説明

カルシウム受容体−活性化合物の急速溶解処方

【課題】カルシウム受容体−活性化合物の制御された溶解プロフィールを有する組成物の提供。
【解決手段】シナカルセットHClまたはシナカルセットメタンスルホネートから選択される、カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物であって、組成物の少なくとも1つの投薬量単位が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる、0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、前記組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カルシウム受容体−活性化合物は、当分野において公知である。カルシウム受容体−活性化合物の一例は、シナカルセットHClであり、これは例えば、米国特許第6,001,884号に記載されている。このようなカルシウム受容体−活性化合物は、特にこれらの非イオン化状態において、水中に不溶であるか、またはやや溶けにくいことがある。例えばシナカルセットは、中性のpHにおいて約1μg/mL未満の水中溶解性を有する。シナカルセットの溶解性は、pHが約3から約5である時、約1.6mg/mLに達しうる。しかしながらpHが約1である時、この溶解性は、約0.1mg/mLに減少する。このような限定された溶解性は、これらのカルシウム受容体−活性化合物に有効な配合および送達の選択肢の数を減少させることがある。限定された水溶解性はまた、これらの化合物の低いバイオアベイラビリティーを結果として生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第6,001,884号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、潜在的には生体内暴露の間、投薬形態からのカルシウム受容体−活性化合物の溶解を最大限にする必要がある。同様に、生体内暴露の間、カルシウム受容体−活性化合物のバイオアベイラビリティーも改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの側面は、少なくとも1つの医薬的に許容されるキャリヤーと組合わせて、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物を含んでいる医薬組成物を提供する。本発明のあるいくつかの実施態様は、規定された溶解プロフィールを有する医薬組成物を目的とする。
【0005】
本発明はまた、所望の溶解プロフィールを達成するための医薬組成物の製造方法、ならびにこの医薬組成物を用いた疾病の治療方法も提供する。さらには、本発明のあるいくつかの実施態様は、医薬組成物を含んでいる配合物の溶解速度の制御方法を目的とする。
【0006】
本発明の1つの側面によれば、本発明は、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物であって、米国薬局方(USP)−国民医薬品集(NF)(USP26/NF21)、第711章に沿い、USP2装置を用いて37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出される0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる組成物を提供する。
【0007】
本発明のもう1つの側面によれば、本発明は、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物であって、USP26/NF21、第711章に沿い、USP2装置を用いて約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、組成物を提供する。
【0008】
本発明はまた、カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる配合物の溶解速度の制御方法であって、約1Lから約2,000Lの範囲の容積を有し、顆粒化レベルにおいてグラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約10%から約50%の範囲の水を含有するグラニュレーターにおいて配合物を生産する工程を含む方法も提供する。
【0009】
特許請求された発明において有用なカルシウム受容体−活性化合物は、カルシウム擬態化合物またはカルシウム分解性化合物であってもよい。本発明において用いられている「カルシウム擬態(calcimimetic)化合物」という用語は、カルシウム受容体に結合し、内因性リガンドCa2+によるカルシウム受容体活性化についての閾値を減少させる立体配置変更を誘発し、これによって副甲状腺ホルモン(「PTH」)分泌を減少させる化合物のことを言う。これらのカルシウム擬態化合物はまた、カルシウム受容体のアロステリックモジュレーターと考えることもできる。本明細書において用いられている「カルシウム分解性(calcilytic)化合物」という用語は、カルシウム受容体アンタゴニストとして作用し、PTH分泌を刺激する化合物のことを言う。
【0010】
本発明において有用なカルシウム擬態化合物およびカルシウム分解性化合物には、例えば次のものに開示されたものが含まれる。すなわち、欧州特許第933354号;国際公開番号第WO01/34562号、第WO93/04373号、第WO94/18959号、第WO95/11221号、第WO96/12697号、第WO97/41090号;米国特許第5,981,599号、第6,001,884号、第6,011,068号、第6,031,003号、第6,172,091号、第6,211,244号、第6,313,146号、第6,342,532号、第6,363,231号、第6,432,656号、および米国特許公開第2002/0107406号である。これらの特許および公開された出願に開示されたカルシウム擬態化合物および/またはカルシウム分解性化合物は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0011】
あるいくつかの実施態様において、これらのカルシウム受容体−活性化合物は、式(I)の化合物および医薬的に許容されるこれらの塩:
【0012】
【化1】

(式中、
同一または異なっていてもよいXおよびXは、各々、CH、CHO、CHCHO、Br、Cl、F、CF、CHF、CHF、CFO、CHS、OH、CHOH、CONH、CN、NO、CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アセトキシ、およびアセチル基から選択された基であるか、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体を形成してもよく、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体を形成してもよいが;ただしXは、3−t−ブチル基ではないという条件があり;
nは、0から5であり;
mは、1から5であり;および
アルキル基は、場合により、飽和および不飽和線状、枝分かれ、および環式C−Cアルキル基、ジヒドロインドリルおよびチオジヒドロインドリル基、および2−、3−、および4−ピペリジ(ニ)ル基から選択された少なくとも1つの基で置換されたC−Cアルキル基から選択される)、およびこれらの立体異性体から選択される。
【0013】
本発明において有用なカルシウム受容体−活性化合物は、無機または有機酸に由来する医薬的に許容される塩の形態で用いることができる。これらの塩には、次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。すなわち、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルフォネート、重硫酸塩、酪酸塩、カンファレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、シクロペンタンプロピオネート、ドデシルスルフェート、エタンスルフォネート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホネート、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホネート、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホネート、蓚酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、2−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、トシレート、メシレート、およびウンデカノエートである。本発明の化合物が、酸性官能基、例えばカルボキシ基を含んでいる時、その場合には、このカルボキシ基に適した医薬的に許容される塩は、当業者に周知であり、これには例えば、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、第四アンモニウムカチオンなどが含まれる。「医薬的に許容される塩」の追加例については、下記のもの、およびBergeら、J.Pharm.Sci.66:1(1977)参照。本発明のあるいくつかの実施態様において、塩酸塩の塩、およびメタンスルホン酸塩の塩を用いることができる。
【0014】
本発明のいくつかの実施態様において、カルシウム受容体−活性化合物は、シナカルセット、すなわちN−(1−(R)−(1−ナフチル)エチル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−アミノプロパン、シナカルセットHCl、およびシナカルセットメタンスルホネートから選択することができる。シナカルセットHClおよびシナカルセットメタンスルホネートは、様々な形態にあってもよく、例えば非晶質粉末、結晶性粉末、およびこれらの混合物であってもよい。例えば結晶性粉末は、多形、擬似多形、晶癖、小割球的(micromeretic)、および粒子形態を包含する形態にあってもよい。
【0015】
本明細書に開示されている組成物中のカルシウム受容体−活性化合物の治療的有効量は、約1mgから約360mg、例えば約5mgから約240mg、約20mgから約100mgである。本明細書において用いられている「治療的有効量」とは、被験者におけるカルシウムレベル、リンレベル、PTHレベル、カルシウム・リン積の少なくとも1つを、所望の方法で変化させる量である。いくつかの実施態様において、本明細書に開示された組成物中のシナカルセットHClの治療的有効量は、約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、または約360mgから選択することができる。
【0016】
本発明の化合物を単独で投与することは可能でありうるが、投与された化合物は通常、医薬組成物中の活性成分として存在するであろう。したがって本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の治療的有効量、または少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効投与量を含んでいてもよい。
【0017】
本明細書に用いられている「有効投薬量」とは、単一用量、多重用量、または部分用量として提供された時、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の治療的有効量を供給する量である。したがって、本発明の少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量は、化合物の有効量、またはそれ以下、またはそれ以上の量を包含する;例えばタブレット、カプセルなどにおける2つまたはそれ以上の単位投薬量が、この化合物の有効量を投与するために必要とされる医薬組成物であるか、または、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効量が、この組成物の一部を投与することによって投与される多重用量医薬組成物、例えば粉末、液体などである。
【0018】
または、例えばタブレット、カプセルなどにおける2つまたはそれ以上の単位投薬量が、少なくとも1つのカルシウム受容体−活性化合物の有効量を投与ために必要とされる医薬組成物は、例えば個人の被験者にとって有効な用量を確認するため、潜在的な副作用に対して個人の被験者の感受性を減じるため、個人の被験者へ投与された1つまたはそれ以上のほかの治療薬の有効投薬再調節または枯渇を可能にするために、1つまたはそれ以上の期間(すなわち1日1回の投与、および1日2回の投与)、有効量未満が投与されてもよい。
【0019】
本明細書に開示された医薬組成物の有効投薬量は、単位投薬形態からの約1mgから約360mg、例えば単位投薬形態からの約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、または約360mgである。
【0020】
本発明のいくつかの実施態様において、本明細書に開示された組成物は、副甲状腺機能亢進症、例えば原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積の治療のためのシナカルセットHClの治療的有効量を含んでいる。例えばあるいいくつかの実施態様において、シナカルセットHClは、この組成物の総重量に対して、約1から約70重量%、例えば約5から約40重量%、約10から約30重量%、約15から約20重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0021】
本発明の組成物は、カルシウム受容体−活性化合物に加えて、1つまたはそれ以上の活性成分を含有してもよい。追加の活性成分は、もう1つのカルシウム受容体−活性化合物であってもよく、またはこれは異なる治療活性を有する活性成分であってもよい。このような追加の活性成分の例には、例えばビタミンおよびこれらの類似体、例えばビタミンDおよびその類似体、抗生物質、および心臓血管剤を包含する。
【0022】
この組成物において用いることができるシナカルセットHClまたはほかのカルシウム受容体−活性化合物は、典型的には粒子形態で存在する。これらの粒子は、例えば約50μmまたはそれ以下の粒子D50を有してもよい。本明細書において用いられている「粒子D50」は、粒子サイズ分布の50パーセンタイル(50th percentile)における活性製薬成分の粒子サイズである。本発明のあるいくつかの実施態様によれば、この配合物中の活性製薬成分は、下で詳細に考察された、この配合物の顆粒D50未満である粒子D50を有する。
【0023】
シナカルセットHCl粒子の粒子D50は、公知の光散乱技術を用いて、当業者によって決定されうる。本発明の1つの実施態様において、シナカルセットHCl粒子の粒子D50は、粒子の懸濁液を走査するためにレーザーを用いる粒子サイズ分析器、例えばマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)分析器を用いることによって決定される。これらの粒子は、検出器へ入ってくる光を回折し、より小さい粒子はより大きい角度で光を回折するが、一方で、より大きい粒子は、より小さい角度で光を回折する。各検出器において観察された光強度は、測定された粒子の容積に等しい容積を有する球の直径を基準にして粒子サイズ分布に変換(translate)される。
【0024】
具体的には、活性製薬成分、例えばシナカルセットHClの粒子サイズ分布は、次の手順にしたがって決定することができる。マルバーン・マスターサイザー粒子サイズ分析器における次の機器条件を、そのソフトウエアにおいて特定する:
【0025】
【表1】

【0026】
攪拌している間、ヘキサン(「分散剤−B」)中の約0.1%ソルビタントリオレエート(例えば、キシダ・ケミカルから入手しうるスパン(Span)85(登録商標))の分散液約170mLを、サンプリング装置へ添加し、分散剤−Bの背景測定をするためにレーザーを照準する。
【0027】
シナカルセットHClを含有する懸濁液全体を、約10から約20%の範囲の適切な不明瞭化(obscuration)範囲が得られるまで添加する。サンプルは、不明瞭化値が安定した後で測定する。この測定後、この系を排水し、分散剤−B約170mLで一度濯ぎ洗いし、分散剤−Bを排水し、サンプリング装置に分散剤−B約170mLを再び満たす。測定を、2組に分けられた(riffled)異なるフラクションを用いてさらに2回繰り返す。サイズが約15mgの小さい代表的な粒子サイズフラクションを得るために、大きいサンプルに対して2組への分割を実施する。
【0028】
不明瞭化、D(v,0.1)、D(v,0.5)、D(v,0.9)値を、ついでこれらの測定値から計算する。D(v,0.1)、D(v,0.5)、D(v,0.9)値の平均、標準偏差、および相対標準偏差(RSD)も計算する。RSD(%)は、次のように計算する:
【0029】
【数1】

(式中、Xは、N測定値の組における個々の測定値であり、この組の算術平均である)。
【0030】
本明細書に開示された組成物は、様々な形態、例えば顆粒形態にあってもよい。本発明において用いることができる顆粒は、約50μmから約150μm、例えば約80μmから約130μmの顆粒D50を有してもよい。本明細書において規定されている「顆粒D50」は、粒子サイズ分布の50パーセンタイルにおける組成物の粒子サイズである。顆粒D50は、篩分析技術を用いて、当業者によって容易に決定されうる。具体的には、顆粒D50は、次の手順にしたがって決定される。
【0031】
40メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、100メッシュ、140メッシュ、200メッシュ、325メッシュ、および底部パン(pan)を備えた篩振とう機へ、サンプル約100gを添加する。ついでこの篩振とう機を、約10分間作動させて、粒子サイズにしたがってサンプルを分離する。各篩の重さを測って、各篩および底部パン上に保持されたサンプルの量を決定する。個々の篩重量を標準化して、篩重量分率を発生させる。個々の篩の重量分率は、各篩重量を、全篩重量の合計で割って計算する。
【0032】
各篩の重量分率=各篩の重量/全篩の合計
粒子サイズの計算前に、平均サイズ範囲は、各篩および底部パンについて決定されなければならない。各篩スクリーンのこの平均サイズは、スクリーン上に保持された平均粒子サイズを表わす。各篩スクリーンのこの平均サイズは、このスクリーンの孔サイズ(下限)および1つの篩サイズだけ大きいもの(上限)によって決定される。40メッシュ篩スクリーンの場合、約1410μmの孔サイズが、上限として用いられる。下記の表1は、各スクリーン上のあらゆる保持された材料の粒子サイズ範囲、およびこの粒子サイズ範囲の平均を示している。
【0033】
【表2】

【0034】
各篩の重量分率を加えて、底部パンから出発して40メッシュスクリーンまでの累積頻度分布を発生させる。ひとたび累積頻度分布が発生させられたら、10−パーセンタイル(D10)、50−パーセンタイル(D50)、および90−パーセンタイル(D90)における対応粒子サイズが決定される。対応パーセンタイルの粒子サイズは、累積頻度分布からの2つの連続データ間の線形補間法によって決定される。例えば50−パーセンタイル(D50)の粒子サイズは、次のものによって補間される:
【0035】
【数2】

式中、
=50−パーセンタイルの未満にあるサンプルの累積量(%);
=Xが発生する場合、篩スクリーンからの粒子サイズ範囲の平均(mm);
n+1=50−パーセンタイル以上であるサンプルの隣の累積量(%);
n+1=Xn+1が発生する場合、篩スクリーンからの粒子サイズ範囲の平均(mm)。
【0036】
本発明のすべての実施態様によれば、活性製薬成分の粒子サイズは、光散乱技術にしたがって測定され、組成物の顆粒の粒子サイズは、篩分析にしたがって測定される。
【0037】
本明細書に開示された組成物は、例えばタブレット、カプセル、および粉末から選択された形態にあってもよい。タブレットは、顆粒をタブレット形態にプレスすることによって製造することができる。カプセルもまた、顆粒を用いて製造することができる。
【0038】
少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤は、例えば希釈剤、例えばデンプン、微小質セルロース、リン酸二カルシウム、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、スクロース、メチルデキストリン;バインダー、例えばポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジヒドロキシプロピルセルロース、およびナトリウムカルボキシメチルセルロース;および崩壊剤、例えばクロスポビドン、ナトリウムデンプングリコレート、クロスカルメロースナトリウム、および前記のもののいずれかの混合物から選択することができる。少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤はさらに、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、グリセリルベヘネート、水素化植物油、グリセリンフメレート、および滑り剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、およびこれらの混合物から選択することができる。本発明のいくつかの実施態様において、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤は、微晶質セルロース、デンプン、タルク、ポビドン、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、ナトリウムドデシルスルフェート、および上記のもののいずれかの混合物から選択される。本発明の賦形剤は、顆粒内、顆粒間、またはこれらの混合であってもよい。
【0039】
本発明のいくつかの実施態様において、この組成物および/またはこの組成物中の顆粒は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約1:1から約15:1の範囲の重量比において含んでいてもよい。例えばこの組成物において、微晶質セルロースおよびデンプンの重量比は、約1:1から約15:1、例えば約10:1であってもよく、この組成物中の顆粒において、微晶質セルロースおよびデンプンの重量比は、約1:1から約10:1、例えば約5:1であってもよい。
【0040】
微晶質セルロースは、この組成物の総重量に対して、約25から約85重量%、例えば約50から約80重量%、または約60から約75重量%の範囲の量で存在しうる。デンプンは、この組成物の総重量に対して、約5から約35重量%、例えば約5から約25重量%、または約5から約10重量%の範囲の量で存在しうる。
【0041】
本明細書に開示されている組成物はさらに、当分野において公知のコーティング材料から選択された少なくとも1つの成分、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでいてもよい。
【0042】
あるいくつかの組成物は、
(a)シナカルセットHClおよびシナカルセットメタンスルホネートから選択されたカルシウム受容体−活性化合物約10から約40重量%;
(b)少なくとも1つの希釈剤約45から約85重量%;
(c)少なくとも1つのバインダー約1から約5重量%;および
(d)少なくとも1つの崩壊剤約1から約10重量%;
を含んでいてもよく、この場合、重量%は、該組成物の総重量に対してのものである。この組成物はさらに、滑り剤、潤滑剤、および粘着剤から選択された少なくとも1つの添加剤を、この組成物の総重量に対して、約0.05から約5重量%含んでいてもよい。この組成物はさらに、この組成物の総重量に対して、少なくとも1つのコーティング材料を約1から約6重量%含んでいてもよい。
【0043】
もう1つの実施態様において、本明細書において開示された組成物は、
(a)シナカルセットHCl約10から約40重量%;
(b)デンプン約5から約10重量%;
(c)微晶質セルロース約40から約75重量%;
(d)ポビドン約1から約5重量%;および
(e)クロスポビドン約1から約10重量%
を含んでおり、この場合、重量%は、該組成物の総重量に対してのものである。
【0044】
ポビドンは、この組成物の総重量に対して、約1から約5重量%、約1から3重量%の量で存在してもよい。クロスポビドンは、この組成物の総重量に対して、約1から約10重量%、例えば約3から約6重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0045】
この組成物はさらに、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど、および前記のもののいずれかの混合物から選択された少なくとも1つの添加剤を、この組成物の総重量に対して、約0.05から約5重量%含んでいてもよい。本発明のあるいくつかの実施態様において、この組成物は、コロイド状二酸化ケイ素約0.05から約1.5%、ステアリン酸マグネシウム約0.05から約1.5%、タルク約0.05から約1.5%、または前記のもののいずれかの混合物を含んでいる。この組成物はさらには、この組成物の総重量に対して、少なくとも1つのコーティング材料約1から約6重量%さえ含んでいてもよい。
【0046】
上記のように、本発明のあるいくつかの実施態様の組成物は、USP2装置において37℃±0.5℃の温度、75r.p.m.の回転速度で0.05N HCl中で実施された溶解テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を結果として生じる溶解プロフィールを有する。溶解テストは、USP2装置を用いて、USP26/NF21、第711章(これは参照して本明細書に組み込まれる)に記載された溶解プロトコルにしたがって実施する。この溶解プロトコルを用いたこの実施態様によれば、溶解媒質の記載された容積(±1%)を、USP2装置の容器中に入れ、この装置を組立て、溶解媒質を、37℃±0.5℃に平衡させ、温度計を除去し、投薬形態をこの容器に入れ、時間の関数として放出される活性製薬成分の量を測定する。
【0047】
本発明のもう1つの実施態様によれば、溶解媒質の記載された容積を、USP2装置の容器に入れ、この装置を組立て、溶解媒質を、約37℃に平衡させ、温度計を除去し、投薬形態をこの容器に入れ、時間の関数として放出される活性製薬成分の量を測定する。
【0048】
溶解プロフィールは、配合物中の活性製薬成分の標的量を基準にして放出された活性製薬成分のパーセンテージを表わす。本明細書において用いられている「標的量」とは、各配合物中の活性製薬成分の量のことを言う。あるいくつかの実施態様において、標的量とは、ラベル量および/またはラベルクレームのことを言う。
【0049】
USP26/NF21、第905章は、本発明による投薬量単位の整合性(conformity)を決定するために用いられるプロトコルを規定しており、この含量均一性(content uniformity)プロトコルは、参照して本明細書に組み込まれる。このプロトコルによれば、含量均一性は、10投薬量単位サンプル中の活性製薬成分の量を測定し、すべての投薬単位サンプル中の活性製薬成分の量が、標的量の85から115%の範囲内に入るかどうかを計算することによって決定される。1投薬量単位サンプルが、標的量の85から115%の範囲外にあり、どの単位も、標的量の75から125%の範囲外にないならば、または平均のパーセンテージとして表示されたサンプル標準偏差である相対標準偏差(RSD)が、6%超でないならば、その場合には追加の20投薬量単位サンプルがテストされる。少なくとも30投薬量単位を処理した後、1以上でない投薬量単位サンプルが標的量の85から115%の範囲外にあり、どの単位も標的量の75から125%の範囲外でなく、少なくとも30投薬量単位のRSDが7.8%を超えないならば、含量均一性必要条件が満たされる。
【0050】
あるいくつかの実施態様において、本明細書に開示された組成物の溶解プロフィールは、テスト開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、または少なくとも約85%を結果として生じうる。あるいくつかの実施態様において、本明細書に開示された組成物の溶解プロフィールは、テスト開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の多くても約125%、例えば多くても約115%、多くても約110%、または多くても約100%を含みうる。追加の実施態様において、本明細書に開示されている組成物の溶解プロフィールは、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50から約125%、例えば約70から約110%含みうる。
【0051】
本発明のほかの実施態様は、医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる顆粒を形成する工程;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストによる、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、顆粒の粒子サイズを制御する工程
を含む方法を目的とする。
【0052】
本発明のさらなる実施態様は、医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる顆粒を形成する工程;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストによる、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、顆粒の粒子サイズを制御する工程
を含む方法を目的とする。
【0053】
顆粒は、あらゆる公知方法、例えば高湿潤せん断顆粒化、低湿潤せん断顆粒化、流動床顆粒化、回転顆粒化、押出し球状化(spheronization)、乾燥顆粒化、ローラー圧密などによって形成することができる。
【0054】
この組成物の顆粒の粒子サイズは、様々な要因によって制御することができる。本発明のあるいくつかの実施態様において、この組成物の顆粒の粒子サイズは、グラニュレーター中に存在する材料へ添加される水の量によって制御することができる。例えば顆粒の所望の粒子サイズは、グラニュレーターが、約1Lから約1,200L、例えば約65Lから約1,200L、または約300Lから約800Lの範囲の容積を有し、添加された水の量が、顆粒を形成するためのグラニュレーター中に存在する乾燥粉末の量に対して、約20%から約40%、例えば約30から約36%の範囲である時に得ることができる。
【0055】
グラニュレーターの羽根車先端速度はまた、顆粒の粒子サイズにも影響を与えることがある。いくつかの実施態様において、1秒あたりのメーター(m/s)で測定された羽根車先端速度は、約5m/sから約10m/s、例えば約7m/sから約9m/sであってもよい。
【0056】
本発明のほかの実施態様は、医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の粒子の治療的有効量および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる組成物を形成する工程;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストによる、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、カルシウム受容体−活性化合物の粒子サイズを制御する工程
を含む方法を目的とする。
【0057】
本発明の追加の実施態様は、医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の粒子の治療的有効量および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる組成物を形成する工程;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストによる、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、カルシウム受容体−活性化合物の粒子サイズを制御する工程
を含む方法を目的とする。
【0058】
粒子のサイズは、活性製薬成分の生成の間、例えば微粉砕工程、または制御された結晶化プロセスの使用によって制御される。例えば活性製薬成分は、5mmスクリーンを有するステンレス鋼ハンマーを用いて微粉砕することができ、12ハンマーは、供給速度が90±10rpmに設定された場合、8,100±100rpmのミル速度で前進する(forward)。
【0059】
本発明のさらにほかの実施態様は、被験者のカルシウム受容体活性を改変することによって治療することができる疾病または障害の治療方法を目的とする。いくつかの実施態様において、副甲状腺機能亢進症、例えば原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積から選択された疾病の治療方法は、患者、例えばヒトへ、カルシウム受容体−活性化合物および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物の有効投薬量を投与する工程を含み、この場合、この組成物は、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストにしたがって測定された、0.05N HCl中の溶解プロフィールを有し、これは、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる。
【0060】
本発明のもう1つの実施態様は、副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積から選択された疾病の治療方法を目的とし、この方法は、患者、例えばヒトへ、カルシウム受容体−活性化合物および本明細書に開示された少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物の有効投薬量を投与する工程を含み、この場合、この組成物は、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施された溶解テストにしたがって測定された、0.05N HCl中の溶解プロフィールを有し、これは、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる。
【0061】
ここで、次の実施例を参照するが、これらは本発明を限定するものではない。それとは反対に、様々な代替例、修正例、および同等例が、本発明の精神および範囲内に含まれうると理解される。
【実施例】
【0062】
次の成分とともに、30mg、60mg、および90mgの活性製薬成分の標的量を有する3つの製薬配合物を調製した:
【0063】
【表3】

【0064】
30−、60−、および90−mgタブレットを、下に記載されたプロセスフロー図にしたがって製造した。
【0065】
【表4】

【0066】
湿潤顆粒化プロセスは、水が顆粒化流体として用いられるPMA800L高せん断グラニュレーターにおいて実施した。シナカルセットHClおよび顆粒化内(intra−granulation)賦形剤(アルファー化されたデンプン、微晶質セルロース、ポビドン、およびクロスポビドン)を、1から2分間、116±10rpmでの羽根車速度設定点でドライミックスし、ついで30.0%から36.0%w/w水(顆粒内ロットサイズを基準にした;標的は34.9%w/wであった)で、116±10rpmでの羽根車速度設定点および遅いまたは速いチョッパー速度(標的は遅い速度であった)において顆粒化を行なった。顆粒化プロセスの間、水は、9.8±0.5kg/分で送達した。
【0067】
顆粒化後、混合物を、0.375”(0.953cm)開口(opening)スクリーンおよび1,400±50rpmの羽根車速度設定点を備えたインラインコーミル(Comil)を用いて湿潤微粉砕した。ついでこの混合物を、流動床乾燥機中に排出した。
【0068】
湿潤微粉砕プロセスの完了後、顆粒化混合物を、アエロマチック(Aeromatic)MP6流動床乾燥機において、流入温度設定点70℃±5℃で乾燥した。流出温度が37℃から40℃に達した時、サンプルを採取して、乾燥減量(LOD)によって湿潤レベルを決定した。顆粒を、平均湿分レベルが1.0%から2.5%に達するまで乾燥した。
【0069】
乾燥した顆粒化混合物を、0.055”(0.140cm)開口スクリーンを備えたクアドロミル(Quadro Mill)196S(コーミル)を通して、1650±50rpmの羽根車速度で、1,000Lギャレー(Gallay)トート中に微粉砕した。
【0070】
ステアリン酸マグネシウム以外は、顆粒外賦形剤を、650Lギャレートートブレンダーにおいて7±1分間、12±1rpmでブレンドした。この混合物を、乾燥微粉砕された顆粒と、1,000Lギャレートートブレンダーにおいて、15±5分間、12±1rpmで、ついでステアリン酸マグネシウムが潤滑のために添加された後、6±1分間12±1rpmで、さらにブレンドした。
【0071】
最終潤滑ブレンドを、強制供給器を備えた、1分あたり2,000±300タブレットの速度に設定されたユニプレス(Unipress)27タブレットプレスを用いて、活性シナカルセットHClの遊離塩基当量の30−、60−、または90−mgを含有するタブレットとして圧縮した。圧縮操作の間中、個々のタブレット重量(それぞれ30−、60−、および90−mgのタブレットについて、180、360、および540mgの標的重量)、10タブレットの平均重量、タブレット硬度、および厚さを、予め決定された間隔で監視した。
【0072】
カラーコーティング懸濁液および透明コーティング溶液を、均一になるまで混合しつつ(≧45分)、精製水中に、オパドライ(Opadry)(登録商標)II(グリーン)またはオパドライ(登録商標)クリアのどちらかをゆっくりと添加することによって調製した。カラー懸濁液および透明溶液を、スプレープロセスが開始される前に≧45分間脱気し、予め決定された時間限度内で用いた。
【0073】
ベクター・ハイコーター(Vector Hi−Coater)48”パンにおいて、各ロットをカラーおよび透明コートでフィルムコーティングした。カラーコーティング懸濁液を、移動コアタブレット床上へ(パン速度=4から7rpm)、および1分あたり3ガンにつき、250±50グラムのスプレー速度で塗布した。スプレーガンとタブレット床との間の距離は、約8”(20cm)から11”(28cm)であり、空気容積は、−0.1”(−0.25cm)から−0.3”(−0.76cm)の水に維持されたパン差圧で、1分あたり600±200ft(1分あたり17.1±5.7m)であった。41±3℃の排気温度を維持するために、供給空気温度を、80±10℃に調節した。
【0074】
透明コーティング塗布が完了した時、ヒーターおよび空気供給を止め、ワックスを、4から7rpmのパン速度でタブレット移動床上全体に(これが≦37℃に達した後)均一に広げた。タブレットを、5±1分間回転させ、供給空気および排気ファンを作動させた後、タブレットを4から7rpmのパン速度、および1分あたり600±200ft(1分あたり17.1±5.7m)の供給空気でさらに5±1分間回転させた。タブレット床温度が≦30℃に達するまで、パンを揺り動かした(jog)。
【0075】
アックリー(Ackley)・インクベースのオフセットプリンターを用いて、両面にプリントされたタブレットを生産した。
【0076】
3つの配合物の溶解プロフィールを、US2装置を用いて、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で、USP26/NF21、第711章に記載された溶解プロトコルにしたがって測定した。シナカルセットHClの少なくとも約75%がテストの開始から約30分までに組成物から放出された配合物の溶解プロフィールを、表2に示す。
【0077】
【表5】

【0078】
3つの配合物の含量均一性は、上に詳細に記載されているUSP26/NF21、第905章にしたがって測定した。3つの配合物の各々についての含量均一性を、表3に示す。
【0079】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物であって、
組成物の少なくとも1つの投薬量単位が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる、0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、前記組成物。
【請求項2】
カルシウム受容体−活性化合物が、カルシウム擬態化合物およびカルシウム分解性化合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
カルシウム擬態化合物およびカルシウム分解化合物は、式(I)の化合物および医薬的に許容されるこれらの塩および形態:
【化1】

(式中、
同一または異なっていてもよいXおよびXは、各々、CH、CHO、CHCHO、Br、Cl、F、CF、CHF、CHF、CFO、CHS、OH、CHOH、CONH、CN、NO、CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アセトキシ、およびアセチル基から選択された基であるか、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体(entity)を形成してもよく、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体を形成してもよいが;ただしXは、3−t−ブチル基ではないという条件があり;
nは、0から5であり;
mは、1から5であり;および
アルキル基は、場合により、飽和および不飽和線状、枝分かれ、および環式C−Cアルキル基、ジヒドロインドリルおよびチオジヒドロインドリル基、および2−、3−、および4−ピペリジ(ニ)ル基から選択された少なくとも1つの基で置換されたC−Cアルキル基から選択される)、およびこれらの立体異性体から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
カルシウム擬態化合物およびカルシウム分解化合物は、式(II)の化合物および医薬的に許容されるこれらの塩および形態:
【化2】

(式中、
同一または異なっていてもよいXおよびXは、各々、CH、CHO、CHCHO、Br、Cl、F、CF、CHF、CHF、CFO、CHS、OH、CHOH、CONH、CN、NO、CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アセトキシ、およびアセチル基から選択された基であるか、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体を形成してもよく、またはXの2つが一緒に、縮合脂環式環、縮合芳香族環、およびメチレンジオキシ基から選択された統一体を形成してもよいが;ただしXは、3−t−ブチル基ではないという条件があり;
nは、0から5であり;
mは、1から5である)、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
医薬的に許容される塩および形態は、塩酸の塩およびメタンスルホン酸の塩から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
カルシウム擬態化合物は、シナカルセット、シナカルセットHCl、およびシナカルセットメタンスルホネートから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
溶解プロフィールが、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約70%から約110%を含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
溶解プロフィールが、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の少なくとも約75%を含んでいる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
溶解プロフィールが、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるシナカルセットHClの標的量の約70%から約110%を含んでいる、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
溶解プロフィールが、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるシナカルセットHClの標的量の少なくとも約75%を含んでいる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
シナカルセットHClおよびシナカルセットメタンスルホネートが、非晶質粉末、結晶質粒子、およびこれらの混合物から選択された形態にある、請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
カルシウム受容体−活性化合物が、シナカルセットHClである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
シナカルセットHClが、針形状粒子、ロッド形状粒子、プレート形状粒子、および前記のもののいずれかの混合物から選択された形態にある、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
シナカルセットHCl粒子の粒子D50が、約50μm以下である、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
シナカルセットHCl粒子は、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物からシナカルセットHClの標的量の約70%から約110%を放出するのに効果的な粒子D50を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
シナカルセットHCl粒子は、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物からシナカルセットHClの標的量の少なくとも約75%を放出するのに効果的な粒子D50を有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
組成物が顆粒形態にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
組成物がタブレット、カプセル、および粉末から選択された形態にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
顆粒が、約50μmから約150μmの、篩分析を用いて測定された顆粒D50を有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
顆粒が、約80μmから約130μmの、篩分析を用いて測定された顆粒D50を有する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
顆粒が、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物からカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約70%から約110%を放出するのに効果的な顆粒D50を有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
顆粒が、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物からカルシウム受容体−活性化合物の標的量の少なくとも約75%を放出するのに効果的な顆粒D50を有する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
シナカルセットHClは、副甲状腺機能亢進症、高リン症(hyperphosphonia)、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積(elevated calcium phosphorus product)の少なくとも1つの治療のための治療的有効量として存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項24】
シナカルセットHClは、副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積の少なくとも1つの治療のための有効投薬量として存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項25】
副甲状腺機能亢進症は、原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
副甲状腺機能亢進症は、原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症から選択される、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
シナカルセットHClは、組成物の総重量に対して、約1から約70重量%の範囲の量で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項28】
シナカルセットHClは、組成物の総重量に対して、約5から約40重量%の範囲の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
シナカルセットHClは、組成物の総重量に対して、約15から約20重量%の範囲の量で存在する、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤は、非セルロースおよびセルロース希釈剤、バインダー、および崩壊剤から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤は、微晶質セルロース、デンプン、タルク、ポビドン、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびナトリウムドデシルスルフェート、およびこれらのあらゆる組合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
クロスポビドンは、顆粒間に(intergranularly)、顆粒内に(intragranularly)、またはこれらの組合わせで存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
クロスポビドンは、顆粒間に存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
クロスポビドンは、顆粒内に存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
組成物は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約1:1から約15:1の範囲の重量比で含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項36】
組成物は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約10:1の重量比で含んでいる、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
組成物中の顆粒は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約1:1から約10:1の範囲の重量比で含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
組成物と共にある顆粒中の微晶質セルロースおよびデンプン間の重量比は、約5:1である、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
微晶質セルロースは、組成物の総重量に対して、約25から約85重量%の範囲の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項40】
デンプンが、組成物の総重量に対して、約5から約35重量%の範囲の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項41】
ポビドンが、組成物の総重量に対して、約1から約5重量%の範囲の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項42】
クロスポビドンが、組成物の総重量に対して、約1から約10重量%の範囲の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項43】
(a)シナカルセットHClまたはシナカルセットメタンスルホネート約10から約40重量%;
(b)少なくとも1つの希釈剤約45から約85重量%;
(c)少なくとも1つのバインダー約1から約5重量%;
(d)少なくとも1つの崩壊剤約1から約10重量%;および
(e)滑り剤、潤滑剤、および粘着剤から選択された少なくとも1つの添加剤約0.05から約5%
を含み、重量%が、組成物の総重量に対してのものである、
請求項1に記載の組成物。
【請求項44】
組成物の総重量に対して、少なくとも1つの滑り剤を約0.05から約1.5重量%含んでいる、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
組成物の総重量に対して、粘着剤約0.05から約1.5重量%を含んでいる、請求項43に記載の組成物。
【請求項46】
さらに、潤滑剤、および透明およびカラーコーティング材料から選択された少なくとも1つの成分を含んでいる、請求項43に記載の組成物。
【請求項47】
さらに、組成物の総重量に対して、透明およびカラーコーティング材料から選択された少なくとも1つのコーティング材料を約1から約6重量%含んでいる、請求項43に記載の組成物。
【請求項48】
(a)シナカルセットHCl約10から約40重量%;
(b)デンプン約5から約10重量%;
(c)微晶質セルロース約40から約75重量%;
(d)ポビドン約1から約5重量%;および
(e)クロスポビドン約1から約10重量%
を含み、重量%が、組成物の総重量に対してのものである、
請求項43に記載の組成物。
【請求項49】
さらに、組成物の総重量に対して、コロイド状二酸化ケイ素を約0.05から約1.5重量%含んでいる、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
さらに、組成物の総重量に対して、ステアリン酸マグネシウムを約0.05から約1.5重量%含んでいる、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
さらに、組成物の総重量に対して、透明およびカラーコーティング材料から選択された少なくとも1つのコーティング材料を約1から約6重量%含んでいる、請求項48に記載の組成物。
【請求項52】
シナカルセットHClの有効投薬量が、約1mgから約360mgである、請求項12に記載の組成物。
【請求項53】
シナカルセットHClの有効投薬量が、約5mgから約240mgである、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
シナカルセットHClの有効投薬量が、約20mgから約100mgである、請求項52に記載の組成物。
【請求項55】
シナカルセットHClの有効投薬量が、約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、および約360mgから選択される、請求項52に記載の組成物。
【請求項56】
シナカルセットHClの治療的有効量が、約1mgから約360mgである、請求項12に記載の組成物。
【請求項57】
シナカルセットHClの治療的有効量が、約5mgから約240mgである、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
シナカルセットHClの治療的有効量が、20mgから100mgである、請求項56に記載の組成物。
【請求項59】
シナカルセットHClの治療的有効量が、約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、および約360mgから選択される、請求項56に記載の組成物。
【請求項60】
カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物であって、
前記組成物の少なくとも1つの投薬量単位が、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テスト開始から30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の50%から125%を含んでいる、0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、前記組成物。
【請求項61】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる顆粒を形成し;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにおいて、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、前記顆粒の粒子サイズを制御する
ことを含む、前記方法。
【請求項62】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる顆粒を形成し;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにおいて、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、前記顆粒の粒子サイズを制御する
ことを含む、前記方法。
【請求項63】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の粒子の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる組成物を形成し;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにおいて、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、カルシウム受容体−活性化合物の粒子サイズを制御する
ことを含む、前記方法。
【請求項64】
医薬組成物の製造方法であって、
(a)カルシウム受容体−活性化合物の粒子の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる組成物を形成し;および
(b)カルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%が、USP2装置において、37℃±(0.5)℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにおいて、0.05N HCl中のテストの開始から約30分までに組成物から放出されるように、カルシウム受容体−活性化合物の粒子サイズを制御する
ことを含む、前記方法。
【請求項65】
医薬組成物の製造方法であって、グラニュレーターにおいて、カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる顆粒を形成することを含み、
前記グラニュレーターが、約1Lから約2,000Lの範囲の容積を有し、
前記グラニュレーターが、顆粒化レベルにおいてグラニュレーター内の乾燥粉末の重量に対して、約10から約50%の範囲の水を含有する、前記方法。
【請求項66】
グラニュレーターが、約65Lから約1,200Lの範囲の容積を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
グラニュレーターが、約300Lから約800Lの範囲の容積を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
水が、顆粒化レベルにおいて、グラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約20%から約40%の範囲にある、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
水が、顆粒化レベルにおいて、グラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約30%から約36%の範囲にある、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
グラニュレーターが、羽根車を有し、この先端速度が約5m/sから約10m/sである、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
羽根車先端速度が、約7m/sから約9m/sである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積から選択された少なくとも1つの疾病の治療方法であって、カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物を、これを必要としている患者へ投与することを含み、
前記組成物が、USP2装置において、約37℃の温度、および約75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、方法。
【請求項73】
患者がヒトである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
医薬組成物の有効投薬量が、約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、および約360mgから選択される、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積から選択された少なくとも1つの疾病の治療方法であって、カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる医薬組成物を、これを必要としている患者へ投与することを含み、
前記組成物が、USP2装置において、37℃±0.5℃の温度、および75r.p.m.の回転速度で実施される溶解テストにしたがって測定され、テストの開始から約30分までに組成物から放出されるカルシウム受容体−活性化合物の標的量の約50%から約125%を含んでいる0.05N HCl中の溶解プロフィールを有する、方法。
【請求項76】
患者がヒトである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
医薬組成物の有効投薬量が、約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg、および約360mgから選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
(a)シナカルセットHCl約10から約40重量%;
(b)少なくとも1つの希釈剤約45から約85重量%;および
(c)少なくとも1つのバインダー約1から約5重量%
を含み、重量%が、組成物の総重量に対するものである医薬組成物。
【請求項79】
さらに少なくとも1つの崩壊剤を約1から約10重量%含んでおり、重量%が、組成物の総重量に対するものである、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
さらに滑り剤、潤滑剤、および粘着剤から選択された少なくとも1つの添加剤を約0.05%から約5%含んでおり、重量%が、組成物の総重量に対するものである、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
少なくとも1つの滑り剤約0.05から約1.5重量%を含んでいる、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
粘着剤約0.05から約1.5重量%を含んでいる、請求項80に記載の組成物。
【請求項83】
さらに潤滑剤および透明およびカラーコーティング材料から選択された少なくとも1つの成分を含んでいる、請求項78に記載の組成物。
【請求項84】
さらに、組成物の総重量に対して、透明およびカラーコーティング材料から選択された少なくとも1つのコーティング材料を約1から約6重量%含んでいる、請求項78に記載の組成物。
【請求項85】
シナカルセットHClが、非晶質粉末、結晶質粒子、マトリックス粒子、および前記のもののいずれかの混合物から選択された形態にある、請求項78に記載の組成物。
【請求項86】
シナカルセットHClが、針形状粒子、ロッド形状粒子、プレート形状粒子、および前記のもののいずれかの混合物から選択された形態にある、請求項78に記載の組成物。
【請求項87】
シナカルセットHCl粒子の粒子D50が、約50μm以下である、請求項78に記載の組成物。
【請求項88】
組成物が顆粒形態にある、請求項78に記載の組成物。
【請求項89】
組成物が、タブレット、カプセル、および粉末から選択された形態にある、請求項78に記載の組成物。
【請求項90】
顆粒が、約50μmから約150μmの範囲の、篩分析を用いて測定された顆粒D50を有する、請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
顆粒が、約80μmから約130μmの範囲の、篩分析を用いて測定された顆粒D50を有する、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
シナカルセットHClが、副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積の少なくとも1つの治療のための治療的有効量として存在する、請求項78に記載の組成物。
【請求項93】
シナカルセットHClが、副甲状腺機能亢進症、高リン症、カルシウム過剰血症、および高カルシウム・リン積の少なくとも1つの治療のための有効投薬量として存在する、請求項78に記載の組成物。
【請求項94】
副甲状腺機能亢進症は、原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症から選択される、請求項92に記載の組成物。
【請求項95】
副甲状腺機能亢進症は、原発性副甲状腺機能亢進症および二次性副甲状腺機能亢進症から選択される、請求項93に記載の組成物。
【請求項96】
シナカルセットHClは、組成物の総重量に対して、約10から約30重量%の範囲の量で存在する、請求項78に記載の組成物。
【請求項97】
シナカルセットHClは、組成物の総重量に対して、約15から約20重量%の範囲の量で存在する、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
少なくとも1つの希釈剤が、微晶質セルロース、デンプン、およびこれらの混合物から選択される、請求項78に記載の組成物。
【請求項99】
組成物の総重量に対して、微晶質セルロースが、約40から約75重量%の範囲の量で存在し、デンプンが、約5から約10重量%の範囲の量で存在する、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
少なくとも1つのバインダーがポビドンである、請求項78に記載の組成物。
【請求項101】
ポビドンが、組成物の総重量に対して、約1から約5重量%の範囲の量で存在する、請求項100に記載の組成物。
【請求項102】
少なくとも1つの崩壊剤が、クロスポビドンである、請求項78に記載の組成物。
【請求項103】
クロスポビドンが、顆粒間に、顆粒内に、またはこれらの組合わせで存在する、請求項102に記載の組成物。
【請求項104】
クロスポビドンは、顆粒間に存在する、請求項102に記載の組成物。
【請求項105】
クロスポビドンは、顆粒内に存在する、請求項102に記載の組成物。
【請求項106】
組成物は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約1:1から約15:1の範囲の重量比で含んでいる、請求項98に記載の組成物。
【請求項107】
組成物は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約10:1の重量比で含んでいる、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
組成物中の顆粒は、微晶質セルロースおよびデンプンを、約1:1から約10:1の範囲の重量比で含んでいる、請求項98に記載の組成物。
【請求項109】
組成物と共にある顆粒中の微晶質セルロースおよびデンプン間の重量比は、約5:1である、請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
(a)シナカルセットHCl約10から約40重量%;
(b)デンプン約5から約10重量%;
(c)微晶質セルロース約40から約75重量%;
(d)ポビドン約1から約5重量%;および
(e)クロスポビドン約1から約10重量%
を含み、重量%が、組成物の総重量に対してのものである、
請求項78に記載の組成物。
【請求項111】
さらに組成物の総重量に対して、コロイド状二酸化ケイ素を約0.05から約1.5重量%含んでいる、請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
さらに組成物の総重量に対して、ステアリン酸マグネシウムを約0.05から約1.5重量%含んでいる、請求項110に記載の組成物。
【請求項113】
カルシウム受容体−活性化合物の有効投薬量および少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含んでいる配合物の溶解速度を制御する方法であって、約1Lから約2,000Lの範囲の容積を有し、顆粒化レベルにおいてグラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約10%から50%の範囲の水を含有するグラニュレーターにおいて前記配合物を生産する方法。
【請求項114】
カルシウム受容体−活性化合物が、シナカルセットHClである、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
グラニュレーターが、約65Lから約1,200Lの範囲の容積を有する、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
グラニュレーターが、約300Lから約800Lの範囲の容積を有する、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
水が、顆粒化レベルにおいて、グラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約20%から約40%の範囲にある、請求項113に記載の方法。
【請求項118】
水が、顆粒化レベルにおいて、グラニュレーター中の乾燥粉末の重量に対して、約30%から約36%の範囲にある、請求項117に記載の方法。

【公開番号】特開2012−197280(P2012−197280A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−110758(P2012−110758)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2006−526096(P2006−526096)の分割
【原出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【Fターム(参考)】