カートン
【課題】簡便な構成により、開閉操作を容易に行うことができるとともに、容器本体に蓋部を確実にロックすることができるカートンを提供する。
【解決手段】上面が開口部２１とされた容器本体２と、容器本体２の背面板２Ｂにヒンジ結合されて開口部２１を覆う開閉自在な蓋部３とを有するカートン１であり、蓋部３の前板３Ｂにつまみ片３１が下向きに突設されているとともに、つまみ片３１に係合片３２が設けられており、容器本体２の正面板２Ａには、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置にヒンジ係止板４が設けられているとともに、ヒンジ係止板４は、容器本体２の正面板２Ａから外部へ向けて起き上がるように形成されており、係合片３２がヒンジ係止板４に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部３が容器本体２に固定される。
【解決手段】上面が開口部２１とされた容器本体２と、容器本体２の背面板２Ｂにヒンジ結合されて開口部２１を覆う開閉自在な蓋部３とを有するカートン１であり、蓋部３の前板３Ｂにつまみ片３１が下向きに突設されているとともに、つまみ片３１に係合片３２が設けられており、容器本体２の正面板２Ａには、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置にヒンジ係止板４が設けられているとともに、ヒンジ係止板４は、容器本体２の正面板２Ａから外部へ向けて起き上がるように形成されており、係合片３２がヒンジ係止板４に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部３が容器本体２に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、粉末洗剤等の粉体やその他の固形物を収容するためのカートンに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、粉末洗剤等の粉体を収納するための収納容器として、厚紙製もしくはプラスチックフィルムをラミネートした厚紙製のカートンが広く用いられている。通常、このようなカートンは、上面が開口部とされた容器本体と、この開口部を覆う開閉式の蓋部とから概略構成されており、蓋部が容器本体に対してヒンジ部を回動支点として自由に開閉できるようになっている。また、このようなカートンでは、一般的に、洗剤がこぼれ落ちたり湿気を帯びたりするのを防止するため、蓋部に備えられたつまみ片に係合片が設けられ、該係合片を容器本体に形成された係合穴に挿入することにより、蓋部を係合固定する係合機構が備えられているものがある。
【０００３】
上述のようなカートンの係合機構として、例えば、つまみ片を回動することにより該つまみ片と一体になって回動する係合片を間隙内にコハゼ掛けに挿入し、開閉自在とされた蓋部を定位置にロックするようにしたものがある。そして、このような係合機構が備えられたカートンは、内部に粉末洗剤等が収容され、つまみ片裏側の概ね全体が、容器本体の正面板に対して、アクリル樹脂等によるホットメルト又は酢酸ビニル樹脂とエチレン酢酸ビニルとの混合物等による糊付によって接着されるか、あるいは、タックシール等を用いて封緘され、カートン入り商品として出荷されている。
そして、このようなカートンの初回使用時には、つまみ片を摘んで持ち上げることにより、前記つまみ片を容器本体の正面板から剥離させて開封し、開封後は、上述のような構成の係合機構により、容器本体の開口部を覆うように蓋部を被せて固定する。
【０００４】
上述のような係合機構が備えられたカートンとして、容器本体に係合穴が備えられ、蓋部につまみ片が備えられているとともに該つまみ片に係合片が設けられ、容器本体の背面側において前記蓋部がヒンジ結合されてなるカートンがある（例えば、特許文献１）。
特許文献１に記載のカートンは、上記構成により、容器本体に蓋部を確実にロックすることができるとともに、前記係合片を係合穴に係止させる際、コハゼ掛けがし易く開閉操作が容易であるという効果がある。
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載されたような従来のカートンでは、蓋部を開閉する際に、上記係止機構のロック並びに解除操作を行うのが面倒であるという問題があった。また、蓋部の開閉回数が多くなるにつれて保持力が弱まったりする虞があり、蓋部を閉めた際のロック状態が不完全となるという問題があった。
【特許文献１】特開２００５−２０００５９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便な構成により、開閉操作を容易に行うことができるとともに、容器本体に蓋部を確実にロックすることができるカートンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者等が、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、カートンの容器本体の正面板にヒンジ状の係止板を設け、蓋部のつまみ片に設けられた係合片をヒンジ係止板によって係止する構成とすることにより、開閉操作を容易に行なうことができるとともに、確実にロックすることが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【０００８】
本発明は、上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片に係合片が設けられており、前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置にヒンジ係止板が設けられているとともに、該ヒンジ係止板は、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されており、前記係合片が前記ヒンジ係止板に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートンを提供する。
【０００９】
また、本発明のカートンは、前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成される構成とすることができる。
【００１０】
本発明は、上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片の裏側に突起状の係合片が設けられており、前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置に、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板が設けられており、前記ヒンジ係止板には、前記蓋部を閉めた状態とした際に前記係合片が係合される係合孔が形成されており、前記係合片が前記ヒンジ係止板に形成された係合孔に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートンを提供する。
【００１１】
また、本発明のカートンは、前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成された構成とすることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明のカートンによれば、上述のように、カートンの容器本体の正面板にヒンジ係止板を設け、蓋部のつまみ片に設けられた係合片をヒンジ係止板によって係止する構成とすることにより、容易に開閉操作を行なうことができるとともに、容器本体に対して蓋部を確実にロックすることが可能となる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係るカートンの実施の形態について、図１〜１６を適宜参照しながら説明する。
【００１４】
［第１の実施形態］
本発明に係る第１の実施形態のカートン１は、図１に示すように、上面が開口部２１とされた容器本体２と、この容器本体２の背面板２Ｂにヒンジ結合されて開口部２１を覆う開閉自在な蓋部３とを有し、蓋部３の前板３Ｂにつまみ片３１が下向きに突設されているとともに、つまみ片３１に係合片３２が設けられており、容器本体２の正面板２Ａには、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置にヒンジ係止板４が設けられているとともに、ヒンジ係止板４は、容器本体２の正面板２Ａから外部へ向けて起き上がるように形成され、概略構成されている。
また、図１に示す本実施形態のカートン１は、容器本体２の正面板２Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板４は、正面板２Ａに切込部４１ａ、４１ｂが設けられることにより、正面板２Ａの一部が外部へ向けて立ち上げるように形成されている。
【００１５】
本実施形態のカートン１は、蓋部３のつまみ片３１に係合片３２が設けられているとともに、容器本体２の正面板２Ａに上述のようなヒンジ係止板４が設けられてなるので、係合片３２がヒンジ係止板４に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部３が容器本体２に固定される。これにより、例えば、カートン１を初回使用時に開封した後に開閉操作を行う際、操作が容易になるとともに、容器本体２に対して蓋部３を確実にロックすることができるというものである。
以下、本実施形態のカートン１について詳述する。
【００１６】
容器本体２及び蓋部３を構成する材料としては、板紙を主原料とした紙素材を用いることができる。このような紙素材としては、板紙にポリエチレン等のプラスチックフィルムをラミネート（ＰＥサンド）したものや、板紙にワックスコートしたもの等を用いることができる。なお、紙素材の米坪量としては４００〜７００ｇ／ｍ２の範囲が好ましく、より好ましくは５５０〜６５０ｇ／ｍ２である。
【００１７】
容器本体２は、図２に示すように、正面板２Ａ、背面板２Ｂ、左右２枚の側面板２Ｃ，２Ｃ及び４枚の底面板２２を有し、これらが組み立てられて接着されることにより、図１に示すような、上面が開口された箱状のカートン容器とされている。
【００１８】
図１及び図２に示すように、開口部２１には、正面フラップ６Ａ、背面フラップ６Ｂ、左右２枚の側面フラップ６Ｃ，６Ｃが備えられている。そして、４枚のフラップ６Ａ〜６Ｃを内側に折り返し、容器本体２の内壁面に接着することにより、開口部２１の口縁の強化を図るとともに、正面板２Ａの略上部中央位置には、係合凹部２３が、容器本体２の正面板２Ａに形成された穴部２３ａと正面板２Ａの内壁面に貼着された正面フラップ６Ａによって形成されている。
【００１９】
本実施形態のカートン１に備えられる係合凹部２３は、詳細を後述するつまみ片３１に設けられた係合片３２をヒンジ係止板４に係止させて蓋部３を容器本体２に対して閉蓋位置で固定する際に、係合片３２が挿入される逃げ代として設けられるものであり、係合片３２の先端３２ａが挿入されてヒンジ係止板４に係止可能となるように設けられている。また、係合凹部２３は蓋部３を閉じた状態において係合片３２とほぼ相対する位置に形成されている。
また、本実施形態のカートン１は、係合凹部２３が、容器本体２の正面板２Ａに形成された穴部２３ａと正面板２Ａの内壁面に貼着された正面フラップ６Ａによって形成されている。
【００２０】
図２に示すように、容器本体２の背面板２Ｂの背面フラップ６Ｂと重なり合う位置には、背面板２Ｂの一部を上に凸状に切り込むことによって形成されたヒンジ板２０が供えられている。また、ヒンジ板２０の下端の中央部には、下に凸状の切り込み２０ｂが設けられ、切り込み２０ｂの両側には、折り曲げ罫線２０ａ、２０ａが設けられている。ヒンジ板２０は、切り込み２０ｂおよび折り曲げ罫線２０ａ、２０ａを回動支点として上下方向に回動自在とされている。そして、本実施形態においては、ヒンジ板２０が蓋部３の背面板３Ｄの内面に接着固定されることにより、蓋部３が回動自在に開閉できるように構成されている。また、図２に示すように、ヒンジ板２０は、中央部に切り込み２０ｂを入れ、ヒンジ板２０を折り曲げ罫線２０ａ、２０ａの形成部分のみで容器本体２にヒンジ連結することにより、蓋部３の戻り反発を抑えるとともに、蓋部３をスムーズに開閉できるようにされている。
【００２１】
また、４枚のフラップ６Ａ〜６Ｃは、内側に折り返されて容器本体２の内壁面に接着されるが、本実施形態では、正面フラップ６Ａの図２中に二点鎖線のハッチングで示されるハッチング部分６１、及び、背面フラップ６Ｂのヒンジ板２０と重なり合う部分については、接着剤が塗布されない構成としている。ここで、接着剤が塗布されないハッチング部分６１は、カートン１の初回使用時において、後述の手順で折り曲げられることにより、ヒンジ係止板４を構成する領域である。
【００２２】
また、正面フラップ６Ａ、並びに背面フラップ６Ｂ、左右２枚の側面フラップ６Ｃ，６Ｃは、表側から紙素材の半分の厚さ位まで切り込みを入れた表半切り線（ハーフカット）２６によって折り返すことにより、容器本体２の内壁面に接着されるように構成している。これにより、フラップ６Ａ〜６Ｃを内側に折り返した状態とした際に、表半切り線２６に沿って鋭角的に折り曲げられ、シャープな折り返し口縁部が形成される。
【００２３】
蓋部３は、図３（ａ）に示すように、天面板３Ａ、前板３Ｂ、左右２枚の側板３Ｃおよび背面板３Ｄとからなり、これらを組み立てて接着することにより、図１に示すように、容器本体２の開口部２１を覆う蓋部３とされている。
【００２４】
図３（ａ）に示すように、蓋部３を構成する前板３Ｂの下縁中央部には、舌片状をしたつまみ片３１が下向きに突設されている。また、つまみ片３１の左右の上端部３１Ａ，３１Ａを結ぶ水平ライン上の中央位置には、上に向かって凸状の係合片３２が切断線３３によって形成されている。さらに、切断線３３の左右の下端部３３Ａ、３３Ａとつまみ片３１の左右の上端部３１Ａ，３１Ａとの間には、水平な回動用折り罫線３４，３４が刻設されている。そして、つまみ片３１と係合片３２の全体が、左右の回動用折り罫線３４，３４を回動中心として前板３Ｂの内外方向に回動可能とされている。
また、図示例の係合片３２は、先端３２ａが角部にＲが付与された直線状の１辺として形成されているが、これには限定されず、例えば、円弧状に形成することにより、後述のヒンジ係止板４に係止させる際の操作がより容易になる。
【００２５】
なお、図３（ｂ）に示す例のように、つまみ片３１の下端部には、下向きに突設された凸状片３１ａが形成されていてもよい。さらに、つまみ片３１の下端部と凸状片３１ａとの境界位置には、凸状片３１ａの左右の端縁間を結んで水平な谷折り用罫線３５が形成されていてもよい。
図３（ｂ）に示すように、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、つまみ片３１の下端部の位置で谷折り用罫線３５に沿って谷折りに折り曲げて凸状片３１ａを引き起こすことができる。これにより、凸状片３１ａを容易につまむことができるので、係合片３２及びつまみ片３１を容易に操作することが可能となる。従って、係合片３２やつまみ片３１が、水平方向の剛性に優れた、へたりにくいものである場合でも優れた操作性が得られる。
【００２６】
本実施形態の蓋部３は、例えば、カートン１を初回使用時に開封した後、図８（ａ）に示すように、つまみ片３１を指先で掴んで外方へ向けて引っ張り上げてゆくことにより、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能となる。
ここで、図３（ｂ）に示すように、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、凸状片３１ａを指先で押し上げるようにすると、図７に示すように、凸状片３１ａが谷折り用罫線３５の位置で谷折りに折れ曲がり、凸状片３１ａが外方へ起きあがる。このため、凸状片３１ａを簡単につまめるようになり、凸状片３１ａを掴んだ指先に力が入りやすいので、つまみ片３１を簡単に引っ張り上げることが可能となる。また、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、初回以降の開閉操作においても、初回の使用時に形成される谷折り用罫線３５による折り曲げ癖によって、凸状片３１ａが外方へ向けて浮いているので、凸状片３１ａを簡単に掴むことができ、開閉操作をスムーズに行なうことができる。
【００２７】
また、切断線３３の左右の下端部３３Ａ，３３Ａと回動用折り罫線３４，３４との交差部には、応力分散用の半径０．５〜１．０ｍｍ程度の円弧状切り込み３６が形成されており、開閉操作時につまみ片３１や係合片３２に過剰な引っ張り力が作用しても、該円弧状切り込み３６によって応力を分散し、切断線３３の左右の下端部３３Ａ，３３Ａの位置からつまみ片３１や係合片３２が破れるようなことがないように構成している。
なお、図示例では、回動用折り罫線３４，３４は、円弧状切り込み３６と連接して形成されているが、これらが連接しない構成とすることもできる。
【００２８】
また、図５に示すように、蓋部３の背面板３Ｄにおいて、容器本体２の背面板２Ｂに形成されたヒンジ板２０と相対する面には、エンボス加工によって、容器本体２側に向かって所定の高さで突出するエンボス面３Ｅが形成されている。蓋部３の背面板３Ｄは、このエンボス面３Ｅによって容器本体２の背面板２Ｂのヒンジ板２０に接着されている。このようにヒンジ板２０と蓋部３の背面板３Ｄとを、容器本体２側に向かって突出するエンボス面３Ｅによって接着すると、カートン製造における接着工程での圧着性が向上し、蓋部３の背面板３Ｄとヒンジ板２０との接着性が改善され、より確実、かつ、より強固に接着することができる。また、エンボス面３Ｅの突出高さの分だけ蓋部３の全体が容器本体２の背面側に向けて引き寄せられるような状態となり、蓋部３の前面側が容器本体２により強く押し付けられるかたちとなるので、蓋部３と容器本体２のロックがより確実になるとともに、開口部２の密封性も向上する。
【００２９】
なお、蓋部３のつまみ片３１は、容器本体２内に粉末洗剤などの内容物を充填して開口部２１を封緘紙などでシールした後、容器本体２の正面板２Ａの上部に接着剤等を用いてつまみ片３１を接着固定するか、又は、シール等で固定され、製品として出荷される。なお、接着剤としてホットメルトタイプのものを使用する場合には、つまみ片３１が接着される部分の正面板２Ａの表面に複数条の浅いミシン目を入れ、接着剤が染み込むことによるミシン目のアンカー効果を発現させることで、より確実に接着することが望ましい。
【００３０】
ヒンジ係止板４は、上述したように、容器本体２の正面板２Ａに、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置に設けられるヒンジ状の係止板である。
本実施形態のカートン１では、初回使用時において、蓋部３に備えられたつまみ片３１を正面板２Ａから剥離させた際には、図６（ｂ）に示すように、ヒンジ係止板４は、正面板２Ａと同一面でフラットな状態とされている。この際、ヒンジ係止板４の裏側には、上述した正面フラップ６Ａのハッチング部分６１、つまり、接着材が塗布されていない領域が重ね合わせられている。
【００３１】
そして、初回使用時、図１０（ａ）に示すような正面板２Ａの一部を、切込部４１ａ、４１ｂで切断するとともに、正面板２Ａ上に形成された複数の切り込みからなる折曲線４２に沿って、容器本体２から外部へ向けて立ち上げるように折り曲げることにより、図１０（ｂ）に示すようなヒンジ係止板４として用いることができる。
ここで、切込部４１ａは、図示例のように、正面板２Ａの上部において、鉛直方向に延びる直線状で、上縁となる折り曲げ罫線２５に連通するように設けられる切り込みであり、切込部４１ｂは、正面板２Ａの上縁である折り曲げ線罫線２５の横幅方向略中央において、該折り曲げ線罫線２５に沿って設けられる切り込みである。
また、折曲線４２は、例えばミシン目等によって形成することができる。
【００３２】
ヒンジ係止板４の正面板２Ａに対する起き上がりの角度は、ヒンジ係止板４によって係合片３２を係止できる角度であれば良く、特に限定されないが、図１０（ｂ）に示すように、ヒンジ係止板４の先端部４ａ側が略斜め下方を向く状態において、正面板２Ａとの間の角度が２０°〜５０°の範囲であることが好ましく、２５°〜３５°の範囲であることがより好ましい。
【００３３】
また、本実施形態のヒンジ係止板４は、図１０（ａ）に示すように、正面板２Ａ上の２箇所に形成された折曲線４２が、係合凹部２３の上縁部２３ｂの両側に配された構成とされている。また、上縁部２３ｂと２箇所の折曲線４２との間には、傾斜した直線状の切込部４２ｃが形成されている。
【００３４】
上記構成により、正面板２Ａの一部を折曲線４２で折り曲げてヒンジ係止板４を形成する際には、ヒンジ係止部４の先端部４ａと反対側に配される上縁部２３ｂが、係合凹部２３内、つまり正面フラップ６Ａに接触しながら、該正面フラップ６Ａを容器本体２内部方向へ変形させて押し込みながら回動する。そして、上縁部２３ｂが正面フラップ６Ａから離れ、図１０（ｂ）に示すように、先端部４ａが略斜め下方を向いた状態となり、ヒンジ係止部４が形成される。
この際、上縁部２３ｂがストッパーとして作用するので、例えば、ヒンジ係止板４が逆転することによって正面板２Ａと同一面或いは同一面に近い状態まで戻ってしまい、係止板として機能しなくなるのを防止することが可能となる。
【００３５】
なお、折曲線４２と切込部４２ｃとが接続される端部、及び、折曲線４２と切込部４１ａとが接続される端部には、例えば、図４（ａ）に示すような丸抜き部４２ｄ、４２ｅが形成されていることが、正面板２Ａの一部を折曲線４２で折り曲げる操作が容易になる点から好ましい。また、折曲線４２と切込部４２ｃとが接続される端部、及び、折曲線４２と切込部４１ａとが接続される端部は、図４（ｂ）に示すようなＲ部４２ｆ、４２ｇが形成された構成としても、上記と同様の効果が得られる。
【００３６】
また、ヒンジ係止板４を、正面板２Ａから立ち上がった状態で高強度に保持する場合には、図４（ｄ）に示すように、折曲線４２と上縁部２３ｂとの間に２ｍｍ超（図示例では３ｍｍ）の間隔が設けられた構成とすることが好ましく、３ｍｍ以上の間隔が設けられていることがより好ましい。折曲線４２と上縁部２３ｂとを上記寸法関係とすることにより、上述のような上縁部２３ｂのストッパー作用がより向上する。
一方、ヒンジ係止板４を、折曲線４２での折り曲げ操作を繰り返して行なう使用形態とする場合には、図４（ｃ）に示すように、折曲線４２と上縁部２３ｂとの間を２ｍｍ以下の高低差として構成すれば、折り曲げ操作を繰り返して行なった場合でも、ヒンジ係止板４が折曲線４２から破断するようなことが無い。
【００３７】
本実施形態のカートン１は、以下のようにして使用される。
まず、図６（ａ）、（ｂ）に示すように、使用前においては、カートン１の蓋部３は未開封状態であり、容器本体２の開口部２１に被せられた状態で、つまみ片３１の裏面３８が容器本体２に、接着やシール等の手段によって開閉不可能に接着されている。カートン１に内容物が収容された商品の初回使用時には、まず、使用者が蓋部３に備えられたつまみ片３１を上方に持ち上げ、つまみ片３１と正面板２Ａを剥離させる。そして、つまみ片３１の先端部分を指先で掴んで容器本体２外方へ向けて引っ張り上げていき、つまみ片３１と容器本体２とを剥離させることにより、蓋部３を開封する。これにより、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能な状態となる。
【００３８】
上述のようにして、つまみ片３１と容器本体２（正面板２Ａ）とを剥離させた後、つまみ片３１を指で掴んでさらに上方に向けて持ち上げていくと、図８（ａ）に示すように、つまみ片３１は回動用折り罫線３４，３４を回動中心として上方へ向かって回動し、蓋部３が開放された状態となる。
次いで、蓋部３を開放した状態で、上述した手順により、容器本体２の正面板２Ａの一部を折曲線４２に沿って折曲げ、ヒンジ係止部４を形成する。
【００３９】
そして、蓋部３を閉じる際は、つまみ片３１を上方へ回動させることにより、つまみ片３１と一体に形成されている係合片３２も回動用折り罫線３４，３４を回動中心として下方に向かって回動し、図８（ｂ）に示すように、係合片３２の先端部が容器本体２（正面板２Ａ）の係合凹部２３内に入り込む。なお、この回動操作時に、つまみ片３１をやや外側へ引っ張るようにしながら持ち上げると、蓋部３の前板３Ｂがその弾性によって外側へ膨らむので、係合片３２を簡単に係合凹部２３内に入れることができる。
【００４０】
そして、係合片３２が係合凹部２３内に入り込んだ状態で、つまみ片３１を元の方向、すなわち下側に向けて押し戻して行くと、つまみ片３１は回動用折り罫線３４，３４を回動中心として下方へ向かって回動し、係合片３２は逆に上方へ向かって回動する。
【００４１】
係合片３２が上方へ向かって回動していくと、図８（ｂ）に示すように、係合片３２の先端は係合凹部２３内及びヒンジ係止板４の裏側に入り込んで行く。この際、係合片３２は、いわゆるコハゼ掛けの状態でヒンジ係止板２４に係止され、蓋部３をその位置でロックする。図８（ｂ）に示すように、係合片３２は、ヒンジ係止板４の裏側にコハゼ掛けの状態で挿入されるので、係合片３２がヒンジ係止板４から簡単に外れるようなことが無く、容器本体２に対し、蓋部３を閉蓋位置に確実且つ安定的にロックすることができる。これにより、つまみ片３１を正面板２Ａから剥離させてカートン１を開封した後であっても、容器本体２の開口部２１を覆った状態で蓋部３を固定することができ、内容物がこぼれだすのを防止できる。
【００４２】
一方、ロックされている蓋部３を開く場合には、図８（ｂ）の状態においてつまみ片３１を指で持ち、つまみ片３１を、少なくとも水平若しくはそれ以上となる位置まで上方へ向かって持ち上げれば良い。これにより、係合片３２は、図９（ａ）及び図９（ｂ）に示すように、係合凹部２３内において水平若しくはそれよりも下向きの位置まで回動する。
【００４３】
そして、図９（ｂ）に示す状態のまま、さらにつまみ片３１を上方へ向けて引っ張り上げていくと、係合片３２はそのまま自然に係合凹部２３、並びにヒンジ係止板２４の裏側から抜け出て行き、蓋部３の容器本体２へのロック状態が解除される。従って、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能となる。なお、蓋部３の開蓋操作の場合にも、つまみ片３１をやや外側に引っ張るようにして持ち上げていくと、蓋部３の前板３Ｂがその弾性によって外側へ膨らむので、係合片３２を係合凹部２３内及びヒンジ係止板４の裏側において、簡単に図９（ａ）及び図９（ｂ）に示すような状態まで回動させることができる。
【００４４】
本実施形態のカートン１に備えられたヒンジ係止板４は、正面板２Ａの一部を、該正面板２Ａに形成された折曲線４２の位置で折り曲げ、切り起こすことで形成されるので、カートンの材料使用量が増大したり、工程数が著しく増大すること無く、簡便な方法で安価に形成することが可能である。
また、正面板２Ａから起き上がるように形成されたヒンジ係止板４は、先端部４ａと反対側に形成された上縁部２３ｂが係合凹部２３内においてストッパーとして機能するので、上述のような、正面板２Ａから起き上がるように形成された状態を維持することが可能となる。また、このようなヒンジ係止板４に係止される係合片３２は、上述のような回動操作が可能なつまみ片３１に形成されるものなので、係止及び解除操作が簡便であり、容器本体２に対する蓋部３の開閉操作を容易に行なうことが可能となる。
【００４５】
以上説明したように、本実施形態のカートン１によれば、カートン１の容器本体２の正面板２Ａにヒンジ係止板４を設け、蓋部３のつまみ片３１に設けられた係合片３２をヒンジ係止板３１によって係止する上記構成とすることにより、容易に開閉操作を行なうことができるとともに、容器本体２に対して蓋部３を確実にロックすることが可能となる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することが可能となる。
【００４６】
［第２の実施形態］
以下に、本発明に係る第２の実施形態のカートン１０について説明するが、第１の実施形態のカートン１と共通する構成に関しては、一部、同じ符号を付し、また、その詳細な説明を省略する。
【００４７】
本実施形態のカートン１０は、図１１に示すように、上面が開口部７１とされた容器本体７と、容器本体７の背面板７Ｂにヒンジ結合されて開口部７１を覆う開閉自在な蓋部８とを有し、蓋部８の前板８Ｂにつまみ片８１が下向きに突設されているとともに、つまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられており、容器本体７の正面板７Ａには、蓋部８が閉められた状態とした際に係合片８２と相対する位置に、容器本体７の正面板７Ａから外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板９が設けられており、ヒンジ係止板９には、蓋部８を閉めた状態とした際に係合片８２が係合される係合孔９１が形成されて概略構成されている。
また、図１１に示す本実施形態のカートン１０は、容器本体７の正面板７Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａに切込部９１が設けられ、正面板７Ａの一部が外部へ向けて立ち上げるように形成されている。
【００４８】
本実施形態のカートン１０は、上述のように、つまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられているとともに、ヒンジ係止板９に、係合片８２が係合される係合孔９１が形成された構成とされている点で、第１の実施形態のカートン１と異なる。
カートン１０は、このような構成により、係合片８２が、ヒンジ係止板９に形成された係合孔９１に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部８が容器本体７に固定される。これにより、例えば、カートン１０を初回使用時に開封した後に開閉操作を行う際、操作が容易になるとともに、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックすることができるというものである。
【００４９】
ヒンジ係止板９は、上述したように、容器本体７の正面板７Ａに、蓋部８が閉められた状態とした際に係合片８２と相対する位置に設けられるヒンジ状の係止板である。
本実施形態のカートン１０では、第１の実施形態のカートン１と同様、初回使用時において、蓋部８に備えられたつまみ片８１を正面板７Ａから剥離させた際には、図１２に示すように、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａと同一面でフラットな状態とされている。この際、ヒンジ係止板９の裏側には、上述した正面フラップ６Ａのハッチング部分６１、つまり、接着材が塗布されていない領域が重ね合わせられている（図１のカートン１を参照）。
そして、初回使用時には、図１３（ｂ）に示すように、正面板７Ａの一部を切込部９１ａ、９１ｂで切断するとともに、正面板７Ａ上に形成された複数の切り込みからなる折曲線９２に沿って、容器本体７の外部へ向けて立ち上げるように折り曲げることにより、ヒンジ係止板９として用いることができる。
【００５０】
また、本実施形態のヒンジ係止板９は、図１３（ａ）に示すように、正面板７Ａ上の３箇所に形成された折曲線９２が、２箇所の凸部９４の両側に配された構成とされ、また、凸部９４の先端９４ａと３箇所の折曲線９２との間には、直線状の切込部９２ａが形成されている。また、図１３（ａ）に示す状態における凸部９４ａは、上述の切込部９１ａ及び切込部９２ａと同様、正面板７Ａ上に形成された切込部として構成されている。
本実施形態のヒンジ係止板９は、上記構成により、第１の実施形態のカートン１と同様に、正面板７Ａの一部を折曲線９２で折り曲げてヒンジ係止板９を形成する際、凸部９４の先端９４ａが、正面板７Ａ裏側の正面フラップ６Ａに接触しながら該正面フラップ６Ａを容器本体７内部方向へ変形させ、押し込みながら回動する。そして、図１３（ｂ）に示すように、先端部９ａが略斜め下方を向いた状態となり、ヒンジ係止部９が形成される。そして、第１の実施形態のカートン１と同様、先端９４ａがストッパーとして機能するので、例えば、ヒンジ係止板９が逆転することによって正面板７Ａと同一面或いは同一面に近い状態まで戻ってしまい、係止板として機能しなくなるのを防止できる。
【００５１】
係合片８２は、上述したように、つまみ片８１の裏側８１ｂに設けられる突起状の係合手段であり、蓋部８を容器本体７に固定する際、ヒンジ係止板９に形成された係合孔９１に挿入されて係止される。
突起状の係合片は、例えば、つまみ片８１の裏側８１ｂに、エンボス加工によって四角形状の突起を形成することでも得られるが、図１４（ａ）、（ｂ）に示す例のように、紙材料からなる突起部材がつまみ片８１の裏側８１ｂに貼着され、折り返し三角フック状に構成される係合片８２としても良い。
【００５２】
本実施形態のカートン１０は、蓋部８を、容器本体７の開口部７１を覆って閉じた状態とする際、蓋部８をヒンジ板２０によって回動させ、つまみ片８１を容器本体７の正面板７Ａの前方に移動させる。この際、図１４（ａ）に示すように、つまみ片８１に備えられた係合片８２が、ヒンジ係止板９を正面板７Ａ方向へ押し込みながら移動し、係合孔９１に入り込む。これにより、係合片８２と係合孔９１とが係合した状態となり、蓋部８が、開口部７１を覆うように容器本体７に固定される。
【００５３】
また、本実施形態のヒンジ係止板９には、蓋部８が閉められて係合片８２が係合孔９１に係合された際に、つまみ片８１の両側からはみ出るように露出する押圧部９３が備えられている。
係合片８２が係合孔９１に係合された状態で、使用者が、押圧部９３を容器本体７方向へ向けて指で押圧することにより、係合片８２と係合孔９１との間の係合状態が解除され、蓋部８を容器本体７上方へ回動させることが可能な状態となる。これにより、蓋部８によって覆われた容器本体７の開口部７１を露出させ、カートン１が開いた状態とすることができる。
【００５４】
なお、本実施形態では、図１５（ａ）、（ｂ）に示すように、先端部９ａ側が略斜め下方を向く状態において、ヒンジ係止板９が容器本体７の正面板７Ａに対して２０〜５０°の角度で起き上がるように形成されていることが好ましく、２５〜３５°の角度で起き上がるように形成されていることがより好ましい。ヒンジ係止板９の、容器本体７の正面板７Ａに対する起き上がり角度を上記範囲とすることにより、係合片８２と係合孔９１との係合状態を、高強度で確実なものにすることができるとともに、上述のような押圧部９３の操作により、係合状態を容易に解除することができる。従って、蓋部８の開閉操作が容易であるとともに、蓋部８を容器本体７に対して確実に固定することが可能となる。
【００５５】
ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度を上記範囲とする場合には、例えば、ヒンジ係止板９を以下のような寸法形状とすることができる。
図１５（ａ）に示すように、ヒンジ係止板９の板厚を０．７５ｍｍとした際、折曲線９２と凸部９４の先端９４aとの間に３ｍｍの間隔が設けられた場合には、ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度は約２８°となる。また、図１５（ｂ）に示すように、折曲線９２と先端９４ａとの間隔が２ｍｍとされた場合には、上記起き上がり角度は約４９°となる。
このように、ヒンジ係止板４の正面板２Ａに対する起き上がり角度は、ヒンジ係止板９の寸法形状を適宜決定することで設定することが可能である。
【００５６】
また、図１４（ａ）に示すように、ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度が２８°である場合には、図１４（ｂ）に示すような起き上がり角度が４９°である場合に比べ、係合孔９１に対して係合片８２がより深く係合された状態となる。
【００５７】
また、本実施形態の係合孔９１は、平面視で長方形状とされているが、これには限定されず、例えば、正方形状の係合孔９１ａ（図１６（ａ））、円形状の係合孔９１ｂ（図１６（ｂ））、楕円形状の係合孔９１ｃ（図１６（ｃ））、三角形状の係合孔９１ｄ、９１ｅ（図１６（ｄ）及び図１６（ｅ））、鍵穴状の係合孔９１ｆ（図１６（ｆ））とすることもできる。係合孔をこのような形状とした場合には、係合片もこれら係合孔に対応させた形状として構成すれば良い。なお、図１６（ａ）〜（ｆ）に示す、各係合孔９１ａ〜９１ｆが形成されたヒンジ係止板９５ａ〜９５ｆは、容器本体の正面板側から見て、各折曲線で折り返された状態を示している。
【００５８】
以上説明したように、本実施形態のカートン１０によれば、蓋部８に備えられたつまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられており、容器本体７の正面板７Ａにおいて、外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板９に、係合片８２が係合される係合孔９１が形成されてなる上記構成とすることにより、蓋部８の開閉操作を容易に行なうことができるとともに、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックすることが可能となる。また、本実施形態のカートン１０は、容器本体７の正面板７Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａに切込部９１が設けられ、正面板７Ａの一部が外部へ向けて起き上がるように形成されているので、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックできる係合機構が、簡便な構成で実現できる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００５９】
【図１】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、カートンを容器本体と蓋部とに分解した状態を示す斜視図である。
【図２】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、容器本体を展開した状態を示す概略図である。
【図３】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、蓋部を展開した状態を示す概略図である。
【図４】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、容器本体に形成されるヒンジ係止板の形状例を示す部分拡大図である。
【図５】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、ヒンジ板と容器本体との連結状態を示す部分拡大図である。
【図６】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、蓋部に備えられたつまみ片及び容器本体に備えられたヒンジ係止板を示す概略図である。
【図７】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、蓋部に備えられたつまみ片に凸状片が設けられた例を示す部分拡大図である。
【図８】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）は容器本体から剥離させた後のつまみ片と係合片が回動している状態を示す部分拡大図、（ｂ）はつまみ片と係合片を示す断面図である。
【図９】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）はロック解除操作時のつまみ片と係合片の拡大斜視図、（ｂ）はロック解除完了状態におけるつまみ片とヒンジ係止板の拡大断面図である。
【図１０】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）は初回使用時に蓋部を開封した際の容器本体の正面板を示す概略図、（ｂ）はヒンジ係止板が形成された状態を示す概略図である。
【図１１】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、カートンを容器本体と蓋部とに分解した状態を示す斜視図である。
【図１２】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、開封前における、蓋部に備えられたつまみ片及び容器本体に備えられたヒンジ係止板を示す概略図である。
【図１３】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、（ａ）は初回使用時に蓋部を開封した状態を示す概略図、（ｂ）はヒンジ係止板が形成された状態を示す概略図である。
【図１４】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、つまみ片に設けられた係合片とヒンジ係止板に設けられた係合孔との係合状態を示す部分拡大図である。
【図１５】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、ヒンジ係止板の、容器本体の正面板に対する角度を示す概略図である。
【図１６】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、ヒンジ係止板に形成される係合孔の形状の種類を示す概略図である。
【符号の説明】
【００６０】
１、１０…カートン、２、７…容器本体、２Ａ、７Ａ…正面板、２Ｂ、７Ｂ…背面板、２１、７１…開口部、２３…係合凹部、３、８…蓋部、３Ｂ、８Ｂ…前板、３１、８１…つまみ片、３２、８２…係合片、４、９…ヒンジ係止板、９１…係合孔、６Ａ…正面フラップ（フラップ）、６Ｂ…背面フラップ（フラップ）、６Ｃ…側面フラップ（フラップ）、
９３…押圧部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、粉末洗剤等の粉体やその他の固形物を収容するためのカートンに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、粉末洗剤等の粉体を収納するための収納容器として、厚紙製もしくはプラスチックフィルムをラミネートした厚紙製のカートンが広く用いられている。通常、このようなカートンは、上面が開口部とされた容器本体と、この開口部を覆う開閉式の蓋部とから概略構成されており、蓋部が容器本体に対してヒンジ部を回動支点として自由に開閉できるようになっている。また、このようなカートンでは、一般的に、洗剤がこぼれ落ちたり湿気を帯びたりするのを防止するため、蓋部に備えられたつまみ片に係合片が設けられ、該係合片を容器本体に形成された係合穴に挿入することにより、蓋部を係合固定する係合機構が備えられているものがある。
【０００３】
上述のようなカートンの係合機構として、例えば、つまみ片を回動することにより該つまみ片と一体になって回動する係合片を間隙内にコハゼ掛けに挿入し、開閉自在とされた蓋部を定位置にロックするようにしたものがある。そして、このような係合機構が備えられたカートンは、内部に粉末洗剤等が収容され、つまみ片裏側の概ね全体が、容器本体の正面板に対して、アクリル樹脂等によるホットメルト又は酢酸ビニル樹脂とエチレン酢酸ビニルとの混合物等による糊付によって接着されるか、あるいは、タックシール等を用いて封緘され、カートン入り商品として出荷されている。
そして、このようなカートンの初回使用時には、つまみ片を摘んで持ち上げることにより、前記つまみ片を容器本体の正面板から剥離させて開封し、開封後は、上述のような構成の係合機構により、容器本体の開口部を覆うように蓋部を被せて固定する。
【０００４】
上述のような係合機構が備えられたカートンとして、容器本体に係合穴が備えられ、蓋部につまみ片が備えられているとともに該つまみ片に係合片が設けられ、容器本体の背面側において前記蓋部がヒンジ結合されてなるカートンがある（例えば、特許文献１）。
特許文献１に記載のカートンは、上記構成により、容器本体に蓋部を確実にロックすることができるとともに、前記係合片を係合穴に係止させる際、コハゼ掛けがし易く開閉操作が容易であるという効果がある。
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載されたような従来のカートンでは、蓋部を開閉する際に、上記係止機構のロック並びに解除操作を行うのが面倒であるという問題があった。また、蓋部の開閉回数が多くなるにつれて保持力が弱まったりする虞があり、蓋部を閉めた際のロック状態が不完全となるという問題があった。
【特許文献１】特開２００５−２０００５９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便な構成により、開閉操作を容易に行うことができるとともに、容器本体に蓋部を確実にロックすることができるカートンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者等が、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、カートンの容器本体の正面板にヒンジ状の係止板を設け、蓋部のつまみ片に設けられた係合片をヒンジ係止板によって係止する構成とすることにより、開閉操作を容易に行なうことができるとともに、確実にロックすることが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【０００８】
本発明は、上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片に係合片が設けられており、前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置にヒンジ係止板が設けられているとともに、該ヒンジ係止板は、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されており、前記係合片が前記ヒンジ係止板に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートンを提供する。
【０００９】
また、本発明のカートンは、前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成される構成とすることができる。
【００１０】
本発明は、上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片の裏側に突起状の係合片が設けられており、前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置に、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板が設けられており、前記ヒンジ係止板には、前記蓋部を閉めた状態とした際に前記係合片が係合される係合孔が形成されており、前記係合片が前記ヒンジ係止板に形成された係合孔に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートンを提供する。
【００１１】
また、本発明のカートンは、前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成された構成とすることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明のカートンによれば、上述のように、カートンの容器本体の正面板にヒンジ係止板を設け、蓋部のつまみ片に設けられた係合片をヒンジ係止板によって係止する構成とすることにより、容易に開閉操作を行なうことができるとともに、容器本体に対して蓋部を確実にロックすることが可能となる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係るカートンの実施の形態について、図１〜１６を適宜参照しながら説明する。
【００１４】
［第１の実施形態］
本発明に係る第１の実施形態のカートン１は、図１に示すように、上面が開口部２１とされた容器本体２と、この容器本体２の背面板２Ｂにヒンジ結合されて開口部２１を覆う開閉自在な蓋部３とを有し、蓋部３の前板３Ｂにつまみ片３１が下向きに突設されているとともに、つまみ片３１に係合片３２が設けられており、容器本体２の正面板２Ａには、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置にヒンジ係止板４が設けられているとともに、ヒンジ係止板４は、容器本体２の正面板２Ａから外部へ向けて起き上がるように形成され、概略構成されている。
また、図１に示す本実施形態のカートン１は、容器本体２の正面板２Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板４は、正面板２Ａに切込部４１ａ、４１ｂが設けられることにより、正面板２Ａの一部が外部へ向けて立ち上げるように形成されている。
【００１５】
本実施形態のカートン１は、蓋部３のつまみ片３１に係合片３２が設けられているとともに、容器本体２の正面板２Ａに上述のようなヒンジ係止板４が設けられてなるので、係合片３２がヒンジ係止板４に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部３が容器本体２に固定される。これにより、例えば、カートン１を初回使用時に開封した後に開閉操作を行う際、操作が容易になるとともに、容器本体２に対して蓋部３を確実にロックすることができるというものである。
以下、本実施形態のカートン１について詳述する。
【００１６】
容器本体２及び蓋部３を構成する材料としては、板紙を主原料とした紙素材を用いることができる。このような紙素材としては、板紙にポリエチレン等のプラスチックフィルムをラミネート（ＰＥサンド）したものや、板紙にワックスコートしたもの等を用いることができる。なお、紙素材の米坪量としては４００〜７００ｇ／ｍ２の範囲が好ましく、より好ましくは５５０〜６５０ｇ／ｍ２である。
【００１７】
容器本体２は、図２に示すように、正面板２Ａ、背面板２Ｂ、左右２枚の側面板２Ｃ，２Ｃ及び４枚の底面板２２を有し、これらが組み立てられて接着されることにより、図１に示すような、上面が開口された箱状のカートン容器とされている。
【００１８】
図１及び図２に示すように、開口部２１には、正面フラップ６Ａ、背面フラップ６Ｂ、左右２枚の側面フラップ６Ｃ，６Ｃが備えられている。そして、４枚のフラップ６Ａ〜６Ｃを内側に折り返し、容器本体２の内壁面に接着することにより、開口部２１の口縁の強化を図るとともに、正面板２Ａの略上部中央位置には、係合凹部２３が、容器本体２の正面板２Ａに形成された穴部２３ａと正面板２Ａの内壁面に貼着された正面フラップ６Ａによって形成されている。
【００１９】
本実施形態のカートン１に備えられる係合凹部２３は、詳細を後述するつまみ片３１に設けられた係合片３２をヒンジ係止板４に係止させて蓋部３を容器本体２に対して閉蓋位置で固定する際に、係合片３２が挿入される逃げ代として設けられるものであり、係合片３２の先端３２ａが挿入されてヒンジ係止板４に係止可能となるように設けられている。また、係合凹部２３は蓋部３を閉じた状態において係合片３２とほぼ相対する位置に形成されている。
また、本実施形態のカートン１は、係合凹部２３が、容器本体２の正面板２Ａに形成された穴部２３ａと正面板２Ａの内壁面に貼着された正面フラップ６Ａによって形成されている。
【００２０】
図２に示すように、容器本体２の背面板２Ｂの背面フラップ６Ｂと重なり合う位置には、背面板２Ｂの一部を上に凸状に切り込むことによって形成されたヒンジ板２０が供えられている。また、ヒンジ板２０の下端の中央部には、下に凸状の切り込み２０ｂが設けられ、切り込み２０ｂの両側には、折り曲げ罫線２０ａ、２０ａが設けられている。ヒンジ板２０は、切り込み２０ｂおよび折り曲げ罫線２０ａ、２０ａを回動支点として上下方向に回動自在とされている。そして、本実施形態においては、ヒンジ板２０が蓋部３の背面板３Ｄの内面に接着固定されることにより、蓋部３が回動自在に開閉できるように構成されている。また、図２に示すように、ヒンジ板２０は、中央部に切り込み２０ｂを入れ、ヒンジ板２０を折り曲げ罫線２０ａ、２０ａの形成部分のみで容器本体２にヒンジ連結することにより、蓋部３の戻り反発を抑えるとともに、蓋部３をスムーズに開閉できるようにされている。
【００２１】
また、４枚のフラップ６Ａ〜６Ｃは、内側に折り返されて容器本体２の内壁面に接着されるが、本実施形態では、正面フラップ６Ａの図２中に二点鎖線のハッチングで示されるハッチング部分６１、及び、背面フラップ６Ｂのヒンジ板２０と重なり合う部分については、接着剤が塗布されない構成としている。ここで、接着剤が塗布されないハッチング部分６１は、カートン１の初回使用時において、後述の手順で折り曲げられることにより、ヒンジ係止板４を構成する領域である。
【００２２】
また、正面フラップ６Ａ、並びに背面フラップ６Ｂ、左右２枚の側面フラップ６Ｃ，６Ｃは、表側から紙素材の半分の厚さ位まで切り込みを入れた表半切り線（ハーフカット）２６によって折り返すことにより、容器本体２の内壁面に接着されるように構成している。これにより、フラップ６Ａ〜６Ｃを内側に折り返した状態とした際に、表半切り線２６に沿って鋭角的に折り曲げられ、シャープな折り返し口縁部が形成される。
【００２３】
蓋部３は、図３（ａ）に示すように、天面板３Ａ、前板３Ｂ、左右２枚の側板３Ｃおよび背面板３Ｄとからなり、これらを組み立てて接着することにより、図１に示すように、容器本体２の開口部２１を覆う蓋部３とされている。
【００２４】
図３（ａ）に示すように、蓋部３を構成する前板３Ｂの下縁中央部には、舌片状をしたつまみ片３１が下向きに突設されている。また、つまみ片３１の左右の上端部３１Ａ，３１Ａを結ぶ水平ライン上の中央位置には、上に向かって凸状の係合片３２が切断線３３によって形成されている。さらに、切断線３３の左右の下端部３３Ａ、３３Ａとつまみ片３１の左右の上端部３１Ａ，３１Ａとの間には、水平な回動用折り罫線３４，３４が刻設されている。そして、つまみ片３１と係合片３２の全体が、左右の回動用折り罫線３４，３４を回動中心として前板３Ｂの内外方向に回動可能とされている。
また、図示例の係合片３２は、先端３２ａが角部にＲが付与された直線状の１辺として形成されているが、これには限定されず、例えば、円弧状に形成することにより、後述のヒンジ係止板４に係止させる際の操作がより容易になる。
【００２５】
なお、図３（ｂ）に示す例のように、つまみ片３１の下端部には、下向きに突設された凸状片３１ａが形成されていてもよい。さらに、つまみ片３１の下端部と凸状片３１ａとの境界位置には、凸状片３１ａの左右の端縁間を結んで水平な谷折り用罫線３５が形成されていてもよい。
図３（ｂ）に示すように、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、つまみ片３１の下端部の位置で谷折り用罫線３５に沿って谷折りに折り曲げて凸状片３１ａを引き起こすことができる。これにより、凸状片３１ａを容易につまむことができるので、係合片３２及びつまみ片３１を容易に操作することが可能となる。従って、係合片３２やつまみ片３１が、水平方向の剛性に優れた、へたりにくいものである場合でも優れた操作性が得られる。
【００２６】
本実施形態の蓋部３は、例えば、カートン１を初回使用時に開封した後、図８（ａ）に示すように、つまみ片３１を指先で掴んで外方へ向けて引っ張り上げてゆくことにより、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能となる。
ここで、図３（ｂ）に示すように、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、凸状片３１ａを指先で押し上げるようにすると、図７に示すように、凸状片３１ａが谷折り用罫線３５の位置で谷折りに折れ曲がり、凸状片３１ａが外方へ起きあがる。このため、凸状片３１ａを簡単につまめるようになり、凸状片３１ａを掴んだ指先に力が入りやすいので、つまみ片３１を簡単に引っ張り上げることが可能となる。また、つまみ片３１の下端部に凸状片３１ａおよび谷折り用罫線３５が形成されている場合、初回以降の開閉操作においても、初回の使用時に形成される谷折り用罫線３５による折り曲げ癖によって、凸状片３１ａが外方へ向けて浮いているので、凸状片３１ａを簡単に掴むことができ、開閉操作をスムーズに行なうことができる。
【００２７】
また、切断線３３の左右の下端部３３Ａ，３３Ａと回動用折り罫線３４，３４との交差部には、応力分散用の半径０．５〜１．０ｍｍ程度の円弧状切り込み３６が形成されており、開閉操作時につまみ片３１や係合片３２に過剰な引っ張り力が作用しても、該円弧状切り込み３６によって応力を分散し、切断線３３の左右の下端部３３Ａ，３３Ａの位置からつまみ片３１や係合片３２が破れるようなことがないように構成している。
なお、図示例では、回動用折り罫線３４，３４は、円弧状切り込み３６と連接して形成されているが、これらが連接しない構成とすることもできる。
【００２８】
また、図５に示すように、蓋部３の背面板３Ｄにおいて、容器本体２の背面板２Ｂに形成されたヒンジ板２０と相対する面には、エンボス加工によって、容器本体２側に向かって所定の高さで突出するエンボス面３Ｅが形成されている。蓋部３の背面板３Ｄは、このエンボス面３Ｅによって容器本体２の背面板２Ｂのヒンジ板２０に接着されている。このようにヒンジ板２０と蓋部３の背面板３Ｄとを、容器本体２側に向かって突出するエンボス面３Ｅによって接着すると、カートン製造における接着工程での圧着性が向上し、蓋部３の背面板３Ｄとヒンジ板２０との接着性が改善され、より確実、かつ、より強固に接着することができる。また、エンボス面３Ｅの突出高さの分だけ蓋部３の全体が容器本体２の背面側に向けて引き寄せられるような状態となり、蓋部３の前面側が容器本体２により強く押し付けられるかたちとなるので、蓋部３と容器本体２のロックがより確実になるとともに、開口部２の密封性も向上する。
【００２９】
なお、蓋部３のつまみ片３１は、容器本体２内に粉末洗剤などの内容物を充填して開口部２１を封緘紙などでシールした後、容器本体２の正面板２Ａの上部に接着剤等を用いてつまみ片３１を接着固定するか、又は、シール等で固定され、製品として出荷される。なお、接着剤としてホットメルトタイプのものを使用する場合には、つまみ片３１が接着される部分の正面板２Ａの表面に複数条の浅いミシン目を入れ、接着剤が染み込むことによるミシン目のアンカー効果を発現させることで、より確実に接着することが望ましい。
【００３０】
ヒンジ係止板４は、上述したように、容器本体２の正面板２Ａに、蓋部３が閉められた状態とした際に係合片３２と相対する位置に設けられるヒンジ状の係止板である。
本実施形態のカートン１では、初回使用時において、蓋部３に備えられたつまみ片３１を正面板２Ａから剥離させた際には、図６（ｂ）に示すように、ヒンジ係止板４は、正面板２Ａと同一面でフラットな状態とされている。この際、ヒンジ係止板４の裏側には、上述した正面フラップ６Ａのハッチング部分６１、つまり、接着材が塗布されていない領域が重ね合わせられている。
【００３１】
そして、初回使用時、図１０（ａ）に示すような正面板２Ａの一部を、切込部４１ａ、４１ｂで切断するとともに、正面板２Ａ上に形成された複数の切り込みからなる折曲線４２に沿って、容器本体２から外部へ向けて立ち上げるように折り曲げることにより、図１０（ｂ）に示すようなヒンジ係止板４として用いることができる。
ここで、切込部４１ａは、図示例のように、正面板２Ａの上部において、鉛直方向に延びる直線状で、上縁となる折り曲げ罫線２５に連通するように設けられる切り込みであり、切込部４１ｂは、正面板２Ａの上縁である折り曲げ線罫線２５の横幅方向略中央において、該折り曲げ線罫線２５に沿って設けられる切り込みである。
また、折曲線４２は、例えばミシン目等によって形成することができる。
【００３２】
ヒンジ係止板４の正面板２Ａに対する起き上がりの角度は、ヒンジ係止板４によって係合片３２を係止できる角度であれば良く、特に限定されないが、図１０（ｂ）に示すように、ヒンジ係止板４の先端部４ａ側が略斜め下方を向く状態において、正面板２Ａとの間の角度が２０°〜５０°の範囲であることが好ましく、２５°〜３５°の範囲であることがより好ましい。
【００３３】
また、本実施形態のヒンジ係止板４は、図１０（ａ）に示すように、正面板２Ａ上の２箇所に形成された折曲線４２が、係合凹部２３の上縁部２３ｂの両側に配された構成とされている。また、上縁部２３ｂと２箇所の折曲線４２との間には、傾斜した直線状の切込部４２ｃが形成されている。
【００３４】
上記構成により、正面板２Ａの一部を折曲線４２で折り曲げてヒンジ係止板４を形成する際には、ヒンジ係止部４の先端部４ａと反対側に配される上縁部２３ｂが、係合凹部２３内、つまり正面フラップ６Ａに接触しながら、該正面フラップ６Ａを容器本体２内部方向へ変形させて押し込みながら回動する。そして、上縁部２３ｂが正面フラップ６Ａから離れ、図１０（ｂ）に示すように、先端部４ａが略斜め下方を向いた状態となり、ヒンジ係止部４が形成される。
この際、上縁部２３ｂがストッパーとして作用するので、例えば、ヒンジ係止板４が逆転することによって正面板２Ａと同一面或いは同一面に近い状態まで戻ってしまい、係止板として機能しなくなるのを防止することが可能となる。
【００３５】
なお、折曲線４２と切込部４２ｃとが接続される端部、及び、折曲線４２と切込部４１ａとが接続される端部には、例えば、図４（ａ）に示すような丸抜き部４２ｄ、４２ｅが形成されていることが、正面板２Ａの一部を折曲線４２で折り曲げる操作が容易になる点から好ましい。また、折曲線４２と切込部４２ｃとが接続される端部、及び、折曲線４２と切込部４１ａとが接続される端部は、図４（ｂ）に示すようなＲ部４２ｆ、４２ｇが形成された構成としても、上記と同様の効果が得られる。
【００３６】
また、ヒンジ係止板４を、正面板２Ａから立ち上がった状態で高強度に保持する場合には、図４（ｄ）に示すように、折曲線４２と上縁部２３ｂとの間に２ｍｍ超（図示例では３ｍｍ）の間隔が設けられた構成とすることが好ましく、３ｍｍ以上の間隔が設けられていることがより好ましい。折曲線４２と上縁部２３ｂとを上記寸法関係とすることにより、上述のような上縁部２３ｂのストッパー作用がより向上する。
一方、ヒンジ係止板４を、折曲線４２での折り曲げ操作を繰り返して行なう使用形態とする場合には、図４（ｃ）に示すように、折曲線４２と上縁部２３ｂとの間を２ｍｍ以下の高低差として構成すれば、折り曲げ操作を繰り返して行なった場合でも、ヒンジ係止板４が折曲線４２から破断するようなことが無い。
【００３７】
本実施形態のカートン１は、以下のようにして使用される。
まず、図６（ａ）、（ｂ）に示すように、使用前においては、カートン１の蓋部３は未開封状態であり、容器本体２の開口部２１に被せられた状態で、つまみ片３１の裏面３８が容器本体２に、接着やシール等の手段によって開閉不可能に接着されている。カートン１に内容物が収容された商品の初回使用時には、まず、使用者が蓋部３に備えられたつまみ片３１を上方に持ち上げ、つまみ片３１と正面板２Ａを剥離させる。そして、つまみ片３１の先端部分を指先で掴んで容器本体２外方へ向けて引っ張り上げていき、つまみ片３１と容器本体２とを剥離させることにより、蓋部３を開封する。これにより、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能な状態となる。
【００３８】
上述のようにして、つまみ片３１と容器本体２（正面板２Ａ）とを剥離させた後、つまみ片３１を指で掴んでさらに上方に向けて持ち上げていくと、図８（ａ）に示すように、つまみ片３１は回動用折り罫線３４，３４を回動中心として上方へ向かって回動し、蓋部３が開放された状態となる。
次いで、蓋部３を開放した状態で、上述した手順により、容器本体２の正面板２Ａの一部を折曲線４２に沿って折曲げ、ヒンジ係止部４を形成する。
【００３９】
そして、蓋部３を閉じる際は、つまみ片３１を上方へ回動させることにより、つまみ片３１と一体に形成されている係合片３２も回動用折り罫線３４，３４を回動中心として下方に向かって回動し、図８（ｂ）に示すように、係合片３２の先端部が容器本体２（正面板２Ａ）の係合凹部２３内に入り込む。なお、この回動操作時に、つまみ片３１をやや外側へ引っ張るようにしながら持ち上げると、蓋部３の前板３Ｂがその弾性によって外側へ膨らむので、係合片３２を簡単に係合凹部２３内に入れることができる。
【００４０】
そして、係合片３２が係合凹部２３内に入り込んだ状態で、つまみ片３１を元の方向、すなわち下側に向けて押し戻して行くと、つまみ片３１は回動用折り罫線３４，３４を回動中心として下方へ向かって回動し、係合片３２は逆に上方へ向かって回動する。
【００４１】
係合片３２が上方へ向かって回動していくと、図８（ｂ）に示すように、係合片３２の先端は係合凹部２３内及びヒンジ係止板４の裏側に入り込んで行く。この際、係合片３２は、いわゆるコハゼ掛けの状態でヒンジ係止板２４に係止され、蓋部３をその位置でロックする。図８（ｂ）に示すように、係合片３２は、ヒンジ係止板４の裏側にコハゼ掛けの状態で挿入されるので、係合片３２がヒンジ係止板４から簡単に外れるようなことが無く、容器本体２に対し、蓋部３を閉蓋位置に確実且つ安定的にロックすることができる。これにより、つまみ片３１を正面板２Ａから剥離させてカートン１を開封した後であっても、容器本体２の開口部２１を覆った状態で蓋部３を固定することができ、内容物がこぼれだすのを防止できる。
【００４２】
一方、ロックされている蓋部３を開く場合には、図８（ｂ）の状態においてつまみ片３１を指で持ち、つまみ片３１を、少なくとも水平若しくはそれ以上となる位置まで上方へ向かって持ち上げれば良い。これにより、係合片３２は、図９（ａ）及び図９（ｂ）に示すように、係合凹部２３内において水平若しくはそれよりも下向きの位置まで回動する。
【００４３】
そして、図９（ｂ）に示す状態のまま、さらにつまみ片３１を上方へ向けて引っ張り上げていくと、係合片３２はそのまま自然に係合凹部２３、並びにヒンジ係止板２４の裏側から抜け出て行き、蓋部３の容器本体２へのロック状態が解除される。従って、蓋部３は容器本体２のヒンジ板２０を回動支点として開閉可能となる。なお、蓋部３の開蓋操作の場合にも、つまみ片３１をやや外側に引っ張るようにして持ち上げていくと、蓋部３の前板３Ｂがその弾性によって外側へ膨らむので、係合片３２を係合凹部２３内及びヒンジ係止板４の裏側において、簡単に図９（ａ）及び図９（ｂ）に示すような状態まで回動させることができる。
【００４４】
本実施形態のカートン１に備えられたヒンジ係止板４は、正面板２Ａの一部を、該正面板２Ａに形成された折曲線４２の位置で折り曲げ、切り起こすことで形成されるので、カートンの材料使用量が増大したり、工程数が著しく増大すること無く、簡便な方法で安価に形成することが可能である。
また、正面板２Ａから起き上がるように形成されたヒンジ係止板４は、先端部４ａと反対側に形成された上縁部２３ｂが係合凹部２３内においてストッパーとして機能するので、上述のような、正面板２Ａから起き上がるように形成された状態を維持することが可能となる。また、このようなヒンジ係止板４に係止される係合片３２は、上述のような回動操作が可能なつまみ片３１に形成されるものなので、係止及び解除操作が簡便であり、容器本体２に対する蓋部３の開閉操作を容易に行なうことが可能となる。
【００４５】
以上説明したように、本実施形態のカートン１によれば、カートン１の容器本体２の正面板２Ａにヒンジ係止板４を設け、蓋部３のつまみ片３１に設けられた係合片３２をヒンジ係止板３１によって係止する上記構成とすることにより、容易に開閉操作を行なうことができるとともに、容器本体２に対して蓋部３を確実にロックすることが可能となる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することが可能となる。
【００４６】
［第２の実施形態］
以下に、本発明に係る第２の実施形態のカートン１０について説明するが、第１の実施形態のカートン１と共通する構成に関しては、一部、同じ符号を付し、また、その詳細な説明を省略する。
【００４７】
本実施形態のカートン１０は、図１１に示すように、上面が開口部７１とされた容器本体７と、容器本体７の背面板７Ｂにヒンジ結合されて開口部７１を覆う開閉自在な蓋部８とを有し、蓋部８の前板８Ｂにつまみ片８１が下向きに突設されているとともに、つまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられており、容器本体７の正面板７Ａには、蓋部８が閉められた状態とした際に係合片８２と相対する位置に、容器本体７の正面板７Ａから外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板９が設けられており、ヒンジ係止板９には、蓋部８を閉めた状態とした際に係合片８２が係合される係合孔９１が形成されて概略構成されている。
また、図１１に示す本実施形態のカートン１０は、容器本体７の正面板７Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａに切込部９１が設けられ、正面板７Ａの一部が外部へ向けて立ち上げるように形成されている。
【００４８】
本実施形態のカートン１０は、上述のように、つまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられているとともに、ヒンジ係止板９に、係合片８２が係合される係合孔９１が形成された構成とされている点で、第１の実施形態のカートン１と異なる。
カートン１０は、このような構成により、係合片８２が、ヒンジ係止板９に形成された係合孔９１に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部８が容器本体７に固定される。これにより、例えば、カートン１０を初回使用時に開封した後に開閉操作を行う際、操作が容易になるとともに、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックすることができるというものである。
【００４９】
ヒンジ係止板９は、上述したように、容器本体７の正面板７Ａに、蓋部８が閉められた状態とした際に係合片８２と相対する位置に設けられるヒンジ状の係止板である。
本実施形態のカートン１０では、第１の実施形態のカートン１と同様、初回使用時において、蓋部８に備えられたつまみ片８１を正面板７Ａから剥離させた際には、図１２に示すように、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａと同一面でフラットな状態とされている。この際、ヒンジ係止板９の裏側には、上述した正面フラップ６Ａのハッチング部分６１、つまり、接着材が塗布されていない領域が重ね合わせられている（図１のカートン１を参照）。
そして、初回使用時には、図１３（ｂ）に示すように、正面板７Ａの一部を切込部９１ａ、９１ｂで切断するとともに、正面板７Ａ上に形成された複数の切り込みからなる折曲線９２に沿って、容器本体７の外部へ向けて立ち上げるように折り曲げることにより、ヒンジ係止板９として用いることができる。
【００５０】
また、本実施形態のヒンジ係止板９は、図１３（ａ）に示すように、正面板７Ａ上の３箇所に形成された折曲線９２が、２箇所の凸部９４の両側に配された構成とされ、また、凸部９４の先端９４ａと３箇所の折曲線９２との間には、直線状の切込部９２ａが形成されている。また、図１３（ａ）に示す状態における凸部９４ａは、上述の切込部９１ａ及び切込部９２ａと同様、正面板７Ａ上に形成された切込部として構成されている。
本実施形態のヒンジ係止板９は、上記構成により、第１の実施形態のカートン１と同様に、正面板７Ａの一部を折曲線９２で折り曲げてヒンジ係止板９を形成する際、凸部９４の先端９４ａが、正面板７Ａ裏側の正面フラップ６Ａに接触しながら該正面フラップ６Ａを容器本体７内部方向へ変形させ、押し込みながら回動する。そして、図１３（ｂ）に示すように、先端部９ａが略斜め下方を向いた状態となり、ヒンジ係止部９が形成される。そして、第１の実施形態のカートン１と同様、先端９４ａがストッパーとして機能するので、例えば、ヒンジ係止板９が逆転することによって正面板７Ａと同一面或いは同一面に近い状態まで戻ってしまい、係止板として機能しなくなるのを防止できる。
【００５１】
係合片８２は、上述したように、つまみ片８１の裏側８１ｂに設けられる突起状の係合手段であり、蓋部８を容器本体７に固定する際、ヒンジ係止板９に形成された係合孔９１に挿入されて係止される。
突起状の係合片は、例えば、つまみ片８１の裏側８１ｂに、エンボス加工によって四角形状の突起を形成することでも得られるが、図１４（ａ）、（ｂ）に示す例のように、紙材料からなる突起部材がつまみ片８１の裏側８１ｂに貼着され、折り返し三角フック状に構成される係合片８２としても良い。
【００５２】
本実施形態のカートン１０は、蓋部８を、容器本体７の開口部７１を覆って閉じた状態とする際、蓋部８をヒンジ板２０によって回動させ、つまみ片８１を容器本体７の正面板７Ａの前方に移動させる。この際、図１４（ａ）に示すように、つまみ片８１に備えられた係合片８２が、ヒンジ係止板９を正面板７Ａ方向へ押し込みながら移動し、係合孔９１に入り込む。これにより、係合片８２と係合孔９１とが係合した状態となり、蓋部８が、開口部７１を覆うように容器本体７に固定される。
【００５３】
また、本実施形態のヒンジ係止板９には、蓋部８が閉められて係合片８２が係合孔９１に係合された際に、つまみ片８１の両側からはみ出るように露出する押圧部９３が備えられている。
係合片８２が係合孔９１に係合された状態で、使用者が、押圧部９３を容器本体７方向へ向けて指で押圧することにより、係合片８２と係合孔９１との間の係合状態が解除され、蓋部８を容器本体７上方へ回動させることが可能な状態となる。これにより、蓋部８によって覆われた容器本体７の開口部７１を露出させ、カートン１が開いた状態とすることができる。
【００５４】
なお、本実施形態では、図１５（ａ）、（ｂ）に示すように、先端部９ａ側が略斜め下方を向く状態において、ヒンジ係止板９が容器本体７の正面板７Ａに対して２０〜５０°の角度で起き上がるように形成されていることが好ましく、２５〜３５°の角度で起き上がるように形成されていることがより好ましい。ヒンジ係止板９の、容器本体７の正面板７Ａに対する起き上がり角度を上記範囲とすることにより、係合片８２と係合孔９１との係合状態を、高強度で確実なものにすることができるとともに、上述のような押圧部９３の操作により、係合状態を容易に解除することができる。従って、蓋部８の開閉操作が容易であるとともに、蓋部８を容器本体７に対して確実に固定することが可能となる。
【００５５】
ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度を上記範囲とする場合には、例えば、ヒンジ係止板９を以下のような寸法形状とすることができる。
図１５（ａ）に示すように、ヒンジ係止板９の板厚を０．７５ｍｍとした際、折曲線９２と凸部９４の先端９４aとの間に３ｍｍの間隔が設けられた場合には、ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度は約２８°となる。また、図１５（ｂ）に示すように、折曲線９２と先端９４ａとの間隔が２ｍｍとされた場合には、上記起き上がり角度は約４９°となる。
このように、ヒンジ係止板４の正面板２Ａに対する起き上がり角度は、ヒンジ係止板９の寸法形状を適宜決定することで設定することが可能である。
【００５６】
また、図１４（ａ）に示すように、ヒンジ係止板９の正面板７Ａに対する起き上がり角度が２８°である場合には、図１４（ｂ）に示すような起き上がり角度が４９°である場合に比べ、係合孔９１に対して係合片８２がより深く係合された状態となる。
【００５７】
また、本実施形態の係合孔９１は、平面視で長方形状とされているが、これには限定されず、例えば、正方形状の係合孔９１ａ（図１６（ａ））、円形状の係合孔９１ｂ（図１６（ｂ））、楕円形状の係合孔９１ｃ（図１６（ｃ））、三角形状の係合孔９１ｄ、９１ｅ（図１６（ｄ）及び図１６（ｅ））、鍵穴状の係合孔９１ｆ（図１６（ｆ））とすることもできる。係合孔をこのような形状とした場合には、係合片もこれら係合孔に対応させた形状として構成すれば良い。なお、図１６（ａ）〜（ｆ）に示す、各係合孔９１ａ〜９１ｆが形成されたヒンジ係止板９５ａ〜９５ｆは、容器本体の正面板側から見て、各折曲線で折り返された状態を示している。
【００５８】
以上説明したように、本実施形態のカートン１０によれば、蓋部８に備えられたつまみ片８１の裏側８１ｂに突起状の係合片８２が設けられており、容器本体７の正面板７Ａにおいて、外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板９に、係合片８２が係合される係合孔９１が形成されてなる上記構成とすることにより、蓋部８の開閉操作を容易に行なうことができるとともに、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックすることが可能となる。また、本実施形態のカートン１０は、容器本体７の正面板７Ａの内壁面に正面フラップ６Ａが貼着されており、ヒンジ係止板９は、正面板７Ａに切込部９１が設けられ、正面板７Ａの一部が外部へ向けて起き上がるように形成されているので、容器本体７に対して蓋部８を確実にロックできる係合機構が、簡便な構成で実現できる。
従って、取り扱いが容易であり、且つ、内容物が漏れ出すことの無いカートンを、簡便で安価な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００５９】
【図１】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、カートンを容器本体と蓋部とに分解した状態を示す斜視図である。
【図２】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、容器本体を展開した状態を示す概略図である。
【図３】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、蓋部を展開した状態を示す概略図である。
【図４】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、容器本体に形成されるヒンジ係止板の形状例を示す部分拡大図である。
【図５】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、ヒンジ板と容器本体との連結状態を示す部分拡大図である。
【図６】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、蓋部に備えられたつまみ片及び容器本体に備えられたヒンジ係止板を示す概略図である。
【図７】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、蓋部に備えられたつまみ片に凸状片が設けられた例を示す部分拡大図である。
【図８】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）は容器本体から剥離させた後のつまみ片と係合片が回動している状態を示す部分拡大図、（ｂ）はつまみ片と係合片を示す断面図である。
【図９】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）はロック解除操作時のつまみ片と係合片の拡大斜視図、（ｂ）はロック解除完了状態におけるつまみ片とヒンジ係止板の拡大断面図である。
【図１０】本発明に係るカートンの一例を説明する模式図であり、（ａ）は初回使用時に蓋部を開封した際の容器本体の正面板を示す概略図、（ｂ）はヒンジ係止板が形成された状態を示す概略図である。
【図１１】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、カートンを容器本体と蓋部とに分解した状態を示す斜視図である。
【図１２】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、開封前における、蓋部に備えられたつまみ片及び容器本体に備えられたヒンジ係止板を示す概略図である。
【図１３】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、（ａ）は初回使用時に蓋部を開封した状態を示す概略図、（ｂ）はヒンジ係止板が形成された状態を示す概略図である。
【図１４】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、つまみ片に設けられた係合片とヒンジ係止板に設けられた係合孔との係合状態を示す部分拡大図である。
【図１５】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、ヒンジ係止板の、容器本体の正面板に対する角度を示す概略図である。
【図１６】本発明に係るカートンの他例を説明する模式図であり、ヒンジ係止板に形成される係合孔の形状の種類を示す概略図である。
【符号の説明】
【００６０】
１、１０…カートン、２、７…容器本体、２Ａ、７Ａ…正面板、２Ｂ、７Ｂ…背面板、２１、７１…開口部、２３…係合凹部、３、８…蓋部、３Ｂ、８Ｂ…前板、３１、８１…つまみ片、３２、８２…係合片、４、９…ヒンジ係止板、９１…係合孔、６Ａ…正面フラップ（フラップ）、６Ｂ…背面フラップ（フラップ）、６Ｃ…側面フラップ（フラップ）、
９３…押圧部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、
前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片に係合片が設けられており、
前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置にヒンジ係止板が設けられているとともに、該ヒンジ係止板は、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されており、
前記係合片が前記ヒンジ係止板に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートン。
【請求項２】
前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、
前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成されるものであることを特徴とする請求項１に記載のカートン。
【請求項３】
上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、
前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片の裏側に突起状の係合片が設けられており、
前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置に、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板が設けられており、
前記ヒンジ係止板には、前記蓋部を閉めた状態とした際に前記係合片が係合される係合孔が形成されており、
前記係合片が前記ヒンジ係止板に形成された係合孔に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートン。
【請求項４】
前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、
前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成されるものであることを特徴とする請求項３に記載のカートン。
【請求項１】
上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、
前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片に係合片が設けられており、
前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置にヒンジ係止板が設けられているとともに、該ヒンジ係止板は、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されており、
前記係合片が前記ヒンジ係止板に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートン。
【請求項２】
前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、
前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成されるものであることを特徴とする請求項１に記載のカートン。
【請求項３】
上面が開口部とされた容器本体と、該容器本体の背面板にヒンジ結合されて前記開口部を覆う開閉自在な蓋部とを有するカートンであって、
前記蓋部の前板につまみ片が下向きに突設されているとともに、該つまみ片の裏側に突起状の係合片が設けられており、
前記容器本体の正面板には、前記蓋部が閉められた状態とした際に前記係合片と相対する位置に、前記容器本体の正面板から外部へ向けて起き上がるように形成されたヒンジ係止板が設けられており、
前記ヒンジ係止板には、前記蓋部を閉めた状態とした際に前記係合片が係合される係合孔が形成されており、
前記係合片が前記ヒンジ係止板に形成された係合孔に係止されることにより、開閉自在とされた蓋部が前記容器本体に固定されることを特徴とするカートン。
【請求項４】
前記容器本体の正面板の内壁面にフラップが貼着されており、
前記ヒンジ係止板は、前記正面板に切込部が設けられ、該正面板の少なくとも一部が外部へ向けて起き上がるように形成されるものであることを特徴とする請求項３に記載のカートン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【公開番号】特開２００８−１５５９６８（Ｐ２００８−１５５９６８Ａ）
【公開日】平成２０年７月１０日（２００８．７．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３４８７７７（Ｐ２００６−３４８７７７）
【出願日】平成１８年１２月２６日（２００６．１２．２６）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年７月１０日（２００８．７．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１２月２６日（２００６．１２．２６）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
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