カード処理装置
【課題】磁気データ読取装置の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合に、磁気情報が不正に取得されるのを防止することが可能なカード処理装置を提供する。
【解決手段】カード処理装置は、磁気ヘッド70に設けられるカード挿入検出部7を備える。カード挿入検出部7は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部71と、読取部71により読み取られた再生信号を出力する出力部74と、読取部71により読み取られた再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する出力制御部73とを含む。
【解決手段】カード処理装置は、磁気ヘッド70に設けられるカード挿入検出部7を備える。カード挿入検出部7は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部71と、読取部71により読み取られた再生信号を出力する出力部74と、読取部71により読み取られた再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する出力制御部73とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る磁気データ読取装置を備えたカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口に磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部(磁気データ読取装置)と、カード挿入検出部の検出結果に基づいて挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、挿入口から挿入された磁気カードに対して処理を施す読取/書込ヘッドとを備えたカード処理装置が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
これらのカード処理装置は、磁気情報の不正取得装置が挿入口の前方に取り付けられた場合に、その不正取得装置により磁気情報が不正に取得されるのを防止するように構成されている。なお、不正取得装置には、磁気データを読み取る磁気ヘッドが設けられている。
【0004】
具体的には、上記特許文献1のカード処理装置では、挿入口の近傍に異物検出用のフォトセンサが設けられている。そして、このカード処理装置は、フォトセンサにより不正取得装置が検出された場合に、磁気カードの取り込みを中止するとともに、警報を発することにより、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【0005】
上記特許文献2のカード処理装置では、挿入口の前方に妨害磁界を発生させる磁界発生器が設けられている。そして、このカード処理装置は、磁界発生器により不正取得装置の磁気データの読み取りを困難にすることによって、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【0006】
上記特許文献3のカード処理装置は、磁気カードの磁気データを読み取るには磁気カードの磁気ストライプに対して磁気ヘッドを連続的に移動させる必要があることから、磁気カードを間欠的に搬送することにより不正取得装置の磁気データの読み取りを困難にすることによって、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3850595号公報
【特許文献2】特許第3936496号公報
【特許文献3】特許第3801976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された従来のカード処理装置では、磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合には、リード線を介してカード挿入検出部により読み取られる磁気情報が不正に取得されてしまうという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献3に開示された従来のカード処理装置では、磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合には、リード線を介してカード挿入検出部により読み取られる磁気データから磁気情報が復元される可能性は皆無とは言えず、磁気情報が不正に取得されるおそれがあるという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、磁気データ読取装置の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合に、磁気情報が不正に取得されるのを防止することが可能なカード処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカード処理装置は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部と、読取部により読み取られた信号を出力する出力部とを含む磁気データ読取装置を備え、磁気データ読取装置は、読取部により読み取られた信号を出力部から出力するか否かを切り替える切替部をさらに含む。
【0012】
このように構成することによって、磁気データ読取装置に直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、出力部から出力されるデータを磁気データのプリアンブル部またはポストアンブル部のみとし、磁気データの本体部が出力されないようにすることができるので、磁気情報が不正に取得されるのを防止することができる。
【0013】
上記カード処理装置において、磁気データ読取装置は、読取部による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する計測部をさらに含み、切替部は、計測部による計測時間が所定の時間を経過した場合に、出力部から信号を出力しないように切り替えるようにしてもよい。
【0014】
上記カード処理装置において、磁気データ読取装置は、制御信号が入力される入力部をさらに含み、切替部は、入力部に入力される制御信号に基づいて、読取部により読み取られた信号を出力部から出力するか否かを切り替えるようにしてもよい。
【0015】
上記入力部を含むカード処理装置において、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、シャッタ部材の移動を制御する制御部と、をさらに備え、磁気データ読取装置は、挿入口に設けられ、制御部は、入力部に入力される制御信号を出力するようにしてもよい。
【0016】
この場合において、読取部は、挿入口に磁気カードが挿入された場合に、磁気カードに記録された磁気データを読み取り、出力部は、読取部により読み取られた信号を制御部に出力し、制御部は、出力部から信号が入力された場合に、挿入口を開くようにシャッタ部材を移動させるとともに、出力部から出力される信号を停止するように切替部を制御する制御信号を出力するようにしてもよい。
【0017】
上記入力部を含むカード処理装置において、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、シャッタ部材の位置を検出するシャッタ位置検出部と、をさらに備え、磁気データ読取装置は、挿入口に設けられ、シャッタ位置検出部は、シャッタ部材の位置に応じて変化する制御信号を入力部に出力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、磁気データ読取装置の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合に、磁気情報が不正に取得されるのを防止することが可能なデータ読取装置およびそれを備えたカード処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態によるカード処理装置およびATMの構成を示したブロック図である。
【図2】図1のカード処理装置の概略を示した側面図である。
【図3】図2のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図4】図3のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図5】図2のカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図6】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図8】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図9】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図11】図10のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図12】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図11のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図14】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図15】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図16】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図17】本発明の第3実施形態によるカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図18】図17のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図19】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】図18のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図21】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図22】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図23】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1〜第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるカード処理装置100およびATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)150の構成について説明する。
【0022】
ATM150は、図1に示すように、ATM本体151と、電源152と、カード処理装置100とを備えている。ATM150は、現金の引き出しなどの取引を利用者が行うために、金融機関などに設置されている。
【0023】
第1実施形態によるカード処理装置100は、ATM150に設けられており、電源152から電力が供給されている。このカード処理装置100は、利用者により挿入された磁気カード160の磁気ストライプ161に対して、所定の処理を施すように構成されている。
【0024】
具体的には、カード処理装置100は、磁気カード160の磁気ストライプ161に記録された磁気データを読み取り、その読み取ったデータをATM本体151に送信する。また、カード処理装置100は、ATM本体151から送信されたデータを受信し、その受信したデータを磁気カード160の磁気ストライプ161に書き込む。なお、磁気ストライプ161には、たとえば、F2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding)方式を用いて磁気データが、プリアンブル部、本体部、ポストアンブル部の順に記録されている。
【0025】
カード処理装置100は、図2に示すように、筐体1と、搬送ローラ2a〜2dと、カード位置検出部3a〜3cと、読取/書込ヘッド4と、シャッタ部材5と、シャッタ位置検出部6と、カード挿入検出部7とを含んでいる。なお、カード挿入検出部7は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0026】
筐体1には、矢印X2方向側の端部に磁気カード160が挿入される挿入口1aが設けられている。搬送ローラ2a〜2dは、それぞれ、搬送路Pを挟んで上下一対に設けられており、磁気カード160を挿入方向(矢印X1方向)および排出方向(矢印X2方向)に搬送する。
【0027】
カード位置検出部3a〜3cは、たとえば、フォトインタラプタであり、搬送路P上の磁気カード160の位置を検出する。読取/書込ヘッド4は、挿入された磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みを行う。
【0028】
シャッタ部材5は、挿入口1aを開閉するために、開方向(矢印Z1方向)および閉方向(矢印Z2方向)に移動可能に設けられている。シャッタ位置検出部6は、たとえば、マイクロスイッチであり、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動したことを検出する。
【0029】
カード挿入検出部7は、図3に示すように、磁気ヘッド70の内部に設けられている。そして、磁気ヘッド70は、矢印Z1方向および矢印Z2方向(図2参照)に移動可能に設けられている。具体的には、磁気ヘッド70は、挿入口1a内に突出しており、磁気カード160が挿入口1aを通過する場合に、磁気カード160の磁気ストライプ161(図1参照)と接触した状態で矢印Z1方向に退避する。
【0030】
カード挿入検出部7は、図3に示すように、読取部71と、タイマ72と、出力制御部73と、出力部74とを含んでいる。なお、タイマ72は、本発明の「計測部」の一例であり、出力制御部73は、本発明の「切替部」の一例である。
【0031】
読取部71は、ギャップ71aが形成されたコア71bと、コイル71cとを有しており、磁気カード160に記録された磁気データを読み取る。具体的には、読取部71では、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気カード160の磁化パターンによりコア71bが磁化されることによって、コイル71cに電流が流れる。これにより、読取部71は、たとえば、図4に示すような再生信号を出力制御部73に出力する。なお、図4では、簡略化のために再生信号のプリアンブル部および本体部の一部のみを示しているが、実際には、本体部の後にポストアンブル部も読み取られる。
【0032】
タイマ72は、読取部71の再生信号に基づいて、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する。
【0033】
出力制御部73は、タイマ72による計測時間に基づいて、読取部71の再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する。具体的には、出力制御部73は、図4に示すように、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間T1が経過するまでは、読取部71の再生信号をそのまま出力部74から出力し、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間T1を経過した場合には、出力部74からの再生信号の出力を停止する。
【0034】
ここで、所定の時間T1は、磁気データの本体部の読み取りが開始されるまでの時間T2よりも短くなるように設定されている。したがって、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から制御部11に出力し、磁気データの本体部およびポストアンブル部の再生信号を出力部74から出力しない。
【0035】
また、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合にも、同様に、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間だけ、再生信号を出力部74から出力する。これにより、出力制御部73は、磁気カード160の排出時には、磁気データのポストアンブル部の再生信号のみを出力部74から制御部11に出力し、磁気データの本体部およびプリアンブル部の再生信号を出力部74から出力しない。
【0036】
また、出力制御部73は、出力部74からの再生信号の出力を停止した後、磁気カード160が挿入口1aを通過した場合に、再生信号を出力部74から出力可能な状態に戻る。したがって、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aに挿入または排出されるたびに、磁気データのプリアンブル部またはポストアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力する。なお、磁気カード160が挿入口1aを通過した否かは、たとえば、読取部71の再生信号に基づいて判断してもよいし、タイマ72の計測時間に基づいて判断してもよい。
【0037】
また、カード処理装置100は、図5に示すように、搬送ローラ2a〜2dを駆動するモータ8と、シャッタ部材5を移動させるためのソレノイドなどからなるアクチュエータ9と、ATM本体151とデータのやり取りを行うための通信部10と、カード処理装置100の動作を制御する制御部11とを含んでいる。
【0038】
制御部11は、CPU、ROM、およびRAMなどを有する。この制御部11は、カード挿入検出部7から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、筐体1の挿入口1aに磁気カード160が挿入されたと判断する。なお、制御部11は、カード挿入検出部7から入力された再生信号に基づいて、磁気カード160に記録された磁気情報(磁気データの本体部)を取得することができないが、磁気カード160が挿入されたか否かを判断することが可能であればよい。
【0039】
次に、図2〜図9を参照して、本発明の第1実施形態によるカード処理装置100の動作について説明する。なお、図6のフローチャートの各ステップは、制御部11(図5参照)により実行される。
【0040】
まず、カード処理装置100では、図6のステップS1において、カード挿入検出部7の出力部74(図3参照)から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部74から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS1が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置100は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部74から再生信号が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS2に移る。なお、出力制御部73(図3参照)は、図4に示すように、所定の時間T1の経過後、出力部74からの再生信号の出力を停止する。
【0041】
次に、ステップS2において、アクチュエータ9(図5参照)により、シャッタ部材5(図2参照)を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図7に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0042】
次に、ステップS3において、モータ8(図5参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図7参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図8に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。なお、挿入口1aは、開かれてから所定の時間経過後にシャッタ部材5により閉じられる。また、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aを通過することにより、出力部74からの再生信号の出力を停止する状態から、再生信号を出力部74から出力可能な状態に戻る。
【0043】
次に、ステップS4において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図5参照)を介してATM本体151(図5参照)との通信も行われる。
【0044】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS5において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図9に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0045】
次に、ステップS6において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。その後、磁気カード160が抜き取られると、挿入口1aがシャッタ部材5により閉じられ、一連の動作が終了する。なお、磁気カード160の排出時には、挿入時と同様に、出力部74から所定の時間だけ再生信号が出力される(この場合の再生信号は、先述のとおりポストアンブル部の再生信号である)。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、読取部71の再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する出力制御部73を設けることによって、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力することにより、磁気ヘッド70の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第1実施形態によるカード処理装置100では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0047】
また、第1実施形態では、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測するタイマ72を設けるとともに、出力制御部73が所定の時間T1を経過した場合に出力部74からの再生信号の出力を停止することによって、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、容易に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合には、磁気データのポストアンブル部の再生信号のみが出力部74から出力されることによって、磁気ヘッド70の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合において、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合にも、磁気カード160の挿入時と同様に、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2実施形態によるカード処理装置200の構成について説明する。
【0050】
第2実施形態によるカード処理装置200は、図10に示すように、カード挿入検出部201と、制御部202とを備えている。なお、カード処理装置200のその他の構成は、カード処理装置100(図2および図5参照)と同様であるので説明を省略する。また、カード挿入検出部201は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0051】
カード挿入検出部201は、図11に示すように、磁気ヘッド203の内部に設けられている。このカード挿入検出部201は、読取部204と、入力部205と、スイッチ素子206と、出力部207とを含んでいる。なお、読取部204および出力部207の構成は、それぞれ、第1実施形態(図3)の読取部71および出力部74と同様である。また、スイッチ素子206は、本発明の「切替部」の一例である。
【0052】
入力部205には、スイッチ素子206のオン/オフ状態を切り替えるための制御信号が制御部202から入力される。スイッチ素子206は、入力部205に入力される制御信号に基づいて、読取部204の再生信号を出力部207から出力するか否かを切り替える。
【0053】
たとえば、スイッチ素子206は、入力部205にH(High)レベルの制御信号が入力されているときに、読取部204の再生信号を出力部207から出力可能な状態(オン状態)になり、入力部205にL(Low)レベルの制御信号が入力されているときに、読取部204の再生信号を出力部207から出力しない状態(オフ状態)になる。
【0054】
制御部202は、CPU、ROM、およびRAMなどを有しており、制御信号をカード挿入検出部201に出力する。この制御部202は、カード挿入検出部201から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、筐体1の挿入口1aに磁気カード160が挿入されたと判断する。そして、制御部202は、磁気カード160が挿入されたと判断した場合に、出力する制御信号をHレベルからLレベルに切り替える。また、制御部202は、磁気カード160が排出され、抜き取られたと判断した場合に、出力する制御信号をLレベルからHレベルに切り替える。
【0055】
なお、制御部202は、カード挿入検出部201から入力された再生信号に基づいて、磁気カード160に記録された磁気情報(磁気データの本体部)を取得することができないが、磁気カード160が挿入されたか否かを判断することが可能であればよい。
【0056】
次に、図10〜図16を参照して、本発明の第2実施形態によるカード処理装置200の動作について説明する。なお、図12のフローチャートの各ステップは、制御部202(図10参照)により実行される。
【0057】
まず、カード処理装置200では、図12のステップS11において、制御部202からカード挿入検出部201の入力部205(図11参照)にHレベルの制御信号(図13参照)が出力される。これにより、カード挿入検出部201では、スイッチ素子206がオン状態になり、読取部204の再生信号を出力部207から出力可能な状態になる。
【0058】
次に、ステップS12において、カード挿入検出部201の出力部207から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部207から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS12が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置200は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部207から再生信号(図13参照)が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS13に移る。
【0059】
次に、ステップS13において、アクチュエータ9(図10参照)により、シャッタ部材5を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図14に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0060】
次に、ステップS14において、図13に示すように、制御部202から入力部205に入力される制御信号がLレベルに切り替えられる。これにより、カード挿入検出部201では、スイッチ素子206がオフ状態になり、読取部204の再生信号を出力部207から出力しない状態になる。
【0061】
次に、ステップS15において、モータ8(図10参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図14参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図15に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。このとき、入力部205にはLレベルの制御信号が入力されているので、図13に示すように、読取部204により読み取られる再生信号は、出力部207から出力されない。なお、挿入口1aは、開かれてから所定の時間経過後にシャッタ部材5により閉じられる。
【0062】
次に、ステップS16において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図10参照)を介してATM本体151(図10参照)との通信も行われる。
【0063】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS17において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図16に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0064】
次に、ステップS18において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。このとき、入力部205にはLレベルの制御信号が入力されているので、読取部204により読み取られる再生信号は、出力部207から出力されない。その後、磁気カード160が抜き取られると、挿入口1aがシャッタ部材5により閉じられる。
【0065】
最後に、ステップS19において、制御部202から入力部205に入力される制御信号がHレベルに切り替えられ、一連の動作が終了する。
【0066】
第2実施形態では、上記のように、磁気カード160が挿入口1aに挿入されることにより、磁気データのプリアンブル部の再生信号が制御部202に入力された場合に、制御部202が制御信号をLレベルに切り替えることにより、読取部204により読み取られる再生信号が出力部207から出力されなくなるようにしている。これによって、磁気ヘッド203の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第2実施形態によるカード処理装置200では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0067】
また、第2実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出され、抜き取られた後に、制御信号をHレベルに切り替えることによって、磁気カード160の排出時に読取部204により読み取られる再生信号が出力部207から出力されないので、磁気カード160の排出時にも、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、図17および図18を参照して、本発明の第3実施形態によるカード処理装置300の構成について説明する。
【0069】
第3実施形態によるカード処理装置300は、図17に示すように、カード挿入検出部301と、シャッタ位置検出部302とを備えている。なお、カード処理装置300のその他の構成は、カード処理装置100(図2および図5参照)と同様であるので説明を省略する。また、カード挿入検出部301は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0070】
カード挿入検出部301は、図18に示すように、磁気ヘッド303の内部に設けられている。このカード挿入検出部301は、読取部304と、入力部305と、スイッチ素子306と、出力部307とを含んでいる。なお、読取部304、スイッチ素子306、および、出力部307の構成は、それぞれ、第2実施形態(図11)の読取部204、スイッチ素子206、および、出力部207と同様である。また、スイッチ素子306は、本発明の「切替部」の一例である。
【0071】
入力部305には、スイッチ素子306のオン/オフ状態を切り替えるための制御信号がシャッタ位置検出部302から入力される。たとえば、シャッタ位置検出部302は、シャッタ部材5が閉状態の位置であるときにオン状態になり、Hレベルの制御信号を出力する。また、シャッタ位置検出部302は、シャッタ部材5が開状態の位置を含む閉状態の位置以外の位置であるときにオフ状態になり、Lレベルの制御信号を出力する。
【0072】
このため、カード挿入検出部301は、シャッタ部材5が閉状態の位置であるときに、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態になり、シャッタ部材5が開状態の位置であるときに、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0073】
次に、図17〜図23を参照して、本発明の第3実施形態によるカード処理装置300の動作について説明する。なお、図19のフローチャートの各ステップは、制御部11(図17参照)により実行される。また、磁気カード160が挿入される前においては、シャッタ部材5が閉状態の位置であることから、シャッタ位置検出部302は、Hレベルの制御信号を出力しており、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態である。
【0074】
まず、カード処理装置300では、図19のステップS21において、カード挿入検出部301の出力部307(図18参照)から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部307から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS21が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置300は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部307から再生信号(図20参照)が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS22に移る。
【0075】
次に、ステップS22において、アクチュエータ9(図17参照)により、シャッタ部材5を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図21に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。そして、ステップS23において、シャッタ位置検出部302がオフ状態(図20参照)に切り替わる。このため、ステップS24において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルになる。したがって、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0076】
次に、ステップS25において、モータ8(図17参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図21参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図22に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。このとき、入力部305にはLレベルの制御信号が入力されているので、図20に示すように、読取部304により読み取られる再生信号は、出力部307から出力されない。
【0077】
そして、ステップS26において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を閉方向(矢印Z2方向)に移動させる。これにより、図22に示すように、シャッタ部材5により挿入口1aが閉じられる。そして、ステップS27において、シャッタ位置検出部302がオン状態に切り替わる。このため、ステップS28において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がHレベルになる。したがって、このとき、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態になるが、磁気カード160が挿入口1aを通過しないので、読取部304により再生信号が読み取られることがない。
【0078】
次に、ステップS29において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図17参照)を介してATM本体151(図17参照)との通信も行われる。
【0079】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS30において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図23に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。そして、ステップS31において、シャッタ位置検出部302がオフ状態に切り替わる。このため、ステップS32において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルになる。したがって、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0080】
次に、ステップS33において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。このとき、入力部305にはLレベルの制御信号が入力されているので、読取部304により読み取られる再生信号は、出力部307から出力されない。
【0081】
その後、磁気カード160が抜き取られると、ステップS34において、シャッタ部材5により挿入口1aが閉じられる。そして、ステップS35において、シャッタ位置検出部302がオン状態に切り替わる。このため、ステップS36において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がHレベルになり、一連の動作が終了する。
【0082】
第3実施形態では、上記のように、磁気カード160が挿入口1aに挿入されることにより、磁気データのプリアンブル部の再生信号が制御部11に入力された場合に、制御部11により挿入口1aを開くようにシャッタ部材5を移動させる。このとき、シャッタ位置検出部302がオフ状態に切り替わることにより、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルに切り替わる。このため、カード挿入検出部301では、読取部304により読み取られる再生信号を出力部307から出力しなくなることによって、磁気ヘッド303の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第3実施形態によるカード処理装置300では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0083】
また、第3実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出され、抜き取られた後に、制御信号がHレベルに切り替えられることによって、磁気カード160の排出時に読取部304により読み取られる再生信号が出力部307から出力されないので、磁気カード160の排出時にも、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0084】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記第1実施形態では、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測するタイマ72と、タイマ72による計測時間に基づいて再生信号を出力するか否かを制御する出力制御部73とを設ける例を示したが、これに限らず、タイマ72の代わりに、読取部71の再生信号のパルス数を計測するカウンタを設け、出力制御部がカウンタのカウント数に基づいて再生信号を出力するか否かを制御するようにしてもよい。または、タイマ72およびパルス数を計測するカウンタの両方を設け、出力制御部が、タイマ72による計測時間とカウンタによるカウント数のどちらか一方の条件を満たした場合に、再生信号の出力を停止するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、本発明の切替部の一例としてスイッチ素子206を示したが、これに限らず、本発明の切替部が論理回路により構成されていてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態では、磁気カード160が挿入された後、排出されるまで制御信号をLレベルにする例を示したが、これに限らず、磁気カード160が挿入された後、磁気カード160が挿入口1aを通過した場合に、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれた状態で、制御信号をHレベルに戻すようにしてもよい。すなわち、制御部202は、カード挿入検出部201から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、所定の時間だけ制御信号をLレベルにするようにしてもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態において、出力部74から出力される再生信号を非可逆変換する変換部がカード挿入検出部7に設けられていてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
【0088】
また、上記第1実施形態では、読取部71がコア71bとコイル71cとを有する例を示したが、これに限らず、読取部が磁気抵抗素子などのその他の磁気センサを有していてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0089】
1a 挿入口
5 シャッタ部材
7、201、301 カード挿入検出部(磁気データ読取装置)
71、204、304 読取部
72 タイマ(計測部)
73 出力制御部(切替部)
74、207、307 出力部
100、200、300 カード処理装置
160 磁気カード
202 制御部
205、305 入力部
206、306 スイッチ素子(切替部)
302 シャッタ位置検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る磁気データ読取装置を備えたカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口に磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部(磁気データ読取装置)と、カード挿入検出部の検出結果に基づいて挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、挿入口から挿入された磁気カードに対して処理を施す読取/書込ヘッドとを備えたカード処理装置が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
これらのカード処理装置は、磁気情報の不正取得装置が挿入口の前方に取り付けられた場合に、その不正取得装置により磁気情報が不正に取得されるのを防止するように構成されている。なお、不正取得装置には、磁気データを読み取る磁気ヘッドが設けられている。
【0004】
具体的には、上記特許文献1のカード処理装置では、挿入口の近傍に異物検出用のフォトセンサが設けられている。そして、このカード処理装置は、フォトセンサにより不正取得装置が検出された場合に、磁気カードの取り込みを中止するとともに、警報を発することにより、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【0005】
上記特許文献2のカード処理装置では、挿入口の前方に妨害磁界を発生させる磁界発生器が設けられている。そして、このカード処理装置は、磁界発生器により不正取得装置の磁気データの読み取りを困難にすることによって、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【0006】
上記特許文献3のカード処理装置は、磁気カードの磁気データを読み取るには磁気カードの磁気ストライプに対して磁気ヘッドを連続的に移動させる必要があることから、磁気カードを間欠的に搬送することにより不正取得装置の磁気データの読み取りを困難にすることによって、磁気情報が不正に取得されるのを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3850595号公報
【特許文献2】特許第3936496号公報
【特許文献3】特許第3801976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された従来のカード処理装置では、磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合には、リード線を介してカード挿入検出部により読み取られる磁気情報が不正に取得されてしまうという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献3に開示された従来のカード処理装置では、磁気カードが挿入されたことを検出するカード挿入検出部の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合には、リード線を介してカード挿入検出部により読み取られる磁気データから磁気情報が復元される可能性は皆無とは言えず、磁気情報が不正に取得されるおそれがあるという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、磁気データ読取装置の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合に、磁気情報が不正に取得されるのを防止することが可能なカード処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカード処理装置は、磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部と、読取部により読み取られた信号を出力する出力部とを含む磁気データ読取装置を備え、磁気データ読取装置は、読取部により読み取られた信号を出力部から出力するか否かを切り替える切替部をさらに含む。
【0012】
このように構成することによって、磁気データ読取装置に直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、出力部から出力されるデータを磁気データのプリアンブル部またはポストアンブル部のみとし、磁気データの本体部が出力されないようにすることができるので、磁気情報が不正に取得されるのを防止することができる。
【0013】
上記カード処理装置において、磁気データ読取装置は、読取部による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する計測部をさらに含み、切替部は、計測部による計測時間が所定の時間を経過した場合に、出力部から信号を出力しないように切り替えるようにしてもよい。
【0014】
上記カード処理装置において、磁気データ読取装置は、制御信号が入力される入力部をさらに含み、切替部は、入力部に入力される制御信号に基づいて、読取部により読み取られた信号を出力部から出力するか否かを切り替えるようにしてもよい。
【0015】
上記入力部を含むカード処理装置において、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、シャッタ部材の移動を制御する制御部と、をさらに備え、磁気データ読取装置は、挿入口に設けられ、制御部は、入力部に入力される制御信号を出力するようにしてもよい。
【0016】
この場合において、読取部は、挿入口に磁気カードが挿入された場合に、磁気カードに記録された磁気データを読み取り、出力部は、読取部により読み取られた信号を制御部に出力し、制御部は、出力部から信号が入力された場合に、挿入口を開くようにシャッタ部材を移動させるとともに、出力部から出力される信号を停止するように切替部を制御する制御信号を出力するようにしてもよい。
【0017】
上記入力部を含むカード処理装置において、磁気カードが挿入される挿入口と、挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、シャッタ部材の位置を検出するシャッタ位置検出部と、をさらに備え、磁気データ読取装置は、挿入口に設けられ、シャッタ位置検出部は、シャッタ部材の位置に応じて変化する制御信号を入力部に出力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、磁気データ読取装置の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合に、磁気情報が不正に取得されるのを防止することが可能なデータ読取装置およびそれを備えたカード処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態によるカード処理装置およびATMの構成を示したブロック図である。
【図2】図1のカード処理装置の概略を示した側面図である。
【図3】図2のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図4】図3のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図5】図2のカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図6】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図8】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図9】第1実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図11】図10のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図12】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図11のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図14】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図15】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図16】第2実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図17】本発明の第3実施形態によるカード処理装置の構成を示したブロック図である。
【図18】図17のカード処理装置のカード挿入検出部を説明するための図である。
【図19】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】図18のカード挿入検出部の再生信号および出力信号を説明するための波形図である。
【図21】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図22】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【図23】第3実施形態によるカード処理装置の動作を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1〜第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるカード処理装置100およびATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)150の構成について説明する。
【0022】
ATM150は、図1に示すように、ATM本体151と、電源152と、カード処理装置100とを備えている。ATM150は、現金の引き出しなどの取引を利用者が行うために、金融機関などに設置されている。
【0023】
第1実施形態によるカード処理装置100は、ATM150に設けられており、電源152から電力が供給されている。このカード処理装置100は、利用者により挿入された磁気カード160の磁気ストライプ161に対して、所定の処理を施すように構成されている。
【0024】
具体的には、カード処理装置100は、磁気カード160の磁気ストライプ161に記録された磁気データを読み取り、その読み取ったデータをATM本体151に送信する。また、カード処理装置100は、ATM本体151から送信されたデータを受信し、その受信したデータを磁気カード160の磁気ストライプ161に書き込む。なお、磁気ストライプ161には、たとえば、F2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding)方式を用いて磁気データが、プリアンブル部、本体部、ポストアンブル部の順に記録されている。
【0025】
カード処理装置100は、図2に示すように、筐体1と、搬送ローラ2a〜2dと、カード位置検出部3a〜3cと、読取/書込ヘッド4と、シャッタ部材5と、シャッタ位置検出部6と、カード挿入検出部7とを含んでいる。なお、カード挿入検出部7は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0026】
筐体1には、矢印X2方向側の端部に磁気カード160が挿入される挿入口1aが設けられている。搬送ローラ2a〜2dは、それぞれ、搬送路Pを挟んで上下一対に設けられており、磁気カード160を挿入方向(矢印X1方向)および排出方向(矢印X2方向)に搬送する。
【0027】
カード位置検出部3a〜3cは、たとえば、フォトインタラプタであり、搬送路P上の磁気カード160の位置を検出する。読取/書込ヘッド4は、挿入された磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みを行う。
【0028】
シャッタ部材5は、挿入口1aを開閉するために、開方向(矢印Z1方向)および閉方向(矢印Z2方向)に移動可能に設けられている。シャッタ位置検出部6は、たとえば、マイクロスイッチであり、シャッタ部材5が閉状態の位置まで移動したことを検出する。
【0029】
カード挿入検出部7は、図3に示すように、磁気ヘッド70の内部に設けられている。そして、磁気ヘッド70は、矢印Z1方向および矢印Z2方向(図2参照)に移動可能に設けられている。具体的には、磁気ヘッド70は、挿入口1a内に突出しており、磁気カード160が挿入口1aを通過する場合に、磁気カード160の磁気ストライプ161(図1参照)と接触した状態で矢印Z1方向に退避する。
【0030】
カード挿入検出部7は、図3に示すように、読取部71と、タイマ72と、出力制御部73と、出力部74とを含んでいる。なお、タイマ72は、本発明の「計測部」の一例であり、出力制御部73は、本発明の「切替部」の一例である。
【0031】
読取部71は、ギャップ71aが形成されたコア71bと、コイル71cとを有しており、磁気カード160に記録された磁気データを読み取る。具体的には、読取部71では、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気カード160の磁化パターンによりコア71bが磁化されることによって、コイル71cに電流が流れる。これにより、読取部71は、たとえば、図4に示すような再生信号を出力制御部73に出力する。なお、図4では、簡略化のために再生信号のプリアンブル部および本体部の一部のみを示しているが、実際には、本体部の後にポストアンブル部も読み取られる。
【0032】
タイマ72は、読取部71の再生信号に基づいて、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する。
【0033】
出力制御部73は、タイマ72による計測時間に基づいて、読取部71の再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する。具体的には、出力制御部73は、図4に示すように、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間T1が経過するまでは、読取部71の再生信号をそのまま出力部74から出力し、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間T1を経過した場合には、出力部74からの再生信号の出力を停止する。
【0034】
ここで、所定の時間T1は、磁気データの本体部の読み取りが開始されるまでの時間T2よりも短くなるように設定されている。したがって、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から制御部11に出力し、磁気データの本体部およびポストアンブル部の再生信号を出力部74から出力しない。
【0035】
また、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合にも、同様に、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてから所定の時間だけ、再生信号を出力部74から出力する。これにより、出力制御部73は、磁気カード160の排出時には、磁気データのポストアンブル部の再生信号のみを出力部74から制御部11に出力し、磁気データの本体部およびプリアンブル部の再生信号を出力部74から出力しない。
【0036】
また、出力制御部73は、出力部74からの再生信号の出力を停止した後、磁気カード160が挿入口1aを通過した場合に、再生信号を出力部74から出力可能な状態に戻る。したがって、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aに挿入または排出されるたびに、磁気データのプリアンブル部またはポストアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力する。なお、磁気カード160が挿入口1aを通過した否かは、たとえば、読取部71の再生信号に基づいて判断してもよいし、タイマ72の計測時間に基づいて判断してもよい。
【0037】
また、カード処理装置100は、図5に示すように、搬送ローラ2a〜2dを駆動するモータ8と、シャッタ部材5を移動させるためのソレノイドなどからなるアクチュエータ9と、ATM本体151とデータのやり取りを行うための通信部10と、カード処理装置100の動作を制御する制御部11とを含んでいる。
【0038】
制御部11は、CPU、ROM、およびRAMなどを有する。この制御部11は、カード挿入検出部7から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、筐体1の挿入口1aに磁気カード160が挿入されたと判断する。なお、制御部11は、カード挿入検出部7から入力された再生信号に基づいて、磁気カード160に記録された磁気情報(磁気データの本体部)を取得することができないが、磁気カード160が挿入されたか否かを判断することが可能であればよい。
【0039】
次に、図2〜図9を参照して、本発明の第1実施形態によるカード処理装置100の動作について説明する。なお、図6のフローチャートの各ステップは、制御部11(図5参照)により実行される。
【0040】
まず、カード処理装置100では、図6のステップS1において、カード挿入検出部7の出力部74(図3参照)から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部74から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS1が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置100は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部74から再生信号が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS2に移る。なお、出力制御部73(図3参照)は、図4に示すように、所定の時間T1の経過後、出力部74からの再生信号の出力を停止する。
【0041】
次に、ステップS2において、アクチュエータ9(図5参照)により、シャッタ部材5(図2参照)を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図7に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0042】
次に、ステップS3において、モータ8(図5参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図7参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図8に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。なお、挿入口1aは、開かれてから所定の時間経過後にシャッタ部材5により閉じられる。また、出力制御部73は、磁気カード160が挿入口1aを通過することにより、出力部74からの再生信号の出力を停止する状態から、再生信号を出力部74から出力可能な状態に戻る。
【0043】
次に、ステップS4において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図5参照)を介してATM本体151(図5参照)との通信も行われる。
【0044】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS5において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図9に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0045】
次に、ステップS6において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。その後、磁気カード160が抜き取られると、挿入口1aがシャッタ部材5により閉じられ、一連の動作が終了する。なお、磁気カード160の排出時には、挿入時と同様に、出力部74から所定の時間だけ再生信号が出力される(この場合の再生信号は、先述のとおりポストアンブル部の再生信号である)。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、読取部71の再生信号を出力部74から出力するか否かを制御する出力制御部73を設けることによって、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力することにより、磁気ヘッド70の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第1実施形態によるカード処理装置100では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0047】
また、第1実施形態では、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測するタイマ72を設けるとともに、出力制御部73が所定の時間T1を経過した場合に出力部74からの再生信号の出力を停止することによって、磁気カード160が挿入口1aに挿入された場合に、容易に、磁気データのプリアンブル部の再生信号のみを出力部74から出力することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合には、磁気データのポストアンブル部の再生信号のみが出力部74から出力されることによって、磁気ヘッド70の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合において、磁気カード160が挿入口1aから排出される場合にも、磁気カード160の挿入時と同様に、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、図10および図11を参照して、本発明の第2実施形態によるカード処理装置200の構成について説明する。
【0050】
第2実施形態によるカード処理装置200は、図10に示すように、カード挿入検出部201と、制御部202とを備えている。なお、カード処理装置200のその他の構成は、カード処理装置100(図2および図5参照)と同様であるので説明を省略する。また、カード挿入検出部201は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0051】
カード挿入検出部201は、図11に示すように、磁気ヘッド203の内部に設けられている。このカード挿入検出部201は、読取部204と、入力部205と、スイッチ素子206と、出力部207とを含んでいる。なお、読取部204および出力部207の構成は、それぞれ、第1実施形態(図3)の読取部71および出力部74と同様である。また、スイッチ素子206は、本発明の「切替部」の一例である。
【0052】
入力部205には、スイッチ素子206のオン/オフ状態を切り替えるための制御信号が制御部202から入力される。スイッチ素子206は、入力部205に入力される制御信号に基づいて、読取部204の再生信号を出力部207から出力するか否かを切り替える。
【0053】
たとえば、スイッチ素子206は、入力部205にH(High)レベルの制御信号が入力されているときに、読取部204の再生信号を出力部207から出力可能な状態(オン状態)になり、入力部205にL(Low)レベルの制御信号が入力されているときに、読取部204の再生信号を出力部207から出力しない状態(オフ状態)になる。
【0054】
制御部202は、CPU、ROM、およびRAMなどを有しており、制御信号をカード挿入検出部201に出力する。この制御部202は、カード挿入検出部201から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、筐体1の挿入口1aに磁気カード160が挿入されたと判断する。そして、制御部202は、磁気カード160が挿入されたと判断した場合に、出力する制御信号をHレベルからLレベルに切り替える。また、制御部202は、磁気カード160が排出され、抜き取られたと判断した場合に、出力する制御信号をLレベルからHレベルに切り替える。
【0055】
なお、制御部202は、カード挿入検出部201から入力された再生信号に基づいて、磁気カード160に記録された磁気情報(磁気データの本体部)を取得することができないが、磁気カード160が挿入されたか否かを判断することが可能であればよい。
【0056】
次に、図10〜図16を参照して、本発明の第2実施形態によるカード処理装置200の動作について説明する。なお、図12のフローチャートの各ステップは、制御部202(図10参照)により実行される。
【0057】
まず、カード処理装置200では、図12のステップS11において、制御部202からカード挿入検出部201の入力部205(図11参照)にHレベルの制御信号(図13参照)が出力される。これにより、カード挿入検出部201では、スイッチ素子206がオン状態になり、読取部204の再生信号を出力部207から出力可能な状態になる。
【0058】
次に、ステップS12において、カード挿入検出部201の出力部207から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部207から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS12が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置200は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部207から再生信号(図13参照)が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS13に移る。
【0059】
次に、ステップS13において、アクチュエータ9(図10参照)により、シャッタ部材5を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図14に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0060】
次に、ステップS14において、図13に示すように、制御部202から入力部205に入力される制御信号がLレベルに切り替えられる。これにより、カード挿入検出部201では、スイッチ素子206がオフ状態になり、読取部204の再生信号を出力部207から出力しない状態になる。
【0061】
次に、ステップS15において、モータ8(図10参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図14参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図15に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。このとき、入力部205にはLレベルの制御信号が入力されているので、図13に示すように、読取部204により読み取られる再生信号は、出力部207から出力されない。なお、挿入口1aは、開かれてから所定の時間経過後にシャッタ部材5により閉じられる。
【0062】
次に、ステップS16において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図10参照)を介してATM本体151(図10参照)との通信も行われる。
【0063】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS17において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図16に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。
【0064】
次に、ステップS18において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。このとき、入力部205にはLレベルの制御信号が入力されているので、読取部204により読み取られる再生信号は、出力部207から出力されない。その後、磁気カード160が抜き取られると、挿入口1aがシャッタ部材5により閉じられる。
【0065】
最後に、ステップS19において、制御部202から入力部205に入力される制御信号がHレベルに切り替えられ、一連の動作が終了する。
【0066】
第2実施形態では、上記のように、磁気カード160が挿入口1aに挿入されることにより、磁気データのプリアンブル部の再生信号が制御部202に入力された場合に、制御部202が制御信号をLレベルに切り替えることにより、読取部204により読み取られる再生信号が出力部207から出力されなくなるようにしている。これによって、磁気ヘッド203の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第2実施形態によるカード処理装置200では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0067】
また、第2実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出され、抜き取られた後に、制御信号をHレベルに切り替えることによって、磁気カード160の排出時に読取部204により読み取られる再生信号が出力部207から出力されないので、磁気カード160の排出時にも、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、図17および図18を参照して、本発明の第3実施形態によるカード処理装置300の構成について説明する。
【0069】
第3実施形態によるカード処理装置300は、図17に示すように、カード挿入検出部301と、シャッタ位置検出部302とを備えている。なお、カード処理装置300のその他の構成は、カード処理装置100(図2および図5参照)と同様であるので説明を省略する。また、カード挿入検出部301は、本発明の「磁気データ読取装置」の一例である。
【0070】
カード挿入検出部301は、図18に示すように、磁気ヘッド303の内部に設けられている。このカード挿入検出部301は、読取部304と、入力部305と、スイッチ素子306と、出力部307とを含んでいる。なお、読取部304、スイッチ素子306、および、出力部307の構成は、それぞれ、第2実施形態(図11)の読取部204、スイッチ素子206、および、出力部207と同様である。また、スイッチ素子306は、本発明の「切替部」の一例である。
【0071】
入力部305には、スイッチ素子306のオン/オフ状態を切り替えるための制御信号がシャッタ位置検出部302から入力される。たとえば、シャッタ位置検出部302は、シャッタ部材5が閉状態の位置であるときにオン状態になり、Hレベルの制御信号を出力する。また、シャッタ位置検出部302は、シャッタ部材5が開状態の位置を含む閉状態の位置以外の位置であるときにオフ状態になり、Lレベルの制御信号を出力する。
【0072】
このため、カード挿入検出部301は、シャッタ部材5が閉状態の位置であるときに、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態になり、シャッタ部材5が開状態の位置であるときに、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0073】
次に、図17〜図23を参照して、本発明の第3実施形態によるカード処理装置300の動作について説明する。なお、図19のフローチャートの各ステップは、制御部11(図17参照)により実行される。また、磁気カード160が挿入される前においては、シャッタ部材5が閉状態の位置であることから、シャッタ位置検出部302は、Hレベルの制御信号を出力しており、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態である。
【0074】
まず、カード処理装置300では、図19のステップS21において、カード挿入検出部301の出力部307(図18参照)から磁気データのプリアンブル部の再生信号が出力されたか否かが判断される。出力部307から再生信号が出力されておらず、磁気カード160が挿入口1aに挿入されていないと判断された場合には、ステップS21が繰り返し行われる。すなわち、カード処理装置300は、磁気カード160が挿入されるまで待機する。そして、出力部307から再生信号(図20参照)が出力されて、磁気カード160が挿入口1aに挿入されたと判断されると、ステップS22に移る。
【0075】
次に、ステップS22において、アクチュエータ9(図17参照)により、シャッタ部材5を開方向(矢印Z1方向)に移動させる。これにより、図21に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。そして、ステップS23において、シャッタ位置検出部302がオフ状態(図20参照)に切り替わる。このため、ステップS24において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルになる。したがって、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0076】
次に、ステップS25において、モータ8(図17参照)を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2d(図21参照)を正転させる。これにより、磁気カード160が矢印X1方向に搬送されるので、図22に示すように、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれる。このとき、入力部305にはLレベルの制御信号が入力されているので、図20に示すように、読取部304により読み取られる再生信号は、出力部307から出力されない。
【0077】
そして、ステップS26において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を閉方向(矢印Z2方向)に移動させる。これにより、図22に示すように、シャッタ部材5により挿入口1aが閉じられる。そして、ステップS27において、シャッタ位置検出部302がオン状態に切り替わる。このため、ステップS28において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がHレベルになる。したがって、このとき、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力可能な状態になるが、磁気カード160が挿入口1aを通過しないので、読取部304により再生信号が読み取られることがない。
【0078】
次に、ステップS29において、読取/書込ヘッド4により、筐体1の内部に取り込まれた磁気カード160が破線で示す位置まで搬送される過程で、磁気カード160に対してデータの読み取りや書き込みが行われる。このとき、通信部10(図17参照)を介してATM本体151(図17参照)との通信も行われる。
【0079】
その後、ATM本体151から磁気カード160の排出指令が入力されると、ステップS30において、アクチュエータ9により、シャッタ部材5を矢印Z1方向に移動させる。これにより、図23に示すように、シャッタ部材5が搬送路Pから退避するので、挿入口1aが開かれる。そして、ステップS31において、シャッタ位置検出部302がオフ状態に切り替わる。このため、ステップS32において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルになる。したがって、カード挿入検出部301は、読取部304の再生信号を出力部307から出力しない状態になる。
【0080】
次に、ステップS33において、モータ8を駆動することにより、搬送ローラ2a〜2dを逆転させる。これにより、磁気カード160が矢印X2方向に搬送され、挿入口1aから排出される。このとき、入力部305にはLレベルの制御信号が入力されているので、読取部304により読み取られる再生信号は、出力部307から出力されない。
【0081】
その後、磁気カード160が抜き取られると、ステップS34において、シャッタ部材5により挿入口1aが閉じられる。そして、ステップS35において、シャッタ位置検出部302がオン状態に切り替わる。このため、ステップS36において、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がHレベルになり、一連の動作が終了する。
【0082】
第3実施形態では、上記のように、磁気カード160が挿入口1aに挿入されることにより、磁気データのプリアンブル部の再生信号が制御部11に入力された場合に、制御部11により挿入口1aを開くようにシャッタ部材5を移動させる。このとき、シャッタ位置検出部302がオフ状態に切り替わることにより、シャッタ位置検出部302から出力される制御信号がLレベルに切り替わる。このため、カード挿入検出部301では、読取部304により読み取られる再生信号を出力部307から出力しなくなることによって、磁気ヘッド303の出力ラインに直接リード線が接続されるという不正行為が行われた場合にも、不正に取得されるデータを磁気データのプリアンブル部のみとすることができるので、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。その結果、第3実施形態によるカード処理装置300では、磁気情報が不正に取得されるのを防止しながら、磁気カード160の挿入を検出して挿入口1aを開くことができる。
【0083】
また、第3実施形態では、磁気カード160が挿入口1aから排出され、抜き取られた後に、制御信号がHレベルに切り替えられることによって、磁気カード160の排出時に読取部304により読み取られる再生信号が出力部307から出力されないので、磁気カード160の排出時にも、磁気情報(磁気データの本体部)が不正に取得されるのを防止することができる。
【0084】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記第1実施形態では、読取部71による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測するタイマ72と、タイマ72による計測時間に基づいて再生信号を出力するか否かを制御する出力制御部73とを設ける例を示したが、これに限らず、タイマ72の代わりに、読取部71の再生信号のパルス数を計測するカウンタを設け、出力制御部がカウンタのカウント数に基づいて再生信号を出力するか否かを制御するようにしてもよい。または、タイマ72およびパルス数を計測するカウンタの両方を設け、出力制御部が、タイマ72による計測時間とカウンタによるカウント数のどちらか一方の条件を満たした場合に、再生信号の出力を停止するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、本発明の切替部の一例としてスイッチ素子206を示したが、これに限らず、本発明の切替部が論理回路により構成されていてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態では、磁気カード160が挿入された後、排出されるまで制御信号をLレベルにする例を示したが、これに限らず、磁気カード160が挿入された後、磁気カード160が挿入口1aを通過した場合に、磁気カード160が筐体1の内部に取り込まれた状態で、制御信号をHレベルに戻すようにしてもよい。すなわち、制御部202は、カード挿入検出部201から磁気データのプリアンブル部の再生信号が入力された場合に、所定の時間だけ制御信号をLレベルにするようにしてもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態において、出力部74から出力される再生信号を非可逆変換する変換部がカード挿入検出部7に設けられていてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
【0088】
また、上記第1実施形態では、読取部71がコア71bとコイル71cとを有する例を示したが、これに限らず、読取部が磁気抵抗素子などのその他の磁気センサを有していてもよい。なお、第2および第3実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0089】
1a 挿入口
5 シャッタ部材
7、201、301 カード挿入検出部(磁気データ読取装置)
71、204、304 読取部
72 タイマ(計測部)
73 出力制御部(切替部)
74、207、307 出力部
100、200、300 カード処理装置
160 磁気カード
202 制御部
205、305 入力部
206、306 スイッチ素子(切替部)
302 シャッタ位置検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた信号を出力する出力部とを含む磁気データ読取装置を備えたカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、前記読取部により読み取られた信号を前記出力部から出力するか否かを切り替える切替部をさらに含む、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、前記読取部による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する計測部をさらに含み、
前記切替部は、前記計測部による計測時間が所定の時間を経過した場合に、前記出力部から信号を出力しないように切り替える、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、制御信号が入力される入力部をさらに含み、
前記切替部は、前記入力部に入力される制御信号に基づいて、前記読取部により読み取られた信号を前記出力部から出力するか否かを切り替える、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカード処理装置において、
磁気カードが挿入される挿入口と、
前記挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、
前記シャッタ部材の移動を制御する制御部と、をさらに備え、
前記磁気データ読取装置は、前記挿入口に設けられ、
前記制御部は、前記入力部に入力される制御信号を出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のカード処理装置において、
前記読取部は、前記挿入口に磁気カードが挿入された場合に、磁気カードに記録された磁気データを読み取り、
前記出力部は、前記読取部により読み取られた信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記出力部から信号が入力された場合に、前記挿入口を開くように前記シャッタ部材を移動させるとともに、前記出力部から出力される信号を停止するように前記切替部を制御する制御信号を出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載のカード処理装置において、
磁気カードが挿入される挿入口と、
前記挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、
前記シャッタ部材の位置を検出するシャッタ位置検出部と、をさらに備え、
前記磁気データ読取装置は、前記挿入口に設けられ、
前記シャッタ位置検出部は、前記シャッタ部材の位置に応じて変化する制御信号を前記入力部に出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項1】
磁気カードに記録された磁気データを読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた信号を出力する出力部とを含む磁気データ読取装置を備えたカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、前記読取部により読み取られた信号を前記出力部から出力するか否かを切り替える切替部をさらに含む、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、前記読取部による磁気データの読み取りが開始されてからの時間を計測する計測部をさらに含み、
前記切替部は、前記計測部による計測時間が所定の時間を経過した場合に、前記出力部から信号を出力しないように切り替える、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカード処理装置において、
前記磁気データ読取装置は、制御信号が入力される入力部をさらに含み、
前記切替部は、前記入力部に入力される制御信号に基づいて、前記読取部により読み取られた信号を前記出力部から出力するか否かを切り替える、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカード処理装置において、
磁気カードが挿入される挿入口と、
前記挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、
前記シャッタ部材の移動を制御する制御部と、をさらに備え、
前記磁気データ読取装置は、前記挿入口に設けられ、
前記制御部は、前記入力部に入力される制御信号を出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のカード処理装置において、
前記読取部は、前記挿入口に磁気カードが挿入された場合に、磁気カードに記録された磁気データを読み取り、
前記出力部は、前記読取部により読み取られた信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記出力部から信号が入力された場合に、前記挿入口を開くように前記シャッタ部材を移動させるとともに、前記出力部から出力される信号を停止するように前記切替部を制御する制御信号を出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載のカード処理装置において、
磁気カードが挿入される挿入口と、
前記挿入口を開閉するためのシャッタ部材と、
前記シャッタ部材の位置を検出するシャッタ位置検出部と、をさらに備え、
前記磁気データ読取装置は、前記挿入口に設けられ、
前記シャッタ位置検出部は、前記シャッタ部材の位置に応じて変化する制御信号を前記入力部に出力する、ことを特徴とするカード処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−113235(P2011−113235A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268291(P2009−268291)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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