説明

カード類の真贋判定装置

【課題】 近年では年齢識別に有効な書類は運転免許証にとどまらず各種存在し使用されている。例えば、国民健康保険被保険者証、住民基本台帳カード等の利用に用途が拡大傾向にあるという点である。
【解決手段】 チェックする対象カードは運転免許証、健康保険証、住民基本台帳カードの記載内容を網羅した内容を持つ印刷文字あるいは、2次元コード、接触式カードあるいは非接触式カード形式で構成されたものとし、その3種類の本人識別情報が一致することをチェックする機能を有することとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカード類、主として運転免許証、健康保険証、住民基本台帳カード及びそれらをまとめて一つとした総合カードの真贋判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機によって本来は未成年者に対応する販売が規制されているアルコール類飲料、タバコをはじめ成年向けの録画済ビデオテープ、DVD、雑誌等が自由に購入できる状態となっている。
【0003】
かかる商品を取扱う自動販売機には現在生年月日を確認し、購入可能状態にセットアップをするため、自動車運転免許証を年齢の証明証として挿入させ、年齢を算出確認する運転免許証の識別装置が設置されるようになってきている。
【0004】
最近では自動車を運転しない人々、例えば高齢者、病気、事故等で運転免許証を所持しない人、生まれつき身体障害があり自動車運転免許証を交付されない人が増加傾向にあり、購入可能年齢に達しても、自動販売機あるいは販売店で購入できないという悩みが生じている。
【特許文献1】特開2001−266206号公報
【特許文献2】特願2008−108944号出願書類
【特許文献3】特願2008−135057号出願書類
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点はコピー機やプリンタを使用した偽造免許証に対しても対応が十分とはいえず、特に真正の運転免許証の生年月日の欄にコピー機による数字を小さく切って貼り付けしたタイプの偽造免許証を識別できる装置が存在していなかったため、特許文献1に示すようなものが発明考案されている。
【0006】
しかし、近年では年齢識別に有効な書類は運転免許証にとどまらず各種存在し使用されている。例えば、国民健康保険被保険者証、住民基本台帳カード等の利用に用途が拡大傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題点を解決するために、本発明に係るカード類の真贋判定装置はケーシングの前面に設けられ、両縁に挿入ガイドを備え、先端に切り欠きを形成したカード挿入口を発光ユニットと受光ユニットで挟持し、発光ユニットの発光素子からの光が透過し、受光ユニットでの受光を可能とする透光部を前記カード挿入口に形成してあることを特徴とし、前記した発光ユニットの発光素子から受光ユニットへの光は挿入されるカード面と直交する配置とされ、かつ、発光ユニットと受光ユニットとの間隔はカードを摘み出す少なくとも二本の指先が入るのに十分なサイズとされていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係るカード類の真贋判定装置は前記した発光ユニットは高周波交流点灯され、受光ユニットは受光した光に含まれる交流光の有無、あるいは発光ユニットと位相同期し安定受光された光に含まれる交流信号の存在によって挿入されたカード類における透孔の有無を検出可能とし、周囲からの太陽光や電灯の不要な光を除外することを特徴とし、前記した発光ユニットは基板に所定ピッチで並設された複数個のLEDと光拡散用の透明板とより構成され、受光ユニットは発光ユニットと同一サイズとし、透明で長尺の集光部材とその集光部材の端部に設けた受光素子とより構成され、前記した発光ユニットと受光ユニットはインターフェースや表示部と接続される制御ユニットと接続されていることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係るカード類の真贋判定装置は前記したカードは運転免許証、健康保険証、住民基本台帳カードの記載内容を網羅した内容を持つ印刷文字あるいは、2次元コード、接触式カードあるいは非接触式カード形式で構成されたものとし、その3種類の本人識別情報が一致することをチェックする機能を有することを特徴とし、前記したカードは健康保険証と運転免許証をまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴とし、前記したカードは健康保険証と住民基本台帳カードをまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴とし、前記したカードは運転免許証と住民基本台帳カードをまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るカード類の真贋判定装置は上記のように構成されている。そのため、従来の判定装置の機能に加え、発光ユニットと受光ユニットとの組み合わせによって無効を示すパンチ穴の存在をカード全面に亘ってチェックし、加えて、健康保険証や住民基本台帳カードの公の身分証明となるカードで個人情報、特に年齢を確認する事ができるので、無効となったカードを使用することに加え詐害行為の一切を排除する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施例で説明したように構成することで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の一例を説明する。
【0013】
この装置は、ケーシングの前面に運転免許証をはじめとするカードの挿入口が形成されている。この挿入口の両サイドには免許証のサイズに合わせた側縁ガイド壁が形成され、前端には返却時に運転免許証を摘み出し易くする切り欠きが形成されている。また、側縁ガイド壁の間隔は対象となるカードに合せ、アジャストすることができるようにする事が望ましい。
【0014】
挿入口に続いては、運転免許証の挿入を検知し、メカニズムを起動させる光学系のセンサーが有り、このセンサーの検知で駆動するローディングのためのローラがあり、そのローラに続く搬路には可視光センサー及び赤外線センサー、それに続いて透過型の可視光センサーが備えられている。
【0015】
さらには、紫外線センサーとサイズセンサー及び運転免許証が奥端まで到達し、計測を終了したことを検出するエンドセンサーと、生年月日を読み取る密着型のラインセンサーがあり、このラインセンサーにはCPUから信号を受け、貼り付けて検知するLEDも設けられている。
【0016】
また、前記した挿入口の一部には後述する発光ユニットからの光を透過させるための透光部が透孔状態もしくは透明なプラスチック板を嵌め付けて構成されている。
【0017】
一方、挿入口の上方へ固定設置される発光ユニットと、その発光ユニットからの光を受ける受光ユニットは少なくとも二本の指でその間に存在する運転免許証を摘み出す事ができるように10mm程度の間隔を有し、挿入口を挟持するように、かつ、発光ユニットから受光ユニットへ送られる光が挿入される運転免許証の面と直交するように設置される。
【0018】
この発光ユニットは基板に対し、所定のピッチで横方向に並設された複数個のLEDと、運転免許証の幅の全域に光が照射されるように図った透明プラスチック製の光拡散板とを有し、全体としての高さ寸法は10mm程度奥行は16mm、幅は運転免許証と合わせて55mmを想定している。
【0019】
また、受光ユニットはLED、強いては光拡散板からの光を受ける長尺で運転免許証の幅に対応する集光部材と、その集光部材の端部に設けられた一つの受光素子とより構成され、この受光ユニットも発光ユニットと同様に寸法を想定している。
【0020】
発光ユニットではLEDが高周波交流点灯されるもので、受光ユニットでは受光した光に含まれる交流光の有無、あるいは発光ユニットと位相同期し安定に受光された光に含まれる交流信号の存在によって運転免許証のパンチ穴の検出を行なうこととしているので、太陽光や電灯光等の周囲から侵入する不要な光とは明確に区別され、誤動作を生じることはない。
【0021】
そして、発光ユニットと受光ユニットとによって無効を示すパンチ穴の有無の検出作業を外部に出力する制御ユニットは具体的には表示部にパンチ穴を検出した場合、無効の旨の表示を行ない、他の要素の検出は停止して運転免許証を直ちに返却することとなる。
【0022】
運転免許証を挿入口から挿入すると、ローラが駆動してローディングされ、奥端まで到達するとエンドセンサーがそれを検知し、運転免許証の端部を16mm突出させた状態とし、この状態からさらに内部侵入しないようにストッパが作用する。
【0023】
ここで、何らかの故障が生じても16mmは確保されているので、指で摘んで取り出す行為には何ら支障が生じることはない。
【0024】
このパンチ穴の有無のチェックをクリアした運転免許証は可視光センサー、赤外線センサーで写真と対応して波長による反射率の相違を利用して真贋を判定し、紫外線センサーはコピー等の紙質の相違を反射率でチェックする。また、ラインセンサーによって生年月日欄における貼り付けもチェックする。
【0025】
こうして、全てをクリアした場合には表示部に「受付可」「購入可」外部機器に対しては「販売可」「入場可」等の表示をする。基準以下であれば「不可」となる。各光学系センサーで受光された受光ユニット以外のアナログ値はマルチプレクサを経由し、多重化されてA/Dコンバータで変換されCPUに取り込まれ、真贋の判定をすることとなる。また、ラインセンサーでのアナログ値は高速A/Dコンバータで変換されてCPUに取り込まれ、数値を認識させて基準年齢に達しているか否かの算定がなされる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係るカード類の真贋判定装置は上記のように構成されている。実施例では対象を運転免許証としたが、これにこだわるものではなく、他の目的のカード類例えば、健康保険証、住民基本台帳カードにも応用実施できることは勿論であり、またカード挿入部の配置によっては発光ユニットと受光ユニットを上下位置ではなく左右位置や前後位置にすることも可能でそのカード挿入部が斜め方向に形成されればそれと対応して挟持する形態とすることも勿論可能である。なお、本実施例は既存の装置に発光ユニットと受光ユニットを後付けすることも可能としたものであるが、ケーシングの前面を延設して、予め発光ユニット、受光ユニットをケーシング内に内包してしまう形態とすることもできる。
【0027】
また、カードに半導体回路を使用した場合、通常は内部情報の書き換え等の手段で有効無効を設定しているが、外観として一見してそれを判定することは困難で、パンチ穴の穿設は無効表示として極めて有効で機械による検知のほか、視力の不自由な場合でも触手で判定できるので、内部情報の書き換えよりも無効を示す手段として望ましく、そのパンチ穴に対応する判定装置は非常に有効となる。
【0028】
また、2次元コードとしては田形コードや2次元バーコードが想定され、装置の識別コードや番号を表示すると、これらを秘匿することやデザイン的にスマートに表現する事ができ、接触式カードとしてはICカードや磁気カードが想定され、非接触式カードとしては無線式(RFID)や磁界を利用したものが想定されている。
【0029】
健康保険証や運転免許証類似の印刷物の検査、住民基本台帳カードは印刷物の発光特徴による真贋検査とICカード及びRFIDカード機能の有無及びそれぞれの内蔵する情報の検査、2次元コードの併用、例えば通常のカードに記載された文字類のそばに2次元コード例えばベリコードやQRコード(商標名)を併記することにより、偽物の製造を困難にするとともにコード内に真贋判定可能な文字列を埋め込むことである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの前面に設けられ、両縁に挿入ガイドを備え、先端に切り欠きを形成したカード挿入口を発光ユニットと受光ユニットで挟持し、発光ユニットの発光素子からの光が透過し、受光ユニットでの受光を可能とする透光部を前記カード挿入口に形成してあることを特徴とするカード類の真贋判定装置。
【請求項2】
前記した発光ユニットの発光素子から受光ユニットへの光は挿入されるカード面と直交する配置とされ、かつ、発光ユニットと受光ユニットとの間隔はカードを摘み出す少なくとも二本の指先が入るのに十分なサイズとされていることを特徴とする請求項1に記載のカード類の真贋判定装置。
【請求項3】
前記した発光ユニットは高周波交流点灯され、受光ユニットは受光した光に含まれる交流光の有無、あるいは発光ユニットと位相同期し安定受光された光に含まれる交流信号の存在によって挿入されたカード類における透孔の有無を検出可能とし、周囲からの太陽光や電灯の不要な光を除外することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード類の真贋判定装置。
【請求項4】
前記した発光ユニットは基板に所定ピッチで並設された複数個のLEDと光拡散用の透明板とより構成され、受光ユニットは発光ユニットと同一サイズとし、透明で長尺の集光部材とその集光部材の端部に設けた受光素子とより構成され、前記した発光ユニットと受光ユニットはインターフェースや表示部と接続される制御ユニットと接続されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のカード類の真贋判定装置。
【請求項5】
前記したカードは運転免許証、健康保険証、住民基本台帳カードの記載内容を網羅した内容を持つ印刷文字あるいは、2次元コード、接触式カードあるいは非接触式カード形式で構成されたものとし、その3種類の本人識別情報が一致することをチェックする機能を有することを特徴とするカード類の真贋判定装置。
【請求項6】
前記したカードは健康保険証と運転免許証をまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴とする請求項5に記載のカード類の真贋判定装置。
【請求項7】
前記したカードは健康保険証と住民基本台帳カードをまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴とする請求項5に記載のカード類の真贋判定装置。
【請求項8】
前記したカードは運転免許証と住民基本台帳カードをまとめて一つにした総合カードとしたことを特徴とする請求項5に記載のカード類の真贋判定装置。

【公開番号】特開2009−294722(P2009−294722A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144996(P2008−144996)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(504284401)有限会社ノア (24)
【Fターム(参考)】