説明

カートリッジ型支承装置及び支承装置用レセプター構造

【課題】簡単且つ容易に支承装置を着脱して交換することが出来る構造の提供。
【解決手段】被係合部を有する一つ以上の支承装置2を着脱可能にガイドするガイド部と、支承装置2の受容位置を規定する位置決め部と、支承装置2を受容位置で固定的に保持する閉止部とを有する受容構造10を備え、被係合部を着脱可能に受容して支承装置2を固定的に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築物や橋梁等の各種構造物を支承するカートリッジ型支承装置及びこのカートリッジ型支承装置を着脱可能に保持する支承装置用レセプター構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物や橋梁をはじめとする構造物等を構成する上部構造体と下部構造体の間には、免制震機能を果たす支承装置が配設されることが一般化している。支承装置には、鉛直荷重を支承する鉛直荷重支承機能、水平荷重を支承する水平荷重支承機能の他、構造物の鉛直面内における回転に追従したり回転荷重を支承する回転支承機能が求められる。これらの機能を達成するための構成形態として、支承装置には、大別して構成要素の殆どが金属から成る鋼製支承装置と、ゴムを主たる構成要素としたゴム支承装置とがある。特に、平成7年の阪神淡路の大震災以後、それまで主流であった鋼製支承装置に替わってゴム支承装置が多く求められるようになった。これは、鋼製支承装置を採用していた橋梁にあっては上部構造体である橋桁のみならず橋脚等の下部構造体までが軒並み倒壊し壊滅的な状況となったのに対し、ゴム支承装置を導入していた箇所では倒壊を免れていた経験に因っている。
【0003】
ところで、鋼製支承装置には、例えば、特許文献1に記載されているようなローラー型や特許文献2に記載されているようなピボット型、或いは特許文献3に記載されているようなピン支承型等多数の形態があり、それぞれ多様な入力荷重を支持することが出来るように工夫されている。しかしながらこれら鋼製支承に共通する問題として、錆や摩耗等による強度低下や免制震性能の低下や劣化があり得ることの他、経時の風雪による塵埃等によっても性能低下が認められることなどが挙げられる。また、先の震災により免制震性能はゴム支承に劣ることが露呈し、社会的には既設橋梁における鋼製支承からゴム支承への交換が求められるようになっている。
【0004】
他方、ゴム支承装置には、例えば特許文献4に記載されたような積層ゴム支承装置や、この積層ゴム支承装置を更に小型化して鉛直荷重の耐荷力を向上させた特許文献5に記載されたような円柱形状に構成された支承装置等が提案されている。しかしながら鋼製支承に替わって広く普及するに至ったゴム支承装置ではあるが、平成16年に起きた中越地震では、積層ゴム支承装置を導入している橋梁において、上部構造体や下部構造体の損壊は回避されたものの、支承装置自身が損傷を受けているケースが若干見られた。
【0005】
近年、予想されている地震の大規模化や長周期化を鑑みれば、安全性や経済合理性の観点からも、上部構造体や下部構造体を損壊から保護可能なゴム支承装置の採用は望ましく、既設の鋼製支承装置をゴム支承装置に交換することも必要と考えられる。また、ゴム支承装置であっても被震後には速やかに新品のゴム支承装置に交換することが社会インフラである構造物全体の長寿命化を図る上で、或いはライフサイクルコストの低減を果たすことが可能となるだけでなく社会安全性の観点からも重要である。
【0006】
このような背景においても従来、支承装置は、鋼製支承装置であってもゴム支承装置であっても構造物への取付設置は殆ど同様の手法によって成されている。即ち、支承装置は、その最下部の基盤となるベースプレートがアンカーボルト等で下部構造体に固設され、最上部の基盤となるソールプレートがセットボルト等で上部構造体に固設される。この際、上部構造体と支承装置との間には剪断キーが介挿され、水平荷重の入力に対する抵抗力を得られるように構成されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−285514号公報
【特許文献2】特開平4−47010号公報
【特許文献3】特開2004−84263号公報
【特許文献4】特開2002−181129号公報
【特許文献5】特開2005−337002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
斯かる構造物における上部構造体と下部構造体との間への支承装置の取付作業においては、予めアンカーボルトがセットされた支承装置を下部構造体に埋設しつつ、少なくとも支承装置と上部構造体との間に介挿される剪断キーの高さ分だけ、上部構造体をジャッキアップする必要がある。従って、その分、上部構造体が持ち上がるので、例えば橋桁のジョイント部には相当量の高低差が生じることになる。このため、既設橋梁における支承装置の交換作業にあっては、通行止めなどの交通規制が必要となり、社会的な影響の他、施工コストの増大に繋がるという課題があった。
【0009】
勿論、支承装置の交換作業は、ジャッキアップだけでなく、セットボルトの付け外しやアンカーボルトからの離脱、装着等の煩雑な作業も必要となるため、容易でなく、高コストになるという問題もある。
【0010】
また、一般に支承装置の大きさは、橋梁等の上部構造体の大きさによって設定されるため、小さな上部構造体用の支承装置を、大きな上部構造体用の支承装置として交換設置することはできず、その逆もできない。このため、上部構造体の大きさなどの仕様に応じて専用の支承装置を設計、製作する必要があり、製品コストの増大に繋がるという問題があった。
【0011】
本発明は、上述のような実情に鑑みて成されたものであり、初期設置時の施工が容易であって、且つ次回以後の交換作業を著しく容易化し、低コスト化することが可能となるカートリッジ型支承装置とこの支承装置用のレセプター構造を提供することを目的とする。また、本発明は、上部構造体、或いは下部構造体の大小に関わらず採用可能な上、目的や荷重に応じて組み付ける支承装置の形態や仕様を選択することが出来るようにすることによって、支承装置の汎用型化を図り、製品コストを低減することが可能な支承装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の支承装置用レセプター構造は、被係合部を有する一つ以上の支承装置を着脱可能にガイドするガイド部と、支承装置の受容位置を規定する位置決め部と、支承装置を受容位置で固定的に保持する閉止部とを有する受容構造を備え、被係合部を着脱可能に受容して支承装置を固定的に保持することが出来る。
【0013】
また、ガイド部と位置決め部と閉止部とが、連続的又は断続的に被係合部を囲繞するように配置されるようにしてもよい。
【0014】
更に、受容構造は、支承装置の抜脱を防止する防脱部を有するようにしてもよい。
【0015】
更に、ガイド部、位置決め部、閉止部のうち少なくとも一つ以上には、防脱部が一体的に設けられ、この防脱部が被係合部に係合して支承装置の抜脱が防止されるようにしてもよい。
【0016】
更に、ガイド部と位置決め部とが、一体的に設けられるようにしてもよい。
【0017】
更に、ガイド部と位置決め部とは、一部が開口した枠状に設定され、この開口部位に閉止部が着脱可能に配設されるようにしてもよい。
【0018】
更に、受容構造は、ベース部を備え、ガイド部、又はガイド部と位置決め部とがベース部に配設されるようにしてもよい。
【0019】
更に、ベース部は、支承装置を保持する側の表面が該支承装置を摺動可能とする摺滑面とされるようにしてもよい。
【0020】
更に、受容構造は、下部構造体に配置固定されるようにしてもよい。
【0021】
更に、受容構造は、上部構造体に配置固定されるようにしてもよい。
【0022】
更に、受容構造は、下部構造体に配置固定される第一の受容構造と、この第一の受容構造に対向して上部構造体に配置固定される第二の受容構造とを有するようにしてもよい。
【0023】
更に、受容構造は、複数設定され、それぞれが個々の支承装置を受容可能に構成されるようにしてもよい。
【0024】
更に、開口部位は、支承装置を橋軸直角方向に移動させて着脱することが出来るように位置設定されるようにしてもよい。
【0025】
更に、防脱部は、鉛直方向に立設され支承装置を水平方向にガイドする壁部と、この壁部の鉛直方向端から水平方向に延設され該支承装置を鉛直方向にガイドする水平部とを有し、壁部は支承装置から入力される水平荷重を支持し、水平部は支承装置から入力される上揚力等の鉛直荷重を支持して支承装置の抜脱を防止するようにしてもよい。
【0026】
更に、防脱部は、支承装置の剪断方向に対して傾斜した傾斜面を有し、この傾斜面が支承装置をガイドすると共に、支承装置の抜脱を防止するようにしてもよい。
【0027】
更に、ガイド部は、湾曲面を有し、この湾曲面が支承装置をガイドすると共に、支承装置の抜脱を防止するようにしてもよい。
【0028】
更に、受容構造は、表面の一部又は全部に、防錆処理又は被覆が施されているようにしてもよい。
【0029】
また、本発明のカートリッジ型支承装置は、支承機能を有する本体部と、本体部の鉛直荷重方向の少なくとも一端部に設けられ、構造物の受容構造に係合される被係合部とを備え、前記受容構造は、受容される支承装置を着脱可能にガイドするガイド部と、受容される支承装置の受容位置を規定する位置決め部と、受容される支承装置を受容位置で固定的に保持する閉止部とを有する。そして、カートリッジ型支承装置は、受容構造に対して、被係合部が着脱可能に受容されて固定的に保持される。
【0030】
更に、被係合部は、受容構造の防脱部に係合されて抜脱が防止されるようにしてもよい。
【0031】
更に、被係合部は、支承装置の対向する両端部のそれぞれに設けられるようにしてもよい。
【0032】
更に、被係合部は、支承装置の端部の周回上に亘って設けられるようにしてもよい。
【0033】
更に、被係合部は、支承装置の剪断方向に対して傾斜した傾斜面を有するようにしてもよい。
【0034】
更に、被係合部は、丸く形成された曲面を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明を適用した支承装置用レセプター構造によれば、支承装置の適部に被係合部を設定するだけで専用のカートリッジ型支承装置として採用することが可能となるので、従来公知の多様な支承装置を適用することが出来る。
【0036】
また、支承装置用レセプター構造は、適部に被係合部を設定した支承装置であれば、支承装置用レセプター構造に設けられたガイド部に沿って所定の方向に移動させて出し入れすることができ、また挿入時には位置決め部によって規定される位置までガイド部に沿って移動させるだけで精密に設置位置を規定することが可能となり、設置作業や交換作業を著しく簡略化することが出来る。
【0037】
また、ガイド部や位置決め部、閉止部の他、防脱部を設定することによって、例えば支承装置の剪断方向における入力に対抗することが出来る上に、この入力方向に直交する方向からの入力に対しても対抗可能となり、あらゆる方向からの入力に対してカートリッジとして装着された支承装置が支承装置用レセプター構造から抜脱することを防止することが出来る。特に、防脱部と、ガイド部や位置決め部、閉止部とを一体的に設ける場合には構造を単純化することが可能となる。
【0038】
また、カートリッジ型とする専用の支承装置として、その両端に被係合部を設定し、且つ、受容構造を第一の受容構造と第二の受容構造の一対で構成して、これらの受容構造の一方を上部構造体に固設し、他方をこの上部構造体に対する固設位置に対向する位置の下部構造体に固定し、対向する端部のそれぞれに設けられた被係合部をそれぞれの受容構造に係合するように構成した場合には、容易に支承装置の一端側を上部構造体に、他端側を下部構造体にそれぞれ装着して、これら上部構造体と下部構造体とを連結させつつ、支承することが可能となる。従って、支承装置を容易に着脱することが出来るようになり、交換の容易性が著しく向上する。
【0039】
更に、本発明によれば、レセプター構造は、一つ又は複数のカートリッジ型支承装置を装着することが可能な構成であるため、被支承構造体が小型又は軽量の場合には、一つの支承装置を当該レセプター構造に装着して使用し、被支承構造体が比較的大型又は大重量の場合には、複数の支承装置を装着して使用することも可能である。従って、被支承構造体の大きさや重量や想定荷重の大小に応じて、適宜選択されるカートリッジ型の支承装置を一つ以上採用することが可能となる。
【0040】
この際、異なる機能や性能の支承装置を複数選択して採用すれば、個々の支承装置が有する機能や性能を集約した一体的な支承構造を得ることが可能となり、また同一の支承装置を複数採用する場合には、被支承構造体の大きさや重量、想定荷重に応じて異なる支承装置を製作する必要が無く合理的である。この場合には、単位支承装置を被支承構造体に応じて、何台設置すれば所要性能を満たすかを検討すればよく、従来、個々の被支承構造体に応じて専用に設計、製作されて高額化していた支承装置を、汎用化することが可能となり、低コスト化を図ることが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した支承装置用レセプター構造を、橋梁の橋桁と橋脚との間に配設する状態を示した正面図である。
【図2】本発明を適用した支承装置用レセプター構造を、建物や建造物と基礎部との間に配設した状態を示した正面図である。
【図3】本発明を適用した支承装置の第1の例を示した斜視図である。
【図4】本発明を適用した支承装置の第2の例を示した斜視図である。
【図5】本発明を適用した支承装置の第3の例を示した斜視図である。
【図6】本発明を適用した支承装置の第4の例を示した斜視図である。
【図7】第1の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図8】第2の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図9】第3の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図10】第4の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図11】第5の実施の形態の受容構造の第1の例を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図12】第5の実施の形態の受容構造の第2の例を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図13】第5の実施の形態の受容構造の第3の例を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図であり、(C)は、閉止部の縦断面図である。
【図14】第6の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、一例を示す縦断面図であり、(B)は、他の例を示す平面図である。
【図15】第7の実施の形態の受容構造の一例を示した縦断面図である。
【図16】第7の実施の形態の受容構造の他の例を示した縦断面図である。
【図17】第8の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図18】第8の実施の形態の受容構造の縦断面図を示し、(A)は、受容構造が橋脚に配置固定される場合であり、(B)は、受容構造が橋桁に配置固定される場合である。
【図19】第9の実施の形態の受容構造の一例を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図20】第9の実施の形態の受容構造の一例を示した斜視図である。
【図21】第9の実施の形態の受容構造の他の例を示した斜視図である。
【図22】第9の実施の形態の受容構造の他の例を示した分解斜視図である。
【図23】第9の実施の形態の受容構造の他の例を示した縦断面図である。
【図24】第10の実施の形態の受容構造を示した平面図である。
【図25】第11の実施の形態の受容構造を示した平面図である。
【図26】第12の実施の形態の受容構造の防脱部の一例を示した縦断面図である。
【図27】第12の実施の形態の受容構造の防脱部の他の例を示した縦断面図である。
【図28】第12の実施の形態の受容構造で用いられる支承装置の変形例を示した正面図である。
【図29】第13の実施の形態の受容構造の防脱部の第1の例を示した縦断面図である。
【図30】第13の実施の形態の受容構造の防脱部の第2の例を示した縦断面図である。
【図31】第13の実施の形態の受容構造の防脱部の第3の例を示した縦断面図である。
【図32】第13の実施の形態の受容構造の防脱部の第4の例を示した縦断面図である。
【図33】第13の実施の形態の受容構造で用いられる支承装置の変形例を示した正面図である。
【図34】第14の実施の形態の受容構造を示した縦断面図である。
【図35】第15の実施の形態の受容構造を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、縦断面図である。
【図36】第16の実施の形態の受容構造を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を適用したカートリッジ型支承装置及び支承装置用レセプター構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
<1 支承装置用レセプター構造の構成>
【0044】
図1及び図2に示すように、本発明を適用した支承装置用レセプター構造1は、橋梁、建物、建造物等の構造物200の上部構造体210と下部構造体220との間に少なくとも一つ配設され、構造物200を支承する本発明を適用したカートリッジ型支承装置2を着脱可能に受容して固定的に保持する。すなわち、本発明を適用した支承装置用レセプター構造1は、既設の支承装置2を、簡単且つ容易に新たな支承装置2に交換することが出来る。
【0045】
具体的に、支承装置用レセプター構造1は、支承装置2を着脱可能に受容して固定的に保持する受容構造10を備えている。受容構造10は、例えば、上部構造体210、下部構造体220の一方、又は、上部構造体210、下部構造体220の両方に配置固定される。更に、上部構造体210及び下部構造体220に配置固定される場合には、上部構造体210及び下部構造体220が対向するように配置される。なお、受容構造10の構成については、後述する。
【0046】
以下、図1に示すように、支承装置用レセプター構造1が、橋梁200aの橋桁210aと橋脚220aとの間に少なくとも一つ配設された場合を例に説明する。なお、支承装置用レセプター構造1は、図2に示すように、建物や建造物210bと基礎部220bとの間に少なくとも一つ配設され、受容構造10が、建物や建造物210b及び/又は基礎部220bに配置固定されるようにしてもよい。
【0047】
<2 支承装置2>
【0048】
図3乃至図6に示すように、支承装置2は、本体部3と、本体部3に設けられ、支承装置用レセプター構造1に係合されて防抜される被係合部4とを有し、支承装置用レセプター構造1の受容構造10に着脱可能に受容されて固定的に保持される。
【0049】
本体部3は、例えば、構成要素の殆どが金属材料から成る鋼製支承機構やゴムを主たる構成要素としたゴム支承機構などの支承機構である。このような本体部3は、例えば、鉛直荷重を支承する鉛直荷重支承機能と、水平荷重を支承する水平荷重支承機能と、鉛直面内における回転に追従したり回転荷重を支承する回転支承機能とを備え、更に、免震又は制震機能を有し、橋梁200aの荷重を支えると共に、地震や風、動的或いは静的な交通荷重等による振動を抑制する。更に、本体部3は、例えば図3に示すように角柱状又は図4に示すように円柱状に形成されている。
【0050】
被係合部4は、図3及び図4に示すように、本体部3の一端部の周回上に亘って一体的に設けられている。すなわち、被係合部4は、本体部3の底面3d側の一端部に、底面3dよりも大きくて所定の厚さを有する矩形板状に形成されている。
【0051】
なお、図5及び図6に示すように、被係合部4は、本体部3の両端部の周回上に亘って一体的に設けられるようにしてもよい。すなわち、被係合部4は、本体部3の底面3d側の一端部と上面3c側の他端部とに、上面3c及び底面3dよりも大きくて所定の厚さを有する矩形板状に形成される。
【0052】
以上のような構成を有する支承装置2は、被係合部4が支承装置用レセプター構造1の受容構造10に係合されることで、受容構造10から抜脱されることが防止される。なお、図3乃至図6で示された被係合部4は、少なくとも、本体部3の両端面の適部から張り出した部分を有していれば、必ずしも、周回上に設ける必要はない。
【0053】
なお、図5及び図6に示す被係合部4が本体部3の両端部に設けられた支承装置2は、上部構造体210及び下部構造体220の両方に受容構造10が配置固定された支承装置用レセプター構造1に用いられる。更に、図3乃至図6に示す被係合部4が本体部3の一端部だけ又は両端部に設けられた支承装置2は、上部構造体210及び下部構造体220の一方に受容構造10が配置固定された支承装置用レセプター構造1に用いられる。
【0054】
<3 受容構造10>
【0055】
受容構造10は、橋桁210a及び/又は橋脚220aに配置固定され、上述した支承装置2の被係合部4を着脱可能に受容して支承装置2を固定的に保持する。なお、橋桁210a及び/又は橋脚220aに配置固定される受容構造10は、同じ構成を有しているので、以下、受容構造10が、橋脚220aに配置固定される場合を例に説明し、橋桁210aに配置固定される受容構造10については、異なる構成についてのみ説明する。
【0056】
<3−1 第1の実施の形態>
【0057】
図7に示すように、第1の実施の形態の受容構造10は、支承装置2をガイドする一対のガイド部11,11と、支承装置2の受容位置を規定する位置決め部12と、支承装置2を受容位置で固定的に保持する閉止部13とを有し、上述した支承装置2の被係合部4を着脱可能に受容して支承装置2を固定的に保持する。
【0058】
このような受容構造10のガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とは、断続的に支承装置2の被係合部4を囲繞するように配置されている。
【0059】
具体的に、ガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とは、例えば金属材料から成り、角柱状に形成されている。一対のガイド部11,11は、対向して橋脚220a上に配置されている。また、位置決め部12と閉止部13とは、対向して橋脚220a上に配置されている。更に、一対のガイド部11,11と、位置決め部12及び閉止部13とは、略直交して橋脚220a上に配置されている。一対のガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とは、これらで囲む領域(以下、受容領域ともいう)14が、支承装置2の底面2dとほぼ同じ形状で、同じ大きさ又はやや大きな、ほぼ同じ大きさの矩形状をなすように橋脚220a上に配置されている。ここで言う支承装置2の底面2dとは、本体部3の底面3dと被係合部4とから成る領域を示す。
【0060】
更に、ガイド部11,11及び位置決め部12は、橋脚220aに埋設されたアンカーボルト等の固定部材や溶接等によって、橋脚220aに固定される。これに対して、閉止部13は、締結ボルト等の締結部材によって、着脱可能に橋脚220aに取り付けられる。
【0061】
なお、受容構造10が橋桁210aに配置される場合、ガイド部11,11及び位置決め部12は、セットボルト等の固定部材や溶接等によって、橋桁210aに固定される。これに対して、閉止部13は、橋脚220aに配置される場合と同様に、締結ボルト等の締結部材によって、着脱可能に橋桁210aに取り付けられる。
【0062】
次に、以上のような構成を有する受容構造10の支承装置2の交換方法について説明する。
【0063】
予め、受容構造10には、受容領域14内に支承装置2の被係合部4が受容され、被係合部4が位置決め部12に当接されて、支承装置2の受容位置が規定された状態で、支承装置2が閉止部13によって固定的に保持されている。そして、このような既設の支承装置2が所定期間使用されて製品寿命が経過したり損傷したりして交換時期になった場合には、次のようにして、既設支承装置2を、新たな支承装置2に交換する。
【0064】
先ず、仮設ジャッキ等(図示省略)により橋桁210aをわずかに、例えば1〜2mm程度持ち上げて、既設の支承装置2に印加される荷重を取り除き、既設の支承装置2を橋桁210aの荷重から解放させる。次いで、閉止部13を締結する締結ボルトを取り外し、閉止部13を橋脚220aから取り外す。次いで、既設の支承装置2を、受容構造10のガイド部11,11に沿って摺動させて、受容領域14から引き抜く。
【0065】
その後、新たな支承装置2の被係合部4を、受容領域14に挿入して、内奥部の位置決め部12までガイド部11,11に沿って摺動させる。次いで、新たな支承装置2の被係合部4を位置決め部12に当接させて、支承装置2の受容位置を規定する。次いで、新たな支承装置2の受容位置を規定した状態で、閉止部13を、締結ボルトによって橋脚220aに取り付け、支承装置2を固定させる。このようにして、既設の支承装置2を、新たな支承装置2に交換する。
【0066】
このような第1の実施の形態の受容構造10は、適部に被係合部4を有する支承装置2であれば、ガイド部11,11に沿って所定の方向に移動させて出し入れすることができ、また挿入時には位置決め部12によって規定される位置までガイド部11,11に沿って移動させるだけで正確に受容位置を規定することができ、設置作業や交換作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0067】
従って、第1の実施の形態の受容構成10は、従来公知の多様な支承装置の適部に被係合部4を設けるだけで、従来公知の多様な支承装置をカートリッジ型の支承装置として用いることが出来る。
【0068】
<3−2 第2の実施の形態>
【0069】
図8に示すように、第2の実施の形態の受容構造20は、第1の実施の形態のガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とが断続的に配置されているのに対して、ガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とが、連続的に支承装置2の被係合部4を囲繞するように配置されている。
【0070】
具体的に、各ガイド部11の長さ方向(長辺方向)の一端面11aが、閉止部13の受容領域14側の一側面13eと当接し、他端面11bが、位置決め部12の受容領域14側の一側面12eと当接するように設けられている。
【0071】
このような第2の実施の形態の受容構造20は、ガイド部11,11と位置決め部12と閉止部13とが連続的に配置され、各ガイド部11の長さ方向の他端面11bが、位置決め部12の一側面12eと当接して設けられているので、第1の実施の形態の受容構造10のように、設置作業時に設置現場において、ガイド部11,11と位置決め部12との直角度や、ガイド部11,11の平行度等を容易に調整することが出来る。従って、設置作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0072】
なお、位置決め部12の長さ方向(長辺方向)の端面12a,12bを、ガイド部11,11の受容領域14側の一側面11e,11eと当接させ、閉止部13の長さ方向(長辺方向)の端面13a,13bを、ガイド部11,11の一側面11e,11eと当接させるように設けてもよい。更に、閉止部13を、橋脚220aに着脱可能に取り付けるのに代えて、ガイド部11,11に締結ボルトによって着脱可能に取り付けてもよい。
【0073】
<3−3 第3の実施の形態>
【0074】
図9に示すように、第3の実施の形態の受容構造30は、第2の実施の形態のガイド部11,11と位置決め部12とが別部材であるのに対して、ガイド部11,11と位置決め部12とが、一体的に設けられている。
【0075】
具体的に、ガイド部11,11と位置決め部12とは、一部が開口した枠状に形成されており、略コ字状に形成されている。閉止部13は、ガイド部11,11の長さ方向の一端面11a,11aと一側面13eが当接するように設けられている。
【0076】
このような第3の実施の形態の受容構造30は、ガイド部11,11と位置決め部12とが一体的に設けられているので、第1及び第2の実施の形態の受容構造10,20のように、設置作業時に設置現場において、ガイド部11,11、位置決め部12、閉止部13の平行度や直角度、対向寸法等を調整する必要がなく、設置前に予め設定しておくことが出来る。従って、設置作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0077】
<3−4 第4の実施の形態>
【0078】
図10に示すように、第4の実施の形態の受容構造40は、第3の実施の形態の閉止部13がガイド部11,11の長さ方向の一端面11a,11aと当接するように設けられているのに対して、閉止部13が、ガイド部11,11に挟み込まれて配置されている。
【0079】
具体的に、閉止部13の長さ方向(長辺方向)の端面13a,13bが、ガイド部11,11の一側面11e,11eと当接するように設けられている。
【0080】
このような第4の実施の形態の受容構造40は、第3の実施の形態の受容構造30と同様に、第1及び第2の実施の形態の受容構造10,20のように、設置作業時に設置現場において、ガイド部11,11、位置決め部12、閉止部13の平行度や直角度、対向寸法等を調整する必要がなく、設置前に予め設定しておくことが出来る。従って、設置作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0081】
<3−5 第5の実施の形態>
【0082】
図11に示すように、第5の実施の形態の受容構造50は、第1乃至4の実施の形態のガイド部11,11に、支承装置2の抜脱を防止する防脱部51が一体的に設けられている。
【0083】
防脱部51は、受容領域14と対向し、鉛直方向に立設された壁部52をなすガイド部11の一側面11eに一体的に設けられ、一側面11eの鉛直方向の上端側、すなわちガイド部11の上面11c側から受容領域14側に向けて水平方向に延設されている。壁部52をなすガイド部11の一側面11eは、支承装置2を水平方向にガイドするとともに、支承装置2から入力される水平荷重を支持する。防脱部51は、支承装置2を鉛直方向にガイドするとともに、支承装置2の被係合部4と係合して、支承装置2から入力される上揚力等の鉛直荷重を支持し、支承装置2の抜脱を防止する。
【0084】
なお、防脱部51は、ガイド部11,11に設けるのではなく、位置決め部12や閉止部13に設けてもよい。また、防脱部51は、図12及び図13に示すように、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13の全てに設けるようにしてもよい。すなわち、防脱部51は、ガイド部11,11、位置決め部12、閉止部13のうちの少なくとも一つに設けるようにする。
【0085】
このような第5の実施の形態の受容構造50は、防脱部51を、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13のうちの少なくとも一つに設けることで、支承装置2の鉛直方向における入力に対抗することができ、あらゆる方向からの入力に対して支承装置が抜脱することを防止することが出来る。更に、第5の実施の形態の受容構造50は、防脱部51を、ガイド部11、位置決め部12及び閉止部13に一体的に設けることで、構造を単純化することが出来る。
【0086】
なお、図13に示すように、第4の実施の形態の受容構造40において、少なくともガイド部11,11に防脱部51を設けた場合には、閉止部13の長さ方向の両端面13a,13bに、ガイド部11,11の防脱部51と係合する係合凸部53,53を設けてもよい。この係合凸部53,53は、閉止部13がガイド部11,11に挟み込まれて配置されたときに、防脱部51の下方の空間54内に収納される。従って、係合凸部53,53は、閉止部13に支承装置2から鉛直荷重が入力された際に、ガイド部11,11の防脱部51と係合することで、閉止部13が橋脚220aから離脱することを防止することが出来る。
【0087】
<3−6 第6の実施の形態>
【0088】
図14(A)に示すように、第6の実施の形態の受容構造60は、第5の実施の形態の防脱部51がガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13のうちの少なくとも一つに一体的に設けられているに対して、別体として設けられている。
【0089】
図14(A)に示すように、例えば、ガイド部11に別体の防脱部61が設けられた場合、この別体の防脱部61は、ガイド部11の幅(短辺)よりも大きな幅を有する矩形板状に設けられている。そして、この防脱部61は、ガイド部11の上面11cに、締結ボルト等の締結部材や溶接等によって取り付けられ、ガイド部11の受容領域14側の一側面11eから受容領域14側に一部が突出して設けられている。
【0090】
更に、位置決め部12や閉止部13に別体の防脱部61が設けられた場合、ガイド部11と同様に、別体の防脱部61は、位置決め部12及び閉止部13の幅よりも大きな幅を有する矩形板状に設けられ、位置決め部12及び閉止部13の上面12c,13cに取り付けられ、受容領域14側の一側面12e,13eから受容領域14側に一部が突出して設けられる。
【0091】
このような別体の防脱部61は、第5の実施の形態の防脱部51と同様に、支承装置2の被係合部4と係合して、支承装置2から入力される上揚力等の鉛直荷重を支持し、支承装置2の抜脱を防止することが出来る。
【0092】
また、図14(B)に示すように、別体の防脱部61は、三角板状に設けられるようにしてもよい。例えば、三角板状の別体の防脱部61は、受容領域14の位置決め部12側の二つの角部を覆うように、一方のガイド部11の上面11cと位置決め部12の上面12cと、他方のガイド部11の上面11cと位置決め部12の上面12cとに亘って取り付けられる。更に、三角板状の別体の防脱部61は、受容領域14の閉止部13側の二つの角部を覆うように、一方のガイド部11の上面11cと閉止部13の上面13cと、他方のガイド部11の上面11cと閉止部13の上面13cとに亘って取り付けられる。
【0093】
このような三角板状の別体の防脱部61は、支承装置2が受容領域14に受容されたときに、支承装置2の被係合部4の四つの角部を覆うことで、第5の実施の形態の防脱部51と同様に、支承装置2の被係合部4と係合して、支承装置2から入力される上揚力等の鉛直荷重を支持し、支承装置2の抜脱を防止することが出来る。
【0094】
<3−7 第7の実施の形態>
【0095】
図15に示すように、第7の実施の形態の受容構造70は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋脚220aに配置固定される場合、ガイド部11,11と位置決め部12とが、アンカーボルト71によって、橋脚220aに固定される。
【0096】
具体的に、ガイド部11,11及び位置決め部12には、アンカーボルト71が挿通される貫通孔72が形成されている。これにより、ガイド部11,11及び位置決め部12は、橋脚220aに埋設されたアンカーボルト71が貫通孔72に底面11d,12d側から挿通された後に、アンカーボルト71にナット73が締結されることで、橋脚220aに固定される。
【0097】
また、図16に示すように、受容構造70は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋桁210aに配置固定される場合、ガイド部11,11と位置決め部12とが、セットボルト74によって、橋桁210aに固定される。
【0098】
具体的に、ガイド部11,11及び位置決め部12には、セットボルト74が挿通される貫通孔75が形成されている。これにより、ガイド部11,11及び位置決め部12は、セットボルト74が貫通孔75に上面11c,12c側から挿通されて、次いで、橋桁210aに形成された貫通孔76に挿通された後に、セットボルト74にナット77が締結されることで、橋桁210aに固定される。
【0099】
<3−8 第8の実施の形態>
【0100】
図17に示すように、第8の実施の形態の受容構造80は、第1乃至第7の実施の形態では受容構造10乃至70が橋脚220aに直接配設されるのに対して、ベース部81を介して配設される。
【0101】
具体的に、ベース部81は、金属材料で形成されており、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60よりも大きな矩形板状に形成されている。ベース部81上、すなわちベース部81の上面81cには、ガイド部11,11と位置決め部12とが、締結ボルト等の締結部材又は溶接等によって固定される。更に、ベース部81の上面81cには、閉止部13が、締結ボルト等の締結部材によって着脱可能に取り付けられる。
【0102】
更に、ベース部81には、アンカーボルト71が挿通される貫通孔82が形成されている。従って、図18(A)に示すように、ベース部81は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋脚220aに配置固定される場合、橋脚220aに埋設されたアンカーボルト71が貫通孔82に挿通された後に、アンカーボルト71にナット73が締結されることで、橋脚220aに固定される。
【0103】
なお、図18(B)に示すように、ベース部81は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋桁210aに配置固定される場合、セットボルト74が、貫通孔82、橋桁210aの貫通孔76の順に挿通された後に、セットボルト74にナット77が締結されることで、橋桁210aに固定される。
【0104】
このような第8の実施の形態の受容構造80は、金属材料から成るベース部81上に、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13を配設することで、支承装置2を挿入又は取り外すときに、ベース部81が摺滑面として機能し、例えばモルタルやコンクリート等で形成された橋桁210a及び/又は橋脚220a上に直接配設するよりも、支承装置2を容易に摺動することができ、交換作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0105】
<3−9 第9の実施の形態>
【0106】
図19及び図20に示すように、第9の実施の形態の受容構造90は、第8の実施の形態のベース部81の支承装置2を保持する受容領域14側の上面81cに、摺動性に優れた摺滑板91を更に備えている。
【0107】
具体的に、摺滑板91は、摺動性に優れた高摺動性材質で形成されており、ベース部81とほぼ同じ形状でほぼ同じ大きさの矩形板状に形成可能であり、例えば、摺滑板91は、ステンレス鋼やフッ化炭素樹脂ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で形成することが出来る。
【0108】
このような摺滑板91上、すなわち摺滑板91の上面91cには、ガイド部11,11と位置決め部12とが、締結ボルト等の締結部材又は溶接等によって固定される。更に、摺滑板91の上面91cには、閉止部13が、締結ボルト等の締結部材によって、着脱可能に取り付けられる。
【0109】
なお、摺滑板91には、締結ボルト等の締結部材が挿通される貫通孔が形成され、この貫通孔を介して、ガイド部11,11と位置決め部12とが、締結ボルト等の締結部材によってベース部81に固定されるようにしてもよい。更に、閉止部13が、この貫通孔を介して、締結ボルト等の締結部材によってベース部81に着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。
【0110】
更に、摺滑板91には、ベース部81の貫通孔82と対応する位置に、アンカーボルト71が挿通される貫通孔92が形成されている。従って、摺滑板91は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋脚220aに配置固定される場合、橋脚220aに埋設されたアンカーボルト71が、ベース部81の貫通孔82、摺滑板91の貫通孔92の順に挿通された後に、アンカーボルト71にナット73が締結されることで、ベース部81上に固定される。
【0111】
なお、摺滑板91は、第1乃至第6の実施の形態の受容構造10乃至60が橋桁210aに配置固定される場合、セットボルト74が、摺滑板91の貫通孔92、ベース部81の貫通孔82、橋桁210aの貫通孔76の順に挿通された後に、セットボルト74にナット77が締結されることで、ベース部81上に固定される。
【0112】
このような第9の実施の形態の受容構造90は、ベース部81上に摺動性に優れた摺滑板91を設け、この摺滑板91上に、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13を配設することで、支承装置2を挿入又は取り外すときに、摺滑板91が摺滑面として機能し、例えばモルタルやコンクリート等で形成された橋桁210a及び/又は橋脚220a上に直接配設するよりも、更にはベース部81上に配設するよりも、支承装置2を容易に摺動することができ、交換作業を簡単且つ容易に行うことが出来る。
【0113】
なお、図21乃至図23に示すように、受容構造90の閉止部13にせん断キー部93を設け、摺滑板91にせん断キー部93が嵌合される嵌合穴94を設けるようにしてもよい。
【0114】
具体的に、せん断キー部93は、閉止部13の摺滑板91に対向する底面13dの略中央部に突設され、断面略矩形状に形成されている。せん断キー部93が嵌合される嵌合穴94は、閉止部13が摺滑板91に取り付けられたときにせん断キー部93と対向する位置に、せん断キー部93とほぼ同じ形状でほぼ同じ大きさに形成された矩形状の嵌合穴である。
【0115】
そして、せん断キー部93が設けられた閉止部13は、せん断キー部93が嵌合穴94に嵌合された状態で、締結ボルト等の締結部材によって、摺滑板91に着脱可能に取り付けられる。これにより、せん断キー部93が設けられた閉止部13は、単に締結ボルト等の締結部材によって摺滑板91に取り付けられる場合よりも、大きな水平荷重を支持することが出来る。
【0116】
<3−10 第10の実施の形態>
【0117】
図24に示すように、第10の実施の形態の受容構造100は、第1乃至第9の実施の形態において、受容構造10乃至90が一つのベース部81に一つ配設されているのに対して、一つのベース部81に複数個配設されている。
【0118】
例えば、図24に示すように、ベース部81には、第1乃至第9の実施の形態の受容構造10乃至90が、ベース部81の長さ方向(長辺方向)に二つ、幅方向(短辺方向)に二つ、合計四つ配設されている。なお、ベース部81に配設される受容構造の数及び配置の仕方は、上述したものに限定されるものではなく、橋梁200aの形状及び重量等によって、適宜変更可能である。更に、第9の実施の形態のように、ベース部81上に摺滑板91を設ける場合には、摺滑板91の上面91cに、第1乃至第8の実施の形態の受容構造10乃至80が複数個配設される。
【0119】
このような第10の実施の形態の受容構造100は、一つのベース部81に複数個の支承装置2を装着することが出来るので、橋梁200aが小型又は軽量の場合には、一つの支承装置2を装着して使用し、橋梁200aが比較的大型又は大重量の場合には、複数個の支承装置2を装着して使用することが出来る。
【0120】
従って、第10の実施の形態の受容構造100は、橋梁200aの大きさ、重量及び想定荷重の大小に関わらず使用することが出来る。よって、第10の実施の形態の受容構造100は、橋梁200aの大きさ、重量及び想定荷重に応じて異なる受容構造を製作する必要が無く合理的である。更に、第10の実施の形態の受容構造100は、橋梁200aの大きさ、重量及び想定荷重に応じて、支承装置2を何台装着すれば所要性能を満たすかを検討すればよく、従来のように、橋梁200aの大きさ、重量及び想定荷重に応じて、専用に設計、製作されて高額化していた受容構造100を、汎用化することができ、低コスト化を図ることが出来る。
【0121】
更に、第10の実施の形態の受容構造100は、異なる機能や性能を有する支承装置2を装着することで、個々の支承装置2が有する機能や性能を集約した一体的な支承装置2を得ることが出来る。
【0122】
<3−11 第11の実施の形態>
【0123】
図25に示すように、第11の実施の形態の受容構造110は、第10の実施の形態において、第1乃至第9の実施の形態の受容構造10乃至90が一つのベース部81に単に複数個配設されているのに対して、第1乃至第9の実施の形態の受容構造10乃至90が、支承装置2を橋軸直角方向に移動させて着脱することが出来るように配設されている。
【0124】
例えば、図25に示すように、ベース部81には、第1乃至第9の実施の形態の受容構造10乃至90が、橋桁210aの橋軸方向と直交する橋軸直角方向に二つ配設されている。このとき、一対のガイド部11,11は、橋軸方向に対向して配置され、位置決め部12と閉止部13とは、橋軸直角方向に対向して配置される。更に、橋軸直角方向の一端側に配設された受容構造10乃至90においては、閉止部13が位置決め部12よりも橋軸直角方向の一端側に配置される。更に、橋軸直角方向の他端側に配設された受容構造10乃至90においては、閉止部13が位置決め部12よりも橋軸直角方向の他端側に配置される。
【0125】
従って、第11の実施の形態の受容構造110は、ベース部81に設けられたいずれの受容構造10乃至90においても、一対のガイド部11,11と位置決め部12とで形成する枠状の開口部が、橋軸直角方向の外側を向いて配置される。これにより、第11の実施の形態の受容構造110は、支承装置2を交換するときに、支承装置2を、上方に橋桁210aが無い、橋桁210aの橋軸直角方向から挿入及び取り外すことが出来る。従って、第11の実施の形態の受容構造110は、橋桁210aと橋脚220aとの間のスペースが著しく狭い場合や橋桁210aの橋軸直角方向側に大型機械を配置して、この大型機械を用いて支承装置2の交換作業を行う場合などにおいても容易に支承装置2の交換作業を行うことが出来る。
【0126】
<3−12 第12の実施の形態>
【0127】
図26に示すように、第12の実施の形態の受容構造120は、鉛直方向に対して傾斜した傾斜面121aを有する防脱部121が形成されている。
【0128】
具体的に、この防脱部121は、鉛直方向に対して傾斜した傾斜面121aと、この傾斜面121aと連続する平面121bとを有する。傾斜面121aは、ガイド部11、位置決め部12及び閉止部13の底面11d,12d,13d側から上面11c,12c,13c側に向かうに従って、直線状に幅広となるように形成されている。平面121bは、傾斜面121aと連続し、鉛直方向に平行な平坦面である。
【0129】
このような第12の実施の形態の受容構造120は、防脱部121の傾斜面121aに支承装置2の被係合部4の上面と側面とから成る角部が係合されることで、支承装置2を水平方向及び鉛直方向にガイドするとともに、傾斜面121aだけで支承装置2から入力される水平荷重及び鉛直荷重の両方に対抗することができ、支承装置2の抜脱を防止することが出来る。
【0130】
なお、図27に示すように、防脱部121は、傾斜面121aだけを有してもよい。この傾斜面121aだけを有する防脱部121は、第1乃至第11の実施の形態の防脱部51よりも、更には上記傾斜面121aと平面121bとを有する場合よりも、高さ方向(鉛直方向)の大きさを小さくすることが出来る。これにより、第12の実施の形態の受容構造120は、第1乃至第11の実施の形態の受容構造10乃至110よりも、小型化及び軽量化を図ることが出来る。
【0131】
更に、図28に示すように、支承装置2の被係合部4に、防脱部121の傾斜面121aに対応する傾斜面122を設け、防脱部121の傾斜面121aと被係合部4の傾斜面122とが面接触して係合するように設けてもよい。これにより、支承装置2は、防脱部121の傾斜面121aと被係合部4の角部で点接触するよりも、被係合部4の破損を防止することが出来る。
【0132】
<3−13 第13の実施の形態>
【0133】
図29に示すように、第13の実施の形態の受容構造130は、第12の実施の形態の防脱部121が直線状に傾斜した傾斜面121aを有するのに対して、曲線状に傾斜して湾曲した湾曲面131aを有している。
【0134】
具体的に、第13の実施の形態の受容構造130の防脱部131は、鉛直方向に対して湾曲した湾曲面131aと、この湾曲面131aと連続する平面131bとを有する。湾曲面131aは、ガイド部11、位置決め部12及び閉止部13の底面11d,12d,13d側から上面11c,12c,13c側に向かうに従って、曲線状に幅広となるように内側に湾曲されている。平面131bは、湾曲面131aと連続し、鉛直方向に平行な平坦面である。
【0135】
このような第13の実施の形態の受容構造130は、第12の実施の形態の防脱部121と同様に、防脱部131の湾曲面131aに支承装置2の被係合部4の上面と側面とから成る角部が係合されることで、支承装置2を水平方向及び鉛直方向にガイドするとともに、湾曲面131aだけで支承装置2から入力される水平荷重及び鉛直荷重の両方に対抗することができ、支承装置2の抜脱を防止することが出来る。
【0136】
なお、図30に示すように、防脱部131の湾曲面131aは、外側に湾曲されるようにしてもよい。この外側に湾曲された湾曲面131aを有する防脱部131は、上記内側に湾曲された湾曲面131aを有する場合と同様に、湾曲面131aに支承装置2の被係合部4の上面と側面とから成る角部が係合されることで、支承装置2を水平方向及び鉛直方向にガイドするとともに、湾曲面131aだけで支承装置2から入力される水平荷重及び鉛直荷重の両方に対抗することができ、支承装置2の抜脱を防止することが出来る。
【0137】
更に、図31及び図32に示すように、防脱部131は、内側又は外側に湾曲された湾曲面131aだけを有してもよい。この内側又は外側に湾曲された湾曲面131aだけを有する防脱部131は、第1乃至第11の実施の形態の防脱部51よりも、更には上記湾曲面131aと平面131bとを有する場合よりも、高さ方向(鉛直方向)の大きさを小さくすることが出来る。これにより、第13の実施の形態の受容構造130は、第1乃至第11の実施の形態の受容構造10乃至110よりも、小型化及び軽量化を図ることが出来る。
【0138】
更に、図33に示すように、支承装置2の被係合部4に、防脱部131の内側に湾曲された湾曲面131aに対応する外側に湾曲された湾曲面132を設け、防脱部131の内側に湾曲された湾曲面131aと被係合部4の外側に湾曲された湾曲面132とが面接触して係合するように設けてもよい。更に、支承装置2の被係合部4に、防脱部131の外側に湾曲された湾曲面131aに対応する内側に湾曲された湾曲面132を設け、外側に湾曲された防脱部131の湾曲面131aと内側に湾曲された被係合部4の湾曲面132とが面接触して係合するように設けてもよい。いずれの場合においても、支承装置2は、防脱部131の湾曲面131aと被係合部4の角部で点接触するよりも、被係合部4の破損を防止することが出来る。
【0139】
<3−14 第14の実施の形態>
【0140】
第14の実施の形態の受容構造140は、表面の一部又は全部に、防錆処理又は被膜が施されている。
【0141】
例えば、図34に示すように、受容構造140は、ベース部81に、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13を取り付けた後に、これらの表面の全部に防錆処理又は被膜であるゴム被膜141が施されている。なお、ガイド部11,11、位置決め部12、閉止部13及びベース部81の全ての表面に、防錆処理又はゴム被膜141を施した後に、ベース部81に、ガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13を取り付けるようにしてもよい。更に、ゴム被膜141を施すことに限定されるものではなく、如何なる防錆処理及び被膜を施すようにしてもよい。
【0142】
このような第14の実施の形態の受容構造140は、第1乃至第13の実施の形態の受容構造10乃至130よりも、防錆性及び防塵性に優れ、長寿命化を図ることが出来る。
【0143】
<3−15 第15の実施の形態>
【0144】
第15の実施の形態の受容構造150は、第8の実施の形態において、ベース部81と別体のガイド部11,11と位置決め部12とが、ベース部81に固定されているのに対して、ベース部81に予め一体形成されている。
【0145】
具体的に、図35に示すように、ベース部81の短辺81e,81fには、それぞれ短辺81e,81f側に開口した矩形状の凹部151,151が形成されている。この凹部151の内奥部151aが、支承装置2の受容位置を規定する位置決め部12となり、凹部151内の対向する一対の側面151b,151bが、支承装置2をガイドするガイド部11,11となる。そして、閉止部13は、長さ方向の端面13a,13bに設けられた係合凸部53,53がガイド部11,11の一側面11e,11eと当接するように、凹部151の底面151c上に着脱可能に取り付けられる。
【0146】
従って、凹部の内奥部151aから成る位置決め部12と一対の側面151b,151bから成るガイド部11,11と閉止部13とで囲む領域が、受容領域14となり、第1乃至第14の実施の形態と同様に、支承装置2の底面2dとほぼ同じ形状で、ほぼ同じ大きさの矩形状に形成されている。
【0147】
更に、凹部151のガイド部11,11,位置決め部12及び閉止部13には、受容領域14側の一側面11e,12e,13eに、第5の実施の形態と同様に、受容領域14側に突出する防脱部51が一体形成されており、支承装置2の被係合部4と係合し、支承装置2の抜脱を防止する。更に、ガイド部11,11の防脱部51は、閉止部13の係合凸部53と係合し、閉止部13の抜脱を防止する。
【0148】
このような第15の実施の形態の受容構造150は、支承装置2の被係合部4を、受容領域14に挿入して、内奥部151aの位置決め部12までガイド部11,11に沿って摺動させ、支承装置2の被係合部4を位置決め部12に当接させて支承装置2の受容位置を規定し、支承装置2の受容位置を規定した状態で、閉止部13を、締結ボルトによってベース部81に取り付けることで、支承装置2を固定することが出来る。
【0149】
更に、第15の実施の形態の受容構造150は、ベース部81に凹部151が形成され、この凹部151の内奥部151aが位置決め部12となり、対向する側面151b,151bがガイド部11,11となることで、第8の実施の形態と比べて、構造を単純化することが出来る。
【0150】
なお、ベース部81に形成する第15の実施の形態の受容構造150の数及び配置の仕方については、上述したものに限定されるものではなく、第8の実施の形態のように、一つのベース部81に一つ形成するものでもよく、第10の実施の形態のように、一つのベース部81に複数個形成してもよい。また、第11の実施の形態のように、開口部を橋軸直角方向に向けて配置してもよい。更に、第9の実施の形態のように、凹部151の底面151c上に摺滑板91を設けるようにしてもよい。
【0151】
<3−16 第16の実施の形態>
【0152】
第16の実施の形態の受容構造160は、第15の実施の形態の受容構造150に受容される支承装置2の被係合部4が平面視で矩形状であるのに対して、円形状の被係合部4の支承装置2が受容される。
【0153】
具体的に、図36に示すように、ベース部81の短辺81e,81fには、それぞれ短辺81e,81f側に開口した略U字形状の凹部161,161が形成されている。この凹部161の円弧状の内奥部161aが、支承装置2の受容位置を規定する位置決め部12となり、凹部161内の対向する一対の側面161b,161bが、支承装置2をガイドするガイド部11,11となる。更に、閉止部13は、凹部161と対向する面が円弧状に形成されており、長さ方向の端面13a,13bに設けられた係合凸部53,53がガイド部11,11と当接するように、凹部161の底面161c上に着脱可能に取り付けられる。
【0154】
更に、凹部の円弧状の内奥部161aから成る位置決め部12と円弧状の閉止部13とで囲む領域が、受容領域14となり、支承装置2の被係合部4とほぼ同じ形状で、ほぼ同じ大きさの円形状に形成されている。
【0155】
更に、凹部161のガイド部11,11、位置決め部12及び閉止部13には、受容領域14側の一側面11e,12e,13eに、第5の実施の形態と同様に、受容領域14側に突出する防脱部51が一体形成されている。位置決め部12及び閉止部13の防脱部51は、支承装置2の被係合部4と係合し、支承装置2の抜脱を防止する。更に、ガイド部11,11の防脱部51は、閉止部13の係合凸部53と係合し、閉止部13の抜脱を防止する。
【0156】
このような第16の実施の形態の受容構造160は、支承装置2の被係合部4を、受容領域14に挿入して、内奥部161aの位置決め部12,12までガイド部11,11に沿って摺動させ、支承装置2の被係合部4を位置決め部12に当接させて支承装置2の受容位置を規定し、支承装置2の受容位置を規定した状態で、閉止部13を、締結ボルトによってベース部81に取り付けることで、支承装置2を固定させることが出来る。
【0157】
更に、第16の実施の形態の受容構造160は、ベース部81に凹部161が形成され、この凹部161の内奥部161aが位置決め部12となり、対向する側面161b,161bがガイド部11,11となることで、第8の実施の形態と比べて、構造を単純化することが出来る。
【0158】
なお、ベース部81に形成する第16の実施の形態の受容構造160の数及び配置の仕方については、上述したものに限定されるものではなく、第8の実施の形態のように、一つのベース部81に一つ形成するものでもよく、第10の実施の形態のように、一つのベース部81に複数個形成してもよい。また、第11の実施の形態のように、開口部を橋軸直角方向に向けて配置してもよい。更に、第9の実施の形態のように、凹部161の底面161c上に摺滑板91を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0159】
1 支承装置用レセプター構造、2 カートリッジ型支承装置、3 本体部、4 被係合部、10 受容構造、11 ガイド部、12 位置決め部、13 閉止部、14 受容領域、20 受容構造、30 受容構造、40 受容構造、50 受容構造、51 防脱部、52 壁部、53 係合凸部、54 空間、60 受容構造、61 防脱部、70 受容構造、71 アンカーボルト、72 貫通孔、73 ナット、74 セットボルト、75 貫通孔、76 貫通孔、77 ナット、80 受容構造、81 ベース部、82 貫通孔、90 受容構造、91 摺滑板、92 貫通孔、93 せん断キー部、94 嵌合穴、100 受容構造、110 受容構造、120 受容構造、121 防脱部、121a 傾斜面、121b 平面、122 傾斜面、130 受容構造、131 防脱部、131a 湾曲面、131b 平面、132 湾曲面、140 受容構造、141 ゴム被膜、150 受容構造、151 凹部、151a 内奥部、151b 側面、151c 底面、160 受容構造、161 凹部、161a 内奥部、161b 側面、161c 底面、200 構造物、200a 橋梁、210 上部構造体、210a 橋桁、210b 建造物、220 下部構造体、220a 橋脚、220b 基礎部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被係合部を有する一つ以上の支承装置を着脱可能にガイドするガイド部と、前記支承装置の受容位置を規定する位置決め部と、前記支承装置を前記受容位置で固定的に保持する閉止部とを有する受容構造を備え、前記被係合部を着脱可能に受容して前記支承装置を固定的に保持することを特徴とする支承装置用レセプター構造。
【請求項2】
前記ガイド部と前記位置決め部と前記閉止部とが、連続的又は断続的に前記被係合部を囲繞するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項3】
前記受容構造は、前記支承装置の抜脱を防止する防脱部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項4】
前記ガイド部、前記位置決め部、前記閉止部のうち少なくとも一つ以上には、防脱部が一体的に設けられ、この防脱部が前記被係合部に係合して前記支承装置の抜脱が防止されることを特徴とする請求項3に記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項5】
前記ガイド部と前記位置決め部とが、一体的に設けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項6】
前記ガイド部と前記位置決め部とは、一部が開口した枠状に設定され、この開口部位に前記閉止部が着脱可能に配設されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項7】
前記受容構造は、ベース部を備え、前記ガイド部、又は前記ガイド部と前記位置決め部とが前記ベース部に配設されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項8】
前記ベース部は、前記支承装置を保持する側の表面が該支承装置を摺動可能とする摺滑面とされることを特徴とする請求項7に記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項9】
前記受容構造は、下部構造体に配置固定されることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項10】
前記受容構造は、上部構造体に配置固定されることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項11】
前記受容構造は、下部構造体に配置固定される第一の受容構造と、この第一の受容構造に対向して上部構造体に配置固定される第二の受容構造とを有することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項12】
前記受容構造は、複数設定され、それぞれが個々の前記支承装置を受容可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項13】
前記開口部位は、前記支承装置を橋軸直角方向に移動させて着脱することが出来るように位置設定されることを特徴とする請求項6乃至12の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項14】
前記防脱部は、鉛直方向に立設され前記支承装置を水平方向にガイドする壁部と、この壁部の鉛直方向端から水平方向に延設され該支承装置を鉛直方向にガイドする水平部とを有し、前記壁部は前記支承装置から入力される水平荷重を支持し、前記水平部は前記支承装置から入力される上揚力等の鉛直荷重を支持して該支承装置の抜脱を防止することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項15】
前記防脱部は、前記支承装置の剪断方向に対して傾斜した傾斜面を有し、この傾斜面が該支承装置をガイドすると共に、該支承装置の抜脱を防止することを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項16】
前記防脱部は、湾曲面を有し、この湾曲面が前記支承装置をガイドすると共に、該支承装置の抜脱を防止することを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項17】
前記受容構造は、表面の一部又は全部に、防錆処理又は被覆が施されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の支承装置用レセプター構造。
【請求項18】
支承機能を有する本体部と、
前記本体部の鉛直荷重方向の少なくとも一端部に設けられ、構造物の受容構造に係合される被係合部とを備え、
前記受容構造は、受容される支承装置を着脱可能にガイドするガイド部と、前記受容される支承装置の受容位置を規定する位置決め部と、前記受容される支承装置を前記受容位置で固定的に保持する閉止部とを有し、
当該カートリッジ型支承装置は、前記受容構造に対して、前記被係合部が着脱可能に受容されて固定的に保持されることを特徴とするカートリッジ型支承装置。
【請求項19】
前記被係合部は、前記受容構造の防脱部に係合されて抜脱が防止されることを特徴とする請求項18に記載のカートリッジ型支承装置。
【請求項20】
前記被係合部は、前記支承装置の対向する両端部のそれぞれに設けられることを特徴とする請求項18又は19に記載のカートリッジ型支承装置。
【請求項21】
前記被係合部は、前記支承装置の端部の周回上に亘って設けられることを特徴とする請求項18乃至20の何れかに記載のカートリッジ型支承装置。
【請求項22】
前記被係合部は、前記支承装置の剪断方向に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とする請求項18乃至21の何れかに記載のカートリッジ型支承装置。
【請求項23】
前記被係合部は、丸く形成された曲面を有することを特徴とする請求項18乃至22の何れかに記載のカートリッジ型支承装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−197599(P2012−197599A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62365(P2011−62365)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(509338994)株式会社IHIインフラシステム (104)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【出願人】(510202167)Next Innovation合同会社 (30)
【Fターム(参考)】