説明

カーゴポンプ制御装置、方法、およびプログラム

【課題】いずれかの発電機が解列した場合でも、オイルタンカー全体での停電状態を回避してカーゴポンプの運転を継続し、安定した送油を実現する。
【解決手段】カーゴポンプ制御装置10において、解列検出部11により、並列運転中の発電機1のいずれかが解列したことを検出し、回転数制御部により、解列の検出に応じて、インバータ3に対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号3Sを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルタンカーに設けられる送油システムに関し、特に送油システムによりオイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
荷油タンクに荷油を積載して輸送するオイルタンカーは、陸上設備との間で荷油を送油するため、送油システムとして送油用のカーゴポンプを船内に搭載している。この際、オイルタンカーに積載する荷油の積載量が大きい場合、送油に要する時間を短縮するため、例えば各荷油タンクにカーゴポンプをそれぞれ設けて並列運転する必要がある(例えば、非特許文献1や特許文献1など参照)。
【0003】
このような複数のカーゴポンプを駆動する送油システムでは、オイルタンカーに複数の発電機を設け、これら発電機を並列運転して得られた電力を配電盤から各カーゴポンプに設けた電動機(モータ)へ配電し、これら電動機によりカーゴポンプを並列運転するシステム構成がある。この場合、配電盤と各電動機との間にインバータをそれぞれ設け、インバータにより電動機の回転数を制御することにより、エネルギー損失を抑制することができ、特に粘度・比重の異なる荷油を送油する場合でも回転数を制御することにより対応でき、効率よく送油することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−119189号公報
【非特許文献1】「商船設計の基礎知識」、造船テキスト研究会著、成山堂、pp269-270
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術では、何らかの原因で並列運転中の発電機のいずれかが解列した場合、残りの発電機で発電される電力に対してカーゴポンプでの消費電力が大きくなって、残りの発電機が過負荷となり、オイルタンカー全体が停電状態(ブラックアウト)となる可能性があった。
【0006】
この際、停電状態を回避するため、発電機の解列に応じてカーゴポンプを停止(トリップ)させることも考えられる。しかし、カーゴポンプを停止させた場合、その急激な送油停止により、送油中の荷油によるリキッドハンマーが発生して送油配管や弁を破損させる可能性がある。したがって、運用上、カーゴポンプを停止させること自体回避する必要がある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、いずれかの発電機が解列した場合でも、オイルタンカー全体での停電状態を回避してカーゴポンプの運転を継続し、安定した送油を実現できるカーゴポンプ制御装置、方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるカーゴポンプ制御装置は、オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力をインバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、インバータへ任意の回転数制御信号を出力することによりカーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御装置であって、並列運転中の発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出部と、解列の検出に応じて、インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御部とを備えている。
【0009】
この際、電動機の総消費電力が残りの発電機から得られる総発電電力以下となる新たな回転数を導出する回転数導出部をさらに設けてもよい。
具体的には、回転数導出部で、解列の発生前後における電動機の総消費電力をPmおよびPm'とし、解列の発生前における電動機の回転数をNとし、任意の数値xの立方根を3√(x)と表す場合、解列の発生後における電動機の新たな回転数N'を、N'=N×3√(Pm'/Pm)により算出するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明にかかるカーゴポンプ制御方法は、オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力をインバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、インバータへ任意の回転数制御信号を出力することによりカーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御方法であって、並列運転中の発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出ステップと、解列の検出に応じて、インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御ステップとを備えている。
【0011】
また、本発明にかかるプログラムは、オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力をインバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、インバータへ任意の回転数制御信号を出力することによりカーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御装置のコンピュータに、並列運転中の発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出ステップと、解列の検出に応じて、インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発電機の解列に応じて電動機の回転数が低減されて、発電機の総発電電力の低減に合わせて総消費電力が低減されるため、残りの発電機が過負荷状態とならないよう制御できる。これにより、オイルタンカー全体での停電状態を回避してカーゴポンプの運転を継続することが可能となり、安定した送油を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置が適用される送油システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
この送油システムは、オイルタンカーの荷油タンクと陸上設備との間で荷油を送油するためオイルタンカーに設けられる設備であり、複数の発電機1(1A,1B)、配電盤2、インバータ3(3A,3B)、電動機4(モータ/4A,4B)、カーゴポンプ5(5A,5B)、荷油タンク6、配管7,7A,7B、およびカーゴポンプ制御装置10から構成されている。
【0015】
本実施の形態は、並列運転中の発電機1のいずれかが解列したことが検出された場合、カーゴポンプ制御装置10により、この解列検出に応じて、残りの発電機1から得られる電力以下の消費電力となる新たな回転数を導出し、インバータ3に対して回転数制御信号3Sを出力することにより新たな回転数への低減を指示するようにしたものである。
【0016】
以下、図1を参照して、本実施の形態にかかる送油システムおよびカーゴポンプ制御装置について詳細に説明する。
発電機1は、例えばディーゼルエンジンなどの内燃機関を用いて発電する設備であり、図1の例では、2つの発電機1A,1Bが並列的に設けられている。配電盤2は、並列運転される各発電機1で発電された電力を各インバータ3へ配電する設備である。
【0017】
インバータ3は、配電盤2から配電された電力を所定の回転数に応じた周波数に変換して出力することにより、各カーゴポンプ5に設けられた電動機4の回転数を制御する装置である。電動機4は、インバータ3から供給される電力の周波数に応じた回転数でカーゴポンプ5を駆動するモータである。図1の例では、2つの電動機4A,4Bが並列的に設けられている。カーゴポンプ5は、電動機4の駆動に応じて荷油タンク6と陸上設備との間で荷油を送油するポンプである。
【0018】
図1には、2つのポンプ系を並列的に設けた例が示されており、一方はインバータ3A−電動機4A−カーゴポンプ5Aからなり、他方はインバータ3B−電動機4B−カーゴポンプ5Bからなる。
カーゴポンプ5と荷油タンク6とは配管7を介して接続されている。カーゴポンプ5Aは配管7Aを介して陸側設備と接続され、カーゴポンプ5Bは配管7Bを介して陸側設備と接続される。
【0019】
カーゴポンプ制御装置10は、CPUおよびその周辺回路を用いて各種演算処理を行う演算処理部10Aと、メモリやハードディスクからなり演算処理部10Aでの処理に用いる各種処理情報14やプログラム15を記憶する記憶部10Bとを有する電子機器である。
【0020】
カーゴポンプ制御装置10の演算処理部10Aは、記憶部10Bから読み込んだプログラム15をCPUで実行することにより、上記ハードウェアとプログラムとを協働させることにより各種機能部を実現する。
演算処理部10Aが実現する主な機能部としては、解列検出部11、回転数導出部12、および回転数制御部13がある。
【0021】
解列検出部11は、配電盤2からの解列検知信号2Sに応じて、並列運転中の発電機1のいずれかが解列したことを検出する機能を有している。配電盤2には、一般に、発電機1ごとにその出力を監視する電流計やブレーカーなどからなる回路保護部が設けられており、発電機1からの出力に異常があった場合、当該発電機1の回路保護部が動作して当該発電機1が配電盤2から切り離される。解列検知信号2Sは、各発電機1の回路保護部の動作に応じてそれぞれ個別に出力される。
【0022】
回転数導出部12は、解列検出部11での解列の検出に応じて、負荷電力すなわち各電動機4での総消費電力が、運転継続可能な残りの発電機1から得られる総発電電力以下となるような、各電動機4の新たな回転数を導出する機能を有している。具体的には、運転継続可能な発電機1の台数とこれに応じた回転数との対応関係をテーブル(表型式)として記憶部10Bに処理情報14として予め格納しておき、解列発生後の残存発電機台数に応じた回転数を上記テーブルから取得してもよい。あるいは、運転継続可能な発電機1の台数とこれに応じた回転数との対応関係を示す数式を用いて解列発生後の残存発電機台数に応じた回転数を算出してもよい。
【0023】
回転数制御部13は、各インバータ3に対して回転数制御信号3Sを出力することにより新たな回転数への低減を指示する機能を有している。インバータ3は、配電盤2から配電された電力を、回転数制御部13からの回転数制御信号3Sで指示された回転数に応じた周波数に変換して出力することにより、各カーゴポンプ5に設けられた電動機4の回転数を制御する。これにより、電動機4は、インバータ3から供給される電力の周波数に応じた回転数でカーゴポンプ5を駆動する。
【0024】
一般に、ポンプ負荷は2乗低減トルク特性で表すことができ、ポンプ揚水量Q、揚程H、消費電力(軸動力)P、回転数Nの間には、次の関係が成り立つ。
ポンプ揚水量Q∝回転数N
揚程H∝回転数N2
消費電力P∝ポンプ揚水量Q×揚程H∝回転数N3
したがって、電動機の消費電力は、当該電動機の回転数の3乗にほぼ比例するため、例えば電動機の回転数を1800rmpから1400rpmに低減した場合、当該電動機での消費電力は(1400/1800)3=47%まで低減できる。
【0025】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置の動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置のカーゴポンプ制御処理を示すフローチャートである。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置の動作を示す信号波形図である。以下では、図1に示したように、送油システムにおいて、2台の発電機1A,1Bを並列運転して、2系統のカーゴポンプ5A,5Bを駆動する場合を例として説明する。
【0026】
図2のカーゴポンプ制御処理において、カーゴポンプ制御装置10の演算処理部10Aは、解列検出部11により、配電盤2からの解列検知信号2Sに基づき、常時、発電機1A,1Bの解列発生を監視している(ステップ100)。
図3では、時刻T以前の区間において、全発電機1A,1Bは例えばマニュアル指令により正常に並列運転されているものとする。
【0027】
ここで、全発電機1A,1Bが正常に並列運転されている場合の総発電電力(図3:破線)をPgとし、基準回転数N0における各電動機4A,4Bでの総消費電力(図3:実線)をPmとする。通常、PgはPmやその他の負荷変動を見積もって、Pmに対して所定の効率Rの電力(Pg=Pm×R:R>1)や、所定の絶対量ΔPだけ余裕を持った電力(Pg=Pm+ΔP)が供給できるよう設計されている。したがって、1台の発電機が解列した場合の総発電電力Pg'=Pg/2とした場合、解列後の総消費電力Pm'はPm'=Pm×RやPm'=Pg'−ΔPで算出でき、任意の数値xの立方根を3√(x)と表す場合、解列後の回転数Nは、N=N0×3√(Pm'/Pm)で算出できる。
【0028】
その後、時刻Tにおいて、発電機1Aが解列し、解列検出部11により、配電盤2からの解列検知信号2Sに基づきこの解列の発生が検出された場合(ステップ100:YES)、回転数導出部12により、運転継続可能な残りの電機台数ここでは1台に応じた新たな回転数Nが導出され(ステップ103)、この新たな回転数Nに応じた回転数制御信号3Sが回転数制御部13から各インバータ3A,3Bへ出力される(ステップ104)。
【0029】
これにより、各電動機4A,4Bでの総消費電力は、Pm'=Pm×(N/N03まで低減することになる。したがって、残りの発電機1Bによる発電電力Pg'(=Pg/2)まで総発電電力が低下した場合でも、各電動機4A,4Bでの総消費電力Pm'がPg'以下に低減され、残りの発電機1Bが過負荷状態とならないよう制御される。
【0030】
従来のように、電動機の回転数が固定化されている場合は図3の破線に示すように電動機の総消費電力が低減されないため、何らかの原因で並列運転中の発電機のいずれかが解列した場合、残りの発電機で発電される総発電電力に対して電動機での総消費電力が大きくなって、残りの発電機が過負荷状態となる。したがってこのような場合には、オイルタンカー全体が停電状態(ブラックアウト)となることを回避するため、カーゴポンプを停止せざるを得ない。
【0031】
本実施の形態は、発電機の解列に応じて電動機の回転数を低減することにより、発電機の総発電電力の低減に合わせて総消費電力を低減するようにしたので、残りの発電機が過負荷状態とならないよう制御できる。これにより、オイルタンカー全体での停電状態を回避してカーゴポンプの運転を継続することが可能となり、安定した送油を実現できる。
【0032】
また、電動機の総消費電力が残りの発電機から得られる総発電電力以下となる新たな回転数を導出するようにしたので、当該送油システムの構成に応じた最適なカーゴポンプの駆動制御を行うことができる。
より具体的には、解列発生前後における電動機の総消費電力をPmおよびPm'とし、解列発生前における電動機の回転数をNとし、解列発生後における電動機の新たな回転数N'を、N'=N×3√(Pm'/Pm)により算出するようにしたので、極めて簡素な演算処理で新たな回転数を正確に算出することができる。
【0033】
[第2の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置の動作を示す信号波形図である。
【0034】
図1に示したように、送油システムにおいて、2台の発電機1A,1Bを並列運転して、2系統のカーゴポンプ5A,5Bを駆動する際、第1の実施の形態では、解列の発生に応じて電動機4A,4Bの回転数をN0からNへ一度に低減する場合について説明したが、図4に示すように、電動機の回転数がN0からNへ徐々に変化するように低減させてもよい。なお、カーゴポンプ制御装置10や送油システムの構成については、第1の実施の形態と同様であり、個々での詳細な説明は省略する。
【0035】
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、発電機1の数が2台の場合を例として説明したが、3台以上の発電機を並列運転する送油システムであっても、前述と同様にして各実施の形態を適用でき、同様の作用効果が得られる。なお、発電機が2台以上同時に解列することは極めて希であるため、解列後の新たな回転数を予め算出しておき、解列の発生に応じて新たな回転数に応じた回転数制御信号3Sを出力するようにしてもよい。これにより、回転数導出部12を省略できる。
【0036】
また、各実施の形態では、カーゴポンプ5が2系統設けられている場合を例として説明したが、1系統であっても3系統以上あっても、前述と同様にして各実施の形態を適用でき、同様の作用効果が得られる。
また、発電機1の解列発生に応じて電動機4の回転数を低減する際、ランプ関数や指数関数などに基づき、その回転数を徐々に低減してもよい。これにより、送油速度を徐々に変化させることができ、送油経路を構成する設備に対する負担を軽減できる。
【0037】
また、各実施の形態では、カーゴポンプ制御装置10が配電盤2とは別個の装置である場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、カーゴポンプ制御装置10を配電盤2と一括して構成してもよい。配電盤2によっては、発電機1からの発電電力を効率よく利用する省エネルギーを実現するため、カーゴポンプ制御装置10と同様の電子機器を用いて電力制御を行うパワーマネージメント機能を備えるものもあり、このような配電盤2を用いる場合には、そのパワーマネージメント機能により、本発明の各実施の形態にかかる機能部を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置が適用される送油システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置のカーゴポンプ制御処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置の動作を示す信号波形図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかるカーゴポンプ制御装置の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
【0039】
1,1A,1B…発電機、2…配電盤、2S…解列検知信号、3,3A,3B…インバータ、3S…回転数制御信号、4,4A,4B…電動機、5,5A,5B…カーゴポンプ、6…荷油タンク、7,7A,7B…配管、10…カーゴポンプ制御装置、10A…演算処理部、10B…記憶部、11…解列検出部、12…回転数導出部、13…回転数制御部、14…処理情報、15…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力を前記インバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、前記インバータへ任意の回転数制御信号を出力することにより前記カーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御装置であって、
並列運転中の前記発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出部と、
前記解列の検出に応じて、前記インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御部と
を備えることを特徴とするカーゴポンプ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカーゴポンプ制御装置において、
前記電動機の総消費電力が残りの前記発電機から得られる総発電電力以下となる新たな回転数を導出する回転数導出部をさらに備えることを特徴とするカーゴポンプ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカーゴポンプ制御装置において、
前記回転数導出部は、前記解列の発生前後における前記電動機の総消費電力をPmおよびPm'とし、前記解列の発生前における前記電動機の回転数をNとし、任意の数値xの立方根を3√(x)と表す場合、前記解列の発生後における前記電動機の新たな回転数N'を、N'=N×3√(Pm'/Pm)により算出することを特徴とするカーゴポンプ制御装置。
【請求項4】
オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力を前記インバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、前記インバータへ任意の回転数制御信号を出力することにより前記カーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御方法であって、
並列運転中の前記発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出ステップと、
前記解列の検出に応じて、前記インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御ステップと
を備えることを特徴とするカーゴポンプ制御方法。
【請求項5】
オイルタンカーと陸上設備との間で荷油を送油するカーゴポンプと、このカーゴポンプを駆動する電動機の回転数を制御するインバータと、複数の発電機を並列運転して得られた電力を前記インバータへ供給する配電盤とを備えるオイルタンカーの送油システムで用いられ、前記インバータへ任意の回転数制御信号を出力することにより前記カーゴポンプの駆動制御を行うカーゴポンプ制御装置のコンピュータに、
並列運転中の前記発電機のいずれかが解列したことを検出する解列検出ステップと、
前記解列の検出に応じて、前記インバータに対して新たな回転数への低減を指示する回転数制御信号を出力する回転数制御ステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−247104(P2009−247104A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89995(P2008−89995)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(505422017)英雄海運株式会社 (5)
【Fターム(参考)】