説明

カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ、タッチパネル機能付き表示装置および多面付けワーク基板の製造方法

【課題】タッチパネルセンサ部が静電気により損傷するのを防ぐことができるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11の一面11aには、タッチパネルセンサ部10と、導電性を有する除電パターン21とが設けられている。この除電パターン21は、タッチパネルセンサ部10の電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触していない。また、この除電パターン21は、少なくとも部分的に保護層22により覆われている。このため、静電気により保護層22が帯電した場合であっても、保護層22の電荷を除電パターン21に逃がすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルセンサ部とカラーフィルタ部とを備えたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサに関する。また本発明は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと表示基板とを備えたタッチパネル機能付き表示装置に関する。また本発明は、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル機能を実現するためのタッチパネルセンサとして、静電容量式のタッチパネルセンサが知られている。容量結合式タッチパネルセンサにおいては、人間の指などの外部導体がタッチパネルセンサに接触(接近)するときに発生する静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における人間の指などの外部導体の位置を検出する。静電容量式タッチパネルセンサには表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている。
【0003】
このようなタッチパネルセンサの形態として、タッチパネルセンサとカラーフィルタとを1つの基板上に形成したカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが知られている。例えば特許文献1において、基板と、基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、基板の他面上に設けられたカラーフィルタ部と、を備えたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが提案されている。
【0004】
ところで、タッチパネルセンサおよびカラーフィルタは、一般に、はじめに基板上に塗工液を塗布し、次に基板上の塗工液を固化して層を形成し、その後、層をエッチングなどの方法を用いて加工することによって製造される。ここで、基板上に塗工液を塗布する工程においては、例えば、支持台上に固定された基板に対して塗工液が塗布される。また、基板上の塗工液を固化させる工程においては、例えば、ホットプレートを用いた加熱により塗工液が固化される。また、エッチング方法としてウェットエッチング法が用いられる場合、加工された層に残る液がエアーナイフにより除去される。
【0005】
基板上にタッチパネルセンサおよびカラーフィルタを製造する際、様々な原因により静電気が発生し得ることが知られている。静電気が発生する原因としては、例えば、支持台またはホットプレートから基板を剥離させる際の剥離帯電や、エアーナイフを用いた液切りの際の摩擦帯電などが挙げられる。このような静電気が放電すると、基板上に形成された層が損傷を受けるおそれがある。
【0006】
静電気に起因する層の損傷を防ぐため、特許文献2において、カラーフィルタのブラックマトリクス層の体積抵抗率を所定値以下にし、これによって、静電気の発生を低減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−160745号公報
【特許文献2】特開2001−147314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造工程においては、一般に、はじめに基板の一面上にタッチパネルセンサ部が形成され、次に基板の他面上にカラーフィルタ部が形成される。一般に、カラーフィルタ部の形成工程においては、基板の一面側を下方に向けた状態で基板が搬送される。このため、基板の搬送の際、基板の一面上に形成されているタッチパネルセンサ部に静電気が発生することが考えられる。このため、基板の一面側に、静電気の発生を抑制するための何らかの機構を設ける必要がある。
【0009】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサおよびタッチパネル機能付き表示装置を提供することを目的とする。また本発明は、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明は、基板と、前記基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、前記基板の他面上に設けられ、複数色の着色層を有するカラーフィルタ部と、を備え、
前記タッチパネルセンサ部は、前記基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有し、前記基板の前記一面上に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられており、前記除電パターンは、前記電極パターン、前記端子部および前記導電パターンのいずれにも接触しておらず、前記除電パターンは、少なくとも部分的に前記保護層により覆われていることを特徴とするカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサである。
【0011】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記除電パターンが、前記電極パターンまたは前記導電パターンと同一の材料からなっている。
【0012】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、複数の導電パターンは、部分的に互いに平行に延びていてもよい。この場合、好ましくは、前記除電パターンは、最も外側の導電パターンと部分的に平行に延び、最も外側の導電パターンと前記除電パターンの間の間隔は、隣接する導電パターン間の間隔よりも大きくなっている。
【0013】
第1の本発明によるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサにおいて、前記基板は、4辺から構成される矩形形状を有していてもよい。この場合、好ましくは、前記除電パターンは、4辺のうち少なくとも1辺に達するとともに、当該1辺から前記保護層まで延びている。
【0014】
第2の本発明は、上記記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの前記カラーフィルタ部側に設けられた表示基板と、を備えたことを特徴とするタッチパネル機能付き表示装置である。
【0015】
第3の本発明は、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法において、ワーク基板は一面および他面を有し、多面付けワーク基板の一面および他面は、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが形成される複数のチップ部と、各チップ部を囲む外枠部と、に区画され、各カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサは、ワーク基板の一面上に設けられるタッチパネルセンサ部と、ワーク基板の他面上に設けられるカラーフィルタ部と、を有し、多面付けワーク基板の製造方法は、ワーク基板を準備する工程と、ワーク基板の一面上の各チップ部に前記タッチパネルセンサ部を形成する工程と、ワーク基板の一面上の外枠部に導電性を有する外枠除電パターンを設ける工程と、ワーク基板の他面上の各チップ部に前記カラーフィルタ部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする多面付けワーク基板の製造方法である。
【0016】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法において、前記タッチパネルセンサ部は、前記ワーク基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記ワーク基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記ワーク基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有していてもよい。
この場合、好ましくは、前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記電極パターンまたは前記導電パターンと同一の材料からなっている。
例えば、前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記電極パターンと同一の材料からなっている。この場合、前記外枠除電パターンは、前記電極パターンと同時に形成されてもよい。
若しくは、前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記導電パターンと同一の材料からなっている。この場合、前記外枠除電パターンは、前記導電パターンと同時に形成されてもよい。
【0017】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法において、前記ワーク基板の前記一面上の各チップ部内に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられていてもよい。この場合、好ましくは、ワーク基板の前記外枠部に設けられた前記外枠除電パターンは、各除電パターンに電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0018】
第1および第2の本発明によれば、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの基板の一面上には、タッチパネルセンサ部と、導電性を有する除電パターンとが設けられている。この除電パターンは、タッチパネルセンサ部の電極パターン、端子部および導電パターンのいずれにも接触していない。また、この除電パターンは、少なくとも部分的に保護層により覆われている。このため、静電気により保護層が帯電した場合であっても、保護層の電荷を除電パターンに逃がすことができる。これによって、保護層の帯電量が大きくなるのを抑制することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、電極パターン、端子部および導電パターンが損傷するのを防ぐことができる。また、仮に放電が生じるとしても、除電パターンを設けることにより、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部ではなく除電パターンにすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。
【0019】
第3の本発明による多面付けワーク基板の製造方法は、ワーク基板の一面上の各チップ部にタッチパネルセンサ部を形成する工程と、ワーク基板の一面上の外枠部に導電性を有する外枠除電パターンを設ける工程と、ワーク基板の他面上の各チップ部にカラーフィルタ部を形成する工程と、を備えている。このため、ワーク基板の他面上にカラーフィルタ部を形成する間、ワーク基板に発生し得る静電気を低減することができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができ、これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。また、仮に放電が生じるとしても、外枠除電パターンを設けることにより、放電の発生箇所を、タッチパネルセンサ部ではなく外枠除電パターンにすることができる。これによって、タッチパネルセンサ部が損傷するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本実施の第1の実施の形態におけるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサを示す平面図。
【図2A】図2Aは、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをIIA−IIA方向から見た縦断面図。
【図2B】図2Bは、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサをIIB−IIB方向から見た縦断面図。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態における表示装置を示す縦断面図、図3(b)は、図3(a)の表示装置のカラーフィルタ部を矢印IIIb−IIIbから見た図、図2(c)は、図2(a)の表示装置の表示基板を矢印IIIc−IIIcから見た図。
【図4A】図4Aは、本発明の第1の実施の形態において、ワーク基板上に電極パターンおよび除電部が形成された状態を示す平面図。
【図4B】図4Bは、図4Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図5A】図5Aは、本発明の第1の実施の形態において、ワーク基板上に導電パターンおよび端子部が形成された状態を示す平面図。
【図5B】図5Bは、図5Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図6】図6は、カラーフィルタ部を形成する方法を示す図。
【図7】図7(a)(b)は、ワーク基板が支持台から剥離される様子を示す図。
【図8A】図8Aは、本発明の第2の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図。
【図8B】図8Bは、図8Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図9A】図9Aは、本発明の第3の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図。
【図9B】図9Bは、図9Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【図10A】図10Aは、本発明の第4の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図。
【図10B】図10Bは、図10Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1乃至図7(a)(b)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図3(a)(b)(c)により、本実施の形態におけるタッチパネル機能付き表示装置60全体について説明する。なお本実施の形態においては、タッチパネル機能付き表示装置60の例として、タッチパネル機能付き液晶表示装置を示している。しかしながら、これに限定されることはなく、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなど、タッチパネル機能を備えたその他の表示装置の場合においても、本願発明を適用することにより、タッチパネル機能付き液晶表示装置の場合と同様の効果を得ることができる。
【0022】
表示装置
図3(a)に示すように、タッチパネル機能付きの表示装置60は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20と、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20に対向するよう設けられたTFT基板(表示基板)50と、を備えている。図3(a)に示すように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、基板11と、基板11の一面11a上に設けられたタッチパネルセンサ部10と、基板11の他面11b上に設けられたカラーフィルタ部30と、を有している。また、TFT基板50は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のカラーフィルタ部30と対向するよう設けられている。すなわち、基板11の他面11b側が表示基板(TFT基板)側となっており、基板11の一面11a側が観察者側となっている。
【0023】
図3(a)に示すように、カラーフィルタ部30とTFT基板50との間には液晶40が充填されており、この液晶40は封止材41により封止されている。なお図示はしないが、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20のタッチパネルセンサ部10上には、透光性を有した保護カバーが透明接着剤などを介して設けられていてもよい。保護カバーは、タッチパネルセンサ部10および表示装置60を保護するためのものであり、タッチパネル機能付き表示装置60の入力面(タッチ面、接触面)として機能する。
【0024】
図3(c)は、図3(a)に示す表示装置60のTFT基板50を矢印IIIc−IIIcの方向から見た場合を示す図である。図3(c)に示すように、TFT基板50は、基板51と、液晶40に印加される電圧を制御する複数の透明電極部52と、透明電極部52に制御電圧を印加する配線部53とを有している。このうち各透明電極部52は、各々が表示装置60の単位画素に対応している。
【0025】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ
次に図1乃至図2Bおよび図3(a)(b)を参照して、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20について説明する。上述のように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、基板11と、基板11の一面11a上に設けられたタッチパネルセンサ部10と、基板11の他面11b上に設けられたカラーフィルタ部30と、を有している。
【0026】
基板11は、図1に示すように、4辺から構成される矩形形状を有している。しかしながら、基板11の形状が矩形に限られることはなく、基板11の形状として、多角形や円形などが適宜選択され得る。この基板11の材料は、TFT基板50の発光を外部に取り出すことができ、かつ水分および酸素を効率的に遮断することができる限り特に限定されるものではない。例えば、光透過性、安定性や耐久性等に優れたガラスやポリマー等を使用することができる。
【0027】
カラーフィルタ部
次に図3(a)(b)を参照して、カラーフィルタ部30について説明する。図3(b)は、図3(a)に示す表示装置60のカラーフィルタ部30を矢印IIIb−IIIbの方向から見た場合を示す図である。図3(b)に示すように、カラーフィルタ部30は、基板11と、基板11の他面11b上に設けられたブラックマトリクス層31と、基板11の他面11b上でブラックマトリクス層31間に設けられた複数色の着色層32と、を有している。
【0028】
カラーフィルタ部30のブラックマトリックス層31は、カラーフィルタ部30の法線方向から見て上述したTFT基板50の配線部53に重なり合うよう配置されている。ブラックマトリックス層31としては、遮光性を有する材料からなる層が用いられる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングして形成したもの、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングして形成したもの、および、カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングして形成したもの等、遮光性を有するものが用いられ得る。ブラックマトリックス層31の厚さは、要求される遮光性などに応じて適宜調整される。
【0029】
複数色の着色層32は、TFT基板50および液晶40を通った光の色を調整するものであり、少なくとも、赤色着色層、青色着色層および緑色着色層を含んでいる。
このうち赤色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
青色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
緑色着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料または染料は、単独で用いられてもよく、若しくは、2種以上が混合されて用いられてもよい。
複数色の着色層32が上記の赤色着色層、青色着色層および緑色着色層に限られることは無く、その他の色の着色層、例えば黄色着色層が含まれていてもよい。
【0030】
なお、ブラックマトリクス層31および着色層32と液晶40の間に保護膜(図示せず)が設けられていてもよい。保護膜の材料としては、珪素、アルミニウム、亜鉛またはスズの酸化物または酸窒化物からなる透明材料、あるいはアクリル樹脂等の有機絶縁膜を挙げることができる。また、ブラックマトリクス層31及び着色層32の表面に、画素表示用の共通透明電極(図示せず)が設けられていてもよい。さらに、ブラックマトリクス層31上に、カラーフィルタ部30とTFT基板50との間の空隙を保持するためのスペーサ(図示せず)が設けられていてもよい。
【0031】
タッチパネルセンサ部
次に図1乃至図2Bを参照して、タッチパネルセンサ部10について説明する。図1は、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20をタッチパネルセンサ部10側から見た場合を示す平面図である。図2Aまたは図2Bはそれぞれ、図1のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20をIIA−IIA方向またはIIB−IIB方向から見た縦断面図である。
【0032】
タッチパネルセンサ部10は、基板11の一面11a上に所定パターンで設けられた複数の電極パターン13,15と、基板11の一面11a上に設けられた複数の端子部17と、基板11の一面11a上に設けられた複数の導電パターン14,16と、を有している。このうち複数の端子部17は、各々が各電極パターン13,15に一対一で対応するよう設けられている。また複数の導電パターン14,16は、各々が各電極パターン13,15と各端子部17との間を電気的に接続するよう設けられている。また基板11の一面11a上には、各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16を覆う保護層22がさらに設けられている。なお図1においては、説明の便宜上、保護層22が一点鎖線により表されている。
【0033】
タッチパネルセンサ部10において、複数の電極パターン13,15が設けられている領域は、タッチパネルセンサ部10が表示装置60に組み込まれているときに画像が表示される表示領域となっている。一方、複数の導電パターン14,16および端子部17が設けられている領域は、画像が表示されない非表示領域となっている。
【0034】
(電極パターン)
はじめに電極パターン13,15について詳細に説明する。図1に示すように、複数の電極パターン13,15は、x方向に延びる複数のx電極パターン13と、y方向に延びる複数のy電極パターン15とからなっている。このうち各x電極パターン13は、略正方形の形状を有する複数のx電極単位13aと、隣接するx電極単位13a間を接続するx接続部13bと、を含んでいる。同様に、各y電極パターン15は、略正方形の形状を有する複数のy電極単位15aと、隣接するy電極単位15a間を接続するy接続部15bと、を含んでいる。x電極単位13aおよびy電極単位15aの寸法は、タッチパネルセンサ部10によって検知される指又はペン等に対する必要解像度により決定され、例えば5mm×5mmとなっている。なお、x電極単位13aおよびy電極単位15aの形状が正方形に限られることはなく、多角形や円形など様々な形状が適宜選択され得る。
【0035】
図2Aおよび図2Bに示すように、x接続部13bは、x電極単位13aおよびy電極単位15aと同一平面上に形成されている。一方、y接続部15bは、x電極単位13aおよびy電極単位15aよりも上方に配置されている。また、x接続部13bとy接続部15bが接触し、これによってx電極パターン13とy電極パターン15との間が導通するのを防ぐため、x接続部13bとy接続部15bとの間には絶縁層18が介在されている。なお説明の都合上、図1においては絶縁層18の表示を省略している。
【0036】
x電極単位13a,x接続部13b,y電極単位15aおよびy接続部15bはそれぞれ、導電性を有し、かつ透明な透明電極材料から構成されている。透明電極材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物が用いられる。これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
【0037】
透明電極材料を基板11上に設ける方法は特には限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、塗工法、印刷法などを用いることができる。また、設けられた透明電極材料をパターンニングしてx電極単位13a,x接続部13b,y電極単位15aおよびy接続部15bを形成する方法も特には限定されず、フォトリソグラフィー法など、様々なパターニング方法を適宜用いることができる。
【0038】
(導電パターンおよび端子部)
次に導電パターン14,16および端子部17について説明する。図1に示すように、複数の導電パターン14,16は、x電極パターン13と端子部17との間を電気的に接続するx導電パターン14と、y電極パターン15と端子部17との間を電気的に接続するy導電パターン16とからなっている。
【0039】
上述のように、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17はカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の非表示領域に設けられている。このため、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17を構成する材料が透明性を有する必要はない。従って、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17の材料として、好ましくは、前述の透明電極材料より高い電気伝導率を有する金属材料が用いられる。金属材料としては、例えば、アルミニウム、モリブデン、パラジウム、銀、クロム、銅等の金属及びそれらを主成分とする合金、あるいはそれら合金を含む積層体が用いられる。
【0040】
なお図1においては、端子部17の幅がx導電パターン14およびy導電パターン16の幅よりも大きくなっている例を示したが、これに限られることはない。端子部17が設けられる目的は、導電パターン14,16を介して伝達される電極パターン13,15からの信号を適切に外部に送るための部分を提供することである。本実施の形態において、端子部17は、導電パターン14,16に電気的に接続されており、かつ保護層22によって覆われていない部分として定義される。
【0041】
(保護層)
次に保護層22について説明する。保護層22は、各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16を外部から保護するための層である。例えば後述するように、基板11の他面11b上にカラーフィルタ部30を設ける際、既に基板11の一面11a上に設けられているタッチパネルセンサ部10の各電極パターン13,15及び各導電パターン14,16が損傷するのを防ぐための層である。また保護層22は、外部の水分を遮蔽するという役割も担っている。このような保護層22を構成する材料としては、絶縁性を有する材料が用いられ、例えば光硬化性アクリル樹脂が用いられる。
【0042】
次に、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の更なる構成要素について説明する。図1乃至図2Bに示すように、基板11の一面11a上には、導電性を有する除電パターン21がさらに設けられている。この除電パターン21は、図1に示すように、電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触しないよう設けられている。また除電パターン21は、少なくとも部分的に保護層22により覆われている。
【0043】
この除電パターン21は、静電気により電極パターン13,15および導電パターン14,16が損傷するのを防ぐことを意図して設けられるものである。例えば、このような除電パターン21を設けることにより、保護層22への帯電量を低減させることができると考えられる。また、この除電パターン21をカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の外部に設けられた適切な導電体(図示せず)に接続することにより、保護層22に帯電している電気を、除電パターン21を介して適切に逃がすことができると考えられる。さらに、仮に保護層22の静電気が放電した場合であっても、放電の際の電気の経路が電極パターン13,15および導電パターン14,16ではなく除電パターン21になることにより、電極パターン13,15および導電パターン14,16を保護することができると考えられる。
【0044】
除電パターン21を構成する材料としては、導電性を有する材料が適宜用いられる。好ましくは、除電パターン21を構成する材料として、電極パターン13,15または導電パターン14,16を構成する材料と同一のものが用いられる。これによって、電極パターン13,15または導電パターン14,16を形成する工程の際、同時に除電パターン21を形成することができる。これによって、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20を製造するための工数を低減することができる。
【0045】
次に、除電パターン21の具体的な形状についてさらに説明する。図1に示すように、除電パターン21は、基板11の外縁に達するよう延びている。このため、除電パターン21を、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の外部に設けられた適切な導電体に容易に接続させることができる。
【0046】
また図1に示すように、除電パターン21は、導電パターン14,16よりも外側に配置されている。なお「外側」とは、「基板11の外縁に近い側」という意味である。ここで、図1に示すように、複数の導電パターン14,16は、部分的に互いに平行に延びている。例えばx導電パターン14は、部分的に互いにy方向に延びている。また除電パターン21は、y方向に延びるx導電パターン14のうち最も外側のx導電パターン14と部分的に平行に延びている。この場合、隣接する2つのx導電パターン14間の間隔をdとし、最も外側のx導電パターン14と除電パターン21との間の間隔をdとすると、間隔dは間隔dよりも大きくなっている。これによって、最も外側のx導電パターン14と除電パターン21との間で容量結合が生じるのを抑制することができる。すなわち、除電パターン21を設けることに起因してx導電パターン14を伝達される信号が乱されるのを防ぐことができる。
【0047】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20および表示装置60の製造方法について説明する。
【0048】
カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの製造方法
ここでは、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を製造する方法について説明する。
【0049】
はじめに、図4A乃至図5Bに示すように、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられるワーク基板70を準備する。ワーク基板70は、一面70aと他面70bとを有している。またワーク基板70の一面70aおよび他面70bは、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が形成される複数のチップ部71と、各チップ部71を囲む外枠部72と、に区画される。図4A乃至図5Bにおいて、点線で囲まれた部分がチップ部71となっている。
【0050】
後述するように、多面付けワーク基板の製造方法において、はじめに、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にタッチパネルセンサ部10が形成され、次に、ワーク基板70の他面70b上の各チップ部71にカラーフィルタ部30が形成される。そして、必要に応じて各チップ部71を切り出すことにより、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が得られる。この場合、切り出されたワーク基板70が、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11となる。また、ワーク基板70の一面70aは基板11の一面11aに対応しており、ワーク基板70の他面70bは基板11の他面11bに対応している。
なお多面付けワーク基板70から各チップ部71を切り出す前に、多面付けワーク基板70とTFT基板50とが貼り合わされ、液晶セルの組み立てが行われてもよい。この場合、多面付けワーク基板70とTFT基板50とが貼り合わされた組立体から、個別の液晶セルが切り出される。
【0051】
(タッチパネルセンサ部の製造方法)
以下、図4A乃至図5Bを参照して、ワーク基板70の一面70a上にタッチパネルセンサ部10を形成する方法について説明する。図4Aおよび図5Aは、ワーク基板70の一面70a上にタッチパネルセンサ部10が形成される様子を段階的に示す図である。また図4Bまたは図5Bはそれぞれ、図4Aまたは図5Aに示すワーク基板70のチップ部71を拡大して示す図である。
【0052】
はじめに、図4Aおよび図4Bに示すように、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71に、x方向に延びる複数のx電極パターン13と、y方向に延びる複数のy電極パターン15とを形成する。例えば、はじめに一面70a上にx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成し、次にx接続部13b上に絶縁層18を形成し、その後に絶縁層18上にy接続部15bを形成する。
【0053】
また、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71に、導電性を有する除電パターン21を設ける。さらに、ワーク基板70の一面70a上の外枠部72に、導電性を有する外枠除電パターン74を形成する。この外枠除電パターン74は、好ましくは、可能な限り大きな面積を有するようベタパターンとして形成される。また外枠除電パターン74は、図4Aおよび図4Bに示すように、各チップ部71の除電パターン21に接続されている。各除電パターン21および外枠除電パターン74は、後述するように、ワーク基板70の一面70a側での帯電量を低減する除電部73として機能する。
【0054】
除電パターン21および外枠除電パターン74は、例えば、電極パターン13,15を構成する透明電極材料と同一のものから構成されている。この場合、好ましくは、除電パターン21および外枠除電パターン74は、上述のx電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aの形成の際に同時に形成される。若しくは、除電パターン21および外枠除電パターン74は、上述のy接続部15bの形成の際に同時に形成される。これによって、除電パターン21および外枠除電パターン74が、x電極単位13a,x接続部13bおよびy電極単位15aを形成する工程またはy接続部15bを形成する工程とは別々の工程で形成される場合よりも、より少ない工程でワーク基板70の一面70a上に除電パターン21および外枠除電パターン74を形成することができる。
【0055】
次に、図5Aおよび図5Bに示すように、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71に、x導電パターン14、y導電パターン16および端子部17を設ける。その後、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71に、各電極パターン13,15および各導電パターン14,16を覆う保護層22を設ける。このようにして、ワーク基板70の一面70a上の各チップ部71にタッチパネルセンサ部10が形成される。
【0056】
なお図4A乃至図5Bにおいては、はじめに電極パターン13,15が形成され、次に導電パターン14,16が形成され、その後に保護層22が形成される例を示したが、これに限られることはない。例えば、はじめに導電パターン14,16が形成され、次に電極パターン13,15が形成され、その後に保護層22が形成されてもよい。
【0057】
ところで図5Bに示すように、本実施の形態において、保護層22は各チップ部71内にのみ設けられる。すなわち、保護層22は、外枠部72には設けられない。そして外枠部72には、導電性を有する外枠除電パターン74が形成されている。このため、ワーク基板70の一面70a全域にわたって保護層が設けられている場合に比べて、ワーク基板70の一面70a上における保護層22の面積が小さくなっている。このことにより、後述するカラーフィルタ部30の形成工程において、保護層22の帯電量を小さくすることができる。
【0058】
なお保護層22が各チップ部71内にのみ設けられるよう保護層22をパターニングする具体的な方法が特に限られることはなく、様々なパターニング方法が適宜用いられる。例えば、上述のように保護層22を構成する材料として光硬化性アクリル樹脂が用いられる場合、パターニング方法としてフォトリソグラフィー法が用いられる。
【0059】
(カラーフィルタ部の製造方法)
次に、図6を参照して、ワーク基板70の他面70b上にカラーフィルタ部30を形成する方法について説明する。図6は、カラーフィルタ部30を形成する際に実施される工程で用いられる装置を示す図である。この装置は、塗布手段81と、乾燥手段82と、プリベーク手段83と、露光・現像手段84と、水切り手段85とを備えている。
【0060】
はじめに図6に示すように、塗布手段81において、ブラックマトリクス層31を構成する材料を含む塗工液がワーク基板70の他面70b上のチップ部71に塗布される。この際、図6に示すように、ワーク基板70は、タッチパネルセンサ部10が形成された一面70aが下方に向けられた状態で、支持台86により吸着支持される。
【0061】
次に図6に示すように、乾燥手段82において、塗工液に含まれる溶剤が減圧乾燥により除去される。なお、ワーク基板70を塗布手段81から乾燥手段82まで搬送する手段として、例えば図6に示すように、回転する搬送ローラー87が用いられる。この場合、ワーク基板70の一面70a上に形成されたタッチパネルセンサ部10が搬送ローラー87に接触しながら、ワーク基板70が搬送ローラー87により搬送される。
【0062】
その後、図6に示すように、プリベーク手段83において、例えばホットプレートを用いることにより、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料が加熱される。これによって、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料の乾燥が進む。次に、露光・現像手段84において、他面70b上に形成されたブラックマトリクス層31用の材料がパターニングされる。これによって、他面70b上に、上述の図3(b)に示すような所定のパターンを有するブラックマトリクス層31が形成される。その後、水切り手段85において、ブラックマトリクス層31上に残っている液がエアーナイフにより除去される。
【0063】
次に、ブラックマトリクス層31の間に着色層32を形成する。このようにして、ワーク基板70の他面70b上の各チップ部71にカラーフィルタ部30が形成される。これによって、ワーク基板70の各チップ71にカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が形成される。なお、着色層32を形成する際に実施される工程は、用いられる材料が異なるという点を除いて、上述のブラックマトリクス層31を形成する際に実施される工程と略同一である。従って、着色層32を形成する工程の詳細な説明は省略される。
【0064】
(剥離の際の作用効果)
ところで、塗布手段81などにおいては、図7に示すように、複数の吸着穴88を有する支持台86によってワーク基板70が支持される。ここで図7(b)は、ワーク基板70を支持台86から剥離させようとしている状態を示す図である。この場合、剥離の際の剥離帯電に起因して、タッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電していることが考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、ワーク基板70の一面70a上には、保護層22に接続された除電パターン21と、除電パターン21に接続された外枠除電パターン74とが設けられている。このため、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン21および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、ワーク基板70を支持台86から剥離させる際、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0065】
また、ワーク基板70と支持台86との間で仮に放電が生じるとしても、放電は、より面積が大きく、かつ電気抵抗の低い箇所で生じると考えられる。すなわち、ワーク基板70の外枠部72にベタパターンで設けられ、かつ保護層22により覆われていない外枠除電パターン74において放電が生じると考えられる。このため、仮に放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、タッチパネルセンサ部10ではなく外枠除電パターン74に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0066】
またワーク基板70を支持台86から剥離させる際、一般には、ワーク基板70全体が支持台86から同時に剥離されるのではなく、ワーク基板70の一部分が他の部分よりも先に剥離される。例えば、ワーク基板70の端部分(一端部分および一端部分の反対側にある他端部分)が、ワーク基板70の中央部分よりも先に剥離される。若しくは、はじめにワーク基板70の一端部分が剥離され、次にワーク基板70の中央部分が剥離され、最後にワーク基板の他端部分が剥離される。このように時間差を設けてワーク基板70の各部分を剥離することは、剥離帯電を低減することを目的として実施されている。
ここで図7(b)に示すように、ワーク基板70の外縁近傍が最後まで支持台86に接触している場合について考える。この際、仮に静電気の放電が発生する場合、この放電は各タッチパネルセンサ部10の外縁近傍で生じると考えられる。ここで本実施の形態によれば、上述のように、除電パターン21は、電極パターン13,15や導電パターン14,16よりもタッチパネルセンサ部10の外縁に近い領域に設けられている。このため、仮に静電気の放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、電極パターン13,15や導電パターン14,16ではなく除電パターン21に発生し易いと考えられる。すなわち本実施の形態によれば、時間差を設けてワーク基板70の各部分を剥離することにより、剥離帯電を低減するだけでなく、放電による損傷が除電パターン21において生じ易くすることができる。これによって、電極パターン13,15および導電パターン14,16が損傷するのをより確実に防ぐことができる。
【0067】
好ましくは、ワーク基板70を支持台86から剥離させる際、ワーク基板70の一面70a上の外枠除電パターン74が、適切な手段により接地され、または外部の適切な導電体に接続される。これによって、除電パターン21および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができ、このことにより、保護層22に蓄えられている静電気を除電パターン21および外枠除電パターン74にさらに引き受けさせることが可能となる。これによって、保護層22における帯電量をより低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのをより確実に防ぐことができる。
【0068】
除電パターン21および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすための具体的な手段が特に限定されることはなく、様々な手段が用いられ得る。例えば、ワーク基板70を支持台86から剥離させる手段として、支持台86から上方に突出して支持台86上のワーク基板70を持ち上げるリフトピン(図示せず)が用いられる場合について考える。この場合、導電性を有する材料を用いてリフトピンを構成し、かつリフトピンを接地しておき、そしてリフトピンを除電パターン21または外枠除電パターン74に接触させることにより、除電パターン21および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができる。また、支持台86自体を導電性材料で構成し、かつ支持台86を接地しておくことにより、除電パターン21および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすこともできる。
【0069】
(搬送の際の作用効果)
また回転する搬送ローラー87によってワーク基板70を搬送する場合、搬送ローラー87に起因してタッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電することが考えられる。例えば、搬送ローラー87が空転する際に搬送ローラー87が帯電し、この電気がタッチパネルセンサ部10の保護層22に伝導されることが考えられる。この場合も、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン21および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、ワーク基板70を搬送ローラー87によって搬送する際、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0070】
また、ワーク基板70と搬送ローラー87との間で仮に放電が生じるとしても、放電は、より面積が大きく、かつ電気抵抗の低い箇所で生じると考えられる。すなわち、放電が外枠除電パターン74で生じると考えられる。このため、仮に放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、タッチパネルセンサ部10ではなく外枠除電パターン74に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0071】
好ましくは、ワーク基板70を搬送ローラー87によって搬送する際、ワーク基板70の一面70a上の外枠除電パターン74が、適切な手段により接地され、または外部の適切な導電体に接続される。これによって、除電パターン21および外枠除電パターン74の電荷を外部に逃がすことができ、このことにより、保護層22に蓄えられている静電気を除電パターン21および外枠除電パターン74にさらに引き受けさせることが可能となる。これによって、保護層22における帯電量をより低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのをより確実に防ぐことができる。
【0072】
(液切りの際の作用効果)
また水切り手段85においてエアーナイフを用いてワーク基板70上の液を除去する際、摩擦帯電によってタッチパネルセンサ部10の保護層22が帯電することが考えられる。この場合も、保護層22に蓄えられている静電気を、除電パターン21および外枠除電パターン74に引き受けさせることができる。これによって、保護層22における帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、ワーク基板70上の液がエアーナイフにより除去される際、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0073】
また、摩擦帯電によって仮に放電が生じるとしても、放電は、より面積が大きく、かつ電気抵抗の低い箇所で生じると考えられる。すなわち、放電が外枠除電パターン74で生じると考えられる。このため、仮に放電が発生する場合であっても、放電による損傷は、タッチパネルセンサ部10ではなく外枠除電パターン74に発生し易いと考えられる。すなわち、外枠除電パターン74を設けることによって、タッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0074】
表示装置の製造方法
次に、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられた多面付けワーク基板70から、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20を1つ1つ取り出す。この際の具体的な方法が特に限られることはなく、例えば切断によりカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が取り出される。ここで、好ましくは、保護層22は、ワーク基板70の一面70a上において、チップ部71内にのみ設けられている。このため、ワーク基板70の切断の際、保護層22が切断されることはない。すなわち、切断の際に保護層22に過大な力が印加されることはない。これによって、切断の際に保護層22がワーク基板70の一面70a上から剥離されるのを防ぐことができる。
【0075】
取り出されたカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20は、図3(a)(b)(c)に示すように、液晶40およびTFT基板50と組み合わされる。また、必要に応じて、タッチパネルセンサ部10上に保護カバー(図示せず)が透明接着剤などを介して設けられる。このようにして、タッチパネル機能付き表示装置60が製造される。
【0076】
本実施の形態によれば、上述のように、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11の一面11aには、タッチパネルセンサ部10と、導電性を有する除電パターン21とが設けられている。この除電パターン21は、タッチパネルセンサ部10の電極パターン13,15、端子部17および導電パターン14,16のいずれにも接触していない。また、この除電パターン21は、少なくとも部分的に保護層22により覆われている。このため、静電気により保護層22が帯電した場合であっても、保護層22の電荷を除電パターン21に逃がすことができる。これによって、保護層22の帯電量が大きくなるのを抑制することができる。このことにより、静電気の放電によって電極パターン13,15、端子部17、導電パターン14,16および保護層22が損傷するのを防ぐことができる。
【0077】
なお本実施の形態において、y接続部15bが透明電極材料から構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、y接続部15bは、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17を構成する金属材料と同一の材料から構成されていてもよい。この場合、y接続部15bは、好ましくは、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17の形成の際に同時に形成される。また好ましくは、図2Aおよび図2Bに示すように、y接続部15bは、カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の法線方向から見てブラックマトリクス層31に重なり合うよう配置される。これによって、表示装置60に表示される画像がy接続部15bにより妨げられるのを防ぐことができる。
【0078】
また本実施の形態において、除電パターン21および外枠除電パターン74が、電極パターン13,15を構成する透明電極材料と同一のものから構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、除電パターン21および外枠除電パターン74が、x導電パターン14,y導電パターン16および端子部17を構成する金属材料と同一の材料から構成されていてもよい。この場合、好ましくは、除電パターン21および外枠除電パターン74は、上述のx導電パターン14,y導電パターン16および端子部17の形成の際に同時に形成される。
【0079】
第2の実施の形態
次に図8Aおよび図8Bを参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。ここで図8Aは、本発明の第2の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図であり、図8Bは、図8Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図である。
【0080】
図8Aおよび図8Bに示す第2の実施の形態は、ワーク基板のチップ部に設けられる除電パターンの具体的な形状が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と略同一である。図8Aおよび図8Bに示す第2の実施の形態において、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】
本実施の形態においては、図8Aおよび図8Bに示すように、ワーク基板70の一面70aの外枠部72に設けられている外枠除電パターン74が、チップ部71内まで延びている。この場合、外枠除電パターン74のうちチップ部71内まで延びている部分により、チップ部71の除電パターン21が構成される。この際、導電パターン14,16を通る信号が除電パターン21によって乱されないよう、除電パターン21の配置が適切に設計されている。
【0082】
本実施の形態によれば、チップ部71の除電パターン21が、より広域にわたって外枠除電パターン74に電気的に接続されている。また、除電パターン21の一部は保護層22に覆われている。このため、保護層22に蓄えられる電気をより低い電気抵抗で外枠除電パターン74側へ逃がすことができる。このことにより、静電気の放電によって電極パターン13,15、端子部17、導電パターン14,16および保護層22が損傷するのを防ぐことができる。
【0083】
第3の実施の形態
次に図9Aおよび図9Bを参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。ここで図9Aは、本発明の第3の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図であり、図9Bは、図9Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図である。
【0084】
図9Aおよび図9Bに示す第3の実施の形態は、ワーク基板のチップ部に設けられる除電パターンの具体的な形状が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と略同一である。図9Aおよび図9Bに示す第3の実施の形態において、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】
本実施の形態においては、図9Aおよび図9Bに示すように、除電パターン21は、チップ部71の4辺のうち少なくとも1辺に達するとともに、当該1辺から保護層22まで延びるよう設けられている。なおチップ部71の4辺は、多面付けワーク基板70から取り出されるカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20の基板11の4辺に対応している。
【0086】
好ましくは、除電パターン21は、チップ部71の1辺から保護層22まで最短距離で到達する方向に延びている。これによって、チップ部71内に設けられる除電パターン21の面積を可能な限り小さくしながら、保護層22を外枠除電パターン74に電気的に接続することができる。このことにより、チップ部71内の導電パターン14,16を通る信号が除電パターン21によって乱されるのを可能な限り小さくしながら、保護層22に蓄えられる電気を外枠除電パターン74側へ逃がすことができる。
【0087】
第4の実施の形態
次に図10Aおよび図10Bを参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。ここで図10Aは、本発明の第4の実施の形態において、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板を示す平面図であり、図10Bは、図10Aのワーク基板のチップ部を拡大して示す図である。
【0088】
図10Aおよび図10Bに示す第4の実施の形態は、ワーク基板のチップ部に設けられる除電パターンの具体的な形状が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と略同一である。図10Aおよび図10Bに示す第4の実施の形態において、図1乃至図7(a)(b)に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0089】
本実施の形態においては、図10Aおよび図10Bに示すように、外枠除電パターン74は、外枠部72に設けられた外枠除電パターン74のみからなっている。すなわち本実施の形態においては、チップ部71内に除電パターンが設けられていない。一方、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、保護層22は各チップ部71内にのみ設けられている。すなわち保護層22は、外枠部72には設けられない。そして外枠部72には、導電性を有する外枠除電パターン74が形成されている。このため、ワーク基板70の一面70a全域にわたって保護層が設けられている場合に比べて、ワーク基板70の一面70a上における保護層22の面積が小さくなっている。このことにより、カラーフィルタ部30の形成工程において、保護層22の帯電量を低減させることができ、このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。このことにより、静電気の放電が生じるのを防ぐことができる。これによって、カラーフィルタ部30の形成工程において、静電気の放電によってタッチパネルセンサ部10が損傷するのを防ぐことができる。
【0090】
なお本実施の形態において、好ましくは、外枠除電パターン74の厚みは、外枠除電パターン74と支持台86および搬送ローラー87が接触するよう設定される。これによって、ワーク基板70に蓄えられている静電気を、外枠除電パターン74を介して外部に逃がすことが可能となる。
【実施例】
【0091】
次に、上述した実施の形態の具体的実施例を、比較例とともに説明する。
【0092】
(実施例)
本発明による、複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ20が割り付けられ、除電部73を備えた多面付けワーク基板70を準備した。次に、このワーク基板70の一面70a上に形成されているタッチパネルセンサ部10を帯電させ、その後、タッチパネルセンサ部10における帯電量の減衰曲線を測定した。具体的には、一定時間経過後のタッチパネルセンサ部10の飽和帯電量を測定した。
【0093】
タッチパネルセンサ部10を帯電させる方法としては、コロナ放電で生成した空気イオンをタッチパネルセンサ部10に照射する方法を用いた。また、空気イオンの照射を停止した後に帯電量の減衰曲線を調べる手段としては、帯電電荷減衰度測定器(シシド静電気社製 STATIC HONESTMETER H−0110)を用いた。なお帯電量は、帯電圧(単位V)として測定される。
【0094】
タッチパネルセンサ部10の飽和帯電圧の測定を5回実施した。結果、飽和帯電圧はそれぞれ、0.37kV、0.72kV、0.46kV、0.57kVまたは0.45kVとなっており、平均値は0.51kVとなっていた。
【0095】
(比較例)
除電部73が設けられていない点を除いて、本発明による多面付けワーク基板70と略同一である多面付けワーク基板を用いて、タッチパネルセンサ部の飽和帯電圧の測定を5回実施した。結果、飽和帯電圧はそれぞれ、1.19kV、1.28kV、1.24kV、0.97kVまたは1.01kVとなっており、平均値は1.14kVとなっていた。
【0096】
実施例と比較例の比較から明らかなように、ワーク基板70に除電部73を設けることにより、タッチパネルセンサ部10の飽和帯電圧を小さくすることができた。すなわち、タッチパネルセンサ部10に蓄えられ得る電荷をより少なくすることができた。従って、本発明によれば、ワーク基板70の他面70b上にカラーフィルタ部30を形成する工程において、一面70a上のタッチパネルセンサ部10に静電気が発生するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 タッチパネルセンサ部
11 基板
11a 基板の一面
11b 基板の他面
13 x電極パターン
13a x電極単位
13b x接続部
14 x導電パターン
15 y電極パターン
15a y電極単位
15b y接続部
16 y導電パターン
17 端子部
18 絶縁層
20 カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ
21 除電パターン
22 保護層
30 カラーフィルタ部
31 ブラックマトリクス層
32 着色層
40 液晶
41 封止材
50 TFT基板
51 基板
52 透明電極部
53 配線部
60 表示装置
70 ワーク基板
70a ワーク基板の一面
70b ワーク基板の他面
71 チップ部
72 外枠部
73 除電部
74 外枠除電パターン
81 塗布手段
82 乾燥手段
83 プリベーク手段
84 露光・現像手段
85 水切り手段
86 支持台
87 搬送ローラー
88 吸着穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一面上に設けられたタッチパネルセンサ部と、
前記基板の他面上に設けられ、複数色の着色層を有するカラーフィルタ部と、を備え、
前記タッチパネルセンサ部は、前記基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有し、
前記基板の前記一面上に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられており、
前記除電パターンは、前記電極パターン、前記端子部および前記導電パターンのいずれにも接触しておらず、
前記除電パターンは、少なくとも部分的に前記保護層により覆われている
ことを特徴とするカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項2】
前記除電パターンが、前記電極パターンまたは前記導電パターンと同一の材料からなる
ことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項3】
複数の導電パターンは、部分的に互いに平行に延びており、
前記除電パターンは、最も外側の導電パターンと部分的に平行に延び、
最も外側の導電パターンと前記除電パターンの間の間隔は、隣接する導電パターン間の間隔よりも大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項4】
前記基板は、4辺から構成される矩形形状を有し、
前記除電パターンは、4辺のうち少なくとも1辺に達するとともに、当該1辺から前記保護層まで延びる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサ。
【請求項5】
請求項1に記載のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサと、
前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサの前記カラーフィルタ部側に設けられた表示基板と、を備えた
ことを特徴とするタッチパネル機能付き表示装置。
【請求項6】
複数のカラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが割り付けられた多面付けワーク基板の製造方法において、
ワーク基板は一面および他面を有し、多面付けワーク基板の一面および他面は、前記カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサが形成される複数のチップ部と、各チップ部を囲む外枠部と、に区画され、
各カラーフィルタ一体型タッチパネルセンサは、ワーク基板の一面上に設けられるタッチパネルセンサ部と、ワーク基板の他面上に設けられるカラーフィルタ部と、を有し、多面付けワーク基板の製造方法は、
ワーク基板を準備する工程と、
ワーク基板の一面上の各チップ部に前記タッチパネルセンサ部を形成する工程と、
ワーク基板の一面上の外枠部に導電性を有する外枠除電パターンを設ける工程と、
ワーク基板の他面上の各チップ部に前記カラーフィルタ部を形成する工程と、を備えた
ことを特徴とする多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項7】
前記タッチパネルセンサ部は、前記ワーク基板の前記一面上に所定パターンで設けられた複数の電極パターンと、前記ワーク基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンに対応する複数の端子部と、前記ワーク基板の前記一面上に設けられ、各々が各電極パターンと各端子部との間を電気的に接続する複数の導電パターンと、各電極パターンおよび各導電パターンを覆うよう前記基板の前記一面上に設けられた保護層と、を有し、
前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記電極パターンまたは前記導電パターンと同一の材料からなる
ことを特徴とする請求項6に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項8】
前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記電極パターンと同一の材料からなり、かつ、前記電極パターンと同時に形成される
ことを特徴とする請求項7に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項9】
前記外枠除電パターンは、前記タッチパネルセンサ部の前記導電パターンと同一の材料からなり、かつ、前記導電パターンと同時に形成される
ことを特徴とする請求項7に記載の多面付けワーク基板の製造方法。
【請求項10】
前記ワーク基板の前記一面上の各チップ部内に、導電性を有する除電パターンがさらに設けられており、
ワーク基板の前記外枠部に設けられた前記外枠除電パターンは、各除電パターンに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の多面付けワーク基板の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2012−98840(P2012−98840A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244755(P2010−244755)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】