精神と範囲に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係るトナー(NNY-7,NNR-8,NNB-9及びNNBK-10)でなされた複写のCIEa対bのグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱可塑性樹脂;
(b)荷電制御剤;及び
(c)ポリマー着色剤
を含み、前記ポリマー着色剤は、メチン系着色剤、アゾ系着色剤、ベンゾジフラノン系着色剤、銅フタロシアニン系着色剤、及びトリフェニルメタン系着色剤からなる群より選択される電子写真印刷に適合されたカラートナー組成物。
【請求項2】
請求項1記載の組成物であって、前記熱可塑性樹脂と前記ポリマー着色剤とが共重合している組成物。
【請求項3】
請求項1記載の組成物であって、前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリアクリレート、スチレンアクリレート共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、硬パラフィンワックス、スチレンブタジエン共重合体、ポリアミド、及びポリウレタンからなる群より選択される組成物。
【請求項4】
請求項1記載の組成物であって、前記熱可塑性樹脂が、スチレンアクリル系共重合体樹脂と硬パラフィンワックスとの混合物を含む組成物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物であって、前記熱可塑性樹脂が、スチレンアクリレート共重合体を含む組成物。
【請求項6】
請求項1記載の組成物であって、前記組成物が、更に(d)ワックスを含む組成物。
【請求項7】
請求項6記載の組成物であって、前記ワックスが、低分子量ポリエチレン系ワックス或いは低分子量ポリプロピレン系ワックスを含む組成物。
【請求項8】
請求項1記載の組成物であって、前記組成物が、更に(d)顔料を含む組成物。
【請求項9】
請求項1記載の組成物であって、前記荷電制御剤が正に荷電することにより、正に荷電したカラートナー組成物を提供する組成物。
【請求項10】
請求項1記載の組成物であって、前記荷電制御剤が負に荷電することにより、負に荷電したカラートナー組成物を提供する組成物。
【請求項11】
請求項1記載の組成物であって、前記組成物が、現像剤組成物としての使用に適合され、前記現像剤組成物は追加的に、(d)キャリア粒子を含有し、前記キャリア粒子が磁気的に活性である組成物。
【請求項12】
トナーとしての使用に適合された組成物であって、前記組成物は、
(a)樹脂;
(b)電子写真画像形成において記録媒体に電荷を与えることができる荷電制御剤、及び
(c)発色団及び、前記発色団と共有結合或いはイオン結合したオリゴマー成分を含むポリマー着色剤、
を含む組成物。
【請求項13】
請求項12記載の組成物であって、前記オリゴマー成分が、アルキレンオキサイドラジカル及びエステルラジカルからなる群より選択される組成物。
【請求項14】
請求項12記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、メチン系着色剤、アゾ系着色剤、ベンゾジフラノン系着色剤、銅フタロシアニン系着色剤、及びトリフェニルメタン系着色剤からなる群より選択される組成物。
【請求項15】
請求項12記載の組成物であって、前記組成物は、更に(d)顔料を含む組成物。
【請求項16】
請求項12記載の組成物であって、前記着色剤が前記樹脂と共重合している組成物。
【請求項17】
請求項14記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、メチン系着色剤を含む組成物。
【請求項18】
請求項14記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、ベンゾジフラノン系着色剤を含む組成物。
【請求項19】
請求項14記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、銅フタロシアニン系着色剤を含む組成物。
【請求項20】
請求項14記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、トリフェニルメタン系着色剤を含む組成物。
【請求項21】
請求項14記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤が、アゾ系着色剤を含む組成物。
【請求項22】
請求項21記載の組成物であって、前記アゾ系着色剤が、ビスアゾ系化合物を含む組成物。
【請求項23】
トナーとしての使用に適合された組成物であって、前記組成物は、
(a)熱可塑性樹脂;
(b)荷電制御剤;及び
(c)メチン系ポリマー着色剤であって、
【化1】

(ここで、
R´は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、オリゴマー及び環構造からなる群より選択され;
は、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、ニトリル、ニトロ、アミド及びスルホンアミド基からなる群より選択され;
qは、0〜4の整数を包含し;
R”及びR”’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、3級アミノ、イミン、シアノ、ピリジニウム、エステル、アミド、スルフェート、スルホネート、スルフィド、スルホキシド、ホスフィン、ホスフィニウム、ホスファート、ニトリル、メルカプト、ニトロ、スルホン、アシル、アゾ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アリールアキルオキシ、アルキルアリール、アルキルアリールオキシからなる群より選択され;
Xは、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート、有機スルフェート及びアミドより選択され;
前記オリゴマー成分は、アルキレンオキサイドラジカル及びエステルラジカルの群より選択される。)を含むメチン系ポリマー着色剤
を含む組成物。
【請求項24】
トナーとしての使用に適合された組成物であって、前記組成物は、
(a)熱可塑性樹脂;
(b)荷電制御剤;及び、
(c)アゾ系ポリマー着色剤であって、
【化2】

(ここで、
R´は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、オリゴマー及び環構造からなる群より選択され;
は、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、ニトリル、ニトロ、アミド及びスルホンアミド基からなる群より選択され;
qは、0〜4の整数を包含し;
Xは、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート、有機スルフェート及びアミドからなる群より選択され;
前記オリゴマー成分は、アルキレンオキサイドラジカル及びエステルラジカルの群から選択され;
は、芳香族含有基或いは複素芳香族含有基を含み;
Qは、水素を含むか、O、S、CO、SO2、-Cアルキル、C-Cアルキレン、p-フェニレンジアミン、m-ヒドロキシベンゼン及びm-ジC-Cアルコキシベンゼンからなる群より選択される結合基を含み;
rは、1或いは2を包含する。)を含むアゾ系ポリマー着色剤
を含む組成物。
【請求項25】
トナーとしての使用に適合した組成物であって、前記組成物は、
(a)熱可塑性樹脂;
(b)荷電制御剤;及び、
(c)トリフェニルメタン系ポリマー着色剤であって、
【化3】

(ここで、
R´は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、オリゴマー構造及び環構造からなる群より選択され;
qは、0から4の整数を包含し;
Xは、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート、有機スルフェート及びアミドからなる群より選択され;
前記オリゴマー成分は、アルキレンオキサイドラジカル及びエステルラジカルの群より選択され、;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ及びアリールアミノからなる群より選択され;
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ニトロ、アミド、SO及びスルホンアミド基からなる群より選択される。)を含むトリフェニルメタン系ポリマー着色剤
を含む組成物。
【請求項26】
電子写真画像形成用カラートナー組成物の製造方法であって、前記製造方法は、
(a)熱可塑性樹脂及びポリマー着色剤を準備すること;
(b)荷電制御剤を準備すること、
(c)(a)及び(b)を混合し、第1の混合物を形成すること;
(e)前記第1の混合物を加熱すること;
(f)前記第1の混合物を冷却し固形物とすること;そして、
(g)前記固形物を粉砕し、トナー粒子とすること
を包含する方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法であって、工程(1)で準備される前記熱可塑性樹脂と前記ポリマー着色剤とが、共重合体として結合される方法。
【請求項28】
請求項26記載の方法であって、前記熱可塑性樹脂が、スチレンアクリル系共重合体樹脂を含む方法。
【請求項29】
請求項26記載の方法であって、前記方法は、前記第1の混合物に顔料を結合させることを更に包含する方法
【請求項30】
請求項26記載の方法であって、前記方法は、記録媒体に前記トナー粒子を適用して、画像を形成することを更に包含する方法
【請求項31】
請求項26記載の方法であって、前記加熱工程(e)は、前記第1の混合物を溶融混練することを更に包含する方法。
【請求項32】
請求項26記載の方法であって、前記加熱工程(e)は、前記第1の混合物を押出すことを更に包含する方法。
【請求項33】
請求項26記載の方法であって、前記粉砕工程(g)の結果、平均体積粒子径が約9〜約20ミクロンで、1.3〜1.7の広範な幾何学的サイズ分布を持つ粒子を有するカラートナー組成物が形成される方法。
【請求項34】
請求項26記載の方法であって、前記方法は、前記カラートナー組成物をトナー粒子の粒子サイズにより分級し、それにより、望ましくない細かい体積粒子径を有するトナー粒子を分離し、取除く工程を更に包含する方法。
【請求項35】
請求項26記載の方法であって、前記組成物は、更に現像剤組成物としての使用に適合されており、前記現像剤組成物は、前記第1の混合物に、磁気的に活性なキャリア粒子の組合わせを追加的に含むものである方法。
【請求項36】
(a)少なくとも一種の熱可塑性樹脂;
(b)荷電制御剤;及び
(c)ポリマー着色剤。
を含む電子写真印刷用に適合された粒状カラートナー組成物。
【請求項37】
請求項36記載の粒状カラートナー組成物であって、前記ポリマー着色剤が下記の式により表される粒状のカラートナー組成物。
R-[E(オリゴマー成分-X)nm
(ここで、
Rは、有機色素ラジカルであり、そして、Eは、N、O、S、SO3、SON、或いはCOからなる群より選択される結合基であり、そして、
ここで、前記オリゴマー成分は、以下の(a)、(b)、或いは(c)より選択され;
(a)2価のオリゴマーアルキレンオキサイドラジカル及びオリゴマーアルキレンオキサイド共重合体であって、その「オリゴマー成分」のアルキレン部分は2或いはそれ以上の炭素原子を含み、そして、そのような「オリゴマー成分」は、44〜約3000の分子量を有し、その「アルキレンオキサイド」は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、グリシドール及びそれらの誘導体で例示される;
(b)下記式の構造を有する2価の脂肪族オリゴマーエステルラジカル
【化4】

ここで、
及びRは、それぞれ独立してH或いはC-C10アルキル基より選択され、fは、1〜10の整数を包含し、gは、1〜20の正の整数及び分数を包含する;
(c)オリゴマーアルキレンオキサイドラジカル及び脂肪族オリゴマーエステルラジカルとの組合わせ;及び
(d)更に、ここで、Xは、H、OH、SH、NH、アルキル、アリール、アルキルエステル、アリールエステル、有機スルホネート及び有機スルフェート、アミドからなる群より選択され;そして
(e)更に、ここで、n及びmは、独立して1〜5の整数から選択される。)
【請求項38】
請求項37記載の組成物であって、前記ポリマー着色剤は、構造式
【化5】

(ここで、
R或いはR(G)hは、色素ラジカルであり;
Gは、-SO或いは-COからなる群より選択され;
は、H、アルキル基、アリール基を含み;
Mは、窒素或いは燐を含み;
hは、1〜4の整数を包含し;
kは、0〜5の整数を包含し;そして
jは、1〜6の整数を包含し、Mが窒素のとき(k+j)=4であり、Mが燐のとき、(k+j)=6である。)
で表される組成物。
【請求項39】
請求項36記載の組成物であって、前記トナーは、まず、前記樹脂と前記ポリマー着色剤とを共重合せしめて共重合体を形成し、次いで前記共重合体と荷電制御剤組成物とを混合し、次いで、前記混合した組成物を粉砕して粒子とし、前記トナー組成物を形成することにより製造される、組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−527462(P2008−527462A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552203(P2007−552203)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/001526
【国際公開番号】WO2006/078616
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【出願人】(507242329)ダイナテック・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】