説明

カートリッジ・セット及びプリンタ装置

【課題】 容量の異なる複数のカートリッジにおいてインク残量が略同一の状態でタンクがニア・エンプティとなったことを検知することができるカートリッジ・セットを提供する。
【解決手段】 カートリッジ・セット1bに含まれる小容量用のカートリッジ10Aは、タンク20内のインク液面Sが下降して第1位置(高さH4)に至ったときに遮光部25が検知領域29から退出し、大容量用のカートリッジ10Bは、タンク30内のインク液面Sが下降して第2位置(高さH5<H4)に至ったときに遮光部25が検知領域29から退出するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを貯留するためのタンクの容量が異なる複数種類のカートリッジを含むカートリッジ・セットと、該カートリッジ・セット及びプリンタ本体を備えるプリンタ装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ装置の一例として、インクを貯留したタンクを備えるカートリッジをプリンタ本体に装着し、該カートリッジから供給されるインクによって記録紙に画像を形成するインクジェット式のプリンタ装置が知られている。このようなプリンタ装置では、カートリッジ内のインクの残量を検知し、残量が少なくなったときにユーザに報知するために、残量検知機構(シャッター機構及び光センサ)を備えたものが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示されたカートリッジは、タンク内のインク液面の変化に応じて、遮光板が上下方向に変位するシャッター機構を備えている。また、プリンタ本体には、発光部及び受光部から成る光センサが所定位置に設けられている。そして、カートリッジのタンク内のインク残量が多い状態のときには、前記発光部と受光部との間に遮光板が進入し、発光部から受光部への光信号が遮光板により遮られている。一方で、タンク内のインク残量が減少していき、インク液面が所定の高さまで下降すると、遮光板が発光部と受光部との間から退出し、発光部からの光信号が受光部に到達できるようになる。従って、発光部からの光信号を受光部で受光することにより、液面が所定高さになるまでインク残量が減少したこと、すなわち、タンクがニア・エンプティとなったこと、を検知できるようになっている。
【0004】
また、タンクがニア・エンプティとなったことが検知された後のタンク内のインク残量は、使用インク量(ヘッドから吐出させたインク量)をプリンタ本体の制御装置がソフトカウントすることで推定している。これにより、インク残量が完全にゼロとなる前に、新品のカートリッジへの交換をユーザに促すことができるようになっている。
【0005】
また、プリンタ装置を家庭で使用する場合とビジネスで使用する場合とでインク消費量が異なることから、インクの貯留容量の異なるカートリッジを選択的に使用できるプリンタ装置が要望されている。このような要望に基づき、特許文献1には、プリンタ本体が備えるカートリッジ装着用のホルダに、小容量のカートリッジと大容量のカートリッジとを、選択的に装着可能であることについても記載されている。そして、これら容量の異なる各カートリッジについても、上述したシャッター機構は互いに同一構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−246781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のプリンタ装置の場合、何れのカートリッジであってもシャッター機構が同一構造になっているため、カートリッジの容量の相違に関わらず、タンク内のインク液面が同一の所定高さになったときに、タンクがニア・エンプティとなったことが検知される。この場合、各カートリッジの容量の相違(即ち、タンク形状の相違)により、小容量のカートリッジにてタンクがニア・エンプティとなったことが検知された場合のインク残量に比べて、大容量のカートリッジにてタンクがニア・エンプティとなったことが検知された場合のインク残量が多くなってしまう。このようにタンクがニア・エンプティとなったことが検知されたときのインク残量が多いと、その後のソフトカウントによる残量推定での誤差が大きくなってしまい好ましくない。
【0008】
一方、容量の異なる各カートリッジに対応して、プリンタ本体にて上下に複数光センサを配置することにより、何れのカートリッジにおいてもインク残量が同一の時点でタンクがニア・エンプティとなったことを検知できるようにすることは可能である。すなわち、小容量のカートリッジにおいてタンクがニア・エンプティとなったことを検知するための第1の光センサと、大容量のカートリッジにおいてタンクがニア・エンプティとなったことを検知するための第2の光センサとをプリンタ本体に配置し、第2の光センサの位置を第1の光センサの位置よりも低くすれば、何れのカートリッジにおいてもインク残量が同一の時点でタンクがニア・エンプティとなったことを検知できるようにすることは可能である。しかしながら、このような手段はコスト面で大きなデメリットを有するため、採用は困難である。また、プリンタ本体の光センサの位置を、装着されるカートリッジの容量に応じて上下方向に可変とする機構をプリンタ本体に設けることで、何れのカートリッジにおいてもインク残量が同一の時点でタンクがニア・エンプティとなったことを検知できるようにすることも可能であるが、このような手段もまたコスト面等の観点から採用は困難である。
【0009】
そこで本発明は、高コストをかけてプリンタ本体の構成を変更せずとも、容量の異なる複数のカートリッジにおいて、インク残量が略同一の状態でタンクがニア・エンプティとなったことを検知することができるカートリッジ・セットと、該カートリッジ・セット及びプリンタ本体を備えるプリンタ装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るカートリッジ・セットは、インクを貯留するためのタンクを有しており、該タンク内のインク残量が所定量のときの液面高さが第1位置である小容量用の第1カートリッジと、該第1カートリッジのタンクよりも容量の大きいタンクを有しており、該タンク内のインク残量が前記所定量のときの液面高さが前記第1位置より低い第2位置である大容量用の第2カートリッジと、を含むカートリッジ・セットであって、前記第1カートリッジ及び第2カートリッジは、互いに同一高さに設けられて前記タンク外からの光信号が入射される検知領域と、前記タンク内に設けられて該タンク内のインク残量に応じて上下動するフロートと、該フロートに接続されて該フロートの上下動に応じて前記検知領域に対して進退移動し、前記検知領域に進入しているときには前記検知領域へ入射される前記光信号を遮光する一方で前記検知領域から退出しているときには前記光信号を前記検知領域を通って透過させる遮光部とを夫々が備え、前記第1カートリッジは、前記タンク内のインク液面が下降して前記第1位置に至ったときに前記遮光部が前記検知領域から退出し、前記第2カートリッジは、前記タンク内のインク液面が下降して前記第2位置に至ったときに前記遮光部が前記検知領域から退出するよう構成されている。
【0011】
このような構成とすることにより、小容量の第1カートリッジ及び大容量の第2カートリッジの何れにおいても、インク残量が同一の所定量のときに、夫々の遮光部が検知領域から退出することとなる。従って、カートリッジのタンク容量の相違に関わらず、同一のインク残量においてタンクがニア・エンプティとなったことを検知することができる。また、このような構成とすることにより、プリンタ本体について光センサの数を増やすような工夫が不要になるため、コスト・アップを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容量の異なる複数のカートリッジにおいてインク残量が略同一の状態でタンクがニア・エンプティとなったことを検知することができるカートリッジ・セットと、該カートリッジ・セット及びプリンタ本体を備えるプリンタ装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタ装置の要部を示す模式的平面図である。
【図2】カートリッジ・セットに含まれる容量の異なる2つのカートリッジが、夫々カートリッジ装着部に装着されている状態を示す、カートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図であり、(a)は小容量用のカートリッジ(第1カートリッジ)及びカートリッジ装着部の側面断面図であり、(b)は大容量用のカートリッジ(第2カートリッジ)及びカートリッジ装着部の側面断面図である。
【図3】図2に示したカートリッジにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジの側面断面図である。
【図4】実施の形態1に係る大容量のカートリッジに対して代替可能な実施の形態2に係るカートリッジ(第2カートリッジ)がカートリッジ装着部に装着されている状態を示す、カートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図である。
【図5】本実施の形態2に係るカートリッジにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係る小容量用のカートリッジの側面断面図も示している。
【図6】実施の形態1に係る大容量のカートリッジに対して更に代替可能な実施の形態3に係るカートリッジ(第2カートリッジ)がカートリッジ装着部に装着されている状態を示す、カートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図であり、(a)は比較のために示す実施の形態1に係る小容量用のカートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図、(b)は本実施の形態3に係る大容量用のカートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図である。
【図7】本実施の形態3に係るカートリッジにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係る小容量用のカートリッジの側面断面図も示している。
【図8】実施の形態1に係る大容量のカートリッジに対して更に代替可能な実施の形態4に係るカートリッジ(第2カートリッジ)がカートリッジ装着部に装着されている状態を示す、カートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図であり、(a)は比較のために示す実施の形態1に係る小容量用のカートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図、(b)は本実施の形態4に係る大容量用のカートリッジ及びカートリッジ装着部の側面断面図である。
【図9】本実施の形態4に係るカートリッジにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係る小容量用のカートリッジの側面断面図も示している。
【図10】カートリッジ10の変形例を示すカートリッジの側面断面図であり、(a)は小容量用のカートリッジの側面断面図、(b)〜(d)は大容量用のカートリッジの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るプリンタ装置について、インクジェット式のプリンタ装置に適用したとき場合を例にとり、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
[プリンタ装置の全体構成]
図1は、プリンタ装置1の要部を示す模式的平面図である。図1に示すように、プリンタ装置1は、プリンタ本体1aと、複数種類のカートリッジ10がセットにされたカートリッジ・セット1bとを備えている。より具体的には、プリンタ装置1は、例えば、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローのインクを夫々貯留する複数のカートリッジ10を備えており、また、後述する小容量用のカートリッジ10A及び大容量用のカートリッジ10Bの2種類のカートリッジ10をカートリッジ・セット1bとして各色のインク毎に備えている。プリンタ本体1aは、互いに略平行に延びる一対のガイドレール2,3を備えており、これらのガイドレール2,3には、液体吐出ユニット4がガイドレール2,3の長手方向(走査方向)にスライド可能に支持されている。ガイドレール3の左右の端部付近には一対のプーリ5,6が設けられ、液体吐出ユニット4は、このプーリ5,6に巻き掛けられたタイミングベルト7に接続されている。一方のプーリ6には正逆回転駆動するモータ(図示せず)が設けられており、そのプーリ6が正逆回転駆動することでタイミングベルト7が左方向及び右方向へと往復移動可能になっている。そして、これに伴って液体吐出ユニット4が、ガイドレール2,3に沿って左右方向へ往復走査される。
【0016】
また、プリンタ本体1aはカートリッジ装着部8を備えており、そこには、カートリッジ・セット1bに含まれるインクカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)10が交換のために水平方向に挿脱可能にして装着される。このカートリッジ装着部8は、後述するように容量の異なる複数種類のカートリッジ10を選択的に装着可能になっている。また、カートリッジ装着部8には、カートリッジ10からインク(例えば、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローのインク)を液体吐出ユニット4に夫々供給すべく、可撓性を有するインク供給チューブ11が接続されている。液体吐出ユニット4の下部には液体吐出ヘッド4aが搭載されており、その下方で走査方向と直角する方向(用紙搬送方向)に搬送される被記録体(例えば、記録用紙)に向けて液体吐出ヘッド4aからインク(液体)を吐出し、この被記録体に画像を形成することができるようになっている。
【0017】
[カートリッジ・セット]
(実施の形態1)
図2は、カートリッジ・セット1bに含まれる容量の異なる2つのカートリッジ10(10A,10B)が、夫々カートリッジ装着部8に装着されている状態を示す、カートリッジ10(10A,10B)及びカートリッジ装着部8の側面断面図であり、(a)は小容量用のカートリッジ(第1カートリッジ)10A及びカートリッジ装着部8の側面断面図であり、(b)は大容量用のカートリッジ(第2カートリッジ)10B及びカートリッジ装着部8の側面断面図である。なお、以下では、カートリッジ10がカートリッジ装着部8へ装着される際にカートリッジ10が移動する方向を「前方」とし、カートリッジ10がカートリッジ装着部8から取り外される際にカートリッジ10が移動する方向を「後方」として説明する。
【0018】
図2(a)に示すように、小容量用のカートリッジ10Aは、側面視で長方形状を成す合成樹脂製のタンク20を有し、図2(a)では、該タンク20内に満杯近いインクが貯留された状態が示されている。タンク20の前端下部にはインク供給部21が設けられており、タンク20内のインクはこのインク供給部21を通じて外部へ供給可能である。一方、カートリッジ装着部8は、カートリッジ10(10A,10B)を選択的に収容して装着できる構成となっている。そして、図2(a)に示すようにカートリッジ装着部8にカートリッジ10Aが装着されると、カートリッジ装着部8の内側の底面8aによってタンク20の外側の底面20aが下方から支持された状態となる。なお、カートリッジ装着部8の内側の底面8aは、略水平な面である。
【0019】
また、カートリッジ装着部8の内奥部分(前方部分)の下部には、インク供給チューブ11に連通するインク抽出部(図示せず)が設けられている。そして、カートリッジ装着部8にカートリッジ10Aが装着されると、インク供給部21とインク抽出部とが接続され、タンク20内のインクは、インク供給チューブ11を介して液体吐出ヘッド4aへ供給可能になっている。なお、タンク20の内部の底面における後部には、前方に向かうにつれて低くなる傾斜面20bが形成されており、インク残量が少なくなってきた場合であっても、傾斜面20bに沿ってインクが前方へ流れ、インク供給部21へ向かって行きやすいようになっている。
【0020】
また、タンク20内にはシャッター機構22が備えられている。このシャッター機構22は、アーム23と、該アーム23の両端に設けられたフロート24及び遮光部25とを有している。アーム23はフロート24及び遮光部25の間に枢支部26を有し、該枢支部26を屈曲点として屈曲した形状となっている。換言すれば、図2(a)に示す状態において、アーム23は、枢支部26から前方斜め上方へ延びる前側アーム23aと、枢支部26から後方へ延びる後側アーム23bとを有している。そして、枢支部26はタンク20に枢支されており、該枢支部26の中心に位置する枢支点26aを中心として、アーム23の全体が揺動可能になっている。
【0021】
フロート24は、後側アーム23bの後端に設けられており、タンク20内のインクよりも比重の小さい素材で形成されている。また、フロート24の後端には係止片27が後方に向けて突設されており、タンク20内には、該係止片27に上方から当接してフロート24の上方への移動を規制するストッパ28が設けられている。図2(a)に示すように、タンク20内のインクが満杯近いときには、フロート24は液面Sより下方にあって、その全体がインク中に没した状態となっている。従って、フロート24は浮力によって上方へ付勢され、係止片27がストッパ28に当接した上限位置にて停止した状態となっている。一方、後述するようにインク残量が減少し、液面Sが所定の高さより下降してフロートの一部が液面Sから露出した後は、フロート24は液面Sと共に下降する。
【0022】
また、遮光部25は、前側アーム23aの前端に設けられており、フロート24の上下方向の揺動に伴って、即ち、タンク20内のインク液面Sの高さ変位に伴って上下方向へ揺動する。そして、図2(a)に示す状態では、遮光部25はタンク20の前壁部近傍に位置しており、上下方向の揺動可能範囲における下限に位置している。また、カートリッジ10Aには、後述する検知領域29が設定されており、下限に位置する遮光部25はこの検知領域29に側面視で重なっている。すなわち、下限に位置する遮光部25は、カートリッジ10Aの幅方向(すなわち、前後方向と直交する水平方向)において検知領域29と重なっている。
【0023】
一方、カートリッジ装着部8の内奥部分(前方部分)には光センサ12が設けられている。該光センサ12は発光部及び受光部を有しており、これら発光部及び受光部は、カートリッジ装着部8に装着されたカートリッジ10Aのタンク20の前端部を、該カートリッジ10Aの幅方向から挟むように配設されている。そして、光センサ12は、プリンタ本体1aが備える制御部(図示せず)からの制御信号に基づいて駆動され、発光部から受光部へ向けて(図2の紙面に垂直な方向へ向けて)光信号を発するようになっている。すなわち、光センサ12は、カートリッジ10Aの幅方向に、発光部から受光部に向けて光信号を発する。
【0024】
タンク20は、カートリッジ10Aがカートリッジ装着部8に装着されている状態で、少なくとも上記光センサ12に対応する部分(即ち、発光部及び受光部により挟まれる部分)が透光性を有する素材で形成されている。そのため、この透光性素材で形成された部分を通じて、光センサ12の光信号がタンク20内に入射されるようになっている。そして、入射した光信号の通る領域が上記検知領域29として設定されており、この検知領域29は、タンク20の外側の底面20aから所定の高さH1に位置している。
【0025】
上述したように、遮光部25はフロート24の揺動に伴って上下方向に揺動し、より具体的には、検知領域29に対して進入・退出するように揺動する。図2(a)に示す遮光部25は、検知領域29に進入した状態となっており、光センサ12の発光部からの光信号を遮光して、光信号が受光部にて受光されない状態となっている。プリンタ本体1aは、このように光センサ12が受光部にて光信号を受光しない場合には(より具体的には、光センサ12が受光部にて所定の強度以上の光信号を受光しない場合には)、タンク20内のインク残量が所定量以上である(タンクがニア・エンプティではない)と判断する。以下では、遮光部25が検知領域29に進入して光信号を遮光する状態を「遮光状態」と称して説明する。
【0026】
また、インクの消費に伴って液面Sが下降し、移動開始液面24aより下降すると、シャッター機構22は揺動し始める。そして、遮光部25が揺動して側面視で検知領域29から外れると(すなわち幅方向において遮光部25が検知領域29と重ならなくなると)、発光部からの光信号が検知領域29を通り受光部にて受光される。プリンタ本体1aは、このように光センサ12が受光部にて光信号を受光した場合には(より具体的には、光センサ12が受光部にて所定の強度以上の光信号を受光した場合には)、タンク20内のインク残量がゼロに近い状態になった、すなわち、タンク20がニア・エンプティとなったと判断する。以下では、遮光部25が検知領域29から退出して光信号を遮光しない状態を「非遮光状態」と称して説明する。なお、移動開始液面24aは、図2(a)に示すように、タンク20の外側の底面20aから高さH2の位置になるようにフロート24の比重が設定されている。
【0027】
次に、図2(b)に示す大容量用のカートリッジ10Bについて説明する。なお、以下では小容量用のカートリッジ10Aと相違する構成について主に説明することとし、互いに共通する構成については共通の符号を付すこととして、その詳細な説明は省略する。
【0028】
カートリッジ10Bが備えるタンク30は、高さ寸法(上下方向の寸法)及び幅寸法(前後方向と直交する水平方向)がカートリッジ10Aのタンク20と同一である一方で、タンク20に比べて前後方向に長くなっており、タンク20よりも容量が大きい、すなわち、大量のインクを貯留できるようになっている。タンク30の内部の底面における後部にも、前方に向かうにつれて低くなる傾斜面30bが形成されており、インク残量が少なくなってきた場合であっても、傾斜面30bに沿ってインクが前方へ流れ、インク供給部21へ向かって行きやすいようになっている。但し、この傾斜面30bは、カートリッジ10Aが有する傾斜面20bよりも緩斜面に、すなわち、水平面に対する傾斜角度が小さくなっている。このように、タンク30の前後方向の寸法がタンク20の前後方向の寸法に比べて長く、また、傾斜面30bが傾斜面20bよりも緩斜面になっているため、インクの液面Sの高さが同一であっても、タンク20よりタンク30の方が多くのインクが残留するようになっている。
【0029】
また、タンク30内には、上記と同様のアーム23、遮光部25、及び枢支部26を有するシャッター機構32が備えられている。一方、このシャッター機構32は、カートリッジ10Aのフロート24とは異なり、中空部34bを有するフロート34を有しており、該フロート34はカートリッジ10Aのフロート24よりも比重が小さくなっている。従って、図2に示すように、シャッター機構32が揺動を開始する移動開始液面34aは、シャッター機構22が揺動を開始する移動開始液面24aよりも低い位置であり、タンク30の外側の底面30aから高さH3(<H2)の位置になるようにフロート34の比重が設定されている。
【0030】
その他、カートリッジ10Bが備える係止片27及びストッパ28はカートリッジ10Aと同様の構成・配置とされており、検知領域29もカートリッジ10Aと同じ高さH1に設定されている。
【0031】
上述した本実施の形態1に係るカートリッジ10A,10Bは、インクが消費されていった場合に、残留インクの量が略同一のときに、タンク20,30がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっている。図3は、カートリッジ10A,10Bにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジ10A,10Bの側面断面図である。なお、図3中にタンク20,30の外側の底面20a,30aからの液面Sの高さH4,H5を示しているが、既に説明した液面Sの高さH2,H3と合わせて、本実施の形態ではこれらをH2>H3>H4>H5の大小関係となるようにフロート24,34の比重やタンク20,30の寸法等を設定している。
【0032】
以下、「第1状態」、「第2状態」、及び、「第3状態」とは、インク残量の異なるインクカートリッジ10の状態である。まず、図3の左側に示した小容量用のカートリッジ10Aについて説明する。図3の左側の上側に示したように、インクカートリッジ10Aが第1状態にあるときは、インクの液面Sがシャッター機構22より上方に位置しており、フロート24は上限位置にあって、遮光部25が検知領域29に位置する遮光状態となっている。従って、光センサ12では、発光部からの光信号は遮光部29により遮光され、受光部にて受光されていないため、プリンタ本体1aは、タンク20がニア・エンプティであると判断しない。
【0033】
次に、インクが消費されて液面Sが移動開始液面24a(高さH2)に到達すると、液面Sの低下にともなってシャッター機構22は揺動をはじめ、遮光部25は上方へ移動を開始する。そして、図3の左側の下側に示したように、インクカートリッジ10Aが第2状態となると、液面Sが移動開始液面24aの高さH2より更に下方であってタンク20の外側の底面20aから高さH4の位置(第1位置)に到達する。このとき、遮光部25は側面視で検知領域29から退出する、すなわち、遮光部25は幅方向において検知領域29と重ならなくなり、非遮光状態となる。従って、光センサ12では、発光部からの光信号が受光部にて受光されるため、プリンタ本体1aは、タンク20がニア・エンプティになったことを検知する。このように、カートリッジ10Aでは、液面Sが高さH4の第1位置のときに遮光部25が非遮光状態となって、タンク20がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっており、このときのインク残量は体積Vとなっている。
【0034】
一方、図3の右側に示した大容量用のカートリッジ10Bについて説明する。図3の右側の上側に示したように、カートリッジ10Bが第1状態にあるときは、インクの液面Sがシャッター機構32より上方に位置して、遮光部25は遮光状態となっており、光センサ12では、発光部からの光信号は遮光部25により遮光され、受光部にて受光されていない(タンク30がニア・エンプティではないと判断される)。また、インクが消費され、液面Sが上記カートリッジ10Aのシャッター機構22の移動開始液面24aと同じ位置にまで到達しても、シャッター機構32はまだ揺動することはなく、液面Sが更に低い位置の移動開始液面34a(高さH3)に到達することで揺動をはじめる。
【0035】
このように、カートリッジ10A,10Bではシャッター機構22,23の揺動開始液面24a,34aが異なっており、カートリッジ10Bでは、カートリッジ10Aの場合よりも液面Sが低い位置(高さH3)になってから、シャッター機構32が揺動をはじめ、遮光部25が上方へ移動を開始するようになっている。そのため、カートリッジ10Bでは、図3の右側中央に示すように、カートリッジ10Bが第2状態となった場合、すなわち、液面Sが下降して高さH4(カートリッジ10Aの遮光部25が非遮光状態になる液面高さ)に到達した場合、遮光部25は、カートリッジ10Bが第1状態にあるときの遮光部25の位置よりも上方へ変位しているものの、依然として検知領域29に進入してこれと側面視で(すなわち幅方向において)重なっており、光センサ12では受光部にて光信号が受光されない状態(すなわち遮光部25の遮光状態)が維持されている。
【0036】
更に液面Sが下降して、図3の右側の下側に示したように、高さH5(<H4)の位置(第2位置)に到達すると、カートリッジ10Bが第3状態となり、遮光部25はカートリッジ10Bが第2状態にあるときの遮光部25の位置より上方へ変位し、側面視で検知領域29から退出することとなる、すなわち、遮光部25が幅方向において検知領域29と重ならなくなり、非遮光状態となる。従って、光センサ12では、発光部からの光信号が受光部にて受光されるため、プリンタ本体1aは、タンク30がニア・エンプティになったことを検知する。このように、カートリッジ10Bでは、液面Sが高さH5の第2位置のときに遮光部25が非遮光状態となって、タンク30がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっており、このときのインク残量はカートリッジ10Aのときと同じ体積Vとなっている。
【0037】
以上に説明したように、本実施の形態1では、容量の小さいカートリッジ10Aに比べて容量の大きいカートリッジ10Bの方が、液面Sが低くなってからシャッター機構32が揺動しはじめるようになっており、また、液面Sがより低い位置で遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わるようになっている。そして、フロート24,34の比重を適宜調整して設定することにより、カートリッジ10A,10Bの何れにおいても、遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。従って、プリンタ本体1aの構成を変更することなく、容量の異なるカートリッジ10A,10Bの何れがカートリッジ装着部8に装着されても、同一残量の時点でタンク20,30がニア・エンプティとなったことを検知することができる。
【0038】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態1に係る大容量のカートリッジ10Bに対して代替可能なカートリッジ(第2カートリッジ)10Cがカートリッジ装着部8に装着されている状態を示す、カートリッジ10C及びカートリッジ装着部8の側面断面図である。また、図5は、本実施の形態2に係るカートリッジ10Cにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジ10Cの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係るカートリッジ10Aの側面断面図も示している。なお、図5の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図は、既に説明した図3の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図と同一になっている。また、図4及び図5において、上述したカートリッジ10A,10Bと同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0039】
図4に示すように、本実施の形態2に係る大容量用のカートリッジ10Cは、タンク30内にシャッター機構42を備えている。該シャッター機構42は、上述した小容量用のカートリッジ10Aと同様の構成のフロート24、遮光部25、及び枢支部26を有する一方、アーム23とは異なる構成のアーム43を有している。具体的に説明すると、アーム43は、前端に遮光部25が接続された前側アーム43aと、後端にフロート24が接続された後側アーム43bとを有している。このうち、前側アーム43aはカートリッジ10Aが有する前側アーム23aと同様の構成であるが、後側アーム43bは途中でクランク状に下方へ屈曲した構成となっている。すなわち、後側アーム43bは、枢支部26から後方に延び、一度下方に延びて、再び後方に延びる形状を有している。
【0040】
従って、図4に示すように、カートリッジ10Cの遮光部25を、図2に示した状態のカートリッジ10Aの遮光部25と同じ高さに位置させた場合、カートリッジ10Cのフロート24はカートリッジ10Aのフロート24よりも下方に位置している。そして、この位置がフロート24の上限位置となるように、カートリッジ10Cのストッパ28はカートリッジ10Aのストッパ28よりも相対的に下方に設けられている。なお、カートリッジ10Cのシャッター機構42がインクの液面Sの下降により揺動を開始する移動開始液面24cは、タンク30の外側の底面30aから高さH6に位置するように後側アーム43bの形状が設定されており、該高さH6は、カートリッジ10Aのシャッター機構22が揺動を開始する移動開始液面24aの高さH2(図2参照)よりも低い位置になっている。
【0041】
次に、図5を参照して、カートリッジ10Cでのインク消費に伴うニア・エンプティの検知態様を、カートリッジ10Aの場合と比較しつつ説明する。なお、図4及び図5中に示す液面Sの高さは、本実施の形態2ではH2>H4>H6>H5の大小関係となるようにシャッター機構22,42の形状やタンク20、30の寸法等が設定されている。
【0042】
図5の右側の上側に示したように、カートリッジ10Cが第1状態にあるときは、インクの液面Sがシャッター機構42より上方に位置して、遮光部25は遮光状態となっており、光センサ12では、発光部からの光信号は遮光部25により遮光され、受光部にて受光されていない。インクが消費され、液面Sが高さH4に到達して、カートリッジ10Aが第2状態になると、既に説明したようにカートリッジ10Aでは、遮光部25は非遮光状態となる。これに対してカートリッジ10Cでは、液面Sの高さH4が、移動開始液面H6(図4参照)より上方にあるため、シャッター機構42はまだ揺動していない(図5右側に示すカートリッジ10Cの「第2状態」を参照)。そして、液面Sが更に下降し、高さH6に到達することで、シャッター機構42が揺動をはじめ、遮光部25は上方へ移動を開始する。
【0043】
このように、カートリッジ10Cでは、カートリッジ10Aの場合(高さH2)よりも液面Sが低い位置(高さH6)になってから、シャッター機構42が揺動をはじめるようになっている。そのため、図5右側の中央に示したように、カートリッジ10Cが第2状態にとなった場合、すなわち、液面Sが下降して高さH4(カートリッジ10Aの遮光部25が非遮光状態になる液面Sの高さ)に到達した場合、遮光部25は依然として検知領域29に進入してこれと側面視で(つまり幅方向において)重なっており、光センサ12では受光部にて光信号が受光されない状態(すなわち遮光部25の遮光状態)が維持されている。
【0044】
更に液面Sが下降して、図5の右側の下側に示したように、高さH5(<H4)の位置(第2位置)に到達すると、カートリッジ10Cが第3状態となり、カートリッジ10Cの遮光部25は、カートリッジ10Cが第2状態にあるときの遮光部25の位置より上方へ変位し、側面視で検知領域29から退出することとなる、すなわち、遮光部25が幅方向において検知領域29と重ならなくなり、非遮光状態となる。従って、光センサ12では、発光部からの光信号が受光部にて受光されるため、プリンタ本体1aは、タンク30がニア・エンプティになったことを検知する。このように、カートリッジ10Cにおいても、液面Sが高さH5の第2位置のときに遮光部25が非遮光状態となって、タンク30がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっており、このときのインク残量はカートリッジ10Aのときと同じ体積Vとなっている。
【0045】
以上に説明したように、本実施の形態2では、容量の小さいカートリッジ10Aに比べて容量の大きいカートリッジ10Cの方が、液面Sが低くなってからシャッター機構42が揺動しはじめるようになっており、また、液面Sがより低い位置で遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わるようになっている。そして、上限に位置する場合の各カートリッジ10A,10Cのフロート24の相対高さを適宜調整して設定することにより、カートリッジ10A,10Cの何れにおいても、遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0046】
(実施の形態3)
図6は、実施の形態1に係る大容量のカートリッジ10Bに対して更に代替可能なカートリッジ(第2カートリッジ)10Dがカートリッジ装着部8に装着されている状態を示す、カートリッジ10D及びカートリッジ装着部8の側面断面図であり、(a)は比較のために示す小容量用のカートリッジ10A及びカートリッジ装着部8の側面断面図、(b)は本実施の形態に係る大容量用のカートリッジ10D及びカートリッジ装着部8の側面断面図である。また、図7は、本実施の形態3に係るカートリッジ10Dにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジ10Dの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係るカートリッジ10Aの側面断面図も示している。
【0047】
なお、図6(a)に示すカートリッジ10Aの側面断面図は図2(a)に示したカートリッジ10Aの側面断面図と同一であり、図7の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図は、既に説明した図3の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図と同一になっている。また、図6及び図7において、既に説明したカートリッジ10A〜10Cと同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図6(b)に示すように、本実施の形態3に係るカートリッジ10Dは、タンク30内にシャッター機構52を備えている。該シャッター機構52は、上述した小容量用のカートリッジ10Aと同様の構成のアーム23、フロート24、及び枢支部26を有する一方、カートリッジ10Aの遮光部25とは異なる構成の遮光部55を有している。具体的に説明すると、図6(a)に示すように、カートリッジ10Aの遮光部25では揺動方向の寸法がL1になっているのに対し、図6(b)に示すカートリッジ10Dの遮光部55では、揺動方向の寸法がより大きいL2(>L1)になっている。
【0049】
ここで、上述した遮光部25,55の「揺動方向の寸法」とは、検知領域29に対する進退移動に沿う方向の寸法であり、更に換言すれば、遮光部25,55が揺動したときに側面視で(つまり幅方向において)検知領域29と重なる点が遮光部25,55上を移動する軌跡の長さを意味している。なお、遮光部25,55は枢支点26aを中心として揺動するため、このような軌跡は何れも枢支点26aを中心とする円弧状を成している。
【0050】
次に、図7を参照して、カートリッジ10Dでのインク消費に伴うニア・エンプティの検知態様を、カートリッジ10Aの場合と比較しつつ説明する。
【0051】
図7の右側の上側に示したように、カートリッジ10Dが第1状態にあるときは、インクの液面Sがシャッター機構52より上方に位置して、遮光部55は遮光状態となっており、光センサ12では、発光部からの光信号は遮光部55により遮光され、受光部にて受光されていない。インクが消費され、液面Sが高さH4に到達して、カートリッジ10Aが第2状態になると、既に説明したようにカートリッジ10Aでは、遮光部25は非遮光状態となる。これに対してカートリッジ10Dの場合、液面Sが高さH4となるカートリッジ10Dが第2状態のとき、カートリッジ10Aの前側アーム23aと同じ角度だけカートリッジ10Dの前側アーム23aも上方へ揺動しているが、遮光部55の揺動方向寸法L2が遮光部25の寸法L1よりも大きいため、遮光部55は依然として検知領域29に進入してこれと側面視で(つまり幅方向において)重なっている。従って、光センサ12では受光部にて光信号が受光されない状態(すなわち遮光部55の遮光状態)が維持されている。
【0052】
更に液面Sが下降して、図5の右側の下側に示したように、高さH5(<H4)の位置(第2位置)に到達すると、カートリッジ10Dが第3状態となり、遮光部55はカートリッジ10Dが第2状態にあるときの遮光部55の位置より上方へ変位し、側面視で検知領域29から退出することとなる、すなわち、遮光部55が幅方向において検知領域29と重ならなくなり、非遮光状態となる。従って、光センサ12では、発光部からの光信号が受光部にて受光されるため、プリンタ本体1aは、タンク30がニア・エンプティになったことを検知する。このように、カートリッジ10Dでは、液面Sが高さH5の第2位置のときに遮光部55が非遮光状態となって、タンク30がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっており、このときのインク残量はカートリッジ10Aのときと同じ体積Vとなっている。
【0053】
以上に説明したように、本実施の形態3の場合、シャッター機構22,52が揺動し始める移動開始液面24aはカートリッジ10A,10Dにて同じであるが、遮光部25,55の寸法の相違により、カートリッジ10Dの遮光部55の方が、液面Sが低くなるまで検知領域29に進入した状態を維持できるようになっている。すなわち、液面Sが所定速度で下降する場合、シャッター機構22,52が揺動を開始して遮光部25,55が移動を開始してから、非遮光状態となるまでに要する移動期間は、カートリッジ10Aに比べてカートリッジ10Dのほうが長くなっている。そして、遮光部25,55の寸法L1,L2を適宜調整して設定することにより、カートリッジ10A,10Dの何れにおいても、遮光部22,52の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0054】
(実施の形態4)
図8は、実施の形態1に係る大容量のカートリッジ10Bに対して更に代替可能なカートリッジ(第2カートリッジ)10Eがカートリッジ装着部8に装着されている状態を示す、カートリッジ10E及びカートリッジ装着部8の側面断面図であり、(a)は比較のために示す小容量用のカートリッジ10A及びカートリッジ装着部8の側面断面図、(b)は本実施の形態に係る大容量用のカートリッジ10E及びカートリッジ装着部8の側面断面図である。また、図9は、本実施の形態4に係るカートリッジ10Eにおいて、インクの消費に伴うニア・エンプティの検知態様を説明するためのカートリッジ10Eの側面断面図であり、比較のために実施の形態1に係るカートリッジ10Aの側面断面図も示している。
【0055】
なお、図8(a)に示すカートリッジ10Aの側面断面図は図2(a)に示したカートリッジ10Aの側面断面図と同一であり、図9の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図は、既に説明した図3の左側に示したカートリッジ10Aの側面断面図と同一になっている。また、図8及び図9において、既に説明したカートリッジ10A〜10Dと同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図8(b)に示すように、本実施の形態4に係るカートリッジ10Eは、タンク30内にシャッター機構62を備えている。該シャッター機構62は、上述した小容量用のカートリッジ10Aと同様の構成のフロート24、遮光部25、及び枢支部26を有する一方、カートリッジ10Aのアーム23とは異なる構成のアーム63を有している。具体的に説明すると、アーム63は、前端に遮光部25が接続された前側アーム63aと、後端にフロート24が接続された後側アーム63bとを有している。このうち、前側アーム63aはカートリッジ10Aが有する前側アーム23aと同様の構成であり、枢支点26aから、図8に示した状態で遮光板25が検知領域29と側面視で(すなわち幅方向において)重なる箇所までの長さ寸法が何れもL3となるように、前側アーム23a,63aの寸法が設定されている。
【0057】
一方、カートリッジ10Aの後側アーム23bは、枢支点26aからフロート24の重心24dまでの長さ寸法がL4であるのに対し、カートリッジ10Eの後側アーム63bについての上記長さ寸法はL4より大きいL5となっている。即ち、カートリッジ10Aの後側アーム23bの寸法L4を前側アーム23aの寸法L3で割った値である比率L4/L3に比べて、カートリッジ10Eの後側アーム63bの寸法L5を前側アーム63aの寸法L3で割った値である比率L5/L3の方が大きくなるように設定されている。
【0058】
次に、図9を参照して、カートリッジ10Eでのインク消費に伴うニア・エンプティの検知態様を、カートリッジ10Aの場合と比較しつつ説明する。
【0059】
図9の右側の上側に示したように、カートリッジ10Eが第1状態にあるときは、インクの液面Sがシャッター機構62より上方に位置して、遮光部25は遮光状態となっており、光センサ12では、発光部からの光信号は遮光部25により遮光され、受光部にて受光されていない。インクが消費され、液面Sが高さH4に到達して、カートリッジ10Aが第2状態になると、既に説明したようにカートリッジ10Aでは、遮光部25は非遮光状態となる。これに対してカートリッジ10Eでは、後側アーム63bが後側アーム23bより長寸であるため、カートリッジ10Eが第2状態となったときのシャッター機構62の揺動角度がシャッター機構22の揺動角度よりも小さい。そのため、カートリッジ10Eの遮光部25は依然として検知領域29に進入してこれと側面視で(つまり幅方向において)重なっており、光センサ12では受光部にて光信号が受光されない状態(すなわち遮光部25の遮光状態)が維持されている。
【0060】
更に液面Sが下降して、図9の右側の下側に示したように、高さH5(<H4)の位置(第2位置)に到達すると、カートリッジ10Eが第3状態となり、シャッター機構62は更に揺動し、遮光部25は側面視で検知領域29から退出することとなる、すなわち、遮光部55が幅方向において検知領域29と重ならなくなり、非遮光状態となる。従って、光センサ12では、発光部からの光信号が受光部にて受光されるため、プリンタ本体1aは、タンク30がニア・エンプティになったことを検知する。このように、カートリッジ10Eでは、液面Sが高さH5の第2位置のときに遮光部25が非遮光状態となって、タンク30がニア・エンプティとなったことが検知されるようになっており、このときのインク残量はカートリッジ10Aのときと同じ体積Vとなっている。
【0061】
以上に説明したように、本実施の形態4の場合、シャッター機構22,62が揺動し始める移動開始液面24aはカートリッジ10A,10Eにて同じであるが、後側アーム23b,63bの長さ寸法の相違により、カートリッジ10Eの方が、液面Sが低くなるまで遮光状態を維持できるようになっている。すなわち、液面Sが所定速度で下降する場合、シャッター機構22,62が揺動を開始して遮光部25が移動を開始してから、非遮光状態となるまでに要する移動期間は、カートリッジ10Aに比べてカートリッジ10Eのほうが長くなっている。そして、前側アーム23a,63aを同一寸法L3としつつ後側アーム23b,63bの寸法L4,L5を適宜調整して設定することにより、又は、上述した比率L4/L3,L5/L3を適宜調整して設定することにより、カートリッジ10A,10Eの何れにおいても、遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0062】
(変形例)
図10は、カートリッジ10の変形例を示すカートリッジ110A〜110Dの側面断面図であり、(a)は小容量用のカートリッジ110Aの側面断面図、(b)〜(d)は大容量用のカートリッジ110B〜110Dの側面断面図である。ここに示したカートリッジ110A〜110Dは、既に説明したカートリッジ10A〜10Dの変形例に相当するものであり、小容量用のカートリッジ110Aは、大容量用のカートリッジ110B〜110Dの何れかと共に、カートリッジ・セット1bを構成するものである。
【0063】
図10(a)に示すカートリッジ110Aは、図2(a)のカートリッジ10Aと同様のタンク20を備え、該タンク20内にシャッター機構122を備えている。該シャッター機構122は、既に説明したシャッター機構22のように枢支点26aを中心に揺動するものではなく、ストッパを兼ねるガイド128に支持されて、上下方向に昇降動するように構成されている。
【0064】
具体的に説明すると、シャッター機構122は、カートリッジ10Aのものと同様の構成を成すフロート24及び遮光部25を有している。一方、フロート24及び遮光部25を両端に有するアーム123は、フロート24に接続された下端から鉛直上方へ延びる鉛直部分123aと、その上端から前方へ延びて前端に遮光部25が接続される水平部分123bとで構成されている。このアーム123はタンク20により枢支されておらず、鉛直部分123aが前後からガイド128によって支持されている。そのため、シャッター機構122は、ガイド128に案内されつつ上下方向に昇降動できるようになっている。また、フロート24の上端がガイド128に下方から当接することにより、シャッター機構122の上方への移動が規制されている。
【0065】
このようなカートリッジ110Aは、インクが満杯近く入っているとき、フロート24の浮力によって上方へ付勢されてシャッター機構122は上限に位置している。このとき、遮光部25は検知領域29に進入した状態となっているため、光センサ12では受光部にて光信号を受光できず、遮光部25は遮光状態となっている。この状態からインクの液面Sが下降し、移動開始液面24aの高さH2に達すると、シャッター機構122は下降をはじめる。そして、液面Sが高さH4の第1位置に到達した時点で、遮光部25は検知領域29から退出し、非遮光状態となる。また、この液面Sが高さH4の時の残留インクは体積Vとなっている。
【0066】
次に、図10(b)に示すカートリッジ110Bは、図2(b)のカートリッジ10Bと同様のタンク30を備え、該タンク30内にシャッター機構132を備えている。このシャッター機構132は、大部分において上記シャッター機構122と同様の構成になっているが、フロート24に換えてフロート34を備えている。該フロート34は、図2(b)に示したフロート34と同様の構成であり、内部に中空部34bを有している。従って、フロート34は、カートリッジ110Aのフロート24よりも比重が小さく、シャッター機構132が移動を開始する移動開始液面34aはシャッター機構122が移動を開始する移動開始液面24aよりも低い高さH3に位置している。
【0067】
このようなカートリッジ110Bは、インクが満杯近く入っているとき、フロート24の浮力によってシャッター機構132が上限に位置している。このとき、遮光部25は検知領域29に進入した状態となっているため、光センサ12では受光部にて光信号を受光できず、遮光部25は遮光状態となっている。この状態からインクの液面Sが下降し、移動開始液面34aの高さH3に達すると、シャッター機構132は下降をはじめる。そして、液面Sが高さH5(<H4)の第2位置に到達した時点で、遮光部25は検知領域29から退出し、非遮光状態となる。また、この液面Sが高さH5の時の残留インクは体積Vになるようになっている。
【0068】
上述したように、容量の小さいカートリッジ110Aに比べて容量の大きいカートリッジ110Bの方が、液面Sが低くなってからシャッター機構132が下降しはじめるようになっており、また、液面Sがより低い位置で遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わるようになっている。そして、フロート24,34の比重を適宜調整して設定することにより、カートリッジ110A,110Bの何れにおいても、遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0069】
次に、図10(c)に示すカートリッジ110Cは、タンク30内にシャッター機構142を備えている。このシャッター機構142は、大部分において上記シャッター機構122と同様の構成になっているが、アーム123とは異なる構成のアーム143を備えている。該アーム143は、フロート24に接続された下端から鉛直上方へ延びる鉛直部分143aと、その上端から前方へ延びて前端に遮光部25が接続される水平部分143bとで構成されている。そして、鉛直部分143aは、カートリッジ110Aのアーム123の鉛直部分123aよりも長寸になっている。そのため、フロート24の重心24dから、図10に示す状態にて遮光部25が検知領域29と側面視で(すなわち幅方向において)重なる箇所までの鉛直方向における長さ寸法は、カートリッジ110AではL6であるのに対し(図10(a)参照)、カートリッジ110Cではそれより長いL8(>L6)となっている。
【0070】
また、このようにアーム143が長寸になっているが、アーム123との長さの差(L8−L6)の分だけカートリッジ110Cのガイド128はカートリッジ110Aのガイド128よりも下方に配設されている。従って、シャッター機構122,142が上限に位置しているとき、シャッター機構142の遮光部25の位置は、シャッター機構122の遮光部25の位置と同じである。一方、シャッター機構142が移動を開始する移動開始液面24cの高さは、シャッター機構122が移動を開始する移動開始液面24aの高さH2よりも低い高さH6となっている。
【0071】
このようなカートリッジ110Cは、インクが満杯近く入っているとき、フロート24の浮力によってシャッター機構142が上限に位置している。このとき、遮光部25は検知領域29に進入した状態となっているため、光センサ12では受光部にて光信号を受光できず、遮光部25は遮光状態となっている。この状態からインクの液面Sが下降し、上記高さH2よりも低い移動開始液面24cの高さH6に達すると、シャッター機構142は下降をはじめる。そして、液面Sが高さH5(<H4)の第2位置に到達した時点で、遮光部25は検知領域29から退出し、非遮光状態となる。また、液面Sが高さH5の時の残留インクは体積Vになるようになっている。
【0072】
上述したように、容量の小さいカートリッジ110Aに比べて容量の大きいカートリッジ110Cの方が、液面Sが低くなってからシャッター機構142が下降しはじめるようになっており、また、液面Sがより低い位置で遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わるようになっている。そして、アーム143の長さ寸法、及びガイド128の上下方向の配置位置を適宜調整して設定することにより、カートリッジ110A,110Cの何れにおいても、遮光部25の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0073】
次に、図10(d)に示すカートリッジ110Dは、タンク30内にシャッター機構152を備えている。このシャッター機構152は、大部分において上記シャッター機構122と同様の構成になっているが、遮光部25に換えてより昇降動方向の寸法が大きい遮光部155を備えている。即ち、カートリッジ110Aの遮光部25の場合、検知領域29に対する進退移動に沿う方向の寸法、換言すれば、遮光部25が昇降動したときに側面視で(つまり幅方向において)検知領域29と重なる点が遮光部25上を移動する軌跡の長さ寸法はL7になっている(図10(a)参照)。これに対し、カートリッジ110Dの遮光部155では、上記寸法がL7より大きいL9になるように成っている。
【0074】
このようなカートリッジ110Dは、インクが満杯近く入っているとき、フロート24の浮力によってシャッター機構152が上限に位置している。このとき、遮光部155は検知領域29に進入した状態となっているため、光センサ12では受光部にて光信号を受光できず、遮光部25は遮光状態となっている。この状態からインクの液面Sが下降して移動開始液面24aの高さH2に達すると、シャッター機構152は下降をはじめる。そして、液面Sが第1位置(高さH4)を通過し、高さH5の第2位置に到達した時点で、遮光部155は検知領域29から退出して非遮光状態となる。また、この液面Sが高さH5の時の残留インクは体積Vになるようになっている。
【0075】
上述したように、この場合、シャッター機構122,152が下降しはじめる移動開始液面24aはカートリッジ110A,110Dにて同じであるが、遮光部25,155の寸法の相違により、カートリッジ110Dの遮光部155の方が、液面Sが低くなるまで検知領域29に進入した状態を維持できるようになっている。そして、遮光部25,155の寸法L7,L9を適宜調整して設定することにより、カートリッジ110A,110Dの何れにおいても、遮光部25,155の状態が遮光状態から非遮光状態に切り替わった時点でのインク残量が、同じ体積Vになるようにしている。
【0076】
上記の実施の形態1〜4及び変形例においては、カートリッジ10がカートリッジ装着部8に対して水平方向に挿脱可能される例が示されているが、カートリッジ10がカートリッジ装着部8に対して鉛直方向に挿脱可能される場合であっても、本発明は適用可能である。すなわち、カートリッジ10がカートリッジ装着部8に対して如何なる方向に挿脱される場合であっても、本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、容量の異なる複数のカートリッジにおいてインク残量が略同一の状態でタンクがニア・エンプティとなったことを検知することができるカートリッジ・セットと、該カートリッジ・セット及びプリンタ本体を備えるプリンタ装置とに適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 プリンタ装置
1a プリンタ本体
1b カートリッジ・セット
8 カートリッジ装着部
10 カートリッジ
10A カートリッジ(第1カートリッジ)
10B カートリッジ(第2カートリッジ)
12 光センサ
22 シャッター機構
23 アーム
24 フロート
25 遮光部
26 枢支部
26a 枢支点
29 検知領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留するためのタンクを有しており、該タンク内のインク残量が所定量のときの液面高さが第1位置である小容量用の第1カートリッジと、該第1カートリッジのタンクよりも容量の大きいタンクを有しており、該タンク内のインク残量が前記所定量のときの液面高さが前記第1位置より低い第2位置である大容量用の第2カートリッジと、を含むカートリッジ・セットであって、
前記第1カートリッジ及び第2カートリッジは、
互いに同一高さに設けられて前記タンク外からの光信号が入射される検知領域と、
前記タンク内に設けられて該タンク内のインク残量に応じて上下動するフロートと、
該フロートに接続されて該フロートの上下動に応じて前記検知領域に対して進退移動し、前記検知領域に進入しているときには前記検知領域へ入射される前記光信号を遮光する一方で前記検知領域から退出しているときには前記光信号を前記検知領域を通って透過させる遮光部と
を夫々が備え、
前記第1カートリッジは、前記タンク内のインク液面が下降して前記第1位置に至ったときに前記遮光部が前記検知領域から退出し、前記第2カートリッジは、前記タンク内のインク液面が下降して前記第2位置に至ったときに前記遮光部が前記検知領域から退出するよう構成されていることを特徴とするカートリッジ・セット。
【請求項2】
前記第1カートリッジの遮光部に比べて前記第2カートリッジの遮光部の方が、前記タンク内のインク液面が低い位置のときに前記検知領域から退出するように移動を開始するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ・セット。
【請求項3】
前記第1カートリッジのフロートに比べて前記第2カートリッジのフロートの方が、比重が小さく構成されていることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ・セット。
【請求項4】
前記第1カートリッジ及び第2カートリッジの夫々の遮光部を前記検知領域に進入させた状態のときに、前記第1カートリッジのフロートに比べて前記第2カートリッジのフロートの方が、低く配置されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ・セット。
【請求項5】
前記遮光部が前記光信号を遮光している状態で、インク液面が所定速度で下降する場合に、前記遮光部が前記検知領域から退出するように移動を開始してから、前記光信号を前記検知領域を通って透過させるまでに要する退出移動期間は、前記第1カートリッジに比べて前記第2カートリッジの方が長くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ・セット。
【請求項6】
前記遮光部の前記検知領域に対する進退移動に沿う方向の寸法は、前記第1カートリッジに比べて前記第2カートリッジの方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ・セット。
【請求項7】
前記フロート及び前記遮光部を両端で支持するアームと、該アームを前記フロート及び前記遮光部の間で前記タンクに対して枢支する枢支部とを備え、
該枢支部が前記アームを枢支する枢支点から前記フロートの重心までの距離を該枢支点から前記検知領域までの距離で割った値は、前記第1カートリッジに比べて前記第2カートリッジの方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ・セット。
【請求項8】
容量の異なる複数種類のカートリッジを、同一のインク抽出部に対して接続可能なカートリッジ装着部、及び該カートリッジ装着部に装着されたカートリッジのインク残量を検知するための光センサ、を有するプリンタ本体と、
前記検知領域に前記光センサからの光信号が入射されるように前記カートリッジ装着部に装着可能な第1カートリッジ及び第2カートリッジを含む請求項1乃至7の何れかに記載のカートリッジ・セットと
を備えることを特徴とするプリンタ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−201067(P2011−201067A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68396(P2010−68396)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】