説明

カードゲームシステム

【課題】ゲームを円滑に進行させることができるオンラインゲームを提供する。
【解決手段】 カード自身のシンボル情報が記憶されたICチップおよびその信号を発信するアンテナを備えた複数枚のカードと、複数のカード載置位置が定められたプレイ台2と、前記カード載置位置に置かれたカードのそれぞれのシンボル情報を前記アンテナから発信された信号を受信して読み取るカードリーダ1a〜1fと、カードリーダ1a〜1fからの信号を受信し、これに基づき各カード載置位置に対応付けて各カードのシンボル情報を処理して画像信号を発信するコンピュータ6と、コンピュータ6に通信線9aを介して接続され、コンピュータ6からの画像信号を受信し、これに基づき、端末画像表示部50の前記カード載置位置に対応して所定の位置に定められたカード表示位置のそれぞれに、対応するカードの画像化されたシンボル情報を表示する複数台の端末装置10とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータをオンライン接続することにより、複数の端末装置で同時にカードゲームを進行させることができるカードゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トランプゲーム等のカードを用いて行うバカラやブラックジャックなどのカードゲームにおいて、遅滞や誤りなく円滑にゲームを進める手段として、カードをコンピュータ制御することが考えられている。この際に配付するカードを特定するための手段として、バーコードを印刷したカードを用い、バーコードリーダを取り付けたテーブルでゲームを進行させる装置がある。このバーコードはカード面のデザインを損なうので、紫外線に反応し、可視光線には反応しないバーコードが用いられてきた。また、可視光線に反応しないことで、カードの両面にバーコードの印刷が可能になった。
【0003】
また、バーコードを用いると、カード固有の認証コードを入れることができ、カードを数百枚使うゲームでも、カードを個別に認識することができるので、ゲーム中で同じカードが使われたか否かを検知することが可能になる。バカラやブラックジャックなど、1シュートのゲーム中では、使うカードは一回のみとのルールがあるカードゲームにおいて、数百枚使う場合でもカードが二回使われたか否かを検知することも可能である。また、ゲームに不正なカードが混入することの検知が容易になる。
【0004】
カードの置く場所が固定されている場合、そのカードを置く位置にバーコードリーダを配置することで、カードの有無とカードの固有の情報を検知することが可能になる。現在行われているカードゲームの多くは、カードを移動させる必要がないので、カードの配付順序のみに注意すると良い。カードを配付する順序でゲームの勝敗が決するような場合なら、カードを一枚配付する度にバーコードリーダにカードの情報を読み取らせることにより、ゲームを制御することが可能であるから、バーコードリーダは一つあれば十分である。
【0005】
ネットワークを介して複数の端末装置でゲームを見ようとする際、ディーラー(カード配布者)がカードを配付している様子をカメラで撮影して、バーコードリーダで読み取ったカード情報と同時に配信することで、端末装置を使ってゲームに参加する人は臨場感を味わうことができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バーコードが印刷されたカードを用いた場合、カードの磨耗や汚れによりバーコードが劣化し、カードの情報を正常に読み取れないということがある。カードゲームの場合、カード面を擦ることが多く、バーコードの磨耗や汚れにより劣化し易い。
【0007】
バーコードを印刷したカードを用いる場合、バーコード面の劣化により、カードを誤って認識してしまうことがある。バーコードリーダには認識できる桁数に限界があるため、それほど多くの情報を書き込むことができない。このため、バーコードの劣化により、誤ってカードを認識した場合、検証する情報が乏しいので、不正なままゲームが進行されてしまう恐れが高い。
バーコードを印刷したカードを用いる場合、バーコードの印刷が容易であるため、カードの偽造が容易になり、ゲームの公正さが疑われる原因になる。
【0008】
誤ったゲーム進行を防ぐために、バーコードリーダを複数個テーブルに取り付ける方法もある。しかし、バーコードリーダはその性質上、バーコードリーダの上に何も置くことができないので、バーコードリーダをテーブルに取り付けると、そこにバーコードリーダがあることがはっきりと認識できる。このため、バーコードリーダをテーブルに配置すると、テーブル上のデザインを損なう。カードゲームの場合、テーブル上のデザインは重要な要素なので、テーブル上のデザインが損なわれる影響は大きい。また、ゲームを遅滞なく進行させるには、バーコードリーダの読み取り面を広くする必要があり、読み取り面を広くすると、テーブル上のデザインを更に損なうことになる。更に、テーブルに穴をあけるとか、大掛かりな装置が必要になるとか様々な障害もある。複数のバーコードリーダをテーブルに配置すると、テーブルのデザインは著しく損なわれ、テーブルの改造もかなり大掛かりになる。このため、テーブルに複数のバーコードリーダを用いるのは実用的ではない。
【0009】
バーコードリーダが一つの場合、カードに印刷されたバーコード部分の汚れや磨耗等により劣化しているカードを配付する際にカードを一度バーコードリーダの上にかざすだけではカードの情報が読み取れず、何度もバーコードリーダの上にカードをかざすことが必要になる。この配付の様子は見ている人に不快感を与える。また、何度もカードをかざすことで、実際にはバーコードは正常に読み取られているのに、ディーラーは読み取られていないと錯覚し、同じ情報が二度読み取られることがしばしば発生している。この場合、同じカードが二枚配られたとコンピュータが認識し、不正なゲームが進行されることになる。カードの配付順序でゲームの勝敗が決するような場合、この誤ったカード情報によるゲームの進行は勝敗に大きく左右するので致命的な障害になる。
【0010】
バーコードリーダが一つの場合、カードの情報が読み取られてからカードがテーブル上の所定の位置に達するまでに数秒の時間差が生じる。このカード配付の様子を生中継して、同時にカードの情報を端末装置に送信するようなライブゲームにおいて、カードが配られる映像よりカードの情報が先に端末装置に到着するのは、ゲームに参加している人の臨場感や遊戯性が失われることになる。バーコードリーダが読み取ったカード情報の発信を遅らせるという方法も考案されているが、バーコードリーダよりカードの情報を読み取ってからカードが所定の位置に達するまでの時間はディーラーにより様々であって、一定でないため、この方法も実用性に欠ける。
【0011】
ディーラーがカードを配置する際に位置を間違えることもある。ゲームの進行上、この配置の間違いは勝敗を決するのに重大な影響を及ぼすことがあるので、人的誤りを防ぐことが重要になる。バーコードリーダが一つの場合、カードが何処に置かれたかをコンピュータが認識することはできないので、この間違えを防ぐことができない。
【0012】
ディーラーはカードの面を間違えて配ることもある。本来表面を向けて配るべきところを裏面を向けて配ったり、裏面を向けて配るべきところを表面を向けて配るなどの誤りをすることがある。バーコードリーダが一つの場合、カードの向けられている面を検知することができない。
【0013】
ゲームによっては、カードの向きが重要になることもある。例えば、百人一首のカルタのように、文字が記されているカードを用いる場合、カードの上下を間違えるのは好ましくない。バーコードリーダが一つの場合、カードの向けられている向きを検知することができない。
【0014】
勝敗を決する重要なカードを表向きで配付する場合、敢えて裏向きで配付する場合もある。ゲームに参加している人は、そのカードの表面の一部分のみを見てゲームを楽しむことが多い。ゲームをコンピュータ制御をする場合、カードの一部分を表向ける操作をコンピュータに認識させることが難しい。バーコードリーダが一つの場合、配付したカードが表向きされたか否かを検知するためのセンサを必要とした。このセンサを取り付けることが実用的でないため、カードを全て表向きで配付する方法が取られ、ゲームの参加者は、カードの表面の一部のみを見てゲームを楽しむことができなかった。
【0015】
上記の課題の幾つかに対し、テーブルに複数のバーコードリーダを配し、カードの両面にバーコードを印刷することで解消する方法もある。しかし、前記の通りカードゲームにおいて、バーコードリーダを複数配することは実用的でないので、バーコードを使う限り一つのバーコードリーダでカード情報を読み取る手段がとられているのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような課題に鑑み、本発明のカードゲーム用読取り表示システムは、カード自身のシンボル情報が記憶されたICチップおよびそのICチップの信号を発信するアンテナを仕込んだ複数枚のカードと、複数のカード載置位置が定められたプレイ台と、前記カード載置位置に置かれたカードのそれぞれのシンボル情報を前記アンテナから発信された信号を受信して読み取るカードリーダと、カードリーダからの信号を受信し、これに基づき各カード載置位置に対応付けて各カードのシンボル情報を処理して画像信号を発信するコンピュータと、コンピュータに通信線を介して接続され、コンピュータからの画像信号を受信し、これに基づき、端末画像表示部の前記カード載置位置に対応して所定の位置に定められたカード表示位置のそれぞれに、対応するカードの画像化されたシンボル情報を表示する複数台の端末装置とを備えたことを特徴としている。
【0017】
本発明で云う「シンボル情報」とは、例えば「ハートの7」のトランプのように、そのカード独自の図形が表面に印刷され、すべてのカードに共通する共通同一模様(無模様も一種の共通同一模様)が裏面に印刷されたトランプにおいては、このトランプの「シンボル情報」は、表面が「ハートの7」であることを表わす情報である。裏面が「共通同一模様」であることを表わす情報については、これがICチップに記憶されている場合、あるいはそうでない場合のいずれでもよい。また本発明で云う「ICチップ」とは、演算部、記憶部、送受信部を備えたものを指す。この「ICチップ」は、カードリーダから与えられた電磁波からの電気エネルギを「アンテナ」を介して受け、作動する。また「ICチップ」の記憶部には、カードに関する種々の情報(カード情報)が記憶されるが、そのカード情報中に「カード自身のシンボル情報」が含まれることが必要である。さらに前記記憶部として、書き変え可能なものが用いられることが好適である。本発明で云う「通信線」は有線、無線のいずれでも良く、特にネットワーク回線が好適である。
【0018】
プレイ台(一般にはテーブルを用いる。)のカード載置位置に置かれたカードのそれぞれのシンボル情報をアンテナから発信された信号を受信して読み取るカードリーダとしては、各カード載置位置に対応する位置のそれぞれに配されてプレイ台に取付けられる複数のカードリーダを用いることが好適であるが、1台のカードリーダを用い、これをスキャンして、各カードのシンボル情報をそのカード載置位置と対応付けて読み取るように構成してもよい。
【0019】
本発明は、バーコードの代わりに、ICチップおよびそのICチップの信号を発信するアンテナを仕込んだカードを用いて、このアンテナから発信される情報をカードリーダで受信しているので、カードの情報を的確に読み取ることができる。アンテナは電磁波を発信するものであり、手垢などの汚れに強い。また、アンテナの磨耗を保護する層を設けても、アンテナから発信される信号が劣化することがない。このため、カード面を擦ることによるカード情報の劣化はない。
【0020】
ICチップおよびそのICチップの信号を発信するアンテナを仕込んだカードを用いることで、信号を発信する部分の劣化が防げるので、カードを誤って認識してしまうことはない。更に、ICチップを用いると、バーコードに比べ桁違いに多量のデータを記録させることが可能になるため、ICチップのUID(固有番号)のチェックを行うチェックデジットを入れることも可能になる。このため、カードを誤って認識するという障害を防ぐことができ、不正なままゲームが進行されてしまうということはない。
【0021】
ICチップは、多量の情報を書き込むことができるので、使う場所に合わせて固有の認証コードを入れることが可能になる。カードリーダでこの固有のコードを照合することで、不正なカードか否かを検証することが可能になる。ICチップはチップメーカーがICチップにUIDを埋め込むことになっていて、このUIDは一枚のカードに固有のものであり、同じUIDは世界中に複数存在することはない。カードのUIDをデータベースに登録することで、不正なカードが使われたか否かを容易に検知することができる。このUIDに応じた別の認証コードをICチップに書き込むことができるので、不正カードの混入の検知をより強固なものにできる。
【0022】
カードとカードリーダの間に木材や布や合成樹脂などの電波を通す物体が存在していても、カードリーダはカードの情報を正しく読み取る。このため、カードリーダをテーブルの天板の下に取り付けることができる。また、感度の悪いカードリーダを用いる場合でも、カードリーダの上を布で覆うことにより、テーブルのデザインを損なうことがない。また、カードリーダは小型のものでも指向性が広いので、テーブルに取り付ける場合でもそれほどの大きさを必要としない。また、天板の下に取り付けるなどの方法だと、テーブルへの取り付けは容易である。このため、カードゲームのテーブルに複数のカードリーダを取り付けることは実用的である。
【0023】
上記の通り、カードゲームのテーブルにカードリーダを複数配置することが実用的であるため、先に述べた問題の多くが解決される。
【0024】
テーブル上に置くカードの載置位置にあわせてカードリーダを取り付けても、何も支障が出ない。このような構造のテーブルを用いた場合、ICチップを用いたカードをその位置に置き続けることができるので、一度でカードの情報が読み取れなくても、置きつづけていればそのうちカードリーダはカードの情報を読み取ることができ、カードを不必要に触る必要がない。このため、見ている人に不快感を与えることがなくなる。また、一度正しいデータを読み込んだら、コンピュータからカードリーダの読み込みを停止させることができるので、同じカードを誤って二度読み取ることもなく、ゲームを的確に進行させることが可能になる。
【0025】
上記の通り、テーブル上のカードの載置位置にあわせてカードリーダを配することで、カードが所定の位置に達した時点でカードの情報を読み取るようにできる。ディーラーが前記カードおよび前記テーブルを用いてカードゲームを遂行する様子を撮影し、これを各端末装置の端末画像表示部の所定位置に動画として映し出す画像配信システムを併せ有するカードゲームシステムの場合、画像配信システムにより、ディーラーがカードを配付している動画を配信しながら、カードゲーム用読取り表示システムによって、カード情報も配信でき、その際カードが所定の位置に達する以前にカード情報が発信されることがない。動画の配信はネットワークの負荷を要求するので、いくら同時に信号が発信されたとしても、実際にはカードの情報が先に端末装置に到着する。しかし、バーコードリーダが一つの場合に比較し、その時間差は小さくなる。また、ディーラーによらず、カードの情報を読み取ってからカードの情報が端末装置に到着するまでの時間が予測できるので、信号に遅延時間を設けるのも容易になる。
【0026】
カードリーダはコンピュータで制御できる。上記の通り、テーブル上のカード載置位置に合わせてカードリーダを配し、カードを置くべき位置のカードリーダのみカードの読み込みが可能なようにコンピュータで制御することにより、誤った位置にカードを配した場合には、そのカードを読み取ることができないようにすることができる。カード情報を読み取ったか否かをディーラーに表示することも可能なので、ディーラーがカードの位置を間違えることを防止できる。
【0027】
本発明において、中央に電波を遮断する層を設けて表面側と裏面側に別々のICチップおよびアンテナを仕込んだカードを用いると好適である。表面側と裏面側に別々のICチップおよびアンテナを用いるので、カードのシンボルを特定するコードとカードの面を特定する内容をICチップに記憶させれば、カードリーダはカードの有無とカードのシンボルの他、カードの面を特定することができる。なお、複数のICチップに代えて1つのICチップを用いこれを表面側と裏面側のそれぞれのアンテナに接続し、それぞれのアンテナから発信される信号にアンテナ位置情報を加えることによって、同様の機能を営ませることができる。
【0028】
上記のような表裏両面から別々の信号を発することができるカードを用いることで、カードリーダは、カードの向いている面を検知することができる。このため、ディーラーがカードの向きを誤って配布することを防ぐことも可能である。
【0029】
上記のような表裏両面から信号を発することができるカードを用いることで、カードを裏向きに配っても、コンピュータはカードの情報を読み取ることが可能になる。端末装置に、カードの一部を見せるような工夫をしたプログラムを入れることで、ゲームの参加者は、カードの一部をみてゲームを楽しむことも可能になる。更にゲームの進行上、カードを表面にする必要がある場合でも、カードが表面か裏面かを検知する方法があるので、カードを表にする指示を発し後にディーラーがカードを表面に向けたか否かを検証することができる。このように、表面に向けられたことを確認してゲームの進行を制御することができるので、進行が円滑に行えるようになる。
【0030】
本発明において、カード平面方向に複数のICチップを仕込み、そのICチップからの信号を発信するアンテナを所定位置、例えば対称位置に配置したカードを用いると好適である(この場合も、1つのICチップとこれに接続される複数のアンテナとを用い、それぞれのアンテナから発信される信号にアンテナ位置情報を加えることで、同様の機能を営みうるように構成することができる。)。そのうちの一つのICチップしか交信できない位置にカードリーダを置くことにより、カードの面やカードの向きを検知することができる。
【0031】
カードに対し、2つのアンテナを対称位置に配置することで、カードの向きかカードが向いている面の何れか一方を検知することが可能である。例えば、左右にアンテナを配置(線対称位置に配置)して、カードの左側の位置のアンテナからのみカードの情報を得るようにカードリーダの位置を決定した場合、表面を向けてカードが配られた時にカードの上下が正しいか否かを検知することができる。また、カードの向きを正しく配った時には、カードが裏面か表面かを検知することができる。アンテナは左右対称な位置に配置されているので、カードの置く場所が正しければ、何れのアンテナとでも交信することが可能である。
【0032】
表面からみて右上と左下にアンテナを配置(点対称位置に配置)したカードを用いる場合、カードの右上の位置のアンテナからのみカードの情報を得るようにカードリーダの位置を決定した場合、カードを裏向けにした場合、カードの情報は読み取られない。また、カードを表向きに配った場合でも、上下を検知することができる。
【0033】
カードの右上と左上の位置のアンテナからの信号を読み取れるようにカードリーダを配し、上記の通り、右上と左下にアンテナを配置したカードを用いる場合、右上か左上か何れのカードリーダで信号を受信したを調べることで、カードが表面か裏面かを検知することが可能になる。更に、その受信した信号が右上のICチップからの信号か、左下のICチップからの信号かを調べることで、カードの向きを検知することもできる。
【0034】
カードの四隅にアンテナを配置し、カードの右上のアンテナからのみカードの情報を読み取るようにカードリーダの位置を決定した場合、カードの向いている面とカードの向きを検知することが可能になる。4つのICチップのうちどれと交信しているか、例えば、表面から見て右上に配置されたICチップと交信したのなら、表面で上下が正しいことが分かり、右下のチップと交信したのなら、上下が逆転していて裏面を向いていることが認識できる。当然ながら、これら複数のICチップには、同一のカードであることを示す情報が記録されている必要がある。
【0035】
正方形のカードを用いる場合でも、四隅にアンテナを配置し、カードの右上と左上のアンテナからのみ情報を得るようにすると、カードの面のみならず、上下が反対か否か、横向きか否かも検知することができる。
【0036】
上記のように、カードに複数のICチップと、そのICチップの情報を発信するアンテナを有するカードを用いる場合、カードの面を間違えて配ることを防ぐことが可能になる。また、百人一首のカルタのように上下がある場合でも、上下を間違えて配ることを防ぐことができる。
【0037】
カードの四隅にアンテナを配置することで、面を間違えてカードを配ることと、上下を間違えて配ることの両方を防ぐことができる。また、四隅にアンテナを配置する方法だと、カードの上下に関わらず、裏面であることを的確に検知することができるので、面を間違えて配ることの防止に更に有効である。
【0038】
四隅にアンテナを配置したカードを用いることで、裏面で配布したカードからでも情報を得ることが可能になる。その上、向いている面を的確に検知することが可能になるので、表面にされたことを検知でき、ゲームを円滑に進行させることが可能になる。これを利用すると、裏向きに配られたカードの表面の一部分を見てゲームを楽しむことも可能になる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、プレイ台の複数のカード載置位置に配られたカードのシンボル情報を正確に検出して、その情報を時間的遅れが少なく的確に、複数台の端末装置に送信でき、その端末画像表示部に、前記複数枚のカードを、これらが配られた状態に似せて画像化して表示できるので、複数人の参加者が同時に同一ゲームの進行を楽しむことができる。しかも、カードのシンボル情報発信機能の劣化を防ぐことができ、長期にわたって正確なゲームの進行を維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明を最も効率的に実施できるのはオンラインを用いたトランプゲームである。特にバカラやブラックジャックなど、カードを配布する一人のディーラーと、一人又は複数の参加者からなるゲームにおいて効果が期待できる。下記では主にバカラのオンラインゲームに関してその実施例を説明する。
【0041】
バカラはジョーカーを除く52種類のトランプを用いる。この52種類のカードを1枚づつ集めた単位をデッキという単位で示す。一般のバカラやブラックジャックなどでは、複数のデッキを用いてゲームを行う。バカラでは6デッキ又は8デッキ用いて行う場合が多い。バカラやブラックジャックなどのゲームでは、複数デッキのカードをシューターと呼ばれる容器に入れて、順にカードを配ることでゲームが進行される。バカラはゲームは一回で4〜6枚のカードが使われる。ゲームはシューター内のカードが所定枚数以下になるまで繰り返される。この間、シューターにカードが補充されることはない。シューターにカードを入れて最初のゲームが開始されてから、シューター内のカードが所定枚数以下になるまでの間をシュートと呼ぶ。1回のシュートでは40〜70回程度のゲームが繰り返される。
【0042】
ゲームの参加者はプレーヤー(ゲームの参加者のことではない)とバンカー(ディーラーやゲームの主催者のことではない)の何れが勝つか、或いは引き分けるかを予測し、自分の保有するポイントを勝つ方、或いは引き分けに賭ける。勝敗はプレーヤーに配られたカードとバンカーに配られたカードの各々の数字の合計を10で割った剰余が9に近い方を勝ちとし、同値の場合は引き分けとするゲームである。この際、A(エース)は1、J(ジャック)とQ(クィーン)とK(キング)は0とする。例えば、プレーヤーに配られたカードの数字の合計が5で、バンカーに配られた数字の合計が13の場合、プレーヤーの合計5を10で割った剰余は5、バンカーの合計13を10で割った剰余は3なので、プレーヤーを勝ちとする。
【0043】
ディーラーはプレーヤーにカードを1枚、続いて、バンカーにカード1枚、共に表向きに配付する。更に、プレーヤーに1枚、続いてバンカーに1枚のカードを配る。このプレーヤーとバンカーの2枚目のカードは表向きに配られる場合もあるが、プレーヤーとバンカー夫々に最も多くのポイントをかけた参加者に裏向きにしてカードを渡すことが多い。カードを受け取った参加者は、カードの数字の部分を指で隠しながら表面の一部分を見て自分の賭けた側の状況の変化を楽しむ。このように、カードの一部分を見て自分の賭けた側の状況の変化を楽しむことを「カードを絞る」という表現をする。但し、このカードを絞るということは、ゲームの参加者の自己満足のためであり、ゲームの勝敗に影響するものではない。しかし、ゲームの参加者にとってはカードを絞るという動作はゲームの醍醐味の一つであるので、カードを絞る権利を得るために他の参加者より多くのポイントを賭けようとすることが多い。
【0044】
バカラのゲームではプレーヤーの2枚のカードとバンカーの2枚のカードで勝敗が決することもあるが、プレーヤーに更に1枚配られたり、バンカーに更に1枚配られたりして、プレーヤーが3枚になったり、バンカー3枚になったりし、最大6枚のカードでで勝敗が決する。このプレーヤーとバンカーの夫々3枚目のカードを取るか否かの条件は複雑であり、慣れたディーラーでも間違うことがある。
【0045】
ゲームの参加者は、過去の勝敗の履歴をみて、次にプレーヤーかバンカーか何れが勝つか、或いは引き分けるかを予測する。しかし、出たカードを記録しているわけではないので、理論的には過去の勝敗の履歴と次のゲームの勝敗とは因果関係がない。それにも関わらず、大半の参加者は過去の勝敗の履歴を参考にするので、ゲームの主催者にとっては、ゲームの履歴の管理も行いたいと考えている。
【0046】
これらのルールや状況など考慮し、図1のようなシステムを用いる。
【0047】
カードリーダ1a〜1fを取り付けたテーブル(プレイ台)2があり、そのテーブル2上でディーラー3がICチップを仕込んだカードを配付することを想定する。カードリーダ1a〜1fはハブ4とケーブル5を介して接続されている。また、ハブ4はコンピュータ6とケーブル7を介して接続されている。ハブ4、ケーブル5、ケーブル7はUSBの規格であっても良いし、Etherの規格であってもよい。更に、コンピュータ6はハブ8と回線9aを介して接続されていて、端末画像表示部50を備えた端末装置10はハブ8とケーブル11を介して接続されている。ハブ8は一つに限る必要はなく、複数配置することができる。
【0048】
更に、撮像装置としてテレビカメラ12を用いて、ディーラー3がテーブル2上でカードを配付する様子を撮影し、その画像を動画として端末装置10に配信する。そのために、コンピュータ13を用いる。コンピュータ13は動画のエンコーディングを行うので、コンピュータ6とは別のものとする。コンピュータ13は回線9bを介してハブ8と接続され、端末装置10に映像を配信する。
【0049】
ここで回線9aと回線9bは物理的なケーブルであってもよいし、インターネット回線などの公衆回線であってもよい。利便性と安全性を考えるなら、インターネット回線を用いたVPNを利用するものが望まれる。インターネット回線を用いると、コンピュータ6やコンピュータ13が設置されている場所と、端末装置10が設置されている場所とは物理的に遠隔地であってもよい。回線9aはそれほど広い帯域は必要ないが、信頼性が要求される。これに対し、回線9bは画像配信のため、広い帯域が必要だが、信頼性はそれほど高くなくてもよい。このため、二つは別々の回線にするのがよい。
【0050】
図2は図1のテーブル2の様子を横から示したものである。カードリーダ1a〜1fはテーブルの天板2aの下側に取り付けられ、カードを置く位置の真下に読み取り用のアンテナが来るように配置する。カードを置く位置は横一列にしても良いし、プレーヤーとバンカーを夫々別の列にしてもよい。ここでは、横一列で、ディーラー3からみて右がプレーヤー、左がバンカーとなるように配置されている場合を想定する。カードリーダ1a〜1fの各々の設置間隔は、隣接するカードリーダ上にあるカードの情報を読み込まない程度の広さにする必要がある。
【0051】
図3はディーラー3が配付するカード14の様子を示したものである。カード14にはICチップ15とアンテナ16が仕込まれている。カード14の表裏面の模様はトランプの本来の模様に忠実である必要はなく、映像配信をする場合には、数字とマークのみの単純な模様を用いると、端末装置での視認性が良くなる。
【0052】
図4は図3のカード14の断面を示したものである。カードは7層からなり、上から、表面の保護層17、表面側の印刷層18、表面側の基板層19、ICチップ15とアンテナ16とからなる層、裏面側の基板層20、裏面側の印刷層21、裏面の保護層22から構成されている。ICチップ15とアンテナ16は頑丈な基板層19と基板層20にはさまれているので、外部からの力による疲労を防ぐことができる。また、基板層19と基板層20とアンテナ16の強度を調整することで使用に十分な硬さを得ることもできる。また、基板層19と基板層20の素材を選べば、カード14の厚みも調整できる。
【0053】
図5は、図3の構造をもったカード14を図2の構造をもったテーブル2上で配付する様子を示したものである。テーブル2の天板2a上には、6枚のカード14を載置すべき位置、すなわちカード載置位置A、B、C、D、E、Fが定められている。また前記天板2aの各カード載置位置A〜Fに対応するように、カードリーダ1a〜1fが図のように配置されている。これらカードリーダ1a〜1fはテーブル2の天板2aの下に設置されているため、テレビカメラ12には写らない。このため、ゲームの参加者が興味をそそるようなデザインにすることも可能である。シューター23は図4の構造をもったカード14を収納しておくケースであり、カード14が420枚程度収納できるような大きさを持っている。モニタ24はコンピュータ6に接続されており、現在のゲームの進行状況や、カードリーダがカード14の情報を読み取ったか否かを示すようになっている。モニタ25はコンピュータ13と接続されていて、ディーラー3が自分を撮影して配信される画像を確認できるようになっている。マウス26とキーボード27はディーラー3がコンピュータ6の操作ができるように用意されたものである。
【0054】
図6は、端末装置10の端末画像表示部50に示される画面の例である。画面左上の区画28には、テレビカメラ12で撮影されたディーラー3の画像を写すようになっている。区画29a〜29cはプレーヤーに配られたカードを示し、区画30a〜30cはバンカーに配られたカードを示すようになっている。区画31にはプレーヤーにかけたポイント、区画32はタイ(引き分け)に賭けたポイント、区画33はバンカーに賭けたポイントをチップを積み上げる形式で示すようになっている。チップ34a〜34fは賭けるポイントを指定するためのもので、ゲームに参加する場合、このチップをクリックすることで、いくらのポイントを賭けるかを決定する。区画35は過去の勝敗の履歴を示すもので、プレーヤーが勝ったか、バンカーが勝ったか、或いは引き分けであったかを示している。区画36と区画37はゲームの参加者がディーラー3と交信する手段として設けられている区画である。ゲームの参加者はディーラー3に送りたい文言を区画36に入力する。ディーラー3からの返答の文言は区画37に示される。
【0055】
図7はコンピュータ6に接続されたモニタ24に示される画面の例を示したものである。区画38a〜38fは、カードリーダ1a〜1fで読み取られたカードの情報を画像化して示すもので、カードを置く位置も示されている。区画39には端末装置10を使っているゲームの参加者が何処にどれだけのポイントを賭けているかを示す。区画40と区画41と区画42はゲームの参加者との交信をする手段として設けられている。ゲームの参加者からのメッセージが区画40に示される。ディーラー3からゲーム参加者へのメッセージは、区画41で参加者を指定し、区画42に送信したいメッセージを入力する。区画43は、シューター23にカードが入れられてからのゲームの履歴を示す。
【0056】
ディーラー3はマウス26或いはキーボード27を用いて、ゲームの開始をコンピュータ6に指示する。コンピュータ6は各端末装置10に、ゲーム開始の信号を送る。ゲームの参加者はこの信号を受け取ったら、賭けを開始する。
【0057】
ゲームの参加者は、図6の画面より、区画31、区画32、区画33をマウスでクリックすることで賭ける場所を指定し、チップ34a〜34fをクリックすることで賭けるポイントを指定する。何処にかけるか判断がつかない場合は、賭けないことで、ゲームに参加しないということもできる。また、参加者はプレーヤーとバンカーに同時に賭けることはできない。また、タイ(引き分け)のみに賭けることもできない。タイにかける場合はプレーヤーかバンカーの何れかに賭けをする必要がある。
【0058】
ゲームの参加者が保持しているポイントはコンピュータ6で管理されていて、賭けたポイントが保有ポイントより減じられる。賭けたことにより減ったポイントは端末装置10に通知され、端末装置は参加者にわかるようにこの値を表示する。
【0059】
一定時間が経過したら、コンピュータ6は端末装置10に賭けの時間が終了したことを通知する。この賭けの時間の終了の通知を受け取ったあとは、ゲームの参加者は賭けを行うことができない。図7で示される画面の区画39には、どの端末装置から何処にいくらの賭けがあったかが示される。
【0060】
賭けの時間の終了後数秒は、端末装置10からの信号を待つ。この数秒間の時間は賭けの時間が終了した信号の到着が遅れ、その間に賭けがなされた場合の信号を受け取るための猶予の時間である。
【0061】
この猶予時間が経過したら、コンピュータ6はディーラー3にカード配付を指示する。最初に配られるカードはプレーヤーの1枚目なので、図7に示される区画38aの色が変わることで、カードリーダ1aの真上にカードを表向きに置くように指示が出される。同時にコンピュータ6はカードリーダ1aにカード情報読み取りの指示を発する。カードリダ1aはカードの情報を受信したら、カードの情報をコンピュータ6に通知する。この際、カードのUID(固有コード)とICチップに予め記録されたデータをカード情報として、コンピュータ6に通知する。コンピュータ6は、カードのICチップのUIDをキーにコンピュータ6の内部のデータベースを検索し、カードの情報が正しいことを確認した上で、ハートの5などのカードのシンボルを示す画像を区画38aに表示し、同時に、端末装置10にカードのシンボルを含む情報を送信する。
【0062】
カードの情報を受け取った端末装置10は、カードのシンボル情報に応じて、端末装置10に予め用意されていた画像を区画29aに表示する。
【0063】
同様にして、コンピュータ6はバンカーの1枚目のカードを置くようにディーラー3に指示し、カードリーダ1dよりカード情報を受け取り、照合を行い、カードのシンボル情報を端末装置10に送信する。端末装置10は受け取った信号に基き、区画30aにそのカードのシンボルに応じた画像を表示する。
【0064】
同様にして、コンピュータ6はプレーヤーの2枚目のカードを置くようにディーラー3に指示する。この際、2枚目のカードは裏向きに置かれるので、区画38aに示した色とは異なる色を区画38bに表示することでカードの置く位置とカードの面をディーラー3に指示する。コンピュータはプレーヤーの1枚目と同様にカードリーダ1bからカードの情報を受け取り、照合を行い、カードの裏面を示す画像を区画38bに表示する。更にカードのシンボルを含む情報を端末装置10に送信する。
【0065】
端末装置10は受け取った信号に基き、カードの画像を読み込むが、まだ端末画像表示部50の画面には表示しない。このカードの画像は区画29aや区画30aに表示される画像とは異なり、カードの左上と右下の数字の部分はモザイクを入れるなどして判別できないようにしたものである。しかし、区画29bにはトランプのシンボルに関わらず、トランプの裏面を示す別の画像を表示し、上記のモザイク等の入ったトランプのシンボルに対応した画像は見えないようにしておく。
【0066】
同様にして、コンピュータ6はバンカーの2枚目のカードを置くようにディーラー3に指示を出し、カードリーダ1eよりカード情報を受け取り、照合を行い、端末装置10に信号を発する。
【0067】
端末装置10は、プレーヤーの2枚目の場合と同様の処理を行い、モザイク等の入ったトランプの画像を読み込み、区画30bにはトランプのシンボルに関わらず、トランプの裏面の画像を表示する。
【0068】
コンピュータ6はプレーヤーとバンカーの2枚目のカードの情報を発信したら、しばらく待機する。端末装置10はプレーヤーとバンカーの2枚目の信号を受け取ったら、カードの一部をゲームの参加者に見せれるようにする。実際には、ゲームの参加者は区画29b或いは区画30bの上でマウスカーソルを移動させることで、そのマウスカーソルの位置に応じた部分だけの画像が見えるようにする。例えば、マウスカーソルが区画29bの下辺付近にあるときは、マウスカーソルの下にカードの一部分が見えるようにする。マウスカーソルを上にあげると、カードの見える部分が広がるようにする。或いは、マウスカーソルが区画29bの右辺付近にあるときは、マウスカーソルの右にカードの一部分が見えるようにし、マウスカーソルを左に移動させるとカードの見える部分が広がるようにする。この際、数字表示対応部分が見えたとしても、モザイク等が入っているので数字は判読できず、事実上、数字の部分を指で隠しているのと同様になる。このようにカードの一部を見ることを、「カードを絞る」という表現をする。
【0069】
この際、参加者は自分が賭けている方のカードしか見ることができない。例えば、バンカーに賭けていたら、バンカーの2枚目のカードは上記の通り、上端の一部分や左端の一部分を見ることができるが、プレーヤーの2枚目は、ディーラーが表にするまで見ることはできない。前述の通り、バンカーとプレーヤーの両方にかけることができないので、両方のカードに対して絞ることはできない。また、タイ(引き分け)のみに賭けることもできないので、絞ることができるカードは特定される。当然ながら、賭けをしていなければ、どちらも見ることはできない。
【0070】
区画29b、30bをダブルクリックするとか、一定の操作があれば、その区画にはモザイクのない本来のカードが表示される。区画の下端付近にマウスカーソルを位置させて、カードを絞りながら、マウスカーソルを区画の上辺に達したらカードが全面表示されるようになっている場合、マウスカーソルが区画の上辺に達したり、上辺の上に達した時にその区画にモザイクのない本来のカードが表示される。マウスカーソルを右辺付近に位置させてカードの左端の部分を見ながら、区画の左辺にマウスカーソルが達したらカード全体が見える場合でも同様に、区画の左辺か左辺の左側にマウスカーソルが達したら、本来のカードが表示される。
【0071】
一定時間が経過したら、コンピュータ6はディーラー3に裏面にして配ったカードを表にする指示を発する。具体的には、プレーヤーの2枚目のカードを表にするには、図7の区画38bの色を変更し、カードを表向きにする指示を出す。
【0072】
この際、コンピュータ6は、カードリーダ1bにカード読み取りの指示を繰り返し発して、カードの情報が読み取れない状況になるまで待つ。コンピュータ6はカードリーダ1bがカードの情報が読み取れない状態になればカードが離れたと認識したことにする。カードが離れたことをコンピュータ6が認識したら区画38bの色を変更することでディーラー3に通知する。更にコンピュータ6はカードリーダ1bにカード読み取り指示を繰り返し発して、カードの情報が読み取られるのを待つ。裏面でカードが配られた時にカードリーダ1bより読み取っていたカードの情報と照合し、同じカードであると判断されたら、コンピュータ6はカードが表に向けられたと認識する。但し、このカードからの信号が一旦途切れて、カードの信号を再び受け取ったことをもってカードが表に向けられたと認識する方法は、カードが表に向けられた可能性があることを示しているに過ぎず、カードが確実に表に向けられたことは検知できない。これを確実に検知する方法はあとで述べる。コンピュータ6がカードが表に向けられたと認識したら、区画38bにそのカードのシンボルを示す画像を表示することでディーラー3に通知する。
【0073】
現在のカードリーダの多くは、カードからの信号を時々読み込まないことがある。このため、カードからの信号が来ないことをもって、カードがカードリーダから離れたとコンピュータ6に認識させてしまうと、ディーラー3が実際にカードを動かしていないのに、カードが離れたと誤って認識することがある。このカードからの信号を読み込まないのは一瞬なので、次の瞬間にカードからの信号を読み込んでしまう。この場合、ディーラー3は実際にはカードをなんら動かしていないのにも関わらず、コンピュータはカードが表になったと誤った認識をしてしまい、次のプロセスに移行する。このため、一回の読み込みでカードからの信号が途切れた状態ではカードが離れたと認識させず、カードからの信号のない状態が一定時間持続することを持って、カードが離れたと認識させるべきである。
【0074】
カードが表に向けられたら、コンピュータ6は端末装置10にそのことを通知する。端末装置10は表向けられた信号を受信すると、区画29bにカードのシンボルに対応するモザイクのない本来の画像を表示する。参加者がまだモザイクの入った画像しか見ていない状況でも、強制的に本来の画像を表示することで、ゲームを進行させる。
【0075】
同様にして、ディーラー3はコンピュータ6の指示に基き、バンカーの2枚目も表を向け、端末装置10も区画30bの画像を変更する。
【0076】
プレーヤーとバンカーの2枚目のカードが表に向けられた時点で、コンピュータ6はプレーヤーに3枚目を配るかどうかを、バカラのルールに則って判断する。
【0077】
プレーヤーに3枚目を配ると判断した場合、プレーヤーに配られる3枚目のカードにより、バンカーに3枚目を配るか否かを判断する場合と、プレーヤーに配られる3枚目のカードに関わりなくバンカーに3枚目のカードを配る場合がある。プレーヤーに3枚目のカードを配らないと判断した場合でも、バンカーに3枚目のカードを配るか否かが判断される。
【0078】
少なくともいずれかに3枚目のカードを配ると判断した場合は、図7の区画38cと区画38fを使ってディーラーにそのことを伝える。この方法は2枚目のカードを配る時と同様である。3枚目を配る場合は、この3枚目のカードは勝敗を決する上で重要になるので、ゲームに参加している人も、カードを絞る楽しみがより大きくなる。このため、ディーラーは2枚目のカード同様に裏面にしてカードを配る。
【0079】
プレーヤーに3枚目を配り、プレーヤーに配られた3枚目のカードの状況に依らずバンカーに3枚目のカードを配ると判断された場合、プレーヤーとバンカーの2枚目のカードの配付と同様に、プレーヤーの3枚目のカードが表に向けられる前にバンカーにも3枚目を配る。この場合も2枚目のカードと同様に、夫々に賭けた参加者は夫々のカードを絞りながら勝敗が決まることを楽しむ。一定の時間が経過したら、2枚目のカードと同様にコンピュータ6の指示に基き、ディーラー3は両方のカードを表向きにする。
【0080】
プレーヤーの3枚目のカードによりバンカーの3枚目のカードを配るか否かが決まる場合、プレーヤーにカードを配り、プレーヤーの2枚目のカードの場合と同様に、少しの時間を取り、プレーヤーに賭けた参加者がカードを絞る時間を与える。一定時間が経過したら、コンピュータ6の指示に基きディーラー3はカードを表向きにする。
【0081】
プレーヤーに3枚目を配らずにバンカーに3枚目を配る場合や、プレーヤーの3枚目のカードのにより、バンカーに3枚目が配られる場合も同様である。バンカーに裏向きに3枚目のカードを配り、バンカーにかけた参加者がカードを絞る時間を与える。一定時間が経過したら、コンピュータ6の指示に基き、ディーラー3はカードを表に向ける。
【0082】
ゲームの勝敗が決したら、コンピュータ6はディーラー3にどちらが勝ったか、あるいは引き分けたかを知らせる。またコンピュータ6は参加者が保有しているポイントを管理しているので、かけたポイントに応じて参加者のポイントの計算を行う。現在保有しているポイントを確認させる意味でも、ゲームの勝敗に関わらず、参加者の保有ポイントを端末装置10に通知する。端末装置10は、そのポイントを参加者に見えるように表示する。
【0083】
このゲームの結果は、図6の区画35に表示される。ゲームが進行するたびに、このゲームの結果は蓄積され、履歴としてみることができる。この過去のゲームの履歴はシューター23にカードを入れてから、すなわち、シュートが開始されてから勝敗が表示されているので、参加者はこれを見て、次にプレーヤーかバンカーか何れに賭けるべきかの参考にする。過去に配布されたカードを記録している場合でない限り、理論的には、過去のゲームの履歴と次にどちらが勝つかという事象の間には因果律はないが、参加者はこの過去のゲーム結果を参考にして、次にどちらに賭けるかを判断することが多い。
【0084】
上記のように、ゲームの参加者はゲーム履歴を参考にすることが多いので、ゲームの主催者としてはゲームの履歴を管理しておきたいと考えている。図7のディーラーの画面にはゲームの履歴を示す区画43が用意されている。この履歴にはシュートが開始されてからの勝敗が表示され、図6の区画35に表示されるものと同等である。シューター23にあるカードの残り枚数が一定以下になった、すなわち、シュートが終了した時点で、この履歴はコンピュータ16の記憶媒体に記録され、ゲームの主催者が管理することとなる。
【0085】
上記に説明した手段では、カードの面を検知する手段を有していない。このため、ディーラーがカードの面を間違えて配布する誤りを防ぐことができない。また、ゲームの参加者がカードを絞った後にディーラーがカードを表に向ける際、表に向けたか否かを確実に検知することもできない。これらの問題点を解消するには、カードの面を検知する手段があればよいことになる。この手段を下記で説明する。
【0086】
図8は図4の構成のカードを改良したものである。カード14aは11層からなり、上から、表面の保護層117、表面側の印刷層118、表面側の基板層119は図4と同じである。また、裏面も同様で、下側から裏面の保護層122、裏面側の印刷層121、裏面側の基板層120は図4と同様である。表面側の基板層119の下にICチップ115aとアンテナ116aを含む層を設ける。更に、裏面側の基板層120の上にICチップ115bとアンテナ116cを含む層を設ける。ICチップ115bとアンテナ116bを含む層の下に表面側の絶縁層123を配し、更にその下にアルミ箔層124を配する。表面側の絶縁層123はアンテナ116aとアルミ箔層124を電気的に絶縁するために設ける。同様に、ICチップ115bとアンテナ116bの上に裏面側の絶縁層125を配する。この裏面の絶縁層125もアンテナ116bとアルミ箔層124を電気的に絶縁するものである。このような構造をとることで、ICチップ115aから発せられる情報はアンテナ116aを介して、カードの上にあるカードリーダでないと受信できず、ICチップ115bから発せられる情報はアンテナ116aを介して、カードの下にあるカードリーダでないと受信できないことは事実であるが、実際には上方のカードリーダは不要である。すなわち図2に示されるように下方の一台のカードリーダを用いるだけで充分であり、この場合ICチップ115aからの信号か、ICチップ115bからの信号かを判定することで、カードがどちらを向いているかを判定することが可能である。すなわちICチップ115aとICチップ115bは異なるUIDと異なる面の情報をもつが、カードのシンボルなどの情報は同じものにする。このようにすることで、そのカードのシンボル情報を認識しつつ、カードの面をも検知することも可能になる。
【0087】
上記のようなカードを図3のようにカードリーダを配置したテーブル上で配布することにより、カードリーダなどの装置を変更することなく、カードの向いている面を検知することが可能である。すなわち、ディーラーがカードの向きを誤って配布することを防ぐことが可能になる。また、どちらの面を向いていてもカードのシンボルなどの情報を取得することができるため、ゲームの参加者がカードの一部を見てゲームを楽しむ、すなわち、カードを絞ることも可能になる。
【0088】
上記の通り、カードの表面側と裏面側にICチップおよびアンテナを搭載し、カードの面を特定する方法は、カードリーダの数を増やすことなく、カードの面の情報を取得することができるという長所と、カードが厚くなり、しなやかさに乏しいという短所を有する。このため、1つのシューター23に8デッキ(8組)416枚のカードを入れて行う場合、大きなシューターが必要であり、ディーラーによっては配り難い場合もある。このため、できるだけ薄くてしなやかなで、尚且つ面を確実に検知するカードが望まれる場合もある。このうようなカードを用いるシステムを下記に説明する。
【0089】
図9は図3のカード14を改良したものを表面より見た図である。このカード14bの断面は図4の通りの7層からなる物とする。このため、カードの厚さやしなやかさは図4のカードと変わらず、図8に示す11層からなるカードに比較し、薄くてしなやかになる。このカード14bの特徴は表面からみて右上にICチップ215aとアンテナ216aを配置し、左下にもICチップ215bとアンテナ216bを配置する点にある。ICチップ215aとICチップ215bには夫々別々のUIDとカードの面の情報が記録されているが、同じカードのシンボルを示す情報が記録されている。従って、何れのICチップからでもカードのシンボルを特定することが可能である。
【0090】
図10は図9のカードの情報を読み取るためのカードリーダの様子を示したものである。例えば、本来、カードリーダ1bの1台を用いてカードの情報を読み取っていた部分を、カードリーダ201baとカードリーダ201bbの2台のカードリーダを配置するように変更する。カードリーダの位置は、カードの所定の位置に対し、左上の部分にカードリーダ201baを、左下の部分にカードリーダ201bbを配置する。カードリーダ201baとカードリーダ201bbは共に真上ないしはその近傍にアンテナがないとカードの信号が受信できない程度の感度を有しているものを用いる。
【0091】
図9のようなカード14bと図10のように配置されたカードリーダを用いるテーブルにおいて、カードが置かれていない場合は、カードリーダ201baとカードリーダ201bbは共に信号を受信しない。カードが所定位置に図9に示すカードが置かれると、カードリーダ201baかカードリーダ201bbのいずれかの一方のカードリーダの上方ないしはその近傍にアンテナが位置することになる。例えば、表面で上下が正しい場合、カードリーダ201bbの上方ないしはその近傍にアンテナ216bが位置する。上下が間違っていても、表面ならカードリーダ201bbの上にアンテナ216aが位置する。すなわち、カードリーダ201bbがカード情報を受信したということは、カードは表面を向いていることになる。また同様に、カードが裏面を向いている場合、カードリーダ201baがカードの情報を受信したということで検知することができる。当然ながら、裏向きにカードが置かれたとしても、カードのシンボルの情報を受信することは可能である。更に、この受信したカードの情報がICチップ215aからのものか、ICチップ215bからのものかを調べることでカードの向きも検知することが可能になる。
【0092】
この読み取りの際、カードの移動中にカードの情報を読み取る可能性がある。しかし、カードは所定位置に達すると、検知に十分な時間、その位置に置かれるので、カードより、一定時間持続して同一のICチップよりカードの情報が取得していることをもって、カードが所定位置に置かれたと判断する。
【0093】
このように、図9のようなカードを用いて、図10のような位置にカードリーダを配置すると、薄くてしなやかなカードを利用でき、尚且つ、表向きか裏向きかを検知することも可能になる。尚且つ、カードの上下が正しいか否かも検知することが可能になる。このようなカードとカードリーダの配置を行うことで、ディーラーもカードを配りやすく、尚且つ、カードの面の誤りを防ぐことができる。また、裏向けにカードが配られた状態でもカードのシンボル情報が検知できるので、ゲームの参加者はカードを絞ることも可能になる。更に、ディーラーがカードを表に向けたことを的確に検知することができる。
【0094】
ディーラーがカードを配布している様子を生中継する場合は小さいカードではカードの面の図柄が認識しづらいので、長辺が15cm程度のカードが用いられる。このため、カードの下に2台のカードリーダを配置することは可能である。
【0095】
図9では右上と左下にアンテナを配置しているが、左上と右下でも同様の効果が得られる。図9に対し、アンテナ216aを左上に配置し、アンテナ216b左下に配置したカードを用いて、図10に対してカードリーダ201bbを右下に配置することも可能であるが、カードのアンテナのある左側とアンテナのない右側とでは、カードのしなやかさが異なるので、ディーラーにとっては配り難いカードとなる。或いは、図9に示す通りのカードを用いて、図10のカードリーダ201bbを右上に配置することも可能であるが、カードリーダが接近して混信の恐れがあうので、できるだけカードリーダの距離がとれる図10に示す通りの配置が望ましい。
【0096】
しかしながら、図9のカードでは表面からみてカードの左上の部分と右下の部分にアンテナのない部分が生じる。このためカードの硬さが一定ではなく、ディーラーにとって配り難い場合もある。また、カードリーダ201baとカードリーダ201bbとの距離が十分に取れないため、感度のよいカードリーダを用いると混信を起こす恐れがある。しかし、感度を落とすとカードの情報を的確に受信できない場合もある。このため、カードリーダの配置と感度調整が難しい。このため、カードの硬さが均一に近く、カードリーダが接近しない構成が望まれる。硬さが均一に近いカードを用い、カードリーダの間隔が十分に取れる手段を下記で説明する。
【0097】
図11は図9のカード14bを改良して、四隅にアンテナを配置したカード14cを表面より見た図である。このカードの断面は、図4の通りである。1枚のカードに対し、4つのICチップ315a〜315dを用いて、夫々のICチップに対応する4つのアンテナ316a〜316dを持つ構造にする。このような構造にすることで、カードの硬さは均一に近くなる。ICチップ315a〜315dには、各々異なるUIDと異なる角位置の情報が記録されている。ここで、角位置の情報は左上、左下、右上、右下の4通りがあるものとする。また、ICチップ315a〜315dには同じカードのシンボルを示す情報が記録されていて、どのICチップからでも、カードのシンボルを特定することが可能になる。
【0098】
図12は図11のカードの情報を読み取るためのカードリーダの様子を示したものである。例えば、本来、カードの所定位置に対しカードのほぼ中央真下に配置されていたカードリーダを、カード所定位置の左上に配置するように変更する。このように位置が変更されたカードリーダ301bは、図10におけるカードリーダ201baやカードリーダ201bbと同様に、ほぼ真上にアンテナがないとカードの信号が受信できない程度の感度を有しているものを用いる。カードリーダの位置は、右上や左下や右下であってもかまわない。下記では左上にあるものとして説明する。
【0099】
図11に示すようなカード14cと図12に示すように配置されたカードリーダ301bを用いた場合、カード14cが所定位置になければカードリーダ301bはカード14cからの情報を読み込まない。カード14cが表向きで上下が正しく置かれた場合、ICチップ315aからのカードの情報を取得する。表向きで上下が逆転している場合は、ICチップ315dよりカードの情報を取得する。すなわち、表向きなら、ICチップ315aかICチップ315dのいずれかよりカードの情報を取得することになる。カード14cが裏面の場合、上下が正しければICチップ315bより、上下が逆転している場合はICチップ315cより情報を取得する。すなわち、どのICチップよりカードの情報を取得したかを調べると、向いている面と上下の向きも取得することが可能になる。また、ICチップ315a〜315dの全てに同一のカードのシンボルの情報を記憶させてあるため、裏面からでも、カードのシンボルを特定することが可能になる。
【0100】
前述の通り、カードの移動中の誤った検知を防ぐため、同じICチップからのカードの情報を持続して受信していることをもってカードが所定位置に達したと判断する。
【0101】
このように、図11に示すようなカードを用いて、図12に示すような位置にカードリーダを配置すると、薄くてしなやかなカードを利用でき、尚且つ、表向きか裏向きかを検知でき、更に、カードの情報を取得する際の混信も少なくなる。尚且つ、カードの上下が正しいか否かも検知することが可能になる。このようなカードとカードリーダの配置を行うことで、ディーラーもカードを配りやすく、尚且つ、カードの面の誤りを防ぐことができる。また、裏向けにカードが配られた状態でもカードのシンボルが検知できるので、ゲームの参加者はカードを絞ることも可能になる。更に、ディーラーがカードを表に向けたことを的確に検知することができる。
【0102】
参加者はディーラーにメッセージを送ることができる。例えば、手を振れなどのメッセージを送ることができる。ディーラーはこのメッセージに従って手を振り、その手を振った様子がテレビカメラ12で撮影され、動画で端末装置10の端末画像表示部50に表示される。メッセージを送った参加者は、自分の要請通りにディーラーが動いたことを確認することで、送られてくる動画は予め用意された動画ではなく、生中継で配信されていることを確認することができる。また、ディーラーにメッセージを送って、それに応答するメッセージが返ってきた場合も同様である。
【0103】
同様にブラックジャックやポーカーなどのゲームにも対応することができる。この場合、テーブル2に取り付けられるカードリーダの個数や配置を変更し、端末装置10の端末画像表示部50とコンピュータ6の画面と、プログラムを変更するだけでよい。また、その他のゲームにも応用できる。
【0104】
この発明においては、コンピュータ6とコンピュータ13をある特定の場所に置き、端末装置10を遠隔地に置くことも可能である。この場合、ケーブル9aとケーブル9bの代わりにインターネット等の公衆回線を使う。また、端末装置10の数はコンピュータ6とコンピュータ13の処理能力に応じた数だけ接続することが可能になる。従来のバカラなら一人のディーラーに対し、数人しか参加できなかったが、このようなシステムを構築することで、飛躍的に多くの人がゲームに参加できる。また、最も高いポイントを賭けた参加者にしか許されなかったカードを絞って楽しむことも、全ての参加者に許されることになり、より遊戯性の高いゲームを進めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のカードゲーム用読取り表示システムおよびカードゲームシステムによれば、オンラインを使ったゲームに実用することで、円滑かつ正確なゲームの進行が可能になり、ゲームに参加する人はゲームをより一層楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】システム全体の構成図である。
【図2】テーブルを横から見た図である。
【図3】ICチップおよびアンテナを取り付けたカードの様子を示した図である。
【図4】ICチップおよびアンテナを取り付けたカードの断面図である。
【図5】ディーラーがカードを配付する様子を示した図である。
【図6】端末装置の画面を示した図である。
【図7】ディーラーが操作する画面を示した図である。
【図8】中央に電波を阻害する層を有するカードの断面を示した図である。
【図9】2つのICチップおよびアンテナを配したカードを表面より見た図である。
【図10】そのカード情報を読み取るためのカードリーダの配置を示す図である。
【図11】4つのICチップおよびアンテナを配したカードを表面より見た図である。
【図12】そのカード情報を読み取るためのカードリーダの配置を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
1a〜1f、201ba、201bb、301b カードリーダ
2 テーブル(プレイ台)
3 ディーラー
6 制御用コンピュータ
9a〜9b 回線
10 端末装置
12 テレビカメラ
13 動画配信用コンピュータ
14、14a、14b、14c カード
15、115a、115b、215a、215b、315a〜315d ICチップ
16、116a、116b、216a、216b、316a〜316d アンテナ
24 制御コンピュータのモニタ
25 動画配信の様子を見るモニタ
28 動画表示用区画
29a〜29c プレーヤーのカード表示用区画
30a〜30c バンカーのカード表示用区画
38a〜38f カードリーダより読み取った情報を表示する区画
50 端末画像表示部
124 金属箔層
A、B、C、D、E、F カード載置位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード自身のシンボル情報が記憶されたICチップおよびそのICチップの信号を発信するアンテナを仕込んだ複数枚のカードと、
複数のカード載置位置が定められたプレイ台と、
前記カード載置位置に置かれたカードのそれぞれのシンボル情報を前記アンテナから発信された信号を受信して読み取るカードリーダと、
カードリーダからの信号を受信し、これに基づき各カード載置位置に対応付けて各カードのシンボル情報を処理して画像信号を発信するコンピュータと、
コンピュータに通信線を介して接続され、コンピュータからの画像信号を受信し、これに基づき、端末画像表示部の前記カード載置位置に対応して所定の位置に定められたカード表示位置のそれぞれに、対応するカードの画像化されたシンボル情報を表示する複数台の端末装置とを
備えたことを特徴とするカードゲーム用読取り表示システム。
【請求項2】
各カード載置位置に対応する位置のそれぞれにカードリーダが配され、これらカードリーダがプレイ台に取付けられた請求項1記載のカードゲーム用読取り表示システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のカードゲーム用読取り表示システムを備え、
かつ、ディーラーが前記カードおよび前記プレイ台を用いてカードゲームを遂行する様子を撮影し、これを前記各端末装置の端末画像表示部の所定位置に動画として映し出す画像配信システムを備え、
前記画像配信システムにより写し出される動画と、前記カードの画像化されたシンボル情報とが同時進行的に各端末装置の端末画像表示部に表示されるように構成された
ことを特徴とするカードゲームシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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