カートリッジ式プランター
【課題】 土壌を使用する必要が無く取り扱いが簡便かつ衛生的で、かつ、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができ、しかも、観葉植物の交換や水やり等のメンテナンスも容易なカートリッジ式プランターを提供すること。
【解決手段】 観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、複数の差込孔11・11…を列設する一方、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回されて抱持した状態で、筒体2の内側に挿入して、かつ、これらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体1の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬可能に構成するという技術的手段を採用した。
【解決手段】 観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、複数の差込孔11・11…を列設する一方、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回されて抱持した状態で、筒体2の内側に挿入して、かつ、これらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体1の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬可能に構成するという技術的手段を採用した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化プランターの改良、更に詳しくは、土壌を使用する必要が無く取り扱いが簡便かつ衛生的で、かつ、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができ、しかも、観葉植物の交換や水やり等のメンテナンスも容易なカートリッジ式プランターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、近年では、「ヒートアイランド現象(人工排熱の増加、人工被覆の増加および自然空間の喪失という都市における人工化の過剰な進展から生ずる、熱大気汚染をいう。)」が環境問題となっており、熱中症などの健康影響や二酸化炭素排出量の増加などの影響をもたらすおそれがあるため、その対策として、ビルディングの屋上や壁面などに花壇やプランターなどを設置する緑化運動が盛んに行われている。
【0003】
従来、このような緑化のために構成された構造体として、パイプ状の部材の内部に形成された中空部分に観葉植物を植栽し、適宜連結して使用するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、かかる構造の植栽プランターは、植物を植えるための土壌を容器内に収容しているため、この土壌を交換するのに非常に手間がかかるし、土がこぼれて周囲を汚してしまうというおそれがある。
【0005】
また、観葉植物を土壌に埋設してしまうために、展示できる植物の種類が限定されてしまうし、一部が枯れたり模様替えのために植物を交換しようとする場合にも、その都度土壌を掘り返したり入れ換えたりせねばならず、非常に手間がかかってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−254620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の植栽プランターに上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、土壌を使用する必要が無く取り扱いが簡便かつ衛生的で、かつ、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができ、しかも、観葉植物の交換や水やり等のメンテナンスも容易なカートリッジ式プランターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、複数の差込孔11・11…を列設する一方、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回されて抱持した状態で、筒体2の内側に挿入して、かつ、これらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体1の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬可能に構成するという技術的手段を採用したことによって、カートリッジ式プランターを完成させた。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の上面および下面にそれぞれ給水孔12および排水孔13を形成するという技術的手段を採用することができる。
【0011】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の内部には、収容水位が所定を超えて高くなったとき、排出させる水位保持用の吐き口14を設けるという技術的手段を採用することができる。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2を下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成するという技術的手段を採用することができる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2の下端部に切欠部21を形成するという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の差込孔11内に、筒体2を傾斜させた状態で嵌挿可能にするという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、吸水マット3をアクリル製糸とポリエチレンテレフタレート製糸とを混合して絡ませて構成された不織布にするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1内部の底面にゼオライトを敷設可能にするという技術的手段を採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体の上部には、複数の差込孔を列設する一方、観葉植物の根部を吸水マットにより巻回して抱持した状態で、筒体の内側に挿入して、かつ、これらの筒体を前記容器本体の差込孔にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マットの下端部に浸漬可能に構成したことによって、土壌を使用する必要が無いために、簡便かつ衛生的に取り扱うことができる。
【0018】
また、本発明のカートリッジ式プランターによれば、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができて観葉植物の交換が容易であり、また、必要に応じて、容器本体を複数連結して壁面等に設置することができるし、更に、潅水装置を設置することによって、水やり等のメンテナンスも容易になることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態のプランターを表わす分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす正面図である。
【図6】本発明の実施形態の筒体の変形例を表わす正面図である。
【図7】本発明の実施形態の容器本体の変形例を表わす斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態の容器本体を表わす斜視正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態のプランターを表わす説明断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態のプランターの使用状態を表わす側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態のプランターの使用状態を表わす側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明すると、次のとおりである。
【0021】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図7に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものは容器本体であり、この容器本体1は、塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)などの熱可塑性のプラスチック材料により長手の有底中空状に成形して、上部には、複数の差込孔11・11…を列設する。
【0022】
また、符号2で指示するものは筒体であり、この筒体2は、塩化ビニルやポリエチレンなどの熱可塑性のプラスチック材料により筒状に成形し、本実施形態では、円筒状に成形する。
【0023】
更にまた、符号3で指示するものは吸水マットであり、この吸水マット3は、間隙を有して保水性を有するシート状の部材であって、本実施形態では、アクリル(PMMA)製糸とポリエチレンテレフタレート(PET)製糸とを混合して絡ませて構成された不織布を採用する。
【0024】
このアクリル製糸は、糸自体が吸水性を有するとともに、捲縮した糸間にも保水性を有する。また、ポリエチレンテレフタレート製糸は、適度な剛性を有しつゝ捲縮しており、この捲縮により糸間に空気層を形成する。そしてこれら異種の糸を混合(例えば重量比1:1)して絡ませることによって保水性および空気層の両方を併せ持つマット部材が構成される。なお、保水性を有する糸の材料としては、レーヨンを採用することもでき、また、空気層を形成する糸の材料としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)を採用することもできる。
【0025】
しかして、本実施形態は、観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、構成するにあっては、まず、プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、開口した複数の差込孔11・11…を列設する。本実施形態では、容器本体1を直棒状に成形するとともに、差込孔11を一列の直線上に列設する。
【0026】
次に、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回して抱持した状態で、筒体2の内側に挿入する。本実施形態では、観葉植物Pの根部の周囲を吸水マット3により数回巻回して抱持する(図2参照)。
【0027】
然る後、観葉植物Pおよび吸水マット3を収容したこれらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ嵌挿する(図3参照)。
【0028】
そして、前記容器本体1の内部には水が充填可能であって、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬することができる。
【0029】
本実施形態では、容器本体1の上面および下面にそれぞれ給水孔12および排水孔13を形成することができ、図4および図5に示すように、複数の容器本体1を上下に連結することができる。この際、ポンプ等の潅水装置Wを適宜配置して、容器本体1の内部に水を送入して観葉植物Pに水を供給することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、筒体2の形状を図6に示すように適宜変更することができる。まず、筒体2を下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成することができ、筒体2に挿入した観葉植物Pおよび吸水マット3を圧縮保持することができ、筒体2への着脱の際に吸水マット3の抜け落ちを防止して一体に取り扱うことができる。
【0031】
また、筒体2の下端部に切欠部21を形成することができ、筒体2の下端が容器本体1の底面に接していても、当該筒体2の下端が塞がることなくこの切欠部21から通水することができる。更にまた、上端部にフランジ22を形成して、差込孔11の開口部に掛止できるようにすることもできる。そしてまた、胴部に通気孔23を形成して、空気を通り易くすることもできる。
【0032】
更に、本実施形態では、容器本体1内部の底面に粒状またはシート状のゼオライトを敷設することもでき、根腐れを防止することができる。
【0033】
更にまた、本実施形態では、図7に示すように、容器本体1をブロー成形によって中空に形成することもでき、この際、差込孔11は適宜刳り抜いて形成する。こうすることによって、製造工程を簡素化するでき、かつ、軽量化することができる。
【0034】
『第2実施形態』
本発明の第2実施形態を図8から図11に基づいて説明する。本実施形態では、容器本体1の差込孔11内に、筒体2を傾斜した状態で嵌挿可能にする。この際、筒体2が容器本体1の底面に適合するように下端部も斜めにする(図8および図9参照)。
【0035】
このように構成することによって、図10に示すように、容器本体1を上下に連結した場合においても、省スペースで多くの観葉植物Pを配置することができる。なお、本実施形態においても、図11に示すように、適宜、潅水装置Wを配置することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、容器本体1内部の底面に水位保持用の吐き口14を設けることができ、収容水位が所定を超えて高くなったとき、この吐き口14の上端レベルを超えた水を排水孔13から排出させることによって、容器本体1内の適切な水位を保つことができる。
【0037】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、容器本体1は、直棒状のものに限らず、L字型のものや曲線状のものを採用することができるし、また、差込孔11の配列も一直線状に限らず、複数列や千鳥状にすることもできる。
【0038】
更にまた、吸水マット3には、連続気泡を有して吸水性のあるプラスチック製スポンジ部材などを採用することもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0039】
1 容器本体
11 差込孔
12 給水孔
13 排水孔
14 吐き口
2 筒体
21 切欠部
22 フランジ
23 通気孔
3 吸水マット
P 観葉植物
W 潅水装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化プランターの改良、更に詳しくは、土壌を使用する必要が無く取り扱いが簡便かつ衛生的で、かつ、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができ、しかも、観葉植物の交換や水やり等のメンテナンスも容易なカートリッジ式プランターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、近年では、「ヒートアイランド現象(人工排熱の増加、人工被覆の増加および自然空間の喪失という都市における人工化の過剰な進展から生ずる、熱大気汚染をいう。)」が環境問題となっており、熱中症などの健康影響や二酸化炭素排出量の増加などの影響をもたらすおそれがあるため、その対策として、ビルディングの屋上や壁面などに花壇やプランターなどを設置する緑化運動が盛んに行われている。
【0003】
従来、このような緑化のために構成された構造体として、パイプ状の部材の内部に形成された中空部分に観葉植物を植栽し、適宜連結して使用するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、かかる構造の植栽プランターは、植物を植えるための土壌を容器内に収容しているため、この土壌を交換するのに非常に手間がかかるし、土がこぼれて周囲を汚してしまうというおそれがある。
【0005】
また、観葉植物を土壌に埋設してしまうために、展示できる植物の種類が限定されてしまうし、一部が枯れたり模様替えのために植物を交換しようとする場合にも、その都度土壌を掘り返したり入れ換えたりせねばならず、非常に手間がかかってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−254620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の植栽プランターに上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、土壌を使用する必要が無く取り扱いが簡便かつ衛生的で、かつ、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができ、しかも、観葉植物の交換や水やり等のメンテナンスも容易なカートリッジ式プランターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0009】
即ち、本発明は、観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、複数の差込孔11・11…を列設する一方、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回されて抱持した状態で、筒体2の内側に挿入して、かつ、これらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体1の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬可能に構成するという技術的手段を採用したことによって、カートリッジ式プランターを完成させた。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の上面および下面にそれぞれ給水孔12および排水孔13を形成するという技術的手段を採用することができる。
【0011】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の内部には、収容水位が所定を超えて高くなったとき、排出させる水位保持用の吐き口14を設けるという技術的手段を採用することができる。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2を下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成するという技術的手段を採用することができる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、筒体2の下端部に切欠部21を形成するという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1の差込孔11内に、筒体2を傾斜させた状態で嵌挿可能にするという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、吸水マット3をアクリル製糸とポリエチレンテレフタレート製糸とを混合して絡ませて構成された不織布にするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、容器本体1内部の底面にゼオライトを敷設可能にするという技術的手段を採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体の上部には、複数の差込孔を列設する一方、観葉植物の根部を吸水マットにより巻回して抱持した状態で、筒体の内側に挿入して、かつ、これらの筒体を前記容器本体の差込孔にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能にするとともに、前記容器本体の内部には水を充填可能にして、少なくとも前記吸水マットの下端部に浸漬可能に構成したことによって、土壌を使用する必要が無いために、簡便かつ衛生的に取り扱うことができる。
【0018】
また、本発明のカートリッジ式プランターによれば、観葉植物を任意の組み合わせで飾ることができて観葉植物の交換が容易であり、また、必要に応じて、容器本体を複数連結して壁面等に設置することができるし、更に、潅水装置を設置することによって、水やり等のメンテナンスも容易になることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態のプランターを表わす分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のプランターの使用状態を表わす正面図である。
【図6】本発明の実施形態の筒体の変形例を表わす正面図である。
【図7】本発明の実施形態の容器本体の変形例を表わす斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態の容器本体を表わす斜視正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態のプランターを表わす説明断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態のプランターの使用状態を表わす側面図である。
【図11】本発明の第2実施形態のプランターの使用状態を表わす側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明すると、次のとおりである。
【0021】
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図7に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものは容器本体であり、この容器本体1は、塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)などの熱可塑性のプラスチック材料により長手の有底中空状に成形して、上部には、複数の差込孔11・11…を列設する。
【0022】
また、符号2で指示するものは筒体であり、この筒体2は、塩化ビニルやポリエチレンなどの熱可塑性のプラスチック材料により筒状に成形し、本実施形態では、円筒状に成形する。
【0023】
更にまた、符号3で指示するものは吸水マットであり、この吸水マット3は、間隙を有して保水性を有するシート状の部材であって、本実施形態では、アクリル(PMMA)製糸とポリエチレンテレフタレート(PET)製糸とを混合して絡ませて構成された不織布を採用する。
【0024】
このアクリル製糸は、糸自体が吸水性を有するとともに、捲縮した糸間にも保水性を有する。また、ポリエチレンテレフタレート製糸は、適度な剛性を有しつゝ捲縮しており、この捲縮により糸間に空気層を形成する。そしてこれら異種の糸を混合(例えば重量比1:1)して絡ませることによって保水性および空気層の両方を併せ持つマット部材が構成される。なお、保水性を有する糸の材料としては、レーヨンを採用することもでき、また、空気層を形成する糸の材料としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)を採用することもできる。
【0025】
しかして、本実施形態は、観葉植物Pを植栽するためのプランターであって、構成するにあっては、まず、プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体1の上部には、開口した複数の差込孔11・11…を列設する。本実施形態では、容器本体1を直棒状に成形するとともに、差込孔11を一列の直線上に列設する。
【0026】
次に、観葉植物Pの根部を吸水マット3により巻回して抱持した状態で、筒体2の内側に挿入する。本実施形態では、観葉植物Pの根部の周囲を吸水マット3により数回巻回して抱持する(図2参照)。
【0027】
然る後、観葉植物Pおよび吸水マット3を収容したこれらの筒体2・2…を前記容器本体1の差込孔11・11…にそれぞれ嵌挿する(図3参照)。
【0028】
そして、前記容器本体1の内部には水が充填可能であって、少なくとも前記吸水マット3の下端部に浸漬することができる。
【0029】
本実施形態では、容器本体1の上面および下面にそれぞれ給水孔12および排水孔13を形成することができ、図4および図5に示すように、複数の容器本体1を上下に連結することができる。この際、ポンプ等の潅水装置Wを適宜配置して、容器本体1の内部に水を送入して観葉植物Pに水を供給することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、筒体2の形状を図6に示すように適宜変更することができる。まず、筒体2を下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成することができ、筒体2に挿入した観葉植物Pおよび吸水マット3を圧縮保持することができ、筒体2への着脱の際に吸水マット3の抜け落ちを防止して一体に取り扱うことができる。
【0031】
また、筒体2の下端部に切欠部21を形成することができ、筒体2の下端が容器本体1の底面に接していても、当該筒体2の下端が塞がることなくこの切欠部21から通水することができる。更にまた、上端部にフランジ22を形成して、差込孔11の開口部に掛止できるようにすることもできる。そしてまた、胴部に通気孔23を形成して、空気を通り易くすることもできる。
【0032】
更に、本実施形態では、容器本体1内部の底面に粒状またはシート状のゼオライトを敷設することもでき、根腐れを防止することができる。
【0033】
更にまた、本実施形態では、図7に示すように、容器本体1をブロー成形によって中空に形成することもでき、この際、差込孔11は適宜刳り抜いて形成する。こうすることによって、製造工程を簡素化するでき、かつ、軽量化することができる。
【0034】
『第2実施形態』
本発明の第2実施形態を図8から図11に基づいて説明する。本実施形態では、容器本体1の差込孔11内に、筒体2を傾斜した状態で嵌挿可能にする。この際、筒体2が容器本体1の底面に適合するように下端部も斜めにする(図8および図9参照)。
【0035】
このように構成することによって、図10に示すように、容器本体1を上下に連結した場合においても、省スペースで多くの観葉植物Pを配置することができる。なお、本実施形態においても、図11に示すように、適宜、潅水装置Wを配置することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、容器本体1内部の底面に水位保持用の吐き口14を設けることができ、収容水位が所定を超えて高くなったとき、この吐き口14の上端レベルを超えた水を排水孔13から排出させることによって、容器本体1内の適切な水位を保つことができる。
【0037】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、容器本体1は、直棒状のものに限らず、L字型のものや曲線状のものを採用することができるし、また、差込孔11の配列も一直線状に限らず、複数列や千鳥状にすることもできる。
【0038】
更にまた、吸水マット3には、連続気泡を有して吸水性のあるプラスチック製スポンジ部材などを採用することもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0039】
1 容器本体
11 差込孔
12 給水孔
13 排水孔
14 吐き口
2 筒体
21 切欠部
22 フランジ
23 通気孔
3 吸水マット
P 観葉植物
W 潅水装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観葉植物(P)を植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体(1)の上部には、複数の差込孔(11・11…)が列設されている一方、
観葉植物(P)の根部が吸水マット(3)により巻回されて抱持された状態で、筒体(2)の内側に挿入されており、かつ、これらの筒体(2・2…)が前記容器本体(1)の差込孔(11・11…)にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能であるとともに、
前記容器本体(1)の内部には水が充填可能であって、少なくとも前記吸水マット(3)の下端部に浸漬可能に構成したことを特徴とするカートリッジ式プランター。
【請求項2】
容器本体(1)の上面および下面にそれぞれ給水孔(12)および排水孔(13)が形成されていることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ式プランター。
【請求項3】
容器本体(1)の内部には、収容水位が所定を超えて高くなったとき、排出させる水位保持用の吐き口(14)が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のカートリッジ式プランター。
【請求項4】
筒体(2)が下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項5】
筒体(2)の下端部に切欠部(21)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項6】
容器本体(1)の差込孔(11)内に、筒体(2)が傾斜した状態で嵌挿可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項7】
吸水マット(3)がアクリル製糸とポリエチレンテレフタレート製糸とを混合して絡ませて構成された不織布であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項8】
容器本体(1)内部の底面にゼオライトが敷設可能であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項1】
観葉植物(P)を植栽するためのプランターであって、
プラスチック材料により長手の有底中空状に成形された容器本体(1)の上部には、複数の差込孔(11・11…)が列設されている一方、
観葉植物(P)の根部が吸水マット(3)により巻回されて抱持された状態で、筒体(2)の内側に挿入されており、かつ、これらの筒体(2・2…)が前記容器本体(1)の差込孔(11・11…)にそれぞれ着脱自在に嵌挿可能であるとともに、
前記容器本体(1)の内部には水が充填可能であって、少なくとも前記吸水マット(3)の下端部に浸漬可能に構成したことを特徴とするカートリッジ式プランター。
【請求項2】
容器本体(1)の上面および下面にそれぞれ給水孔(12)および排水孔(13)が形成されていることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ式プランター。
【請求項3】
容器本体(1)の内部には、収容水位が所定を超えて高くなったとき、排出させる水位保持用の吐き口(14)が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のカートリッジ式プランター。
【請求項4】
筒体(2)が下端部に向けて外径サイズが逓減するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項5】
筒体(2)の下端部に切欠部(21)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項6】
容器本体(1)の差込孔(11)内に、筒体(2)が傾斜した状態で嵌挿可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項7】
吸水マット(3)がアクリル製糸とポリエチレンテレフタレート製糸とを混合して絡ませて構成された不織布であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【請求項8】
容器本体(1)内部の底面にゼオライトが敷設可能であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載のカートリッジ式プランター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−94146(P2013−94146A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242224(P2011−242224)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(390014029)株式会社八木熊 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(390014029)株式会社八木熊 (31)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]