説明

カラーフィルタの欠陥修正方法及びカラーフィルタ基板

【課題】修正領域が画素内の広範囲に及ぶ場合においても、修正部の盛り上がりもしくは窪みを最小限に抑え、要求される所定の色相を再現し、かつ、パネル化した際に液晶層のセルギャップ不良を生じることなく要求品質を確保することができるカラーフィルタの欠陥修正方法、及び、その欠陥修正方法によって欠陥部分が修正されたカラーフィルタ基板を提供する。
【解決手段】ガラス基板上に少なくとも着色層、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタの欠陥修正方法において、予め前記カラーフィルタの欠陥修正部分にレーザーを照射して前記欠陥修正部分をレーザーアブレーションにより除去する工程と、着色層を修正するための修正用インキを用いて前記修正部分を区画するための格子を形成する工程と、前記格子により区画された領域に前記修正用インキを塗布・乾燥・硬化して欠陥を修正する工程と、をこの順に具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等に用いるカラーフィルタの欠陥修正方法に関し、ガラス基板あるいはTFT基板上に形成されたカラーフィルタの欠陥修正方法、及び、その欠陥修正方法によって欠陥部分が修正されたカラーフィルタ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示装置はコンピュータ端末表示装置、テレビ画像表示装置を中心に急速に普及が進んでいる。このカラー液晶表示装置は、アレイ基板と、このアレイ基板に所定の隙間を保持して対向配置された対向基板と、これら2つの基板間に狭持された液晶層と、から構成される液晶表示素子を備えており、アレイ基板および対向基板のいずれか一方の基板には、カラー化のために通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の着色層からなるカラーフィルタが設けられている。
【0003】
近年、この液晶表示装置には、高コントラスト化、高視野角化、低消費電力等の様々な要求があり、液晶表示装置のカラー表示化には必要不可欠なカラーフィルタにおいても同様の要求を達成する必要がある。一方で、カラー液晶表示装置は、その需要の増加に伴い、コストダウンに対する要求が高くなっている。カラーフィルタは、カラー液晶表示装置の部材の中でも製品価格に占める割合が高い為、より一層の低価格化が求められている。しかしながら、基板の大型化の進展に対して、カラーフィルタの製造工程でより高い歩留まりを維持する事は困難になりつつある。
【0004】
そこで、液晶表示装置用カラーフィルタ基板の製造工程において、歩留まりを改善するためにカラーフィルタ基板中の欠陥を修正している。一般に、対向基板に設けられている液晶表示装置用カラーフィルタは、ガラス基板上に、ブラックマトリックス、着色画素、透明導電膜、柱状スペーサおよび配向制御用突起が複数の工程で順次形成されている。
【0005】
カラーフィルタの製造工程において、代表的な不良の一つとして、ピンホールのように画素部の一部が欠落したものや、「異物」が付着する欠陥が挙げられる。この異物には、レジスト材料の硬化片や、装置のベアリング削れ等による金属片、あるいは埃などの多様なバリエーションが存在する。カラーフィルタ製造の中間工程において欠陥が発生した場合、欠陥部をレーザーで除去した後、各構成層に対応した修正用インクをそれぞれ塗布して硬化させることにより良品となるカラーフィルタ基板とする欠陥修正方法がある。
【0006】
着色層の修正に関しては、特許文献1に開示されているように、まず異物近傍の欠陥部をレーザーで除去して微小な白欠陥部とすることが従来より行われてきた。その後、液晶表示装置の高精細化、高品位化への必要性から、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に開示されているように、レーザーにより欠陥部が除去・トリミングされた被修正面(白欠陥部)に、塗布針方式やディスペンス方式あるいはインクジェット方式を用いて、極微量の修正液を塗布して硬化させることにより良品とする修正方法が採用・実用化されている。
【0007】
ガラス基板上に形成されたカラーフィルタのレーザーリペアによる修正方法については上記特許文献以外にも、例えば、特許文献5,6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19に技術が開示されており、現在の量産品種の修正においては公知の対応方法として実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平06−100683号公報
【特許文献2】特許第3381911号明細書
【特許文献3】特開2006−145786号公報
【特許文献4】特開2006−030283号公報
【特許文献5】特開2010−102063号公報
【特許文献6】特開2009−198869号公報
【特許文献7】特開2009−145533号公報
【特許文献8】特開2009−36804号公報
【特許文献9】特開2010−102063号公報
【特許文献10】特開2010−224359号公報
【特許文献11】特開2009−271452号公報
【特許文献12】特開2009−271274号公報
【特許文献13】特開2009−198869号公報
【特許文献14】特開2009−36804号公報
【特許文献15】特開2008−224942号公報
【特許文献16】特開2009−9013号公報
【特許文献17】特開2008−145828号公報
【特許文献18】特開2007−101809号公報
【特許文献19】特開2004−325837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した、特許文献に示されたカラーフィルタのレーザー修正において、着色層(RGB他)およびブラックマトリックス(BM)等からなるカラーフィルタ層の欠陥部分を修正する際、一般にYAGレーザー(波長:266nm、355nm、532nm、1064nm)等を用いレーザーアブレーションにて除去し、着色層が除去された対象となる凹部に周囲の着色部と同様に着色した修正液を塗布して凹みを埋める方法が一般的である。修正液の塗り方としては、前述したようにディスペンサーを用いて微少量を吐出する方法などがある。修正液の乾燥には、溶剤系の液の場合は、修正部にIR(赤外線)ヒーターなどの外部熱源を近づけ、溶剤を揮発させる。しかし、修正領域が画素内の広範囲に及ぶ場合、修正液の塗布時の表面張力の影響や、熱もしくは紫外線硬化時の塗膜の流動により、修正部の表面が、正常部(未修正の画素部)に比べ盛り上がりもしくは窪みが発生するため、所定の色相を得ることが困難な場合や、パネル化した際に液晶層のセルギャップ不良となり、品質を確保できない問題があった。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、修正領域が画素内の広範囲に及ぶ場合においても、修正部の盛り上がりもしくは窪みを最小限に抑え、要求される所定の色相を再現し、かつ、パネル化した際に液晶層のセルギャップ不良を生じることなく要求品質を確保することができるカラーフィルタの欠陥修正方法、及び、その欠陥修正方法によって欠陥部分が修正されたカラーフィルタ基板を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明の請求項1に係る発明は、ガラス基板上に少なくとも着色層、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタの欠陥修正方法において、予め前記カラーフィルタの欠陥修正部分にレーザーを照射して前記欠陥修正部分をレーザーアブレーションにより除去する工程と、着色層を修正するための修正用インキを用いて前記修正部分を区画するための格子を形成する工程と、前記格子により区画された領域に前記修正用インキを塗布・乾燥・硬化して欠陥を修正する工程と、をこの順に具備することを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正方法である。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記修正部分を区画するための格子を形成する工程が、前記修正部分に修正用インキを塗布する段階と、熱により前記修正用インキを乾燥する段階と、紫外線照射により前記修正用インキを硬化する段階と、硬化された前記修正用インキをレーザーアブレーションにより所定の矩形に区画する段階と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法である。
【0013】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記修正部分を区画するための格子は、修正インクを塗布する領域を、2区画以上に細分化していることを特徴とする請求項1または2に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法である。
【0014】
次に、本発明の請求項4に係る発明は、ガラス基板上に少なくとも着色層、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタを有する液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法によって、欠陥部分が修正されたことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法では、ガラス基板又はTFT基板上に形成された着色層(RGB他)およびブラックマトリックス(BM)などのカラーフィルタ層の欠陥修正部分をレーザーアブレーションにより除去した上で、修正用インキを用いた格子を形成して修正対象領域を区画し、最終的な修正用インキを塗布する領域を細分化させることで修正領域の膜厚分布および色相分布をより正確に制御することが可能となる。そのため、本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法では、修正領域が画素内の広範囲に及ぶ場合においても、修正部の盛り上がりもしくは窪みを最小限に抑え、要求される所定の色相を再現し、かつ、パネル化した際に液晶層のセルギャップ不良を生じることなく要求品質を確保したカラーフィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のカラーフィルタの欠陥修正方法の、一例の工程を斜視で示す説明図である。
【図2】図1に示した、従来のカラーフィルタの欠陥修正方法による修正箇所の状態を示す説明図である。
【図3】本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法の、一実施形態例の工程を斜視で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法を、一実施形態例に基づいて以下に説明する。
【0018】
本発明の欠陥修正方法が適用される液晶表示装置用カラーフィルタ基板は、図示しないが、カラー化のために通常、ガラス基板上にブラックマトリックスで区画された複数色の赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色等の着色画素からなるカラーフィルタが設けられている。複数色には上記した赤、緑、青(RGB)の組み合わせやそれらにイエロー、マゼンダ、シアンを追加した組み合わせが挙げられる。
【0019】
ガラス基板上への着色層および遮光層の作製方法は、公知のインクジェット法、印刷法、フォトリソグラフィ法、エッチング法など何れかの方法で作製できる。高精細、分光特性の制御性及び再現性等を考慮すれば、透明な樹脂中に顔料を、光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶剤に分散させた着色樹脂組成物をガラス基板上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜にパターン露光し、現像することで一色の着色層を形成する工程を各色毎に繰り返し行って着色画素を形成するフォトリソグラフィ法が好ましい。
【0020】
本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法を適用する場合、まず、上記したガラス基板上への着色層および遮光層の作製工程において、欠陥を検出する。上記したカラーフィルタ付基板を、図示しない検査機で検査し、欠陥を検出した場合、欠陥の位置を座標データとして記録し、図示しない修正装置へ転送する。以下、欠陥修正装置における作業となる。
【0021】
上記位置データに基づき、基板上にカラーフィルタ用レジストを用いて形成されたカラーフィルタ層の任意の修正箇所を、YAGレーザー(355nm)にてレーザーアブレーションを行い除去する。ここで、レーザー光源は、強度可変のレーザー光源が選定される。昇華時に必要な光強度を確保するためにYAGレーザーを用いることが好ましい。また、レーザー波長としては、355nmの他、266nm、532nm、1064nm等を用いても良い。レーザーは、特にこのタイプに限定されず、カラーフィルタ層が除去されるエネルギーを持つレーザーであればよい。一例として、アブレーションに必要なレーザーエネルギー強度の値は、赤(R)で18、緑(G)で13、青(B)で13程度である。ここで、レーザー条件を波長355nm、周波数20Hz、レーザーショット数20Shotの場合で、レーザーエネルギー強度の単位として発振出力2mJを0.5単位で100分割した値をエネルギー強度1と規定している。すなわち、レーザーエネルギー強度1=1.0×10−2[mJ/強度]である。
【0022】
以上の如く、カラーフィルタの欠陥修正部分にレーザーを照射して欠陥修正部分の着色層をレーザーアブレーションにより除去した後、次に、着色層を再形成することで着色画素を再生させる。以下の説明では、修正領域が画素内の広範囲に及ぶ例として、修正対象箇所の大きさを100μm×200μm□の矩形として説明する。
【0023】
図1は、従来のカラーフィルタの欠陥修正方法の、一例の工程を斜視で示す説明図である。図1(a)は、着色層2の前記した欠陥修正部分(点線で囲まれた部分)3が座標データとして記録されて修正装置へ転送されたガラス基板1の部分を示す。まず、図1(b)に示すように、修正対象箇所をレーザーアブレーション除去により矩形状(100μm×200μm□)のレーザーアブレーション除去部4にくり抜く。次に、図1(c)に示すように、レーザーアブレーション除去によりくり抜かれた矩形状の修正対象箇所にディスペンサーを用いて、修正用インキ5を塗布する。次に、図1(d)に示すように、塗布された修正用インキに対して赤外線(IR)熱源を用いて修正用インキを乾燥させることにより所定の膜厚とし、最後に、所定膜厚とした修正用インキ部に紫外線照射を行うことで、修正用インキ部を硬化させ、修正された着色層50が得られる。なお、修正用インキは修正対象画素の色仕様に合わせたインキを用いて行う。
【0024】
図2は、上述した、従来のカラーフィルタの欠陥修正方法による修正箇所の状態を示す説明図である。図2(a)は、修正箇所の模式図であり、図2(b)は、図2(a)に示す修正箇所のX−X’線での断面の膜厚プロファイルである。図2(c)は修正後の修正箇所の透過写真である。従来のカラーフィルタの欠陥修正方法において、100μm×200μm□の様に広範囲の修正を一括で行った場合、図2に示すように、修正液の塗布時の表面張力の影響や、熱もしくは紫外線硬化時の塗膜の流動により、修正部の表面が正常部(未修正の画素部)に比べ盛り上がりもしくは窪みが発生する。この為、修正箇所の色相の均一性を確保することが出来ず、パネル化の際に表示不良となってしまう。
【0025】
それに対して、図3に、本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法の、一実施形態例の工程を斜視で示す。図3(a)は、着色層2の前記した欠陥修正部分(点線で囲まれた部分)3が座標データとして記録されて修正装置へ転送されたガラス基板1の部分を示す。まず、図3(b)に示すように、修正対象箇所の着色層をレーザーアブレーション除去により矩形状(100μm×200μm□)のレーザーアブレーション除去部4にくり抜く。ここまでは、従来の修正方法と同じである。次に、本発明においては、図3(c)に示すように、レーザーアブレーション除去によりくり抜かれた矩形状の修正対象箇所に、修正インキを用い、修正部分を区画するための格子6を形成する。次に、図3(d)に示すように、格子形成されて少なくとも2分割以下に小さく区画された部分にそれぞれ修正用インキ5を塗布する。次に、図3(e)に示すように、塗布された修正用インキに対して赤外線(IR)熱源を用いて修正用インキを乾燥させることにより所定の膜厚とし、最後に、所定膜厚とした修正用インキ部に紫外線照射を行うことで、修正用インキ部を硬化させ、修正された着色層50が得られる。る。なお、修正用インキは修正対象画素の色仕様に合わせたインキを用いる。
【0026】
上記した格子6の形成工程は、図示しないが、ディスペンサーを用いて修正部分に修正用インキを塗布する段階と、熱により修正用インキを乾燥する段階と、紫外線照射により修正用インキを硬化する段階と、硬化された修正用インキをレーザーアブレーションにより所定の矩形状に区画する段階とから構成されている。格子形成は、修正対象領域の広がりと、用いる修正用インキの特性によって適宜選択され、少なくとも2分割以上で小さく区画する。なお、この硬化した修正用インキのレーザーアブレーションによる格子形成には、前述したYAGレーザーを用いて、同様のレーザーエネルギー強度の値を用いることが可能である。
【0027】
本発明においては、修正用インキを用いた格子を形成して修正対象領域を区画し、最終的な修正用インキを塗布する領域を細分化させることで修正領域の膜厚分布および色相分布をより正確に制御することが可能となる。以下に、本発明に係る修正用インキを説明する。
【0028】
本発明が対象とするカラーフィルタ上の欠陥部及びその周囲を含め取り除いた領域は比較的大きな面積を占めており、このような場合従来一般的には、粘度を低めに調整した紫外線硬化樹脂を使用した修正用インキが用いられてきた。このような修正用インキは乾燥硬化時に体積収縮を起こすが、その制御が難しく所定の形状を正確に再現できない問題があった。それに対して、本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法では、最終的な修正用イ
ンキを塗布する領域が細分化されているため、欠陥部の周囲を汚染することなしに厚く塗ることが可能で、厚く塗っても膜厚を所望の値まで低減できる、単官能モノマーを希釈溶媒として使用して、従来組成よりも着色顔料濃度を低く設定した修正用インキが使用可能である。このような修正用インキとしては、例えば、特開2011−63683号公報に記載されたものが使用可能である。
【0029】
以上の説明では、紫外線硬化タイプの修正用インキで説明を行ったが、本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法においては、熱硬化タイプの修正用インキも使用可能である。以下にその組成例を示す。
[熱硬化性樹脂の組成例]
・メラミン樹脂、エポキシ樹脂 20〜30質量%
・単官能モノマー 20〜30質量%
・多官能モノマー 20〜30質量%
・溶剤 10〜20質量%
・顔料 10〜20質量%
・分散剤 0〜5質量%
[UV硬化性樹脂の組成例]
・顔料 10〜20質量%
・単官能モノマー 20〜30質量%
・ウレタンアクリルモノマー 20〜30質量%
・溶剤 10〜20質量%
・光重合開始剤 0.1〜10質量%
また、カラーフィルタ欠陥修正用の修正用インキに用いられる単官能モノマー及び多官能モノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、イソシアヌル酸E
O変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性アクリレート、ジペンタエリスリトール、カプロラクトン等の各種アクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
【0030】
また、カラーフィルタ欠陥修正用の修正用インキに用いられる光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイルー4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ-ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0031】
以下に、カラーフィルタ欠陥修正用の修正用インキに用いられる着色顔料の具体例をカラーインデックス(C.I.)ナンバーとして示す。
【0032】
赤色画素を形成するための赤色修正用インキには、例えばC.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6、7、9、10、14、17,22,23,31,38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67、81:1、81:3、81:x、83,88,90、97、112,119、122、123、144、146、149、166、168、169,170,171,172,175,176、177、178、179、180、184、185、187、188,190、192、200、202、206,207、208、209、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色修正用インキには、黄色顔料、橙色顔料を併用することができる。
【0033】
黄色顔料としてはC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
【0034】
また、橙色顔料としてはC.I. Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34、36、38、43、46,48,49、51、52、55、59、60、61、62,64、71、73等が挙げられる。
【0035】
緑色画素を形成するための緑色修正用インキには、例えばC.I. Pigment Green 1,1:x、2,2:x、4、7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色修正用インキには赤色修正用インキと同様の黄色顔料を併用することができる。
【0036】
青色画素を形成するための青色修正用インキには、例えばC.I. Pigment Blue 1,1:2,1:x、9:x、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、24,24:x、56、60、61、62、80等の青色顔料を用いることができる。また、青色修正用インキには、C.I. Pigment Violet 1、1:x、3,3:x、5:119、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
【0037】
また、修正用インキには、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度等を確保するために、無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を添加することもできる。
【0038】
本発明に好ましく用いることの出来る修正用インキとして、上記以外の分散剤や固形分についての詳細は省力するが、この修正用インキ組成の特徴は、着色顔料の含有量が低く設定され、それに対して単官能モノマーが相対的に多めに設定されている。そのため、前述したように、本発明のカラーフィルタの欠陥修正方法では、最終的な修正用インキを塗布する領域が細分化されていることで、分割された小さな領域にこの修正用インキを厚く塗ることが可能で、厚く塗っても膜厚を所望の値まで低減できることから、修正部の盛り上がりもしくは窪みを最小限に抑え、要求される所定の色相を再現し、かつ、パネル化した際に液晶層のセルギャップ不良を生じることなく要求品質を確保したカラーフィルタを得ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・ガラス基板 2・・着色層(R、G、B) 3・・欠陥修正部分(修正箇所)
4・・アブレーション除去部 5・・修正用インキ 50・・修正された着色層 6・・格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板上に少なくとも着色層、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタの欠陥修正方法において、予め前記カラーフィルタの欠陥修正部分にレーザーを照射して前記欠陥修正部分をレーザーアブレーションにより除去する工程と、着色層を修正するための修正用インキを用いて前記修正部分を区画するための格子を形成する工程と、前記格子により区画された領域に前記修正用インキを塗布・乾燥・硬化して欠陥を修正する工程と、をこの順に具備することを特徴とするカラーフィルタの欠陥修正方法。
【請求項2】
前記修正部分を区画するための格子を形成する工程が、前記修正部分に修正用インキを塗布する段階と、熱により前記修正用インキを乾燥する段階と、紫外線照射により前記修正用インキを硬化する段階と、硬化された前記修正用インキをレーザーアブレーションにより所定の矩形に区画する段階と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法。
【請求項3】
前記修正部分を区画するための格子は、修正インクを塗布する領域を、2区画以上に細分化していることを特徴とする請求項1または2に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法。
【請求項4】
ガラス基板上に少なくとも着色層、ブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタを有する液晶表示装置用カラーフィルタ基板であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載するカラーフィルタの欠陥修正方法によって、欠陥部分が修正されたことを特徴とするカラーフィルタ基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−41137(P2013−41137A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178290(P2011−178290)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】