説明

カード型収納ケース

【課題】薄型化することで携帯性が良く、また、携帯機の交換用電池を収納することができるカード型収納ケースを提供する。
【解決手段】カード型収納ケース1は、樹脂によって形成され、全体に曲面が形成された本体10と、交換用電池3の形状に基づいて本体10に形成された第1の収納部11と、スペーサー4の形状に基づいて本体10に形成された第2の収納部12と、エマージェンシーキー2の形状に基づいて本体10に形成された第3の収納部13と、を備えて概略構成されている。交換用電池3は、車両の携帯機に使用される電池の厚みの半分の厚みを有し、スペーサー3と重ね合わせることで、車両の携帯機に使用される電池の厚みとなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の予備キーであり、把持部にトランスポンダ等の電子部品を有し、二股状に形成された基部と把持部とを嵌め合って形成されるキーと、板状に形成されたカード本体と、キーの形状に基づいてカード本体に形成された収納孔を有するカード型予備キー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このカード型予備キー装置によると、ユーザは、収納孔にキーを収納し、携帯することができる。
【特許文献1】特開平10−317743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のカード型予備キー装置は、把持部に設けられた電子部品の厚みのため、薄型化するのに限界があった。また、例えば、カード型予備キー装置は、機械式キーのみを収納孔に収納する構成としたとき、薄型化することはできるが、携帯機の電池切れによる機械式キーの使用においては、車両に対する操作に制限があるため、不便であった。
【0005】
従って本発明の目的は、薄型化することで携帯性が良く、また、携帯機の交換用電池を収納することができるカード型収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記目的を達成するため、カード形状を有する本体と、前記本体に設けられ、車両の鍵を収納する鍵収納部と、前記鍵収納部に設けられ、収納された前記鍵を前記鍵収納部内に保持する第1の保持部と、前記本体に設けられ、前記車両の携帯機に使用される電池に対して厚みが薄い交換用電池を収納する電池収納部と、前記電池収納部に設けられ、収納された前記交換用電池を前記電池収納部内に保持する第2の保持部と、前記本体に設けられ、前記交換用電池と重ね合わせることで前記車両の携帯機に使用される前記電池と同じ厚みとなる導電性を有する導電性部材を収納する導電性部材収納部と、前記導電性部材収納部に設けられ、収納された前記導電性部材を前記導電性部材収納部内に保持する第3の保持部と、を備えたカード型収納ケースを提供する。
【0007】
(2)本発明は上記目的を達成するため、前記鍵収納部、前記電池収納部及び前記導電性部材収納部は、収納される前記鍵、前記交換用電池、及び前記導電性部材に基づいてその厚みが定義され、前記本体は、前記鍵収納部、前記電池収納部及び前記導電性部材収納部の前記厚みに基づいて薄く形成される前記(1)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0008】
(3)本発明は上記目的を達成するため、前記交換用電池は、円柱形状を有する正電極と、前記正電極の下側に絶縁部材を介して形成され、前記正電極の形状よりも小さく形成された円柱形状を有する負電極と、を備えたコイン型電池である前記(1)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0009】
(4)本発明は上記目的を達成するため、前記第2の保持部は、前記電池収納部の側面上部から突出して形成された少なくとも1つの上部凸部と、側面下部から突出して形成された少なくとも1つの下部凸部とを備え、前記少なくとも1つの下部凸部は、その厚みが前記交換用電池の前記正電極と前記負電極とで形成された段差と略同一であり、前記段差を前記少なくとも1つの上部凸部と共に支持することで前記交換用電池を前記電池収納部に保持する前記(3)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0010】
(5)本発明は上記目的を達成するため、前記少なくとも1つの上部凸部は、前記交換用電池の上面部と側面部の間に形成された縁辺部を支持することで前記少なくとも1つの下部凸部と共に前記交換用電池を前記電池収納部に保持する前記(4)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0011】
(6)本発明は上記目的を達成するため、前記電池収納部は、側面部がテーパー形状となるように形成される前記(4)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0012】
(7)本発明は上記目的を達成するため、前記電池収納部は、上面部及び下面部の少なくとも1つの面側に前記交換用電池の放電を防止するシールが貼られる前記(1)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0013】
(8)本発明は上記目的を達成するため、前記シールは、その上面部に画像情報を有する前記(7)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0014】
(9)本発明は上記目的を達成するため、前記本体は、車両の携帯機用の工具を収納する工具収納部を有する前記(1)に記載のカード型収納ケースを提供する。
【0015】
(10)本発明は上記目的を達成するため、カード形状を有する本体と、前記本体に設けられ、車両の鍵を収納する鍵収納部と、前記鍵収納部に設けられ、収納された前記鍵を前記鍵収納部内に保持する第1の保持部と、前記本体に設けられ、前記車両の携帯機に使用される電池に対して厚みが薄い交換用電池を収納する電池収納部と、前記電池収納部に設けられ、収納された前記交換用電池の上面部及び側面部に形成された縁辺部と前記交換用電池の前記正電極及び前記負電極の間の段差とを支持することで前記交換用電池を前記電池収納部内に保持する第2の保持部と、前記本体に設けられ、前記交換用電池と重ね合わせることで前記車両の携帯機に使用される前記電池と同じ厚みとなる導電性を有する導電性部材を収納する導電性部材収納部と、前記導電性部材収納部に設けられ、収納された前記導電性部材を前記導電性部材収納部内に保持する第3の保持部と、を備えたカード型収納ケースを提供する。
【発明の効果】
【0016】
このような発明によれば、薄型化することで携帯性が良く、また、携帯機の交換用電池を収納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明のカード型収納ケースの実施の形態を図面を参考にして詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
(カード型収納ケースの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカード型収納ケースの斜視図である。このカード型収納ケース1は、一例として、車両の予備の鍵であるエマージェンシーキー2を収納することができるケースであり、例えばクレジットカードと同様の板形状、すなわちカード形状を有し、財布等の中に収納して携帯することを目的としている。また後述する車両の携帯機とは、一例として、電池を内蔵し、無線によって車両のドアの開閉、エンジンの始動・停止等を操作することができるものである。
【0019】
カード型収納ケース1は、図1に示すように、樹脂によって形成され、全体に曲面が形成された本体10と、交換用電池3の形状に基づいて本体10に形成された第1の収納部(電池収納部)11と、スペーサー(導電性部材)4の形状に基づいて本体10に形成された第2の収納部(導電性部材収納部)12と、エマージェンシーキー(鍵)2の形状に基づいて本体10に形成された第3の収納部(鍵収納部)13と、を備えて概略構成されている。
【0020】
本体10は、薄型化するため、第1〜第3の収納部11〜13の厚みに基づいて曲面が本体10の表面に形成されている。
【0021】
(第1の収納部の構成)
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るカード型収納ケースの平面図であり、(b)は、側面図であり、図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る図2のA−A線断面図であり、(b)は、図2のB−B線断面図であり、(c)は、図2のC−C線断面図である。図3(a)〜(c)は、各収納部に収納対象物、すなわち、エマージェンシーキー2、交換用電池3及びスペーサー4を収納した状態における断面図を示している。
【0022】
第1の収納部11は、一例として、交換用電池3を収納するために本体10に形成されており、交換用電池3は、略円柱形状を有するコイン型電池と呼ばれる電池であり、図3(a)に示すように、上部に円柱形状を有する正電極30、図示しない絶縁部材を介して下部に正電極30よりも半径の小さい円柱形状を有する負電極31が形成されている。
【0023】
また、交換用電池3は、上面部と側面部の間に形成された縁辺部、言い換えるなら、正電極30の上面部と側面部の間に曲面が形成されている。
【0024】
第1の収納部11は、図2(a)に示すように、第1の収納部11の互いに対向する側面上部に設けられた第1〜第4の突起部(第2の保持部:上部凸部)110〜113と、略円形状を有して第1の収納部11の側面下部に設けられ、後述する交換用電池3の形状に基づいて中央に挿入開口116を有する円形突起部(第2の保持部:下部凸部)114と、交換用電池3の形状に基づいて形成された略円柱形状を有する開口115と、を備えて概略構成されている。
【0025】
第1〜第4の突起部110〜113は、図3(a)に示すように、第1の収納部11の側面上部から中央に向けて突出し、側面下部に設けられた円形突起部114と共に収納された交換用電池3を挟み込むようにして保持し、また、第1の収納部11の厚みが薄くなるように構成されている。なお、第1〜第4の突起部110〜113の個数、及び形状は、これに限定されず、交換用電池3を挿入、保持することができる形状であれば良い。
【0026】
円形突起部114は、略円形状を有し、中央に挿入開口116が形成され、交換用電池3の正電極30と負電極31とで形成された段差と同じ厚みを有している。この挿入開口116は、交換用電池3の負電極31の形状に基づいて形成され、図3(a)に示すように、挿入開口116内に負電極31が嵌まり込む、すなわち、円形突起部114は、正電極30と負電極31とで形成された段差を支持するように構成されている。言い換えるなら、第1〜第4の突起部110〜113は、円形突起部114と共に正電極30を挟み込むことによって交換用電池3を保持する。
【0027】
また円形突起部114は、第1〜第4の突起部110〜113に対応する位置に開口を有している。この第1〜第4の突起部110〜113に対応する開口は、本体10を射出形成によって製作するとき、必要となる開口である。第2の収納部12に設けられた円形突起部124の突起部に対応する開口は、同様の理由により形成されている。なお、円形突起部114の形状は、これに限定されず、交換用電池3を突起部と共に保持する形状であれば良い。
【0028】
(第2の収納部の構成)
第2の収納部12は、スペーサー4を収納するために本体10に形成されており、スペーサー4は、一例として交換用電池3と同じ形状を有する導電性部材から構成されている。
【0029】
第2の収納部12は、スペーサー4と交換用電池3とが同じ形状を有することから、第1の収納部11と同じ構成を備えることとなる。すなわち、第2の収納部12の第1〜第4の突起部120〜123は、第1の収納部11の第1〜第4の突起部110〜113と同じ形状を有し、第2の収納部12の円形突起部124は、第1の収納部11の円形突起部114と同じ形状を有することとなる。
【0030】
また第2の収納部12は、交換用電池3とスペーサー4の形状が異なるとき、スペーサー4に基づいて第1〜第4の突起部120〜123、円形突起部124、開口125及び挿入開口126が形成される。
【0031】
(第3の収納部の構成)
第3の収納部13は、エマージェンシーキー2を収納するように構成されている。エマージェンシーキー2は、機械式キーであり、一例として、車両のドアやイグニッション等に設けられているキーシリンダに挿入して使用する。エマージェンシーキー2は、一例として、車両が有する認証情報と照合するために溝として形成された認証情報を有し、この2つの認証情報が一致することによって車両を操作することができるように構成され、通常の車両の鍵よりも薄く、また小さく作ることができる。
【0032】
またエマージェンシーキー2は、一例として、携帯機が電池切れを起した場合等に使用するものであるので、その操作可能な車両の機能には制限が設けられている。
【0033】
第3の収納部13は、図2(a)に示すように、エマージェンシーキー2を把持する部分に相当する位置に設けられた第1〜第3の突起部(第1の保持部)130〜132と、エマージェンシーキー2の先端部分に相当する位置に設けられた第4〜第6の突起部(第1の保持部)133〜135とを備えて概略構成されている。
【0034】
第2及び第5の突起部131、134は、第3の収納部13の側面上部から突出し、第1、第3、第4及び第6の突起部130、132、133、135は、第3の収納部13の側面下部から突出し、図3(c)に示すように、収納されたエマージェンシーキー2を挟み込むようにして保持し、第3の収納部13の厚みを薄くするように構成されている。
【0035】
(動作)
以下に、本実施の形態におけるカード型収納ケースに関する動作を各図を参照して詳細に説明する。
【0036】
(交換用電池の収納動作について)
ユーザは、交換用電池3の負電極31側を本体10の上部に向け、交換用電池3の位置を開口115に合わせ、本体10の上部から下部方向に力を交換用電池3に付加する。
【0037】
交換用電池3の正電極30の下部は、力が付加されることによって、第1〜第4の突起部110〜113を本体10の下部方向に押し下げ、交換用電池3の負電極31が円形突起部114の挿入開口116に挿入され、第1の収納部11に交換用電池3が収納されたとき、第1〜第4の突起部110〜113は、本体10の上部方向に復元力が働き、交換用電池3が収納される前の状態に戻る。
【0038】
第1の収納部11は、図3(a)に示すように、第1〜第4の突起部110〜113と円形突起部114とによって交換用電池3を挟み込んで保持する。
【0039】
(交換用電池の取出動作について)
【0040】
ユーザは、第1の収納部11に収納されている交換用電池3の負電極31に対して本体10の下部から上部方向の力を付加する。
【0041】
第1〜第4の突起部110〜113は、交換用電池3の上部によって本体10の下部側から上部側方向の力が付加され、本体10の上部方向に弾性変形を行うことで形成された開口が交換用電池3よりも大きくなり、ユーザは、交換用電池3を第1の収納部11から取り出すことができる。
【0042】
なお、スペーサー4の収納及び取出動作は、交換用電池3の収納及び取出動作と同様に行われる。
【0043】
(エマージェンシーキーの収納動作について)
ユーザは、エマージェンシーキー2の下部側を第3の収納部13の上部に向け、エマージェンシーキー2の位置を開口136に合わせ、本体10の上部から下部方向に力をエマージェンシーキー2に付加する。
【0044】
エマージェンシーキー2の下部は、力が付加されることによって、第2及び第5の突起部131、134を本体10の下部方向に押し下げ、エマージェンシーキー2が第3の収納部13に収納されたとき、第2及び第5の突起部131、134は、本体10の上部方向に復元力が働き、エマージェンシーキー2が収納される前の状態に戻る。
【0045】
第4の収納部13は、図3(c)に示すように、第1、第3、第4及び第6の突起部130、132、133、135と第2及び第5の突起部131、134とによってエマージェンシーキー2を挟み込んで保持する。
【0046】
(エマージェンシーキーの取出動作について)
【0047】
ユーザは、本体10の下部から開口136に指を挿入し、収納されているエマージェンシーキー2の下部に対して本体10の上部方向に力を付加する。
【0048】
第2及び第5の突起部131、134は、エマージェンシーキー2の上部によって本体10の下部側から上部側方向の力が付加され、第2及び第5の突起部131、134が本体10の上部方向に弾性変形を行うことで、ユーザは、エマージェンシーキー2を第3の収納部13から取り出すことができる。
【0049】
(携帯機の電池交換動作について)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯機の電池収納部に関する概略図である。図4に示す電池収納部50は、図示しない携帯機に設けられ、正電極側である第1のターミナル51と、負電極側である第2のターミナル52とを備えている。
【0050】
ユーザは、カード型収納ケース1より、交換用電池3とスペーサー4を上記の動作を経て取り出す。携帯機に使用される電池は、交換用電池3よりも厚い電池が使用されているが、図4に示すように、交換用電池3の厚みW2、及びスペーサー4の厚みW3を加算した値が携帯機に使用される電池と同じ厚みとなるので、交換用電池3とスペーサー4を重ね合わせて電池収納部50に収納する。
【0051】
カード型収納ケース1は、交換用電池3とスペーサー4とを重ね合わせた厚みを携帯機に使用される電池の厚みとすることで、一例として、交換用電池3の厚みを半分にすることが可能となり、交換用電池3を収納する第1の収納部11の厚みを薄くすることができる。
【0052】
カード型収納ケース1は、図2(b)に示すように、最大の厚みW1をエマージェンシーキー2の厚みに近い値とすることができる。言い換えるなら、本体10は、図2(b)に示すように、エマージェンシーキー2が収納される第3の収納部13付近が最も厚く、また、交換用電池3及びスペーサー4が収納される第1及び第2の収納部11、12付近を交換用電池3及びスペーサー4の厚みに合わせて薄くすることができ、さらに本体10の全体を曲面とすることによって、カード型収納ケース1は、財布等に収納し易い形状となっている。なお、本体10は、少なくとも1つの面に曲面が形成されて、薄型化されても良い。
【0053】
(第1の実施の形態の効果)
(1)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、本体10にエマージェンシーキー2と交換用電池3とスペーサー4を収納することができる。
【0054】
(2)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、本体10の少なくとも1つの面が曲面であるので、カード型収納ケース1を財布等に収納し易い。
【0055】
(3)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、収納対象物を収納し、確実に保持することができる。
【0056】
(4)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、第3の収納部13に車両の予備の鍵であるエマージェンシーキー2を収納することができるので、車両の携帯機の電池切れ等が発生しても、車両を操作することができる。
【0057】
(5)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、第1及び第2の収納部11、12は、第1〜第4の突起部110〜113と円形突起部114、及び第1〜第4の突起部120〜123と円形突起部124によって交換用電池3及びスペーサー4を挟むようにして保持することができる。
【0058】
(6)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、第1及び第2の収納部11、12は、車両の携帯機の交換用の交換用電池として交換用電池3及びスペーサー4を収納することができるので、携帯機が電池切れを起こしたとき、電池を交換することができる。
【0059】
(7)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、第1の収納部11は、交換用電池3の負電極31が挿入開口116に挿入されるので、本体10の厚みをより薄くすることができる。
【0060】
(8)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、エマージェンシーキー2、交換用電池3、及びスペーサー4を収納し、携帯することができるので、車両の携帯機の電池切れが発生したとき、速やかに電池を交換することができる。
【0061】
(9)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、本体10を覆う上下カバーを必要としないので、より薄型化することができる。
【0062】
(10)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、第1〜第3の収納部11〜13は、挿入開口116、126、開口136を有しているので、本体10の下部から力を付加することで、収納された収納対象物を取り出し易い。
【0063】
(11)上記した第1の実施の形態におけるカード型収納ケース1によれば、ユーザがエマージェンシーキー2を携帯することができるので、車両の携帯機にエマージェンシーキー2を収納する必要がなくなり、車両の携帯機のデザインの自由度が向上する。
【0064】
[第2の実施の形態]
(カード型収納ケースの構成)
図5(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る交換用電池を収納する前の第1の収納部の拡大図であり、(b)は、交換用電池を収納した後の第1の収納部の拡大図である。以下に記載する各実施の形態において第1の実施の形態と同様の構成及び機能を有する部分については、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明を省略するものとする。また、以下に記載する各実施の形態において、第1の収納部に関する構成、及び動作を記載するが、第2の収納部について同様の構成を有するものとし、さらに、他の収納部については、第1の実施の形態と同様の構成を有するものとするので、これらの説明は省略する。
【0065】
本実施の形態におけるカード型収納ケース1Aは、第1の実施の形態における第1〜第4の突起部110〜113に代えて電池保持部117が、第1の収納部11Aの開口115Aの縁辺部全体に形成されている。
【0066】
この電池保持部117は、図5(a)に示すように、開口115A内に曲面を有するように開口115Aの側面部より突出して形成されている。この曲面は、交換用電池3の上面部の縁辺部32の形状に基づいて形成されている。
【0067】
(交換用電池の収納動作について)
ユーザは、交換用電池3の負電極31側を本体10Aの上部に向け、交換用電池3の位置を開口115Aに合わせ、本体10Aの上部から下部方向の力を交換用電池3に付加する。
【0068】
交換用電池3の正電極30の下部は、力が付加されることによって、電池保持部117を本体10Aの横方向及び下方向に弾性変形を行わせ、第1の収納部11Aに収納される。
【0069】
交換用電池3は、第1の収納部11Aに収納されたとき、図5(b)に示すように、交換用電池3は、円形突起部114と電池保持部117とによって挟まれ、保持される。
【0070】
(交換用電池の取出動作について)
【0071】
ユーザは、第1の収納部11Aに収納されている交換用電池3の負電極31に対して本体10Aの下部側から上部方向の力を付加する。
【0072】
電池保持部117は、交換用電池3の上部によって本体10Aの下部側から上部側方向の力が付加され、本体10の上部方向に弾性変形を行う。
【0073】
交換用電池3は、本体10Aの上部方向への変位に基づいて電池保持部117によって形成される開口が交換用電池3よりも大きくなり、ユーザは、交換用電池3を第1の収納部11Aから取り出すことができる。
【0074】
電池保持部117は、交換用電池3が取り出された後、弾性変形を行っていた状態から図5(a)に示す状態に復元する。
【0075】
(第2の実施の形態の効果)
(1)上記した第2の実施の形態におけるカード型収納ケース1Aによれば、第1の収納部11Aに交換用電池3の縁辺部32の形状に基づいた電池保持部117を形成することによって、交換用電池3の厚みと本体10Aの厚みを略同一とすることができるので、より薄型化することができる。
【0076】
[第3の実施の形態]
(カード型収納ケースの構成)
図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る交換用電池を収納する前の第1の収納部の拡大図であり、(b)は、交換用電池を収納した後の第1の収納部の拡大図である。
【0077】
本実施の形態におけるカード型収納ケース1Bの第1の収納部11Bは、図6(a)に示すように、側面部にテーパー部118が形成されている。
【0078】
テーパー部118は、図6(a)に示すように、円錐形状に形成された開口115Bの側面部であり、側面部全体に渡って形成されている。また、その上部には、図6(b)に示すように、交換用電池3の縁辺部32の形状に基づいた電池保持部117が、開口115Bの全体に渡って形成されている。
【0079】
(交換用電池の収納動作について)
ユーザは、交換用電池3の負電極31側を本体10Bの上部に向け、交換用電池3の位置を開口115Bに合わせ、本体10Bの上部から下部方向の力を交換用電池3に付加する。
【0080】
交換用電池3の正電極30の下部は、力が付加されることによって、電池保持部117を本体10Bの横方向及び下方向に弾性変形を行わせ、さらに、テーパー部118に接しながら本体10Bの横方向にテーパー部118を押し広げる。
【0081】
交換用電池3は、第1の収納部11Bに収納されたとき、図6(b)に示すように、テーパー部118は、その弾性力によって交換用電池3の側面に接し、さらに、交換用電池3は、円形突起部114と電池保持部117とによって挟まれ、保持される。つまり、交換用電池3は、テーパー部118によっても支持され、より確実に第1の収納部11B内に保持される。
【0082】
(交換用電池の取出動作について)
【0083】
ユーザは、第1の収納部11Bに収納されている交換用電池3の負電極31に対して本体10Bの下部側から上部方向の力を付加する。
【0084】
電池保持部117は、交換用電池3の上部によって本体10Bの下部側から上部側方向の力が付加され、本体10Bの上部方向に弾性変形を行い、また、テーパー部118は、交換用電池3の上部方向への移動に伴って、弾性変形を行っていた状態から図6(a)に示す状態に復元する。
【0085】
交換用電池3は、本体10Bの上部方向への変位に基づいて電池保持部117によって形成される開口が交換用電池3よりも大きくなり、ユーザは、交換用電池3を第1の収納部11Bから取り出すことができる。
【0086】
(第3の実施の形態の効果)
(1)上記した第3の実施の形態におけるカード型収納ケース1Aによれば、第1の収納部11Bにテーパー部118を形成することによって、より確実に交換用電池3を第1の収納部11Bに保持することができる。
【0087】
[第4の実施の形態]
(カード型収納ケースの構成)
図7は、本発明の第4の実施の形態に係るカード型収納ケースの斜視図である。本実施の形態におけるカード型収納ケース1Cは、上記の第1〜第3の実施の形態と比べて、図7に示すように、携帯機用の工具としてのオープナー5を収納する第4の収納部14と、交換用電池3の上部、つまり正電極側に貼られるシール6と、を備えている。
【0088】
(第4の収納部の構成)
第4の収納部14は、一例として、オープナー5を収納するように構成されている。オープナー5とは、一例として、車両の携帯機の電池を交換する際、電池ボックスの蓋を開けるときに使用する工具であり、一例として、蓋の中央に配置されたねじに形成された溝にオープナー5の側面を挿入し、ねじを回転させることによって蓋が開くように構成されている。なお、携帯機の蓋を開ける方法は、これに限定されず、蓋を開ける際に必要な工具をその工具に基づいた形状の収納部を本体10に形成し、工具を収納するようにカード型収納ケース1Cを構成しても良い。
【0089】
第4の収納部14は、図7に示すように、オープナー5の形状に基づいて形成された略円柱形状の開口143を有し、第4の収納部14の側面上部に設けられた第1及び第2の突起部140、141と、第4の収納部14の側面下部に設けられ、オープナー5の形状に基づいて形成され、中央に挿入開口144を有する円形突起部142と、を備えて概略構成されている。なお、第4の収納部14は、他の収納部と同様に、第1の突起部140に対向する第4の収納部14の側面上部に図示しない第3の突起部を有し、第2の突起部141に対向する第4の収納部14の側面上部に図示しない第4の突起部を有して構成されているものとする。
【0090】
第1及び第2の突起部140、141と第3及び第4の突起部は、図7に示すように、第4の収納部14の側面上部から中央に向けて突出し、側面下部に設けられた円形突起部142と共に、収納されたオープナー5を挟み込むようにして保持し、また、第4の収納部14の厚みが薄くなるように構成されている。
【0091】
(シールについて)
このシール6は、一例として、防水機能を有し、また、上部に画像情報が表示されている。画像情報とは、一例として、文字群であり、文字群は、携帯機の電池交換の方法やエマージェンシーキー2の使用方法について表している。
【0092】
また、シール6は、交換用電池3の放電を抑制することができる。なお、シール6は、交換用電池3の正電極側及び負電極側の両面に貼られても良い。
【0093】
(オープナーの収納動作について)
ユーザは、オープナー5の下部側を第4の収納部14の上部に向け、オープナー5の位置を開口143に合わせ、本体10の上部から下部方向に力をオープナー5に付加する。
【0094】
オープナー5の下部は、力が付加されることによって、第1及び第2の突起部140、141、第3及び第4の突起部を本体10の下部方向に押し下げ、オープナー5が第4の収納部14に収納されたとき、第1及び第2の突起部140、141、第3及び第4の突起部は、本体10の上部方向に復元力が働き、オープナー5が収納される前の状態に戻る。
【0095】
第4の収納部14は、図7に示すように、第1及び第2の突起部140、141と第3及び第4の突起部と円形突起部142とによってオープナー5を挟み込んで保持する。
【0096】
(オープナーの取出動作について)
【0097】
ユーザは、挿入開口144内に指を挿入し、収納されているオープナー5の下部に対して本体10の上部方向に力を付加する。
【0098】
第1及び第2の突起部140、141と第3及び第4の突起部は、オープナー5の上部によって本体10の下部側から上部側方向の力が付加され、第1及び第2の突起部140、141と第3及び第4の突起部が本体10の上部方向に弾性変形を行うことで形成された開口がオープナー5よりも大きくなり、ユーザは、オープナー5を第4の収納部14から取り出すことができる。
【0099】
(第4の実施の形態の効果)
(1)上記した第4の実施の形態におけるカード型収納ケース1Cによれば、本体10にエマージェンシーキー2、交換用電池3、スペーサー4及びオープナー5を収納することができる。
【0100】
(2)上記した第4の実施の形態におけるカード型収納ケース1Cによれば、交換用電池3の放電を抑制することができる。
【0101】
(3)上記した第4の実施の形態におけるカード型収納ケース1Cによれば、シール6に画像情報を表示することができるので、エマージェンシーキー2の使用方法等の情報を表示することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0102】
(4)上記した第4の実施の形態におけるカード型収納ケース1Cによれば、第4の収納部14は、車両の携帯機の電池交換の際に使用する工具であるオープナー5を収納することができるので、電池の交換を容易に行うことができる。
【0103】
(5)上記した第4の実施の形態におけるカード型収納ケース1Cによれば、エマージェンシーキー2、交換用電池3、スペーサー4及びオープナー5を収納し、携帯することができるので、車両の携帯機の電池切れが発生したとき、速やかに電池を交換することができる。
【0104】
(他の実施の形態について)
上記した実施の形態において、交換用電池3の負電極31は、挿入開口116内に収納されたが、本体をさらに薄型化するため、負電極31が本体の外に僅かに出るよう構成しても良く、同様にスペーサー4の下部を本体の外に僅かに出るように構成しても良い。
【0105】
また、交換用電池3の厚みW2は、携帯機に使用される電池の半分の薄さに限定されず、交換用電池3とスペーサー4を重ねた厚み(=W2+W3)が、携帯機に使用される電池と同じ厚みとなれば良い。よってスペーサー4の形状は、上記に限定されず、第1のターミナル51と第2のターミナル52の間に挟まれ、接触した状態で、第1のターミナル51、交換用電池3、スペーサー4、及び第2のターミナル52に電流が伝播すれば、その形状は問わない。
【0106】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形、例えば各実施の形態の組合せが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカード型収納ケースの斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るカード型収納ケースの平面図であり、(b)は、側面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る図2のA−A線断面図であり、(b)は、図2のB−B線断面図であり、(c)は、図2のC−C線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る携帯機の電池収納部に関する概略図である。
【図5】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る交換用電池を収納する前の第1の収納部の拡大図であり、(b)は、交換用電池を収納した後の第1の収納部の拡大図である。
【図6】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る交換用電池を収納する前の第1の収納部の拡大図であり、(b)は、交換用電池を収納した後の第1の収納部の拡大図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るカード型収納ケースの斜視図である。
【符号の説明】
【0108】
1、1A、1B…カード型収納ケース、2…エマージェンシーキー、3…交換用電池、4…スペーサー、5…オープナー、10、10A、10B…本体、11〜14…第1〜第4の収納部、11A、11B…第1の収納部、30…正電極、31…負電極、32…縁辺部、50…電池収納部、51…第1のターミナル、52…第2のターミナル、110〜113…第1〜第4の突起部、114…円形突起部、115、115A、115B…開口、116…挿入開口、117…電池保持部、118…テーパー部、120〜123…第1〜第4の突起部、124…円形突起部、125…開口、126…挿入開口、130〜135…第1〜第6の突起部、136…開口、140、141…第1及び第2の突起部、142…円形突起部、143…開口、144…挿入開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード形状を有する本体と、
前記本体に設けられ、車両の鍵を収納する鍵収納部と、
前記鍵収納部に設けられ、収納された前記鍵を前記鍵収納部内に保持する第1の保持部と、
前記本体に設けられ、前記車両の携帯機に使用される電池に対して厚みが薄い交換用電池を収納する電池収納部と、
前記電池収納部に設けられ、収納された前記交換用電池を前記電池収納部内に保持する第2の保持部と、
前記本体に設けられ、前記交換用電池と重ね合わせることで前記車両の携帯機に使用される前記電池と同じ厚みとなる導電性を有する導電性部材を収納する導電性部材収納部と、
前記導電性部材収納部に設けられ、収納された前記導電性部材を前記導電性部材収納部内に保持する第3の保持部と、
を備えたカード型収納ケース。
【請求項2】
前記鍵収納部、前記電池収納部及び前記導電性部材収納部は、収納される前記鍵、前記交換用電池、及び前記導電性部材に基づいてその厚みが定義され、
前記本体は、前記鍵収納部、前記電池収納部及び前記導電性部材収納部の前記厚みに基づいて薄く形成される請求項1に記載のカード型収納ケース。
【請求項3】
前記交換用電池は、円柱形状を有する正電極と、前記正電極の下側に絶縁部材を介して形成され、前記正電極の形状よりも小さく形成された円柱形状を有する負電極と、を備えたコイン型電池である請求項1に記載のカード型収納ケース。
【請求項4】
前記第2の保持部は、前記電池収納部の側面上部から突出して形成された少なくとも1つの上部凸部と、側面下部から突出して形成された少なくとも1つの下部凸部とを備え、
前記少なくとも1つの下部凸部は、その厚みが前記交換用電池の前記正電極と前記負電極とで形成された段差と略同一であり、前記段差を前記少なくとも1つの上部凸部と共に支持することで前記交換用電池を前記電池収納部に保持する請求項3に記載のカード型収納ケース。
【請求項5】
前記少なくとも1つの上部凸部は、前記交換用電池の上面部と側面部の間に形成された縁辺部を支持することで前記少なくとも1つの下部凸部と共に前記交換用電池を前記電池収納部に保持する請求項4に記載のカード型収納ケース。
【請求項6】
前記電池収納部は、側面部がテーパー形状となるように形成される請求項4に記載のカード型収納ケース。
【請求項7】
前記電池収納部は、上面部及び下面部の少なくとも1つの面側に前記交換用電池の放電を防止するシールが貼られる請求項1に記載のカード型収納ケース。
【請求項8】
前記シールは、その上面部に画像情報を有する請求項7に記載のカード型収納ケース。
【請求項9】
前記本体は、車両の携帯機用の工具を収納する工具収納部を有する請求項1に記載のカード型収納ケース。
【請求項10】
カード形状を有する本体と、
前記本体に設けられ、車両の鍵を収納する鍵収納部と、
前記鍵収納部に設けられ、収納された前記鍵を前記鍵収納部内に保持する第1の保持部と、
前記本体に設けられ、前記車両の携帯機に使用される電池に対して厚みが薄い交換用電池を収納する電池収納部と、
前記電池収納部に設けられ、収納された前記交換用電池の上面部及び側面部に形成された縁辺部と前記交換用電池の前記正電極及び前記負電極の間の段差とを支持することで前記交換用電池を前記電池収納部内に保持する第2の保持部と、
前記本体に設けられ、前記交換用電池と重ね合わせることで前記車両の携帯機に使用される前記電池と同じ厚みとなる導電性を有する導電性部材を収納する導電性部材収納部と、
前記導電性部材収納部に設けられ、収納された前記導電性部材を前記導電性部材収納部内に保持する第3の保持部と、
を備えたカード型収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−59698(P2010−59698A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226699(P2008−226699)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】