カード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置
【課題】CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、SDカードインターフェイス14は、SDカード14に対してデータのリード/ライトを行うインターフェースコントローラを初期化すると共に、SDカード4を初期化し、さらに、SDカード4からステータス情報を取得してSDカード4が高速対応か否かを判断する。
【解決手段】着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、SDカードインターフェイス14は、SDカード14に対してデータのリード/ライトを行うインターフェースコントローラを初期化すると共に、SDカード4を初期化し、さらに、SDカード4からステータス情報を取得してSDカード4が高速対応か否かを判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置に関し、詳細には、SD(Secure Digital)カードなどのように着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピー、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)といった機器のソフトウェアの書き換え手段として、メモリカードやネットワークなどのホストインターフェイスからのダウンロードがある。しかし、フィールドサポートなどにおけるメンテナンスやソフトウェアのアップデートを行おうとすると、ユーザのシステム環境を使用できるとは限らないことから、ホストインターフェイスが利用できるとは限らないのが現状である。
【0003】
このため、確実に利用できる手段として、メモリカードインターフェイスを基板上に設
けている。メモリカードに対するアクセスは、RAMと同様に扱えることから、ソフトウ
ェアによるインターフェイス初期化などの処理は必要なかった。また、メモリカード上で
プログラムを実行することも可能であった。しかし、メモリカードは1枚あたりの容量が
せいぜい4メガバイトと小さい上に、最近では入手しにくくなってきた。
【0004】
そこで、近年では例えば特許文献1のように、メモリーカードの代替として、SDカー
ドが採用されている。SDカードはフロッピー(登録商標)ディスクのような携帯可能な
メディアとして注目され、カードサイズに比べ記録容量が大きいことから、画像データや
音声データの記録、再生用に採用され始めている。SDカードへのリードアクセスに限定
することにより、BIOSを必要とせずにSDカードへのアクセスが可能になるほか、C
PUのアクセスに応じて必要なデータだけを読み出せるため、RAMへのデータコピーを
せず、SDカード上でプログラムの実行が可能になる。また、通信エラーが発生した場合
に、通信速度を自動で段階的に落としていき、エラーが発生しないところで処理を継続す
るようにすることで、ソフトウェアやハードウェアを変更せずにデータ通信を行うことが
可能になる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−242596号公報,図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、SDカードのインターフェイスであるSDカードインターフェイスは、メモリカードインターフェイスとは異なり、インターフェイスコントローラとSDメモリカードに対して初期化が必要となる。本願出願人の未公開特許出願(整理番号0308944)において、CPU(ソフトウェア)によるインターフェイス初期化を必要とせずに、システムの起動後、直ちにカード型メモリへのアクセスを可能とするカード型メモリのインターフェイス回路を提案している。
【0007】
ところで、近年、SDカードの高速化がなされている。従来のSDカードのバスクロックは最大25MHzに対し、高速SDカードでは最大50MHzとなる。かかる高速SDカードを使用した場合、システム起動を高速化することが可能となる。しかしながら、本願出願人の提案したカード型メモリのインターフェイス回路にあっては、高速SDカードに対応していないため、その転送パフォーマンスを有効に利用したシステムを構築することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型メモリは、SDカードであることが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載することが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明のASICを画像形成装置に搭載することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能となるという効果を奏する。また、CPUによりカード型メモリが高速対応か否かを判断する処理を省くことができ、システムの起動後、直ちに高速カード型メモリへの高速アクセスを行うことが可能となるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することとしたので、カード型メモリのインターフェイス回路によりカード型メモリを高速設定することが可能となるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、前記カード型初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することとしたので、システムの消費電力を考慮したシステム構築を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、前記カード型メモリは、SDカードであることとしたので、高速SDカードの転送パフォーマンスを有効に活用することが可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、上述のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路を搭載したASICを提供することが可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、上述のASICを画像形成装置に搭載することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路を搭載した画像形成装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカード型メモリのインターフェイス回路
、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置の最良な実施
の形態を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0022】
本発明の実施の形態を、[画像形成装置の構成]、[SDカードインターフェイスの構成]、[SDカードの初期化処理]、[SDカードの高速設定]の順に説明する。以下、特定のサイズ単位でのアクセスが必要でかつ着脱可能に設けられたカード型メモリとして、SDメモリカードを例示して説明する。
【0023】
[画像形成装置の構成]
図1は本発明に係るSDカードインターフェイスを内蔵したASICを備えた画像形成
装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0024】
図1において、ASIC(特定用途向けIC)10は画像入出力機能、画像処理機能及
びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ
6、HDD(ハードディスクドライブ)1内のハードディスク等を共通資源として利用可
能に設計され、ASIC10には、HDD1と、PHYデバイス(ネットワークデバイス
)2と、PHYデバイス(USBデバイス)3と、SDカード4と、画像形成装置本体側
のCPU5、メモリ6、プリンタエンジン20及びIEEE1284デバイス及が接続さ
れる。HDD1は画像データやプログラムを格納し、CPU5は画像形成装置全体の制御
を行い、メモリ6はランダムアクセス可能である。なお、プリンタエンジン20は記録媒
体に可視画像を形成する画像形成手段として機能し、IEEE1284インターフェイス
17を使用して外部から転送されてくる画像データ、PHYデバイス2,3から転送され
てくる画像データ、HDD1、SDカード4などに格納されていた画像データに基づいて
画像を形成することが可能であり、プリンタエンジン20とシステムを組むことによりA
SIC10を備えたプリンタ、コピー装置、ファクシミリなどの画像形成装置を構成する
。
【0025】
ASIC10には詳しくは、メモリ・アービタ30と、メモリ・アービタ30とHDD
(ハードディスクドライブ)1を接続するためのHDDインターフェイス11及びDMA
コントローラ21と、メモリ・アービタ30とPHYデバイス2を接続するためのネット
ワークインターフェイス12及びDMAコントローラ22と、メモリ・アービタ30とP
HYデバイス3を接続するためのUSBインターフェイス13及びDMAコントローラ2
3と、メモリ・アービタ30(及びメモリコントローラ16)とSDカード4を接続する
ためのSDカードインターフェイス14及びDMAコントローラ24と、メモリ・アービ
タ30とCPU5を接続するためのCPUインターフェイス15と、メモリ・アービタ3
0(及びSDカードインターフェイス14)とメモリ6を接続するためのメモリコントロ
ーラ16と、メモリ・アービタ30と不図示のIEEE1284デバイス、プリンタエン
ジンをそれぞれ接続するためのIEEE1284インターフェイス17、プリンタエンジ
ンインターフェイス18が設けられている。
【0026】
すなわち、ハードディスクやネットワークなど、複数のアプリケーションに加え、SD
カードインターフェイス14がメモリアービタ30を介したDMAコントローラ24によ
るデータ転送パスと、ランダムアクセス用のメモリコントローラ16へのパスで接続され
ている。この構成により、SDカード4からメモリ6だけではなくHDD1やネットワー
クデバイス、USBデバイスのインターフェイス12、13間でのデータ転送も可能にな
る。
【0027】
[SDカードインターフェイスの構成]
図2はSDカードインターフェイス14の構成例を示すブロック図である。SDカードコントローラ141は、SDカード4の規格に準じてSDカード4とのデータの通信を実際に行う部分である。制御回路145は、CPU5からの制御コマンドをSDカードコントローラ141に与えたり、SDカード4に対してDMA転送を使用するか、ランダムアクセスを使用するかを選択するためにマルチプレクサ144の切替を行う回路ブロックである。
【0028】
DMAインターフェイス142は、SDカードコントローラ141(及びマルチプレク
サ144)と図1におけるDMAコントローラ24との間にあり、両者のインターフェー
スの整合を取り、DMAにより転送を可能とする回路ブロックである。RAMアクセスイ
ンターフェイス143は、図1におけるメモリ(RAM)コントローラ16もしくはCP
Uインターフェイス15とSDカードコントローラ141(及びマルチプレクサ144)
との間にあり、両者のインターフェイスの整合を取る回路ブロックである。
【0029】
RAMアクセスインターフェイス143内には、複数セクタ分(512バイトxNセク
タ)のバッファ(RAM)143aを内蔵し、このバッファ143aにSDカード4の複
数セクタ分のデータを蓄えることができるようになっている。CPU5からのリードアク
セスに対し、このバッファ143aに格納されているセクタ範囲内のデータであれば、S
Dカード4からのデータ読み出しを経ることなく、バッファ143aからデータを読み出
すことができる。これにより、SDカード4へのアクセスを最小限に抑えるようにしてい
る。
【0030】
[SDカードの初期化処理]
図3は、図2のSDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化手順を説明するためのフローチャートを示している。図3を参照して、SDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化手順を説明する。SDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化は、電源投入時、ソフトウェアのアップデート時や自己診断プログラムの実行時等のサービスエンジニア等による特定の作業の実行時に実行される。このように、SDカードインターフェイス14によるハードウェアでのSDカード4の初期化処理の使用目的を限定することで、エラーの発生を抑えることにしている。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の初期化の前にSDカードコントローラ141の初期化を行う。図3に示す処理はSDカードインターフェイス14のシーケンス処理で行われる。
【0031】
図3において、まず、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4が初期化済みであるか否かを判断し(ステップS1)、初期化済みでない場合には(ステップS1の「No」)、SDカードインターフェイス14のリセットを解除する(ステップS2)。そして、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の挿入を確認し(ステップS3)、SDカード4が装着されいるか否かの判断を行い(ステップS4)、SDカード4が装着されていない場合には(ステップS4の「No」)、ステップS1に戻る一方、SDカード4が装着されている場合には(ステップS4の「Yes」)、SDクロックを設定する(ステップS5)。
【0032】
つぎに、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の初期化を行ない(ステップS6)、その動作電圧を設定する(ステップS7)。この後、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のカードID、カードアドレス、及びカードサイズを取得する(ステップS8〜ステップS10)。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカードの内部ステートをTransferステートに設定した後(ステップS11)、SDカード4を高速設定にする(ステップS12)。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のブロック長を設定した後(ステップS13)、データバス幅を設定する(ステップS14)。
【0033】
この後、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のカードステータスを取得する(ステップS15)。そして、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4から取得したこれらの情報に基づいて、データ読出位置のオフセット値を算出して記憶する。この後、RAMアクセスインターフェイス143は、初期化済みフラグをセットする(ステップS16)。
【0034】
他方、RAMアクセスインターフェイス143は、カード未挿入や適用外のカード挿入によるエラーが発生した場合には、カード未挿入フラグをセットした後(ステップS17)、ステップS16に移行する。なお、カード未挿入の場合、一定時間の間はカード挿入の確認を継続することにしても良い。
【0035】
[SDカードの高速設定]
図4は、図3におけるSDカード高速設定(ステップS12)の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図4を参照して、SDカードインターフェイス14によるSDカード4の高速設定手順を説明する。高速SDカードは、従来のSDカードとインターフェイスが変わらないため、SDカードが高速対応か否かはコマンド形式で判断することとなる。
【0036】
図4において、RAMアクセスインターフェイス143は、まずSDカード4のコンフィグレーションを取得する(ステップS21)。このコンフィグレーション情報からSDカード4のカードバージョンがV1.01であるか否かを判断する(ステップS22)。
カードバージョンがV1.01であった場合は(ステップS22の「Yes」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。
【0037】
他方、SDカード4のカードバージョンがV1.01でない場合には(ステップS22の「No」)、カードバージョンの情報から以後発行する高速SDコマンドチェックコマンド及び高速SDスイッチコマンドがサポートされているか否かが判断できる。
【0038】
RAMアクセスインターフェイス143は、高速SDコマンドがサポートされていることを確認すると、SDカード4に対し、高速SDチェックコマンドを発行して(ステップS23)、SDカード4から高速SDステータスを取得する(ステップS24)。RAMアクセスインターフェイス143は、この高速SDステータス情報からSDカードバスクロックがHigh−Speed−Modeに対応しているかを判断する(ステップS25)。
【0039】
RAMアクセスインターフェイス143は、High−Speed−Modeに対応していない場合には(ステップS25の「No」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。他方、RAMアクセスインターフェイス143は、High−Speed−Modeに対応している場合には(ステップS25の「Yes」)、SDカード4に対して、High−Speed−Modeにした時のパラメータをコマンド情報に付加して高速SDコマンドを発行し(ステップS26)、高速SDステータス情報を取得する(ステップS27)。
【0040】
RAMアクセスインターフェイス143は、取得した高速SDステータス情報からSDカードバスクロックがHigh−Speed−Modeの場合のSDカード消費電流値を確認し、SDカード4の電流値がシステムとして許容範囲内か否かを判断する(ステップS28)。SDカード4の電流値が許容範囲内でない場合には(ステップS28の「No」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。他方、SDカード消費電流値が許容範囲内である場合には(ステップS28の「Yes」)、SDカード4内部を高速ステートに設定するためのコマンドを、SDカード4に対して発行する(ステップS29)。最後に、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカードバスクロックを50MHzに設定する(ステップS30)。
【0041】
本実施の形態によれば、SDカードインターフェイス14は、SDカードが挿入された場合に、高速SDカードであるか否かを判断し、高速SDカードである場合には、高速モードを設定することとしたので、SDカードの持つパフォーマンスを最大に生かしたシステムを構築することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置は、プリンタ、複写機、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)といった画像形成装置に適用可能であって、高速モードを有するカード型メモリを使用する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るSDカードインターフェイスを内蔵したASICを備えた画像形成装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のSDカードインターフェイスの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のSDカードインターフェイスによるSDカードの初期化手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3におけるSDカード高速設定の詳細な処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
4 SDカード
5 CPU
10 ASIC
14 SDカードインターフェイス
141 SDカードコントローラ
142 DMAインターフェイス
143 RAMアクセスインターフェイス
143a バッファ(RAM)
144 マルチプレクサ
145 制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置に関し、詳細には、SD(Secure Digital)カードなどのように着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピー、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)といった機器のソフトウェアの書き換え手段として、メモリカードやネットワークなどのホストインターフェイスからのダウンロードがある。しかし、フィールドサポートなどにおけるメンテナンスやソフトウェアのアップデートを行おうとすると、ユーザのシステム環境を使用できるとは限らないことから、ホストインターフェイスが利用できるとは限らないのが現状である。
【0003】
このため、確実に利用できる手段として、メモリカードインターフェイスを基板上に設
けている。メモリカードに対するアクセスは、RAMと同様に扱えることから、ソフトウ
ェアによるインターフェイス初期化などの処理は必要なかった。また、メモリカード上で
プログラムを実行することも可能であった。しかし、メモリカードは1枚あたりの容量が
せいぜい4メガバイトと小さい上に、最近では入手しにくくなってきた。
【0004】
そこで、近年では例えば特許文献1のように、メモリーカードの代替として、SDカー
ドが採用されている。SDカードはフロッピー(登録商標)ディスクのような携帯可能な
メディアとして注目され、カードサイズに比べ記録容量が大きいことから、画像データや
音声データの記録、再生用に採用され始めている。SDカードへのリードアクセスに限定
することにより、BIOSを必要とせずにSDカードへのアクセスが可能になるほか、C
PUのアクセスに応じて必要なデータだけを読み出せるため、RAMへのデータコピーを
せず、SDカード上でプログラムの実行が可能になる。また、通信エラーが発生した場合
に、通信速度を自動で段階的に落としていき、エラーが発生しないところで処理を継続す
るようにすることで、ソフトウェアやハードウェアを変更せずにデータ通信を行うことが
可能になる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−242596号公報,図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、SDカードのインターフェイスであるSDカードインターフェイスは、メモリカードインターフェイスとは異なり、インターフェイスコントローラとSDメモリカードに対して初期化が必要となる。本願出願人の未公開特許出願(整理番号0308944)において、CPU(ソフトウェア)によるインターフェイス初期化を必要とせずに、システムの起動後、直ちにカード型メモリへのアクセスを可能とするカード型メモリのインターフェイス回路を提案している。
【0007】
ところで、近年、SDカードの高速化がなされている。従来のSDカードのバスクロックは最大25MHzに対し、高速SDカードでは最大50MHzとなる。かかる高速SDカードを使用した場合、システム起動を高速化することが可能となる。しかしながら、本願出願人の提案したカード型メモリのインターフェイス回路にあっては、高速SDカードに対応していないため、その転送パフォーマンスを有効に利用したシステムを構築することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カード型メモリは、SDカードであることが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載することが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明のASICを画像形成装置に搭載することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続するカード型メモリのインターフェイス回路において、前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能となるという効果を奏する。また、CPUによりカード型メモリが高速対応か否かを判断する処理を省くことができ、システムの起動後、直ちに高速カード型メモリへの高速アクセスを行うことが可能となるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することとしたので、カード型メモリのインターフェイス回路によりカード型メモリを高速設定することが可能となるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、前記カード型初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することとしたので、システムの消費電力を考慮したシステム構築を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、前記カード型メモリは、SDカードであることとしたので、高速SDカードの転送パフォーマンスを有効に活用することが可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、上述のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路を搭載したASICを提供することが可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、上述のASICを画像形成装置に搭載することとしたので、CPUによるカード型メモリの初期化処理を省くことが可能であると共に、高速のカード型メモリの転送パフォーマンスを有効に利用することが可能なカード型メモリのインターフェイス回路を搭載した画像形成装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカード型メモリのインターフェイス回路
、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置の最良な実施
の形態を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0022】
本発明の実施の形態を、[画像形成装置の構成]、[SDカードインターフェイスの構成]、[SDカードの初期化処理]、[SDカードの高速設定]の順に説明する。以下、特定のサイズ単位でのアクセスが必要でかつ着脱可能に設けられたカード型メモリとして、SDメモリカードを例示して説明する。
【0023】
[画像形成装置の構成]
図1は本発明に係るSDカードインターフェイスを内蔵したASICを備えた画像形成
装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0024】
図1において、ASIC(特定用途向けIC)10は画像入出力機能、画像処理機能及
びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ
6、HDD(ハードディスクドライブ)1内のハードディスク等を共通資源として利用可
能に設計され、ASIC10には、HDD1と、PHYデバイス(ネットワークデバイス
)2と、PHYデバイス(USBデバイス)3と、SDカード4と、画像形成装置本体側
のCPU5、メモリ6、プリンタエンジン20及びIEEE1284デバイス及が接続さ
れる。HDD1は画像データやプログラムを格納し、CPU5は画像形成装置全体の制御
を行い、メモリ6はランダムアクセス可能である。なお、プリンタエンジン20は記録媒
体に可視画像を形成する画像形成手段として機能し、IEEE1284インターフェイス
17を使用して外部から転送されてくる画像データ、PHYデバイス2,3から転送され
てくる画像データ、HDD1、SDカード4などに格納されていた画像データに基づいて
画像を形成することが可能であり、プリンタエンジン20とシステムを組むことによりA
SIC10を備えたプリンタ、コピー装置、ファクシミリなどの画像形成装置を構成する
。
【0025】
ASIC10には詳しくは、メモリ・アービタ30と、メモリ・アービタ30とHDD
(ハードディスクドライブ)1を接続するためのHDDインターフェイス11及びDMA
コントローラ21と、メモリ・アービタ30とPHYデバイス2を接続するためのネット
ワークインターフェイス12及びDMAコントローラ22と、メモリ・アービタ30とP
HYデバイス3を接続するためのUSBインターフェイス13及びDMAコントローラ2
3と、メモリ・アービタ30(及びメモリコントローラ16)とSDカード4を接続する
ためのSDカードインターフェイス14及びDMAコントローラ24と、メモリ・アービ
タ30とCPU5を接続するためのCPUインターフェイス15と、メモリ・アービタ3
0(及びSDカードインターフェイス14)とメモリ6を接続するためのメモリコントロ
ーラ16と、メモリ・アービタ30と不図示のIEEE1284デバイス、プリンタエン
ジンをそれぞれ接続するためのIEEE1284インターフェイス17、プリンタエンジ
ンインターフェイス18が設けられている。
【0026】
すなわち、ハードディスクやネットワークなど、複数のアプリケーションに加え、SD
カードインターフェイス14がメモリアービタ30を介したDMAコントローラ24によ
るデータ転送パスと、ランダムアクセス用のメモリコントローラ16へのパスで接続され
ている。この構成により、SDカード4からメモリ6だけではなくHDD1やネットワー
クデバイス、USBデバイスのインターフェイス12、13間でのデータ転送も可能にな
る。
【0027】
[SDカードインターフェイスの構成]
図2はSDカードインターフェイス14の構成例を示すブロック図である。SDカードコントローラ141は、SDカード4の規格に準じてSDカード4とのデータの通信を実際に行う部分である。制御回路145は、CPU5からの制御コマンドをSDカードコントローラ141に与えたり、SDカード4に対してDMA転送を使用するか、ランダムアクセスを使用するかを選択するためにマルチプレクサ144の切替を行う回路ブロックである。
【0028】
DMAインターフェイス142は、SDカードコントローラ141(及びマルチプレク
サ144)と図1におけるDMAコントローラ24との間にあり、両者のインターフェー
スの整合を取り、DMAにより転送を可能とする回路ブロックである。RAMアクセスイ
ンターフェイス143は、図1におけるメモリ(RAM)コントローラ16もしくはCP
Uインターフェイス15とSDカードコントローラ141(及びマルチプレクサ144)
との間にあり、両者のインターフェイスの整合を取る回路ブロックである。
【0029】
RAMアクセスインターフェイス143内には、複数セクタ分(512バイトxNセク
タ)のバッファ(RAM)143aを内蔵し、このバッファ143aにSDカード4の複
数セクタ分のデータを蓄えることができるようになっている。CPU5からのリードアク
セスに対し、このバッファ143aに格納されているセクタ範囲内のデータであれば、S
Dカード4からのデータ読み出しを経ることなく、バッファ143aからデータを読み出
すことができる。これにより、SDカード4へのアクセスを最小限に抑えるようにしてい
る。
【0030】
[SDカードの初期化処理]
図3は、図2のSDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化手順を説明するためのフローチャートを示している。図3を参照して、SDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化手順を説明する。SDカードインターフェイス14によるSDカード4の初期化は、電源投入時、ソフトウェアのアップデート時や自己診断プログラムの実行時等のサービスエンジニア等による特定の作業の実行時に実行される。このように、SDカードインターフェイス14によるハードウェアでのSDカード4の初期化処理の使用目的を限定することで、エラーの発生を抑えることにしている。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の初期化の前にSDカードコントローラ141の初期化を行う。図3に示す処理はSDカードインターフェイス14のシーケンス処理で行われる。
【0031】
図3において、まず、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4が初期化済みであるか否かを判断し(ステップS1)、初期化済みでない場合には(ステップS1の「No」)、SDカードインターフェイス14のリセットを解除する(ステップS2)。そして、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の挿入を確認し(ステップS3)、SDカード4が装着されいるか否かの判断を行い(ステップS4)、SDカード4が装着されていない場合には(ステップS4の「No」)、ステップS1に戻る一方、SDカード4が装着されている場合には(ステップS4の「Yes」)、SDクロックを設定する(ステップS5)。
【0032】
つぎに、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4の初期化を行ない(ステップS6)、その動作電圧を設定する(ステップS7)。この後、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のカードID、カードアドレス、及びカードサイズを取得する(ステップS8〜ステップS10)。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカードの内部ステートをTransferステートに設定した後(ステップS11)、SDカード4を高速設定にする(ステップS12)。RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のブロック長を設定した後(ステップS13)、データバス幅を設定する(ステップS14)。
【0033】
この後、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4のカードステータスを取得する(ステップS15)。そして、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカード4から取得したこれらの情報に基づいて、データ読出位置のオフセット値を算出して記憶する。この後、RAMアクセスインターフェイス143は、初期化済みフラグをセットする(ステップS16)。
【0034】
他方、RAMアクセスインターフェイス143は、カード未挿入や適用外のカード挿入によるエラーが発生した場合には、カード未挿入フラグをセットした後(ステップS17)、ステップS16に移行する。なお、カード未挿入の場合、一定時間の間はカード挿入の確認を継続することにしても良い。
【0035】
[SDカードの高速設定]
図4は、図3におけるSDカード高速設定(ステップS12)の詳細な処理内容を示すフローチャートである。図4を参照して、SDカードインターフェイス14によるSDカード4の高速設定手順を説明する。高速SDカードは、従来のSDカードとインターフェイスが変わらないため、SDカードが高速対応か否かはコマンド形式で判断することとなる。
【0036】
図4において、RAMアクセスインターフェイス143は、まずSDカード4のコンフィグレーションを取得する(ステップS21)。このコンフィグレーション情報からSDカード4のカードバージョンがV1.01であるか否かを判断する(ステップS22)。
カードバージョンがV1.01であった場合は(ステップS22の「Yes」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。
【0037】
他方、SDカード4のカードバージョンがV1.01でない場合には(ステップS22の「No」)、カードバージョンの情報から以後発行する高速SDコマンドチェックコマンド及び高速SDスイッチコマンドがサポートされているか否かが判断できる。
【0038】
RAMアクセスインターフェイス143は、高速SDコマンドがサポートされていることを確認すると、SDカード4に対し、高速SDチェックコマンドを発行して(ステップS23)、SDカード4から高速SDステータスを取得する(ステップS24)。RAMアクセスインターフェイス143は、この高速SDステータス情報からSDカードバスクロックがHigh−Speed−Modeに対応しているかを判断する(ステップS25)。
【0039】
RAMアクセスインターフェイス143は、High−Speed−Modeに対応していない場合には(ステップS25の「No」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。他方、RAMアクセスインターフェイス143は、High−Speed−Modeに対応している場合には(ステップS25の「Yes」)、SDカード4に対して、High−Speed−Modeにした時のパラメータをコマンド情報に付加して高速SDコマンドを発行し(ステップS26)、高速SDステータス情報を取得する(ステップS27)。
【0040】
RAMアクセスインターフェイス143は、取得した高速SDステータス情報からSDカードバスクロックがHigh−Speed−Modeの場合のSDカード消費電流値を確認し、SDカード4の電流値がシステムとして許容範囲内か否かを判断する(ステップS28)。SDカード4の電流値が許容範囲内でない場合には(ステップS28の「No」)、SDカードバスクロックを25MHzに設定する(ステップS31)。他方、SDカード消費電流値が許容範囲内である場合には(ステップS28の「Yes」)、SDカード4内部を高速ステートに設定するためのコマンドを、SDカード4に対して発行する(ステップS29)。最後に、RAMアクセスインターフェイス143は、SDカードバスクロックを50MHzに設定する(ステップS30)。
【0041】
本実施の形態によれば、SDカードインターフェイス14は、SDカードが挿入された場合に、高速SDカードであるか否かを判断し、高速SDカードである場合には、高速モードを設定することとしたので、SDカードの持つパフォーマンスを最大に生かしたシステムを構築することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るカード型メモリのインターフェイス回路、その回路を搭載したASIC、及びそのASICを搭載した画像形成装置は、プリンタ、複写機、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル)といった画像形成装置に適用可能であって、高速モードを有するカード型メモリを使用する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るSDカードインターフェイスを内蔵したASICを備えた画像形成装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のSDカードインターフェイスの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のSDカードインターフェイスによるSDカードの初期化手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3におけるSDカード高速設定の詳細な処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
4 SDカード
5 CPU
10 ASIC
14 SDカードインターフェイス
141 SDカードコントローラ
142 DMAインターフェイス
143 RAMアクセスインターフェイス
143a バッファ(RAM)
144 マルチプレクサ
145 制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続
するカード型メモリのインターフェイス回路において、
前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、
前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することを特徴とするカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項2】
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することを特徴とする請求項1に記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項3】
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することを特徴とする請求項1に記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項4】
前記カード型メモリは、SDカードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項5】
画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載したことを特徴とするASIC。
【請求項6】
請求項5に記載のASICを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
着脱可能であってセクタ単位のアクセスが必要なカード型メモリと電子機器本体を接続
するカード型メモリのインターフェイス回路において、
前記カード型メモリに対してデータのリード/ライトを行うインターフェイスコントローラを初期化する初期化手段と、
前記カード型メモリを初期化するカード型メモリ初期化手段と、を備え、
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応か否かを判断することを特徴とするカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項2】
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリを高速設定することを特徴とする請求項1に記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項3】
前記カード型メモリ初期化手段は、前記カード型メモリが高速対応である場合に、当該カード型メモリの消費電流が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲内の場合には、当該カード型メモリを高速設定することを特徴とする請求項1に記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項4】
前記カード型メモリは、SDカードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路。
【請求項5】
画像入出力機能、画像処理機能、及びデータ通信等の複数のアプリケーション機能を有し、各アプリケーション機能がメモリ及びハードディスクの1以上を共有資源として利用可能に構成されたASICにおいて、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のカード型メモリのインターフェイス回路を搭載したことを特徴とするASIC。
【請求項6】
請求項5に記載のASICを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2006−48369(P2006−48369A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228386(P2004−228386)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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