説明

カラープロファイル作成装置、カラープロファイル作成方法、プログラム及び記録媒体

【課題】カラー画像出力装置における一次色等の特定色の良好な色再現性が保証されたカラープロファイルを作成する装置及び方法を提供する。
【解決手段】カラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データが特定色データ抽出部201から色相特性算出部202へ送られ、その測色データの色相特性が求められる。置換データ生成部203で、特定色データ抽出部から送られる特定色に対応した第2ガマットデータに対し色相特性算出部202から渡された色相特性を反映させる色相補正を施すことにより置換データを生成する。特定色データ置換部206により、置換データで特定色の第2ガマットデータが置換され、このような置換処理の処理が終わった後のカラーターゲットデータがガマット圧縮部105で第2ガマットから第3ガマットへガマット圧縮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある色再現域(ガマット)を持つ色信号を、より制限されたガマットを有するカラー画像出力装置用の色信号へ変換するために用いられるカラープロファイル(色変換プロファイル)を作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、sRGB対応のカラー画像表示装置に表示されている画像データを、カラー画像表示装置よりもガマットが制限されたカラープリンタ等のカラー画像出力装置で出力する場合、RGB信号(入力色信号)から、そのカラー画像出力装置に適したCMYK信号等の色信号(出力色信号)への変換を行う必要がある。
【0003】
この変換に用いられるカラープロファイルは、例えば、sRGB空間を同種類の立方体に分割し、各格子点のアドレス(RGB値により決まる)に出力色信号値を記憶させた3次元もしくは4次元のルックアップテーブルとして作成される場合が多い。
【0004】
このようなカラープロファイルを作成する場合、例えば、sRGB空間の各格子点のRGB値をデバイス独立な色空間であるCIELABやCIECAM02のような知覚空間の色データに変換した後、カラー画像出力装置のガマットへのガマット圧縮を行い、ガマット圧縮後の色データをカラー画像出力装置用の出力色信号値へ変換し、その出力色信号値を格子点に対応したアドレスに記憶したルックアップテーブルを作成するような手順が用いられる。
【0005】
なお、周知のように、sRGBはIEC(国際電気標準会議)が1998年に策定した色空間の国際標準規格であり、CIELABはCIE(国際照明学会)が定めJISにも規定されている均等色空間の国際標準であり、CIECAM02(Colour Appearance Model 2002)はCIEから2004年に発行された色の見えモデルである。
【0006】
図14は、CIELAB空間でのガマット圧縮を説明する模式図である。図14(a)において、sRGB対応カラー画像表示装置のガマットのある色相での最外殻(すなわち、sRGB空間の当該色相での最外殻)が実線で表されており、カラー画像出力装置のガマットのある色相での最外殻が破線で表されている。ガマット圧縮は、sRGB空間の各格子点に対応したL*a*b*値がカラー画像出力装置のガマットの内側にあるか外側にあるか判定し、外側にあるときは該L*a*b*値を同ガマットの最外殻上のL*a*b*値にマッピングし(すなわち圧縮する)、ガマットの内側にあるときは同じL*a*b*値にマッピングする(すなわち圧縮しない)、という処理である。ガマット外のL*a*b*値のマッピング先の決め方によって、図14(b)に模式的に示すように、圧縮前後の色差が最小となるように圧縮する方法、圧縮前の明度が保存されるように圧縮する方法、圧縮前の彩度が保存されるように圧縮する方法、さらには、カラー画像表示装置のガマットでの明度を相対的にカラー画像出力装置のガマットに置き換えるパーセプチャルマッピングと呼ばれる方法等、様々な方法が知られている(例えば特許文献1参照)。なお、図14には、カラー画像表示装置のガマット最外殻上の点sを、カラー画像出力装置のガマット最外殻上の色差最小(距離最小)の点tへマッピングする例が示されている。
【0007】
さて、カラー画像表示装置のガマットとカラー画像出力装置のガマットの大きさ、形状の違いが大きい場合、カラー画像出力装置のガマット外の色(例えば点s)に対応付けるガマット最外殻上の色(例えば点t)の選択の自由度が大きい。このことは、カラープロファイルの作成に関与する者の技量の違いや、カラー画像出力装置のガマットの大きさ・形状の違い等によって、ガマット圧縮前後の色データの対応付けのばらつきが大きいということである。ガマット圧縮の適否はカラープロファイルの色再現性能に直接影響するため、そのようなばらつきを制限する措置を講じることが好ましい。
【0008】
その解決に有効な先行技術が本願出願人の特許出願に係る特許文献1に開示されている。特許文献1に示されたカラーマップ作成装置においては、仮想ガマットを介在させた2段階のガマット圧縮が利用されている。この仮想ガマットを介在させた2段階のガマット圧縮について、その概要を図15を参照し説明する。
【0009】
図15に示すように、例えばsRGB対応カラー画像表示装置のガマット(第1ガマット=sRGB空間)からカラー画像出力装置のガマット(第3ガマット)へのガマット圧縮を行う場合に、第2ガマットより狭く第3ガマットよりは広い仮想のガマット(第2ガマット)を設定する。そして、第1ガマットの代表色としてsRGB空間を立方体分割した各格子点のL*a*b*値を用意し、それらを第2ガマットへガマット圧縮し、第2ガマットへのガマット圧縮後のL*a*b*値を第3ガマットへガマット圧縮するという2段階のガマット圧縮を行う。図15には、第1ガマット最外殻上の点sが第2ガマット最外殻上の点vへマッピングされ、この点vがさらに第3ガマット最外殻上の点tにマッピングされる例が示されている。このように仮想の第2ガマットを介在させることにより、第1ガマットから第3ガマットへの変換の自由度(点sから点tへの対応付けの自由度)を制限することができる。
【0010】
【特許文献1】特開2002−252785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
さて、例えばシアン(C)色材、マゼンタ(M)色材、イエロー(Y)色材、ブラック(K)色材を用いるようなカラー画像出力装置の場合、シアン、マゼンタ等の一次色は1色の色材のみで再現したい、レッド、ブルー等の二次色を2色の色材のみで再現したい、といった特定色の再現についての要望がある。
【0012】
本発明は、そのような特定色の再現についての要望に応えようとするものであり、より具体的には、仮想ガマットを介在させた2段階のガマット圧縮手法が利用されるカラープロファイル作成装置又は方法において、そのような特定色の良好な色再現性が保証されたカラープロファイルの作成を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の発明のカラープロファイル作成装置は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得手段により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするものである。
【0014】
このような構成のカラープロファイル作成装置によれば、特定色について、第2ガマットデータにカラー画像出力装置の色相特性を反映させ、その後に第3ガマットへのガマット圧縮が行われるため、特定色についての良好な色再現性が保証されたカラープロファイルを作成可能である。
【0015】
請求項2記載の発明のカラープロファイル作成装置は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得手段により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするものである。
【0016】
このような構成のカラープロファイル作成装置によれば、カラープロファイル作成者は、特定色指定データを通じて、良好な色再現性を保証したい1又は2以上の特定色を指定し、その特定色の良好な色再現性が保証されたカラープロファイルを作成することができる。
【0017】
請求項3記載の発明の特徴は、請求項1又は2に記載の発明に係るカラープロファイル作成装置において、前記特定色が、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることである。
【0018】
かかる構成によれば、カラー画像出力装置において色再現性が重要な一次色又は二次色について良好な色再現性を保証したカラープロファイルを作成可能である。
【0019】
請求項4記載の発明の特徴は、請求項1,2又は3に記載の発明に係るカラープロファイル作成装置において、前記第2のガマットは前記第1ガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことである。かかる構成によれば、第1ガマットから第3ガマットへの色データの対応付けの自由度を制限し、その対応付けのばらつきによる悪影響を抑えることができる。
【0020】
さて、請求項1又は2記載の発明に係るカラープロファイル作成装置においては、特定色の第1ガマットデータに対応した第2ガマットデータのための置換データを、当該第2ガマットデータをベースにして生成したが、同様の置換データを特定色についての測色データをベースにして生成することも可能である。第2ガマットと第3ガマットの大きさ・形状の違いが小さい場合、測色データをベースにした置換データの生成は容易である。ただし、測色データをベースにする関係上、置換データに第2ガマットデータの階調特性を反映させるために第2ガマットデータの階調特性を求める必要がある。請求項5又は6記載の発明は、このような測色データをベースにして置換データを生成するものである。
【0021】
すなわち、請求項5記載の発明のカラープロファイル作成装置は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得手段、
前記特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得手段により求められた色相特性及び前記階調特性取得手段により求められた階調特性が反映された、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするものである。
【0022】
請求項6記載の発明のカラープロファイル作成装置は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下、指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得手段、
前記指定特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得手段により求められた色相特性及び前記階調特性取得手段により求められた階調特性が反映された、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項7記載の発明の特徴は、請求項5又は6に記載の発明に係るカラープロファイル作成装置において、前記特定色が、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることにある。
【0024】
請求項8記載の発明の特徴は、請求項6,6又は7記載の発明に係るカラープロファイル作成装置において、前記第2ガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことである。
【0025】
以上の請求項5乃至8記載の発明に係るカラープロファイル作成装置によっても、請求項1乃至4記載の発明に係るカラープロファイル作成装置と同様に特定色についての良好な色再現性を保証したカラープロファイルを作成することができる。
【0026】
請求項9乃至16の各項記載の発明は、特定色の良好な色再現性を保証したカラープロファイルを作成する方法を提供するものであり、その特徴は以下の通りである。
【0027】
すなわち、請求項9記載の発明のカラープロファイル作成方法は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得工程により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0028】
請求項10記載の発明のカラープロファイル作成方法は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得工程により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先立って、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて、前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0029】
請求項11記載の発明の特徴は、請求項9又は10に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法において、前記特定色が、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることである。
【0030】
請求項12記載の発明の特徴は、請求項9,10又は11に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法において、前記第2のガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことである。
を特徴とする請求項9,10又は11に記載のカラープロファイル作成方法。
【0031】
請求項13記載の発明のカラープロファイル作成方法は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得工程、
前記特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得工程により求められた色相特性及び前記階調特性取得工程により求められた階調特性が反映された、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0032】
請求項14記載の発明のカラープロファイル作成方法は、
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下、指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得工程、
前記指定特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得工程により求められた色相特性及び前記階調特性取得工程により求められた階調特性が反映された、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0033】
請求項15記載の発明の特徴は、請求項13又は14に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法において、前記特定色が、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることである。
【0034】
請求項16記載の発明の特徴は、請求項13,14又は15に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法において、前記第2のガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことである。
【0035】
また、請求項17記載の発明は、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0036】
また、請求項18記載の発明は、請求項9乃至16のいずれか1項に記載の発明に係るカラープロファイル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0037】
以上に述べた通り、本発明によれば、カラー画像出力装置における特定色の良好な色再現性を保証したカラープロファイルを作成可能なカラープロファイル作成装置及び方法、並びに、同方法をコンピュータで実施するためのプログラム及びそれが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に、本発明の実施形態について、図面を用い詳細に説明する。
【0039】
[第1の実施形態]
まず、請求項1乃至4,9乃至12に記載の発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るカラープロファイル作成装置の構成を示すブロック図である。このカラープロファイル作成装置は、複数種類のカラーターゲットデータを格納しているカラーターゲットDB(データベース)100と、複数種類のカラー画像出力装置に関するデータを格納しているカラー画像出力装置DB(データベース)102を備える。
【0040】
図2にカラーターゲットデータの一例を示す。このカラーターゲットデータは、第1ガマットデータと、それに対応付けた第2ガマット(仮想ガマット)データ及び特定色フラグから構成されている。特定色フラグを省くことも可能である。この第1ガマットデータと第2ガマットデータの作成方法の一例を図3により説明する。
【0041】
sRGB空間を立方体分割し、各格子点に対応したRGB値を生成する。例えばsRGB空間のR,G,B各軸を均等に8分割するものとする。この場合、sRGB空間全体の格子点は9×9×9個となる。各格子点のRGB値(R[1,i],G[1,i],B[1,i])が第1ガマットデータである。ここで[1,i]の1は第1ガマットを示し、iは格子点に対応した番号である(第2ガマットデータについても同様)。
【0042】
まず、各格子点のRGB値を変換手段401によって3刺激値XYZへ変換する。この変換は例えば式(1)の3×3マトリクス演算によって行われる。
X=α00×R+α01×G+α02×B
Y=α10×R+α11×G+α12×B
Z=α20×R+α21×G+α22×B .....式(1)
係数α00〜α22の値は光源(D50、D65、F11など)に応じて決まる。
【0043】
次に、この3刺激値XYZを変換手段402によりCIELABの均等色空間へ変換する。この変換は式(2)で表される。
L*=116×(Y/Y0)^(1/3)−16
ただし、Y/Y0>0.008856
a*=500×〔(X/X0)^(1/3)−(Y/Y0)^(1/3)〕
b*=200×〔(Y/Y0)^(1/3)−(Z/Z0)^(1/3)
ただしX0、Y0、Z0は基準反射面の値 ....式(2)
【0044】
次に、このL*a*b*値をガマット圧縮手段403により仮想の第2ガマットへガマット圧縮する。このガマット圧縮後のL*a*b*値が第2ガマットデータである。
【0045】
なお、図3に示した変換を多項式近似演算やニューラルネットワークにより実行することもできる。また、自動生成された第2ガマットデータに、必要に応じて手作業で修正を加えてもよい。また、第2ガマットデータの生成を手作業で行うこともあり得る。
【0046】
図2に戻る。カラーターゲットデータ中の特定色フラグは、第1ガマットデータの各格子点のRGB値がどのような特定色であるか識別するためのフラグである。ここで、特定色とは、代表的には一次色(シアン、マゼンタ、イエロー等、カラー画像出力装置の色材を1色だけ使って出力させたい色)であるが、二次色(レッド、グリーン、ブルー等、カラー画像出力装置の色材を2色だけ使って出力させたい色)、三次色グレー(カラー画像出力装置のシアン、マゼンタ、イエローの色材を使って出力されるグレー)、さらには、コーポレーションカラー(企業のロゴに使用される色で、測色値や印刷用インクメーカーが発売しているカラー色票での番号などで管理されている色)等を特定色に含めてもよい。特定色フラグは、例えば、その値が0のときに特定色以外の色を示し、1のときにシアン一次色を示し、2のときにマゼンタ一次色を示し、3のときにイエロー一次色を示す、というようなものでよい。
【0047】
カラー画像出力装置DB102に格納されているカラー画像出力装置に関するデータには、例えば図4に示すような第3ガマットデータとそれに対応付けた特定色フラグが含まれ、さらにカラー画像出力装置のガマット(第3ガマット)の最外殻データ、L*a*b*値から出力色信号値への変換パラメータが含まれる。
【0048】
ガマットの最外殻データとは、CIELAB空間においてガマット最外殻を例えば図5に示すようなポリゴンで記述し、その各頂点の座標(L*a*b*値)を示すものである。
【0049】
第3ガマットデータは、当該カラー画像出力装置で実際に特定色の階調パッチを出力させ、その測色データ(L*a*b*値)と、それに対応したRGB値(sRGB値と区別するためデバイスRGB値と呼ぶ)のペアである。例えばシアン一次色の場合、当該カラー画像出力装置で複数のシアンカラーパッチ(低濃度ベタから最高濃度ベタまでの離散的な階調パッチ)を出力させ、各パッチを測色計で測色し、その測色データ(L*a*b*値)を第3ガマットデータ中のシアン一次色のL*a*b*値として設定する。図5には、ガマット最外殻ポリゴンの表面に、このようなシアン一次色のL*a*b*値が黒丸としてプロットされている。マゼンタ一次色、イエロー一次色、その他の特定色についても同様な階調パッチを出力させ、その測色データが第3ガマットデータ中のL*a*b*値として設定される。
【0050】
カラー画像出力装置データ中の特定色フラグは、カラーターゲットデータ(図2)における特定色フラグと同様のフラグである。この特定色フラグが含まれる場合、第3ガマットデータ中のデバイスRGB値を省いてよい。あるいは、デバイスRGB値が含まれる場合には、特定色フラグを省いてよい。
【0051】
なお、第3ガマットデータのL*a*b*値(測色データ)及びデバイスRGB値の[3,i]の3は第3ガマットであることを示し、iは各データに付けられた番号である。
【0052】
図1に戻る。カラープロファイル作成装置は、カラーターゲットデータ記憶部101、カラー画像出力装置データ記憶部103、特定色データ抽出部200,201、色相特性算出部202、置換データ生成部203、特定色データ置換部206、カラーターゲット補正データ記憶部104、ガマット圧縮部105、カラープロファイル生成部106を備える。
【0053】
カラーターゲットDB100からカラーターゲット指定データで指定されたカラーターゲットデータが読み出され、そのデータはカラーターゲットデータ記憶部101に一時的に保持される。また、カラー画像出力装置DB102からカラー画像出力装置指定データで指定されたカラー画像出力装置に関するデータが読み出され、そのデータはカラー画像出力装置データ記憶部103に一時的に保持される。
【0054】
カラーターゲットデータ記憶部101内のカラーターゲットデータは、特定色データ抽出部200によって順次読み出されてカラーターゲット補正データ記憶部104へ転送される。その際、特定色データ抽出部200において、特定色指定データで指定された特定色(例えばシアン一次色)の第1ガマットデータに対応した第2ガマットデータが抽出されて特定色データ置換部206及び置換データ生成部203へ送られる。なお、指定された特定色の第1ガマットデータと第2ガマットデータのペアをそのまま特定色データ置換部206へ送るようにしてもよい。また、指定された特定色の第1ガマットデータ及びそれに対応した第2ガマットデータを、カラーターゲット補正データ記憶部104へ転送しないようにしてもよい。
【0055】
本実施形態のようにカラーターゲットデータに特定色フラグが含まれている場合、特定色データ抽出部200は特定色フラグの値を調べることにより容易に指定された特定色であるか否かを判定することができる。特定色フラグが含まれていない場合には、第1ガマットデータ(RGB値)に基づいて指定された特定色であるか否かを判定することできる。例えば、
(R,G,B)=(0,N,N)ならばシアン
(R,G,B)=(N,0,N)ならばマゼンタ
(R,G,B)=(N,N,0)ならばイエロー
(R,G,B)=(N,0,0)ならばレッド
(R,G,B)=(0,N,0)ならばグリーン
(R,G,B)=(0,0,N)ならばブルー
(R,G,B)=(N,N,N)ならば3色グレー
というように判定することができる。ここで、NはR,G,B各値が8ビットの場合は0から255までの整数をとる。ただし、このような単純な規則性のないコーポレーションカラーのような特定色を対象に含める場合には、特定色フラグを付与し判定に利用するのがよい。
【0056】
カラー画像出力装置データ記憶部103内の図4に示したデータが特定色データ抽出部201によって順次読み出され、特定色指定データで指定された特定色の第3ガマットデータが抽出され、そのL*a*b*値のみ色相特性算出部202へ送られる。特定色データ抽出部201においては、第3ガマットデータに付与された特定色フラグの値を調べることにより指定された特定色であるか否かを容易に判定することができる。なお、特定色フラグが含まれていない場合には、デバイスRGB値に基づいて、先に述べた規則性に着目した判定を行うことも可能である。
【0057】
色相特性算出部202において、特定色データ抽出部201より送られた特定色の測色データであるL*a*b*値の色相特性(すなわちカラー画像出力装置における該特定色についての色相特性)が算出され、その色相特性情報が置換データ生成部203へ渡される。なお、色相特性の具体的な算出方法及び色相特性情報の具体的内容については後述する。
【0058】
置換データ生成部203では、その色相特性情報に基づいて、特定色データ抽出部200より送られた特定色の第2ガマットデータ(L*a*b*値)に、カラー画像出力装置の該特定色の色相特性に合わせるための色相補正を施すことにより、該第2ガマットデータの階調特性を保存しつつ色相特性算出部202により求められた色相特性が反映された置換データを生成する。この色相補正の具体的内容については後述する。
【0059】
生成された置換データ(L*a*b*値)は、特定色データ置換部206によりカラーターゲット補正データ記憶部104内の対応した第2ガマットデータに上書きされる。なお、先に述べたように、特定色の第1ガマットデータと第2ガマットデータのペアを特定色データ置換部206へ送ることもでき、この場合には、第1ガマットデータと置換データのペアがカラーターゲット補正データ記憶部104内の対応したデータに上書きされる。また、先に述べたように、指定された特定色の第1ガマットデータ及び第2ガマットデータをカラーターゲット補正データ記憶部104へ転送しないようにすることもでき、この場合には、特定色の第1ガマットデータと置換データのペアを単純にカラーターゲット補正データ104に追加書き込みすることになる。
【0060】
指定された特定色についての第2ガマットデータの置換データによる置換が完了すると、ガマット圧縮部105において、カラー画像出力装置データ記憶部103から、図5を参照し説明した第3ガマット最外殻情報を読み込む。そして、カラーターゲット補正データ記憶部104から第1ガマットデータ及び第2ガマットデータを順次読み込み、第2ガマットデータ(L*a*b*値)の第3ガマットへのガマット圧縮を行う。このガマット圧縮の方法は、図14を参照して説明したような圧縮前後の色差を最小にする圧縮方法、圧縮前の明度を保存する圧縮方法、圧縮前の彩度を保存する圧縮方法等の公知のガマット圧縮方法でよいので、これ以上の説明は省略する。
【0061】
ここで、図6を参照し、ガマット圧縮までの処理について説明を補足する。
図6の破線枠421内の図は第1ガマットデータを説明するためのもので、左側の図はsRGB空間の立方体分割の様子を模式的に示している。R,G,B各軸を8分割した場合、sRGB空間全体の格子点は9×9×9個存在することになる。カラー画像表示装置はR、G、Bの各発光体を光らせるので、その一次色は本来はR、G、Bを指すが、ここではカラー画像出力装置での色材の色であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)を一次色と考えて説明している。sRGB空間の原点にsRGBブラック:点Bp1(0,0,0)があり、最も遠い所にsRGBホワイト:点Wp1(255,255,255)がある。一次色の最高の彩度を示す点はそれぞれ、sRGBシアン:点C1(0,255,255)、sRGBマゼンタ:点M1(255,0,255)、sRGBシアン:点Y1(255,255,0)である。そして、点Wp1から点C1への太線、点Wp1から点M1への太線、点Wp1から点Y1への太線がそれぞれの一次色である。
【0062】
破線枠421内の右側の図は、sRGBのシアン一次色である格子点上の9点がL*a*b*値に変換されプロットされた様子を示している。同図の四角形は第1ガマットの最外郭である。一次色はガマット最外郭上にあり、点Wp1は点Wp1’と、点Bp1は点Bp1’と、点C1は点C1’とそれぞれ対応している。以下、特定色としてシアン一次色を例にして説明する。
【0063】
このシアン一次色が仮想の第2ガマットへガマット圧縮された様子が図6の破線枠422内に模式的に示されている。破線の四角形は仮想の第2ガマットの最外殻を示している。この例では、第1ガマットの点Wp1’は点Wp2へ、点Bp1’は点Bp2へ、点C1’は点C2へと圧縮されている。このようにガマット圧縮されたL*a*b*値がシアン一次色の第2ガマットデータに相当する。
【0064】
カラー画像出力装置での特定色の良好な色再現を保証するため、本実施形態においては、指定した特定色の第2ガマットデータの色相が補正される。すなわち、シアン一次色が指定された場合、カラー画像出力装置で出力したシアンの階調パッチの測色データ(第3ガマットデータ中のL*a*b*値)の色相特性に合わせるように、破線ブロック422内に示したシアン一次色の第2ガマットデータの色相が補正される。この色相の補正は、前述したように第2ガマットデータを置換データで置換することによってなされる。このようにして色相が補正されたシアンの第2ガマットデータが、ガマット圧縮部105でのガマット圧縮処理の対象となる。
【0065】
位相が補正されたシアンの第2ガマットデータが第3ガマットの最外殻へガマット圧縮された様子が図6の破線枠423内に示されている。破線の四角形は第3ガマットの最外殻である。点Wp2が点Wp3へ、点Bp2が点Bp3へ、点C2が点C3へそれぞれ対応付けされている。
【0066】
次に図7を参照し、色相特性算出部202における色相特性算出及び置換データ生成部203における色相補正の具体例を説明する。ここでは、シアン一次色を例に説明する。
【0067】
図7において、特定色データ抽出部200で抽出されたシアン一次色に対応した第2ガマットデータの9点(L*[2,x],a*[2,x],b*[2,x];x=0,1,..,8)が黒丸印でプロットされており、また、特定色データ抽出部201で抽出されたシアン一次色についての第3ガマットデータ(測色データ)の16点(L*[3,j],a*[3,j],b*[3,j];j=0,1,..,15)が白抜き丸印でプロットされている。
【0068】
色相特性算出部202において、第3ガマットデータの一次色16点のa*[3,j]及びb*[3,j]を下記の式(3)及び式(4)に代入し、全点の彩度C[3,j]及び色相H[3,j]を求める。
【0069】
C=√(a*×a*+b*×b*) ....式(3)
H=atan2(a*,b*)×180/π
ただし、a*=b*=0のとき、H=0
H<0のとき、H=360+H ....式(4)
【0070】
次に色相特性算出部202において、算出した彩度C[3,j]から色相H[3,j]を予測する式
H[3,j]=f0(C[3,j]) ....式(5)
を導出する。関数f0()は例えば近似多項式である。すなわち、この例では、彩度から色相を予測する関数f0()が色相特性として求められる。
【0071】
置換データ生成部203においては、第2ガマットデータのシアン一次色9点のa*[2,x],b*[2,x]を前記式(3)に代入し、彩度C[2,x]を求める。求めた彩度を関数f0()に代入し(つまり前記式(5)のC[3,j]と置き換え)、色相H[2,x]を求める。つまり、
H[2,x]=f0(C[2,x]) ....式(6)
の演算を行う。次に算出した色相H[2,x]をシアン一次色9点に反映させる。具体的には次式(7),(8)の演算により、色相を補正した9点のa*[2,x]’,b*[2,x]’を算出する。
【0072】
a*[2,x]’=C[2,x]×cos(H[2,x]×π/180)
....式(7)
b*[2,x]’=C[2,x]×sin(H[2,x]×π/180)
....式(8)
【0073】
そして、第2ガマットデータのシアン一次色9点のL*a*b*値(L*[2,x],a*[2,x],b*[2,x])を、色相が補正された9点のL*a*b*値(L*[2,x],a*[2,x]’,b*[2,x]’)で置き換える。かくして、第3ガマットデータのシアン一次色の色相特性に合わせるように、第2ガマットデータのシアン一次色9点に対し色相補正が施された。この色相補正後のデータが置換データである。
【0074】
図1に戻り、カラープロファイル生成部106について説明する。ガマット圧縮部105より、カラーターゲットデータの第1ガマットデータ(各格子点のsRGB値)と、それに対応した第2ガマットデータ(L*a*b*値)のガマット圧縮後のデータ(L*a*b*値)がカラープロファイル生成部106に入力される。ここでは、sRGB信号からデバイスRGB信号への変換を行うためのカラープロファイルを作成するものとすると、カラープロファイル生成部106においては、まず第2ガマットデータのガマット圧縮後のL*a*b*値をデバイスRGB値へ変換する処理を行う。この変換は、例えば図8に示すように、L*a*b*値からCMY値への変換を予測手段411(例えばニューラルネットワーク)で行い、そのCMY値からデバイスRGB値への変換を予測手段412(例えば多項式近似演算手段)で行う。予測手段411,412のパラメータ(ニューラルネットワークパラメータ、多項式近似パラメータ)は、カラー画像出力装置データ記憶部103内の当該カラー画像出力装置に関するデータに含まれており、それがカラープロファイル生成部106に読み込まれて変換に用いられる。
【0075】
このような変換処理の後、カラープロファイル生成部106において、例えば、sRGB空間の各格子点に対応したアドレス(格子点のsRGB値で決まる)に、それに対応したデバイスRGB値を記憶させた3次元のルックアップテーブルをカラープロファイルとして作成する。
【0076】
図9に、以上に説明した処理動作の概要を処理フローとして示す。図9において、S100はカラーターゲットデータをカラーターゲットデータ記憶部101に読み込むステップ、S101はカラー画像出力装置データをカラー画像出力装置データ記憶部103に読み込むステップ、S103は特定色データ抽出部200の処理ステップ、S104は特定色データ抽出部201の処理ステップ、S105は色相特性算出部202の処理ステップ、S106は置換データ生成部203と特定色データ置換部206の処理ステップ、S107はガマット圧縮部105の処理ステップ、また、S108はカラープロファイル生成部106の処理ステップである。この処理フローは、本発明のカラープロファイル作成方法の処理手順の一例を示すものでもある。なお、図中の各ステップの時間的な前後関係は適宜変更し得る。例えば、ステップS101,S104,S105の処理を連続して実行した後に、ステップS100,S103,S106の処理を連続して行うような手順も可能である。また、複数のステップ(例えばS100,S101)の処理を並行して実行するような手順とすることもできる。
【0077】
また、図9に示したような処理手順を、一般的なコンピュータシステムのハードウェア資源を利用しソフトウェアにより実行することも容易である。そのためのプログラム、すなわち、図9に示した処理ステップをコンピュータに実行させるプログラム、あるいは、コンピュータを図1に示したカラープロファイル作成装置の各部分として機能させるプログラム、並びに、かかるプログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子等のコンピュータが読み取り可能な各種記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
【0078】
本実施形態によれば、カラープロファイル作成者は、特定色指定データを通じて色再現性を重視したい特定色を指定することにより、カラー画像出力装置において該特定色の良好な色再現性が保証されたカラープロファイルを作成することができる。また、カラープロファイル作成者は、カラーターゲット指定データを通じて、カラー画像出力装置とカラーターゲットの組み合わせを適宜選択することができる。
【0079】
なお、カラーターゲット補正データ記憶部104を設けず、カラーターゲット記憶部101内のカラーターゲットデータに対し、特定色データ置換部206で指定された特定色データについての置換データによる置換(色相補正)を行い、この置換処理が完了した後に、カラーターゲット記憶部101内のカラーターゲットデータをガマット圧縮部105で読み込ませるようにすることも可能である。また、本実施形態では入力色信号をsRGB信号、出力色信号をデバイスRGB信号としたカラープロファイルを作成したが、それのみに限定されないことは勿論である。
【0080】
[第2の実施形態]
次に、請求項5乃至8,13乃至16に記載の発明に係る実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係るカラープロファイル作成装置の構成を示すブロック図である。図10と図1を対比すれば明らかなように、本実施形態においては、前記第1の実施形態の置換データ生成部203は置換データ生成部205に置き換わり、階調特性算出部204が追加されている。以下、前記第1の実施形態との相違点について説明する。
【0081】
階調特性算出部204は、特定色データ抽出部200により抽出された特定色に対応した第2ガマットデータの階調特性を算出する。ここでは、特定色としてシアン一次色が指定されており、シアン一次色に対応した第2ガマットデータとして図7に黒丸印でプロットした9点(L*[2,x],a*[2,x],b*[2,x];x=0,1,...,8)が存在し、またシアン一次色についての第3ガマットデータとして図7に白抜き丸印でプロットした16点(L*[3,j],a*[3,j],b*[3,j];j=0,1,...,15)が存在するものとして以下説明する。
【0082】
階調特性算出部204において、第2ガマットデータのシアン一次色の9点について前記式(3)により彩度C[2,x]を算出する。次に、入力を[2,x]とする彩度C[2,x],明度L*[2,x]の予測式を求める。すなわち
C[2,x]=f1([2,x]) ....式(9)
L*[2,x]=f2([2,x]) ....式(10)
関数f1(),f2()は例えば近似多項式である。
【0083】
ここでは、この関数f1(),f2()のパラメータ(多項式近似パラメータ)が階調特性情報として置換データ生成部205に送られるものとする。
【0084】
なお、式(10)の予測結果が例えば図11の(a)に示す様に、明度L*[2,x]がxの増加に対して線形に近い変化をする場合、第2ガマットのシアン一次色は明度についてリニアな階調特性を持っていることがわかる。また、式(9)の予測結果が例えば図11の(b)に示すように、xの増加に対して彩度C[2,x]が上に凸なカーブを描く場合、第2ガマットのシアン一次色は彩度について高彩度を重視した階調特性を持っていることがわかる。このような階調特性パターンを階調特性情報として置換データ生成部205に送り、その階調特性パターンに合わせた階調補正を行わせるような構成も可能である。
【0085】
次に、置換データ生成部205の処理を説明する。置換データ生成部205では、第3ガマットのシアン一次色16点について、階調を補正した彩度C[3,j]を次式により算出する。
C[3,j]=f1([3,j]) ....式(11)
【0086】
この例では、第2ガマットのシアン一次色9点に対し、第3ガマットのシアン一次色は16点なので、軸[3,j]を正規化して9点の彩度C[3,x]を得る。すなわち、
C[3,x]=f1([3,x]) ....式(12)
【0087】
図12の(a)において、右側の図は第2ガマットのシアン一次色9点の彩度特性を示し、左側の図は式(11)で算出された彩度C[3,j]及び式(12)で算出された(正規化された)彩度C[3,x]の特性を示している。
【0088】
第3ガマットのシアン一次色16点の明度についても同様に
L*[3,j]=f2([3,j]) ....式(13)
を算出し、さらに9点に正規化した明度
L*[3,x]=f2([3,x]) ....式(14)
を求める。
【0089】
図12の(b)において、右側の図は第2ガマットのシアン一次色9点の明度特性を示し、左側の図は式(13)で算出された明度L*[3,j]及び式(14)で算出された(正規化された)明度L*[3,x]の特性を示している。
【0090】
色相についても同様の正規化を行って、9点の色相を求める。すなわち、
H[3,x]=f0(C[3,x]) ....式(15)
なお、関数f0()は色相特性算出部202で求められた色相予測のための関数である(前記式(5)参照)。
【0091】
次に、9点の色相H[3,x]とC[3,x]を前記式(7)及び前記式(9)のH[2,x]とC[2,x]に代入し、a*[3,x]’とb*[3,x]’を求める。このようにして得られたシアン一次色9点のデータ(L*[3,x]、a*[3,x]’、b*[3,x]’がシアン一次色に対応した第2ガマットデータのための置換データである。この置換データは、以上の説明から明らかなように、シアン一次色についての第3ガマットデータすなわち測色データの位相特性、及び、シアン一次色に対応した第2ガマットデータの元々の階調特性を反映している。
【0092】
置換データ生成部205により生成された置換データは特定色データ置換部206へ送られる。特定色データ置換部206においては、カラーターゲット補正データ記憶部104内のシアン一次色に対応した元の第2ガマットデータ(L*[[2,x]、a*[2,x]’、b*[2,x]’)に、置換データ(L*[3,x]、a*[3,x]’、b*[3,x]’)を上書きする。なお、指定された特定色の第2ガマットデータがカラーターゲット補正データ記憶部104に予め転送されていない場合には、置換データを単に追加書き込みするだけでよい。また、指定された特定色データの第1ガマットデータ及び第2ガマットデータの両方ともカラーターゲット補正データ記憶部104に予め転送されていない場合には、特定色データ置換部205は、元の特定色の第1ガマットデータと置換データのペアをカラーターゲット補正データ記憶部104に追加書き込みすることになる。
【0093】
図13に、以上説明した処理動作の概要を処理フローとして示す。図13において、S200はカラーターゲットデータをカラーターゲットデータ記憶部101に読み込むステップ、S201はカラー画像出力装置データをカラー画像出力装置データ記憶部103に読み込むステップ、S203は特定色データ抽出部200の処理ステップ、S204は特定色データ抽出部201の処理ステップ、S205は色相特性算出部202の処理ステップ、S206は階調特性算出部204の処理ステップ、S207は置換データ生成部205の処理ステップ、S208は特定色データ置換部206の処理ステップ、S209はガマット圧縮部105の処理ステップ、S210はカラープロファイル生成部106の処理ステップである。この処理フローは、本発明のカラープロファイル作成方法の処理手順の一例を示すものでもある。なお、図中の各ステップの時間的な前後関係は適宜変更し得る。例えば、ステップS201,S204,S205の処理を連続して実行した後に、ステップS200,S203,S206,S207,S208の処理を連続して行うような手順も可能である。また、複数のステップ(例えばS200,S201)の処理を並行して実行するような手順とすることもできる。
【0094】
また、図13に示すような処理手順を、一般的なコンピュータシステムのハードウェア資源を利用しソフトウェアにより実行することも容易である。そのためのプログラム、すなわち、図13に示した処理ステップをコンピュータに実行させるプログラム、あるいは、コンピュータを図10に示したカラープロファイル作成装置の各部分として機能させるプログラム、並びに、かかるプログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子等のコンピュータが読み取り可能な各種記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
【0095】
本実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様に、カラープロファイル作成者は、特定色指定データを通じて色再現性を重視したい特定色を指定することにより、カラー画像出力装置における該特定色の良好な色再現性が保証されたカラープロファイルを作成することができる。また、カラープロファイル作成者は、カラーターゲット指定データを通じてカラー画像出力装置とカラーターゲットの組み合わせを適宜選択することができる。
【0096】
なお、カラーターゲット補正データ記憶部104を設けず、カラーターゲット記憶部101内のカラーターゲットデータに対し、特定色データ置換部206で指定された特定色データの置換処理を行うようにし、置換処理が出力したカラーターゲット記憶部101内のカラーターゲットデータをガマット圧縮部105で読み込ませるようにすることもできる。入力色信号をsRGB信号、出力色信号をデバイスRGB信号としたカラープロファイルを作成したが、それのみに限定されないことは前述した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施形態に係るカラープロファイル作成装置のブロック図である。
【図2】カラーターゲットデータの説明図である。
【図3】カラーターゲットデータの作成方法の説明図である。
【図4】第3ガマットデータ及び特定色フラグの説明図である。
【図5】ポリゴンで表した第3ガマット最外殻にシアン一次色の測色値をプロットした図である。
【図6】ガマット圧縮までの処理の説明のための模式図である。
【図7】第2ガマットのシアン一次色9点と第3ガマットのシアン一次色16点を示した模式図である。
【図8】カラープロファイル生成部におけるL*a*b*値からデバイスRGB値への変換の説明図である。
【図9】第2の実施形態における処理動作の概略を示したフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係るカラープロファイル作成装置のブロック図である。
【図11】第2ガマットのシアン一次色の明度と彩度の階調特性例を示す図である。
【図12】置換データ生成部における階調補正の説明図である。
【図13】第2の実施形態における処理動作の概略を示したフローチャートである。
【図14】ガマット圧縮の説明図である。
【図15】仮想ガマットを介在させる2段階のガマット圧縮の説明図である。
【符号の説明】
【0098】
100 カラーターゲットDB
101 カラーターゲットデータ記憶部
102 カラー画像出力装置DB
103 カラー画像出力装置データ記憶部
104 カラーターゲット補正データ記憶部
105 ガマット圧縮部
106 カラープロファイル生成部
200,201 特定色データ抽出部
202 色相特性算出部
203 置換データ生成部
204 階調特性算出部
205 置換データ生成部
206 特定色データ置換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得手段により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成装置。
【請求項2】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得手段により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成装置。
【請求項3】
前記特定色は、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラープロファイル作成装置。
【請求項4】
前記第2のガマットは前記第1ガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のカラープロファイル作成装置。
【請求項5】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得手段、
前記特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得手段により求められた色相特性及び前記階調特性取得手段により求められた階調特性が反映された、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成装置。
【請求項6】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを保有し、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮手段、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下、指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得手段、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得手段、
前記指定特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得手段により求められた色相特性及び前記階調特性取得手段により求められた階調特性が反映された、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成手段、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成手段により生成された前記置換データで置き換える手段、
及び、
前記ガマット圧縮手段によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する手段、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成装置。
【請求項7】
前記特定色は、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることを特徴とする請求項5又は6に記載のカラープロファイル作成装置。
【請求項8】
前記第2ガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことを特徴とする請求項5,6又は7に記載のカラープロファイル作成装置。
【請求項9】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得工程により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成方法。
【請求項10】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータに基づいて、当該第2ガマットデータの階調特性及び前記色相特性取得工程により求められた色相特性が反映された、当該第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先立って、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて、前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成方法。
【請求項11】
前記特定色は、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることを特徴とする請求項9又は10に記載のカラープロファイル作成方法。
【請求項12】
前記第2のガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことを特徴とする請求項9,10又は11に記載のカラープロファイル作成方法。
【請求項13】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記特定色についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得工程、
前記特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得工程により求められた色相特性及び前記階調特性取得工程により求められた階調特性が反映された、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成方法。
【請求項14】
第1のガマットを有する色データ(第1ガマットデータと記す)と、前記第1ガマットデータを第2のガマットへガマット圧縮した色データ(第2ガマットデータと記す)と、第3のガマットを有するカラー画像出力装置で出力させた複数の特定色の階調パッチの測色データとを取得する工程、
前記第2ガマットデータを前記第3のガマットへガマット圧縮するガマット圧縮工程、
前記複数の特定色のうちの特定色指定データにより指定された特定色(以下、指定特定色と記す)についての前記測色データの色相特性を求める色相特性取得工程、
前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータの階調特性を求める階調特性取得工程、
前記指定特定色についての前記測色データに基づいて、前記色相特性取得工程により求められた色相特性及び前記階調特性取得工程により求められた階調特性が反映された、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータのための置換データを生成する置換データ生成工程、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮に先だって、前記指定特定色の前記第1ガマットデータに対応した前記第2ガマットデータを、そのために前記置換データ生成工程により生成された前記置換データで置き換える工程、
及び、
前記ガマット圧縮工程によるガマット圧縮後の色データ及び前記第1ガマットデータに基づいて前記カラー画像出力装置用のカラープロファイルを生成する工程、
を有することを特徴とするカラープロファイル作成方法。
【請求項15】
前記特定色は、前記カラー画像出力装置において1色の色材のみで出力すべき一次色又は2色の色材で出力すべき二次色であることを特徴とする請求項13又は14に記載のカラープロファイル作成方法。
【請求項16】
前記第2のガマットは前記第1のガマットより狭く、前記第3のガマットは前記第2のガマットより狭いことを特徴とする請求項13,14又は15に記載のカラープロファイル作成方法。
【請求項17】
請求項9乃至16のいずれか1項に記載のカラープロファイル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項9乃至16のいずれか1項に記載のカラープロファイル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−17099(P2009−17099A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175098(P2007−175098)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】