カートリッジ、画像形成装置および帯電器
【課題】清掃部材の操作性を向上させることができるカートリッジを提供する。
【解決手段】カートリッジは、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムに対向して左右方向に沿って延設される放電ワイヤと、放電ワイヤを支持する感光体フレーム60と、左右方向(放電ワイヤの延設方向)に沿って移動させることで放電ワイヤを清掃する清掃部材200とを備える。清掃部材200は、左右方向に沿って移動可能に設けられた本体部210と、当該本体部210から把持可能に突出する操作部260とを有する。
【解決手段】カートリッジは、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムに対向して左右方向に沿って延設される放電ワイヤと、放電ワイヤを支持する感光体フレーム60と、左右方向(放電ワイヤの延設方向)に沿って移動させることで放電ワイヤを清掃する清掃部材200とを備える。清掃部材200は、左右方向に沿って移動可能に設けられた本体部210と、当該本体部210から把持可能に突出する操作部260とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ワイヤなどの放電部材を清掃する清掃部材を備えたカートリッジ、画像形成装置および帯電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体ドラムと、感光体ドラムに沿って延設された放電ワイヤ(放電部材)と、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えたカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−271353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の清掃部材は、操作部が略平板状に形成されていたため、ユーザにとって操作性が良いとはいえなかった。すなわち、従来は、ユーザが指で操作部を放電部材が配置された側に押し付けつつ、放電部材の延設方向に移動させる必要があったので、例えば、指が操作部から滑るなどして操作しにくいことがあった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、清掃部材の操作性を向上させることができるカートリッジ、画像形成装置および帯電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明のカートリッジは、静電潜像が形成される感光体と、感光体に対向して感光体に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えている。
そして、清掃部材は、前記延設方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
【0007】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を指で把持して、清掃部材を延設方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【0008】
前記したカートリッジにおいて、操作部は、清掃部材を移動させるときに把持される、前記延設方向に略直交する把持面を有する構成とすることができる。
【0009】
このような構成によれば、把持面が延設方向に略直交していることで、清掃部材を移動させるときに、清掃部材の移動方向に力をかけることができるので、把持面が延設方向に沿って延びている構成と比較して、清掃部材の操作性をより向上させることができる。
【0010】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、前記延設方向に沿って延び、清掃部材の移動をガイドするガイド開口を有する構成とすることができる。
この場合、清掃部材は、本体部から延出してガイド開口に係合する第1係合部と、本体部の延設方向において第1係合部とは異なる位置から延出してガイド開口に係合する第2係合部とを有する構成とすることができる。
【0011】
このような構成によれば、ガイド開口に係合する2つの係合部が延設方向に並んで設けられていることで、清掃部材を移動させるときに、清掃部材の延設方向における一端部が他端部を支点として持ち上がることを抑制することができる。これにより、清掃部材の操作性をより向上させることができる。
【0012】
前記したカートリッジにおいて、第2係合部は、前記延設方向に直交する直交方向に撓み変形可能な一対の延出部と、各延出部の端部から前記直交方向外側に向けて突出してガイド開口を形成する壁に係合し、前記直交方向外側の面が延出部の端部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する爪部とを有する構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、清掃部材をフレームに取り付けるときに、ガイド開口に第2係合部を押し込んで嵌め込むことが可能となる。
【0014】
ここで、従来の構成(例えば、特許文献1の図8参照)においては、ガイド開口の端部が直交方向に拡幅しており、この拡幅部分から清掃部材をフレームに取り付けていた。しかしながら、清掃部材が延設方向に並ぶ第1係合部と第2係合部を有する本発明では、従来の取付構造をそのまま採用すると、ガイド開口の拡幅部分が延設方向に長くなるため、ガイド開口が形成されるフレームの強度が低下する可能性がある。
【0015】
そこで、上記したように、第2係合部をガイド開口に嵌め込み可能に形成することで、ガイド開口の拡幅部分を少なくとも第1係合部が通る長さに形成すればよくなるので、拡幅部分を短くすることができる。これにより、フレームの強度を維持することが可能となり、場合によっては、フレームの強度を向上させることができる。
【0016】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有する構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、リブにより、突出する操作部を保護することができる。
【0018】
前記したガイド開口を有するカートリッジにおいて、ガイド開口は、外部の空気を放電部材に導く空気導入口として機能するものであってもよい。
この場合、清掃部材は、ガイド開口と対向してガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を有する構成とすることができる。
【0019】
ガイド開口に清掃部材が配置されることで、その分、空気導入口が若干狭くなるが、清掃部材にガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を設けることで、空気の一部が通気開口部を通ることになり、放電部材に導かれる空気の流量を確保することができる。
【0020】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、操作部が当接することで清掃部材の前記延設方向への移動を規制する規制部を有する構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、清掃部材がフレームから脱落することを防止することができる。また、清掃部材の移動範囲を所定の範囲に収めることができる。
【0022】
前記したガイド開口を有するカートリッジにおいて、ガイド開口は、放電部材の一端側に、前記延設方向に直交する直交方向に拡幅する拡幅部を有し、清掃部材が前記一端側に配置された状態において、第2係合部が拡幅部に位置するように設けられる構成とすることができる。
この場合、フレームの拡幅部を形成する壁には、本体部の前記直交方向における両端部と係合可能な溝状の補助ガイド部が設けられていることが望ましい。
【0023】
このような構成によれば、補助ガイド部により、放電部材の一端側に配置された清掃部材がフレームから脱落することを防止することができる。また、逆に言えば、補助ガイド部を設けることで、ガイド開口の一端側を直交方向に広がるように形成できるので、例えば、放電部材の一端部をフレームに取り付けるときの作業などをしやすくすることができる。
【0024】
前記したカートリッジにおいて、ガイド開口は、清掃部材の移動範囲内において、第1係合部との係合が解除されない長さに形成されている構成とすることができる。
【0025】
このような構成によれば、清掃部材が放電部材の一端側に配置された状態において、本体部が補助ガイド部に係合するとともに、第1係合部がガイド開口に係合し続けることになるので、清掃部材がフレームから脱落することをより確実に防止することができる。
【0026】
また、前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、対向壁とを備えている。
カートリッジは、静電潜像が形成される感光体と、感光体に対向して感光体に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材と、フレームに設けられ、前記延設方向に沿って延びるガイド開口とを有する。
対向壁は、フレームのガイド開口が設けられた面に対向する。
清掃部材は、ガイド開口に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
フレームは、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接してガイド開口に沿って延びるリブを有する。
フレーム、対向壁、リブ、操作部およびガイド開口は、空気を放電部材に供給するための流路を形成している。
【0027】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を延設方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。また、フレームに、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接してガイド開口に沿って延びるリブが設けられているので、このリブにより、突出する操作部を保護することができる。さらに、操作部およびリブが、空気を放電部材に供給するための流路の一部を形成しているので、流路の壁を別に設ける構成と比較して、カートリッジの構成を簡略化したり、カートリッジや画像形成装置を小型化したりすることが可能となる。
【0028】
また、前記した目的を達成するため、本発明の帯電器は、所定方向に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、前記所定方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えている。
清掃部材は、前記所定方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
【0029】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を所定方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を延設方向(所定方向)に移動させることができるため、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】感光体カートリッジ周辺を示すレーザプリンタの拡大図である。
【図3】清掃部材が取り付けられた上フレームの斜視図である。
【図4】上フレームの拡大平面図である。
【図5】清掃部材の斜視図(a),(b)である。
【図6】清掃部材の側面図(a)と、下側から見た清掃部材の斜視図(b)である。
【図7】図3のX−X断面図である。
【図8】清掃部材が取り付けられた上フレームの拡大平面図である。
【図9】清掃部材を上フレームに取り付けるときの説明図(a),(b)である。
【図10】図9(b)のY−Y断面図である。
【図11】清掃部材を上フレームに取り付けたときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成について簡単に説明した後、本発明の特徴部分に係る構成について詳細に説明する。
【0033】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0034】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体筐体2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0035】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33と、レジストローラ34とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5に向けて供給され、レジストローラ34を通って感光体ドラム61と転写ローラ63との間に搬送される。
【0036】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0037】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、カートリッジの一例としての感光体カートリッジ6と、現像カートリッジ7とを備えて構成されている。
【0038】
感光体カートリッジ6は、感光体の一例としての感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。感光体カートリッジ6の詳細な構成については後述する。
【0039】
現像カートリッジ7は、感光体カートリッジ6に対して着脱自在となっており、感光体カートリッジ6に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ5の一部として本体筐体2に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像カートリッジ7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74と、アジテータ75とを主に備えている。
【0040】
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、アジテータ75によって撹拌されながら、まず供給ローラ72に供給され、次いで供給ローラ72から現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0041】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0042】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、符号を省略して示すハロゲンヒータ、定着ベルト、ニップ板などを有する加熱ユニット81と、加熱ユニット81のニップ板との間で定着ベルトを挟持する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ユニット81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ23によって排紙トレイ22上に排出される。
【0043】
<感光体カートリッジの詳細構成>
図2に示すように、感光体カートリッジ6は、フレームの一例としての感光体フレーム60と、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを備えている。
【0044】
感光体フレーム60は、下側部分を構成する下フレーム60Aと、上側部分を構成する上フレーム60Bとを主に有している。下フレーム60Aは、感光体ドラム61や転写ローラ63を回転可能に支持するとともに、現像カートリッジ7の装着部を形成している。また、上フレーム60Bは、帯電器62のフレームとしての機能も有しており、後述する放電ワイヤ62Aや対向電極62Bなどを支持している。
【0045】
帯電器62は、放電部材の一例としての放電ワイヤ62Aと、対向電極62Bと、清掃部材200(図3参照)と、放電ワイヤ62Aなどを支持する上フレーム60Bとを主に備えて構成されている。
【0046】
放電ワイヤ62Aは、所定の電圧が印加されることでコロナ放電を発生させる金属製のワイヤであり、感光体ドラム61の上方で感光体ドラム61に対向して配置され、所定方向、具体的には、感光体ドラム61の軸方向(左右方向)に沿って延設されている。
【0047】
対向電極62Bは、放電ワイヤ62Aと対向するように側面視略U形状に形成された板状の電極であり、左右方向に沿って延設されている。本実施形態の対向電極62Bは、放電ワイヤ62Aと感光体ドラム61の間に位置するグリッド電極と、放電ワイヤ62Aの前後に位置する一対のシールド電極とを有している(いずれも符号省略)。
【0048】
図3に示すように、上フレーム60Bには、ガイド開口110と、リブ120と、補助ガイド部130とが設けられている。
【0049】
ガイド開口110は、清掃部材200の移動をガイドするとともに、帯電器62の外部の空気を放電ワイヤ62Aに導く空気導入口として機能する開口であり、左右方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に沿って延びている。このガイド開口110は、図4に示すように、右側に前後方向(放電ワイヤ62Aの延設方向に直交する直交方向)に拡幅する右拡幅部111を有し、左側(放電ワイヤ62Aの一端側)に前後方向に拡幅する拡幅部の一例としての左拡幅部112を有している。
【0050】
本実施形態において、左拡幅部112は、放電ワイヤ62Aの左端に設けられたリング状の固定部62Cを、上フレーム60Bの左拡幅部112内に形成された掛止部150に掛止する際に、その作業をやりやすくするために設けられている。また、詳細については後述するが、右拡幅部111は、清掃部材200を上フレーム60Bに取り付ける際に、清掃部材200の一部(第1係合部220など)を挿入するために設けられている。
【0051】
なお、以下の説明においては、ガイド開口110のうち、右拡幅部111と左拡幅部112との間の、両拡幅部111,112に対して幅狭となっている部分を「幅狭部113」ということとする。
【0052】
図3に戻り、リブ120は、上フレーム60Bに取り付けられる清掃部材200の後側に隣接して上方に向けて突出するように設けられており、ガイド開口110に沿って左右方向に延びている。本実施形態において、リブ120は、上フレーム60Bに取り付けられた状態の清掃部材200の後述する操作部260と略同じ高さとなるように突出している。
【0053】
なお、本実施形態においては、操作部260と同じ高さのリブ120が、左右方向に並んで複数設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、操作部260と同じ高さのリブは、左右方向に沿って長く延びる1つのリブであってもよい。
【0054】
補助ガイド部130は、上フレーム60Bの左拡幅部112(図4参照)を形成する前後の壁に設けられている。補助ガイド部130の詳細については後述する。
【0055】
清掃部材200は、上フレーム60Bのガイド開口110に移動可能に取り付けられており、左右方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に沿って移動させることで放電ワイヤ62Aを清掃する部材である。この清掃部材200は、図5および図6に示すように、本体部210と、第1係合部220と、第2係合部230と、スポンジ保持部240と、通気開口部250と、操作部260と、スポンジ270(図5(b)にのみ図示)とを主に有して構成されている。
【0056】
本体部210は、左右方向に長い平面視略矩形の平板状の部位であり、第1係合部220および第2係合部230がガイド開口110に係合することで、左右方向(ガイド開口110)に沿って移動可能に設けられている。
【0057】
第1係合部220は、本体部210の右端部および下面右端の前後方向中央付近から、右方および下方に向けて延出する部位であり、前後方向に並んで2つ設けられている。各第1係合部220は、略L形状をなしており、上下方向に延びる第1延出部221と、第1延出部221の前後方向外側の面の下端部から外側に向けて突出する第1爪部222とを主に有している。
【0058】
一対の第1係合部220は、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられたとき、ガイド開口110に係合する。より具体的には、第1延出部221がガイド開口110(幅狭部113)を形成する前後の壁114の間に位置し、第1爪部222が壁114の下側に位置することとなる(図7参照)。
【0059】
第2係合部230は、本体部210の左右方向において第1係合部220とは異なる位置、具体的には、本体部210の下面の中央付近から、下方に向けて延出する部位であり、前後方向に並んで2つ設けられている。この第2係合部230と前記した第1係合部220とは、左右方向に沿って並ぶように設けられている。各第2係合部230は、略L形状をなしており、上下方向に延びる延出部の一例としての第2延出部231と、第2延出部231の前後方向外側の面の下端部から外側に向けて突出する爪部の一例としての第2爪部232とを主に有している。
【0060】
一対の第2延出部231は、それぞれ、前後方向に撓み変形可能な厚さに形成されている。また、各第2爪部232は、図7に示すように、前後方向外側の面が第2延出部231の下端部に向かうにつれて、互いに近づくように前後方向外側から内側に向けて傾斜する傾斜面233となっている。
【0061】
一対の第2係合部230は、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられたとき、ガイド開口110に係合することができる。一対の第2係合部230がガイド開口110に係合すると、第2延出部231が壁114の間に位置し、第2爪部232が壁114の下側に位置することとなる
【0062】
図4に示すように、本実施形態において、ガイド開口110は、清掃部材200が放電ワイヤ62Aの左端側(一端側)に配置された状態(以下、このときの清掃部材200の位置を「待機位置」という。)において、第1係合部220(第1爪部222)がガイド開口110(壁114)と係合し、第2係合部230が左拡幅部112に位置するように設けられている。言い換えると、本実施形態において、清掃部材200は、待機位置にあるときに、第2係合部230と、ガイド開口110の幅狭部113を形成する壁114との係合が解除される。
【0063】
上フレーム60Bには、待機位置にある清掃部材200が上フレーム60Bから脱落しないように、補助ガイド部130が設けられている。
図7に示すように、補助ガイド部130は、左拡幅部112を形成する前後の壁(符号省略)から前後方向内側に向けて延びる、前後一対の上壁部131と、前後一対の下壁部132とを有している。
【0064】
上壁部131と下壁部132は、上下方向に所定の間隔をあけて設けられており、その間に、清掃部材200の本体部210の前後方向における両端部と係合可能な溝状の凹部が形成されている。清掃部材200は、待機位置にあるとき、本体部210が上壁部131と下壁部132との間に係合することで、上フレーム60Bから脱落しないようになっている。
【0065】
なお、本実施形態において、ガイド開口110の幅狭部113、より詳細には、幅狭部113を形成する壁114は、清掃部材200の移動範囲内において、第1係合部220(第1爪部222)との係合が解除されない長さに形成されている。したがって、図4に示すように、第1係合部220(第1爪部222)は、清掃部材200が待機位置にあるときも、その右端付近が壁114と係合し続ける。
【0066】
図5(b)に示すように、スポンジ保持部240は、第1係合部220の下面から下方に向けて延び出た部位であり、スポンジ270を保持可能に構成されている。なお、清掃部材のスポンジを保持するための構成については、本発明と直接関連する構成ではなく、また、広く公知の構成を採用することができるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0067】
スポンジ270は、清掃部材200の移動により放電ワイヤ62Aに直接摺接して放電ワイヤ62Aに付着したトナーやシリカなどの付着物を拭う部材であり、略U形状に折り曲げられた状態でスポンジ保持部240に保持されている。
【0068】
図8に示すように、通気開口部250は、一対の第1係合部220(第1延出部221)の間に形成された、上下方向(ガイド開口110の貫通方向)に貫通する平面視凹状の開口部分であり、左右方向においてガイド開口110と対向して設けられている。このような通気開口部250を有することによって、清掃部材200が待機位置(図8に示す位置)にあるとき、外部の空気を放電ワイヤ62Aに導く空気導入口を左右に長くすることができる。
【0069】
図5および図6に示すように、操作部260は、本体部210の上面右端から上方(放電ワイヤ62Aとは反対側)に向けて板状に突出する部位である。この操作部260は、清掃部材200を操作するユーザが指で摘むことができるような高さに突出している。具体的に、操作部260は、本体部210から4mm以上突出していることが望ましい。
【0070】
操作部260は、清掃部材200を移動させるときにユーザによって把持される一対の把持面261を有している。一対の把持面261は、清掃部材200の移動方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に略直交する前後方向に沿って延びている。
【0071】
また、操作部260は、前後方向の長さが、本体部210の前後方向の長さと略等しくなるように設けられている。そのため、図8に示すように、操作部260は、清掃部材200を待機位置に移動させて、本体部210の前後方向両端部と補助ガイド部130とが係合したとき、左側の把持面261が補助ガイド部130を構成する上壁部131の右端部に当接することとなる。これにより、清掃部材200は、左方向への移動が規制される。
【0072】
すなわち、本実施形態において、上壁部131は、操作部260が当接することで清掃部材200の左方向への移動を規制する規制部の一例となっている。
【0073】
<レーザプリンタの詳細構成>
次に、本発明に関連するレーザプリンタ1の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、板金を折り曲げることによって形成された金属フレーム25を備えている。
【0074】
金属フレーム25は、露光装置4を固定するための部材であり、本体筐体2に装着されたプロセスカートリッジ5の上方となる位置に設けられている。金属フレーム25の下壁25Aは、感光体フレーム60(上フレーム60B)のガイド開口110が設けられた面に対向する対向壁の一例である。
【0075】
本実施形態において、金属フレーム25の下壁25A、現像カートリッジ7のフレームの上壁(符号省略)、感光体フレーム60(上フレーム60B)、上フレーム60Bのリブ120、清掃部材200の操作部260、および、上フレーム60Bのガイド開口110は、図2および図3に示すように、本体筐体2の外部から取り入れた空気(矢印参照)を放電ワイヤ62Aに供給するための流路Fを形成している。
【0076】
このように、リブ120および操作部260が流路Fの一部を形成する構成とすることで、上フレーム60Bに流路Fの壁をリブ120や操作部260とは別に設けるような構成と比較して、感光体カートリッジ6(感光体フレーム60)の構成を簡略化したり、感光体カートリッジ6やレーザプリンタ1を小型化したりすることが可能となる。
【0077】
なお、図2に示すように、本実施形態において、下壁25Aには、上フレーム60Bとの間に、リブ120に沿うように左右方向に延びる板状スポンジ26が、貼り付けるなどして設けられている。この板状スポンジ26は、本体筐体2にプロセスカートリッジ5が装着されたときに、リブ120とともに、下壁25Aと上フレーム60Bとの間に、いわば「壁」を形成する。
【0078】
下壁25Aと上フレーム60Bとの間を前方から後方に向けて流れてきた空気は、この「壁」に沿うことで方向を変えて下方(ガイド開口110)に向かって流れることとなる。したがって、このような板状スポンジ26を設けたことで、レーザプリンタ1では、空気を効率良く放電ワイヤ62Aに供給することができるようになっている。
【0079】
放電ワイヤ62A(の周囲)に供給された空気は、放電ワイヤ62Aのコロナ放電により、電離してイオン化し、電位差による引力や空気の流れによって感光体ドラム61に向けて流れることとなる。そして、イオン化した空気が、感光体ドラム61の表面に当たることで、感光体ドラム61の表面が帯電される。
【0080】
また、感光体ドラム61の表面に到達した空気は、感光体ドラム61の表面に沿って後方に向けて流れ、上フレーム60Bに形成された空気排出口140からプロセスカートリッジ5の外部に排出され、さらに、本体筐体2に設けられた図示しないファンによって本体筐体2の外部に排出されることとなる。
【0081】
<清掃部材の取付方法>
最後に、清掃部材200を感光体フレーム60(上フレーム60B)に取り付けるときの手順について簡単に説明する。
【0082】
図9(a)に示すように、清掃部材200を上フレーム60Bに取り付けるとき、まず、清掃部材200(本体部210)の右端側(第1係合部220側)を上フレーム60Bに近づけ、左端側を上フレーム60Bから遠ざけるようにして傾け、図9(b)に示すように、スポンジ保持部240および第1係合部220をガイド開口110の右側に設けられた右拡幅部111に挿入する。
【0083】
図10に示すように、第1係合部220などを右拡幅部111に挿入した段階において、第2係合部230は、ガイド開口110の幅狭部113(壁114)の上方に位置することとなる。その後、清掃部材200(本体部210)の左端側を上フレーム60Bに近づけるように倒していくと、第2係合部230の第2爪部232の傾斜面233が壁114に当接する。
【0084】
清掃部材200の左端側をさらに倒していくと、傾斜面233に対して壁114から力がかかるため、これによって、一対の第2延出部231が前後方向内側に向けて撓み、第2係合部230が壁114の間(幅狭部113)に入り込んでいく。そして、図11に示すように、第2爪部232が壁114よりも下側に来ると、一対の第2延出部231が撓みを回復させることで、第2爪部232が壁114に係合する。
【0085】
その後、清掃部材200をガイド開口110に沿って左方向へ移動させることで、第1係合部220の第1爪部222も壁114と係合し、これによって、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられることとなる。
【0086】
図8に示すように、清掃部材200は、使用しないときには、待機位置(放電ワイヤ62Aの左端側)に配置されている。放電ワイヤ62Aを清掃するとき、ユーザは、操作部260を指で摘んで、清掃部材200を待機位置から右方向に移動させて放電ワイヤ62Aの右端側まで移動させ、その位置から左方向に移動させて待機位置まで移動させる。
【0087】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
清掃部材200が本体部210から把持可能に突出する操作部260を有するので、ユーザは操作部260を指で摘んで、清掃部材200を放電ワイヤ62Aの延設方向(左右方向)に移動させることができる。これにより、操作部260のような突出部分を有さない従来の清掃部材と比較して、清掃部材200の操作性を格段に向上させることができる。
【0088】
特に、本実施形態では、把持面261が延設方向に略直交しているので、清掃部材200を移動させるときに、清掃部材200の移動方向に力をかけることができる。これにより、把持面が延設方向に沿って延びている構成と比較して、清掃部材200の操作性をより向上させることができる。
【0089】
また、ガイド開口110に係合する2つの係合部220,230が左右方向に並んで設けられているので、清掃部材200を移動させるときに、清掃部材200の左右方向における一端部が他端部を支点として持ち上がることを抑制することができる。これにより、清掃部材200の操作性をより向上させることができる。
【0090】
また、第2係合部230がガイド開口110(幅狭部113)に押し込んで嵌め込むことができるように形成されているので、右拡幅部111を少なくとも第1係合部220が通る長さに形成すればよくなるため、右拡幅部111を左右方向に短くすることができる。これにより、上フレーム60Bの強度を維持することが可能となり、場合によっては、上フレーム60Bの強度を従来の構成よりも向上させることができる。
【0091】
また、上フレーム60Bに、操作部260と同じ高さで突出して左右方向に沿って延びるリブ120が設けられているので、リブ120によって、突出する操作部260を保護することができる。
【0092】
また、清掃部材200に通気開口部250が設けられているので、空気の一部が通気開口部250を通ることになり、放電ワイヤ62Aに導かれる空気の流量を確保することができる。
【0093】
また、上フレーム60Bに、操作部260が当接することで清掃部材200の左方向への移動を規制する上壁部131(規制部)が設けられているので、清掃部材200が上フレーム60Bから脱落することを防止することができる。また、清掃部材200の移動範囲を所定の範囲に収めることができる。
【0094】
また、上フレーム60Bの左拡幅部112を形成する壁に補助ガイド部130が設けられているので、補助ガイド部130によって、待機位置にある清掃部材200が上フレーム60Bから脱落することを防止することができる。また、逆に言えば、補助ガイド部130を設けることで、ガイド開口110に前後方向に広がる部分(左拡幅部112)を形成できるので、例えば、放電ワイヤ62Aの固定部62Cを上フレーム60Bに取り付けるときの作業などをしやすくすることができる。
【0095】
また、ガイド開口110が第1係合部220との係合が解除されない長さに形成されているので、清掃部材200が待機位置にあるときには、本体部210が補助ガイド部130に係合するとともに、第1係合部220がガイド開口110(幅狭部113)に係合し続けることとなる。これにより、清掃部材200の脱落をより確実に防止することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0097】
前記実施形態では、ガイド開口110の両側に拡幅部111,112が設けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、拡幅部は、ガイド開口の一端側だけに設けられていてもよい。また、ガイド開口は、拡幅部を有しない構成であってもよい。
【0098】
前記実施形態では、補助ガイド部130が、左拡幅部112を形成する前後の壁から前後方向内側に向けて延びる、前後一対の上壁部131と、前後一対の下壁部132とを有して構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補助ガイド部は、拡幅部を形成する壁に設けられた溝状の凹部であってもよい。
【0099】
前記実施形態では、補助ガイド部130を構成する上壁部131が、清掃部材200の移動を規制する規制部として機能していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、規制部は、補助ガイド部とは別に設けられていてもよい。
【0100】
前記実施形態では、平面視凹状(切欠状)の通気開口部250を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、通気開口部は、ガイド開口の貫通方向に貫通する貫通孔であってもよい。また、清掃部材は、通気開口部を有しない構成であってもよい。
【0101】
前記実施形態では、操作部260と同じ高さのリブ120を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、リブは、操作部よりも高く突出していてもよい。また、フレームは、リブを有しない構成であってもよい。
【0102】
前記実施形態では、清掃部材200にガイド開口110と係合する2つの係合部220,230が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ガイド開口と係合する係合部は、3つ以上設けられていてもよい。
【0103】
前記実施形態では、操作部260の把持面261が放電ワイヤ62A(放電部材)の延設方向に略直交していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、把持面は、放電部材の延設方向に沿って延びていてもよい。
【0104】
前記実施形態では、帯電器として、グリッド電極を有するスコロトロン型の帯電器62を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の帯電器は、グリッド電極を有しないコロトロン型の帯電器であってもよい。なお、本発明において、グリッド電極を備える構成を採用した場合、清掃部材は、前記した特許文献1などに開示されているフィルムのような、グリッド電極を清掃する部材を有していてもよい。
【0105】
前記実施形態では、放電部材として、感光体ドラム61(所定方向)に沿って張設された放電ワイヤ62Aを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、放電部材は、所定方向に沿って並んで設けられた複数の針状の電極であってもよい。言い換えると、本発明の帯電器は、鋸歯帯電器であってもよい。
【0106】
前記実施形態では、フレームとして、感光体ドラム61(感光体)と放電ワイヤ62A(放電部材)の両方を支持する感光体フレーム60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のフレームは、少なくとも放電部材を支持する前記実施形態の上フレーム60Bであってもよい。
【0107】
前記実施形態では、カートリッジとして感光体カートリッジ6を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記実施形態の感光体カートリッジ6と現像カートリッジ7とが一体(着脱不能)に形成されたプロセスカートリッジであってもよい。
【0108】
前記実施形態では、画像形成装置として、モノクロ画像を形成するレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カラー画像を形成するプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【0109】
前記実施形態では、対向壁として、露光装置4を固定する金属フレーム25の下壁25Aを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置がカラー画像を形成する装置であり、画像形成装置本体内に複数のカートリッジが並べて配置される場合には、対向壁は、隣接するカートリッジの壁であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
6 感光体カートリッジ
25 金属フレーム
25A 下壁
60 感光体フレーム
60B 上フレーム
61 感光体ドラム
62 帯電器
62A 放電ワイヤ
110 ガイド開口
112 左拡幅部
114 壁
120 リブ
130 補助ガイド部
131 上壁部
200 清掃部材
210 本体部
220 第1係合部
230 第2係合部
231 第2延出部
232 第2爪部
233 傾斜面
250 通気開口部
260 操作部
261 把持面
F 流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ワイヤなどの放電部材を清掃する清掃部材を備えたカートリッジ、画像形成装置および帯電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体ドラムと、感光体ドラムに沿って延設された放電ワイヤ(放電部材)と、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えたカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−271353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の清掃部材は、操作部が略平板状に形成されていたため、ユーザにとって操作性が良いとはいえなかった。すなわち、従来は、ユーザが指で操作部を放電部材が配置された側に押し付けつつ、放電部材の延設方向に移動させる必要があったので、例えば、指が操作部から滑るなどして操作しにくいことがあった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、清掃部材の操作性を向上させることができるカートリッジ、画像形成装置および帯電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明のカートリッジは、静電潜像が形成される感光体と、感光体に対向して感光体に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えている。
そして、清掃部材は、前記延設方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
【0007】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を指で把持して、清掃部材を延設方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【0008】
前記したカートリッジにおいて、操作部は、清掃部材を移動させるときに把持される、前記延設方向に略直交する把持面を有する構成とすることができる。
【0009】
このような構成によれば、把持面が延設方向に略直交していることで、清掃部材を移動させるときに、清掃部材の移動方向に力をかけることができるので、把持面が延設方向に沿って延びている構成と比較して、清掃部材の操作性をより向上させることができる。
【0010】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、前記延設方向に沿って延び、清掃部材の移動をガイドするガイド開口を有する構成とすることができる。
この場合、清掃部材は、本体部から延出してガイド開口に係合する第1係合部と、本体部の延設方向において第1係合部とは異なる位置から延出してガイド開口に係合する第2係合部とを有する構成とすることができる。
【0011】
このような構成によれば、ガイド開口に係合する2つの係合部が延設方向に並んで設けられていることで、清掃部材を移動させるときに、清掃部材の延設方向における一端部が他端部を支点として持ち上がることを抑制することができる。これにより、清掃部材の操作性をより向上させることができる。
【0012】
前記したカートリッジにおいて、第2係合部は、前記延設方向に直交する直交方向に撓み変形可能な一対の延出部と、各延出部の端部から前記直交方向外側に向けて突出してガイド開口を形成する壁に係合し、前記直交方向外側の面が延出部の端部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する爪部とを有する構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、清掃部材をフレームに取り付けるときに、ガイド開口に第2係合部を押し込んで嵌め込むことが可能となる。
【0014】
ここで、従来の構成(例えば、特許文献1の図8参照)においては、ガイド開口の端部が直交方向に拡幅しており、この拡幅部分から清掃部材をフレームに取り付けていた。しかしながら、清掃部材が延設方向に並ぶ第1係合部と第2係合部を有する本発明では、従来の取付構造をそのまま採用すると、ガイド開口の拡幅部分が延設方向に長くなるため、ガイド開口が形成されるフレームの強度が低下する可能性がある。
【0015】
そこで、上記したように、第2係合部をガイド開口に嵌め込み可能に形成することで、ガイド開口の拡幅部分を少なくとも第1係合部が通る長さに形成すればよくなるので、拡幅部分を短くすることができる。これにより、フレームの強度を維持することが可能となり、場合によっては、フレームの強度を向上させることができる。
【0016】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有する構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、リブにより、突出する操作部を保護することができる。
【0018】
前記したガイド開口を有するカートリッジにおいて、ガイド開口は、外部の空気を放電部材に導く空気導入口として機能するものであってもよい。
この場合、清掃部材は、ガイド開口と対向してガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を有する構成とすることができる。
【0019】
ガイド開口に清掃部材が配置されることで、その分、空気導入口が若干狭くなるが、清掃部材にガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を設けることで、空気の一部が通気開口部を通ることになり、放電部材に導かれる空気の流量を確保することができる。
【0020】
前記した各カートリッジにおいて、フレームは、操作部が当接することで清掃部材の前記延設方向への移動を規制する規制部を有する構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、清掃部材がフレームから脱落することを防止することができる。また、清掃部材の移動範囲を所定の範囲に収めることができる。
【0022】
前記したガイド開口を有するカートリッジにおいて、ガイド開口は、放電部材の一端側に、前記延設方向に直交する直交方向に拡幅する拡幅部を有し、清掃部材が前記一端側に配置された状態において、第2係合部が拡幅部に位置するように設けられる構成とすることができる。
この場合、フレームの拡幅部を形成する壁には、本体部の前記直交方向における両端部と係合可能な溝状の補助ガイド部が設けられていることが望ましい。
【0023】
このような構成によれば、補助ガイド部により、放電部材の一端側に配置された清掃部材がフレームから脱落することを防止することができる。また、逆に言えば、補助ガイド部を設けることで、ガイド開口の一端側を直交方向に広がるように形成できるので、例えば、放電部材の一端部をフレームに取り付けるときの作業などをしやすくすることができる。
【0024】
前記したカートリッジにおいて、ガイド開口は、清掃部材の移動範囲内において、第1係合部との係合が解除されない長さに形成されている構成とすることができる。
【0025】
このような構成によれば、清掃部材が放電部材の一端側に配置された状態において、本体部が補助ガイド部に係合するとともに、第1係合部がガイド開口に係合し続けることになるので、清掃部材がフレームから脱落することをより確実に防止することができる。
【0026】
また、前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、対向壁とを備えている。
カートリッジは、静電潜像が形成される感光体と、感光体に対向して感光体に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、放電部材の延設方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材と、フレームに設けられ、前記延設方向に沿って延びるガイド開口とを有する。
対向壁は、フレームのガイド開口が設けられた面に対向する。
清掃部材は、ガイド開口に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
フレームは、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接してガイド開口に沿って延びるリブを有する。
フレーム、対向壁、リブ、操作部およびガイド開口は、空気を放電部材に供給するための流路を形成している。
【0027】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を延設方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。また、フレームに、操作部と同じ高さでまたは操作部よりも高く突出し、清掃部材に隣接してガイド開口に沿って延びるリブが設けられているので、このリブにより、突出する操作部を保護することができる。さらに、操作部およびリブが、空気を放電部材に供給するための流路の一部を形成しているので、流路の壁を別に設ける構成と比較して、カートリッジの構成を簡略化したり、カートリッジや画像形成装置を小型化したりすることが可能となる。
【0028】
また、前記した目的を達成するため、本発明の帯電器は、所定方向に沿って延設される放電部材と、放電部材を支持するフレームと、前記所定方向に沿って移動させることで放電部材を清掃する清掃部材とを備えている。
清掃部材は、前記所定方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有する。
【0029】
このような構成によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を所定方向に移動させることができる。これにより、従来の構成と比較して、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、清掃部材が本体部から把持可能に突出する操作部を有するので、ユーザは操作部を把持して、清掃部材を延設方向(所定方向)に移動させることができるため、清掃部材の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】感光体カートリッジ周辺を示すレーザプリンタの拡大図である。
【図3】清掃部材が取り付けられた上フレームの斜視図である。
【図4】上フレームの拡大平面図である。
【図5】清掃部材の斜視図(a),(b)である。
【図6】清掃部材の側面図(a)と、下側から見た清掃部材の斜視図(b)である。
【図7】図3のX−X断面図である。
【図8】清掃部材が取り付けられた上フレームの拡大平面図である。
【図9】清掃部材を上フレームに取り付けるときの説明図(a),(b)である。
【図10】図9(b)のY−Y断面図である。
【図11】清掃部材を上フレームに取り付けたときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成について簡単に説明した後、本発明の特徴部分に係る構成について詳細に説明する。
【0033】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0034】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体筐体2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0035】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33と、レジストローラ34とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5に向けて供給され、レジストローラ34を通って感光体ドラム61と転写ローラ63との間に搬送される。
【0036】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0037】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、カートリッジの一例としての感光体カートリッジ6と、現像カートリッジ7とを備えて構成されている。
【0038】
感光体カートリッジ6は、感光体の一例としての感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。感光体カートリッジ6の詳細な構成については後述する。
【0039】
現像カートリッジ7は、感光体カートリッジ6に対して着脱自在となっており、感光体カートリッジ6に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ5の一部として本体筐体2に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像カートリッジ7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74と、アジテータ75とを主に備えている。
【0040】
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、アジテータ75によって撹拌されながら、まず供給ローラ72に供給され、次いで供給ローラ72から現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0041】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0042】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、符号を省略して示すハロゲンヒータ、定着ベルト、ニップ板などを有する加熱ユニット81と、加熱ユニット81のニップ板との間で定着ベルトを挟持する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ユニット81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、排紙ローラ23によって排紙トレイ22上に排出される。
【0043】
<感光体カートリッジの詳細構成>
図2に示すように、感光体カートリッジ6は、フレームの一例としての感光体フレーム60と、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを備えている。
【0044】
感光体フレーム60は、下側部分を構成する下フレーム60Aと、上側部分を構成する上フレーム60Bとを主に有している。下フレーム60Aは、感光体ドラム61や転写ローラ63を回転可能に支持するとともに、現像カートリッジ7の装着部を形成している。また、上フレーム60Bは、帯電器62のフレームとしての機能も有しており、後述する放電ワイヤ62Aや対向電極62Bなどを支持している。
【0045】
帯電器62は、放電部材の一例としての放電ワイヤ62Aと、対向電極62Bと、清掃部材200(図3参照)と、放電ワイヤ62Aなどを支持する上フレーム60Bとを主に備えて構成されている。
【0046】
放電ワイヤ62Aは、所定の電圧が印加されることでコロナ放電を発生させる金属製のワイヤであり、感光体ドラム61の上方で感光体ドラム61に対向して配置され、所定方向、具体的には、感光体ドラム61の軸方向(左右方向)に沿って延設されている。
【0047】
対向電極62Bは、放電ワイヤ62Aと対向するように側面視略U形状に形成された板状の電極であり、左右方向に沿って延設されている。本実施形態の対向電極62Bは、放電ワイヤ62Aと感光体ドラム61の間に位置するグリッド電極と、放電ワイヤ62Aの前後に位置する一対のシールド電極とを有している(いずれも符号省略)。
【0048】
図3に示すように、上フレーム60Bには、ガイド開口110と、リブ120と、補助ガイド部130とが設けられている。
【0049】
ガイド開口110は、清掃部材200の移動をガイドするとともに、帯電器62の外部の空気を放電ワイヤ62Aに導く空気導入口として機能する開口であり、左右方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に沿って延びている。このガイド開口110は、図4に示すように、右側に前後方向(放電ワイヤ62Aの延設方向に直交する直交方向)に拡幅する右拡幅部111を有し、左側(放電ワイヤ62Aの一端側)に前後方向に拡幅する拡幅部の一例としての左拡幅部112を有している。
【0050】
本実施形態において、左拡幅部112は、放電ワイヤ62Aの左端に設けられたリング状の固定部62Cを、上フレーム60Bの左拡幅部112内に形成された掛止部150に掛止する際に、その作業をやりやすくするために設けられている。また、詳細については後述するが、右拡幅部111は、清掃部材200を上フレーム60Bに取り付ける際に、清掃部材200の一部(第1係合部220など)を挿入するために設けられている。
【0051】
なお、以下の説明においては、ガイド開口110のうち、右拡幅部111と左拡幅部112との間の、両拡幅部111,112に対して幅狭となっている部分を「幅狭部113」ということとする。
【0052】
図3に戻り、リブ120は、上フレーム60Bに取り付けられる清掃部材200の後側に隣接して上方に向けて突出するように設けられており、ガイド開口110に沿って左右方向に延びている。本実施形態において、リブ120は、上フレーム60Bに取り付けられた状態の清掃部材200の後述する操作部260と略同じ高さとなるように突出している。
【0053】
なお、本実施形態においては、操作部260と同じ高さのリブ120が、左右方向に並んで複数設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、操作部260と同じ高さのリブは、左右方向に沿って長く延びる1つのリブであってもよい。
【0054】
補助ガイド部130は、上フレーム60Bの左拡幅部112(図4参照)を形成する前後の壁に設けられている。補助ガイド部130の詳細については後述する。
【0055】
清掃部材200は、上フレーム60Bのガイド開口110に移動可能に取り付けられており、左右方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に沿って移動させることで放電ワイヤ62Aを清掃する部材である。この清掃部材200は、図5および図6に示すように、本体部210と、第1係合部220と、第2係合部230と、スポンジ保持部240と、通気開口部250と、操作部260と、スポンジ270(図5(b)にのみ図示)とを主に有して構成されている。
【0056】
本体部210は、左右方向に長い平面視略矩形の平板状の部位であり、第1係合部220および第2係合部230がガイド開口110に係合することで、左右方向(ガイド開口110)に沿って移動可能に設けられている。
【0057】
第1係合部220は、本体部210の右端部および下面右端の前後方向中央付近から、右方および下方に向けて延出する部位であり、前後方向に並んで2つ設けられている。各第1係合部220は、略L形状をなしており、上下方向に延びる第1延出部221と、第1延出部221の前後方向外側の面の下端部から外側に向けて突出する第1爪部222とを主に有している。
【0058】
一対の第1係合部220は、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられたとき、ガイド開口110に係合する。より具体的には、第1延出部221がガイド開口110(幅狭部113)を形成する前後の壁114の間に位置し、第1爪部222が壁114の下側に位置することとなる(図7参照)。
【0059】
第2係合部230は、本体部210の左右方向において第1係合部220とは異なる位置、具体的には、本体部210の下面の中央付近から、下方に向けて延出する部位であり、前後方向に並んで2つ設けられている。この第2係合部230と前記した第1係合部220とは、左右方向に沿って並ぶように設けられている。各第2係合部230は、略L形状をなしており、上下方向に延びる延出部の一例としての第2延出部231と、第2延出部231の前後方向外側の面の下端部から外側に向けて突出する爪部の一例としての第2爪部232とを主に有している。
【0060】
一対の第2延出部231は、それぞれ、前後方向に撓み変形可能な厚さに形成されている。また、各第2爪部232は、図7に示すように、前後方向外側の面が第2延出部231の下端部に向かうにつれて、互いに近づくように前後方向外側から内側に向けて傾斜する傾斜面233となっている。
【0061】
一対の第2係合部230は、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられたとき、ガイド開口110に係合することができる。一対の第2係合部230がガイド開口110に係合すると、第2延出部231が壁114の間に位置し、第2爪部232が壁114の下側に位置することとなる
【0062】
図4に示すように、本実施形態において、ガイド開口110は、清掃部材200が放電ワイヤ62Aの左端側(一端側)に配置された状態(以下、このときの清掃部材200の位置を「待機位置」という。)において、第1係合部220(第1爪部222)がガイド開口110(壁114)と係合し、第2係合部230が左拡幅部112に位置するように設けられている。言い換えると、本実施形態において、清掃部材200は、待機位置にあるときに、第2係合部230と、ガイド開口110の幅狭部113を形成する壁114との係合が解除される。
【0063】
上フレーム60Bには、待機位置にある清掃部材200が上フレーム60Bから脱落しないように、補助ガイド部130が設けられている。
図7に示すように、補助ガイド部130は、左拡幅部112を形成する前後の壁(符号省略)から前後方向内側に向けて延びる、前後一対の上壁部131と、前後一対の下壁部132とを有している。
【0064】
上壁部131と下壁部132は、上下方向に所定の間隔をあけて設けられており、その間に、清掃部材200の本体部210の前後方向における両端部と係合可能な溝状の凹部が形成されている。清掃部材200は、待機位置にあるとき、本体部210が上壁部131と下壁部132との間に係合することで、上フレーム60Bから脱落しないようになっている。
【0065】
なお、本実施形態において、ガイド開口110の幅狭部113、より詳細には、幅狭部113を形成する壁114は、清掃部材200の移動範囲内において、第1係合部220(第1爪部222)との係合が解除されない長さに形成されている。したがって、図4に示すように、第1係合部220(第1爪部222)は、清掃部材200が待機位置にあるときも、その右端付近が壁114と係合し続ける。
【0066】
図5(b)に示すように、スポンジ保持部240は、第1係合部220の下面から下方に向けて延び出た部位であり、スポンジ270を保持可能に構成されている。なお、清掃部材のスポンジを保持するための構成については、本発明と直接関連する構成ではなく、また、広く公知の構成を採用することができるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0067】
スポンジ270は、清掃部材200の移動により放電ワイヤ62Aに直接摺接して放電ワイヤ62Aに付着したトナーやシリカなどの付着物を拭う部材であり、略U形状に折り曲げられた状態でスポンジ保持部240に保持されている。
【0068】
図8に示すように、通気開口部250は、一対の第1係合部220(第1延出部221)の間に形成された、上下方向(ガイド開口110の貫通方向)に貫通する平面視凹状の開口部分であり、左右方向においてガイド開口110と対向して設けられている。このような通気開口部250を有することによって、清掃部材200が待機位置(図8に示す位置)にあるとき、外部の空気を放電ワイヤ62Aに導く空気導入口を左右に長くすることができる。
【0069】
図5および図6に示すように、操作部260は、本体部210の上面右端から上方(放電ワイヤ62Aとは反対側)に向けて板状に突出する部位である。この操作部260は、清掃部材200を操作するユーザが指で摘むことができるような高さに突出している。具体的に、操作部260は、本体部210から4mm以上突出していることが望ましい。
【0070】
操作部260は、清掃部材200を移動させるときにユーザによって把持される一対の把持面261を有している。一対の把持面261は、清掃部材200の移動方向(放電ワイヤ62Aの延設方向)に略直交する前後方向に沿って延びている。
【0071】
また、操作部260は、前後方向の長さが、本体部210の前後方向の長さと略等しくなるように設けられている。そのため、図8に示すように、操作部260は、清掃部材200を待機位置に移動させて、本体部210の前後方向両端部と補助ガイド部130とが係合したとき、左側の把持面261が補助ガイド部130を構成する上壁部131の右端部に当接することとなる。これにより、清掃部材200は、左方向への移動が規制される。
【0072】
すなわち、本実施形態において、上壁部131は、操作部260が当接することで清掃部材200の左方向への移動を規制する規制部の一例となっている。
【0073】
<レーザプリンタの詳細構成>
次に、本発明に関連するレーザプリンタ1の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、板金を折り曲げることによって形成された金属フレーム25を備えている。
【0074】
金属フレーム25は、露光装置4を固定するための部材であり、本体筐体2に装着されたプロセスカートリッジ5の上方となる位置に設けられている。金属フレーム25の下壁25Aは、感光体フレーム60(上フレーム60B)のガイド開口110が設けられた面に対向する対向壁の一例である。
【0075】
本実施形態において、金属フレーム25の下壁25A、現像カートリッジ7のフレームの上壁(符号省略)、感光体フレーム60(上フレーム60B)、上フレーム60Bのリブ120、清掃部材200の操作部260、および、上フレーム60Bのガイド開口110は、図2および図3に示すように、本体筐体2の外部から取り入れた空気(矢印参照)を放電ワイヤ62Aに供給するための流路Fを形成している。
【0076】
このように、リブ120および操作部260が流路Fの一部を形成する構成とすることで、上フレーム60Bに流路Fの壁をリブ120や操作部260とは別に設けるような構成と比較して、感光体カートリッジ6(感光体フレーム60)の構成を簡略化したり、感光体カートリッジ6やレーザプリンタ1を小型化したりすることが可能となる。
【0077】
なお、図2に示すように、本実施形態において、下壁25Aには、上フレーム60Bとの間に、リブ120に沿うように左右方向に延びる板状スポンジ26が、貼り付けるなどして設けられている。この板状スポンジ26は、本体筐体2にプロセスカートリッジ5が装着されたときに、リブ120とともに、下壁25Aと上フレーム60Bとの間に、いわば「壁」を形成する。
【0078】
下壁25Aと上フレーム60Bとの間を前方から後方に向けて流れてきた空気は、この「壁」に沿うことで方向を変えて下方(ガイド開口110)に向かって流れることとなる。したがって、このような板状スポンジ26を設けたことで、レーザプリンタ1では、空気を効率良く放電ワイヤ62Aに供給することができるようになっている。
【0079】
放電ワイヤ62A(の周囲)に供給された空気は、放電ワイヤ62Aのコロナ放電により、電離してイオン化し、電位差による引力や空気の流れによって感光体ドラム61に向けて流れることとなる。そして、イオン化した空気が、感光体ドラム61の表面に当たることで、感光体ドラム61の表面が帯電される。
【0080】
また、感光体ドラム61の表面に到達した空気は、感光体ドラム61の表面に沿って後方に向けて流れ、上フレーム60Bに形成された空気排出口140からプロセスカートリッジ5の外部に排出され、さらに、本体筐体2に設けられた図示しないファンによって本体筐体2の外部に排出されることとなる。
【0081】
<清掃部材の取付方法>
最後に、清掃部材200を感光体フレーム60(上フレーム60B)に取り付けるときの手順について簡単に説明する。
【0082】
図9(a)に示すように、清掃部材200を上フレーム60Bに取り付けるとき、まず、清掃部材200(本体部210)の右端側(第1係合部220側)を上フレーム60Bに近づけ、左端側を上フレーム60Bから遠ざけるようにして傾け、図9(b)に示すように、スポンジ保持部240および第1係合部220をガイド開口110の右側に設けられた右拡幅部111に挿入する。
【0083】
図10に示すように、第1係合部220などを右拡幅部111に挿入した段階において、第2係合部230は、ガイド開口110の幅狭部113(壁114)の上方に位置することとなる。その後、清掃部材200(本体部210)の左端側を上フレーム60Bに近づけるように倒していくと、第2係合部230の第2爪部232の傾斜面233が壁114に当接する。
【0084】
清掃部材200の左端側をさらに倒していくと、傾斜面233に対して壁114から力がかかるため、これによって、一対の第2延出部231が前後方向内側に向けて撓み、第2係合部230が壁114の間(幅狭部113)に入り込んでいく。そして、図11に示すように、第2爪部232が壁114よりも下側に来ると、一対の第2延出部231が撓みを回復させることで、第2爪部232が壁114に係合する。
【0085】
その後、清掃部材200をガイド開口110に沿って左方向へ移動させることで、第1係合部220の第1爪部222も壁114と係合し、これによって、清掃部材200が上フレーム60Bに取り付けられることとなる。
【0086】
図8に示すように、清掃部材200は、使用しないときには、待機位置(放電ワイヤ62Aの左端側)に配置されている。放電ワイヤ62Aを清掃するとき、ユーザは、操作部260を指で摘んで、清掃部材200を待機位置から右方向に移動させて放電ワイヤ62Aの右端側まで移動させ、その位置から左方向に移動させて待機位置まで移動させる。
【0087】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
清掃部材200が本体部210から把持可能に突出する操作部260を有するので、ユーザは操作部260を指で摘んで、清掃部材200を放電ワイヤ62Aの延設方向(左右方向)に移動させることができる。これにより、操作部260のような突出部分を有さない従来の清掃部材と比較して、清掃部材200の操作性を格段に向上させることができる。
【0088】
特に、本実施形態では、把持面261が延設方向に略直交しているので、清掃部材200を移動させるときに、清掃部材200の移動方向に力をかけることができる。これにより、把持面が延設方向に沿って延びている構成と比較して、清掃部材200の操作性をより向上させることができる。
【0089】
また、ガイド開口110に係合する2つの係合部220,230が左右方向に並んで設けられているので、清掃部材200を移動させるときに、清掃部材200の左右方向における一端部が他端部を支点として持ち上がることを抑制することができる。これにより、清掃部材200の操作性をより向上させることができる。
【0090】
また、第2係合部230がガイド開口110(幅狭部113)に押し込んで嵌め込むことができるように形成されているので、右拡幅部111を少なくとも第1係合部220が通る長さに形成すればよくなるため、右拡幅部111を左右方向に短くすることができる。これにより、上フレーム60Bの強度を維持することが可能となり、場合によっては、上フレーム60Bの強度を従来の構成よりも向上させることができる。
【0091】
また、上フレーム60Bに、操作部260と同じ高さで突出して左右方向に沿って延びるリブ120が設けられているので、リブ120によって、突出する操作部260を保護することができる。
【0092】
また、清掃部材200に通気開口部250が設けられているので、空気の一部が通気開口部250を通ることになり、放電ワイヤ62Aに導かれる空気の流量を確保することができる。
【0093】
また、上フレーム60Bに、操作部260が当接することで清掃部材200の左方向への移動を規制する上壁部131(規制部)が設けられているので、清掃部材200が上フレーム60Bから脱落することを防止することができる。また、清掃部材200の移動範囲を所定の範囲に収めることができる。
【0094】
また、上フレーム60Bの左拡幅部112を形成する壁に補助ガイド部130が設けられているので、補助ガイド部130によって、待機位置にある清掃部材200が上フレーム60Bから脱落することを防止することができる。また、逆に言えば、補助ガイド部130を設けることで、ガイド開口110に前後方向に広がる部分(左拡幅部112)を形成できるので、例えば、放電ワイヤ62Aの固定部62Cを上フレーム60Bに取り付けるときの作業などをしやすくすることができる。
【0095】
また、ガイド開口110が第1係合部220との係合が解除されない長さに形成されているので、清掃部材200が待機位置にあるときには、本体部210が補助ガイド部130に係合するとともに、第1係合部220がガイド開口110(幅狭部113)に係合し続けることとなる。これにより、清掃部材200の脱落をより確実に防止することができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0097】
前記実施形態では、ガイド開口110の両側に拡幅部111,112が設けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、拡幅部は、ガイド開口の一端側だけに設けられていてもよい。また、ガイド開口は、拡幅部を有しない構成であってもよい。
【0098】
前記実施形態では、補助ガイド部130が、左拡幅部112を形成する前後の壁から前後方向内側に向けて延びる、前後一対の上壁部131と、前後一対の下壁部132とを有して構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補助ガイド部は、拡幅部を形成する壁に設けられた溝状の凹部であってもよい。
【0099】
前記実施形態では、補助ガイド部130を構成する上壁部131が、清掃部材200の移動を規制する規制部として機能していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、規制部は、補助ガイド部とは別に設けられていてもよい。
【0100】
前記実施形態では、平面視凹状(切欠状)の通気開口部250を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、通気開口部は、ガイド開口の貫通方向に貫通する貫通孔であってもよい。また、清掃部材は、通気開口部を有しない構成であってもよい。
【0101】
前記実施形態では、操作部260と同じ高さのリブ120を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、リブは、操作部よりも高く突出していてもよい。また、フレームは、リブを有しない構成であってもよい。
【0102】
前記実施形態では、清掃部材200にガイド開口110と係合する2つの係合部220,230が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ガイド開口と係合する係合部は、3つ以上設けられていてもよい。
【0103】
前記実施形態では、操作部260の把持面261が放電ワイヤ62A(放電部材)の延設方向に略直交していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、把持面は、放電部材の延設方向に沿って延びていてもよい。
【0104】
前記実施形態では、帯電器として、グリッド電極を有するスコロトロン型の帯電器62を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の帯電器は、グリッド電極を有しないコロトロン型の帯電器であってもよい。なお、本発明において、グリッド電極を備える構成を採用した場合、清掃部材は、前記した特許文献1などに開示されているフィルムのような、グリッド電極を清掃する部材を有していてもよい。
【0105】
前記実施形態では、放電部材として、感光体ドラム61(所定方向)に沿って張設された放電ワイヤ62Aを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、放電部材は、所定方向に沿って並んで設けられた複数の針状の電極であってもよい。言い換えると、本発明の帯電器は、鋸歯帯電器であってもよい。
【0106】
前記実施形態では、フレームとして、感光体ドラム61(感光体)と放電ワイヤ62A(放電部材)の両方を支持する感光体フレーム60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のフレームは、少なくとも放電部材を支持する前記実施形態の上フレーム60Bであってもよい。
【0107】
前記実施形態では、カートリッジとして感光体カートリッジ6を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記実施形態の感光体カートリッジ6と現像カートリッジ7とが一体(着脱不能)に形成されたプロセスカートリッジであってもよい。
【0108】
前記実施形態では、画像形成装置として、モノクロ画像を形成するレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、カラー画像を形成するプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【0109】
前記実施形態では、対向壁として、露光装置4を固定する金属フレーム25の下壁25Aを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置がカラー画像を形成する装置であり、画像形成装置本体内に複数のカートリッジが並べて配置される場合には、対向壁は、隣接するカートリッジの壁であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
6 感光体カートリッジ
25 金属フレーム
25A 下壁
60 感光体フレーム
60B 上フレーム
61 感光体ドラム
62 帯電器
62A 放電ワイヤ
110 ガイド開口
112 左拡幅部
114 壁
120 リブ
130 補助ガイド部
131 上壁部
200 清掃部材
210 本体部
220 第1係合部
230 第2係合部
231 第2延出部
232 第2爪部
233 傾斜面
250 通気開口部
260 操作部
261 把持面
F 流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される感光体と、
前記感光体に対向して前記感光体に沿って延設される放電部材と、
前記放電部材を支持するフレームと、
前記放電部材の延設方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、を備えたカートリッジであって、
前記清掃部材は、前記延設方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記操作部は、前記清掃部材を移動させるときに把持される、前記延設方向に略直交する把持面を有することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記フレームは、前記延設方向に沿って延び、前記清掃部材の移動をガイドするガイド開口を有し、
前記清掃部材は、前記本体部から延出して前記ガイド開口に係合する第1係合部と、前記本体部の前記延設方向において前記第1係合部とは異なる位置から延出して前記ガイド開口に係合する第2係合部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2係合部は、前記延設方向に直交する直交方向に撓み変形可能な一対の延出部と、各延出部の端部から前記直交方向外側に向けて突出して前記ガイド開口を形成する壁に係合し、前記直交方向外側の面が前記延出部の端部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する爪部とを有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記フレームは、前記操作部と同じ高さでまたは前記操作部よりも高く突出し、前記清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ガイド開口は、外部の空気を前記放電部材に導く空気導入口として機能し、
前記清掃部材は、前記ガイド開口と対向して前記ガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記フレームは、前記操作部が当接することで前記清掃部材の前記延設方向への移動を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ガイド開口は、前記放電部材の一端側に、前記延設方向に直交する直交方向に拡幅する拡幅部を有し、前記清掃部材が前記一端側に配置された状態において、前記第2係合部が前記拡幅部に位置するように設けられ、
前記フレームの前記拡幅部を形成する壁には、前記本体部の前記直交方向における両端部と係合可能な溝状の補助ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ガイド開口は、前記清掃部材の移動範囲内において、前記第1係合部との係合が解除されない長さに形成されていることを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
静電潜像が形成される感光体と、前記感光体に対向して前記感光体に沿って延設される放電部材と、前記放電部材を支持するフレームと、前記放電部材の延設方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、前記フレームに設けられ、前記延設方向に沿って延びるガイド開口とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、
前記フレームの前記ガイド開口が設けられた面に対向する対向壁と、を備えた画像形成装置であって、
前記清掃部材は、前記ガイド開口に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有し、
前記フレームは、前記操作部と同じ高さでまたは前記操作部よりも高く突出し、前記清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有し、
前記フレーム、前記対向壁、前記リブ、前記操作部および前記ガイド開口は、空気を前記放電部材に供給するための流路を形成していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
所定方向に沿って延設される放電部材と、
前記放電部材を支持するフレームと、
前記所定方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、を備えた帯電器であって、
前記清掃部材は、前記所定方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有することを特徴とする帯電器。
【請求項1】
静電潜像が形成される感光体と、
前記感光体に対向して前記感光体に沿って延設される放電部材と、
前記放電部材を支持するフレームと、
前記放電部材の延設方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、を備えたカートリッジであって、
前記清掃部材は、前記延設方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記操作部は、前記清掃部材を移動させるときに把持される、前記延設方向に略直交する把持面を有することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記フレームは、前記延設方向に沿って延び、前記清掃部材の移動をガイドするガイド開口を有し、
前記清掃部材は、前記本体部から延出して前記ガイド開口に係合する第1係合部と、前記本体部の前記延設方向において前記第1係合部とは異なる位置から延出して前記ガイド開口に係合する第2係合部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2係合部は、前記延設方向に直交する直交方向に撓み変形可能な一対の延出部と、各延出部の端部から前記直交方向外側に向けて突出して前記ガイド開口を形成する壁に係合し、前記直交方向外側の面が前記延出部の端部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する爪部とを有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記フレームは、前記操作部と同じ高さでまたは前記操作部よりも高く突出し、前記清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ガイド開口は、外部の空気を前記放電部材に導く空気導入口として機能し、
前記清掃部材は、前記ガイド開口と対向して前記ガイド開口の貫通方向に貫通する通気開口部を有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記フレームは、前記操作部が当接することで前記清掃部材の前記延設方向への移動を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ガイド開口は、前記放電部材の一端側に、前記延設方向に直交する直交方向に拡幅する拡幅部を有し、前記清掃部材が前記一端側に配置された状態において、前記第2係合部が前記拡幅部に位置するように設けられ、
前記フレームの前記拡幅部を形成する壁には、前記本体部の前記直交方向における両端部と係合可能な溝状の補助ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ガイド開口は、前記清掃部材の移動範囲内において、前記第1係合部との係合が解除されない長さに形成されていることを特徴とする請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
静電潜像が形成される感光体と、前記感光体に対向して前記感光体に沿って延設される放電部材と、前記放電部材を支持するフレームと、前記放電部材の延設方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、前記フレームに設けられ、前記延設方向に沿って延びるガイド開口とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジと、
前記フレームの前記ガイド開口が設けられた面に対向する対向壁と、を備えた画像形成装置であって、
前記清掃部材は、前記ガイド開口に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有し、
前記フレームは、前記操作部と同じ高さでまたは前記操作部よりも高く突出し、前記清掃部材に隣接して前記ガイド開口に沿って延びるリブを有し、
前記フレーム、前記対向壁、前記リブ、前記操作部および前記ガイド開口は、空気を前記放電部材に供給するための流路を形成していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
所定方向に沿って延設される放電部材と、
前記放電部材を支持するフレームと、
前記所定方向に沿って移動させることで前記放電部材を清掃する清掃部材と、を備えた帯電器であって、
前記清掃部材は、前記所定方向に沿って移動可能に設けられた本体部と、当該本体部から把持可能に突出する操作部とを有することを特徴とする帯電器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−76925(P2013−76925A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217797(P2011−217797)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]