説明

カーペットの汚れを除去する組成物

【課題】本発明は、良好な清浄化性能を有し且つ良好な乳化のために界面活性剤をほとんど又は完全に必要とせず、また溶液が乾燥したときカーペット上に粘着性の残留物を残さない新しいポリマー乳化剤を含有するカーペット清浄化溶液を提供する。更にこの組成物は、フッ素化学種を含有しない。
【解決手段】本発明は、約50wt%〜約98wt%の水、約0.05wt%〜約2wt%の少なくとも1種のアクリルコポリマーである乳化剤、約1wt%〜約50wt%の少なくとも1種の溶媒、及び0〜約1wt%の少なくとも1種の界面活性剤、及び緩衝のための少なくとも1種のアルカリ化合物を含有するカーペット清浄化組成物に関する。得られる清浄化組成物のpHは、約4〜10に調節されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、界面活性剤をほとんど又は全く必要しないポリアクリル酸ポリマー乳化剤含有カーペット清浄化組成物であって、乾燥したときに付着性の残留物を残さない清浄化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
カーペットは通常、光沢、汚れ防止、静電気防止、並びに撥水及び撥油処理を含む複数の異なるタイプの処理で仕上げる。
【0003】
カーペットに行われることが多い1つの仕上げは、カーペットに「防汚性」又は「再汚れ防止性」を提供する。この性質は、カーペット上を歩いて通過するような通常の使用の間に汚れがカーペットに付着することを防ぎ、それによって吸い取りをより効果的にする。カーペットの防汚性はかなり変化する。仕上げはカーペットの対汚染性の効果を増加させるが、残念ながら汚れてしまう。
【0004】
更に、カーペットにそのような仕上げをするか否かに関わらず、好ましくない組成のカーペット清浄化溶液でカーペットを清浄化することは、カーペットに行われていることがある全ての防汚処理の効力を弱めるものである。例えば油状材料のような付着性の材料、付着性の洗剤及び吸湿性塩のような吸水性材料を含有している清浄化組成物は、ほこり又は泥を引きつける粘着性又は付着性の残留物を残すことがある。従って、新たに清浄化したカーペットはしばしば、新しいカーペットよりも「比較的早く汚れる」と言われる。
【0005】
典型的にカーペット清浄化溶液中で界面活性剤を使用し、これは洗浄力の効率化に貢献し、また存在することがある水に不溶性の任意の溶媒をエマルション化して油状の汚れを除去する。しかしながら、特に高濃度の界面活性剤を使用する場合、界面活性剤は、清浄化溶液を乾燥した後で付着性の残留物を残すことが多い。
【0006】
様々なカーペット清浄化組成物が、現在では市場で入手可能である。これらのほとんどは、ポリマー樹脂及び界面活性剤及び溶媒からなっており、典型的に液状又はエアロゾル状であるが、粉末状のものも入手可能である。
【0007】
これらの清浄化溶液のいくらかは、粘着性の残留物を最少にするように配合されている。例えばフランス国特許第2,272,216号明細書は、発泡水性エマルションによってラグ及びカーペットのような織物材料の清浄化並びに静電気防止及び防汚処理をすることを説明している。この発泡水性エマルションは、乾燥したときに固体の非付着性残留物を繊維上に残し、これはブラシ掛け又は吸い取りによって除去することができる。
【0008】
Billmanの米国特許第5,534,167号明細書は、約0.5wt%〜約6.0wt%のエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、乾燥したときに撥水及び撥油性の表面を作る約0.05wt%〜約2.0wt%の水溶性又は水混和性フッ素化炭化水素、非イオン性界面活性剤及びそれらの混合からなる群より選択される約0.25wt%〜約5.0wt%の界面活性剤、並びに酸価が約10〜約450の約0.5wt%〜約7.0wt%のオレフィン/アクリルポリマーからなっているカーペットの清浄化及び修復組成物を説明している。Billmanは、この組成物が、乾燥したときに粘着性ではない防汚性の残留物を作り、カーペットの撥水性仕上げを修復するとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
予想外に本発明は、良好な清浄化性能を有し且つ良好な乳化のために界面活性剤をほとんど又は完全に必要とせず、また溶液が乾燥したときカーペット上に粘着性の残留物を残さない新しいポリマー乳化剤を含有するカーペット清浄化溶液を提供する。更にこの組成物は、フッ素化学種を含有しない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[発明の概略]
本発明は、約50wt%〜約98wt%の水、約0.05wt%〜約2wt%の、アクリルコポリマーである少なくとも1種の乳化剤、約1wt%〜約50wt%の少なくとも1種の炭化水素、0wt%〜約1wt%の界面活性剤、及び緩衝のための少なくとも1種のアルカリ化合物を含有するカーペット清浄化組成物に関する。得られるカーペット清浄化組成物は、pHが約5〜約10に調節されている。組成物は混合によって調製する。
【発明の効果】
【0011】
予想外に、乳化剤含有率が非常に低いこと、本発明の清浄化組成物中において界面活性剤が少量又は存在しないという事実によって、最終的な空気乾燥残留物が、触ったときに粘着性又は付着性ではない。これは、残留粘着物がほこり及びよごれの粒子を引きつけ、例えばカーペットの使用寿命を短くすることがあるカーペットの清浄化のために特に有益である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[好ましい態様の詳細な説明]
本発明の組成物は、合成ポリマーである少なくとも1種の活性成分を含有する。本発明の活性成分は清浄化剤として機能するだけでなく、以下で言及するように乳化剤としても機能する。これらの乳化剤は、不飽和酸モノマー又はその塩の高分子量ポリマーである。乳化剤は好ましくは、親油性又は好油性部分と親水性又は好水性部分とを含む構造を有する。
【0013】
乳化剤は、第1のモノマーとしてのオレフィン状不飽和カルボン酸又は酸塩と、第2の非酸性モノマーとのコポリマーである。好ましくはコポリマーは、高分子量コポリマー又は架橋コポリマーであり、ポリマー分子上に親油性構造と親水性構造の両方を有する。
【0014】
乳化剤を作るために使用する第1のモノマーは、3〜5個の炭素原子を有するオレフィン状不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸並びにそれらの塩、好ましくはモノカルボン酸、それらの塩及びそれらの無水物である。好ましいオレフィン状不飽和酸は、以下の一般的な構造を有する:
【化1】

ここで、Rは水素、ハロゲン、及びシアノ基、一価のアルキルラジカル、一価のアリールラジカル、一価のアラルキルラジカル、一価のアルカリルラジカル、並びに一価の環状脂肪族ラジカルからなる群より選択される置換基である。この分類の適当なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリン酸、α−クロロアクリル酸及びα−シアノアクリル酸を挙げることができる。アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びマレイン酸無水物は、一般に費用が安く、容易に入手可能であり、且つ良好なポリマーを作る能力を有するので好ましい。アクリル酸は最も好ましい。
【0015】
本発明の乳化剤成分の第1のモノマーとして使用できる他のオレフィン状不飽和酸としては、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸を挙げることができる。そのような酸の無水物、例えばマレイン酸無水物、又はそのような酸の塩、例えばアクリル酸ナトリウムも、第1のモノマーとして使用することができる。
【0016】
第2のモノマー又はコモノマーは、少なくとも1つの端部CH2=C<又はビニリデン基を有するモノマーから選択する。このようなコモノマーとしては、下記のアクリルエステルを挙げることができる:
【化2】

ここで、Rは上述のようなものであり、R’は1〜30個の炭素原子を有する随意に置換されたアルキル基である。このコモノマーの基としては、脂肪族基を有するアクリル酸エステルを挙げることができ、ここではRが1〜30、好ましくは2〜20個の炭素粒子を有する。R’アルキル基は、アルコキシ、ハロ、シアノ等で置換されていてよく、又は複数のエーテル酸素原子が存在していてよい。これらのコモノマーにおいて、Rは好ましくは水素、又は低級アルキル、例えばメチル又はエチル基であり、好ましくはメチルである。脂肪族アクリルエステルの例としては、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、メリシルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、及び対応するメタクリレート等を挙げることができる。
【0017】
2若しくは3種類又はそれよりも多くのアクリルエステルの混合物を、カルボン酸モノマーとうまく重合させることができる。1つの有益なコポリマーの分類は、アルキル基が10〜20の炭素原子を有するメタクリレートである。典型的なポリマーは、約15wt%のイソデシルメタクリレート、約10wt%のラウリルメタクリレート、及び約7wt%のステアリルメタクリレートと、アクリル酸とで作る。
【0018】
特にアクリルエステルと組み合わせて使用することができる他のビニリデンコモノマーとしては、オレフィン状不飽和ニトリル、好ましくは炭素原子数が3〜10の一オレフィン状不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。最も好ましいものはアクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。例えばいくらかのポリマーのために使用する量は、共重合させる全モノマーの約5〜30wt%である。
【0019】
アミドモノマーもコモノマーとして使用することができ、特にアクリルエステルと組み合わせて使用することができる。そのようなモノマーは好ましくは、少なくとも1つの水素をアミド窒素上に有する一オレフィン状不飽和アミドであり、オレフィン状不飽和は、カルボニル基に対してα−βである。アクリルアミド及びメタクリルアミドは好ましい例であり、例えば共重合させる全モノマーの約1〜30wt%の量で使用することができる。他のアミドモノマーとしては、炭素原子数が4〜10でよいα,β−オレフィン状不飽和カルボン酸のN−アルキロールアミドを挙げることができる。N−アルキロールアミドタイプの好ましいモノマーは、α,β−一オレフィン状不飽和モノカルボン酸のN−アルキロールアミド、最も好ましくは、例えば約1〜20wt%の量で使用する、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロールメタクリルアミドである。N−アルコキシメチルアクリルアミドも使用することができる。好ましいアルコキシメチルアクリルアミドは、アルキル基が2〜5個の炭素原子を有するものであり、例えばN−ブトキシメチルアクリルアミドである。
【0020】
上述のモノマーと共重合させることができる更に他のビニリデンコモノマーとしては、全モノマーの約30wt%まで又はそれよりも多くの、2〜12個の炭素原子を有するα−オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン;ブタジエンを含む4〜10個の炭素原子を有するジエン;ビニルエステル及びアリルエステル、例えば酢酸ビニル;ビニル芳香族、例えばスチレン;ビニル及びアリルエーテル及びケトン、例えばビニルメチルエーテル及びメチルビニルケトン;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン等;マレイン酸及びフマル酸のエステル等を挙げることができる。
【0021】
乳化剤コポリマーは、架橋させること又は軽く架橋させることができ、また水溶性又は水膨潤性として示される官能性を有することができる。架橋は、少量の2又はそれよりも多くのオレフィン状不飽和基を有するモノマー、例えばブタジエン、イソプレン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリトリトール、スクロース及びトリメチロールプロパンのジ−又はそれよりも多くのアリルエーテル、ペンタエリトリトール、スクロース及びトリメチロールプロパンのジ−又はそれよりも多くのアクリル(メタクリル)エステル、エチレングリコールジアクリレート(メタクリレート)、1,6−ヘキサンシジアクリレート(メタクリレート)等を導入することによって達成できる。典型的にそのようなモノマーは、全モノマー重量の5%以下の量、好ましくは約0.1〜約2.0%の量で使用する。
【0022】
得られる酸性コポリマーは好ましくは、酸価が約10〜約450である。そのようなポリマー乳化剤は、米国特許第4,758,641号及び同第5,004,557号明細書で説明されている。これら特許明細書の記載は、ここで参照してその全てを本明細書の記載に含める。好ましいポリマーは、アクリル酸及びアルキルアクリレートエステルの軽く架橋したコポリマーである。多くの商業的に入手可能な酸性コポリマーを、本発明の組成物で使用できる。好ましいそのようなコポリマーは、米国オハイオ州クリーブランドのB.F.Goodrich社から入手可能なPEMULEN(商標)1622である。
【0023】
ポリマー乳化剤は、本発明の組成物において、全組成物の重量に基づいて、約0.05wt%〜約2wt%、好ましくは約0.1wt%〜約1wt%、最も好ましくは約0.1wt%〜約0.5wt%の量で使用する。これらのポリマーは、界面活性剤なし又は非常少量の界面活性剤で、良好な乳化を達成することができる。
【0024】
非水性清浄化溶媒を、本発明の組成物中で使用する。溶媒は、連邦環境保護局、40 CFR 59.203(f)によって定義したときに、非揮発性又は揮発性のいずれであってもよい。好ましくは溶媒は揮発性である。揮発性溶媒は、連邦規則、40 CFR 59.203(f)によって定義され、蒸気圧が0.1mmHg超である。揮発性溶媒は、非揮発性溶媒と比較して付着性の残留物を比較的残さないので、本発明のために好ましい。そのような溶媒は、組成物の約1wt%〜約50wt%の量で有益であり、好ましくは組成物の約3wt%〜約20wt%、最も好ましくは組成物の約8wt%又はそれ未満である。
【0025】
ここで有益な溶媒は、好ましくは炭化水素及び非炭化水素溶媒の両方を含む水に不溶性の溶媒である。そのような溶媒の例は、パラフィン系炭化水素、例えばイソ−、n−及びシクロ−パラフィン;ナフテン炭化水素;比較的高級の水に不溶性のアルコール;水に不溶性のケトン;水に不溶性のエーテル;環状の性質を有するテルペンに基づく炭化水素、例えばテルピネン、テルピノレン、d−リモネンのようなリモネン、ジペンテン、α−ピネン又はβ−ピネンのようなピネン等;水に不溶性のエステル、例えばカプリル酸、カプリン酸及びカプロン酸のメチルエステル;E.I.du pont de Nemours and Co.デラウェア州ウィルミントンから入手可能なアジピン酸、グルタル酸及びコハク酸のメチルエステルであるDuPont DBE(二塩基エステル溶媒);酢酸のエステルである、Exxon Chemical Co.、テキサス州ヒューストンから入手可能なEXXATE(商標)エステルを含むエチルエステル;環状の枝分かれした又は直鎖の完全にアルキル化されたシロキサン、例えばメチル化シロキサン等である。いわゆる「イグゼンプト(exempt)」溶媒は特に望ましい。イグゼンプト溶媒の例は、環状ジメチルシロキサンである。特に好ましい清浄化溶媒は、イソパラフィン炭化水素(商業的にはミネラルスピリットと呼ばれる)。
【0026】
随意に、界面活性剤又は界面活性剤の配合物を、本発明の組成物に加えることができる。そのような界面活性剤を加えて、カーペット、表面のような基体への組成物の濡れ性を改良する。本発明のポリマー乳化剤は、良好な乳化を得るためには界面活性剤を必要としないが、少量の界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤は、全組成物の0wt%〜約1wt%、好ましくは約0.01wt%〜約0.7wt%、より好ましくは約0.01wt%〜約0.6wt%、更により好ましくは約0.01wt%〜約0.5wt%であり、最も好ましくは全組成物の約0.03wt%〜約0.5wt%である。本発明の1つの好ましい態様では、界面活性剤は全組成物の約0.07wt%の濃度で存在し、また他の好ましい態様では、0.5wt%の濃度で存在する。低濃度で界面活性剤を使用して、カーペット表面に残ることがある全ての付着性の残留物を最少化すること又はなくすことが好ましい。これは、カーペット表面がすぐに再び汚れることを防ぐ。しかしながら、いくらかの界面活性剤は、カーペット表面への濡れ性を改良するために好ましい。
【0027】
ここで有益な界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、両性、双性又はそれらの混合、例えばケイ素又はフッ素を伴うものを挙げることができる。本発明では、少量の界面活性剤を使用して、清浄化組成物が乾燥した後で、付着性又は粘着性ではない残留物が残るようにすることが好ましい。清浄化の後に残る付着性の残留物は、ほこり及びゴミの粒子をすぐに引きつけ、また残留界面活性剤が存在する領域を変色させる。
【0028】
適当なアニオン性界面活性剤の例としては、脂肪酸のアルカリ金属又はアンモニウム塩;アルコールスルフェート;アルコールスルホネート;アルコールホスフェート;ナトリウムジオクチルスルホスクシネート;アルコールホスホネート;C8〜C22アルキルスルホネート;二ナトリウムラウリルスルホスクシネート;二ナトリウムラウラミドMEAスルホスクシネート;C8〜C20のアルキルベンゼンスルホネートの塩;C8〜C22の第1又は第2級アルカンスルホネート;C8〜C24のオレフィンスルホネート;クエン酸アルキル土類金属の熱分解生成物のスルホン化によって調製されるスルホン化ポリカルボン酸;10molまでのエチレンオキシドを含有するC8〜C24のアルキルポリグリコールエーテルスルホネート等を挙げることができる。適当な塩としては特に、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及び置換アンモニウム塩、例えばモノ−、ジ−及びトリ−エタノールアミン塩を挙げることができる。アニオン性界面活性剤は、Schwatz、Perry及びBerchの「Surface Active Agents and Detergents」、第1及び2巻で説明されている。好ましい態様では、アニオン性界面活性剤は、アニオン性スルホネート及びスルフェート界面活性剤からなる群より選択される。アニオン性界面活性剤の特定の例は、ニュージャージー州クランバリーのRholdia社及びイリノイ州ノースフィールドのStepan社を含む様々な供給者から入手可能なナトリウムラウリルスルフェートである。
【0029】
ここで有益な適当な非イオン性合成洗剤又は界面活性剤の例としては、直鎖エトキシ化中〜長鎖アルコール;プロポキシ化/エトキシ化中〜長鎖アルコール;エトキシ化ノニルフェノール;エトキシ化オクチルフェノール;エトキシ化第1級アルコール;エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー;エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとC8〜C18のアルキルフェノールとの縮合生成物;C8〜C18の第1又は第2級脂肪族アルコール;C8〜C18の脂肪酸アミド;1つのC8〜C18のアルキル鎖及び2つのC1〜C3のアルキル鎖を有する第3級アミンオキシドを挙げることができる。
【0030】
適当なアニオン性及び非イオン性界面活性剤は、米国特許第5,534,167号及び同第5,004,557号明細書で説明されている。これら特許明細書の記載はここで参照して本明細書の記載に含める。
【0031】
両性又は双性洗剤の例は、N−アルキルアミノ酸、スルホベタイン、脂肪酸とプロテイン加水分解性生物との縮合生成物である。両性又は双性界面活性剤は、米国特許第5,004,557号明細書でも説明されている。この特許明細書の記載は上記で参照して本明細書の記載に含めている。
【0032】
様々なタイプの界面活性剤の混合物を使用することもできるが、好ましくはアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合を使用する。ナトリウム、カリウム及び置換アンモニウム塩の形の石けん、例えば重合脂肪酸の形の石けんを使用することもでき、好ましくはアニオン性及び/又は非イオン性合成洗剤と組み合わせて使用する。
【0033】
本発明で使用するのに好ましい界面活性剤としては、非イオン性アルコールエトキシレート及びアニオン性アルキルスルホスクシネートを挙げることができる。
【0034】
随意に、本発明の清浄化組成物は、共溶媒、染料又は着色剤、香料又はフレグランス、抗菌剤、漂白剤又は増白剤、洗浄剤、防腐剤、塩のような粘性制御剤、pH調節剤又は緩衝剤、静電気防止剤、柔軟剤、防虫剤、虫除け剤、酵素、汚れ懸濁剤、増粘剤等を含むことができる。これらのタイプの添加剤及び多くの他のものは当業者に既知であり、組成物の特定の最終用途に依存して選択される。
【0035】
清浄化組成物の残部は水である。組成物は、約55wt%〜約98wt%の水、好ましくは約55wt%〜約95wt%の水を含有することができる。
【0036】
緩衝剤を使用して、組成物のpHを調節することができる。組成物はpHが約4〜約10であることが望ましい。適当な緩衝剤としては、アミン及びアンモニウム化合物、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(アミノアルコール)及び水酸化アンモニウム;アルカリ土類金属及びアルカリ金属の塩及び水酸化物;アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアンモニウムの炭酸塩、炭酸水素塩、メタシリケート及びオルトホスフェート等を挙げることができる。ここで挙げたものは排他的なものではなく、当業者は緩衝剤として使用することができる化合物を理解することができる。適当な場合、これらは約10wt%までの量で加えて、組成物のpHを約4〜10にすることができる。このpH範囲では、乳化剤のカルボン酸基のいくらか又は全てが塩の形になっていることが理解される。従って本明細書の記載において「酸性コポリマー」とは、このpH範囲で存在する塩の形を包含する。
【0037】
本発明の好ましい態様では、水酸化アンモニウム又は炭酸ナトリウムを緩衝剤として使用する。本発明の発明者等は、これらの緩衝剤を使用する場合、典型的に乾燥していない界面活性剤でさえも本発明で使用できることを見出した。これは、本発明で使用できる界面活性剤の数及び種類を有意に増加させる。本発明の最も好ましい態様では、水酸化アンモニウムを緩衝剤として、それ自身乾燥しない界面活性剤であるナトリウムジオクチルスルホスクシネートと組み合わせて使用する。組成物は乾燥し、カーペット上に付着性の残留物を残さない。
【0038】
対称的に、それ自身粘着性の化合物である2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを緩衝剤として使用する場合、界面活性剤の選択はより慎重に行わなければならない。2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと共に使用することが特に有益なことが分かっている界面活性剤としては、直鎖アルコールエトキシレート及びテトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)N−アルキル(C−18)スルホスクシネートを挙げることができる。しかしながら、乾燥しやすいいくらかの界面活性剤は表面を良好には濡らさないことが注目される。当業者は、その乾燥性及び濡れ性に基づいて界面活性剤を選択する方法を知っている。
【0039】
本発明の組成物は、清浄化組成物として有益である。特に本発明の組成物は、例えば付着性残留物を残さないことによって、カーペット及びラグを清浄化するのに有益である。
【実施例】
【0040】
例1
0.2wt%のPEMULEN(商標)1622(B.F.Goodrich社が供給する高分子量アクリルコポリマー(疎水性に改質));7.9wt%のイソパラフィン炭化水素液;0.07wt%のナトリウムジオクチルスルホスクシネート;0.12wt%の水酸化アンモニウム(26BE);及び残部の水(91.68wt%)のエマルションを、標準の方法を使用して調製した。
【0041】
モーターオイルを様々なカーペット片、ナイロン及びオレフィンカーペットに適用し、一晩放置して最少で12時間おいた。エマルションをしみに適用し、短時間、すなわち3分間未満にわたって放置した。商業的なカーペット脱水機を使用して清浄な水で洗浄した。エマルションは、清浄化に関して1〜3の等級を付けた。ここで、1は清浄化が高レベルであったことを示し、3は清浄化のレベルが低かったことを示す。この試料は、オレフィン及びナイロンカーペットの両方からのオイルの清浄化に関して等級が1であった。粘着性の残留物は観察されなかった。
【0042】
例2
以下のエマルションを調製して、付着性ではない残留物を残すカーペット清浄化に有益な組成物を提供することができる。このエマルションは、0.2wt%のPEMULEN(商標)1622アクリル酸コポリマー;8.0wt%のイソパラフィン炭化水素溶媒;0.5wt%の直鎖アルコールエトキシレート界面活性剤であるユタ州ソルトレークシティのHuntsman社から入手可能なSurfonic(商標)L24−7;及び残部の水(91.3wt%)を含有する。この溶液は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを使用してpHを6に緩衝することができる。
【0043】
例3〜5
例3〜5の試料を本発明に従って調製し、清浄化性能に関して試験した。使用したモーターオイルをナイロン及びオレフィンカーペットの両方に適用し、1:1の割合の140番ギア潤滑油:アクセルグリースをナイロンカーペットに適用し、少なくとも一晩にわたって(一般に少なくとも12時間にわたって)維持した。その後、清浄化エマルションを適用し、約1分間にわたって放置し、そして商業的なしみ抜きを使用して水でしみを除去した。組成物は、清浄化及びしみ除去の能力に関して1〜3の等級を付けた。ここで、1は最も清浄であったことを示し、2は中程度であったことを示し、3は最も良くなかったことを示す。この等級が1であることは、しみがほとんど又は全く見えなくなったことを意味する。結果は表1に示している。
【0044】
【表1】

○Pemulen(商標)1622
−B.G.Goodrich社の高分子量アクリルコポリマー
○Isopar(商標)K
−Exxon Chemical社から入手可能なイソパラフィン炭化水素
○Emery(商標)2209
−Henkel社から入手可能なカプリン/カプリル酸メチルエステル
○Exxate(商標)1000
−テキサス州ヒューストンのExxon Chemical社が供給するオキソデシルアセテート
【0045】
例6及び7、比較例A及びB
例6及び7の試料を調製して、乾燥性に関する界面活性剤の組み合わせを試験した。0.1〜0.3gの試料を、プラスチックペトリ皿又はプラスチック計量ボートに配置し、エマルションを1晩にわたって乾燥させた。その後組成物を、付着性及び湿潤性に関して接触によって試験した。結果は表2に示している。
【0046】
【表2】

○Pemulen(商標)1622
−B.G.Goodrich社の高分子量アクリルコポリマー
○Isopar(商標)K
−イソパラフィン炭化水素
○AMP−95
−イリノイ州バッファローグローブのAngus Chemical社が供給する2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール
○Surfonic(商標)L24−7
−Huntsman社が供給するC12〜C14のアルコールエトキシレート(7モルのエチレンオキシド)
○Monawet(商標)SNO−35
−ニュージャージー州パターソンのMona Industries社から入手可能なテトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)N−アルキル(C−18)スルホスクシネート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約50wt%〜約98wt%の水、
(b)約0.05wt%〜約2wt%の少なくとも1種の酸性コポリマー乳化剤、
(c)約1wt%〜約50wt%の少なくとも1種の溶媒、及び
(d)0〜約1wt%の少なくとも1種の界面活性剤、
を含有し、pHが約4〜約10に調節されている、カーペット清浄化組成物。
【請求項2】
前記酸性コポリマー乳化剤の酸価が約10〜約450である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の酸性コポリマー乳化剤が、0.1〜1wt%の量で使用されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記酸性コポリマー乳化剤が、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリン酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、これらの酸の無水物、これらの酸の塩、及びこれらの混合からなる群より選択される少なくとも1種のモノマーから調製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記酸性コポリマー乳化剤がアクリル酸コポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記酸性コポリマー乳化剤が、C10〜C30のアルキルアクリレートとオレフィン状不飽和カルボン酸モノマーとのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の界面活性剤が約0.01wt%〜約0.5wt%の量で使用されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の界面活性剤が、アニオン性、非イオン性、両性及び双性界面活性剤、並びにそれらの混合からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の界面活性剤が、アルコールアルコキシレート、ジアルキルスルホスクシネート及びそれらの混合からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の界面活性剤がジアルキルスルホスクシネートである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
アルカリ土類金属の水酸化物を使用してpHが調節されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
アルカリ土類金属の炭酸塩を使用してpHが調節されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
アミン、アンモニウム及びそれらの混合からなる群より選択される化合物を使用してpHが調節されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
水酸化アンモニウムを使用してpHが調節されている、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤がナトリウムジオクチルスルホスクシネートである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
共溶媒、染料、香料、抗菌剤、漂白剤、洗浄剤、防腐剤、粘性制御剤、緩衝剤、静電気防止剤、柔軟剤、防虫剤、虫除け剤、酵素、汚れ懸濁剤、増粘剤、及びこれらの混合からなる群より選択される化合物を更に含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記溶媒が水に不溶性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
40CFR59.203によって測定したときに、前記溶媒が揮発性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記溶媒が、テルペンに基づく炭化水素、水に不溶性のエステル、イソパラフィン炭化水素、ナフテン炭化水素、水に不溶性のアルコール、水に不溶性のケトン、水に不溶性のエーテル、アルキル化シロキサン、及びそれらの混合からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記溶媒がイソパラフィン炭化水素である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、約3wt%〜約20wt%のイソパラフィン炭化水素を含有する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
(a)約50wt%〜約98wt%の水、
(b)約0.05wt%〜約2wt%の少なくとも1種のアクリル酸コポリマー乳化剤、
(c)約1wt%〜約50wt%の少なくとも1種の溶媒、
(d)0〜約1wt%の少なくとも1種の界面活性剤、及び
(e)少なくとも1種のアルカリ化合物、
を混合することによって調製され、調節されたpHが約4〜約10である、カーペット清浄化組成物。
【請求項23】
前記アクリル酸コポリマーの酸価が約10〜約450である、請求項22に記載の方法。

【公開番号】特開2012−229438(P2012−229438A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−170874(P2012−170874)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2001−561123(P2001−561123)の分割
【原出願日】平成13年1月5日(2001.1.5)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】