説明

カラープラスクリア複合コーティング

カラーコートまたはベースコート、およびポリエポキシド−ポリ酸クリアコートとして使用する水性フィルム形成組成物を含む多成分複合コーティング組成物が開示される。上記ポリ酸は、カルボン酸基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子を有する多カルボン酸とポリオールとを反応させることから形成されるポリエステルポリオールを用いて、無水多塩基酸を開環させることから作られる。官能基を含む有用なフィルム形成ポリマーとしては、アクリルポリマーおよびアクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ならびに、これらの混合物が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープラスクリア複合コーティングコーティングに関しており、より詳細には、エポキシ−酸クリアコート、および水性のベースコートまたはカラーコートに基づく複合コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
色のついた(colored)または着色された(pigmented)ベースコートの基材への塗布に続いて、透明(transparent)またはクリア(clear)なトップコートのベースコートへの塗布を含む、カラープラスクリアコーティング系は、自動車の独創的な仕上げとしてますます人気になっている。カラープラスクリア系は、優れた光沢およびイメージの明瞭さを有し、クリアトップコートはこれらの特性に対して特に重要である。
【0003】
特許文献1は、ポリエポキシドおよびポリ酸硬化剤に基づくクリアコートを開示する。そのようなクリアコートは優れた物理的特性(例えば、酸腐食に対する耐性)を提供する一方で、湿気、傷、および引っかき傷への耐性を改良することが望ましい。また、水性ベースコート上の外観が改良されることも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,650,718号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ベースコートとして使用する着色フィルム形成組成物、および、ベースコート上で透明トップコートとして使用するクリアフィルム形成組成物を含む多成分複合コーティング組成物が開示され、ここで:
(a)上記ベースコートは、水性着色フィルム形成組成物から成膜(deposit)され、そして
(b)透明トップコートは、以下を含むフィルム形成組成物から成膜される:
(i)ポリエポキシド、および
(ii)酸官能基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子を含む炭化水素鎖を有する多塩基酸と、過剰なポリオールとを反応させることにより調製されるポリエステルのヒドロキシル基を用いて、無水多塩基酸の開環により形成されるポリ酸硬化剤。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本明細書中で使用される場合、本明細書および特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメーター、成分量、反応条件などを表現する全ての数字は、全ての例において用語「約」により修飾されるものと理解されるべきである。したがって、反対に指示されない場合、以下の明細書および特許請求の範囲中に示される数値は、本発明により得られることが要求されている所望の特性に依存して変わり得る近似である。最低でも、そして、特許請求の範囲に均等論を適用することを制限する試みとしてではなく、それぞれの数値は少なくとも、報告される有効桁数を考慮し、そして、通常の丸めの手法を使用することにより解釈されるべきである。加えて、本明細書中で開示される全ての範囲は、範囲の始めと終わりの値、ならびに、その範囲内に含まれる任意および全ての部分的範囲を含むと理解されるべきである。例えば、「1〜10」と表示される範囲は、1という最小値および10という最大値の間(および、1と10を含めて)の任意および全ての部分的範囲を含むと見なされるべきである;つまり、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わる全ての部分的範囲、例えば、5.5〜10である。さらに、本明細書中で使用される場合、「(何かの)上(の方)に成膜される」、「(何かの)上(の方)に塗布される」、または「(何かの)上(の方)に提供される」という用語は、(何かの)上に(直接)成膜される、または、(何かの)上に(直接)提供されることを意味するが、表面と接している必要性はない。例えば、基材の「上に成膜される」コーティング組成物は、成膜されたコーティングと基材との間に位置する同じまたは異なる組成物の、1つ以上の他のコーティングフィルムの存在を除外しない。本明細書中で使用される分子量の数量は、MnまたはMwのどちらであろうとも、標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーから決定できる。また、本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」はオリゴマー、ホモポリマー、および共重合体を含む。
【0007】
ベースコートは、水性着色フィルム形成組成物から成膜される。本発明の水性フィルム形成組成物は、自動車への適用においてベースコートとして有用である任意の水性組成物であり得る。代表的には、そのような組成物は、反応性官能基(例えば、ヒドロキシル、およびカルボン酸)を有するポリマー、ならびに、上記ポリマーの官能基との反応性官能基を含む硬化剤(例えば、アミノプラスト)を含む。
【0008】
官能基を含む有用なフィルム形成ポリマー(また、架橋可能フィルム形成樹脂とも呼ばれる)としては、アクリルポリマーおよびアクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ならびに、これらの混合物が挙げられる。これらのポリマーは、コーティング組成物中に含まれる適した架橋物質との反応により自己架橋し得る、または架橋され得る。
【0009】
適したアクリルポリマーおよびアクリル共重合体としては、アクリル酸またはメタクリル酸の1つ以上のアルキルエステルの共重合体が挙げられ、必要に応じて、1つ以上の他の重合可能なエチレン系不飽和モノマーと一緒になった共重合体である。アクリル酸またはメタクリル酸の有用なアルキルエステルとしては、1〜30個(例えば、4〜18個)の炭素原子をアルキル基中に含む脂肪族アルキルエステルが挙げられる。非限定的な例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。適した、他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーとしては、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、およびビニルトルエン);ニトリル(例えば、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリル);ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン(例えば、塩化ビニル、およびフッ化ビニリデン);ならびに、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)が挙げられる。
【0010】
アクリル共重合体は、共重合体を産生するために使用される反応物中に1つ以上のヒドロキシル官能モノマーを含むことによって、ポリマーへしばしば組み込まれるヒドロキシル官能基を含み得る。有用なヒドロキシル官能モノマーとしては、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートが挙げられ、好ましくは、2〜4個の炭素原子をヒドロキシアルキル基中に有する(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、カプロラクトンおよびヒドロキシアルキルアクリレートのヒドロキシ官能付加物、ならびに、対応するメタクリレート)。アクリルポリマーは、自己架橋アクリルポリマーをもたらすN−(アルコキシメチル)アクリルアミドおよびN−(アルコキシメチル)メタクリルアミドを用いて調製され得る。
【0011】
アクリルポリマーは、水性乳化重合技術をもって調製され得、水性コーティング組成物の調製に直接使用され得る、または、塩を形成可能な基(例えば、酸基もしくはアミン基)を用いる有機溶液重合技術をもって調製され得る。塩基または酸を用いたこれらの基の中和の際、上記ポリマーは水性媒体中に分散され得る。一般的には、適した架橋可能フィルム形成樹脂は、2000グラム/モルより大きい重量平均分子量(例えば、2000グラム/モル〜100,000グラム/モル)(ポリスチレンを標準に用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される)、および400グラム/当量〜4000グラム/当量の範囲にあるヒドロキシル当量を有する。用語「当量」は、特定の物質を作るときに使用される種々の成分の相対量に基づく計算値であり、特定の物質の固体に基づく。相対量は、物質(例えば、材料から生産されるポリマー)のグラムでの理論重量をもたらし、生じるポリマー中に存在する特定の官能基の理論数を与えるものである。理論ポリマー重量を理論数で割ると、当量を与える。例えば、ヒドロキシル当量は、ヒドロキシルを含むポリマー中の反応性ペンダント(pendant)および/または末端ヒドロキシル基の当量に基づく。
【0012】
アクリルポリマーの他に、ベースコート組成物のための樹脂製結合剤は、ポリエステルであり得る。そのようなポリマーは、公知の方法で、多価アルコールおよびポリカルボン酸の縮合により調製され得る。適した多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール,1,6−ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、およびジメチロールプロピオン酸が挙げられる。
【0013】
適したポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、およびトリメリット酸が挙げられる。上記のポリカルボン酸の他に、ポリカルボン酸の機能等価体(例えば、それらが存在する場合には、無水物)、またはポリカルボン酸の低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル)が使用され得る。代表的には、過剰な酸または酸官能ポリオール(例えば、ジメチロールプロピオン酸)が、ポリエステル合成において使用される。酸官能性は、塩基(例えば、有機アミン)を用いて少なくとも部分的に中和され得、ポリエステルを水中に溶解、または分散させ得る。
【0014】
ポリウレタンはまた、ベースコートの樹脂製結合剤として使用され得る。使用され得るポリウレタンの中には、OH/NCOの当量比が1より大きくなるように、ポリオール(重合体ポリオール(例えば、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオール(例えば、上記のもの)を含む))を、ポリイソシアネートと反応させることから形成されるものがあり、その結果、遊離ヒドロキシル基が生成物中に存在する。また、ポリウレタンは、好ましくは、塩基(例えば、有機アミン)で少なくとも部分的に中和され得、そして水中でポリウレタンを溶解または分散させ得る遊離酸基を有する。ポリウレタンへ酸基を組み込む例としては、混合ポリオール(例えば、重合体ポリオール)、および酸官能ポリオール(例えば、ジメチロールプロピオン酸)を使用することが挙げられる。
【0015】
ポリウレタンポリオールを調製するために使用される有機ポリイソシアネートは、脂肪族もしくは芳香族ポリイソシアネート、またはこの2つの混合物であり得る。ジイソシアネートが好ましいが、高級ポリイソシアネートはジイソシアネートの代わりか、またはジイソシアネートと組み合わせて使用され得る。
【0016】
適した芳香族ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびトルエンジイソシアネートが挙げられる。適した脂肪族ジイソシアネートの例としては、直鎖状脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)が挙げられる。また、脂環式ジイソシアネートも使用され得る。例としては、イソホロンジイソシアネート、および4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。適した高級ポリイソシアネートの例としては、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。
【0017】
カラープラスクリア組成物における水性ベースコートは、米国特許第4,403,003号明細書に開示され、これらのベースコートを調製するときに使用される樹脂組成物は、本発明の実施において使用され得る。また、水性ポリウレタン(例えば、米国特許第4,147,679号明細書に従って調製されたもの)はベースコート中で樹脂製結合剤として使用され得る。
【0018】
架橋可能なフィルム形成樹脂は、5mgKOH/g樹脂〜100mgKOH/g樹脂の範囲(例えば、20mgKOH/g樹脂〜100mgKOH/g樹脂)で酸価を有し得る。酸価(樹脂中の酸官能性を中和するのに必要とされる固体のグラム当たりのKOHのミリグラム数)は、樹脂中の酸官能基の量の尺度である。
【0019】
一般的に、架橋可能なフィルム形成樹脂は、トップコーティング組成物の樹脂固体の総重量に基づいて、40重量パーセント〜94重量パーセント(例えば、50重量パーセント〜80重量パーセント)の範囲の量で存在する。水性コーティング組成物は、架橋可能なフィルム形成樹脂と反応可能な、1つ以上の硬化剤または架橋物質をさらに含み、架橋されたフィルムを形成する。架橋物質は、水性コーティング組成物の他の成分との混合物(慣例的に、1パックシステムと呼ばれる)として存在し得、または、基材にコーティング組成物を塗布する前の数時間以内に架橋可能なフィルム形成樹脂と混合される別の組成物(慣例的に、2パックシステムと呼ばれる)中に存在し得る。
【0020】
適した架橋物質としては、アミノプラストおよびポリイソシアネート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。有用なアミノプラスト樹脂は、アミノ基またはアミド基を有する物質とホルムアルデヒドとの付加生成物を基礎とする。アルコールおよびホルムアルデヒドと、メラミン、尿素、またはベンゾグアナミンとの反応から得られる縮合生成物は、最も一般的であり、本明細書中で好まれる。最もよく使用されるアルデヒドがホルムアルデヒドである一方、他の同様の縮合生成物は、他のアルデヒド(例えば、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフラール、グリオキサールなど)から作られ得る。
【0021】
他のアミンおよびアミドの縮合生成物もまた使用され得る。例えば、トリアジン、ジアジン、トリアゾール、グアナジン、グアナミン、およびそのような化合物のアルキル置換およびアリール置換誘導体(アルキル置換およびアリール置換尿素ならびにアルキル置換およびアリール置換メラミンを含む)のアルデヒド縮合物が挙げられる。そのような化合物の非限定的な例としては、N,N’−ジメチル尿素、ベンゾ尿素、ジシアンジアミド、ホルムアグアナミン(formaguanamine)、アセトグアナミン、グリコールウリル(glycoluril)、アンメリン(ammeline)、3,5−ジアミノトリアゾール、トリアミノピリミジン、2−メルカプト−4,6−ジアミノピリミジン、および式C(NHCOXR)のカルバモイルトリアジン(ここで、Xは窒素、酸素、または炭素であり、Rは1〜12個の炭素原子を有する1つの低級アルキル基、または複数の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、n−オクチル、および2−エチルヘキシル)の混合物である)が挙げられる。そのような化合物およびそれらの調製は、米国特許第5,084,541号明細書に詳細に記載される。
【0022】
アミノプラスト樹脂は、好ましくはメチロールまたは同様のアルキロール基を含み、そして、ほとんどの例において、これらのアルキロール基の少なくとも一部分が、アルコールとの反応によりエーテル化される。任意の一水酸基のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ならびに、ベンジルアルコール、および他の芳香族アルコール、環状アルコール(例えば、シクロヘキサノール)、グリコールのモノエーテル、ならびに、ハロゲン置換されたアルコールまたは他で置換されたアルコール(例えば、3−クロロプロパノール、およびブトキシエタノール)を含む)がこの目的のために使用され得る。代表的に、アミノプラスト樹脂は、実質的にはメタノールまたはブタノールでアルキル化される。
【0023】
架橋剤として利用されるポリイソシアネートは、イソシアネートを含有する様々な物質から調製され得る。好ましくは、ポリイソシアネートは、ブロック化ポリイソシアネート(blocked polyisocyanate)である。適したポリイソシアネートの例としては、以下のジイソシアネートから調製される三量体が挙げられる:トルエンジイソシアネート、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの異性体混合物、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ならびに4,4’−ジフェニルメチレンジイソシアネート。加えて、種々のポリオール(例えば、ポリエステルポリオール)のブロック化ポリイソシアネートプレポリマーもまた、使用され得る。適した遮断剤の例としては、高温でブロックが除去される物質(例えば、メタノールを含む低級脂肪族アルコール、オキシム(例えば、メチルエチルケトキシム)、ラクタム(例えば、カプロラクタム)、およびピラゾール(例えば、ジメチルピラゾール))が挙げられる。
【0024】
一般的に、架橋物質は、水性コーティング組成物の樹脂固体の総重量に基づいて、5重量パーセント〜50重量パーセント(例えば、10重量パーセント〜40重量パーセント)の範囲の量で存在する。
【0025】
ベースコート組成物はまた、顔料を含み、ベースコート組成物に色がもたらされる。金属薄片着色を包含する組成物は、主として自動車本体の表面上の、いわゆる「グラマーメタリック(glamour metallic)」仕上げの産生に有用である。金属顔料の適切な配置は、優れたフロップ(flop)、イメージの明瞭さ、および高光沢を伴う、つややかな輝く外観をもたらす。フロップは、見る角度の変化(すなわち、90°〜180°の変化)に伴う金属コーティングの輝度または明度の視覚変化を意味する。変化が大きいほど、すなわち、明から暗への外観の変化が大きいほど、フロップはより良くなる。フロップは重要である。なぜなら、曲がった表面(例えば、自動車本体上)の線を強調するからである。適した金属顔料としては、特に、アルミニウム薄片、銅青銅薄片、および雲母が挙げられる。
【0026】
金属顔料の他に、本発明のベースコート組成物は、慣用的に表面コーティング組成物に使用される非金属着色顔料(無機顔料(例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、およびカーボンブラック)、ならびに有機顔料(例えば、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーン)を含む)を含み得る。一般的に、上記顔料はコーティング組成物に、コーティング固体の重量に基づいて約1重量パーセント〜80重量パーセントの量で組み込まれる。金属顔料は、前述の総重量の約0.5重量パーセント〜25重量パーセントの量で使用される。
【0027】
所望される場合、ベースコート組成物は、調合される表面コーティングの分野において周知である他の物質をさらに含み得る。これらは、表面活性剤、流量調整剤、チキソトロープ剤、充填剤、抗発泡剤(anti−gassing agent)、有機助溶剤、触媒、および他の慣例の補助物質を含む。これらの物質は、コーティング組成物の総重量の最大40重量パーセントを構成し得る。
【0028】
ベースコート組成物、および、続いて塗布されるクリアコート組成物は、それらが付着する種々の基材へ塗布され得る。上記組成物は、従来の方法(ブラシをかける、浸す、フローコーティングする、噴霧することなどを含む)により塗布され得るが、上記組成物は噴霧により最も頻繁に塗布され得る。空気噴霧および静電噴霧のための通常の噴霧技術および噴霧装置(例えば、静電ベル型塗布(electrostatic bell application)、および、手動方法または自動方法のいずれか)が使用され得る。
【0029】
ベースコートが塗布され得る基材の例としては、自動車上に見出される金属、プラスチック、発泡体(エラストマー基材を含む)などが挙げられる。上記基材は、代表的には、プライマーコート(例えば、電着塗装により塗布されるもの)、および、必要に応じて、噴霧により塗布されるプライマーサーフェーサー(primer surfacer)を含む。
【0030】
ベースコート組成物の基材への塗布後、フィルムが基材の表面上に形成される。このことは、加熱により、または単にある期間空気乾燥することにより、溶媒(すなわち、水および有機溶媒)をベースコートフィルム外へ追い出すことにより達成される。好ましくは、上記加熱段階は、クリアコート組成物がベースコート組成物を溶かすこと(すなわち、「中に入り込むこと(striking in)」)無しにベースコートに塗布され得ることを保証するのに十分なだけの時間であり、短い期間である。適した乾燥条件は、特定のベースコート組成物に依存し、ある水性組成物は周囲の湿度に依存するが、一般的に、約60°F〜200°F(20℃〜93℃)の温度で、約1〜5分の乾燥時間は、2つのコートの混合が最小限にされることを保障するのに十分である。同時に、ベースコートフィルムはクリアコート組成物により適度に湿らされ、その結果、十分なコート間の接着が得られる。また、1より多くののベースコートおよび多数のクリアコートが、最適な外観を作り出すために塗布され得る。通常、コート間に、前に塗布されたベースコートまたはクリアコートは短時間晒される(flash)、すなわち、約1分〜20分間周囲の状態に暴露される。
【0031】
ベースコートおよびクリアコートの両方の硬化は、代表的には、複合コーティングを120℃〜160℃の温度、好ましくは130℃〜150℃で15分〜40分間加熱することにより、一段階で達成される。所望される場合、ベースコートは、上記温度および時間で加熱することにより最初に硬化され得、続いて、クリアコートが塗布され、その後に硬化され得る。
【0032】
代表的には、ベースコートは、0.05ミル〜3ミルの乾燥フィルムの厚さを有し、好ましくは0.1ミル〜2ミルである。そして、クリアコートは0.5ミル〜4.0ミルの乾燥フィルムの厚さを有し、好ましくは1.5ミル〜2.5ミルである。
【0033】
透明トップコートは、ポリエポキシドおよびポリ酸硬化剤を含むフィルム形成組成物から成膜される。
【0034】
ポリエポキシドは、代表的には、エポキシ官能基を多く有する(低エポキシド当量に対応する)。より特定的には、本発明のポリエポキシドは、代表的には、樹脂固体上に約2000未満のエポキシド当量を有し、代表的には、150〜1500の範囲内である。
【0035】
ポリエポキシドは、代表的には、比較的低分子量を有する。より特定的には、本発明のポリエポキシドは、約20,000以下の数平均分子量を有し得、より好ましくは500〜20,000の範囲内で有し得る。
【0036】
使用され得るポリエポキシドの中には、エポキシ含有アクリルポリマー、エポキシ縮合ポリマー(例えば、アルコールおよびフェノールのポリグリシジルエーテル)、ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、特定のポリエポキシドモノマーおよびオリゴマー、ならびに前出の混合物がある。
【0037】
エポキシ含有アクリルポリマーは、少なくとも1つのエポキシ基を有するエチレン系不飽和モノマー、およびエポキシ基のない、少なくとも1つの重合可能なエチレン系不飽和モノマーの共重合体である。
【0038】
エポキシ基を含有するエチレン系不飽和モノマーの例としては、1,2−エポキシ基を含有するものがあり、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、およびアリルグリシジルエーテルが挙げられる。
【0039】
エポキシ基を含有しないエチレン系不飽和モノマーの例としては、1〜20個の原子をアルキル基中に含むアクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。これらのアクリレートおよびメタクリレートの特定の例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。他の共重合可能なエチレン系不飽和モノマーの例としては、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、およびビニルトルエン);ニトリル(例えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル);ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン(例えば、塩化ビニルおよびフッ化ビニリデン)ならびに、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)が挙げられる。
【0040】
エポキシ基含有エチレン系不飽和モノマーは、好ましくは、エポキシ含有アクリルポリマーを調製するときに使用される全モノマーの重量の約20パーセント〜90パーセント、より好ましくは、30パーセント〜70パーセントの量で使用される。残りの重合可能なエチレン系不飽和モノマーについて、好ましくは、全モノマーの重量の10パーセント〜80パーセント、より好ましくは、30パーセント〜70パーセントが、アクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステルである。
【0041】
アクリルポリマーは、適した触媒(例えば、有機過酸化物(例えば、過安息香酸t−ブチル、過酢酸t−アミル、もしくは、エチル−3,3−ジ(t−アミルパーオキシ)ブチレート)、またはアゾ化合物(例えば、過酸化ベンゾイル,N,N’−アゾビス(イソブチロニトリル)、もしくはα,α−ジメチルアゾビス(イソブチロニトリル)))の存在下、溶液重合技術により調製され得る。重合は、モノマーが溶解する有機溶液中で実行され得る。適した溶媒としては、芳香族溶媒(例えば、キシレンおよびトルエン)、ケトン(例えば、メチルアミルケトン)、またはエステル溶媒(例えば、エチル 3−エトキシプロピオネート)が挙げられる。あるいは、アクリルポリマーは、水性乳化重合技術または水性分散重合技術により調製され得る。
【0042】
使用されるエポキシ縮合ポリマーは、ポリエポキシド、すなわち、1より大きい、好ましくは1より大きく最大約5.0までの1,2−エポキシ当量を有するポリエポキシドである。そのようなエポキシドの有用な例としては、エピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)とポリカルボン酸の反応からのポリグリシジルエステルが挙げられる。ポリカルボン酸は、当該分野で公知の任意の方法により、特に、脂肪族アルコール、特にジオールおよびアルコール官能基の多いアルコールと、無水物との反応により形成され得る。例えば、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールは無水ヘキサヒドロフタル酸と反応し得、ポリカルボン酸を生成し得る。次いで、ポリカルボン酸はエピクロロヒドリンと反応し、ポリグリシジルエステルを生成する。そのような化合物は、特に有用である。なぜなら、それらは低分子量だからである。よって、それらは低粘度を有し、したがって、高固形分コーティング組成物はそれらを用いて調製され得る。さらに、ポリカルボン酸は、酸官能性(acid−functional)アクリルポリマーであり得る。
【0043】
そのようなエポキシドのさらなる例としては、多価フェノールのポリグリシジルエーテルおよび脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。これらのポリエポキシドは、アルカリ存在下、エピハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)と、多価フェノールまたは脂肪族アルコールとのエーテル化により生成され得る。
【0044】
適したポリフェノールの例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。適した脂肪族アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、1,2−プロピレングリコール、および1,4−ブチレングリコールが挙げられる。また、脂環式ポリオール(例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4 シクロヘキサンジメタノール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、および水素化ビスフェノールAも使用され得る。
【0045】
上記のエポキシ含有ポリマーの他に、特定のポリエポキシドモノマーおよびオリゴマーもまた使用され得る。これらの物質の例は、米国特許第4,102,942号明細書中の第3欄1〜16行に記載される。そのような低分子量ポリエポキシドの特定の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびアジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)が挙げられる。これらの物質は、エポキシ含有アクリルポリマーのような、脂肪族ポリエポキシドである。上述のように、エポキシ含有アクリルポリマーが好まれる。なぜなら、それらがコーティング特性(すなわち、平滑性、光沢、耐久性、および耐溶剤性)の最良の組み合わせを有する生成物をもたらすからである。そのようなポリマーは、カラープラスクリア塗布のためのクリアコートの調合において、特に良いと理解されてきた。
【0046】
ポリエポキシドはフィルム形成組成物中に、樹脂固体の総重量に基づいて約20重量パーセント〜80重量パーセント、より好ましくは30重量パーセント〜40重量パーセントの量で存在する。
【0047】
本発明の組成物は、カルボン酸基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子の炭化水素鎖を有する多塩基酸と、過剰のポリオールとを反応させることにより調製されるポリエステルのヒドロキシル基で、無水多塩基酸を開環させることから形成されるポリ酸硬化剤をさらに含む。ポリ酸硬化剤は、少なくとも2つの酸基を含む。酸官能基は、好ましくはカルボン酸であるが、リンが基となる酸のような酸が使用され得る。好ましくは、ポリ酸硬化剤は、一分子当たり平均して少なくとも2つのカルボン酸基、好ましくは、2つより多くカルボン酸基を有する、カルボン酸が末端の物質である。
【0048】
ポリ酸硬化剤は、多塩基酸および化学量論的に過剰なポリオールから調製されるポリエステルのヒドロキシル基で、無水多塩基酸を開環させることから形成されるエステル基含有オリゴマーである。
【0049】
所望される反応を達成するために、無水多塩基酸およびヒドロキシ官能性ポリエステルを、通常、反応容器中で2つの成分を一緒に混合することにより、互いに接触させる。好ましくは、反応は、不活性雰囲気(例えば、窒素)の存在下、ならびに、固体成分を溶解する溶媒、および/または、反応混合物の粘度を下げる溶媒の存在下、実施される。適した溶媒の例としては、高沸点の物質が挙げられ、例えば、ケトン(例えば、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン);芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン);ならびに、他の有機溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−ピロリドン)が挙げられる。
【0050】
反応温度は、低いこと(すなわち、135℃以下、好ましくは120℃未満)が好ましく、通常は70℃〜135℃、好ましくは90℃〜120℃の範囲内である。
【0051】
反応時間は、主として反応温度に依存していくらか変わり得る。通常、反応時間は、10分という短さから24時間という長さまでである。
【0052】
無水物:ヒドロキシ官能性ポリエステルのヒドロキシルの当量比は、好ましくは、少なくとも約0.8:1であり(無水物は一官能性とみなされる)、所望される半エステルへの最大量の変換を達成する。0.8未満:1の比は使用され得るが、そのような比は、より低い官能性の半エステルの形成を増加させる結果をもたらす。
【0053】
所望されるポリエステルの形成において使用され得る無水多塩基酸の中には、無水物部分の炭素原子を除いて、約2〜30個の炭素原子を含むものがある。好ましくは、1,2−無水物である。例としては、脂肪族(脂環式、オレフィン系、および環状オレフィン系を含む)の無水物、ならびに芳香族の無水物が挙げられる。置換脂肪族芳香族無水物もまた、置換基が無水物の反応性、または結果として生じるポリエステルの特性に不利な影響を与えない条件で、脂肪族および芳香族の定義の中に含まれる。置換基の例としては、クロロ、アルキル、およびアルコキシが挙げられる。無水物の例としては、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水オクタデセニルコハク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水アルキルヘキサヒドロフタル酸(例えば、無水メチルヘキサヒドロフタル酸)、無水テトラクロロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、および無水マレイン酸が挙げられる。
【0054】
ポリ酸硬化剤は、代表的には、30mgKOH/g〜300mgKOH/gの酸価、および少なくとも1000、好ましくは2000〜10,000の数平均分子量を有する。
【0055】
ヒドロキシ官能性ポリエステルは、カルボン酸基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子を含む炭化水素鎖を有するポリカルボン酸と、過剰のポリオールとを反応させることから形成される。
【0056】
ポリエステルを調製するために使用され得るポリオールの中には、ジオール、トリオール、テトロール、およびこれらの混合物がある。ポリオールの例としては、好ましくは、2〜10個の炭素原子を含むもの(例えば、脂肪族ポリオール)が挙げられる。特定の例としては、限定はされないが、以下の組成物が挙げられる:ジトリメチロールプロパン(ビス(2,2−ジメチロール)ジブチルエーテル);ペンタエリトリトール;1,2,3,4−ブタンテトロール;ソルビトール;トリメチロールプロパン;トリメチロールエタン;1,2,6−ヘキサントリオール;グリセリン;トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート;ジメチロールプロピオン酸;1,2,4−ブタントリオール;TMP/ε−カプロラクトントリオール;エチレングリコール;1,2−プロパンジオール;1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;ネオペンチルグリコール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4−トリメチルペンタン−1,3ジオール。好ましくは、ポリオールは2個より多い官能基を有する(例えば、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトール)。
【0057】
適したポリカルボン酸の例としては、2〜4つのカルボン酸基を有し、カルボン酸基の間に少なくとも20個、好ましくは少なくとも26個、そして、より好ましくは26〜40個の連続する炭素原子の炭化水素鎖を含む、直鎖状または分枝鎖状ポリカルボン酸が挙げられる。適したポリカルボン酸の例としては、脂肪族ポリカルボン酸の二量体および重合体(例えば、商標EMPOLの下、販売されるもの(例えば、Cognisから入手可能なEMPOL1008、EMPOL1010)、および、Uniquemaから入手可能なPRIPOL1013があり、EMPOL1008およびPRIPOL1013が好ましい。)が挙げられる。
【0058】
エステル化反応は、ポリマー化学分野の当業者に周知の技術に従って実行されており、詳細な考察が必要であるとは考えない。一般的に上記反応は、成分を混合し、約160℃〜約230℃の温度に加熱することによって実施され得る。エステル化プロセスのさらなる詳細は、米国特許第5,468,802号明細書中の第3欄4〜20行および39〜45行に開示される。
【0059】
ポリエステルへヒドロキシル官能基を導入するために、化学量論的に過剰なポリオールをポリカルボン酸と反応させる。代表的には、OH/COOH当量比は、少なくとも2:1であり、少なくとも3:1であり得る。
【0060】
ポリ酸硬化剤は、架橋可能組成物中に、樹脂固体の総重量に基づいて、約0.5重量パーセント〜50重量パーセント、好ましくは5重量パーセント〜20重量パーセントの量で存在する。
【0061】
クリアコーティング組成物は、ポリエポキシド物質およびポリ酸硬化剤の反応性に依存して、1成分系または2成分系の形態であり得る。
【0062】
傷および引っかき傷への耐性の改良を達成するために、クリアコーティング組成物は、必要に応じて、無機粒子を含有し得る。無機粒子は、セラミック材料、金属材料(メタロイド材料を含む)であり得る。適したセラミック材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属ケイ酸塩、金属ホウ化物、金属炭酸塩、および前出のいずれかの混合物を含む。金属窒化物の特定の非限定的な例としては、例えば、ホウ素窒化物が挙げられる;金属酸化物の特定の非限定的な例としては、例えば、酸化亜鉛が挙げられる;適した金属硫化物の非限定的な例としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タンタル、二硫化タングステン、および硫化亜鉛が挙げられる;金属ケイ酸塩の非限定的な適した例としては、例えば、バーミキュライトといったケイ酸アルミニウムおよびケイ酸マグネシウムが挙げられる。
【0063】
好ましい無機粒子は、シリカ(ヒュームドシリカ、非晶質シリカ、コロイド状シリカを含む)、アルミナ、コロイド状アルミナ、二酸化チタン、酸化セシウム、酸化イットリウム、コロイド状イットリア、ジルコニア、コロイド状ジルコニア、および前出のいずれかの混合物である。別の実施形態において、本発明は、前に記載されたように硬化組成物に関しており、ここで、上記粒子はコロイド状シリカを含む。上で開示されたように、これらの材料は、表面処理されていてもいなくてもよい。
【0064】
コーティング組成物は、ゾルゲル法によりインサイチュでシリカ粒子を形成するのに適した前駆体を含み得る。本発明に従うコーティング組成物は、加水分解され得、インサイチュでシリカ粒子を形成し得るアルコキシシランを含み得る。例えば、テトラエチルオルトシリケートは、酸(例えば、塩酸)で加水分解され得、縮合され得、シリカ粒子を形成し得る。他の有用な粒子としては、表面改質されたシリカ(例えば、米国特許第5,853,809号明細書中の第6欄51行〜第8欄43行に記載されるように)が挙げられる。
【0065】
本発明の硬化組成物は、多成分複合コーティング組成物においてクリアコートとして使用されるので、粒子は上記硬化組成物の光学特性にひどく干渉するべきでないことが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「透明」は、BYK/Haze Gloss測定器を用いて測定される場合、硬化コーティングが50未満のBYK Haze指数を有することを意味する。
【0066】
無機粒子が組成物中に存在するとき、コーティング組成物の総重量を基にして、最大10重量パーセント、好ましくは0.05重量パーセント〜10重量パーセント、より好ましくは0.2重量パーセント〜3重量パーセントの量で存在する。
【0067】
前出の成分に加えて、本発明のコーティング組成物は、当該分野で周知であるような1つ以上の任意の成分(例えば、補助樹脂(補助硬化剤(例えば、アミノプラスト)を含む)、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、カビ駆除剤および殺真菌剤、表面活性剤および流量調整剤、または触媒を含み得る。これらの成分が存在するとき、コーティング組成物の総重量に基づいて、最大40重量パーセントの量で存在する。
【0068】
本発明の硬化コーティング組成物中に存在する成分は、一般的に、有機溶媒中に溶解または分散される。使用され得る有機溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、グリコールエーテル、エステル、またはこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒は、代表的には、組成物の総重量を基にして5重量パーセント〜80重量パーセントの量で存在する。
【0069】
本発明のコーティング組成物が基材上で成膜されるとき、イメージの光沢および明瞭さにより決定されるような良い外観、および、磨耗試験後の光沢保持率により計測される耐引っ掻き性、および、良い湿気耐性を有する。代表的な値は、実施例に示される。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は、本発明を例示することが意図されており、どんな方法にせよ本発明を限定していると解釈されるべきではない。
【0071】
以下の実施例(AおよびB)は、多塩基酸を過剰のポリオールと反応させることにより調製されるポリエステルのヒドロキシル基で、無水多塩基酸の開環から形成される2つのポリ酸硬化剤の調製を示す。ポリエステルのうちの1つを、脂肪族ジカルボン酸を用いて作った。もう1つのポリエステルを、比較目的のために、アジピン酸を用いて作った。
【0072】
実施例A
この実施例は、本発明の熱硬化性組成物中の成分として使用される酸官能性ポリエステルポリマーの調製を記載する。上記ポリエステルを、以下に記載される以下の成分から調製した。
【0073】
【表11】

ポリエステルポリマーを、温度計、機械式撹拌機、冷却器、乾燥窒素スパージャー(sparge)、および加熱用マントルを備えた4首丸底フラスコ中で調製した。最初の5つの成分を、200℃の温度に加熱し、約127グラムの留出物が集められるまでフラスコ中で撹拌し、酸価は1.5以下に落ちた。次いで、物質を130℃の温度に冷却し、712グラムの芳香族炭化水素溶媒を加えた。次いで、無水ヘキサヒドロフタル酸を110℃で加え、混合物を4時間この温度で保持した。最終生成物は液体であり、約62%の不揮発性成分(1時間110℃で測定した場合)、102の酸価、および、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した5542の重量平均分子量を有した。
【0074】
実施例B(比較)
このポリマーは、当量を基にしてEmpol 1008をアジピン酸に置き換えた以外は、実施例Aに記載したポリマーと同じ方法で調製した。最終生成物は液体であり、約62%の不揮発性成分(1時間110℃で測定した場合)、63の酸価、および、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した2253の重量平均分子量を有した。
【0075】
以下の実施例は、種々のベースコート組成物についてである。実施例1は水性ベースコートであった。
【0076】
実施例2および実施例3は、比較目的のためであり、米国特許第5,898,052号明細書中に記載されるような有機溶媒性(organic solvent borne)ベースコートであった。
【0077】
実施例1
水性ベースコートは、PPG IndustriesからHWT36427として入手可能な市販製品であった。ベースコート組成物は、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、およびアミノプラスト硬化剤を用いて調合した。
【0078】
実施例2および実施例3(比較)
溶媒性(solvent borne)ベースコートを、米国特許第5,898,052号明細書中の表2の実施例1、および表2の実施例3から使用した。上記ベースコートのための調合物は以下の通りであった。
【0079】
【表12】

以下の実施例は、ポリエポキシド−ポリ酸硬化剤を基とした透明トップコート組成物についてである。実施例4は、実施例Aのポリ酸硬化剤を使用し、実施例5は、実施例Bのポリ酸硬化剤を使用する。
【0080】
実施例4
透明トップコート組成物を、以下の成分から調製した。
【0081】
【表13】

Dow Chemical Co.から入手可能な溶媒
Ciba Additivesから入手可能なUV吸収体
2005年6月6日に出願された米国特許出願公開第11/145,812号に記載される通りに調製した「シリカB」。米国特許出願公開第11/145,812号は本明細書中で参考として援用される。
60%のグリシジルメタクリレート、30.8%のn−ブチルメタクリレート、0.2%のメチルメタクリレート、7%のスチレン、および2%のα−メチルスチレン二量体からなるポリマー。ポリマーのMwは約2500であり、固体上のエポキシ当量237を有する。上記ポリマーは、プロピオン酸n−ペンチル中で64%が固体である。
Dow Chemical Co.から入手可能な脂環式ジエポキシド。
CYTEC Industries, Inc.から入手可能なメラミンホルムアルデヒド樹脂。
New York Fine Chemicalsから入手可能な光安定剤。
Byk Chemieから入手可能なポリエーテル/ジメチルポリシロキサン共重合体。
Dyno Cytecから入手可能な、シリコーンを含まないポリマーであり、酢酸n−ブチルと、Butyl Cellosolve(登録商標) Acetate(Dow Chemical Co.から入手可能)との1:1の混合物中の50%溶液へ希釈した。
10 約650のMwおよび固体上で酸当量が205である72.5%の固体の酢酸n−ブチル中で、55%の無水4−メチルヘキサヒドロフタル酸、23%の無水ヘキサヒドロフタル酸、および22%のトリメチロールプロパンからなるポリマー中で分散するWacker Chemie AGから入手可能なHDK(登録商標) H30LMヒュームドシリカ。
11 約650のMwおよび固体上で205の酸当量である72.5%の固体の酢酸n−ブチル中で、55%の無水4−メチルヘキサヒドロフタル酸、23%の無水ヘキサヒドロフタル酸、および22%のトリメチロールプロパンからなるポリマー。
12 Albemarle Corp.から入手可能なアミン。
【0082】
実施例5(比較)
透明トップコート組成物を、以下の成分から調製した。
【0083】
【表14】

以下の実施例は、実施例4および実施例5の水性着色ベースコートおよび透明トップコート組成物を用いるカラー−クリア複合コーティングについてである。
【0084】
実施例4および実施例5のクリアフィルム形成組成物を、以下の表で指示されるように水性着色ベースコートに噴霧塗布し、下塗りエレクトロコーティングされた鋼鉄パネル上にカラープラスクリア複合コーティングを形成させた。上記パネルはED6060でエレクトロコーティングされたACT冷間圧延鋼鉄パネル(10.16cm×30.48cm)であり、ACT Laboratories,Incから入手可能であった。上記パネルを、HWB9517(PPG Industriesから入手可能な黒く着色された水性ベースコート)か、HWT36427(PPG Industriesから入手可能な銀色に着色された水性ベースコート)のいずれかを用いてコーティングした。ベースコートを、エレクトロコーティングされた鋼鉄パネルに周囲温度(約70°F(21℃))で自動噴霧塗布した。約0.5ミル〜0.7ミル(約12マイクロメーター〜17マイクロメーター)の乾燥フィルムの厚さを、ベースコートの目標とした。ベースコートパネルを、クリアコートの塗布前に176°F(80℃)で5分間脱水させた。
【0085】
ベースコート組成物(実施例1〜3)を、下塗りエレクトロコーティングされた鋼鉄パネルに周囲温度(70°F(21℃))で自動噴霧塗布した。使用されたパネルは、ED6060でエレクトロコーティングされたACT冷間圧延鋼鉄パネル(10.16cm×30.48cm)であり、ACT Laboratories,Incから入手可能であった。約0.6ミル〜0.8ミル(約16マイクロメーター〜19マイクロメーター)の乾燥フィルムの厚さを、ベースコートの目標とした。ベースコートパネルを、クリアコートの塗布前に176°F(80℃)で5分間脱水させた。
【0086】
実施例4のクリアコーティング組成物を、2回のコーティング(塗布の間には周囲環境に短時間晒した)において、ベースコーティングされたパネルに周囲温度で自動噴霧塗布した。クリアコートは、1.7ミル(約43マイクロメーター)の乾燥フィルムの厚さを目標とした。コーティングを、オーブンの前に、周囲温度で空気に短時間晒した。パネルは260°F(127℃)で30分間焼き、コーティングを完全に硬化させた。パネルは外観特性(例えば、20°光沢、DOI、色、およびフロップ指数)を試験した。結果を以下に報告する。
【0087】
【表1】

X−Rite MA68IIマルチアングル分光光度計から得られた、正反射対角度反射の比に対応する測定。数字が大きいほど、フロップはより良い。
20°光沢を、Gardcoから入手可能なNOVO−GLOSS統計光沢計を用いて測定した。
DOI(イメージの明瞭さ)は、Tricor Systems,Inc.から入手可能なDOI/HAZE測定器 Model 807Aを用いて測定した。
【0088】
上記の表1で報告されたデータは、クリアコートがポリエポキシド−ポリ酸硬化剤に基づき、そして、水性最終コーティング上に塗布される本発明の複合ベースコート/クリアコートコーティングは、クリアコートが溶媒性ベースコート上に塗布される比較用複合コーティングに対して優れた外観を有することを示す。
【0089】
以下の実施例は、実施例4および実施例5の透明トップコート組成物が水性着色ベースコート上に塗布されたカラークリア複合コーティングについてである。
【0090】
実施例4および実施例5のクリアコーティング組成物を、2回のコーティング(塗布の間には周囲環境に短時間晒した)において、ベースコーティングされたパネルに周囲温度でそれぞれ自動噴霧塗布した。クリアコートは、1.7ミル(約43マイクロメーター)の乾燥フィルムの厚さを目標とした。全てのコーティングを、硬化の前に、周囲温度で空気に短時間晒した。パネルは260°F(127℃)で30分間焼き、コーティングを完全に硬化させた。上記パネルは、特性(例えば、傷耐性(Amtec車洗浄およびAtlas Crockmeter)ならびに湿気耐性((140°F(60℃)および110°F(43℃)QCT Condensation Tester、および100°F(38℃)Humidity Cabinet)))を試験した。上記コーティングの特性を、以下の表に報告する。
【0091】
【表2】

以下の手順を使用したCrockmeter試験:
1 Chicago, Ill.のAtlas Electric Devices Companyで製造されたAtlas AATCC Crockmeter, model CM−5のアクリル製の指状のものを、2インチ×2インチ(3cm×3cm)のフェルト布(Atlas Electric Devicesから入手可能)、および3M Companyから入手可能な2インチ×2インチ(3cm×3cm)の9ミクロンの研磨紙で覆った。
【0092】
2 クレンザーでコーティングされたパネルを、Crockmeterを用いて10回擦る(10の2倍数擦る)。
【0093】
3 それぞれの試験後、少なくとも一度フェルト布および研磨紙を変えて、試験を繰り返した。
【0094】
4 20°光沢を、上述のNovo−Gloss光沢計を用いて、パネルの傷を付けていない部分、および、パネルの傷をつけた部分の両方で測定した。光沢の違いが傷耐性の尺度であった。違いが小さいほど、傷耐性が優れている。
車洗浄試験を、Amtec Car Wash Machineを用いて測定した。使用された試験方法は、DIN55668に記載されるように、Amtec Car Wash Lab Apparatus for Test Sheets、および水道水20リットル当たり30グラムのSikron SH200の砂(grit)の洗浄用懸濁液からなる。20°光沢の読み取りは、Gardco(登録商標)によりNovo−GlossTM統計光沢計を用いてなされた。Amtec Car Wash Lab Apparatus for Test SheetsおよびSikron SH200はAmtec Kistler GmbHから入手可能である。
【0095】
表2の試験データは、本発明の複合コーティングが,比較実施例と比較して、車洗浄試験により測定されたときの耐引っ掻き性が改善されたことを示す。
【0096】
【表3】

泡(blistering)に対する評価には、ASTM D714−87を使用する。10番は、泡が現れなかった。8番は、肉眼により容易に観察されるもっとも小さい泡が現れた。泡の頻度を、密、中程度に密、中程度、および、わずかにより表した。曇りに対する評価は、目視観測である。
【0097】
表3で報告した試験データは、本発明の複合コーティングおよび比較例が良い湿気耐性を有することと、本発明の複合コーティングが4日140°F試験により測定されたより良い湿気耐性を有することを示す。
【0098】
本発明の特定の実施形態が例示の目的のためにこれまで記載されてきたのに対し、本発明の詳細の膨大な変化は、添付した特許請求の範囲において規定されるような発明から逸脱すること無しになされ得ることは当業者にとって明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースコートとして使用する着色フィルム形成組成物、および、該ベースコート上で透明トップコートとして使用するクリアフィルム形成組成物を含む多成分複合コーティング組成物であって、ここで
(a)該ベースコートが、水性着色フィルム形成組成物から成膜され、そして
(b)該透明トップコートが、
(i)ポリエポキシド、および
(ii)カルボン酸基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子を含む炭化水素鎖を有する多塩基酸と、過剰なポリオールとを反応させることにより調製されるポリエステルのヒドロキシル基を用いて、無水多塩基酸の開環により形成されるポリ酸硬化剤、
を含むフィルム形成組成物から成膜される、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、上記水性着色フィルム形成組成物が
(a)反応性官能基を有するポリマー、および
(b)該(a)の官能基と反応する官能基を有する硬化剤
を含む、組成物。
【請求項3】
前記(a)の官能基がヒドロキシルおよびカルボン酸から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記硬化剤がアミノプラストである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリエポキシドが、少なくとも1つの他の共重合体可能なモノマーと、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとの共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記他の共重合体可能なエチレン系不飽和モノマーが、アクリル酸のアルキルエステルまたはメタクリル酸のアルキルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリエポキシドが500〜20,000の数平均分子量、および樹脂固体に基づく150〜1500のエポキシ当量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記多塩基酸が、該カルボン酸基の間に少なくとも20個の連続する炭素原子を含む炭化水素鎖を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記多塩基酸が脂肪族ジカルボン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪族ジカルボン酸が、該カルボン酸基の間に26〜40個の連続する炭素原子の炭化水素鎖を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリオールが、2個より多い官能基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリオールが、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールから選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記硬化剤が、30mgKOH/g〜300mgKOH/gの酸価を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記硬化剤が、少なくとも1000の数平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物であって、
(i)が前記(b)のフィルム形成組成物中に20重量パーセント〜80重量パーセントの量で存在し、
(ii)が0.5重量パーセント〜50重量パーセントの量で存在し、
重量パーセントは樹脂固体の総重量に基づいている、組成物。
【請求項16】
ベースコートとして使用する着色フィルム形成組成物、および、該ベースコート上で透明トップコートとして使用するクリアフィルム形成組成物を含む多成分複合コーティング組成物であって、ここで
(a)該ベースコートが、水性着色フィルム形成組成物から成膜され、そして
(b)該透明トップコートが、
(i)ポリエポキシド、および
(ii)2個より多い官能基を有する過剰なポリオールと、脂肪族ジカルボン酸とを反応させることにより調製されるポリエステルのヒドロキシル基に対する、無水多塩基酸の開環により形成されるポリ酸硬化剤、
を含むフィルム形成組成物から成膜される、組成物。
【請求項17】
前記脂肪族ジカルボン酸がカルボン酸基の間に26〜40個の連続する炭素原子の炭化水素鎖を有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記ポリオールがトリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールから選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記硬化剤が、30mgKOH/g〜300mgKOH/gの酸価を有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記硬化剤が、2000〜10,000の範囲内の数平均分子量を有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
請求項16に記載の組成物であって、
(i)が前記(b)のフィルム形成組成物中に30重量パーセント〜40重量パーセントの量で存在し、
(ii)が5重量パーセント〜20重量パーセントの量で存在し、
重量パーセントは(b)中の樹脂固体の総重量に基づいている、組成物。

【公表番号】特表2010−512427(P2010−512427A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540359(P2009−540359)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/084034
【国際公開番号】WO2008/073645
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ インコーポレーテツド (267)
【Fターム(参考)】