カード作成システムおよび方法
【課題】 個人を特定するカードで氏名に外字を含むものを作成する場合に、従業員本人が外字を簡単に選択または作成できるようにする。
【解決手段】 認証部12は、氏名に外字を含む従業員にパスワードを発行し外字編集操作の可否を認証する。従業員情報読込部13は従業員番号をもとに従業員DB31から従業員情報を抽出し、顔写真情報読込部14は顔写真DB32から顔写真イメージ情報を抽出する。外字検索部15は、従業員が指定した検索条件をもとに外字DB33から外字情報を抽出する。外字補正部16は、従業員によって選択された外字(補正対象)の修正部分を拡大されたドットイメージで表示し、補正操作により変更された状態をもとに新たな外字イメージ情報を生成する。カードイメージ作成部17は、テンプレートに従業員情報、顔写真イメージ情報を貼り込み、検索/補正された外字イメージ情報を当該外字位置に組み込みカードイメージ情報を生成し、カードイメージ記憶部34へ出力する。
【解決手段】 認証部12は、氏名に外字を含む従業員にパスワードを発行し外字編集操作の可否を認証する。従業員情報読込部13は従業員番号をもとに従業員DB31から従業員情報を抽出し、顔写真情報読込部14は顔写真DB32から顔写真イメージ情報を抽出する。外字検索部15は、従業員が指定した検索条件をもとに外字DB33から外字情報を抽出する。外字補正部16は、従業員によって選択された外字(補正対象)の修正部分を拡大されたドットイメージで表示し、補正操作により変更された状態をもとに新たな外字イメージ情報を生成する。カードイメージ作成部17は、テンプレートに従業員情報、顔写真イメージ情報を貼り込み、検索/補正された外字イメージ情報を当該外字位置に組み込みカードイメージ情報を生成し、カードイメージ記憶部34へ出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人を特定するカードを発行する場合に、標準的な文字コードに用意されていない文字(以下、外字という)を含む氏名を印字したカードを作成するカード作成システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構成員である社員や学生や従業員(以下、単に従業員という)などの個人を特定するために、顔写真や氏名などの個人に関する情報をカード表面に表した身分証明用カード(以下、単にカードという)を発行することがよく行われている。
【0003】
カードの表面に印字される氏名の多くは人名漢字として予め用意された漢字フォントによって表示することが可能である。しかし、人名の表記に特殊な漢字や文字が使用されていることもあり、例えば第1水準や第2水準などの標準的な文字コードに設定されている文字以外の文字(外字)のイメージデータを印字用に作成しておく必要がある。
【0004】
IDカードに印字する外字を登録してカードを作成した各カード作成システムから、外字と外字情報を収集して管理し、同一の外字に対してカード作成システム各々の外字情報を従属させて、再利用できるようにする顔画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−8018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、日本人以外の外国人従業員も数多く就業している企業や団体が多数ある。また、学校等においても留学生の増加が著しい。このような企業、学校等において従業員のカードまたは学生カードを発行する場合に、以降企業を例として述べるが、季節労働者的な従業員の氏名に特殊な文字が含まれていることが多いため、氏名の特殊な文字を外字として用意しなければならない。例えば、中国簡体字、台湾繁体字、特殊なアルファベットなどの文字を外字として登録する必要がある。
【0006】
一般的に、カード発行作業は、専任のオペレータがカード発行システムを用いて行っている。従業員の氏名が特殊な文字を含む場合には、従業員が手書きしたその特殊文字の見本を参考にしながら、オペレータが文字フォント作成機能などを使用して外字イメージ情報を作成・登録していた。
【0007】
オペレータは、特殊な文字の手書き見本だけを参照して外字イメージ情報を作成するため文字の細部を認識できず、オペレータが作成した外字イメージ情報による外字の形態が、従業員の意図していたものと異なっていることも多かった。そして、従業員の意図した文字の形態と異なる外字イメージ情報を用いて氏名を印字したカードは、間違いを含むエラーカードと判定され、カードの再発行が必要となっていた。
【0008】
季節労働者等の外国人従業員等の就労数が増加するにつれて、カード発行作業に伴う外字イメージ情報の作成作業の負担も増加してきた。そのため、従業員が、カードに印字された外字を自己の氏名を表記する文字であると認識できるような適切な外字イメージ情報を作成するシステムが要求されている。
【0009】
本発明の目的は、氏名を印字して従業員個人を特定するカードを発行するカード作成システムにおいて、氏名に外字を含むカードを作成する場合に、従業員本人が、使用する外字を簡単に選択または作成できるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、氏名を印字して従業員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成システムにおいて、1)従業員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む従業員情報を記憶する従業員情報記憶部と、2)各従業員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、3)前記カードに印字される外字の外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部と、4)前記カードを発行するためのカードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部と、5)従業員情報の氏名文字列に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記従業員の外字編集操作の可否を認証する認証手段と、6)前記従業員の従業員番号をもとに前記従業員情報記憶部から従業員情報を抽出する従業員情報読込手段と、7)前記従業員の顔写真イメージ情報を前記顔写真情報記憶部から抽出する顔写真イメージ情報読込部と、8)前記外字編集操作の可否の認証後、前記従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として前記外字情報記憶部から外字情報を抽出する外字検索手段と、9)所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記従業員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成するカードイメージ作成手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のシステムでは、予め、従業員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む従業員情報と、各従業員の顔写真イメージ情報と、前記カードに印字される外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報とをそれぞれの記憶部に記憶しておく。
【0012】
そして、認証手段は、従業員情報記憶部を参照して、従業員情報の氏名文字列に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行する。その後、従業員によって入力された外字編集用パスワードをもとに従業員の外字編集操作の可否を認証する。
【0013】
外字検索手段は、認証手段によって従業員の外字編集操作が認証されると、従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として、外字情報記憶部から外字情報を抽出する。
【0014】
そして、従業員情報読込手段は、従業員の従業員番号をもとに従業員情報記憶部から従業員情報を抽出し、顔写真イメージ情報読込部は、従業員の顔写真イメージ情報を顔写真情報記憶部から抽出する。そして、カードイメージ作成手段は、所定のカードイメージテンプレートデータに、抽出された従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字検索手段によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を、従業員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成し、カードイメージ情報記憶部に記憶する。
【0015】
これにより、外字を含む氏名を持つ従業員に対してカードを発行する場合に、従業員本人に外字情報記憶部から該当する外字を直接選択させることができるため、間違いのない外字を用いたカードイメージ情報を作成してカードを発行することができる。
【0016】
さらに、本発明は、上記の構成をとる場合に、前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶されることを特徴とする。
【0017】
外字情報記憶部に記憶される外字情報は、外字イメージ情報と、例えば、漢字風、記号風、アルファベット風などのその外字のカテゴリ情報、画数情報、読み方(ヨミカタ)を示すヨミ情報などの属性情報とを含む。外字検索手段は、従業員によって指定された1つまたは複数の属性情報を外字の検索条件として使用して外字情報を検索し、該当する外字イメージ情報を検索結果として抽出する。
【0018】
これにより、文字コード番号を使用することなく、外字イメージの抽出操作に不慣れな従業員にも理解しやすい属性情報を使用して、外字情報記憶部から所望する外字イメージ情報をより簡単に抽出することができる。また、外字情報記憶部に膨大な外字情報が記憶されている場合でも、検索条件によって絞り込んだ検索結果からより効率的に外字を抽出することができる。
【0019】
また、本発明は、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記従業員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、前記従業員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する外字補正手段を備えるとともに、前記カードイメージ作成手段は、前記カードイメージテンプレートデータに前記従業員情報および前記顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を前記氏名文字列の当該外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成することを特徴とする。
【0020】
外字補正手段は、外字検索手段によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報および選ばれた通常の標準的な文字を補正対象イメージとする。そして、補正対象イメージから従業員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、従業員が補正操作を行うごとに、ドットデータに対する変更状態を保持しておく。そして、従業員の補正終了指示を受けて、補正対象イメージの修正範囲を現在の変更状態に置き換え、新たな外字イメージ情報を生成する。
【0021】
その後、カードイメージ作成手段は、カードイメージテンプレートデータに従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字補正手段によって生成された新たな外字イメージ情報を氏名文字列の当該外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する。
【0022】
これにより、外字情報記憶部に従業員が所望する外字情報が存在しない場合でも、検索結果として抽出された外字イメージ情報をもとに、外字イメージ情報の拡大されたドットイメージを補正することによって新たな外字イメージ情報を作成することができる。
【0023】
また、外字イメージ情報の指定された範囲のドットイメージを拡大して表示することにより、補正操作が容易に行え、また、補正結果の精度をよくすることができる。
【0024】
また、本発明は、前記外字補正手段によって生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する外字情報登録手段を備えることを特徴とする。
【0025】
これにより、外字補正手段によって新たに生成された外字情報を外字情報記憶部に記憶させることができるため、すでに登録された外字情報を検索して使用することができるようになる。
【0026】
さらに、本発明は、氏名を印字して従業員を特定するカードであって前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成方法であって、前記従業員情報を記憶する従業員情報記憶部と、前記顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、前記外字イメージ情報を記憶する外字情報記憶部と、前記カードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部とを備えて、上記に説明した処理を行う方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、従業員の身分証などのカードを発行するカード発行システムにおいて、氏名に外字を含む従業員に所定のパスワードを発行し、従業員本人が、外字情報を記憶された外字情報記憶部から必要な外字イメージ情報を抽出したり、または、類似する外字情報のイメージデータを補正して新たな外字イメージ情報を生成したりすることができる。
【0028】
これにより、従業員本人が外字を選択または補正するため、正確な氏名が印字されたカードを確実に発行することができ、間違った字体を印字したカードが発行されるという発行ミスを減少させることができる。
【0029】
また、必要な外字が登録されていない場合でも、従業員本人が、イメージのできあがりを確認しながら外字イメージ情報を作成することができるため、適切な外字イメージ情報の生成が期待でき、カード発行作業の作業効率が向上する。
【0030】
また、発行ミスを原因とするカード再発行を防止でき、カード作成工程の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態における構成例を示す図である。
【0032】
本発明にかかるカード作成システムは、カード作成装置(サーバ)1および従業員が利用する利用者端末(クライアント)2で構成され、カード作成装置1と利用者端末2はネットワークNを介して接続され、相互にデータ通信を行う。
【0033】
カード作成装置1は、制御部10、入出力インターフェース(入出力I/F)部11、認証部12、従業員情報読込部13、顔写真情報読込部14、外字検索部15、外字補正部16、カードイメージ作成部17、および外字情報登録部18を備える。カード作成装置1は、従業員データベース31、顔写真データベース32および外字データベース33の各データを読み込み、カード発行用のためのカードイメージデータをカードイメージ記憶部34へ出力する。
【0034】
図2は、従業員データベース31のデータ構成例を示す図である。従業員データベース31には従業員情報が記憶される。従業員情報は、従業員ごとに、従業員を識別する従業員番号、入社年月、従業員の氏名の読み方(ヨミ)を示す氏名(カナ)、発行されるカードに氏名として印字される文字列を示す氏名(表記)、氏名(表記)に外字が含まれるか否かを示す外字フラグなどのデータ項目で構成される。
【0035】
従業員情報の氏名(表記)の文字列内に外字を含む場合に、その外字の位置が「黒丸」で表され、外字フラグ=1が設定される。なお、外字を含まない場合に外字フラグ=0が設定される。例えば、従業員番号「8265221」の従業員は、氏名のヨミが「イナロウハジメ」であり、印字される氏名(文字列)の先頭の1文字(イナ)が外字であることを示す。
【0036】
図3は、顔写真データベース32のデータ構成例を示す図である。顔写真データベース32には顔写真イメージ情報が記憶される。顔写真イメージ情報は、従業員ごとに、従業員番号、従業員の顔写真イメージデータである顔写真イメージ、顔写真の撮影年月日などのデータ項目で構成される。
【0037】
図4は、外字データベース33のデータ構成例を示す図である。外字データベース33には外字情報が記憶される。外字情報は、外字ごとに、外字を識別するための登録番号、外字イメージデータである外字イメージ情報、属性情報などのデータ項目で構成される。本例では、属性情報として、外字のカテゴリ、ヨミ、および画数のデータ項目が設けられる。カテゴリは、外字イメージの形態にもとづく所定の分類を示す属性情報であり、例えば、漢字風、記号風、アルファベット風、その他などのカテゴリを予め用意しておく。なお、カテゴリ以外の属性情報の例えばヨミ、画数などのデータ項目に情報(値)が設定されていない場合があってもよい。
【0038】
カード作成装置1の制御部10は、カード作成装置1内の各処理手段の動作を制御する処理手段である。
【0039】
入出力インターフェース(入出力I/F)部11は、利用者端末2との間でデータの入力または出力を制御する処理手段である。
【0040】
認証部12は、利用者端末2を利用する従業員のカード作成装置1へのアクセスを認証し、さらに、氏名に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行して従業員の外字編集操作の可否を認証する処理手段である。
【0041】
具体的に、認証部12は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員の従業員番号を従業員データベース31の従業員番号と照合してカード作成装置1へのアクセス認証を行い、さらに、アクセスしている従業員の氏名に外字が含まれる場合、すなわち当該従業員の従業員情報の外字フラグが1である場合に、外字編集用パスワードを発行して従業員の外字編集操作の可否を認証する。
【0042】
従業員情報読込部13は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員番号をもとに従業員データベース31から該当する従業員情報を読み込む処理手段である。
【0043】
顔写真情報読込部14は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員番号をもとに顔写真データベース32から該当する顔写真イメージ情報を読み込む処理手段である。
【0044】
外字検索部15は、認証部12による外字編集操作の可否の認証後、従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として、外字データベース33から該当する外字情報を抽出し、読み込む処理手段である。外字検索部15は、外字検索条件として、例えば、カテゴリ、ヨミ、画数のいずれか1つまたはこれらの組み合わせを使用して外字データベース33を検索し、入出力インターフェース部11を介して利用者端末2の表示部21にこの検索結果の外字イメージ情報を表示させる。従業員は、表示された検索結果から、外字として採用する外字イメージ情報または外字編集作業において新たな外字を作成するための補正対象とする外字イメージ情報を選択することができる。
【0045】
外字補正部16は、所定の外字イメージ情報を補正対象イメージとし、この補正対象イメージの全部または一部を修正して新たな外字イメージ情報を生成する処理手段である。
【0046】
具体的に、外字補正部16は、外字検索部15によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、表示部21に表示させた補正対象イメージ上で従業員が範囲指定をした修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータを作成し、表示部21に表示させる。
【0047】
さらに、入力指示・補正部22からの従業員の修正操作によるドットデータの変更状態を保持する。ドットデータの変更状態は、従業員の修正操作が行われる都度更新して保持する。なお、修正作業の処理は、既存のペイントツールやフォント作成ツールなどのアプリケーションとして知られているドットデータ編集処理機能を使用して行う。
【0048】
その後、従業員の補正終了指示を受けると、保持していた補正範囲の変更状態を元の大きさへ縮小し、補正対象イメージの修正範囲のデータと置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する。なお、補正対象イメージとして、標準的な文字コードの文字フォントイメージ情報を使用してもよい。
【0049】
カードイメージ作成部17は、所定のカードイメージテンプレートデータに、抽出された従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字検索部15において選択された外字イメージ情報または外字補正部16において生成された外字イメージ情報を従業員情報の氏名の外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する処理手段である。
【0050】
カードイメージ作成部17は、作成したカードイメージ情報をカードイメージ記憶部34に格納する。
【0051】
なお、カードイメージ作成部17は、カード発行処理時にカード表面に印刷される情報だけではなく、カード内部に設けられた記憶部に格納される情報として従業員データベース31から取得した従業員情報を含むカードイメージ情報を作成することもできる。
【0052】
外字情報登録部18は、外字補正部16によって生成された外字イメージ情報に、所定の属性情報として、カテゴリと、画数またはヨミのいずれか1つまたは両方の情報を付与した外字情報を外字データベース33に格納する処理手段である。
【0053】
利用者端末2は、表示部21、入力指示・補正部22を備える。表示部21は、カード作成装置1から受信した情報を表示する処理手段である。入力指示・補正部22は、従業員の操作により入力または選択された情報、外字イメージの編集処理時の情報を取得し、カード作成装置1へ送信する処理手段である。
【0054】
以下、図5〜図9を用いて本発明の処理の流れを説明する。
【0055】
カード作成装置1は、利用者端末2からのアクセス要求により処理を開始する。カード作成装置1は、アクセスしている従業員に対して外字編集用パスワード発行処理を行い(図5)、カード発行用のカードイメージ情報作成処理を行う(図6)。そして、カードイメージ情報作成処理において、氏名に外字を含む従業員のカードイメージ情報を作成する場合に外字編集処理を行う(図7)。さらに、外字編集処理において、既に登録された外字を検索して使用する外字検索処理(図8)、所望する外字が未登録の場合に既存の外字を編集して新たな外字を作成する外字補正処理を行う(図9)。
【0056】
図5は、外字編集用パスワードの発行処理の処理フロー図である。
【0057】
カード作成装置1の入出力インターフェース部11は、利用者端末2において従業員が入力操作した従業員番号を入力すると(ステップS10)、従業員情報読込部13は、この従業員番号をもとに従業員データベース31から該当する従業員情報を抽出する(ステップS11)。
【0058】
認証部12は、従業員情報の外字フラグを参照して、従業員の氏名(表記)に外字が含まれているか否かを調べる(ステップS12)。外字が含まれていれば(ステップS12のYES)、外字編集用パスワード(以下、パスワード)を利用者端末2の表示部21へ表示させてパスワードを発行する(ステップS13)。外字が含まれていなければ(ステップS12のNO)、処理を終了する。なお、認証部12は、発行したパスワードを保持しておく。
【0059】
図6は、カードイメージ情報作成処理の処理フロー図である。
【0060】
カード作成装置1の入出力インターフェース部11は、利用者端末2において従業員が入力操作した従業員番号およびパスワードを入力する(ステップS20)。認証部12は、従業員データベース31を参照して入力された従業員番号を認証する。従業員番号を認証すれば(ステップS21のYES)、従業員情報読込部13は従業員データベース31から従業員番号をキーに該当する従業員情報を抽出し(ステップS22)、顔写真情報読込部14は、顔写真データベース32から同様に顔写真イメージ情報を抽出する(ステップS23)。
【0061】
カードイメージ作成部17は、抽出した従業員情報の所定のデータ(従業員番号、入社年月、氏名(カナ)、氏名(表記))、顔写真イメージ情報の顔写真イメージデータを所定のカードイメージテンプレートデータに貼り付ける(ステップS24)。そして、従業員情報の外字フラグをチェックして、従業員の氏名に外字が含まれるか否かを判断し(ステップS25)、外字が含まれれば(ステップS25のYES)、ステップS26の処理へ進み、外字が含まれなければ(ステップS25のNO)、ステップS29の処理へ進む。
【0062】
ステップS26において、認証部12は、ステップS20で入力したパスワードが発行したパスワードと一致するか否かを判断し、一致する場合には(ステップS26のYES)、外字編集処理を行う(ステップS27)。その後、カードイメージ作成部17は、外字編集処理(ステップS27)で生成された外字イメージ情報を氏名(表記)の文字列の該当位置に貼り付け(ステップS28)、利用者端末2の表示部21に作成したカードイメージ情報を表示させて(ステップS29)、従業員の確認を得る(ステップS210)。従業員の確認がOKである場合は(ステップS210のYES)、カードイメージ情報をカードイメージ記憶部34へ出力して保存して(ステップS211)、処理を終了する。なお、従業員の確認がOKでない場合は(ステップS210のNO)、ステップS20の処理へ戻る。このようにすることにより、パスワード一致者は、外字のみの編集を許可される。
【0063】
図7は、ステップS27の外字編集処理のより詳細な処理フロー図である。
【0064】
外字検索部15は、外字データベース33の外字情報を読み込み(ステップS30)、外字検索処理を行う(ステップS31)。
【0065】
図8は、ステップS31の外字検索処理の処理フロー図である。
【0066】
外字検索部15は、表示部21に検索条件入力画面(a)を表示させて、従業員に検索条件の選択を促す。例えば、検索条件入力画面(a)のように、外字のカテゴリを検索条件として使用する画面を表示させる。そして、画面上で従業員によって選択された検索条件(漢字風、記号風、アルファベット風、その他)を入力する(ステップS40)。
【0067】
さらに、表示部21に検索条件入力画面(b)を表示させて、従業員に絞り込み検索のための検索条件の選択を促す。例えば、検索条件入力画面(a)のように、外字のヨミまたは画数を検索条件として使用する画面を表示させる。そして、従業員によって入力された外字のヨミまたは画数を入力する(ステップS41)。なお、ここで例とした3つの検索条件のいずれか1つのみを検索条件として設定させるようにしてもよい。
【0068】
その後、外字検索部15は、読み込んだ外字情報から、入力したカテゴリ、ヨミ、画数をもとに該当する外字情報を検索し(ステップS42)、抽出した外字情報の外字イメージ情報を検索結果として一覧表示した検索結果表示画面(c)を表示部21により表示させる(ステップS43)。
【0069】
そして、従業員は、表示された検索結果の中に採用する外字があればその外字イメージ情報を選択する。外字検索部15は、従業員の選択指示を入力し、検索結果として表示された外字のいずれかを採用するか否かを判定する(図7:ステップS32)。そして、従業員の選択指示により検索結果を採用する場合には(ステップS32のYES)、外字編集処理を終了する。
【0070】
一方、従業員の選択指示により検索結果を外字として採用しない場合には(ステップS32のNO)、従業員の選択指示を入力して、検索結果の既存外字を補正するか否かを判定する(ステップS33)。既存外字の補正をしない場合には(ステップS33のNO)、外字編集処理を終了し、既存外字の補正をする場合には(ステップS33のYES)、外字補正処理を行う(ステップS34)。なお、似ている外字がない場合でも、比較的編集しやすい外字を選ばせ、初期からの手入力は避けるようにガイダンスする。
【0071】
図9は、ステップS34の外字補正処理の処理フロー図である。
【0072】
外字補正部16は、ステップS43において表示させた外字検索結果から補正対象とする外字を従業員に選択させ、選択された外字イメージ情報(補正対象)を取得する(ステップS50)。そして、補正対象のイメージを表示する外字補正画面(d)を表示させて、補正のための拡大表示部分を指定させて、外字補正画面(e)のように、その指定された範囲のドットイメージを所定の倍率で拡大表示する(ステップS51)。
【0073】
外字補正画面(f)のように、画面の補正作業域で従業員がドットによる補正を行うと、外字補正部16は、補正により変更されたドットイメージを随時保持しておく(ステップS52)。そして、従業員の補正終了指示を入力したか否かを判定し(ステップS53)、補正終了指示があるまで(ステップS53のNO)、ステップS52の処理を繰り返す。補正終了指示を入力すると(ステップS52のYES)、拡大表示部分の変更されたドットイメージを元の縮尺へ戻し、補正対象の外字イメージの該当範囲と差し替えて新たな外字イメージ情報を作成し(ステップS54)、外字補正画面(g)のように補正結果を表示させる(ステップS55)。
【0074】
そして、外字情報登録部18は、補正処理により新たに生成された外字イメージ情報に属性情報を付加した外字情報を外字データベース33に追加登録する(図7:ステップS35)。ここで、属性情報は、従業員により別画面(図示しない)において指定されたカテゴリ、ヨミ、画数を使用する。また、ヨミは、従業員情報から外字に該当するヨミを抽出して使用してもよい。
【0075】
図10は、外字補正処理により生成された新たな外字イメージ情報が登録された後の外字データベース33のデータ例を示す図である。
【0076】
その後、外字補正部16は、未処理の外字があるか否かを判定し(ステップS36)、未処理の外字があれば(ステップS36のYES)、ステップS31の処理へ戻り、未処理の外字がなければ(ステップS36のNO)、処理を終了する。
【0077】
その後、カードイメージ作成部17は、選択または生成された外字イメージ情報をカードイメージの氏名の文字列の該当位置へ貼り付け(図6:ステップS28)、利用者端末2の表示部21によりカードイメージを表示させて(ステップS29)、従業員の確認がOKであるか否かを判定する(ステップS210)。確認がOKであれば(ステップS210のYES)、カードイメージ情報をカードイメージ記憶部34に出力して保存する(ステップS211)。
【0078】
図11は、従業員情報および顔写真イメージ情報が貼り込まれたカードイメージ情報により発行されるカードイメージ例を示す図である。図11(A)は、氏名(表記)に外字を含む従業員のカードイメージであり、氏名の文字列の先頭文字に外字イメージが組み込まれている。図11(B)は、氏名(表記)に外字を含まない従業員のカードイメージである。この場合には、外字編集処理を行うことなくカードイメージ情報が作成される。
【0079】
一方、確認がOKでなければ(ステップS210のNO)、ステップS20の処理へ戻り、処理をやり直す。また、従業員番号が認証できなかった場合(ステップS21のNO)、またはパスワードが一致しなかった場合に(ステップS26のNO)も、カードイメージ情報を作成せずに処理を終了する。
【0080】
以上、本発明をその実施の形態により説明したが、本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0081】
例えば、本発明の構成例を、カード作成装置1と利用者端末2とがネットワークNで接続されたサーバ・クライアント・モデルとして説明したが、カード作成装置1は、利用者端末2の各処理手段を備えるように構成されてもよい。この場合、カード作成装置1のみで本発明が実施される。
【0082】
また、図5に示す外字編集用パスワードの発行処理は、カードイメージ情報作成処理に先だって別に行われる処理として説明したが、外字編集用パスワードの発行処理およびカードイメージ情報作成処理を継続する一つの処理として行えるようにしてもよい。
【0083】
また、本発明は、コンピュータにより読み取られ実行されるプログラムとして実施することができる。本発明を実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な、可搬媒体メモリ、半導体メモリ、ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、または、通信インターフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態における構成例を示す図である。
【図2】従業員データベースのデータ構成例を示す図である。
【図3】顔写真データベースのデータ構成例を示す図である。
【図4】外字データベースのデータ構成例を示す図である。
【図5】外字編集用パスワードの発行処理の処理フロー図である。
【図6】カードイメージ情報作成処理の処理フロー図である。
【図7】外字編集処理のより詳細な処理フロー図である。
【図8】外字検索処理の処理フロー図である。
【図9】外字補正処理の処理フロー図である。
【図10】新たな外字イメージ情報が登録された後の外字データベースのデータ例を示す図である。
【図11】発行されるカードのイメージ例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 カード作成装置
10 制御部
11 入出力インターフェース部(入出力I/F部)
12 認証部
13 従業員情報読込部
14 顔写真情報読込部
15 外字検索部
16 外字補正部
17 カードイメージ作成部
18 外字情報登録部
2 利用者端末
21 表示部
22 入力指示・補正部
31 従業員データベース
32 顔写真データベース
33 外字データベース
34 カードイメージ記憶部
N ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人を特定するカードを発行する場合に、標準的な文字コードに用意されていない文字(以下、外字という)を含む氏名を印字したカードを作成するカード作成システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構成員である社員や学生や従業員(以下、単に従業員という)などの個人を特定するために、顔写真や氏名などの個人に関する情報をカード表面に表した身分証明用カード(以下、単にカードという)を発行することがよく行われている。
【0003】
カードの表面に印字される氏名の多くは人名漢字として予め用意された漢字フォントによって表示することが可能である。しかし、人名の表記に特殊な漢字や文字が使用されていることもあり、例えば第1水準や第2水準などの標準的な文字コードに設定されている文字以外の文字(外字)のイメージデータを印字用に作成しておく必要がある。
【0004】
IDカードに印字する外字を登録してカードを作成した各カード作成システムから、外字と外字情報を収集して管理し、同一の外字に対してカード作成システム各々の外字情報を従属させて、再利用できるようにする顔画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−8018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、日本人以外の外国人従業員も数多く就業している企業や団体が多数ある。また、学校等においても留学生の増加が著しい。このような企業、学校等において従業員のカードまたは学生カードを発行する場合に、以降企業を例として述べるが、季節労働者的な従業員の氏名に特殊な文字が含まれていることが多いため、氏名の特殊な文字を外字として用意しなければならない。例えば、中国簡体字、台湾繁体字、特殊なアルファベットなどの文字を外字として登録する必要がある。
【0006】
一般的に、カード発行作業は、専任のオペレータがカード発行システムを用いて行っている。従業員の氏名が特殊な文字を含む場合には、従業員が手書きしたその特殊文字の見本を参考にしながら、オペレータが文字フォント作成機能などを使用して外字イメージ情報を作成・登録していた。
【0007】
オペレータは、特殊な文字の手書き見本だけを参照して外字イメージ情報を作成するため文字の細部を認識できず、オペレータが作成した外字イメージ情報による外字の形態が、従業員の意図していたものと異なっていることも多かった。そして、従業員の意図した文字の形態と異なる外字イメージ情報を用いて氏名を印字したカードは、間違いを含むエラーカードと判定され、カードの再発行が必要となっていた。
【0008】
季節労働者等の外国人従業員等の就労数が増加するにつれて、カード発行作業に伴う外字イメージ情報の作成作業の負担も増加してきた。そのため、従業員が、カードに印字された外字を自己の氏名を表記する文字であると認識できるような適切な外字イメージ情報を作成するシステムが要求されている。
【0009】
本発明の目的は、氏名を印字して従業員個人を特定するカードを発行するカード作成システムにおいて、氏名に外字を含むカードを作成する場合に、従業員本人が、使用する外字を簡単に選択または作成できるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、氏名を印字して従業員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成システムにおいて、1)従業員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む従業員情報を記憶する従業員情報記憶部と、2)各従業員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、3)前記カードに印字される外字の外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部と、4)前記カードを発行するためのカードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部と、5)従業員情報の氏名文字列に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記従業員の外字編集操作の可否を認証する認証手段と、6)前記従業員の従業員番号をもとに前記従業員情報記憶部から従業員情報を抽出する従業員情報読込手段と、7)前記従業員の顔写真イメージ情報を前記顔写真情報記憶部から抽出する顔写真イメージ情報読込部と、8)前記外字編集操作の可否の認証後、前記従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として前記外字情報記憶部から外字情報を抽出する外字検索手段と、9)所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記従業員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成するカードイメージ作成手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のシステムでは、予め、従業員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む従業員情報と、各従業員の顔写真イメージ情報と、前記カードに印字される外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報とをそれぞれの記憶部に記憶しておく。
【0012】
そして、認証手段は、従業員情報記憶部を参照して、従業員情報の氏名文字列に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行する。その後、従業員によって入力された外字編集用パスワードをもとに従業員の外字編集操作の可否を認証する。
【0013】
外字検索手段は、認証手段によって従業員の外字編集操作が認証されると、従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として、外字情報記憶部から外字情報を抽出する。
【0014】
そして、従業員情報読込手段は、従業員の従業員番号をもとに従業員情報記憶部から従業員情報を抽出し、顔写真イメージ情報読込部は、従業員の顔写真イメージ情報を顔写真情報記憶部から抽出する。そして、カードイメージ作成手段は、所定のカードイメージテンプレートデータに、抽出された従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字検索手段によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を、従業員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成し、カードイメージ情報記憶部に記憶する。
【0015】
これにより、外字を含む氏名を持つ従業員に対してカードを発行する場合に、従業員本人に外字情報記憶部から該当する外字を直接選択させることができるため、間違いのない外字を用いたカードイメージ情報を作成してカードを発行することができる。
【0016】
さらに、本発明は、上記の構成をとる場合に、前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶されることを特徴とする。
【0017】
外字情報記憶部に記憶される外字情報は、外字イメージ情報と、例えば、漢字風、記号風、アルファベット風などのその外字のカテゴリ情報、画数情報、読み方(ヨミカタ)を示すヨミ情報などの属性情報とを含む。外字検索手段は、従業員によって指定された1つまたは複数の属性情報を外字の検索条件として使用して外字情報を検索し、該当する外字イメージ情報を検索結果として抽出する。
【0018】
これにより、文字コード番号を使用することなく、外字イメージの抽出操作に不慣れな従業員にも理解しやすい属性情報を使用して、外字情報記憶部から所望する外字イメージ情報をより簡単に抽出することができる。また、外字情報記憶部に膨大な外字情報が記憶されている場合でも、検索条件によって絞り込んだ検索結果からより効率的に外字を抽出することができる。
【0019】
また、本発明は、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記従業員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、前記従業員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する外字補正手段を備えるとともに、前記カードイメージ作成手段は、前記カードイメージテンプレートデータに前記従業員情報および前記顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を前記氏名文字列の当該外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成することを特徴とする。
【0020】
外字補正手段は、外字検索手段によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報および選ばれた通常の標準的な文字を補正対象イメージとする。そして、補正対象イメージから従業員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、従業員が補正操作を行うごとに、ドットデータに対する変更状態を保持しておく。そして、従業員の補正終了指示を受けて、補正対象イメージの修正範囲を現在の変更状態に置き換え、新たな外字イメージ情報を生成する。
【0021】
その後、カードイメージ作成手段は、カードイメージテンプレートデータに従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字補正手段によって生成された新たな外字イメージ情報を氏名文字列の当該外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する。
【0022】
これにより、外字情報記憶部に従業員が所望する外字情報が存在しない場合でも、検索結果として抽出された外字イメージ情報をもとに、外字イメージ情報の拡大されたドットイメージを補正することによって新たな外字イメージ情報を作成することができる。
【0023】
また、外字イメージ情報の指定された範囲のドットイメージを拡大して表示することにより、補正操作が容易に行え、また、補正結果の精度をよくすることができる。
【0024】
また、本発明は、前記外字補正手段によって生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する外字情報登録手段を備えることを特徴とする。
【0025】
これにより、外字補正手段によって新たに生成された外字情報を外字情報記憶部に記憶させることができるため、すでに登録された外字情報を検索して使用することができるようになる。
【0026】
さらに、本発明は、氏名を印字して従業員を特定するカードであって前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成方法であって、前記従業員情報を記憶する従業員情報記憶部と、前記顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、前記外字イメージ情報を記憶する外字情報記憶部と、前記カードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部とを備えて、上記に説明した処理を行う方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、従業員の身分証などのカードを発行するカード発行システムにおいて、氏名に外字を含む従業員に所定のパスワードを発行し、従業員本人が、外字情報を記憶された外字情報記憶部から必要な外字イメージ情報を抽出したり、または、類似する外字情報のイメージデータを補正して新たな外字イメージ情報を生成したりすることができる。
【0028】
これにより、従業員本人が外字を選択または補正するため、正確な氏名が印字されたカードを確実に発行することができ、間違った字体を印字したカードが発行されるという発行ミスを減少させることができる。
【0029】
また、必要な外字が登録されていない場合でも、従業員本人が、イメージのできあがりを確認しながら外字イメージ情報を作成することができるため、適切な外字イメージ情報の生成が期待でき、カード発行作業の作業効率が向上する。
【0030】
また、発行ミスを原因とするカード再発行を防止でき、カード作成工程の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態における構成例を示す図である。
【0032】
本発明にかかるカード作成システムは、カード作成装置(サーバ)1および従業員が利用する利用者端末(クライアント)2で構成され、カード作成装置1と利用者端末2はネットワークNを介して接続され、相互にデータ通信を行う。
【0033】
カード作成装置1は、制御部10、入出力インターフェース(入出力I/F)部11、認証部12、従業員情報読込部13、顔写真情報読込部14、外字検索部15、外字補正部16、カードイメージ作成部17、および外字情報登録部18を備える。カード作成装置1は、従業員データベース31、顔写真データベース32および外字データベース33の各データを読み込み、カード発行用のためのカードイメージデータをカードイメージ記憶部34へ出力する。
【0034】
図2は、従業員データベース31のデータ構成例を示す図である。従業員データベース31には従業員情報が記憶される。従業員情報は、従業員ごとに、従業員を識別する従業員番号、入社年月、従業員の氏名の読み方(ヨミ)を示す氏名(カナ)、発行されるカードに氏名として印字される文字列を示す氏名(表記)、氏名(表記)に外字が含まれるか否かを示す外字フラグなどのデータ項目で構成される。
【0035】
従業員情報の氏名(表記)の文字列内に外字を含む場合に、その外字の位置が「黒丸」で表され、外字フラグ=1が設定される。なお、外字を含まない場合に外字フラグ=0が設定される。例えば、従業員番号「8265221」の従業員は、氏名のヨミが「イナロウハジメ」であり、印字される氏名(文字列)の先頭の1文字(イナ)が外字であることを示す。
【0036】
図3は、顔写真データベース32のデータ構成例を示す図である。顔写真データベース32には顔写真イメージ情報が記憶される。顔写真イメージ情報は、従業員ごとに、従業員番号、従業員の顔写真イメージデータである顔写真イメージ、顔写真の撮影年月日などのデータ項目で構成される。
【0037】
図4は、外字データベース33のデータ構成例を示す図である。外字データベース33には外字情報が記憶される。外字情報は、外字ごとに、外字を識別するための登録番号、外字イメージデータである外字イメージ情報、属性情報などのデータ項目で構成される。本例では、属性情報として、外字のカテゴリ、ヨミ、および画数のデータ項目が設けられる。カテゴリは、外字イメージの形態にもとづく所定の分類を示す属性情報であり、例えば、漢字風、記号風、アルファベット風、その他などのカテゴリを予め用意しておく。なお、カテゴリ以外の属性情報の例えばヨミ、画数などのデータ項目に情報(値)が設定されていない場合があってもよい。
【0038】
カード作成装置1の制御部10は、カード作成装置1内の各処理手段の動作を制御する処理手段である。
【0039】
入出力インターフェース(入出力I/F)部11は、利用者端末2との間でデータの入力または出力を制御する処理手段である。
【0040】
認証部12は、利用者端末2を利用する従業員のカード作成装置1へのアクセスを認証し、さらに、氏名に外字が含まれている従業員に対して外字編集用パスワードを発行して従業員の外字編集操作の可否を認証する処理手段である。
【0041】
具体的に、認証部12は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員の従業員番号を従業員データベース31の従業員番号と照合してカード作成装置1へのアクセス認証を行い、さらに、アクセスしている従業員の氏名に外字が含まれる場合、すなわち当該従業員の従業員情報の外字フラグが1である場合に、外字編集用パスワードを発行して従業員の外字編集操作の可否を認証する。
【0042】
従業員情報読込部13は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員番号をもとに従業員データベース31から該当する従業員情報を読み込む処理手段である。
【0043】
顔写真情報読込部14は、利用者端末2の入力指示・補正部22から入力された従業員番号をもとに顔写真データベース32から該当する顔写真イメージ情報を読み込む処理手段である。
【0044】
外字検索部15は、認証部12による外字編集操作の可否の認証後、従業員によって指定された外字の属性情報を検索条件として、外字データベース33から該当する外字情報を抽出し、読み込む処理手段である。外字検索部15は、外字検索条件として、例えば、カテゴリ、ヨミ、画数のいずれか1つまたはこれらの組み合わせを使用して外字データベース33を検索し、入出力インターフェース部11を介して利用者端末2の表示部21にこの検索結果の外字イメージ情報を表示させる。従業員は、表示された検索結果から、外字として採用する外字イメージ情報または外字編集作業において新たな外字を作成するための補正対象とする外字イメージ情報を選択することができる。
【0045】
外字補正部16は、所定の外字イメージ情報を補正対象イメージとし、この補正対象イメージの全部または一部を修正して新たな外字イメージ情報を生成する処理手段である。
【0046】
具体的に、外字補正部16は、外字検索部15によって抽出された外字情報から従業員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、表示部21に表示させた補正対象イメージ上で従業員が範囲指定をした修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータを作成し、表示部21に表示させる。
【0047】
さらに、入力指示・補正部22からの従業員の修正操作によるドットデータの変更状態を保持する。ドットデータの変更状態は、従業員の修正操作が行われる都度更新して保持する。なお、修正作業の処理は、既存のペイントツールやフォント作成ツールなどのアプリケーションとして知られているドットデータ編集処理機能を使用して行う。
【0048】
その後、従業員の補正終了指示を受けると、保持していた補正範囲の変更状態を元の大きさへ縮小し、補正対象イメージの修正範囲のデータと置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する。なお、補正対象イメージとして、標準的な文字コードの文字フォントイメージ情報を使用してもよい。
【0049】
カードイメージ作成部17は、所定のカードイメージテンプレートデータに、抽出された従業員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、外字検索部15において選択された外字イメージ情報または外字補正部16において生成された外字イメージ情報を従業員情報の氏名の外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する処理手段である。
【0050】
カードイメージ作成部17は、作成したカードイメージ情報をカードイメージ記憶部34に格納する。
【0051】
なお、カードイメージ作成部17は、カード発行処理時にカード表面に印刷される情報だけではなく、カード内部に設けられた記憶部に格納される情報として従業員データベース31から取得した従業員情報を含むカードイメージ情報を作成することもできる。
【0052】
外字情報登録部18は、外字補正部16によって生成された外字イメージ情報に、所定の属性情報として、カテゴリと、画数またはヨミのいずれか1つまたは両方の情報を付与した外字情報を外字データベース33に格納する処理手段である。
【0053】
利用者端末2は、表示部21、入力指示・補正部22を備える。表示部21は、カード作成装置1から受信した情報を表示する処理手段である。入力指示・補正部22は、従業員の操作により入力または選択された情報、外字イメージの編集処理時の情報を取得し、カード作成装置1へ送信する処理手段である。
【0054】
以下、図5〜図9を用いて本発明の処理の流れを説明する。
【0055】
カード作成装置1は、利用者端末2からのアクセス要求により処理を開始する。カード作成装置1は、アクセスしている従業員に対して外字編集用パスワード発行処理を行い(図5)、カード発行用のカードイメージ情報作成処理を行う(図6)。そして、カードイメージ情報作成処理において、氏名に外字を含む従業員のカードイメージ情報を作成する場合に外字編集処理を行う(図7)。さらに、外字編集処理において、既に登録された外字を検索して使用する外字検索処理(図8)、所望する外字が未登録の場合に既存の外字を編集して新たな外字を作成する外字補正処理を行う(図9)。
【0056】
図5は、外字編集用パスワードの発行処理の処理フロー図である。
【0057】
カード作成装置1の入出力インターフェース部11は、利用者端末2において従業員が入力操作した従業員番号を入力すると(ステップS10)、従業員情報読込部13は、この従業員番号をもとに従業員データベース31から該当する従業員情報を抽出する(ステップS11)。
【0058】
認証部12は、従業員情報の外字フラグを参照して、従業員の氏名(表記)に外字が含まれているか否かを調べる(ステップS12)。外字が含まれていれば(ステップS12のYES)、外字編集用パスワード(以下、パスワード)を利用者端末2の表示部21へ表示させてパスワードを発行する(ステップS13)。外字が含まれていなければ(ステップS12のNO)、処理を終了する。なお、認証部12は、発行したパスワードを保持しておく。
【0059】
図6は、カードイメージ情報作成処理の処理フロー図である。
【0060】
カード作成装置1の入出力インターフェース部11は、利用者端末2において従業員が入力操作した従業員番号およびパスワードを入力する(ステップS20)。認証部12は、従業員データベース31を参照して入力された従業員番号を認証する。従業員番号を認証すれば(ステップS21のYES)、従業員情報読込部13は従業員データベース31から従業員番号をキーに該当する従業員情報を抽出し(ステップS22)、顔写真情報読込部14は、顔写真データベース32から同様に顔写真イメージ情報を抽出する(ステップS23)。
【0061】
カードイメージ作成部17は、抽出した従業員情報の所定のデータ(従業員番号、入社年月、氏名(カナ)、氏名(表記))、顔写真イメージ情報の顔写真イメージデータを所定のカードイメージテンプレートデータに貼り付ける(ステップS24)。そして、従業員情報の外字フラグをチェックして、従業員の氏名に外字が含まれるか否かを判断し(ステップS25)、外字が含まれれば(ステップS25のYES)、ステップS26の処理へ進み、外字が含まれなければ(ステップS25のNO)、ステップS29の処理へ進む。
【0062】
ステップS26において、認証部12は、ステップS20で入力したパスワードが発行したパスワードと一致するか否かを判断し、一致する場合には(ステップS26のYES)、外字編集処理を行う(ステップS27)。その後、カードイメージ作成部17は、外字編集処理(ステップS27)で生成された外字イメージ情報を氏名(表記)の文字列の該当位置に貼り付け(ステップS28)、利用者端末2の表示部21に作成したカードイメージ情報を表示させて(ステップS29)、従業員の確認を得る(ステップS210)。従業員の確認がOKである場合は(ステップS210のYES)、カードイメージ情報をカードイメージ記憶部34へ出力して保存して(ステップS211)、処理を終了する。なお、従業員の確認がOKでない場合は(ステップS210のNO)、ステップS20の処理へ戻る。このようにすることにより、パスワード一致者は、外字のみの編集を許可される。
【0063】
図7は、ステップS27の外字編集処理のより詳細な処理フロー図である。
【0064】
外字検索部15は、外字データベース33の外字情報を読み込み(ステップS30)、外字検索処理を行う(ステップS31)。
【0065】
図8は、ステップS31の外字検索処理の処理フロー図である。
【0066】
外字検索部15は、表示部21に検索条件入力画面(a)を表示させて、従業員に検索条件の選択を促す。例えば、検索条件入力画面(a)のように、外字のカテゴリを検索条件として使用する画面を表示させる。そして、画面上で従業員によって選択された検索条件(漢字風、記号風、アルファベット風、その他)を入力する(ステップS40)。
【0067】
さらに、表示部21に検索条件入力画面(b)を表示させて、従業員に絞り込み検索のための検索条件の選択を促す。例えば、検索条件入力画面(a)のように、外字のヨミまたは画数を検索条件として使用する画面を表示させる。そして、従業員によって入力された外字のヨミまたは画数を入力する(ステップS41)。なお、ここで例とした3つの検索条件のいずれか1つのみを検索条件として設定させるようにしてもよい。
【0068】
その後、外字検索部15は、読み込んだ外字情報から、入力したカテゴリ、ヨミ、画数をもとに該当する外字情報を検索し(ステップS42)、抽出した外字情報の外字イメージ情報を検索結果として一覧表示した検索結果表示画面(c)を表示部21により表示させる(ステップS43)。
【0069】
そして、従業員は、表示された検索結果の中に採用する外字があればその外字イメージ情報を選択する。外字検索部15は、従業員の選択指示を入力し、検索結果として表示された外字のいずれかを採用するか否かを判定する(図7:ステップS32)。そして、従業員の選択指示により検索結果を採用する場合には(ステップS32のYES)、外字編集処理を終了する。
【0070】
一方、従業員の選択指示により検索結果を外字として採用しない場合には(ステップS32のNO)、従業員の選択指示を入力して、検索結果の既存外字を補正するか否かを判定する(ステップS33)。既存外字の補正をしない場合には(ステップS33のNO)、外字編集処理を終了し、既存外字の補正をする場合には(ステップS33のYES)、外字補正処理を行う(ステップS34)。なお、似ている外字がない場合でも、比較的編集しやすい外字を選ばせ、初期からの手入力は避けるようにガイダンスする。
【0071】
図9は、ステップS34の外字補正処理の処理フロー図である。
【0072】
外字補正部16は、ステップS43において表示させた外字検索結果から補正対象とする外字を従業員に選択させ、選択された外字イメージ情報(補正対象)を取得する(ステップS50)。そして、補正対象のイメージを表示する外字補正画面(d)を表示させて、補正のための拡大表示部分を指定させて、外字補正画面(e)のように、その指定された範囲のドットイメージを所定の倍率で拡大表示する(ステップS51)。
【0073】
外字補正画面(f)のように、画面の補正作業域で従業員がドットによる補正を行うと、外字補正部16は、補正により変更されたドットイメージを随時保持しておく(ステップS52)。そして、従業員の補正終了指示を入力したか否かを判定し(ステップS53)、補正終了指示があるまで(ステップS53のNO)、ステップS52の処理を繰り返す。補正終了指示を入力すると(ステップS52のYES)、拡大表示部分の変更されたドットイメージを元の縮尺へ戻し、補正対象の外字イメージの該当範囲と差し替えて新たな外字イメージ情報を作成し(ステップS54)、外字補正画面(g)のように補正結果を表示させる(ステップS55)。
【0074】
そして、外字情報登録部18は、補正処理により新たに生成された外字イメージ情報に属性情報を付加した外字情報を外字データベース33に追加登録する(図7:ステップS35)。ここで、属性情報は、従業員により別画面(図示しない)において指定されたカテゴリ、ヨミ、画数を使用する。また、ヨミは、従業員情報から外字に該当するヨミを抽出して使用してもよい。
【0075】
図10は、外字補正処理により生成された新たな外字イメージ情報が登録された後の外字データベース33のデータ例を示す図である。
【0076】
その後、外字補正部16は、未処理の外字があるか否かを判定し(ステップS36)、未処理の外字があれば(ステップS36のYES)、ステップS31の処理へ戻り、未処理の外字がなければ(ステップS36のNO)、処理を終了する。
【0077】
その後、カードイメージ作成部17は、選択または生成された外字イメージ情報をカードイメージの氏名の文字列の該当位置へ貼り付け(図6:ステップS28)、利用者端末2の表示部21によりカードイメージを表示させて(ステップS29)、従業員の確認がOKであるか否かを判定する(ステップS210)。確認がOKであれば(ステップS210のYES)、カードイメージ情報をカードイメージ記憶部34に出力して保存する(ステップS211)。
【0078】
図11は、従業員情報および顔写真イメージ情報が貼り込まれたカードイメージ情報により発行されるカードイメージ例を示す図である。図11(A)は、氏名(表記)に外字を含む従業員のカードイメージであり、氏名の文字列の先頭文字に外字イメージが組み込まれている。図11(B)は、氏名(表記)に外字を含まない従業員のカードイメージである。この場合には、外字編集処理を行うことなくカードイメージ情報が作成される。
【0079】
一方、確認がOKでなければ(ステップS210のNO)、ステップS20の処理へ戻り、処理をやり直す。また、従業員番号が認証できなかった場合(ステップS21のNO)、またはパスワードが一致しなかった場合に(ステップS26のNO)も、カードイメージ情報を作成せずに処理を終了する。
【0080】
以上、本発明をその実施の形態により説明したが、本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0081】
例えば、本発明の構成例を、カード作成装置1と利用者端末2とがネットワークNで接続されたサーバ・クライアント・モデルとして説明したが、カード作成装置1は、利用者端末2の各処理手段を備えるように構成されてもよい。この場合、カード作成装置1のみで本発明が実施される。
【0082】
また、図5に示す外字編集用パスワードの発行処理は、カードイメージ情報作成処理に先だって別に行われる処理として説明したが、外字編集用パスワードの発行処理およびカードイメージ情報作成処理を継続する一つの処理として行えるようにしてもよい。
【0083】
また、本発明は、コンピュータにより読み取られ実行されるプログラムとして実施することができる。本発明を実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な、可搬媒体メモリ、半導体メモリ、ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、または、通信インターフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態における構成例を示す図である。
【図2】従業員データベースのデータ構成例を示す図である。
【図3】顔写真データベースのデータ構成例を示す図である。
【図4】外字データベースのデータ構成例を示す図である。
【図5】外字編集用パスワードの発行処理の処理フロー図である。
【図6】カードイメージ情報作成処理の処理フロー図である。
【図7】外字編集処理のより詳細な処理フロー図である。
【図8】外字検索処理の処理フロー図である。
【図9】外字補正処理の処理フロー図である。
【図10】新たな外字イメージ情報が登録された後の外字データベースのデータ例を示す図である。
【図11】発行されるカードのイメージ例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 カード作成装置
10 制御部
11 入出力インターフェース部(入出力I/F部)
12 認証部
13 従業員情報読込部
14 顔写真情報読込部
15 外字検索部
16 外字補正部
17 カードイメージ作成部
18 外字情報登録部
2 利用者端末
21 表示部
22 入力指示・補正部
31 従業員データベース
32 顔写真データベース
33 外字データベース
34 カードイメージ記憶部
N ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
氏名を印字して構成員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成システムにおいて、
構成員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む構成員情報を記憶する構成員情報記憶部と、
各構成員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、
前記カードに印字される外字の外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部と、
前記カードを発行するためのカードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部と、
構成員情報の氏名文字列に外字が含まれている構成員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記構成員の外字編集操作の可否を認証する認証手段と、
前記構成員の構成員番号をもとに前記構成員情報記憶部から構成員情報を抽出する構成員情報読込手段と、
前記構成員の顔写真イメージ情報を前記顔写真情報記憶部から抽出する顔写真イメージ情報読込部と、
前記外字編集操作の可否の認証後、前記構成員によって指定された外字の属性情報を検索条件として前記外字情報記憶部から外字情報を抽出する外字検索手段と、
所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記構成員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成するカードイメージ作成手段とを備える
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶される
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項3】
請求項1に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、あるいは、前記構成員の選択指示による通常の標準的な文字情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記構成員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、前記構成員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する外字補正手段を備えるとともに、
前記カードイメージ作成手段は、前記カードイメージテンプレートデータに前記構成員情報および前記顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を当該氏名文字列の外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項4】
請求項3に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字補正手段によって生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する外字情報登録手段を備える
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項5】
氏名を印字して構成員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成方法において、
構成員情報の氏名文字列に外字が含まれている構成員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記構成員の外字編集操作の可否を認証し、
構成員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグおよび前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む構成員情報を記憶する構成員情報記憶部から、前記構成員の構成員番号をもとに構成員情報を抽出し、
各構成員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部から、前記構成員の顔写真イメージ情報を抽出し、
前記カードに印字される外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部から、前記構成員によって指定された外字の属性情報を検索条件として外字情報を抽出し、
所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記構成員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項6】
請求項5に記載のカード作成方法において、
前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶される
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項7】
請求項5に記載のカード作成方法において、
前記外字情報記憶部を検索して抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、あるいは、前記構成員の選択指示による通常の標準的な文字情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記構成員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、
前記構成員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成し、
前記カードイメージ情報を作成する場合に、前記カードイメージテンプレートデータに前記構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を当該氏名文字列の外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項8】
請求項7に記載のカード作成方法において、
前記補正対象イメージから生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項1】
氏名を印字して構成員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成システムにおいて、
構成員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグ、および前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む構成員情報を記憶する構成員情報記憶部と、
各構成員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部と、
前記カードに印字される外字の外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部と、
前記カードを発行するためのカードイメージ情報を記憶するカードイメージ情報記憶部と、
構成員情報の氏名文字列に外字が含まれている構成員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記構成員の外字編集操作の可否を認証する認証手段と、
前記構成員の構成員番号をもとに前記構成員情報記憶部から構成員情報を抽出する構成員情報読込手段と、
前記構成員の顔写真イメージ情報を前記顔写真情報記憶部から抽出する顔写真イメージ情報読込部と、
前記外字編集操作の可否の認証後、前記構成員によって指定された外字の属性情報を検索条件として前記外字情報記憶部から外字情報を抽出する外字検索手段と、
所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記構成員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成するカードイメージ作成手段とを備える
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶される
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項3】
請求項1に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、あるいは、前記構成員の選択指示による通常の標準的な文字情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記構成員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、前記構成員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成する外字補正手段を備えるとともに、
前記カードイメージ作成手段は、前記カードイメージテンプレートデータに前記構成員情報および前記顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を当該氏名文字列の外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項4】
請求項3に記載のカード作成システムにおいて、
前記外字補正手段によって生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する外字情報登録手段を備える
ことを特徴とするカード作成システム。
【請求項5】
氏名を印字して構成員を特定するカードであって、前記氏名に所定の標準的な文字以外の外字を含むカードを作成するカード作成方法において、
構成員情報の氏名文字列に外字が含まれている構成員に対して外字編集用パスワードを発行し、入力された前記外字編集用パスワードを用いて前記構成員の外字編集操作の可否を認証し、
構成員ごとに、識別番号、カードに氏名として印字される氏名文字列、前記氏名文字列に外字が含まれるか否かを示す外字フラグおよび前記氏名文字列内の外字の位置を示す情報を含む構成員情報を記憶する構成員情報記憶部から、前記構成員の構成員番号をもとに構成員情報を抽出し、
各構成員の顔写真イメージ情報を記憶する顔写真情報記憶部から、前記構成員の顔写真イメージ情報を抽出し、
前記カードに印字される外字イメージ情報および前記外字の属性を示す属性情報を含む外字情報を記憶する外字情報記憶部から、前記構成員によって指定された外字の属性情報を検索条件として外字情報を抽出し、
所定のカードイメージテンプレートデータに、前記抽出した構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字検索手段によって抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を前記構成員情報の氏名文字列の当該外字の位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項6】
請求項5に記載のカード作成方法において、
前記外字情報記憶部において、前記外字情報として、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報が記憶される
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項7】
請求項5に記載のカード作成方法において、
前記外字情報記憶部を検索して抽出された外字情報から前記構成員の選択指示をもとに取得した1つの外字イメージ情報を補正対象イメージとし、あるいは、前記構成員の選択指示による通常の標準的な文字情報を補正対象イメージとし、前記補正対象イメージから前記構成員の特定指示をもとに特定した修正範囲のイメージを所定の倍率で拡大したドットデータとして表示し、前記ドットデータに対する変更状態を保持し、
前記構成員の補正終了指示を受けて前記補正対象イメージの前記修正範囲を前記変更状態に置き換えて新たな外字イメージ情報を生成し、
前記カードイメージ情報を作成する場合に、前記カードイメージテンプレートデータに前記構成員情報および顔写真イメージ情報を貼り込み、前記外字補正手段によって生成された前記外字イメージ情報を当該氏名文字列の外字位置に組み込んでカードイメージ情報を作成する
ことを特徴とするカード作成方法。
【請求項8】
請求項7に記載のカード作成方法において、
前記補正対象イメージから生成された外字イメージ情報に、当該外字の所定の分類を示すカテゴリ情報を含む属性情報を付与した外字情報を前記外字情報記憶部に格納する
ことを特徴とするカード作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−224321(P2006−224321A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37421(P2005−37421)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】
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