説明

カーバイドニトリドシリケート発光物質

本発明は、ドープしたホスト格子からなり、高エネルギーの励起光線による励起の際にこの励起光線の少なくとも一部を吸収し、結果として、より低いエネルギーの発光を放出する発光物質に関する。本発明によれば、前記ホスト格子はカーバイドニトリドシリケート化合物である。更に本発明は、白色光を発生させるための、発光素子及び前記発光物質を含む発光媒体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギーの励起光線を効率よく吸収し、かつ高い効率でより低いエネルギーの発光に変換することができる、無機発光材料に関するものである。励起光線としては特に紫外光又は青色光が適しており、前記発光変換の結果として、可視スペクトルの緑色、黄色、橙色及び/又は赤色領域において発光を生じる。
【背景技術】
【0002】
無機の発光物質を、目に見えない放射線像の可視化のため(例えば、レントゲン診断法又はディスプレイ技術において)、並びに一般照明のために(例えば、蛍光ランプ又は白色LED製造において)、好適に使用できることは昔から公知である。通常、前記のような発光物質は、特殊な元素をドープしたホスト格子を有する。その際に、工業的用途で前記のような発光物質のホスト格子として使用されたのは、従来は硫化物、ハロゲン化物及び酸化物であることが多く、特に頻繁に用いられたのは酸素を含む酸の錯塩(ボレート、アルミネート、シリケート、フォスフェート、モリブデート、タングステート等)であった。
【0003】
近年になってようやく、高性能な発光物質を合成するためのホスト格子として、ニトリド(例えば、HintzenらのEP1104799A1及びEP1238041B1の明細書に記載の、赤色発光するM2Si58:Eu2+タイプのような化合物、但し、M=Ca、Sr、Ba)、及びオキシニトリド(一例として、DelsingらのWO2004/030109A1による、青色、緑色及び黄色に発光するユウロピウム又はセリウムをドープしたMSi222化合物を挙げる。但し、M=Ca、Sr、Ba)の材料開発に成功した。それ以来、特に前記のような発光物質が白色LED製造のための変換発光体として好適であることと関連して、発光物質に対する関心は一層高まっている。この主な原因は、この類の材料において、化学結合における高い共有原子価のため、且つ、基本格子の疑う余地なく著しい剛性のために、極めて高い化学的安定性及び熱的安定性が期待されるからである。硫黄を含有し酸素が支配的である変換発光体の大多数における短所は、なかでも100℃を上回る温度における発光効率が、多くの場合急激に低下してしまう点である。しかしながら、消費電力のより高い、更に発展した白色LEDの製造のためには、熱負荷耐性が明らかに改善された変換発光体を必要とする。
【0004】
他方で、これに関連して指摘すべきは、青色発光LEDとの組み合わせにより白色発光させる目的で現在工業的に用いられている全ての無機の変換発光体(イットリウムアルミネート、チオガレート、アルカリ土類サルファイド、アルカリ土類シリケート、ニトリド、オキシニトリド)は、例外なくEu2+又はCe3+により活性化される系であり、極めてブロードな発光をするという点である。このような発光物質は、外部結晶場の影響を受け易い5d−4f電子遷移を特徴とするために、当然ながら、場合によって存在する非発光中心の影響も受け易い。従って、発光物質を蛍光ランプに用いる場合に比べて、状況は根本的に異なる。この蛍光ランプの場合には、緑色及び赤色成分として輝線発光する発光物質を専ら使用するが、前記発光物質において観察される発光現象は、外部結晶場の作用から充分に遮蔽されている4f電子間の遷移(4f−4f遷移)に起因するものである。
【0005】
共有結合性が高いことは、また、ごく最近になってようやく見出された別の化合物のカテゴリーにおいても特徴的である。この化合物は、希土類及び/又はアルカリ土類金属を有するカーバイドニトリドシリケートである。この材料のカテゴリーにおいて最初となる化合物(例えば、Ho2Si46C、Tb2Si46C化合物(Hoeppeら、J.Mater.Chem 11(2001)3300を参照のこと)及び(La、Y、Ca)2(Si、Al)4(N、C)7(LindelらJ.Eur.Ceram Soc.25(2005)37を参照のこと)に関しては、合成が成功し、物理的及び化学的基本特性については記述されている。
【0006】
従来、専門書において、前記のような化合物の発光に関する情報は皆無であった。しかしながら、SCHMIDTらが本出願の優先日の後に開示したWO2005/083037A1において、セリウムで活性化したカーバイドニトリドシリケート材料、特に活性化剤濃度がCe5%であり組成がY2Si46C:Ceである発光物質を発表した。これらの材料は、紫外光照射又は青色LEDの光により励起されて、黄色スペクトル領域においてブロードに発光し、開示内容によれば、前記材料の量子収率、吸収効率及び温度特性の性能データは、例えば同様にセリウムをドープしたイットリウムアルミニウムガーネット又はEu2+で活性化したアルカリ土類オルトシリケートのような、別の既知の黄色変換発光体の、対応するパラメータと実効的には相違しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対して、本発明の課題は、特に高性能な白色LEDに使用するための、本来の或いは改善された発光特性が特徴的である新規なカーバイドニトリドシリケート発光物質を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、
ドープしたホスト格子からなり、高エネルギーの励起光線による励起の際にこの励起光線の少なくとも一部を吸収し、結果として、より低いエネルギーの発光を放出する発光物質において、ホスト格子が活性化剤としてセリウムをドープしていないカーバイドニトリドシリケート化合物であることを特徴とする発光物質、及び
ドープしたホスト格子からなり、高エネルギーの励起光線による励起の際にこの励起光線の少なくとも一部を吸収し、結果として、より低いエネルギーの発光を放出する発光物質において、ホスト格子が次の一般式であらわされる化合物であることを特徴とする発光物質、
Ln(2-a-b+f)I(a+b-f)Si(4-c-d-e-f)II(c+d+e+f)(6-a+b-d+e)(a+d)(1-b-e)
但し、0≦a≦2、0≦b<1、0≦c<4、0≦d<4、0≦e<1、0≦f≦(a+b)及び0≦(b+e)<1であり、
Lnは次の元素群から選ばれる1つの元素又は複数の元素からなる混合物であり:
・インジウム(In)
・スカンジウム(Sc)
・イットリウム(Y)
・希土類元素;
Iは2価の金属或いは2価の金属の混合物であり;
IIは次の元素群から選ばれる1つの元素又は複数の元素からなる混合物である。
・ゲルマニウム(Ge)
・ホウ素(B)
・アルミニウム(Al)
により解決される。
【0009】
本発明の材料は、カーバイドニトリド、特にカーバイドニトリドシリケートのカテゴリーに属する。この材料は変換発光体として、単独で又は適当な別の発光物質と混合して、光源の製造、特に白色発光LEDの製造のために使用することができる。
【0010】
適当なニトリドシリケートマトリックスに炭素イオンを添加することは、格子の共有原子価を一層高めることと関係している。この事実に基づき、本発明による発光物質の極めて有利な点として、例えば、熱負荷による発光消滅の傾向が減少すること、化学的及び熱的安定性が高いこと、並びに劣化傾向が減少することを挙げることができる。
【0011】
本発明による発光物質の基本格子をあらわす一般式は、
【0012】
Ln(2-a-b+f)I(a+b-f)Si(4-c-d-e-f)II(c+d+e+f)(6-a+b-d+e)(a+d)(1-b-e)
但し、0≦a≦2、0≦b<1、0≦c<4、0≦d<4、0≦e<1、0≦f≦(a+b)及び0≦(b+e)<1であり、
Lnはインジウム(In)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)から選ばれる少なくとも1つの金属、及び希土類、特にランタン(La)、ガドリニウム(Gd)及びルテチウム(Lu)或いはこれらの金属の混合物をあらわす。
【0013】
前記一般式に示されているように、Lnを特殊な実施形態において、完全に又は部分的に2価の金属MI,好ましくは亜鉛(Zn)又はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)のようなアルカリ土類金属により置換することも可能だが、これは同時に等モル量の窒素(N)を酸素(O)により、又は炭素(C)を窒素(N)により置換する場合である。
【0014】
また、更に変化させた実施形態において、ケイ素(Si)を成分MII、例えばゲルマニウム(Ge)及び/又はホウ素(B)及び/又はアルミニウム(Al)により置換することも可能である。これらの場合にも、また、等モル量のNをOにより、又はCをNにより、又はMIをLnにより置き換える必要がある。
【0015】
発光物質の基本格子の組成に厳密に対応して、希土類金属及び/又は遷移金属の活性化剤イオンを組み込むための、多様な格子サイトを有する多様な結晶構造を実現することができる。好ましい活性化剤は、セリウム及び/又はテルビウム並びにユウロピウム、或いは特定の遷移金属元素であり、それらは2価(特にEu2+)又は3価(特にCe3+、Tb3+、Eu3+)のイオンとしてマトリックスに組み込むことができる。
【0016】
活性化剤の濃度については、発光物質1モル当たりの活性化剤を0.001〜1.5モルとすることができる。必要に応じて共活性化剤として添加されるセリウムについては、発光物質1モルに対してセリウムを0.0005〜1.5モルとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による発光物質の好ましい実施形態は、下式により決定される:
【0018】
Ln(2-x)Si46C:Tbx
Ln(2-x-y)Si46C:Tbx、Cey
又はLn(2-x)Si46C:Eux
但し、いずれの式においてもLn=Y、La、Gd及び/又はLuであり、
0.001<x<1.0且つ0.001≦y≦1.0である。
【0019】
本発明の発光物質は、紫外(200〜380nm)又は紫色(380〜420nm)又は青色のスペクトル領域(420〜480nm)において励起された場合に、緑色、黄色、橙色又は赤色の発光を放出する。本発明の発光物質は励起光を多く吸収し、更に量子収率が高いこと及び熱による発光消滅が少ないことが特徴的である。
【0020】
これらの特徴及び更なる有利な特性により、本発明の発光物質は単独成分として、又は本発明による複数の発光物質からなる混合物として、或いは別の公知の青色、緑色、黄色又は赤色に発光する変換発光体と組み合わせて(混合物)、白色LED製造のために好適に用いることができる。
【0021】
本発明により、青色スペクトル領域において励起可能であり、希土類により活性化され、4f−4fの輝線スペクトルを示す高性能な発光物質を、白色LED製造のために初めて提供することができる。意外なことに、本発明による特定のカーバイドニトリドシリケート発光物質の基本格子にテルビウム及びセリウムイオンを同時にドープした場合、青色LEDの光で励起可能なTb3+の緑色輝線が得られることが判明した。希土類により励起されて4f−4fの輝線を発光する発光物質は、外部結晶場の影響及び外部からの消滅因子に対する耐性に関して、既に述べた利点を有する。更に、本発明のCe3+及びTb3+を共ドープしたカーバイドニトリドシリケート発光物質を、白色LED中で緑色成分として用いる場合、更なる利点をも利用することができる。一方で、約545nmに位置するTb3+発光のメインピークは、対応するブロードなスペクトルと比較して極めて小さい半値幅を示し、他方で、前記発光スペクトルは、可視スペクトル領域全体に分布した更なる線群からなる。最初に挙げた特性は、LCDのバックライトとして適した白色LEDを用いる場合(使用カラーフィルターへの発光特性の適合)に有利であり、他方、Ce3+及びTb3+で共活性化した発光物質に特徴的な発光スペクトルの分布が、一定範囲内で(Ce/Tb比を変えることにより)可変であることは、色再現性(CRI値)の改善のために白色LEDを一般照明に使用する場合に有用である。
【0022】
本発明による解決策の更に別の重要な利点は、赤色発光する新規な変換発光体を本発明に基づき合成できることである。無機ニトリド化合物においては、酸素が支配的な発光物質に比べて、明らかにより強い結晶場を実現できる。これは、例えばEu2+イオンの発光を望ましくレッドシフトさせるための本質的な前提である。
【0023】
本発明に関して行なった実験により、意外なことに、本発明の基本格子にユウロピウムイオンをドープした場合においても、白色LED中での使用に適した励起スペクトルを示す赤色発光物質が生成されることが判明した。
【0024】
本発明の更なる詳細な記述、利点及び展開は、発光物質の作製条件の記述並びに添付の図から読み取ることができる。
【0025】
希土類及び/又はアルカリ土類金属を含み、上記の一般式で表わされるカーバイドニトリドシリケートを作製するためには、高温固体反応が好ましい。以下に、合成プロセス例について、一般的な調製方法並びにCe及びTb又はEuをドープしたカーバイドニトリドシリケート発光物質の2つの実施例に基づき記述する。
【0026】
出発物質としては、α‐Si34、β‐Si34、炭素粉末、SiC並びに希土類であるイットリウム、セリウム、テルビウム及びユウロピウムをいずれも金属状態で使用する。プロセス開始の前に、先ず希土類金属を窒素雰囲気中又はアンモニア雰囲気中で窒化する。続いて、窒化された化合物、Si34、SiC又は炭素粉末について各々の化学量論的量を秤量し、これらを激しく混合する。出発材料には湿度に敏感なものも幾つかあるため、これらの操作は全て「グローブボックス」の中、乾燥窒素中で行なう。粉体混合物を適当な坩堝に入れて2〜48時間、高温炉において純窒素中で1,500〜1,800℃の温度で赤熱する。赤熱プロセスの終了後、試料を室温まで冷却し、必要に応じて適切な後処理を行なう。
【実施例1】
【0027】
テルビウム及びセリウムで活性化したカーバイドニトリドシリケートY1.00Si46C:Tb0.99Ce0.01を調製するために、先ずテルビウム金属を横型環状炉において純窒素雰囲気中、1200℃で12時間窒化してTbNx(x≒0.99)とする。
続いて、出発物質であるTbNxを34.24g、イットリウム金属を17.78g、セリウム金属を0.28g、α‐Si34を28.06g及びSiCを8.02g採取し、乾燥窒素雰囲気中で瑪瑙乳鉢において激しく混合したのちモリブデン坩堝に入れる。この粉体混合物を10時間、1,600℃で純窒素中において赤熱し、続いて炉内で室温まで冷却する。未反応成分及び溶融成分を除去した後、組成がY1.00Si46C:Tb0.99Ce0.01である緑色発光する発光物質を得る。
【実施例2】
【0028】
組成がGd1.8Sr0.2Si46.20.8であり、5%のユウロピウムで活性化したカーバイドニトリドシリケートを作製するために、純粋なストロンチウム金属及びユウロピウム金属を横型環状炉において純窒素雰囲気中、850℃で2時間窒化し、前駆物質であるSr32及びEuNとする。その後、ガドリニウム金属を56.61g、Sr32を2.91g、EuNを1.66g、α‐Si34を29.93g及びSiCを6.42g採取し、乾燥窒素雰囲気中で激しく混合して耐熱性坩堝に入れる。この混合物を24時間、1,750℃で窒素−水素雰囲気(90:10)中で赤熱する。試料を適切に処理した後に、効率良く赤色発光する発光物質を得る。
【0029】
添付の図は、発光物質の当業者には充分に自明である。基本的な表示内容に関しては既に記述した。以下では、いくつかの特徴に関して補足するに留める。
【0030】
図1より、セリウムイオンのみをドープしたY2Si46C発光物質が360〜450nmにおいて励起された場合、黄色〜緑色のスペクトル領域で発光することが明らかである。異なる曲線は各々のドープ濃度に関連するものであり、この濃度は図中に記載されている。
【0031】
図2は、Tb3+のみで活性化されたY2Si46C発光物質から効率良く緑色のTb3+輝線を得るためには、280〜320nmの領域において励起する必要があることを示している。
【0032】
図3において、Ce及びTbにより共活性化されたY2Si46Cのホスト格子が、360〜450nmの領域においても効率的に励起され得ることがよく認識できる。採用した例においては、結果としてTb3+輝線にCe3+のブロードな発光が重なっている。しかしながら、テルビウム発光の輝線が明らかに優勢であり、及びセリウム発光が大幅に抑制されるようなCe/Tb濃度比を見つけ出すこともまた可能である。
【0033】
図4より、ユウロピウムで活性化したY2Si46Cマトリックスの、最大波長を610nmとする発光バンドもまた、350〜480nmという興味深い領域において励起され得ると結論することができる。
【0034】
いくつかの実施形態についてのみ詳細に記述したが、本発明の発光物質において多数のバリエーションが可能であることは当業者に明らかである。バリエーションの可能性については、一般式を明示し、及び置換可能な元素を列挙することにより説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】セリウムをドープしたY2Si46C発光物質の励起スペクトル(図の左部分)及び発光スペクトル(右部分)である。
【図2】Tb3+で活性化したY2Si46Cケイ光物質の散乱性反射スペクトル、励起スペクトル及び輝線スペクトルである。
【図3】Ce及びTbを共ドープしたY2Si46C材料の励起スペクトル(図の左部分)及び発光スペクトル(右部分)である。
【図4】ユウロピウムで活性化したY2Si46C発光物質の励起スペクトル及び発光スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドープしたホスト格子からなり、高エネルギーの励起光線による励起の際にこの励起光線の少なくとも一部を吸収し、結果として、より低いエネルギーの発光を放出する発光物質において、ホスト格子が活性化剤としてセリウムをドープしていないカーバイドニトリドシリケート化合物であることを特徴とする発光物質。
【請求項2】
ドープしたホスト格子からなり、高エネルギーの励起光線による励起の際にこの励起光線の少なくとも一部を吸収し、結果として、より低いエネルギーの発光を放出する発光物質において、ホスト格子が次の一般式であらわされる化合物であることを特徴とする発光物質。
Ln(2-a-b+f)I(a+b-f)Si(4-c-d-e-f)II(c+d+e+f)(6-a+b-d+e)(a+d)(1-b-e)
但し、0≦a≦2、0≦b<1、0≦c<4、0≦d<4、0≦e<1、0≦f≦(a+b)及び0≦(b+e)<1であり、
Lnは次の元素群から選ばれる1つの元素又は複数の元素からなる混合物であり:
・インジウム(In)
・スカンジウム(Sc)
・イットリウム(Y)
・希土類元素;
Iは2価の金属或いは2価の金属の混合物であり;
IIは次の元素群から選ばれる1つの元素又は複数の元素からなる混合物である。
・ゲルマニウム(Ge)
・ホウ素(B)
・アルミニウム(Al)
【請求項3】
I及び/又はMIIが存在する場合に、等モル量の窒素(N)が酸素(O)により、及び/又は炭素(C)が窒素(N)により、置換されていることを特徴とする請求項2に記載の発光物質。
【請求項4】
ホスト格子にドープされた活性化剤が、2価又は3価の希土類イオン又は遷移金属イオンであることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光物質。
【請求項5】
活性化剤がEu2+、Ce3+、Tb3+及び/又はEu3+イオンであることを特徴とする請求項4に記載の発光物質。
【請求項6】
Tb3+イオンが活性化剤として且つCe3+イオンが共活性化剤としてホスト格子にドープされていることを特徴とする請求項5に記載の発光物質。
【請求項7】
活性化剤の濃度が、発光物質1モルに対して活性化剤0.001〜1.5モルであることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項8】
共活性化剤としてのセリウムが、発光物質1モルに対してセリウム0.0005〜1.5モルの濃度でホスト格子にドープされていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項9】
パラメータc、d、e又はfの少なくとも1つについて、0より大きい値が選択されていることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項10】
成分Lnが、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)及びルテチウム(Lu)からなる群から選ばれるいずれか1つの元素を含むことを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項11】
成分MIが亜鉛(Zn)を含むことを特徴とする、請求項2〜10のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項12】
成分MIが1つ又は複数のアルカリ土類金属、特にMg、Ca、Sr、Baを含むことを特徴とする、請求項2〜11のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項13】
パラメータa又はdの少なくとも1つについて、0より大きい値が選択されていることを特徴とする、請求項2〜12のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項14】
下式のいずれかにより定義されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光物質:
Ln(2-x)Si46C:Tbx
Ln(2-x-y)Si46C:Tbx、Cey
Ln(2-x)Si46C:Eux
上記式中、いずれの場合においても、Ln=Y、La、Gd及び/又はLuであり、このとき、0.001<x<1.5且つ0.0005≦y≦1.5である。
【請求項15】
波長が200〜480nmである放射線により励起されて発光し得ることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項16】
相応する励起を受けた場合に、緑色、黄色、橙色又は赤色の発光を放出することを特徴とする請求項15に記載の発光物質。
【請求項17】
青色の励起光線により励起された場合に、4f−4f電子遷移の結果として生じる輝線スペクトルを示す放射線を放出することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の発光物質。
【請求項18】
発光素子と、発光素子から生じる励起光線により励起されて別のスペクトル領域において発光を放出する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光物質の少なくとも1つとを含むことを特徴とする、白色光を発生させるための発光媒体。
【請求項19】
発光素子がLEDであることを特徴とする請求項18に記載の発光媒体。
【請求項20】
LEDが200〜480nmの波長領域において発光し、かつ発光物質が青色、緑色、黄色又は赤色の放射線を放出することを特徴とする、請求項18又は19に記載の発光媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−506185(P2009−506185A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528506(P2008−528506)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065788
【国際公開番号】WO2007/025973
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(503233336)ロイヒトシュトッフヴェルク ブライトゥンゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【出願人】(508064698)トリドニク アトコ オプトエレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】