説明

カード決済システム

要約書なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、プリペイドカードを使って商品を購入する際に好適なカード決済システムに関するもので、特に、セキュリティが高く、加盟店側の導入コストが殆ど不要なカード決済システムに関わる。
背景従来
ショッピングの際の決済方法として、クレジットカードによるカード決済方法が広く普及している。このようなクレジットカードによる決済方法によれば、顧客にとっては、現金を持ち歩くことなく商品が購入できるという利点がある。また、加盟店にとっては、現金を持ち合わせていない顧客にも商品の購入を勧めることができ、販売の促進を図ることができるという利点がある。
ところが、クレジットカードによる決済方法では、クレジットカードが盗用され、商品が不正購入されたり、カード口座を通じてキャッシングされたりする危険性がある。クレジットカードの不正使用が発生すると、クレジットカードの本来の持ち主の口座から多額の金額が引き出されることになる。
また、鉄道の運賃や公衆電話の料金電話の支払いには、プリペイドカードが用いられている。従来、プリペイドカードとしては、磁気カードが用いられていたが、磁気カードのプリペイドカードでは、偽造や変造が容易で、不正使用が後を絶たない。
そこで、近年、例えば特開平10−091823号公報に示されるように、鉄道の運賃や公衆電話の料金電話の支払いのためのプリペイドカードとしてIC(Integrated Circuit)カードが使われるようになっている。ICカードは偽造や変造が難しく、また、金額を後からチャージすることができる。また、例えば特開平10−188091号公報に示されるように、鉄道の運賃や公衆電話の料金電話の支払いのみならず、多数の加盟店で、ICカードを用いたプリペイドカードが使用できるようになっている。
ところが、ICカードを用いたプリペイドカードを使用可能にするためには、加盟店側にICカードが読み取り可能なPOS(Point Of Sales)システムを導入する必要がある。しかしながら、ICカードが読み取り可能なPOSシステムを導入するには多大なコストがかかる。このため、資本力の少ない小規模の商店では、導入が難しい。
また、プリペイドカードの使用方法としては、本人がカードを購入して使用するばかりでなく、子供や他人に譲渡したり、記念品や景品として配布したりするような使い方が想定される。また、外国人の旅行者がプリペイドカードを購入して、支払いに用いるような使い方が想定される。
ところが、ICカードを用いたプリペイドカードは、カード自体が高価であると共に、カード自体に個人情報が記憶されている。このため、ICカードによるプリペイドカードでは、他人に譲渡したり、記念品や景品として配布したりするような使い方をすることは難しい。
さらに、現状では、フォーマットの異なる多数のICカードが提案されている。フォーマットの異なる多数のICカードがあると、店や場所によってはカードが使えないことがあり、ユーザに不便を来す。
本発明は、上述の従来の課題を鑑み、他人に譲渡したり、記念品や景品として配布したりすることができると共に、セキュリティが高く、然も、加盟店側の導入コストが殆ど不要なカード決済システムを提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明に係るカード決済システムは、ユーザの携帯電話端末の発呼先の電話番号の下位N桁(Nは任意の整数)から支払金額を判断し、支払金額に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、下位N桁が連番となる電話番号を決済用の回線として保有し、ユーザの携帯電話端末から決済用の発呼があると、ユーザの携帯電話端末の電話番号とユーザの携帯電話端末の発呼先の電話番号を決済処理手段に送り、さらに、加盟店のアクセス番号が入力されると、アクセス番号を決済処理手段に送ると共に、アクセス番号の加盟店の端末機器に手続完了情報を送る電話交換手段とを備え、ユーザは識別番号が隠蔽されて印字されたカードを購入し、予めユーザの携帯電話端末により登録用の回線に発呼し、識別番号を入力し、ユーザの携帯電話端末の電話番号を決済処理手段に登録しておき、ユーザが加盟店で商品を購入する際には、ユーザが保有する携帯電話端末を使って電話番号の下位N桁を支払金額として決済用の回線に発呼し、さらに、加盟店のアクセス番号を入力し、決済処理手段により決済処理が行われると、電話交換手段からアクセス番号の加盟店の端末機器に手続完了情報が送られるようにしたことを特徴とする。
本発明において、好適には、電話交換手段はアクセス番号の加盟店に、音声メッセージで手続完了情報を送るようにしたことを特徴とする。また、好適には、電話交換手段はアクセス番号の加盟店に、電子メールで手続完了情報を送るようにしたことを特徴とする。また、好適には、電話交換手段はアクセス番号の加盟店にウェブページで売上情報を提供するようにしたことを特徴とする。
かかる本発明では、支払いのための発呼と、支払料金の入力とが一度に行え、操作性が向上されると共に、残高情報等を不正に書き換えることができず、セキュリティの高い決済システムが実現できる。さらに、カードの製造コストがかからない共に、カード自身には個人情報が記述されることがなく、カードを他人に譲渡することができ、また、使い捨てカードとして利用できる。
かかる本発明では、加盟店側では、端末機器として、特別な機器を用意する必要がなく、加盟店側の導入コストがかからないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施形態を示すブロック図であり、第2図A及び第2図Bは本発明が適用できるカードの構成を示す説明図であり、第3図は決済用の電話番号の説明図であり、第4図はアクセス番号の説明図であり、第5図A、第5図B及び第5図Cはカード管理データベースの説明図であり、第6図は支払管理データベースの説明図であり、第7図はカード登録処理の説明に用いるシーケンス図であり、第8図は支払処理の説明に用いるシーケンス図であり、第9図は支払処理の説明に用いるシーケンス図であり、第10図は本発明の第2実施形態を示すブロック図であり、第11図は手続完了情報をメールで送る場合の説明図であり、第12図は本発明の第3実施形態を示すブロック図であり、第13図は売り上げ情報を示すウェブページの説明図である。
【符号の説明】
1 決済サービスセンター
2 ユーザ
3 加盟店
11 電話交換機
12 決済処理サーバ
13 メッセージ処理部
14 カード管理データベース
15 売上管理データベース
21 プリペイドカード
22 携帯電話端末
23 スクラッチ情報印刷部
25 PIN番号
31 電話端末
32 商品
41 移動回線網
42 電話回線網
43 インターネット網
51 携帯電話端末
61 パーソナルコンピュータ
62 ウェブサーバ
63 ウェブページ
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
第1実施形態.
第1図は、本発明の第1実施形態を示すものである。第1図において、符号1はプリペイドカードを用いた決済サービスを行う決済サービスセンター、符号2はプリペイドカード21を使って商品32の購入を行うユーザ、符号3は商品32を販売する加盟店である。
本発明が適用された決済システムでは、スクラッチカードと呼ばれるカードがプリペイドカード21として使用される。すなわち、第2図に示すように、プリペイドカード21には、スクラッチ情報印刷部23が設けられる。このスクラッチ情報印刷部23には、PIN(Personal Identification Number)番号が印刷されている。PIN番号は、各カード毎にユニークな番号である。
プリペイドカード21が販売されるときには、第2図Aに示すように、このスクラッチ情報印刷部23には、銀系インク等によるスクラッチ印刷24(又はシール)が施されており、PIN番号25が隠蔽されている。スクラッチ情報印刷部23を覆っているスクラッチ印刷24の部分をコイン等で引っ掻いて剥がすと、第2図Bに示すように、スクラッチ情報印刷部23にPIN番号25が露呈される。
さらに、プリペイドカード21には、プリペイドカード21の使用方法や、決済サービスセンター1の登録用の電話番号、決済用の電話番号、加盟店3毎のアクセス番号等が印刷されている。
プリペイドカード21は、所定の金額、例えば、1000円、3000円、5000円等を支払って購入する。ユーザ2は、プリペイドカード21を購入すると、そのプリペイドカード21を購入した料金に相当する金額分、加盟店3から商品32を購入することができる。プリペイドカード21は、決済サービスセンター1により発行、管理されており、加盟店3から購入できる。また、キオスクやコンビニエンスストア或いは自動販売機で、プリペイドカード21を販売することが想定される。
第1図において、ユーザ2は携帯電話端末22を保有しており、ユーザ2の携帯電話端末22は、移動回線網41、電話回線網42aを介して、決済サービスセンター1の電話交換機11と接続可能とされている。プリペイドカード21を使って加盟店3で商品32を購入する際には、予め、登録処理を行い、各ユーザ2が使用する携帯電話端末22の電話番号を決済サービスセンター1のカード管理データベース14に登録しておく必要がある。
ユーザ2は、各ユーザ2が使用する携帯電話端末22の電話番号の登録処理を行った後、プリペイドカード21を購入した料金に相当する金額分、加盟店3から商品32を購入することができる。
加盟店3で商品32を購入する際には、ユーザ2は、携帯電話端末22を使って、決済サービスセンター1を発呼する。このとき、電話番号の例えば下4桁は、支払金額とする。それから、決済サービスセンター1から送られてくる音声メッセージに従って、加盟店3毎のアクセス番号を入力する。このような一連の手続きにより、支払い処理が行われる。支払い処理が完了すると、決済サービスセンター1から加盟店3の電話端末31に、支払完了の音声メッセージが送られる。加盟店3では、支払完了の音声メッセージを受け取ることにより、料金の支払いがあったことが確認できる。そして、このような音声メッセージにより料金の支払いがあったことを確認した後に、加盟店3はユーザ2に商品32を引き渡すことができる。
つまり、第3図に示すように、決済サービスセンター1は、(×××−××××−0000)から(×××−××××−9999)までの、下4桁が連番の電話番号を決済用の回線として保有している。ユーザ2は、1000円の商品を購入する場合には、(×××−××××−1000)の決済用の電話番号に発呼する。50円の商品を購入する場合には、(×××−××××−0050)の電話番号に発呼する。このように、ユーザ2が携帯電話端末22を使って決済サービスセンター1を発呼する際に、その電話番号の例えば下4桁は、支払金額を提示するのに用いられる。
なお、ここでは、電話番号の例えば下4桁を支払金額を提示するのに用いているが、これに限られるものではない。
また、各加盟店3には、第4図に示すように、加盟店3毎のアクセス番号が割り当てられている。ユーザ2は、決済用の電話回線に接続されたら、加盟店3毎のアクセス番号を入力する。例えば、ABCデパートで商品を購入する場合には、ABCデパートのアクセス番号(×××−1111)を入力する。
加盟店3毎のアクセス番号としては、加盟店3の電話端末31の電話番号とすることができる。また、決済サービスセンター1で、各加盟店3にアクセス番号を割り当てることもできる。また、加盟店3と決済サービスセンター1との電話回線網42bは、公衆電話回線網を使用してもよいし、専用の電話回線網を使用してもよい。
第1図において、決済サービスセンター1は、電話交換機11と決済処理サーバ12とを有している。電話交換機11には、自動応答ボイス機能を有するメッセージ処理部13が設けられる。
決済処理サーバ12には、カード管理データベース14と、売上管理データベース15とが設けられる。カード管理データベース14には、第5図に示すように、各プリペイドカード21のPIN番号と、携帯電話番号と、残金の情報が含まれる。また、売上管理データベース15には、第6図に示すように、各加盟店3毎のアクセス番号と、売上金額の情報が含まれる。
前述したように、加盟店3で商品32を購入する際、ユーザ2は、携帯電話端末22を使って、決済サービスセンター1を発呼し、このとき、電話番号の例えば下4桁を支払金額を提示するのに用いている。ユーザ2が携帯電話端末22を使って決済サービスセンター1を発呼すると、決済サービスセンター1の電話交換機11からCLI(Calling Line Identification:発信回線識別子)が出力され、このCLIから発呼した携帯電話端末22の電話番号及び発呼先の電話番号が分かる。発呼先の電話番号の下4桁から、支払金額が分かる。決済サービスセンター1の電話交換機11から決済処理サーバ12にCLIが送られ、決済処理サーバ12で、発呼先の電話番号の下4桁から得られる支払金額を用いて、支払処理が行われる。
このような支払処理が行われると、決済サービスセンター1から加盟店3に、支払完了の音声メッセージが送られる。加盟店3には、決済サービスセンター1から送られてくる支払完了情報を受け取るための端末機器、この例では電話端末31が備えられている。加盟店の電話端末31は、電話回線網42bを介して、決済処理サーバ12と接続可能とされている。
加盟店3側の端末機器として電話端末31を用いた場合には、上述のようにして支払処理が完了すると、決済サービスセンター1の電話交換機11から加盟店3の電話端末31が発呼され、例えば支払いがあったことを知らせる音声メッセージが支払完了情報として加盟店3の電話端末31に送られる。加盟店3では、このような音声メッセージによる支払完了情報を受け取ることにより、料金の支払いがあったことが確認できる。そして、このような音声メッセージにより料金の支払いがあったことを確認した後に、加盟店3はユーザ2に商品32を引き渡すことができる。
決済処理サーバ12には、前述したように、カード管理データベース14と、売上管理データベース15とが設けられる。カード管理データベース14の残金の情報は、そのユーザ2が支払いを行う毎に減額されていく。各ユーザ2は、その残金の情報が「0」になるまで、そのプリペイドカード21を使用できる。また、売上管理データベース15の各加盟店の売上金額は、支払いが行われる毎に増額されていく。所定の決算日に、売上管理データベース15の売上金額の情報に基づいて、決済サービスセンター1から各加盟店3に売上金額が送金される。
なお、このとき、例えば、売上管理データベース15の売上金額で示される金額の90パーセントを各加盟店3に売上金額として支払うようにすると、決済サービスセンター1では、10パーセントの利益が得られる。
次に、本実施形態での各部の処理について説明する。上述のように、本実施形態においては、ユーザ2は、プリペイドカード21を購入したら、各ユーザの携帯電話端末22を使って決済サービスセンター1に発呼し、登録処理を行う。この登録処理について説明する。
第7図は、登録処理の一例を示すものである。第7図に示すように、ユーザ2は、各自の携帯電話端末22を使って、決済サービスセンター1の登録用の電話番号に発呼する(処理PRC1)。決済サービスセンター1の電話交換機11は、携帯電話端末22からの発呼を受け付けると、発呼している携帯電話端末22の電話番号を決済処理サーバ12に送る(処理PRC2)。携帯電話端末22の電話番号は、例えば、電話交換機11から決済処理サーバ12に送られるCLIから判断できる。
決済処理サーバ12は、電話番号を受け取ったら、PIN番号要求を電話交換機11に送る(処理PRC3)。電話交換機11は、PIN番号要求を受け取ると、PIN番号入力要求の音声メッセージをユーザ2の携帯電話端末22に送信する(処理PRC4)。PIN番号入力要求の音声メッセージは、例えば「あなたのプリペイドカードのPIN番号を入力して下さい」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。
ユーザ2は、購入したプリペイドカード21のスクラッチ情報印刷部23を覆っている銀等のスクラッチ印刷をコイン等で引っ掻いて剥がし、PIN番号25を確認する(第2図参照)。そして、PIN番号入力要求の音声メッセージを聞いたら、購入したプリペイドカード21のPIN番号を携帯電話端末22に入力し、決済サービスセンター1に送る(処理PRC5)。
決済サービスセンター1の電話交換機11は、ユーザ2の携帯電話端末22からのPIN番号を受信したら、このPIN番号を決済処理サーバ12に送る(処理PRC6)。決済処理サーバ12は、PIN番号を受け取ったら、登録確認要求を電話交換機11に送る(処理PRC7)。電話交換機11は、決済処理サーバ12から登録確認要求を受け取ると、登録確認の音声メッセージをユーザ2の携帯電話端末22に送信する(処理PRC8)。登録確認の音声メッセージは、例えば「あなたのプリペイドカードを登録していいですか」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。
ユーザ2は、登録確認の音声メッセージを聞いたら、携帯電話端末22の確認ボタン(例えば♯のボタン)を入力し、決済サービスセンター1に送る(処理PRC9)。決済サービスセンター1の電話交換機11は、携帯電話端末22からの確認ボタンの信号を受け取ると、決済処理サーバ12に確認結果を送る(処理PRC10)。そして、決済処理サーバ12は、ユーザの携帯電話端末22から送られてきたPIN番号と、その携帯電話端末22の電話番号を用いて、カード管理データベース14への登録処理を行う(処理PRC11)。
前述したように、決済処理サーバ12には、決済処理サーバ12が発行した各プリペイドカード21の情報を管理するカード管理データベース14が設けられている。このカード管理データベース14は、第5図Aに示すように、PIN番号と、電話番号と、残高の項目からなる。
登録処理が行われる前には、第5図Aに示すように、PIN番号と、残高の項目とがカード管理データベース14に記述されており、電話番号の項目は空欄になっている。
登録処理が行われると、登録処理で使われている携帯電話端末22の電話番号と、入力されたPIN番号とが対応づけられ、第5図Bに示すように、電話番号の項目に、ユーザの携帯電話端末22の電話番号が記述される。それから、第5図Cに示すように、PIN番号の項目が削除される。このように、PIN番号の項目を削除すると、同一のカードが再度登録されることがなくなり、セキュリティの向上が図れる。
第7図において、決済処理サーバ12は、カード管理データベース14への登録処理を完了すると、登録完了信号を電話交換機11に送る(処理PRC12)。電話交換機11は、決済処理ザーバ12から登録完了信号を受け取ると、登録完了の音声メッセージをユーザ2の携帯電話端末22に送信する(処理PRC13)。登録完了の音声メッセージは、例えば「プリペイドカードを登録が完了しました」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。そして、これら一連の登録処理が完了したら、電話が切断される(処理PRC14)。
第8図及び第9図は、商品の購入処理の一例を示すものである。第8図及び第9図に示すように、ユーザ2は、各自の携帯電話端末22を使い、電話番号の例えば下4桁を支払料金を提示する番号として、決済サービスセンター1の決済用の電話番号に発呼する(処理PRC101)。決済サービスセンター1の電話交換機11は、携帯電話端末22からの発呼を受け付けると、携帯電話端末22の電話番号と、その携帯電話端末22が呼び出している発呼先の電話番号を決済処理サーバ12に送る(処理PRC102)。これらの情報は、例えば、電話交換機11から決済処理サーバ12に送られるCLIから判断できる。
決済処理サーバ12は、発呼先の電話番号の下4桁を判断し、支払料金の情報を取得する(処理PRC103)。そして、決済処理サーバ12は、カード管理データベース14を参照して、携帯電話端末22の電話番号に対応するカードが登録されているか、また、そのカードの残高が十分であるかどうかを判断する(処理PRC104)。
ここで、残高が不足している場合、或いは携帯電話端末22の電話番号が未登録の場合には、第9図に示すように、決済サービスセンター1の決済処理サーバ12は電話交換機11に支払不能指示を送る(処理PRC121)。決済処理サーバ12は、支払不能指示を受け取ると、支払不能の音声メッセージをユーザ2の携帯電話端末22に送信する(処理PRC122)。支払不能の音声メッセージは、例えば「このカードは、利用することができません」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。そして、携帯電話端末22と電話交換機11との間の回線が切断される(処理PRC123)。
処理PRC104で、携帯電話端末22の電話番号が登録されており、残高が十分ある場合には、第8図に示すように、決済サービスセンター1の決済処理サーバ12は、電話交換機11に、支払先入力要求を送る(処理PRC105)。電話交換機11は、決済処理サーバ12から支払先入力要求を受け取ると、アクセス番号入力要求の音声メッセージをユーザ2の携帯電話端末22に送信する(処理PRC106)。アクセス番号入力要求の音声メッセージは、例えば「支払先の店のアクセス番号を入力して下さい」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。
ユーザ2は、アクセス番号入力要求の音声メッセージを聞いたら、携帯電話端末22によりアクセス番号を入力し、決済サービスセンター1に送る(処理PRC107)。
ユーザ2の携帯電話端末22からアクセス番号が送られてきたら、決済サービスセンター1の電話交換機11は、このアクセス番号を決済処理サーバ12に送る(処理PRC108)。そして、決済処理サーバ12は、決済処理を行う(処理PRC109)。すなわち、決済処理サーバ12は、電話番号の下4桁に相当する金額をカード管理データベース14のそのカードの残高から差し引き、売上管理データベース15のその加盟店の売上金額に、その料金に相当する金額を加算する。
決済処理が行われると、決済処理サーバ12から電話交換機11に、支払完了要求が送られる(処理PRC110)。決済サービスセンター1の電話交換機11は、携帯電話端末22から入力されたアクセス番号に従って、加盟店3の電話端末31に回線をつなぎ、支払完了の音声メッセージを送信する(処理PRC111)。支払完了の音声メッセージは、例えば「ただ今、支払いがありました」というような音声メッセージである。このような音声メッセージは、メッセージ処理部13を使って生成される。
加盟店3では、このような支払完了のメッセージを聞くことにより、支払いが完了したことを確認することができ、これにより、ユーザ2に商品32を引き渡すことができる。これら一連の支払い処理が完了したら、携帯電話端末22と電話交換機11との間の回線が切断され(処理PRC112)、加盟店の電話端末31と電話交換機11との間の回線が切断される(処理PRC113)。
なお、この実施形態では、加盟店3側の端末機器として電話端末31を用いているが、この電話端末31は、有線の電話端末であっても、無線の携帯電話端末でもよい。
第2実施形態.
上述の第1実施形態では、加盟店3側の端末機器として電話端末31を用いており、決済サービスセンター1から電話端末31に、支払完了の音声メッセージを送るようにしている。電話端末31は非常に普及しており、加盟店3側の端末機器として電話端末31を用いることができれば、交通や通信に不便な地方の店や、資本の少ない小さな店でも加盟店になり得るという利点がある。
しかしながら、このような構成では、プリペイドカード21による支払いがある度に、決済サービスセンター1から加盟店3側の電話端末31に電話がかかり、加盟店3側は、支払いの音声メッセージを聞かなければならい。
第10図は、本発明の第2実施形態を示すものである。この実施形態では、加盟店3側の端末機器として、メール機能を有する携帯電話端末51が用いられている。携帯電話端末51は、移動回線網41bを介して、インターネット網43に接続可能である。売上管理データベース15には、各加盟店3のメールアドレスが記録されている。他の構成については、前述の第1実施形態と同様である。
この実施形態では、ユーザ2は、加盟店3で商品32を購入する際に、携帯電話端末22を使って、電話番号の下4桁を支払金額として決済サービスセンター1を発呼し、そして、音声メッセージに従って、加盟店3毎のアクセス番号を入力して支払処理を行うと、決済サービスセンター1から加盟店3の携帯電話端末51に、インターネット網43、移動回線網41bを介して、支払完了情報が第11図に示すような電子メールで送られる。加盟店3側では、この電子メールにより、支払いが行われたことを確認できる。
なお、この例では、メール機能付きの携帯電話端末51により支払い完了情報をメールで受け取るようにしているが、インターネットに接続可能なPDA(Personal Digital Assistant)やパーソナルコンピュータで支払い完了情報をメールで受け取るようにしてもよい。
第3実施形態.
第12図は、本発明の第3実施形態を示すものである。この実施形態では、加盟店3側の端末機器として、インターネットに接続可能なパーソナルコンピュータ61が用いられている。また、決済サービスセンター1には、ウェブサーバ62が設けられている。このウェブサーバ62には、第13図に示すように、各加盟店毎のウェブページ63が用意されている。各加盟店毎のウェブページ63には、売上管理データベース15の情報に基づいて、各加盟店毎の売上情報が記述される。
この実施形態では、ユーザ2は、加盟店3で商品32を購入する際に、携帯電話端末22を使って、電話番号の下4桁を支払金額として決済サービスセンター1を発呼し、そして、音声メッセージに従って、加盟店3毎のアクセス番号を入力して支払処理を行うと、決済サービスセンター1から加盟店3のパーソナルコンピュータ61に、電子メールで支払完了情報が送られる。また、支払い処理が完了すると、売上管理データベース15の情報に基づいて、各加盟店の売り上げ情報を示すウェブページ63が更新される。この各加盟店3毎のウェブページ63を参照することで、各加盟店3では、売上を確認することができる。
なお、この例では、各加盟店毎のウェブページの情報を見るのにパーソナルコンピュータ61を用いているが、PDAやウェブページを閲覧できる携帯電話端末を用いるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明が適用された決済システムでは、電話番号の例えば下4桁を支払金額としている。このため、ユーザ2は、決済サービスセンター1への発呼と、支払料金の入力とが一度に行え、操作性が向上される。
また、電話回線網42a、42bや移動回線網41は厳しく管理されている回線であり、発呼する携帯電話端末22の電話番号や、発呼先の電話番号を不正に操作することは困難である。また、プリペイドカード21はスクラッチカードであり、PIN番号以外、重要な情報は含まれておらず、PIN番号についても、登録した後には、カード管理データベース14から削除されている。したがって、セキュリティの高い決済システムが実現できる。
また、加盟店3側では、端末機器として通常の電話端末31や、携帯電話端末51、パーソナルコンピュータ61だけを用意すればよく、加盟店3側に特別な機器が不要であり、導入コストが殆どかからないという利点がある。
さらに、本発明が適用された決済処理システムでは、プリペイドカード21としてスクラッチカードが使用される。スクラッチカードのプリペイドカードは、カードの製造コストが殆どかからないと共に、カード自身には個人情報が記述されることがない。このため、カードを他人に譲渡して使用することができ、また、使い捨てカードとすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。また、上述の各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
以上のように、この発明は、所定の金額を支払ってカードを購入し、その金額の範囲内で加盟店から商品を購入するようなプリペイドカードの決済システムに適している。
【図1】


【図3】

【図4】


【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの携帯電話端末の発呼先の電話番号の下位N桁(Nは任意の整数)から支払金額を判断し、前記支払金額に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、
下位N桁が連番となる電話番号を決済用の回線として保有し、ユーザの携帯電話端末から決済用の発呼があると、ユーザの携帯電話端末の電話番号と前記ユーザの携帯電話端末の発呼先の電話番号を前記決済処理手段に送り、さらに、加盟店のアクセス番号が入力されると、前記アクセス番号を前記決済処理手段に送ると共に、前記アクセス番号の加盟店の端末機器に手続完了情報を送る電話交換手段とを備え、
ユーザは識別番号が隠蔽されて印字されたカードを購入し、予めユーザの携帯電話端末により登録用の回線に発呼し、前記カードの識別番号を入力し、前記ユーザの携帯電話端末の電話番号を前記決済処理手段に登録しておき、
ユーザが加盟店で商品を購入する際には、前記ユーザが保有する携帯電話端末を使って電話番号の下位N桁を支払金額として決済用の回線に発呼し、さらに、加盟店のアクセス番号を入力し、
前記決済処理手段により決済処理が行われると、前記電話交換手段からアクセス番号の加盟店の端末機器に手続完了情報が送られる
ようにしたことを特徴とするカード決済システム。
【請求項2】
前記電話交換手段は前記アクセス番号の加盟店に、音声メッセージで手続完了情報を送るようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のカード決済システム。
【請求項3】
前記電話交換手段は前記アクセス番号の加盟店に、電子メールで手続完了情報を送るようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のカード決済システム。
【請求項4】
前記電話交換手段は前記アクセス番号の加盟店にウェブページで売上情報を提供するようにしたことを特徴とする請求の範囲第1項記載のカード決済システム。

【国際公開番号】WO2005/073885
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517354(P2005−517354)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000831
【国際出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(398050342)株式会社アルファーネットワーク (1)
【Fターム(参考)】