説明

カードソケット

【課題】低背化を達成し得る構造を有するカードソケットを提供すること。
【解決手段】カードソケットのベース部分を基本的には金属製のベースフレーム100で構成し、コンタクト300の保持のためのインシュレータ200や第2スイッチ片620を保持するためのスイッチ片保持用インシュレータ700など、最低限必要とされる部分以外には樹脂を用いないこととする。これにより、カードソケットの強度を保ちつつ樹脂を薄肉化することができることから、カードソケットの低背化を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等などの小型の電子機器においてメモリカードのようなカードを少なくとも部分的に収容するカードソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカードソケットとしては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されたものが知られている。このうち、特許文献2に記載のカードソケットは、特許文献1や特許文献3のカードソケットと比較して、低背化し得る構造を有している。
【0003】
なお、近年のカードソケットにおいては、特許文献3記載のカードソケットのように、カードの挿入・排出を検知するためのスイッチを備えるものが一般的である。
【0004】
【特許文献1】特開2005−228519号公報
【特許文献2】特開2008−53124号公報
【特許文献3】特開2007−242634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2のカードソケットの場合、低背化を達成することはできるが、そのためコンタクトを保持するための保持部分をカード挿入方向奥側に設けなければならず、設計上の自由度が低いという問題がある。例えば、特許文献2のカードソケットの場合、保持部分に対する位置的制限に起因して、コンタクトの接点部(カードの端子と接触する部位)は、保持部分に保持される部位よりも、挿入方向手前側に位置していなければならない。
【0006】
加えて、特許文献2のカードソケットの場合、大型化することなく、特許文献3に示されているような検知スイッチを設けることが構造上困難である。
【0007】
そこで、本発明は、特許文献2のカードソケットとは異なる構造であって低背化を達成し得る構造を有するカードソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、第1のカードソケットとして、
金属で形成されたベースフレームであって、第1方向に延びる第1部位及び第2部位と前記第1方向に直交する第2方向において前記第1部位と前記第2部位とを離間した状態で連結する連結部とを有するベースフレームと、
前記第2方向において前記ベースフレームの前記第1部位と前記第2部位との間を橋渡しするようにして設けられたインシュレータと、
該インシュレータに保持されたコンタクトと、
前記ベースフレームと別体の金属材料からなるカバーであって、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する第3方向において前記インシュレータを覆うようにして前記ベースフレームと組み合わせられ、該ベースフレームと共にカードを少なくとも部分的に収容するカード収容部を構成するカバーと
を備えるカードソケットが得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第2のカードソケットとして、第1のカードソケットにおいて、
前記ベースフレームは、前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第3方向において前記インシュレータと重複する部位を有しないように、構成されている
カードソケットが得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第3のカードソケットとして、第1又は第2のカードソケットにおいて、
前記コンタクトは、前記カードの端子と接触する接触部と前記インシュレータに保持される被保持部とを有しており、
前記コンタクトは、前記カードの挿入方向において前記接触部が前記被保持部よりも前方に位置するように、前記インシュレータに保持されている
カードソケットが得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第4のカードソケットとして、第1乃至第3のカードソケットのいずれかにおいて、
前記連結部は、前記第1方向において、前記コンタクトとは異なる位置に位置している
カードソケットが得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第5のカードソケットとして、第1乃至第4のカードソケットのいずれかにおいて、
前記第1部位及び前記第2部位の少なくとも一方は、前記第3方向に立ち上がる立設部を備えており、
前記インシュレータは、前記第2方向において前記立設部を挟むようにして形成されている
カードソケットが得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第6のカードソケットとして、第5のカードソケットにおいて、
前記立設部には、貫通孔が形成されており、
前記インシュレータは、前記貫通孔内にも位置している
カードソケットが得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第7のカードソケットとして、第5のカードソケットにおいて、
前記立設部の前記インシュレータに挟まれた部位には、前記第3方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記第1方向において、前記凹部の大きさは、前記インシュレータの前記立設部を挟む部位の大きさよりも小さく、
前記インシュレータは、前記凹部内にも位置している
カードソケットが得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第8のカードソケットとして、第1乃至第7のカードソケットのいずれかにおいて、
カードの挿入・排出を検知するための検知スイッチであって、前記カバーと一体となるように形成された第1スイッチ片と前記第1方向において前記第1スイッチ片と接触する第2スイッチ片とを有する検知スイッチと、
該第2スイッチ片を保持するスイッチ片保持用インシュレータと、
スイッチ片保持用インシュレータを支持すると共に前記カバーと組み合わせられる金属部材と
を更に備える
カードソケットが得られる。
【0016】
また、本発明によれば、第9のカードソケットとして、第8のカードソケットにおいて、
前記金属部材は、バックアップ部を有しており、
該バックアップ部は、前記第1スイッチ片と前記第2スイッチ片との接触により前記第2スイッチ片が受ける力を前記第1方向において前記スイッチ片保持用インシュレータを介して受けるように、配置されている
カードソケットが得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第10のカードソケットとして、第8又は第9のカードソケットにおいて、
前記金属部材は、係止部又は被係止部を備えており、
前記カバーは、前記金属部材の係止部又は被係止部と前記第1方向において係止する被係止部又は係止部を有している
カードソケットが得られる。
【0018】
また、本発明によれば、第11のカードソケットとして、第8乃至第10のカードソケットのいずれかにおいて、
前記金属部材は、前記ベースフレームと一体形成されている
カードソケットが得られる。
【0019】
また、本発明によれば、第12のカードソケットとして、第1乃至第第11のカードソケットのいずれかにおいて、
前記カード収容部に収容されたカードを排出するためのカードイジェクト機構を更に備える
カードソケットが得られる。
【0020】
更に、本発明によれば、第13のカードソケットとして、
挿入されたカードを部分的に覆うカバーと、
カードの挿入を検出するための検知スイッチであって、前記カバーと一体となるように形成された第1スイッチ片と前記第1方向において前記第1スイッチ片と接触する第2スイッチ片とを有する検知スイッチと、
該第2スイッチ片を保持するスイッチ片保持用インシュレータと、
スイッチ片保持用インシュレータを支持すると共に前記カバーと組み合わせられる金属部材と
を備えるカードソケットが得られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ベースフレームの第1部位と第2部位との間に橋渡しされたインシュレータにコンタクトを保持させる構成としたことから、低背化を達成することができる。
【0022】
加えて、本発明の場合、特許文献2におけるコンタクトを保持するための保持部分に設けられていた位置的な制限は、本発明によるインシュレータにはない。特許文献2のようにコンタクトの接触部を被保持部よりも挿入方向手前側に配置した場合、カード挿入の邪魔にならないようにコンタクト(特に接触部)を形成し且つ配置しなければならない。例えば、コンタクトの先端部を下向きに折り曲げてカード挿入をスムーズにガイドするような形状としなければ、コンタクトがカード挿入の邪魔になる可能性がある。更に、コンタクトの先端部をそのような形状とした場合、コンタクトの接触部がカードの端子と接触した場合におけるコンタクトの撓みを考慮して、厚み方向にマージンをとらなければならない。そのため、カードソケットの低背化にも限界がある。それに対して、コンタクトの接触部を被保持部よりも挿入方向奥側に配置させた場合には、コンタクトの先端部の形状に関しカードソケットの低背化の妨げとなるような制約はない。従って、本発明によれば、特許文献2のカードソケットと比較しても更なる低背化を達成することができる。更に、本発明によるカードソケットの有するベースフレームは、連結部を有していることから、特許文献2のカードソケットと比較して第2方向における強度が高いという利点もある。
【0023】
更に、本発明によれば、検知スイッチを構成する第1スイッチ片をカバーと一体形成してあることから、特にノーマリークローズタイプ(カード挿入前の状態において第1スイッチ片と第2スイッチ片が接触状態にあるタイプ)の検知スイッチの場合であっても、リフロー実装時におけるカードソケットの構成要素の変形(例えば、インシュレータを構成する樹脂の変形やそれに伴うスイッチ片の位置ずれ)のリスクを軽減することができる。特に、カバーと組み合わせられる金属部材(例えば、本発明のベースフレームや、従来技術によるインシュレータハウジングに別途組み込んだ金属部材)にバックアップ部を設けて、第1スイッチ片と第2スイッチ片の接触により第2スイッチ片が受ける力を第1方向においてスイッチ片保持用インシュレータを介してバックアップ部により受けるようにすると、リフロー実装時におけるカードソケットの構成要素の変形のリスクを更に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態によるカードソケットは、MicroSDカード用のカードソケットであり、所謂プッシュ/プッシュタイプのものであり、携帯電話機などにリフロー実装されるものである。
【0025】
図1乃至図3に示されるように、本実施の形態によるカードソケットは、金属製のベースフレーム100と、ベースフレーム100に支持されたインシュレータ200と、インシュレータ200に保持されたコンタクト300と、カード900をイジェクトするためのイジェクト機構400と、インシュレータ200やコンタクト300を覆う金属製のカバー500と、カード900の挿入を検知するための検知スイッチ600と、検知スイッチ600の一部を保持するスイッチ片保持用インシュレータ700とを備えている。なお、本実施の形態におけるインシュレータ200及びスイッチ片保持用インシュレータ700は、樹脂製である。
【0026】
図3及び図4に示されるように、ベースフレーム100は、Y方向(第1方向)に延びる第1部位110及び第2部位120と、第1部位110及び第2部位120をX方向(第2方向)において離間した状態で連結する第1連結部130及び第2連結部140と、X方向の両端からZ方向(第3方向)に立ち上がる側部150,160とを備えている。第1部位110の縁部のうち第2部位120に近い方の縁部にはZ方向に立ち上がる立設部112が形成されているおり、この立設部112には貫通孔114が形成されている。この立設部112は、後述するようにインシュレータ200の剥れを防止する役割を有することに加え、ベースフレーム100がZ方向に曲がることを防止する役割も有している。第2部位120の第1部位110から遠い方の縁部にもZ方向に立ち上がる立設部122が形成されており、この立設部122にはZ方向に沿って凹んだ凹部124が形成されている。図4、図6及び図8に示されるように、側部150,160には、夫々、X方向外側に突出する係止片170が形成されている。なお、図4から明らかなように、本実施の形態における立設部122は、側部160の一部である。
【0027】
図3及び図6に示されるように、インシュレータ200は、ベースフレーム100の第1部位110及び第2部位120との間をX方向において橋渡しするようにして設けられている。図3及び図4から理解されるように、Y方向において、インシュレータ200は、第1連結部130と第2連結部140との間に位置している。従って、図3及び図6に示されるように、インシュレータ200は、第1部位110と第2部位120との間では、Z方向において、ベースフレーム100とは重複していない。図3、図4及び図6から理解されるように、インシュレータ200の第1部位110側の部位210は、Y方向に延びており、X方向において立設部112を挟むような形状を有している。また、部位210は貫通孔114内にも位置している。これにより、インシュレータ200が第1部位110から剥れることが防止されている。インシュレータ200の第2部位120側の部位220は、Y方向に延びており、更に、その一部222はX方向に突出し立設部122の外側でY方向にも延びている。即ち、インシュレータ200の一部222は、X方向において立設部122を挟んでおり、立設部122の凹部124内にも位置している。図9から明らかなように、Y方向において、インシュレータ200の一部222の大きさは、凹部124の大きさよりも大きい。これにより、インシュレータ200が第2部位120から剥れることも防止されている。
【0028】
図5に示されるように、コンタクト300は、接触部312を有するバネ部310と、インシュレータ200に保持される被保持部320と、カードソケットの搭載される基板上のパターンに固定される被固定部330とを備えている。被保持部320にはZ方向に凹んだ凹部322が形成されている。図3及び図6に示されるように、コンタクト300は、この凹部322をインシュレータ200に埋めた状態で、インシュレータ200に保持されている。これにより、インシュレータ200からコンタクト300が抜けることを防止することができる。また、図3及び図6から理解されるように、コンタクト300は、ベースフレーム100の第1連結部130とは異なる平面上に配置されている。即ち、コンタクト300は、Z方向において、ベースフレーム100の第1連結部130とは異なる位置に位置している。従って、第1連結部130がコンタクト300とカード900の端子との接触の邪魔になることはない。また、図6に示されるように、インシュレータ200の底面と第1部位110と第2部位120のそれぞれの底面とは同一面に位置しており、カードソケットを低背化することができる。更に、図3に示されるように、本実施の形態においては、コンタクト300の接触部312は、カード挿入方向において被保持部320よりも前方に位置しており、被固定部330は、カード挿入方向において被保持部320よりも後方に位置している。かかる配置によれば、コンタクト300の先端部314がカード900の挿入の妨げとなることはない。これにより、本実施の形態においては、先端部314からの接触部312の高さHを小さくすることができる(例えば、高さHを0にすることもできる)。そのため、本実施の形態によるコンタクト300の配置によれば、バネ部310の撓み変形時に先端部314が基板に接触することを防止するためのマージンも小さくすることができ、同マージンを大きくとらざるを得ない特許文献2のようなカードソケットと比較して、カードソケットを低背化することができる。
【0029】
図3及び図9に示されるように、本実施の形態におけるイジェクト機構400は、カム付きのスライダ410と、スライダ410のカムに追従するカムフォロワ420と、スライダ410を排出方向に付勢するコイルばね430とを備えており、第1部位110上に配置されている。
【0030】
図3及び図7に示されるように、カバー500は、カードソケットの上面を構成する主部510と、主部510のX方向の両端からZ方向に延びる側部520と、主部510の前端からZ方向に延びる前部530とを有しており、図1に示されるように、ベースフレーム100と組み合わせられることによりカード収容部800を構成する。図1及び図2から理解されるように、カード900は、カード900の後端部を除き、このカード収容部800に収容される。カバー500の側部520には、X方向において側部520を貫通する被係止孔540が形成されている。図1及び図8に示されるように、この被係止孔540にベースフレーム100の係止片170が係止し、それによって、ベースフレーム100とカバー500の組み合わせが維持される。また、係止片170の被係止孔540に対する係合により、Y方向におけるベースフレーム100とカバー500の相対的な移動が制限される。
【0031】
図1及び図9に示されるように、検知スイッチ600は、コンタクト300の前方に設けられたノーマリクローズタイプのスイッチであり、Y方向において互いに接触する第1スイッチ片610及び第2スイッチ片620を備えている。即ち、本実施の形態における検知スイッチ600は、カード900の未挿入時においては第1スイッチ片610及び第2スイッチ片620が接触しており、カード900の挿入時においては第1スイッチ片610及び第2スイッチ片620が非接触となる。図7に示されるように、第1スイッチ片610は、カバー500と一体に形成されていることから、十分なバネ力を有している一方で変形などが防止されている。一方、第2スイッチ片620は、図9及び図10に示されるように、スイッチ片保持用インシュレータ700により保持されており、このスイッチ片保持用インシュレータ700は、ベースフレーム100の第2連結部140により支持されている。なお、本実施の形態においては、金属製のベースフレーム100を有する例を掲げて説明しているが、第1スイッチ片610をカバー500と一体に形成する点については、例えば、特許文献3のようにベースインシュレータを有する構造の場合にも適用可能である。
【0032】
図10から理解されるように、本実施の形態における第2連結部140は、第1スイッチ片610と第2スイッチ片620との接触により第2スイッチ片620が受ける力をY方向においてスイッチ片保持用インシュレータ700を介して受けるバックアップ部として機能する。詳しくは、本実施の形態における検知スイッチ600は、ノーマリクローズタイプであるので、第1スイッチ片610及び第2スイッチ片620は、カード900の非挿入時にY方向において互いに力を受けることとなる。第2スイッチ片620の受けた力は、スイッチ片保持用インシュレータ700に伝達される。このような力がかかった状態でカードソケットのリフロー実装を行ったとすると、バックアップ部がない場合には、スイッチ片保持用インシュレータ700がリフロー実装時の熱により大きく変形する恐れがある。しかし、本実施の形態によれば、Y方向において、第2連結部(バックアップ部)140がスイッチ片保持用インシュレータ700を介して第2スイッチ片620をバックアップしている。ここで、樹脂は曲げ応力や引っ張り応力には弱いが圧縮応力には比較的強い。従って、第2連結部140を設けたことによりスイッチ片保持用インシュレータ700の変形を防止することができる。
【0033】
更に、本実施の形態におけるバックアップ部、即ち、第2連結部140はベースフレーム100の一部であり、ベースフレーム100はカバー500と組み合わせられる。従って、第1スイッチ片610と第2スイッチ片620との接触により第2スイッチ片620にかかっている力は、スイッチ片保持用インシュレータ700及びベースフレーム100を介して、係止部170と被係止孔540との係止部分に伝達される。一方、第1スイッチ片610と第2スイッチ片620との接触により第1スイッチ片610にかかっている力は、カバー500を介して、係止部170と被係止孔540との係止部分に伝達される。その結果、第1スイッチ片610と第2スイッチ片620との接触により第1スイッチ片610と第2スイッチ片620が受けた力は、係止部170と被係止孔540との係止部分において相殺される。即ち、力の伝達にかかる系は、カードソケット内において閉じた系となっているので、カードソケット内においてバランスが保たれ、歪み等の問題を生じさせることはない。なお、本実施の形態においては、バックアップ部をベースフレーム100の一部(即ち、第2連結部140)としたが、最終的にカバー500と組み合わせられる金属部材であればよく、ベースフレーム100と別体に構成してもよい。即ち、第2連結部140と側部150,160の部分をベースフレーム100とは別体の金属部材で形成してもよい。本実施の形態においては、金属製のベースフレーム100を有する例を掲げて説明しているが、検知スイッチ600の第2スイッチ片620のバックアップ部に関する発明は、例えば、特許文献3のようにベースインシュレータを有する構造に対しても適用可能である。
【0034】
本実施の形態において、スイッチ片保持用インシュレータ700は、インシュレータ200と一体形成されており、カムフォロワ420の軸穴部720として機能するインシュレータや、グリス止め730として機能するインシュレータと同一工程において形成される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチ片保持用インシュレータ700は、インシュレータ200とは分離した状態で形成することとしてもよい。
【0035】
以上説明したように、本発明の実施の形態においては、カードソケットのベース部分を基本的には金属製のベースフレーム100で構成し、コンタクト300の保持や電気的絶縁の確保等に最低限必要とされる部分以外には樹脂を用いないこととしたため、カードソケットの強度を保ちつつ低背化を達成することができる。
【0036】
また、本発明の実施の形態においては、第1連結部130や第2連結部140を設けていることから、X方向における剛性も確保されており、特許文献2の構造と比較して強度の向上が図られている。
【0037】
加えて、本発明の実施の形態においては、検知スイッチ600を構成するスイッチ片(第1スイッチ片610)の一方をカバー500と一体に形成したことから、検知スイッチ600の強度を向上させることができ、更に、残りのスイッチ片(第2スイッチ片620)に対してもバックアップ部(第2連結部140)を設けることとしたことから、特にノーマリクローズタイプの検知スイッチにおいて問題となりうるリフロー実装時における樹脂の変形などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態によるカードソケットを示す斜視図である。
【図2】図1のカードソケットにカードを収容した状態を示す斜視図である。
【図3】図1のカードソケットを示す分解斜視図である。
【図4】モールドイン法によりインシュレータを形成する前のレイアウトを示す図である。
【図5】図4のコンタクトを示す斜視図である。
【図6】図3のインシュレータ、コンタクト及びベースフレームを示すVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図3のカバーを示す斜め下方からみた斜視図である。
【図8】図1のベースフレーム及びカバーを示すVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図1のカードソケットを示す上面図である。ここで、カバーの主部は検知スイッチの構造を明確にするため省略されている。
【図10】図9の検知スイッチを示すX−X線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0039】
100 ベースフレーム
110 第1部位
112 立設部
114 貫通孔
120 第2部位
122 立設部
124 凹部
130 第1連結部
140 第2連結部(バックアップ部)
150,160 側部
170 係止片
200 インシュレータ
210 部位
220 部位
300 コンタクト
310 バネ部
312 接触部
314 先端部
320 被保持部
322 凹部
330 被固定部
400 イジェクト機構
410 スライダ
420 カムフォロワ
430 コイルばね
500 カバー
510 主部
520 側部
530 前部
540 被係止孔
600 検知スイッチ
610 第1スイッチ片
620 第2スイッチ片
700 スイッチ片保持用インシュレータ
720 軸穴部
730 グリス止め
800 カード収容部
900 カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属で形成されたベースフレームであって、第1方向に延びる第1部位及び第2部位と前記第1方向に直交する第2方向において前記第1部位と前記第2部位とを離間した状態で連結する連結部とを有するベースフレームと、
前記第2方向において前記ベースフレームの前記第1部位と前記第2部位との間を橋渡しするようにして設けられたインシュレータと、
該インシュレータに保持されたコンタクトと、
前記ベースフレームと別体の金属材料からなるカバーであって、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する第3方向において前記インシュレータを覆うようにして前記ベースフレームと組み合わせられ、該ベースフレームと共にカードを少なくとも部分的に収容するカード収容部を構成するカバーと
を備えるカードソケット。
【請求項2】
請求項1記載のカードソケットにおいて、
前記ベースフレームは、前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第3方向において前記インシュレータと重複する部位を有しないように、構成されている
カードソケット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のカードソケットにおいて、
前記コンタクトは、前記カードの端子と接触する接触部と前記インシュレータに保持される被保持部とを有しており、
前記コンタクトは、前記カードの挿入方向において前記接触部が前記被保持部よりも前方に位置するように、前記インシュレータに保持されている
カードソケット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカードソケットにおいて、
前記連結部は、前記第1方向において、前記コンタクトとは異なる位置に位置している
カードソケット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカードソケットにおいて、
前記第1部位及び前記第2部位の少なくとも一方は、前記第3方向に立ち上がる立設部を備えており、
前記インシュレータは、前記第2方向において前記立設部を挟むようにして形成されている
カードソケット。
【請求項6】
請求項5記載のカードソケットにおいて、
前記立設部には、貫通孔が形成されており、
前記インシュレータは、前記貫通孔内にも位置している
カードソケット。
【請求項7】
請求項5記載のカードソケットにおいて、
前記立設部の前記インシュレータに挟まれた部位には、前記第3方向に凹んだ凹部が形成されており、
前記第1方向において、前記凹部の大きさは、前記インシュレータの前記立設部を挟む部位の大きさよりも小さく、
前記インシュレータは、前記凹部内にも位置している
カードソケット。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のカードソケットであって、
カードの挿入・排出を検知するための検知スイッチであって、前記カバーと一体となるように形成された第1スイッチ片と前記第1方向において前記第1スイッチ片と接触する第2スイッチ片とを有する検知スイッチと、
該第2スイッチ片を保持するスイッチ片保持用インシュレータと、
スイッチ片保持用インシュレータを支持すると共に前記カバーと組み合わせられる金属部材と
を更に備える
カードソケット。
【請求項9】
請求項8記載のカードソケットであって、
前記金属部材は、バックアップ部を有しており、
該バックアップ部は、前記第1スイッチ片と前記第2スイッチ片との接触により前記第2スイッチ片が受ける力を前記第1方向において前記スイッチ片保持用インシュレータを介して受けるように、配置されている
カードソケット。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載のカードソケットにおいて、
前記金属部材は、係止部又は被係止部を備えており、
前記カバーは、前記金属部材の係止部又は被係止部と前記第1方向において係止する被係止部又は係止部を有している
カードソケット。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のカードソケットにおいて、
前記金属部材は、前記ベースフレームと一体形成されている
カードソケット。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のカードソケットであって、
前記カード収容部に収容されたカードを排出するためのカードイジェクト機構を更に備える
カードソケット。
【請求項13】
挿入されたカードを部分的に覆うカバーと、
カードの挿入を検出するための検知スイッチであって、前記カバーと一体となるように形成された第1スイッチ片と前記第1方向において前記第1スイッチ片と接触する第2スイッチ片とを有する検知スイッチと、
該第2スイッチ片を保持するスイッチ片保持用インシュレータと、
スイッチ片保持用インシュレータを支持すると共に前記カバーと組み合わせられる金属部材と
を備えるカードソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−289699(P2009−289699A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143614(P2008−143614)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】