説明

カード排出装置

【課題】カードの排出状況についての情報を取得することができるカード排出装置を提供すること。
【解決手段】カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部9と、排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部13と、検出された前記カード識別情報の履歴を記憶するカード識別情報記憶部19とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来あるカード排出装置としては、ゲーム開始前にバーコード付カードのバーコードを読み取るものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3151978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カード排出装置に格納されるカードにはカードの種別、カードの持つ属性等の違いによって様々な種類のカードがあるが、このうちどの種類のカードが排出されるかわからず、排出されるカードの種類を特定することができなかった。
【0005】
また、カード排出装置に格納されるカードの中には250枚中1、2枚といった一定の割合で希少価値の高い種類のカードが存在し、カード購入者の人気を集めている。このような状況で、カード排出装置が設置される店舗によっては、カードを格納する前に希少価値の高いカードのみをあらかじめ抜き取るといった行為が行われる場合があり、そのような店舗に設置されたカード排出装置からは希少価値の高いカードが一切排出されず、様々な種類のカードが店舗間で公平に販売されていないという問題が生じていた。
【0006】
従来のカード排出装置では、格納されているカードの残量から排出されたカードの枚数について知ることができるとしても、いかなる種類のカードが何枚排出されたかといったカードの排出状況についての情報を得ることはできなかった為、排出されたカードの種類に応じたサービスを提供したり、カードの排出状況を把握してマーケティングに利用することが不可能であった。また、上記のような抜き取り行為が行われていないかチェックすることも不可能であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、カードの排出状況についての情報を取得することができるカード排出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、カード排出装置であって、カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、検出された前記カード識別情報を記憶するカード識別情報記憶部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
カード識別情報とは、カードに付加された一次元または二次元のバーコード、磁気記録媒体、ICチップ等に格納された情報をいい、カードのシリアル番号でもあってもよいし、カードの種類、カードの持つ属性等を表す情報であってもよい。また排出されたカードのカード識別情報と排出された順番、枚数に関する履歴等であってもよい。
【0010】
カード識別情報検出部は、カード排出部から排出されるカードに付加されたカード識別情報を排出時に読み取れるような位置に設けられる。
【0011】
カード識別情報の検出は、カード排出部からカードが排出される際に読み取り装置を用いて検出することができ、一次元または二次元のバーコードが貼付されたカードであれば光学式のスキャナで検出することができる。また磁気記録媒体が貼付されたカードであれば磁気を用いたカードリーダで検出することができ、ICチップを内臓するカードであれば電波を用いたカードリーダで検出することができる。
【0012】
本発明によれば、排出されたカードのカード識別情報を検出し、検出したカード識別情報を記憶することで、いかなる種類のカードが何枚排出されたかといったカードの排出状況についての情報を取得することができる。
【0013】
(2)本発明は、カード排出装置であって、カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、前記カード識別情報検出部による検出結果を出力するカード識別情報出力部と、を含むことを特徴とするカード排出装置。
【0014】
検出結果とは、検出したカード識別情報そのものでもよいし、検出したカード識別情報に対応する文字情報、画像情報、音声情報等でもよい。
【0015】
出力するとは、カード排出装置に備えた表示部に出力してもよいし、カード排出装置に備えたスピーカ等の音声出力部に出力してもよい。
【0016】
本発明によれば、カード識別情報検出部による検出結果を出力することで、排出されたカードの種類に応じたサービスを提供することができる。
【0017】
(3)本発明のカード排出装置は、前記カード識別情報検出部が、排出されたカードに接触せずに前記カード識別情報を検出することを特徴とする。
【0018】
接触せずに検出するとは、読み取り装置がカード識別情報を読み取る際にカードに密着しないことをいい、一次元または二次元のバーコードが貼付されたカードであれば光学的に検出してもよいし、ICチップを内臓するカードであれば非接触型のICカードリーダを用いて検出してもよい。
【0019】
本発明によれば、排出されたカードに接触せずにカード識別情報を検出することで、折れ、こすれなどの損傷をカードに与えることなくカード識別情報を検出することができる。
【0020】
(4)本発明のカード排出装置は、前記カード排出部には、異なる種類のカードがランダムな順番で格納されていることを特徴とする。
【0021】
(5)本発明のカード排出装置は、前記カード排出部には、異なる種類のカードが予め決められた順番で格納されていることを特徴とする。
【0022】
(6)本発明のカード排出装置は、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信処理部とをさらに含み、前記通信処理部は、前記カード識別情報記憶部に記憶された前記カード識別情報をネットワークを介して接続されたサーバに送信することを特徴とする。
【0023】
ネットワークを介して接続されたとは、インターネットや専用回線、またはPHSなどの通信網を介して接続される場合でもよいし、有線または無線のLAN回線を介して接続される場合でもよい。
【0024】
カード識別情報の送信は、所定の送信条件を満たした場合に一括して送信するようにしてもよい。
【0025】
本発明によれば、記憶されたカード識別情報をネットワークを介して接続されたサーバに送信することで、ネットワークを介した遠隔地において、いかなる種類のカードが何枚排出されたかといったカードの排出状況についての情報を取得することができる。
【0026】
(7)本発明は、ネットワークを介して接続されたカード排出装置とサーバとを含むカード識別情報集計システムであって、前記カード排出装置は、カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、検出された前記カード識別情報を記憶するカード識別情報記憶部と、記憶された前記カード識別情報を前記サーバに送信する通信処理部とを含み、前記サーバは、前記カード排出装置から送られてくる前記カード識別情報を受信する通信処理部と、受信した前記カード識別情報を集計する処理を行うカード識別情報集計部と、を含むことを特徴とする。
【0027】
カード識別情報を集計する処理とは、各カード排出装置から送られてくるカード識別情報を1つにまとめて計算することであり、各カード排出装置ごとに排出されたカードの枚数を計算してもよいし、カードの種類ごとに排出されたカードの枚数を計算してもよいし、その両方でもよい。また、排出されたカード全体における特定の種類のカードが排出された割合を計算してもよいし、特定の種類のカードが排出されたか否かを集計する処理によって求めてもよい。
【0028】
本発明によれば、受信したカード識別情報を集計する処理を行うことで、ネットワークを介した遠隔地において各カード排出装置におけるカードの排出状況についての情報を取得することができる。
【0029】
(8)本発明のカード識別情報集計システムは、前記サーバは、前記カード識別情報集計部による集計結果を所定の判定条件に基づいて判定する処理を行う集計結果判定部とをさらに含むことを特徴とする。
【0030】
集計結果を所定の判定条件に基づいて判定する処理とは、カード識別情報の履歴の集計結果が所定の判定条件に合致するか否かを判断する処理をいう。
【0031】
所定の判定条件とは、例えば格納または排出されるべきカードの種類、枚数または順番を定めた条件でもよいし、格納または排出されるカードに含まれる特定の種類のカードの割合を定めた条件でもよいし、特定の種類のカードが格納または排出されるべきことを定めた条件でもよい。
【0032】
また、一般的にカード排出装置では生産管理上の理由から、また出荷時の公平性を担保するために排出されるカードの順番のパターンがカードの出荷時にあらかじめ決まっているが、判定条件としてこのようなカードの順番のパターンを設定しておき、これに基づき集計結果を判定して特定の種類のカードが抜き取られていないかチェックしてもよい。
【0033】
本発明によれば、集計結果を所与の判定条件に基づいて判定する処理を行うことで、ネットワークを介した遠隔地において各カード排出装置におけるカードの排出状況を様々な角度からチェックすることができる。
【0034】
(9)本発明のカード識別情報集計システムは、前記集計結果判定部は、前記所定の判定条件として、前記カード排出装置に格納されるべきカードの種類および枚数の少なくとも一方に関する情報を定めた格納情報に基づいて判定する処理を行うことを特徴とする。
【0035】
格納情報とは、各カード排出装置に格納時に格納されるべきカードの種類および枚数の少なくとも一方を定めた情報であり、集計結果を判定するための判定条件となる情報をいう。
【0036】
格納情報に基づいて判定する処理とは、集計結果と格納情報の内容を照らし合わせて両者の内容が一致しているか否かを判断する処理をいい、これによってカードがカード排出装置に格納される前にカードの抜き取り行為が行われていないか確認するための判定結果を得ることができる。
【0037】
本発明によれば、集計結果を格納情報に基づいて判定する処理を行うことで、ネットワークを介した遠隔地から各カード排出装置において様々な種類のカードが公平に販売されているかチェックすることができる。
【0038】
(10)本発明は、ネットワークを介して接続された物品排出装置とサーバとを含む物品情報集計システムであって、前記物品排出装置は、異なる種類の物品をランダムに格納し、格納された物品を排出する物品排出部と、排出された物品に付加された物品識別情報を検出する物品識別情報検出部と、検出された前記物品識別情報を記憶する物品識別情報記憶部と、記憶された前記物品識別情報を前記サーバに送信する通信処理部とを含み、前記サーバは、前記物品排出装置から送られてくる前記物品識別情報を受信する通信処理部と、受信した前記物品識別情報を集計する処理を行う物品識別情報集計部と、を含むことを特徴とする。
【0039】
物品識別情報とは、物品に付加された一次元または二次元のバーコード、ICチップ等に格納された情報をいい、物品のシリアル番号でもあってもよいし、物品の種類、物品持つ属性等を表す情報であってもよい。また排出された物品の物品識別情報と排出された順番、枚数に関する履歴等であってもよい。
【0040】
物品識別情報検出部は、物品排出部から排出される物品に付加された物品識別情報を排出時に読み取れるような位置に設けられる。
【0041】
物品識別情報の検出は、物品排出部から物品が排出される際に読み取り装置を用いて検出することができ、バーコードが貼付された物品であれば光学式のスキャナで検出することができる。またICチップを内臓する物品であれば電波を用いたリーダで検出することができる。
【0042】
本発明によれば、受信した物品情報を集計する処理を行うことで、様々な種類の物品がランダムに排出されるような物品排出装置において、いかなる種類の物品が何個排出されたかといった物品の排出状況についての情報をネットワークを介した遠隔地から取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態のカード排出装置の全体斜視図である。
【図2】カード排出装置の内部構造を示す正面図である。
【図3】カード排出部とカード排出口の内部構造を示す縦断面図である。
【図4】カード排出部とカード排出口の内部構造を示す縦断面図の他の例である。
【図5】本実施形態のカード排出装置の機能ブロックの一例である。
【図6】本実施形態の処理の一例について説明するためのフローチャート図である。
【図7】本実施形態のカード識別情報集計システムの構成の一例を説明するための図である。
【図8】本実施形態のカード識別情報集計システムのサーバの機能ブロックの一例である。
【図9】カード識別情報の履歴の一例について説明するための図である。
【図10】集計結果データベースに記憶されている情報の一例について説明するための図である。
【図11】格納情報データベースに記憶されている情報の一例について説明するための図である。
【図12】本実施形態のカード識別情報集計システムのサーバの処理の一例について説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0045】
図1は本実施形態のカード排出装置1の全体斜視図である。カード排出装置1の前面上部には表示部2が配置され、表示部2の下方には操作部3が配置されている。また、操作部3にはボタン4、5、6が二組左右に配置されている。
【0046】
操作部3の下方にはコイン投入口7が配置されている。また、カード排出装置1の前面下部にはカード排出口8が配置されている。
【0047】
図2はカード排出装置1の内部構造を示す正面図である。カード排出装置1の内部にはカード排出部9がカード排出口8の上方に位置するように配置されている。
【0048】
図3はカード排出部9とカード排出口8の内部構造を示す縦断面図である。カード排出部9の内部にはカードストック10が配置され、カードストック10にはカード11が垂直に積み重ねられた状態で格納され、ローラ12が回転することによってカード11が1枚づつ排出される。ローラ12の対面にはカード識別情報検出部13が取り付けられ、排出されるカードのカード識別情報を読み取れるようになっている。
【0049】
カード識別情報の読み取りの際にはカードストッパー14が立ち上がり、カード識別情報検出部13が確実にカード識別情報を読み取れるようになっている。カード識別情報の読み取りが完了すればカードストッパー14が外れ、カード11はカード排出口8に排出される。
【0050】
図4はカード排出部9とカード排出口8の内部構造を示す縦断面図の他の例である。ここではローラ12はカード11のカード識別情報が読み取れる位置までカード11を移動した後一旦回転を停止し、カード識別情報の読み取り完了後に回転を再開してカード11をカード排出口8に排出する。
【0051】
図5は本実施形態のカード排出装置1の機能ブロックの一例である。本実施形態のカード排出装置1は、少なくとも処理部15、記憶部16、カード排出部9を含めばよく、それ以外のブロックについては、任意の構成要素とすることができる。
【0052】
ここで処理部15は、カード排出装置1の制御、各機能ブロックへの命令の指示、画像処理、音処理などの各種の処理を行うものであり、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、あるいはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0053】
操作部3は、購入者が入力する操作データを受け付け、処理部15に対して操作データを通知する処理を行うものであり、その機能は、レバー、ボタンなどのハードウェアにより実現できる。
【0054】
コイン受け付け部17は、購入者からのコイン投入を検知し、処理部15に対して通知する処理を行う。
【0055】
記憶部16は、処理部15などのワーク領域となるもので、メインメモリ、フレームバッファとして機能し、RAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0056】
表示部2は、検出されたカード識別情報に対応する画像等を出力するものであり、その機能は、CRT、LCDなどのハードウェアにより実現できる。
【0057】
音出力部18は、検出されたカード識別情報に対応する音声を出力するものであり、その機能は、スピーカなどのハードウェアにより実現できる。
【0058】
カード排出部9は、カードを格納し、コイン投入が検知された場合、または操作データが入力された場合にカードを排出するものであり、それぞれカードストック10、カード識別情報検出部13を含む。カードストック10はカードを格納しておく場所であり、カード識別情報検出部13は排出されたカードのカード識別情報を検出するものである。
【0059】
記憶部16は、カード識別情報記憶部19を含む。カード識別情報記憶部19は、カード識別情報検出部13によって検出されたカード識別情報の履歴が記憶されるものである。
【0060】
通信処理部20は、ネットワークを介してデータの送受信を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ、あるいは通信用ASICなどのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0061】
ここにおいて通信処理部20は、カード識別情報記憶部19に記憶されたカード識別情報の履歴をネットワークを介して接続されたサーバに向けて送信する。
【0062】
図6は本実施形態のカード排出装置1の処理の一例について説明するためのフローチャート図である。
【0063】
まずコインの投入があるとコイン受け付け部17がコインを検知し(S1)、カード排出部9からカードが排出される(S2)。カード排出部9からカードが排出されればカード識別情報検出部13がカード識別情報を検出し(S3)、検出されたカード識別情報をカード識別情報記憶部19に書き込む(S4)。そして所定の送信条件を満たせば(S5)、通信処理部20がカード識別情報記憶部19に記憶されているカード識別情報の履歴をネットワークを介してサーバに送信する(S6)。ここで所定の送信条件とは、カードストック10に格納されたカードを全て排出した場合に送信するといった条件でもよいし、サーバから送信要求があった場合に送信するといった条件でもよい。
【0064】
このように、排出されたカードのカード識別情報を検出し、検出したカード識別情報の履歴を記憶することで、いかなる種類のカードが何枚排出されたかといったカードの排出状況を把握することができ、様々な種類のカードが公平に販売されているかチェックすることができる。また、記憶されたカード識別情報の履歴をネットワークを介して接続されたサーバに送信することで、ネットワークを介した遠隔地において、カードの排出状況を把握することができる。
【0065】
図7は本実施形態のカード識別情報集計システム21の構成の一例を説明するための図である。
【0066】
本実施形態のカード識別情報集計システム21はカード排出装置1とサーバ22を含み、カード排出装置1とサーバ22はインターネット等のネットワーク23を介して接続されている。ネットワーク23は、インターネットや専用回線、またはPHSなどの通信網でもよいし、有線または無線のLAN回線でもよい。カード排出装置1は、カード販売専用のカード自動販売機でもよいし、ゲーム機能を有するカードゲーム機でもよい。
【0067】
サーバ22は、ネットワーク23に接続されてデータの送受信を行う通信装置24、ワークステーション等のホストコンピュータ25、データベース26を含む。
【0068】
なお通信装置24は、モデム、ターミナルアダプタ、あるいはルーター等によって構成され、電話回線、ISDN回線、あるいは専用線等の通信回線を介して、カード排出装置1や他のサーバ装置との間でデータの送受信を行う。
【0069】
図8は本実施形態のカード識別情報集計システム21のサーバ22の機能ブロックの一例である。
【0070】
カード識別情報集計システム21のサーバ22は、ホストコンピュータ25、データベース26を含んでいる。
【0071】
ホストコンピュータ25は、処理部27と記憶部28と通信処理部29を含んでいる。
【0072】
通信処理部29は、カード排出装置1やデータベース26とデータのやり取りをするもので送信機能と受信機能の両方を有するが、送信手段と受信手段とに分散して送受信機能を実現してもよい。
【0073】
処理部27は、受信した処理要求に基づき各種処理を行うもので、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、あるいはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0074】
処理部27は、カード識別情報集計部30と集計結果判定部31を含む。カード識別情報集計部30は、カード排出装置1から送られてきたカード識別情報の履歴を集計する処理を行い、集計結果をデータベース26に書き込むものである。集計結果判定部31は、データベース26から読み出した格納情報に基づいて集計結果を判定する処理を行い、判定結果を出力するものである。
【0075】
データベース26は、ホストコンピュータ25とデータの送受信を行う通信処理部31と、集計結果33と格納情報34を利用可能な状態で記憶した情報記憶部35とを含んで構成され、集計結果データベースや格納情報データベースとして機能する。
【0076】
情報記憶部35は磁気的、光学的記録媒体や半導体メモリ等のCPUで読み取り可能な記憶媒体であり、例えばRAM、ハードディスク(磁気ディスク)やフレキシブルディスク、CD−ROM等により実現される。
【0077】
ここで集計結果データベースには、各カード排出装置1から送られてきたカード識別情報の履歴の集計結果33が各カード排出装置1に関連づけて記憶されている。また、格納情報データベースには、各カード排出装置1に格納されるべきカードの種類と枚数を定めた格納情報34が各カード排出装置1に関連づけて記憶されている。
【0078】
図9はカード排出装置1から送られてくるカード識別情報の履歴36の一例について説明するための図である。
【0079】
カード識別情報の履歴36には、装置ID37、排出番号38、カードID39が含まれる。排出番号38はカード格納後にカードが排出された順番を表し、カードID39はカード識別情報に含まれカードの種類を特定する情報である。ここでは、装置ID37「1」をもつカード排出装置はカードID39「C]「F」「H」・・・といったカードの順番で計250枚排出したことを示している。
【0080】
図10は集計結果データベースに記憶されている情報の一例について説明するための図である。
【0081】
集計結果データベースには、各カード排出装置毎に装置ID40、カードID41,排出枚数42等の集計結果33が記憶されている。カードID41はカード識別情報に含まれカードの種類を特定する情報であり、排出枚数42はそれぞれのカードについて排出された枚数を表している。ここでは、装置ID40「1」をもつカード排出装置1からはカードID41「A」から「Z」までのカードがそれぞれ排出枚数42にある枚数だけ排出されたことを示している。
【0082】
ここで、カード識別情報集計部30は、装置ID37「1」をもつカード排出装置1から送られてきた図9のカード識別情報の履歴36を集計することで、図10の集計結果33の内、装置ID40「1」に係る部分の集計結果を得ることができる。
【0083】
図11は格納情報データベースに記憶されている情報の一例について説明するための図である。
【0084】
格納情報データベースには、各カード排出装置毎に装置ID43、カードID44,格納枚数45等の格納情報34が記憶されている。カードID44はカード識別情報に含まれカードの種類を特定する情報であり、格納枚数45はそれぞれのカードについて格納されるべき枚数を表している。ここでは、装置ID43「1」をもつカード排出装置には格納時にカードID44「A」から「Z」までのカードがそれぞれ格納枚数45にある枚数だけ格納されるべきことを示している。
【0085】
ここで、集計結果判定部31は、図11の格納情報34に基づいて図10の集計結果33を判定する処理を行うことで、各カード排出装置1に格納時に格納されるべきカードが実際にすべて格納され排出されたか否かの判定結果を出力することができる。例えば図11の格納情報34において装置ID43「1」のカードID44「A」の格納枚数45は「2」であるが、図10の集計結果33において装置ID40「1」のカードID41「A」の排出枚数42は「1」であるので、装置ID43「1」をもつカード排出装置1においてカードID44「A」のカードが1枚格納されていない旨の判定結果が出力される。同様に装置ID43「2」をもつカード排出装置1においてカードID44「B」のカードが2枚格納されていない旨の判定結果が出力される。
【0086】
図12は本実施形態のカード識別情報集計システム21のサーバ22の処理の一例について説明するためのフローチャート図である。
【0087】
まず、カード排出装置1からカード識別情報の履歴36を受信すると(S7)、カード識別情報集計部30がカード識別情報の履歴を集計する処理を行い(S8)、集計結果33をデータベース26に書き込む(S9)。集計結果判定部31は集計結果33と格納情報34をデータベース26から読み込み(S10)、格納情報34に基づいて集計結果33を判定する処理を行い(S11)、判定結果を出力する(S12)。
【0088】
このように、受信したカード識別情報の履歴を集計し、判定することで、遠隔地においてカードの排出状況を把握することができ、様々な種類のカードが公平に販売されているかチェックすることができる。
【0089】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 カード排出装置
9 カード排出部
13 カード識別情報検出部
15 処理部(カード排出装置)
16 記憶部
19 カード識別情報記憶部
20 通信処理部(カード排出装置)
21 カード識別情報集計システム
22 サーバ
25 ホストコンピュータ
26 データベース
27 処理部(ホストコンピュータ)
29 通信処理部(ホストコンピュータ)
30 カード識別情報集計部
31 集計結果判定部
32 通信処理部(データベース)
33 集計結果
34 格納情報
35 情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード排出装置であって、
カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、
排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、
検出された前記カード識別情報を記憶するカード識別情報記憶部と、
を含むことを特徴とするカード排出装置。
【請求項2】
カード排出装置であって、
カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、
排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、
前記カード識別情報検出部による検出結果を出力するカード識別情報出力部と、
を含むことを特徴とするカード排出装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記カード識別情報検出部は、
排出されたカードに接触せずに前記カード識別情報を検出することを特徴とするカード排出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記カード排出部には、異なる種類のカードがランダムな順番で格納されていることを特徴とするカード排出装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記カード排出部には、異なる種類のカードが予め決められた順番で格納されていることを特徴とするカード排出装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
ネットワークを介してデータの送受信を行う通信処理部とをさらに含み、
前記通信処理部は、
前記カード識別情報記憶部に記憶された前記カード識別情報をネットワークを介して接続されたサーバに送信することを特徴とするカード排出装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続されたカード排出装置とサーバとを含むカード識別情報集計システムであって、
前記カード排出装置は、
カード識別情報が付加されたカードを格納し、格納されたカードを排出するカード排出部と、
排出されたカードの前記カード識別情報を検出するカード識別情報検出部と、
検出された前記カード識別情報を記憶するカード識別情報記憶部と、
記憶された前記カード識別情報を前記サーバに送信する通信処理部とを含み、
前記サーバは、
前記カード排出装置から送られてくる前記カード識別情報を受信する通信処理部と、
受信した前記カード識別情報を集計する処理を行うカード識別情報集計部と、
を含むことを特徴とするカード識別情報集計システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記サーバは、
前記カード識別情報集計部による集計結果を所定の判定条件に基づいて判定する処理を行う集計結果判定部とをさらに含むことを特徴とするカード識別情報集計システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記集計結果判定部は、
前記所定の判定条件として、前記カード排出装置に格納されるべきカードの種類および枚数の少なくとも一方に関する情報を定めた格納情報に基づいて判定する処理を行うことを特徴とするカード識別情報集計システム。
【請求項10】
ネットワークを介して接続された物品排出装置とサーバとを含む物品情報集計システムであって、
前記物品排出装置は、
異なる種類の物品をランダムに格納し、格納された物品を排出する物品排出部と、
排出された物品に付加された物品識別情報を検出する物品識別情報検出部と、
検出された前記物品識別情報を記憶する物品識別情報記憶部と、
記憶された前記物品識別情報を前記サーバに送信する通信処理部とを含み、
前記サーバは、
前記物品排出装置から送られてくる前記物品識別情報を受信する通信処理部と、
受信した前記物品識別情報を集計する処理を行う物品識別情報集計部と、
を含むことを特徴とする物品情報集計システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−125622(P2012−125622A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−79330(P2012−79330)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【分割の表示】特願2006−38650(P2006−38650)の分割
【原出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】