説明

カートリッジ及び画像形成装置

【課題】 枠体に導電樹脂を注入して本体接点とプロセス手段を接続する電極部を備えたカートリッジで、枠体及び電極部の構成の簡素化、カートリッジの組み立て性及び電極部の導通性の向上を図る。
【解決手段】 枠体13に導電樹脂を注入することによって一体成形されたカートリッジ電極19が、装置本体に設けられた本体接点21と接触する、枠体の外側に向かって露出した第一接点部22と、プロセス手段と電気的に接続するために設けられた第二接点部20と、カートリッジ電極を枠体に成形する際に樹脂が注入される被注入部Gと、を有し、被注入部から注入された導電樹脂が分岐して第一接点部と第二接点部が成形され、本体接点とプロセス手段とを電気的に接続する導電経路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、プロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されている。このようなカートリッジ方式では、カートリッジを画像形成装置本体に装着した状態で画像形成装置本体の本体電極とカートリッジの電極部材が接触し、プロセス手段等の被導通部材が画像形成装置本体と電気的に接続される。
【0003】
ここで電極部材の例としては、カートリッジを構成する枠体に、金属の電極板を組付ける構成が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−47491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記従来例では、枠体に電極板を取付けるための開口や、枠体と電極板のそれぞれに位置決めのための構成を設ける必要があった。そのために枠体、電極板の構成が複雑になっていた。また、電極板を枠体に取付けるため行程が発生し、その際に電極板が変形等しないように取り扱う必要があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、枠体に導電樹脂を注入して本体接点とプロセス手段を接続する電極部を備えたカートリッジで、枠体及び電極部の構成の簡素化、カートリッジの組み立て性及び電極部の導通性の向上を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかるカートリッジの代表的な構成は、画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
(a)画像形成を行うためのプロセス手段と、
(b)前記プロセス手段を支持する枠体と、
(c)前記枠体に導電樹脂を注入することによって一体成形されたカートリッジ電極であって、
前記カートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体に設けられた本体接点と接触する、前記枠体の外側に向かって露出した第一接点部と、
前記プロセス手段と電気的に接続するために設けられた第二接点部と、
前記カートリッジ電極を前記枠体に成形する際に樹脂が注入される被注入部と、を有し、前記被注入部から注入された導電樹脂が分岐して前記第一接点部と前記第二接点部が成形され、前記本体接点と前記プロセス手段とを電気的に接続する導電経路を形成するカートリッジ電極と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、枠体に導電樹脂を注入して本体接点とプロセス手段を接続する電極部を備えたカートリッジで、枠体及び電極部の構成の簡素化、カートリッジの組み立て性及び電極部の導通性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る電極部を形成する導電樹脂注入完了時を説明する図
【図2】実施例1に係るプロセスカートリッジの概要構成を説明する図
【図3】実施例1に係るドラムユニットの概要構成を説明する図
【図4】実施例1に係るドラムユニットの概要構成を説明する図
【図5】実施例1に係るドラム枠体の電極形成部を説明する図
【図6】実施例1に係るドラム枠体について説明する図
【図7】ドラム枠体に型を当接させた状態を説明する図
【図8】バックアップについて説明する図
【図9】実施例1に係る導電樹脂注入について説明する図
【図10】実施例1に係る導電樹脂注入前後の型の動きを説明する図
【図11】電極部の機能を説明する図
【図12】実施例2に係る電極部を説明する図
【図13】実施例3に係る電極部を形成する導電樹脂を注入する工程を説明するドラム枠体及び型の断面図
【図14】プロセスカートリッジの断面図
【図15】ドラムユニットが本体電極と接触した斜視図
【図16】ドラムユニットの各接点部周辺の断面図
【図17】ドラム枠体形状の説明図
【図18】電極部を形成する際に使用する型の説明図
【図19】導電樹脂を注入する際に使用する型の説明図
【図20】型をドラム枠体に当接する際の説明図
【図21】型をドラム枠体から離す際の説明図
【図22】帯電接点部を形成する際に導電樹脂が注入されていく様子を示した断面斜視図
【図23】露出接点部を形成する際の導電樹脂が注入されていく様子を示した断面斜視図
【図24】接点部の形状及び断面を説明する電極部の全体図
【図25】本体電極と接触した状態を示す電極部の全体図
【図26】ドラム枠体に接点部が成形された状態の説明図
【図27】ゲート位置からの距離に対する抵抗値の関係を示す図とグラフ
【図28】導電樹脂注入時の圧力のかかり方を説明する概念図
【図29】帯電接点部のバッファ部の説明図
【図30】帯電接点ばねの位置決めをする構成を示した図
【図31】帯電接点ばねの位置決めをする構成を示した図
【図32】電極部を現像ユニットで使用した際の実施例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0011】
以下、本実施例に係る電子写真画像形成装置、プロセスカートリッジ、ドラムユニット及び電極部の成形方法の実施例について、図を用いて説明する。
【0012】
[電子写真画像形成装置の概要構成]
図2(a)は本実施例のプロセスカートリッジBを装着した電子写真画像形成装置A(レーザビームプリンタ)の概要構成図である。以下、図2(a)を用いて、電子写真画像形成装置Aについて説明する。図2(a)は、電子写真画像形成装置Aについて説明するための概略断面図である。
【0013】
図2に示すように電子写真画像形成装置Aは、光学装置1から画像情報に基づいた情報光(レーザ光)を電子写真感光体ドラムとしての感光体ドラム7へ照射して感光体ドラム7上に潜像を形成する。そして、この潜像を現像剤(以下、トナー)で現像してトナー像を形成する。トナー像の形成と同期して給送カセット3から記録材2が搬送され、感光体ドラム7に形成されたトナー像が転写ローラ4によって記録材2に転写され、この転写トナー像が定着手段5によって記録材2に定着された後、記録材2は排出部6へと排出される。
【0014】
[プロセスカートリッジの概要構成]
次に、図2(a)及び図2(b)を用いて、プロセスカートリッジBについて説明する。図2(b)は、本実施例のプロセスカートリッジBの概要構成を説明するための断面図である。
【0015】
プロセスカートリッジBは、現像ユニットCとドラムユニットDとが相対的に回転可能に結合して構成されたものであって、電子写真画像形成装置Aの本体100(以下、装置本体)に着脱可能に構成されている。ここで、現像ユニットCは、トナー(不図示)及び現像ローラ12などで構成される現像手段と、トナーを収容し前記現像手段を支持する現像枠体8とから構成されている。また、ドラムユニットDは、感光体ドラム7やクリーニングブレード14等の構成部材と、これら構成部材を支持するドラム枠体13とから構成されている。
【0016】
現像ユニットCのトナー収容部9に収容されたトナーは現像室10へと送り出され、現像ブレード11によって摩擦帯電電荷が付与されたトナー層が現像ローラ12の表面に形成される。そして、現像ローラ12の表面に形成されたトナーが、前記潜像に応じて感光体ドラム7へと転移されることによって感光体ドラム7上にトナー像が形成される。そして、転写ローラ4によって感光体ドラム7上のトナー像が記録材2に転写された後は、クリーニングブレード14によって感光体ドラム7に残留したトナーが掻き落とされ、廃トナー溜め15に残留トナーが回収(除去)される。その後、感光体ドラム7の表面が帯電部材(プロセス手段)としての帯電ローラ16によって一様に帯電され、光学装置1による潜像形成が可能な状態となる。
【0017】
[ドラムユニットの概要構成]
図3(a)はドラムユニットDの帯電プロセスに関わる部分の概要構成図、図3(b)はドラムユニットDを有するプロセスカートリッジBが装置本体100に装着された状態の部分断面図である。図4(a)はドラムユニットDの概略側面図、図4(b)は図4(a)に示すX−X断面で切断したドラムユニットDを示す概略斜視図である。
【0018】
以下に、ドラムユニットDの帯電プロセスに関わる部分の概要構成について説明する。図3(a)に示すように、感光体ドラム7の表面を帯電するための帯電ローラ16は、その軸芯の両端部16a,16bを、帯電軸受(帯電ローラ端子)17aと、導電性の材質(例えば導電樹脂)で構成された帯電軸受17bによって回転可能に支持されている。帯電軸受17a,17bにはそれぞれ導電性の圧縮ばね(帯電接点ばね)18a,18bが取付けられており、帯電軸受17a,17bは、圧縮ばね18a,18bが圧縮可能な状態でドラム枠体13に対して取付けられている。このようにして、帯電ローラ16はドラム枠体13に支持されている。また、図4(b)に示すように、感光体ドラム7と帯電ローラ16が接触すると圧縮ばね18a,18bは圧縮され、このとき発生するばね力によって帯電ローラ16は感光体ドラム7に対して所定の圧力で押付けられている。
【0019】
次に、感光体ドラム7の帯電方法について説明する。図4(b)に示すように、導通部材としてのバネ部材である圧縮ばね18bは、ドラム枠体13に一体成形された導電樹脂から成るカートリッジ電極部(以下、電極部)19の帯電接点部である座面20に対して接触している。そして、圧縮ばね18bと電極部19は電気的接続が可能な状態となっている。
【0020】
図3(b)に示すように、プロセスカートリッジBが装置本体100に装着されると、装置本体100に設けられた本体接点部材である本体電極21と、ドラム枠体13に一体成形された電極部19とが露出接点部22で接触する。続いて装置本体100のコントローラ(不図示)からの指令によって本体電極21に電圧が出力されると、電極部19、圧縮ばね18b、帯電軸受17b、及び軸芯の端部16bを介して帯電ローラ16の表面に電圧が印加される。そして、帯電ローラ16によって感光体ドラム7の表面が一様に帯電される。このように、電極部19は、帯電ローラ16と本体電極21とを電気的に接続するために設けられている。即ち、電極部19は、本体電極21と帯電ローラ16とを電気的に接続する導電経路を形成する。また詳細は後述するが、電極部19は、被注入部であるゲート部Gから導電樹脂が注入され、枠体13に一体成形される。
【0021】
ここで、本実施例では本体電極21と電極部19が直接接続されているが、本体電極21と電極部19の間に別の導電性の部材を介して間接的に電気的に接続されていても構わない。また、本実施例では電極部19と帯電ローラ16の間に帯電軸受17bや圧縮ばね18bを介して電気的に接続されているが、電極部19と帯電ローラ16が直接接続された構成でも構わない。
また、本実施例では電極部19を感光体ドラム7の帯電プロセスに適用した場合について説明したが、これに限るものではない。すなわち、現像ローラ12、現像ローラへ現像剤を供給する供給ローラ(不図示)、ドラム7、トナー残量の検知回路(不図示)等の電気的接続を必要とする全ての構成で、本実施例に係るカートリッジ電極部を適用することができる。
【0022】
[電極部の形成方法]
以下に、電極部(電極部材)19の形成方法について説明する。電極部19は、ドラム枠体13と挿入型である型27との間に形成された空間であって電極を形成するための空間である電極形成部40に、導電樹脂が注入されることで、ドラム枠体13と一体成形される。ここで、電極形成部40は、ドラム枠体13に型27を当接して配置させることで、ドラム枠体13と金型27との間に形成される。また、金型27は、電極部19の形状を成形するためにドラム枠体13とは別体に設けられている(図8(b)参照のこと)。尚、金型27は、ドラム枠体13の外側から内側に挿入される。
【0023】
図5(a)はドラム枠体13の電極形成部の概略斜視図、図5(b)はドラム枠体に当接させる型27を表した図である。図6(a)はドラム枠体13の概略側面図、図6(b)は図6(a)に示すY−Y断面で切断したドラム枠体13を示す概略斜視図である。
以下に、電極部19を成形する前のドラム枠体13の電極形成部40、及び型27について説明する。
【0024】
図5(a)、図6(a),(b)に示すように、ドラム枠体13の電極部19を成形する面には、樹脂が注入される凹部23と、型27が当接する型当接部24a(図6(a),(b)に斜線で示す)を含む型当接面24とが設けられている。また、ドラム枠体13の一部には、電極形成部40を構成する凹部23と連通した、圧縮ばね18bを受ける座面20を成形するための型挿入口33(説明は後述する)が設けられている。
【0025】
図5(b)に示すように、型27には、ドラム枠体13に当接させる枠体当接面27a、導電樹脂が注入される掘り込み27b、圧縮ばね18bを受ける座面20を成形するための突起27c等が一体的に設けられている。
【0026】
図7(a)はドラム枠体13に型27を当接させて型締めした状態の概略斜視図、図7(b)は図7(a)に示すZ−Z断面で切断した概略斜視図である。図8(a)は型締め時のバックアップについて説明するための図、図8(b)は型締め時のバックアップについて説明するための概略断面図である。
【0027】
以下に、電極部19を成形する工程の内、型締め方法について説明する。電極部19を成形する際、図7(a)及び図7(b)に示すように、ドラム枠体13の型当接面24に型27を当接させて型締めを行う。型締めの際は、図8(a)及び図8(b)に示すように、バックアップ部材(バックアップ型)28によって型当接面24の裏側を支持する。これは、型27の押付け力や樹脂注入時の樹脂圧Pによってドラム枠体13の型当接部24a及び型27の枠体当接面27aが逃げないように、またドラム枠体13の変形が生じないようにするためである。本実施例では型当接面24の裏側(裏面)を支持しているが、支持する部分は裏側でなくても支持することでドラム枠体13の逃げや変形を抑えることが出来る部分であれば構わない。
【0028】
図1(a)は樹脂注入装置29の注入先端部30を図8(a)に示す型27の注入口26に当接させた状態のドラム枠体13の部分断面の概略斜視図である。図8(b)は樹脂注入装置29の注入先端部30を注入口26に当接させ樹脂を注入している状態のドラム枠体13の部分断面図である。図9(a)は型開き後のドラム枠体13の概略斜視図である。図9(b)は、図9(a)のM−M断面図、図9(c)は、図9(a)のN−N断面図を示している。図10(a),(b)は、図7(a)のZ−Z断面を含む図であり、図1とは別角度から見た場合のドラム枠体13の部分断面を示す図である。図10(a)は樹脂注入前の型挿入から型締め、型開きにいたる型27の動きを示した図であり、図10(b)は図10(a)の状態から樹脂を注入した後、型開きの状態を示すドラム枠体13の部分断面図及び後述するリサイクル時の部分断面図である。
【0029】
以下に、図1,図2(b),図8〜図10を用いて電極部19を成形する工程の内、樹脂の注入方法について説明する。
図10(a)に示すように、ドラム枠体13の一部には、電極形成部40を構成する凹部23(図5(a)参照)と連通した、圧縮ばね18bを受ける座面20を成形するための型挿入口33が設けられている。そして、挿入口33に型27の突起27cを挿入し、ドラム枠体13が有する画像形成装置本体と電気的に接続する接点部22に、略垂直方向(図中矢印左方向)に、ドラム枠体13に型27を当接させた後、バックアップ28により型締めを行う。
【0030】
次に、図8(b)に示すように樹脂注入装置29の注入先端部30を図8(a)に示す型27の注入口26に当接させた状態で、溶融した導電樹脂34を、ドラム枠体13と型27で形成された空間である電極形成部35に注入する。
次に、樹脂注入装置29が型27の注入口26から離れ、更には、図10(a)に示すように型27が図中矢印右方向に離れることで、図9(a)に示すようにドラム枠体13に電極部19が一体的に形成された状態となる。
【0031】
図9(b)は、図9(a)のM−M断面図である。
樹脂注入装置29からの溶融樹脂の注入流路は被注入部であるゲート部Gの近傍のドラム枠体13の凹部50の幅Tを約2.5mmと他の部位に対して狭くしている。これは、図9(b)の矢印のように樹脂注入時の樹脂内圧を高め、冷却後の収縮量を限りなくゼロに近づける。そうすることでPS(ポリスチレン)のドラム枠体13に導電性のPOM(ポリアセタール)の結合力(密着力)を高めて一体成形できる。よって、カートリッジが振動、落下した際に、ドラム枠体13から電極部19が外れることを防ぐことができる。その結果、意図的に抜け留め部を設ける必要がないためドラム枠体13に図10(b)の矢印方向に対しアンダーカット部(抜けとめ部)を設ける必要が無い。また、リサイクル時に、所定以上の力でドラム枠体13から導電部19を矢印の方向(一方向)に引き抜けば、導電部19はドラム枠体13へ型27が挿入方向とは反対方向に取り外し可能となる。これまでは、樹脂注入装置29と型27が別体である場合について述べたが、前記が一体でももちろん構わない。
【0032】
電極部19の成形においてさらに説明することとし、以下、樹脂注入前の型27と枠体13の位置関係について、図7(a)のZ−Z断面を含む図である、図10(a),(b)を用いて説明する。
ドラム枠体13において、注入口26から電極形成部40への導電樹脂の注入方向の下流側の末端部には、電極形成部40からはみ出した樹脂を収容するための収容部としてのバッファ部32が設けられている。図10(b)に示すように、電極形成部40からはみ出した樹脂34aは、枠体13と型27の突起27cとの隙間であるバッファ部32へと流れて溜まり、電極形成部40への樹脂注入が完了する。なお、本実施例1では、バッファ部32は、電極形成部40の下流側の末端部に設けられているが、これに限るものではなく、電極形成部40の途中に設けられるものであってもよい。すなわち、バッファ部32は、電極形成部からはみ出した樹脂を収容する(保持する)ためにドラム枠体13に設けられるものであればよい。
【0033】
また、樹脂注入時には、型27の一部に設けた平面部を有する突起27cを、ドラム枠体13に設けた型挿入口33に挿入した状態で型締めを行っている。このため、図10(a),(b)に示すように、樹脂注入完了後に型開きを行うと導電樹脂で構成された電極部19の座面20が形成される。電極部19の座面20は、後に圧縮ばね18bを組付ける際に圧縮ばね18bを受ける座面となり、圧縮ばね18bと電極部19を電気的に接続するための接点部となる。
【0034】
図3(b)を用いて補足すると、電極部19は、ドラム枠体13の外側に露出した第一接点部である接点部(面)22と、第一接点部が露出する方向とは交差する方向に向かって露出した第二接点部である座面20を有する。接点部22は、プロセスカートリッジBが画像形成装置本体Aに装着された際に本体接点である本体電極21が電気的に接続する面である。また、座面20は、圧縮ばね18bと帯電軸受17bに電気的に接続するための圧縮ばね18bの受け部となる。
【0035】
図11(a)及び図11(b)を用いて電極部19について更に説明する。圧縮ばね18bと帯電軸受17bとを有するユニット部材(導通部材)のうち圧縮ばね18bの外径部26の位置決めは、次のように行われる。すなわち、圧縮ばね18bの外径部26の位置決めは、画像形成装置本体と導通する接点部22(図中斜線部)を有する電極部19に設けられた導通部材位置決め部25a,25b,26cの少なくとも一部で行われる。
【0036】
また、前述の圧縮ばね18bの受け部となる座面20も形成しており、プロセス手段としての帯電ローラ16を像担持体である感光体ドラム7に一定圧で付勢するための圧縮ばね18bのばね力を決定している。
【0037】
今回の実施形態では、前記導通部材位置決め部25bが、はみだした樹脂34aを収容するバッファ部32の機能も有している。
【0038】
本実施例では、電極部19がドラム枠体13と一体化し易いように、電極形成部40に凹部23を設けているが、これに限るものではない。異材質でありながら結合力を得る(高める)他の方法としては、図9(a)のN−N断面図である図9(c)のように枠体13に凸部53を設け、導電樹脂材の収縮力(図中矢印)を利用しても構わない。これは、ドラム枠体13の材料と電極部19の材料が相溶性(相容性)が無い、もしくは低い場合に、抜け方向に平行な面の接触面積を増やし結合力を増す方法もある。
【0039】
更には、凸部53は、導電樹脂の流動方向に対し略平行に設けることでより効果を発揮する。これは、樹脂の流動を妨げずに、樹脂の流動方向よりもその直交方向の収縮率が高いことを利用しドラム枠体13との締結力を増すことができるためである。
【0040】
また、電極部19は、被注入部であるゲート部Gから矢印F1方向に注入された導電樹脂が図1(b)、図9、図11に示すように、矢印F2と矢印F3方向に分岐し向きを変えて流れる。そして、そして、矢印F2方向に向きを変えた導電樹脂は、第一接点部である接点部22を成形する。矢印F3方向に向きを変えた導電樹脂がさらに、略直角の方向(矢印F4)に向きを変えて流れることによって第二接点部である座面20が形成される。そして、本体接点22とプロセス手段である帯電ローラ16とを電気的に接続する導電経路を形成することになる。このような構成にすることによって、接点部22と座面20との導電性が良くなる。即ち、詳細は後述するがゲート部Gから注入される導電樹脂が向きを変えて流れることによって導電樹脂内に含まれる導電材(導電フィラー)の分布、配向がランダムになる。そのような状態になることで、ゲート部から注入される方向だけに伸びる電極に比べて導通性が良くなる。
【実施例2】
【0041】
次に実施例2について説明する。
図12は、電極部19の成形時において、予め圧縮ばね18bをドラム枠体13に組んだ状態で導電樹脂34を注入する様子を説明するための図である。また、実施例1では、電極部19を成形した後に圧縮ばね18bを組付けることを想定して、圧縮ばね18bを受けるための位置決め部25a、25b、25cを設けている。これに対して、図12に示すように、予め導通部材としての圧縮ばね18bをドラム枠体13に組付けた状態で、導電樹脂34を注入して固定しても良い。その際は、注入した樹脂34が圧縮ばね18bに接触するように樹脂34を注入し、電気的接続が確保されるようにする。また、圧縮ばね18bに接触するように導電樹脂34を注入する場合に、圧縮ばね18bに接触した樹脂34が圧縮ばね18bのばね圧に影響しないようにする。注入する樹脂の量を適宜調整することで、樹脂34を圧縮ばね18bに接触させることができる。また、圧縮ばね18bの機能が確保されるものであれば、圧縮ばね18bの一部が樹脂34で埋まってもよい。
【0042】
また、本実施例の電極部は、ドラムユニットDにおいて、帯電ローラ16と本体電極21とを電気的に接続するものであったが、これに限るものではない。電極部は、例えばドラムユニットDにおいて、像担持体である感光体ドラム7と装置本体100とを電気的に接続するものであってもよい。また、電極部は感光体ドラム7及び帯電ローラ16それぞれに対応して設けられるものであってもよい。すなわち、帯電ローラ16と装置本体100とを電気的に接続する電極部と、感光体ドラム7と装置本体とを電気的に接続する電極部とが設けられるものであってもよい。また、帯電ローラ16と電極部、また、感光体ドラム7と電極部はそれぞれ上記同様、圧縮ばね18bを介して電気的に接続された構成でもよいし、直接接続された構成でもよい。
【0043】
また、本実施例ではドラムユニットDを用いて説明したが、電極部は現像ユニットCに適用されるものであってもよい。また、電極部は、電子写真感光体ドラムと、感光体ドラムに作用する複数のプロセス手段とを一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジに適用されるものであってもよい。このようなプロセスカートリッジに適用される場合、電極部は、電子写真感光体ドラムと複数のプロセス手段それぞれに対応して複数設けられるものであってもよい。電子写真感光体ドラムと複数のプロセス手段における、電極部との電気的接続も上記同様、圧縮ばね18bを介して電気的に接続された構成でもよいし、直接接続された構成でもよい。さらに、本実施例での画像形成装置Aは、プロセスカートリッジBが1つ装着可能なものであった。しかし、プロセスカートリッジ、または現像カートリッジが複数個装着可能な、カラー画像を形成するカラー画像形成装置であっても良い。
【0044】
以上説明したように、本実施例によれば、従来例と比較して枠体に導電樹脂を注入して電極部を成形するため、組付け時に発生することが懸念される電極部の絡まりや電極部を変形させる等の取り扱いの問題を無くすことが出来る。
【0045】
また、従来例では、カートリッジの枠体に電極部を取付けるための開口や位置決めの穴、切欠き等を設ける必要があったため、枠体の強度が低下してしまうことが懸念されていた。これに対して本実施例によれば、電極形成部として設けられた枠体の穴等に樹脂を注入するため、このような穴を樹脂で埋めることができ、枠体の強度低下を抑えることが出来る。また、導電樹脂を枠体に注入する際のゲート部から分岐して電極部を成形することで、電極部の導通性の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0046】
次に実施例3について説明する。
以下、実施例3に係るプロセスカートリッジ、現像ユニット及び電気接点部(以下、接点部とする)の構成及び、成形方法の実施例について、図を用いて説明する。
【0047】
[プロセスカートリッジの概要構成]
図14に、プロセスカートリッジB2について説明する断面図である。このプロセスカートリッジB2は実施例1に示した装置本体100に着脱可能である。プロセスカートリッジB2は、現像ユニットC2とドラムユニットD2とが相対的に回転可能に結合して構成されたものである。ここで、現像ユニットC2は、トナー(不図示)及び現像ローラ112、トナー供給ローラ116、これらを支持する現像枠体108、現像枠体108で構成されるトナーを収容するトナー収容部109を備えている。また、ドラムユニットD2は、感光体ドラム107やクリーニングブレード114と、これらを支持するドラム枠体113とから構成されている。
【0048】
現像ユニットC2のトナー収容部109に収容されたトナーは現像室110へと送り出される。そして、現像ローラ112の周りに配置され、現像ローラ112に接触して矢印E方向に回転するトナー供給ローラ116と現像ローラ112にトナーが供給される。そして現像ブレード111によって現像ローラ112上のトナー層の層厚が規制される。
【0049】
そして、現像ローラ112の表面に形成されたトナー層が、感光体ドラム7へと転移されることによって感光体ドラム107上に形成された静電潜像が現像されトナー像になる。さらに、転写ローラ4(図2参照)によって感光体ドラム107上のトナー像が記録材(記録媒体)2に転写される。その後は、クリーニングブレード114によって感光体ドラム107に残留したトナーが掻き落とされ、廃トナー収容室115に残留トナーが回収(除去)される。その後、感光体ドラム107の表面が帯電部材(プロセス手段)としての帯電ローラ118によって一様に帯電され、光学系1(図2参照)による潜像形成が可能な状態となる。
【0050】
[ドラムユニットの概要構成]
図14、図15及び図16を用いてドラムユニットの概略構成について説明する。
図15はプロセスカートリッジB2が画像形成装置本体Aに装着された状態におけるドラムユニットD2の帯電プロセスに関わる部分の構成図である。図16(a)はドラムユニットD2の接点部が備えている側の側面図(図15でいうところの矢印Nの下流側から見た図)である。また、図16(b)は図16(a)に示すX2−X2断面で切断したばね座面形成部周辺の断面図、図16(c)は図16(a)に示すY2−Y2断面で切断した接触面周辺の断面図である。図15、図16に示すように、感光体ドラム107の表面を帯電するための帯電ローラ118は、その軸芯の両端部118a、118bを、帯電軸受123a,123bで回転可能に支持されている。帯電軸受123aは、導電性の材質(例えば導電樹脂)で構成されている。そして、帯電軸受123a、123bにはそれぞれ導電性の圧縮ばね122a、123bが取付けられている。帯電軸受123a、123bは、圧縮ばね122a、122bが圧縮可能な状態でドラム枠体113に対して取付けられている。このようにして、帯電ローラ118はドラム枠体113に回転可能に支持されている。また、図16(b)に示すように、感光体ドラム107と帯電ローラ118が接触すると圧縮ばね122a、122bは圧縮され、帯電ローラ118は感光体ドラム107に対して所定の圧力で押付けられている。
【0051】
[ドラムユニットの接点構成及び電圧印加方法]
図15、図16、図25及び図26を用いて、感光体ドラム107の帯電方法について説明する。また後述するが、電極部119はドラム枠体113に型127、128を密着させた際にできる隙間に導電樹脂134を注入することで形成される(図13参照)。図26は、電極部119が成形されたクリーニング枠体113について説明する図である。図15、図16、図25及び図26に示すように、電極部119はドラム枠体113に一体に成形されている。具体的な成形方法については後述する。電極部119は第一接点部である帯電接点部119bと第二接点部である露出接点部119aとを有する。また、後述するが、電極部119は露出接点部119a、帯電接点部119b、第一連結部119c、導電樹脂の被注入部であるゲート部119d及び分岐部119c1から成っている。帯電接点部119bは第一連結部119cから分岐した第二連結部119c2を介し繋がっている。そして、露出接点部119aと帯電接点部119bは第二連結部119c2と第一連結部119cを介して繋がっていることになる。露出接点部119aはドラム枠体113の側面113jから外側に向かって露出している。そして、プロセスカートリッジB2が画像形成装置Aに装着されると、装置本体100に設けられた本体電極121が露出接点部119aとが接触する。一方、帯電接点部119bは圧縮ばね122aに接触している。したがってプロセスカートリッジB2が画像形成装置Aに装着された後、装置本体100に設けられたコントローラ(不図示)からの指令によって本体電極121に電圧が印加される。すると、露出接点部119a、連結部119c、帯電接点部119b、圧縮ばね122a、導電樹脂からなる帯電軸受123a、及び軸芯118aを介して帯電ローラ118の表面に電圧が印加されることになる。そして、帯電ローラ118によって感光体ドラム107の表面が一様に帯電される。このように、電極部119は、帯電ローラ118と本体電極121とを電気的に接続することになる。
【0052】
ここで、本実施例では本体電極121と電極部119が直接接続されているが、本体電極121と電極部119の間に別の導電性の部材を介して間接的に電気的に接続されていても構わない。また、本実施例では電極部119と帯電ローラ118の間に帯電軸受123aや圧縮ばね122aを介して電気的に接続されているが、電極部119と帯電ローラ118が直接接続された構成でも構わない。
【0053】
また、本実施例では電極部119を感光体ドラム107の帯電プロセスに適用した場合について説明したが、これに限るものではない。すなわち、現像部材としての現像ローラ12への給電過程や、トナー供給ローラ16への給電過程、ドラムアース(不図示)との電気的接続の他、トナー残量の検知回路(不図示)等の電気的接続を必要とする全ての構成で、電極部を適用することができる。
【0054】
[ドラム枠体]
図16、図17を用いてドラム枠体113の形状について説明する。図17は導電樹脂を注入する前のドラム枠体113の形状を示した図である。図17(a)は、ドラム枠体113の露出接点部119aが形成された側面113jの側面図、図17(b)はドラム枠体113のゲート13d側から見たときの部分外観図である(図17(a)を正面図とした場合の右側面図)。図17(c)は、図17(b)に示す位置(Z−Z)で切断した時の断面図、図17(d)は、図17(a)に示す位置(V−V)で切断した時の断面図、図17(e)は、図17(a)に示す位置(W−W)で切断した時の断面図である。図17(a)、(c)で示すようにドラム枠体113には、露出接点部119aを成形するための導電樹脂が流れる流路113a及び、帯電接点部119bを成形するための凹部113bを有している。また、ドラム枠体113は、露出接点部119aを成形する際に型127が接触する当接面113e、型128が接触する当接面113fを有している。更に、ドラム枠体113は、導電樹脂134を注入するための注入口113dを有している。ドラム枠体113はトンネル形状の流路113cを有しており、この流路113cは途中の分岐部113hで2つの流路に分岐している。この分岐部113hを介して注入口113d、流路113a及び凹部113bは繋がっている。
【0055】
[接点部形成型]
図17、図18、図22、図23を用いて、電極部119を成形する型について説明する。図18は、ドラム枠体113に当接させる2つの型の内の一つである型127を示した図である。
【0056】
図22はドラム枠体113に型127を当接させて導電樹脂134を注入し帯電接点部119bを成形する際の断面図である。図22(a)に示すように、型127がドラム枠体113に当接することで、型127に設けられた突起127bとドラム枠体113によって空間120bが形成される。そして、図22(b)に示すように、トンネル形状の樹脂流路113cを導電樹脂34が通り、空間120bに導電樹脂134流れ込む。そして、図22(c)に示すように、空間120bに導電樹脂134の注入が完了し、帯電接点部119bが成形されることになる。
【0057】
図23はドラム枠体113に型127を当接させて導電樹脂134を注入し露出接点部119aを成形する際の断面図である。図23(a)に示すように、型127がドラム枠体113に当接してドラム枠体113の流路113aと型127の凹部127cが繋がった状態になる。そして、図23(b)はトンネル形状の樹脂流路113cに導電樹脂34が通り、さらに流路113aに流れ込んでいく。そして、図23(c)は凹部127cに導電樹脂134の注入が完了することによって、露出接点部119aが成形される。
【0058】
即ち、電極部119を成形する型127は、ドラム枠体113の面113eに突き当たる面127a、露出接点部119aを成形する凹部127c、帯電接点部119bを成形するための突起127bを有している。
【0059】
また、図13、図16、図19を用いて、電極部を成形する際の導電樹脂を注入するための型128について説明する。図13は型128がドラム枠体113に当接してから導電樹脂の注入が完了するまでを時系列的に表した斜視断面図である。また、図19は、型128のみを示した図である。型128は、ドラム枠体113に突き当たる面128a及び、導電樹脂134を注入するためのノズル130が挿入される注入口128bを有している。
【0060】
[電極部の形成方法]
図13、図16〜図23、図26、図28を用いて露出接点部119a及び帯電接点部119bの成形方法について説明する。図20は型127、128がドラム枠体113に当接させる工程を時系列的に示した斜視図である。図21は、ドラム枠体113に当接していた型が離す工程を時系列的に示した斜視図である。
【0061】
電極部119は、ドラム枠体113と型127との間に形成された空間に、導電樹脂が注入することで、ドラム枠体113と一体的に成形される。まず始めに、図20(a)に示すように、ドラム枠体113に矢印D1方向から型128を当接させる。この時、ドラム枠体113の型当接面113fと型128の面128aが突き当たる。
【0062】
次に図20(b)に示すように、ドラム枠体113に矢印D2方向から型127を当接させる。この時、ドラム枠体113の型当接面113eと型127の面27aが突き当たる。また、バックアップ型137が矢印D3方向からドラム枠体113に突き当たる。即ち、型127、128がドラム枠体113に当接する面とは反対側の面に突き当たり、ドラム枠体113に型127、128が当接することによってラム枠体113が変形するのを防止する。バックアップに関しての詳細は後述する。
【0063】
そして3つの型127、128、137の当接が完了した状態が図20(c)のようになる。このとき、図17(a)、(d)、図22(a)に示すように凹部113bに型127の突起127bが挿入し、空間120bを形成する。また図18及び図23(a)に示すように型127をドラム枠体113に当接させた際に、型127の凹部127cとドラム枠体113の流路113aを合わせた空間が形成される。
【0064】
次に図13(a)、図20(d)に示すように、導電樹脂34を注入するノズル130が型128の注入口128bに矢印D4方向から挿入されて注入口28bの奥に突き当たる。このとき、ノズル130と型128は始めから一体化された構成であっても良い。また、型128を使用せずにノズル130を直接ドラム枠体113の注入口113dに挿入し、導電樹脂134を注入する構成であっても良い。あるいは、ノズル130の先端周囲に面130aを設け、ドラム枠体113に突き当てた後に導電樹脂134を注入する構成であっても良い。次に図13(b)に示すように、導電樹脂134が注入口128bを介してドラム枠体113の樹脂経路113cに注入される。次に導電樹脂134は樹脂経路113cを進み、分岐部113hに到達する。分岐部113hに至った導電樹脂134は、一部が空間120bに流れ込み、残りの樹脂は樹脂経路113cを進み、流路113aと凹部127cを満たしていく。図13(c)、図22(c)、図23(c)は空間120b、及び、流路113aと凹部127cの空間に導電樹脂134の注入が完了した状態を表した図である。
【0065】
また、先に説明したようにバックアップ型137を型127、128がドラム枠体113に当接する面とは反対側の面に当接させた。これは、ドラム枠体113に型127、128が当接することによって変形するのを防止する。それに加えて、図28に示すように樹脂注入時の樹脂圧Pによってドラム枠体13が移動したり、変形したりしないようにするためでもある。
【0066】
次に離型について説明を行う。図21は樹脂の注入が完了した後に離型する工程を時系列的に示した図である。まず始めに、図21(a)に示すように、ノズル130が型128の注入口128bより矢印D5方向に移動して退避する。次に図21(c)に示すように型127及び、バックアップ137がドラム枠体113より矢印D6,D7方向に移動する。最後に、図21(d)に示すように型128がドラム枠体113より矢印D8方向に移動することでドラム枠体113に電極部119(露出接点部119a、帯電接点部119b)が一体的に形成された状態となる。
【0067】
また、図26(b)に示すように、帯電接点部119bには、注入量ばらつきによる余分な導電樹脂が帯電接点部119bの周囲からはみ出したはみ出し部119b2が形成される。詳細は後述するが、このはみ出し部119b2は帯電接点部119bの形状を確実に成形するために形成される。
【0068】
また、図17に示すように注入口113dからばね凹部113b、注入口113dから流路113aとの樹脂流路113cはドラム枠体113に囲われている。そのため電極部119以外の電極部をドラム枠体113に設けた場合に、各電極部が近接すること要因とする放電によるショートという問題が発生する可能性を軽減できる。この放電によるショートは、所定以下の縁面距離、空間距離で発生しやすくなる。ここで、縁面距離とは複数の接点部がある場合、成形された電極から枠体の壁を伝って(最短距離)別の電極に至る距離のことをいう。また、空間距離とは成形された電極から別の電極までの空間上の直線距離(最短距離)のことをいう。この距離が十分に確保されていないと、片側の電極にかけた電圧がもう片方の電極に印加され電圧値が変わってしまう恐れがある。
【0069】
[電極部の各形状の機能及び抵抗値の傾向]
次に図17、図24、図25及び図27を用いて成形された電極部119の形状について説明を行う。図24は離型が完了し、成形が終わった電極部119について各機能を説明するための図である。ドラム枠体113は電極部119の形状をわかりやすくするために非表示にしている。図25は本体電極121と圧縮ばね122a、帯電軸受123aを表示させた時の図である。図27は電気抵抗値とゲートから距離の相関関係を説明するための簡易的なモデルを表す図である。図24(a)、(b)に示すように、電極部119は露出接点部119aと帯電接点部119bを有する。図25(a)、図25(b)に示すように、画像形成装置Aの装置本体100にプロセスカートリッジB2が装着された際に、本体電極21が露出接点部119aに接触する。そして、帯電ローラ118が組付けられると導電樹脂から成る帯電軸受123aに帯電ローラ芯金118aが接触し、回転可能に支持される。そして帯電軸受123と接触する圧縮ばね122a、圧縮ばね122aに接触する帯電接点部119b、連結部119c、露出接点部119aを介して本体電極121から帯電ローラ芯金118aまで導通経路が確保される。
【0070】
次に図17(c)、(d)、(e)及び図24に示すように、電極部119は連結部119cと比較して露出接点部119a及び帯電接点部119bの断面形状が異なっている。ここで、断面形状とは図24(b)を例にすると、図に示すように切断線P−P、Q−Q、R−Rで切断した際の断面のことをいう。
【0071】
具体的には、図24(c)、(d)、(e)に示すように、P−Pで切断した断面が図24(c)、Q−Qで切断した断面が図24(d)、R−Rで切断した断面が図24(e)であり、各切断線で切られた断面形状は互いに異なる形状となっている。また、樹脂のゲート部119dから連結部119cを通る樹脂の流れ方向119fと、露出接点部119a及び帯電接点部119bを成形するときの連結部119cから流れ出る方向119h、119iは異なっている。このことにより、導電樹脂134に添加される導電材(導電フィラー)の分布状況が連結部119cと露出接点部119a及び帯電接点部119bでは異なる。即ち、導電材がある一方向に向かって配向するのではなく、一方向と交差する方向に向かって配向される状況になる。
【0072】
一般的に、樹脂の注入方向に延びる曲げがない板状で成形したものと、樹脂の注入方向に延び、その後注入方向に対して曲げを備えた形状のものとでは、後者の方が導通の際の抵抗値が低くなることが確認されている。これは、樹脂の注入方向に対して曲げが存在する等と、樹脂内の導電材(後述するが、カーボンブラック)の分布がランダムになりより導電性が向上する。
本実施例では、図24(a)に示すように、樹脂の注入方向119fに対して曲げを設けていること、また、流路の断面形状を変化させることによって樹脂内の導電材の導電材の分布をランダムにしている。即ち、ゲート部119dから矢印119f方向に注入されたどう導電樹脂は、分岐点119c1で2つに別れる。一方は、矢印119hのように2回曲がって帯電接点部119bを形成する。また、もう一方は、矢印119iのように2回曲がって露出接点部119aを形成する。また、図24(b)〜(e)に示すように、接続部119cの断面形状は丸形状である。一方、帯電接点部119b、露出接点部119aの断面は、長方形であり、接続部119cの断面の断面積よりも大きい。このようにすることで、前述したように樹脂内の導電材の分布をランダムにして、帯電接点部119bと露出接点部119aとの導通性の向上を図っている。
【0073】
また、帯電接点部119bと露出接点部119aをゲート部119dから離れた位置に設ける構成にすることも導通性の向上させる効果がある。一般に導電樹脂が型で構成される空間に注入され、成形品が完成するまでの冷却段階において、樹脂内の導電材は樹脂の冷却されるのが遅い箇所(断面形状の中央部)に集まり、表面部には導電材が少なくなる傾向にある。そのため、例えば同一形状の断面形状が樹脂の注入方向に延びる形状では、導電材が長手方向のどの位置においても断面中央部に沈み込んでしまい、表面の導電材が減るので抵抗値が高くなる傾向がある。そして、さらにゲート部119dの近傍は常に導電樹脂が通過する領域のため、冷却されるのが遅く導電材が断面の中央部に集中する傾向が高い。そこで、露出接点部119a及び帯電接点部119bは樹脂のゲート部119dを樹脂流路上流としたときに流路下流側に配置される。これは、図27(a)にモデル38を用いて説明する。このモデル38は他図で記載している導電樹脂34と同じ材質でできている。このモデルはゲートを38aに設定し、測定ポイントを3か所、距離を開けて設定している。図27(b)に示すように、ゲート位置38aから測定するポイント138b、138c、138dの位置で電気抵抗値を測定するとポイント138bに比べてポイント138c、138dの電気抵抗値が低い。このように、ゲート部119dから一定距離を離すとより電気抵抗値が下がる。
【0074】
以上説明したように、電極部119に屈曲部を設けたり、流路断面形状を変化させたりすることで導電材の分布状態を変えて導通性を向上させることができる。また、帯電接点部119bと露出接点部119aをゲート部119dから離れた位置に設け、ゲート部119dから注入した樹脂を途中から分岐されて両接点部119b、119aを構成にすることも導通性の向上させる効果がある。
【0075】
[電極部の抜け止め構成]
次に図15、図23、図24を用いてドラム枠体113に対して電極部119の抜け止め構成について説明する。
【0076】
電極部119は、前述したようにドラム枠体113に設けられたトンネル形状の穴である流路113cに導電樹脂が注入され形成される。図24に示すように電極部119は、ドラム枠体113の内部において矢印119i、119hのように屈曲部を有している。したがって電極部119はドラム枠体113に対して、ドラム枠体113の長手方向(図15に示すN方向)と、N方向に直交する方向へは動かない。また、図24(a)に示す119aの根元119jと図23に示す流路113aの周面により規制される。それによって、ドラム枠体113の短手方向(図24に示す119f方向、またはその逆方向)へ動くということや、第一連結部119cを軸として回転するということはない。このような構成にすることで、物流時等にプロセスカートリッジBに衝撃が加わっても、電極部119がドラム枠体113から脱落するといったことや、浮くといった問題は発生しない。また、複数の接点部が必要となった場合、樹脂の這い回し経路を分岐させることで形成できるので、複雑な接点部の形成が可能となり、導電経路の設計自由度を高くすることができる。また、ゲート部119dを注入方向の上流側にした場合に、流路下流に接点部119a、119bを設けることで電極部119の導通性を良くしている。また、従来例では、枠体に電極部を取付けるための挿入口や位置決めの穴、切欠き等を設ける必要があったため、カートリッジ枠体の強度が低下してしまうことが懸念されていた。これに対して本実施例によれば、ドラム枠体113の穴等に導電樹脂を注入するため、このような穴を樹脂で埋めることができ、ドラム枠体の強度低下を抑えることが出来る。
【0077】
また、従来の接点板金を使用する場合は、接点板金を枠体に取り付ける取り付け部が必要であった。それに対して、本実施例の構成を用いると、抜け止め部を設けずとも導電樹脂を注入する形状の一部にアンカー形状を持たせれば、抜け止め機能を果たすので抜け止め部を設ける余分なスペースを削減することができる。
【0078】
また、これに対して本実施例では枠体に直接導電樹脂を流し込み成形するので、別体の電極部材を枠体に組み付ける場合と比べって、作業性が良くなる。
さらに、接点板金を組み付ける際は各部品の部品公差や組み付け公差が発生するため、接点板金の枠体に対する位置精度が減少する。これに対して本実施例では枠体に直接導電樹脂を流し込み成形するので、枠体に対する位置精度は向上する。
【0079】
[バッファ部]
次に図13、図24、及び図29を用いて、バッファ部132について説明する。図29はバッファ部132の位置を示す説明図である。図29(a)は、ドラム枠体113に型127が当接した状態を示す斜視図である。図29(b)は図29(a)中に示す矢印方向(帯電接点部119bの圧縮ばね122aと接触する面に対して垂直方向)に見たドラム枠体113と型127が当接した状態の概略図である。
【0080】
図13、図29(b)に示すようにドラム枠体113において、帯電接点部119dの近傍にはバッファ部132が設けられている。図29に示すように具体的には、帯電接点部119bを成形するときの型127の突起127bが挿入されたときの型挿入口113gとドラム枠体113のばね座面形成部113bと突起127bの隙間がバッファ部132となる。電極部119を成形する際に、注入空間に対して樹脂注入量を多くすることによって、前述したように露出接点部119aの周囲から余分な導電樹脂のはみ出し部119b2が形成される。このはみ出し部119b2は、露出接点部119a及び帯電接点部119bの形状が確実に成形される為に形成されることになる。このバッファ部132は、このはみ出し部119b2が形成されるのを許容する空間である。
【0081】
また、バッファ部132はドラム枠体113の内側に設けてある。そのため、はみ出し部119b2はプロセスカートリッジBの外側からユーザが触れさせることが無いため、ユーザが触って折れたり脱落したりすることもない。
【0082】
なお、本実施例では、バッファ部132は、帯電接点部119dの近傍に設けられた。しかし、これに限るものではなく樹脂注入経路の途中に設けられるものであってもよい。
【0083】
[帯電ローラ圧縮ばねの位置規制構成]
次に図30及び図31を用いて、帯電ローラ118を感光体ドラム107に押圧する圧縮ばねの位置規制構成について説明する。
図30、図31は圧縮ばね122aの位置規制する枠体構成を示す図である。図30(a)はドラム枠体113の長手方向一端側にカバー部材117を取り付けた時の外観斜視図である。図30(b)は図30(a)の図中矢印方向より見た時の外観図である。図30(c)は図30(b)の図中に示すU−Uのラインで切断した時の断面図である。また、図30(d)は、図30(b)に示す矢印方向より見た時の図である。図30(d)の図中では感光体ドラム107、帯電ローラ118、帯電軸受123aを非表示にしている。
【0084】
圧縮ばね122aは帯電接点部119bに接触するが、帯電接点部119bは平面形状のため、圧縮ばね122aは帯電接点部119bに対して直接位置決することはできない。帯電接点部119bが平面形状なのは、型127をドラム枠体113から離す際に帯電接点部119bがアンダーカットにならないようにするためである。そこで、圧縮ばね122aをドラム枠体13に対して位置決めするために、ドラム枠体113に規制面113i、113jが備えられている。これらによって、圧縮ばね122の外周は一方向を残して規制される。残りの一方向は、圧縮ばね122aをドラム枠体113に組付け後にドラム枠体113に取り付けられるカバー部材117に備えられるカバー規制部117aにより規制される。この様にすることで、圧縮ばね122aがドラム枠体113に対して位置決めされる。
【0085】
次に図30とは異なる別の構成について図31を用いて説明する。
図31(a)はドラム枠体113の長手方向一端側にカバー部材117を取り付けた時の外観斜視図である。図31(b)は図31(a)の図中矢印方向より見た時の外観図である。図31(c)は図31(b)の図中に示すU−Uのラインで切断した時の断面図である。また、図31(d)は、図31(b)に示す矢印方向より見た時の図である。図31(d)の図中では感光体ドラム107、帯電ローラ118、帯電軸受123aを非表示にしている。
【0086】
ドラム枠体113には、圧縮ばね122aを位置決めするため、規制面113i及び113jが備えられている。規制面113i、113k、113l及び113jとは高さ方向において圧縮ばね122aの外径部を規制している。異なる高さで圧縮ばね122aの外周部を規制する理由として、ドラム枠体113の成形時の型抜きを考慮し、型127の突起127bが挿入型挿入口113gをドラム枠体113に設ける必要があるためである。このような構成にすることで、ドラム枠体113一部品で圧縮ばね122aの位置決めができるため、簡単な構成で容易に行うことができる。
【0087】
図30、図31共に規制面113iは直線だが、圧縮ばね122aの外径と同様の円弧形状であっても良い。また113j、117aに関しても同様の円弧形状であっても良い。
【0088】
[その他の実施例]
また、本実施例の電極部は、ドラムユニットDにおいて、帯電ローラ118と本体電極121とを電気的に接続するものであったが、これに限るものではない。電極部は、例えばドラムユニットDにおいて、感光体ドラム107と画像形成装置A本体とを電気的に接続するものであってもよい。また、電極部は感光体ドラム107及び帯電ローラ118それぞれに対応して設けられるものであってもよい。すなわち、帯電ローラ118と画像形成装置A本体とを電気的に接続する接点部と、感光体ドラム7と画像形成装置A本体とを電気的に接続する接点部とが設けられるものであってもよい。また、帯電ローラ118と接点部、また、感光体ドラム7と接点部はそれぞれ上記同様、圧縮ばね22を介して電気的に接続された構成でもよいし、直接接続された構成でもよい。
【0089】
また、本実施例ではドラムユニットDを用いて説明したが、電極部は現像ユニットCに適用されるものであってもよい。図32は、現像枠体108に電極部126を導電樹脂134で成形した時の説明図である。電極部126は、被注入部(ゲート部)126aより導電樹脂134が注入され、樹脂流路が分岐部126bcで分岐することにより本体と電気的に接続する露出接点部126ba、現像接点部126bbが形成される。現像接点部126bbは現像ローラ付勢部材125と接触している。これにより装置本体と現像ローラ112は現像用本体接点部126ba、現像接点部126bb、現像ローラ付勢部材125、現像ローラ支持部124、現像ローラ芯金112bを介して電気的に接続される。
【0090】
なお、本実施例においては現像ローラ112を図示したが、トナー供給ローラ116であっても同様の構成を用いて本体と電気的に接続しても良い。また、このようなプロセスカートリッジB2に適用される場合、電極部は、電子写真感光体ドラムと複数のプロセス手段それぞれに対応して複数設けられるものであってもよい。この場合、複数の接点部に対して、各接点部に導電樹脂134を注入する注入口を設ける必要がある。ただし、注入口を1つにして流路途中から分岐させて複数の接点形成部に導電樹脂134を流し込み、各接点部を成形する構成であっても良い。
【0091】
本実施例においては現像枠体108に電極部を設けたが、現像ローラ112やトナー供給ローラ116を支持する支持部材に接点部を設けても良い。感光体ドラム107と複数のプロセス手段における、接点部との電気的接続も上記同様、圧縮ばね125を介して電気的に接続された構成でもよいし、直接接続された構成でもよい。
【0092】
また、本実施例では電極部119は導電材であるカーボンブラックを約10%含むポリアセタールを使用している。カーボンブラックを使用した背景には、生産装置へのダメージ(摩耗等)を極力減らすことにあるが、カーボンファイバー、他の金属系添加剤等でも構わない。
【0093】
以上説明したように、本実施例によれば、従来例と比較して複数の接点部が必要となった際にトンネル形状の肉厚で縁面距離や空間距離をかせぐことができるため電極部の這い回し経路が簡易になる。
【0094】
また、枠体に導電樹脂を注入して本体接点とプロセス手段を接続する電極部を備えたカートリッジにしたので、枠体及び電極部の構成の簡素化、カートリッジの組み立て性及び電極部の導通性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0095】
B、B2 カートリッジ
16、118 帯電ローラ(プロセス手段)
13、113 枠体
21、121 本体接点
19、119 カートリッジ電極
22、119a 第一接点部
20、119b 第一接点部
G,119d 被注入部
27、28、127、128、137 型点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に着脱可能なカートリッジであって、
(a)画像形成を行うためのプロセス手段と、
(b)前記プロセス手段を支持する枠体と、
(c)前記枠体に導電樹脂を注入することによって一体成形されたカートリッジ電極であって、
前記カートリッジが前記装置本体に装着された際に前記装置本体に設けられた本体接点と接触する、前記枠体の外側に向かって露出した第一接点部と、
前記プロセス手段と電気的に接続するために設けられた第二接点部と、
前記カートリッジ電極を前記枠体に成形する際に樹脂が注入される被注入部と、を有し、前記被注入部から注入された導電樹脂が分岐して前記第一接点部と前記第二接点部が成形され、前記本体接点と前記プロセス手段とを電気的に接続する導電経路を形成するカートリッジ電極と、
を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記第一接点部と前記第二接点部は、前記被注入部から注入された前記導電樹脂が注入された方向からそれぞれ異なる方向に向きを変えて成形される請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第二接点部は前記被注入部から注入された前記枠体に設けられた流路を通って形成される請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記導電樹脂が前記枠体の内部において屈曲している請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第二接点部は、前記カートリッジ電極を前記枠体に一体成形する際に前記枠体の外側から挿入した挿入型と前記枠体との間の空間に注入した導電樹脂によって形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第一接点部は前記被注入部から注入された前記導電樹脂が前記枠体に設けられた流路を通って形成される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記導電樹脂が前記枠体の内部において屈曲している請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第一接点部は、前記カートリッジ電極を前記枠体に一体成形する際に前記枠体に当接した型と前記枠体との間の空間に注入した導電樹脂によって形成される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジ電極は、前記被注入部と前記第一接点部、及び、前記被注入部と前記第二接点部を結ぶ連結部を有し、前記第一接点部及び前記第二接点部の樹脂が注入する方向と直交する方向の断面積は、前記連結部の樹脂が注入する方向と直交する方向の断面積よりも大きい請求項1乃至8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記連結部は、前記第一接点部と前記被注入部を結ぶ第一連結部と、前記第一連結部の途中から分岐して前記第二接点部と前記第一連結部を結ぶ第二連結部と、を有する請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第二接点部は、前記第一接点部が前記枠体から露出する方向と交差する方向に、前記枠体から露出する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
更に、前記カートリッジは、前記プロセス手段と電気的に接続する、前記第二接点部と接触するための導通部材を有する請求項1乃至11のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記導通部材は前記プロセス手段を付勢するバネ部材で、その外径部を前記枠体と前記枠体に取り付けられるカバー部材によって規制され、前記第二接点部に対して位置決めされる請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記プロセス手段は、像担持体を帯電するための帯電部材である請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記プロセス手段は、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像部材である請求項1乃至13のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記枠体は、前記カートリッジ電極が成形される領域から前記導電樹脂のはみ出しを許容するバッファ部を有する請求項1乃至15のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記バッファ部は、前記枠体の内側に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジは、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に作用する前記プロセス手段と、を備えたプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記カートリッジは、カラー画像を形成するカラー画像形成装置に着脱可能な請求項1乃至18のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項20】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1乃至19のいずれか1項に記載のカートリッジと、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−63750(P2012−63750A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160155(P2011−160155)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【特許番号】特許第4846062号(P4846062)
【特許公報発行日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】