説明

カーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブ

【課題】より配向性および直線性のよいカーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブを提供する。
【解決手段】基板を用意し(S10)、この基板の表面に鏡面加工処理を施し(S20)、さらに基板の表面にエッチング処理を施す(S30)。これによって、単結晶石英基板を切断・研磨する際に表面に生じた加工層を除去することができる。このため、この単結晶石英基板を用いれば、アニール処理、触媒金属の配置、炭素原料ガスの供給という一連の処理(S40〜S60)によって基板上にカーボンナノチューブを形成する際に、基板に形成された加工層の存在に由来する結晶の格子配列の歪みによって、基板上に形成されるカーボンナノチューブにも歪みが生じてしまうのを抑制することができる。したがって、結晶が本来もつ格子配列に沿って配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)の種類としては、一つのグラフェンシートが円筒状に閉じた単層カーボンナノチューブ(SWNT)と、同軸多数のグラフェンシートが円筒状に重なった多層カーボンナノチューブ(MWNT)との2種類が存在し、これらの直径は1〜数十nm程度、長さは数μm〜数百μm程度の微細な構造体である。単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブは、製造方法などにより、各々孤立して形成される場合や、束状に形成される場合などがある。カーボンナノチューブは、高い導電性または半導体性を有し、さらに細長い構造を持つことや高い機械的強度をもつという特異な性質をもつことから、その応用について活発に研究されている。また、カーボンナノチューブは、電子の放出源や、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)のチャンネルなどのデバイスへの応用が期待されている。
【0003】
カーボンナノチューブは、アーク放電法,レーザ蒸着法,およびCVD法(化学気相成長法)などにより製造することができる。特に、CVD法は、基板の表面上にカーボンナノチューブを自己組織的に形成する用途に適しており、盛んに研究がなされている。CVD法では、鉄(Fe),コバルト(Co),およびニッケル(Ni)などの金属(触媒金属)を核(触媒)として基板の表面に形成した上で、一酸化炭素,エタノール,メタノール,エーテル,アセチレン, エチレン,エタン, プロピレン, プロパン, あるいはメタンなどの炭素原料ガスを供給することによって基板の表面上でカーボンナノチューブを成長させるものである。
【0004】
ところで、カーボンナノチューブを用いたデバイスの特性は、構成要素であるカーボンナノチューブの配向性や直線性などによって大きく左右される。その理由としては、たとえば、カーボンナノチューブの配向性や直線性が悪ければ、カーボンナノチューブの両端とソース電極とドレイン電極との間の位置合わせの精度が低下し、さらには電気伝導性も低下してしまうことなどが挙げられる。また、隣接するカーボンナノチューブ同士がバンドルを形成し、意図しない電気的な相互作用をしてしまうことも挙げられる。
【0005】
しかしながら、カーボンナノチューブのような微細な構造体を基板の表面に配向性よく形成するのには数多くの困難が伴う。このため、配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造する方法が確立されれば、その応用価値は極めて高いと考えられている。
【0006】
そこで、配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造する方法として、単結晶石英基板や、単結晶サファイア基板を使用して、その原子構造やステップに沿うように単層カーボンナノチューブを製造する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この方法によれば、Yカット,ATカット,STカット,Zカットした単結晶石英基板や単結晶サファイア基板を用意し、このような基板に機械的鏡面加工を施し、さらにカーボンナノチューブを合成する前にアニール処理を行なった上で、この単結晶基板の上にカーボンナノチューブを形成している。こうした処理を施すことによって、基板の表面をより滑らかな状態とした上で、基板の表面にカーボンナノチューブを形成することにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2009−528254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のカーボンナノチューブの製造方法では、たとえ同じ条件でカーボンナノチューブを製造したとしても、製造したカーボンナノチューブの配向性および直線性に多少のバラツキが生じていた。このため、所望の特性を有するデバイスを製造する際の歩留まりが十分ではなかった。なお、製造したカーボンナノチューブの配向性および直線性にバラツキが生じる原因については、未だに解明されていない。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より配向性および直線性のよいカーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法は、単結晶基板をエッチング液に浸漬して表面をエッチングする工程と、前記単結晶基板の前記表面に触媒金属を配置する工程と、前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記エッチング液は、フッ酸系の溶液であるものとしてもよい。
【0012】
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記単結晶基板は、単結晶サファイア基板または単結晶石英基板であるものとしてもよい。
【0013】
また、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記炭素原料ガスは、一酸化炭素,エタノール,メタノール,エーテル,アセチレン, エチレン,エタン,プロピレン,プロパン,メタンのいずれかであるものとしてもよい。
【0014】
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記エッチングする工程の前に、前記単結晶基板の前記表面に鏡面加工処理を施す工程をさらに備えるものとしてもよい。
【0015】
また、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記エッチングする工程の後に、前記単結晶基板に対してアニール処理を施す工程をさらに備えるものとしてもよい。
【0016】
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであるものとしてもよい。
【0017】
本発明に係るカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板は、単結晶基板の表面に触媒金属を配置する工程と、前記単結晶基板を所定の温度まで加熱すると共に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程とを少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法において用いられるカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板であって、前記表面がエッチングされ、前記表面に単結晶格子面が表出されたことを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係るカーボンナノチューブは、単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブであって、前記単結晶基板は、表面がエッチングされており、前記カーボンナノチューブは、エッチングされた前記単結晶基板の前記表面の上に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単結晶基板上にカーボンナノチューブを形成するに際して、単結晶基板の表面をエッチングすることによって、単結晶基板を切断・研磨する際に表面に生じた加工層を除去することができる。したがって、このカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板を用いれば、加工層の存在に由来する結晶の格子配列の歪みによってカーボンナノチューブにも歪みが生じてしまうのを抑制することができ、結晶が本来もつ格子配列に沿って配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造手順を表わすフローチャートである。
【図2】STカット単結晶石英基板に対しフッ酸を用いてエッチング処理を施したあとの表面を観察したSEM写真である。
【図3】STカット単結晶石英基板に対しフッ酸を用いてエッチング処理を施したあとの表面を観察したSEM写真である。
【図4】STカット単結晶石英基板に対し、フッ酸を用いてエッチング処理を施した時間と、非接触表面形状測定器(Zygo(登録商標))によって調べた基板の表面粗さとの関係を示す図である。
【図5】フッ酸によってエッチング処理を施したSTカット単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブのSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造手順を表わすフローチャートである。
まず、カーボンナノチューブを形成するための単結晶基板を用意する(ステップS10)。
ここで、単結晶基板としては、ランバード加工された人工単結晶石英をSTカットしたものやATカットして得られる単結晶石英(SiO2)基板など、カーボンナノチューブを形成するために一般的に用いられているものを用いればよい。
【0023】
次いで、用意した単結晶基板に鏡面加工処理を施す(ステップS20)。
単結晶基板の表面に形成されている凹凸に対して鏡面加工処理を施すことによって、部分的に突出している箇所に対して外力を加えることによって破砕し、表面をより滑らかな状態にすることができる。
【0024】
続いて、鏡面加工処理を施した基板にエッチング処理を施す(ステップS30)。
ここで、エッチング液としては、たとえば、フッ酸(HF),フッ化アンモニウム(NH4F),バッファードフッ酸(BHF:(HF)1-X(NH4F)X)など、一般的なフッ酸系のエッチング液を用いることができる。エッチング処理を行なう時間については、基板の材料,鏡面加工処理を施した状況,および使用するエッチング液の種別に応じて適宜変更するのが望ましい。
【0025】
ここで、STカット単結晶石英基板に対し、フッ酸(HF)を用いてエッチング処理を施した上で、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により表面を観察した結果を説明する。
図2および図3は、いずれも、STカット単結晶石英基板に対しフッ酸(HF)を用いてエッチング処理を施したあとに表面をSEMにより観察した結果を示す図である。
図2および図3に示すように、エッチング処理を施す時間の長さによって、単結晶石英基板の表面が変化する様子が観測された。
【0026】
図4は、STカット単結晶石英基板に対し、フッ酸(HF)を用いてエッチング処理を施した時間と、非接触表面形状測定器(Zygo(登録商標))によって調べた基板の表面粗さとの関係を示す図である。ここで、pv(黒い点)は基板における最大の高低差を示しており、RA(白い点)は最小自乗法により計算した平均的な高低差を示している。
図4に示すように、エッチング処理を60secにわたって施した場合に表面粗さが最も小さくなることがわかった。エッチング処理が0secのときの表面粗さは小さいが、格子配列の歪みが生じているためにカーボンナノチューブの形成に最適ではない。エッチング処理30secのときは単結晶から基板を切り出すときの加工処理や、表面を鏡面加工する処理(図1のステップS20)によって基板表面の下層に形成された残留応力層が表出するため表面粗さが大きくなっている。その後、60secにわたるエッチング処理によって残留応力層が除去され、単結晶石英の本来の格子面が表出して表面粗さが小さくなったためと考えられる。
一方、図4に示すように、60secよりも長時間にわたってエッチング処理を施したときには基板の表面粗さが逆に大きくなることがわかった。これは、60secにわたってエッチング処理を施すことによって単結晶石英が本来もつ格子面が既に表出しているにもかかわらず、さらにエッチングを行なうことによって逆に単結晶石英が本来もつ格子面を粗らしてしまったためと考えられる。
なお、単結晶石英基板に鏡面加工処理を施した場合、平均研磨材粒度の約2倍の厚さの加工層が生じるものと一般に考えられている。
【0027】
次いで、エッチング処理を施した基板に対してアニール処理を施す(ステップS40)。
ここで、アニール処理としては、たとえば、大気中で数時間から数十時間にわたって900℃の雰囲気温度におくことによって行なうことができる。このように、アニール処理を施すことにより、結晶のクラスターが高温状況下で激しく移動するので、このクラスターが微細な凹凸を埋めて表面をより滑らかな状態とすることができる。
【0028】
続いて、アニール処理を施した基板の表面に触媒金属を配置する(ステップS50)。
たとえば、フォトレジストの塗布およびパターニング、パターニングされたフォトレジストをマスクとしながら触媒金属の微粒子を蒸着、フォトレジストを除去すると共にフォトレジストの上に積層している触媒金属の微粒子をリフトオフによって除去するという一連の処理を行なうことによって、触媒金属の微粒子をパターニングして配置することができる。
このように、基板の上に触媒金属の微粒子をパターニングし、基板の上に触媒金属の微粒子が配置された部分と、配置されていない部分とに分けるのは、ある触媒金属の微粒子を核として成長したカーボンナノチューブが、他のカーボンナノチューブとバンドルを組んだり、他の触媒金属の微粒子といたずらに相互作用すると、カーボンナノチューブの配向性および直線性が悪くなるためである。逆に言えば、触媒金属の微粒子が配置された部分から、触媒金属の微粒子が配置されていない部分に向かって成長するカーボンナノチューブについては、他のカーボンナノチューブとバンドルを組んだり他の触媒金属と相互作用をせず、配向性および直線性がよくなるものと考えられる。
なお、触媒金属の種類としては、たとえば、8族の鉄(Fe),ルテニウム(Ru),オスミニウム(Os)、9族のコバルト(Co),ロジウム(Rh),イリジウム(Ir)、および10族のニッケル(Ni),鉛(Pb),白金(Pt)などからいずれか一つを選択して用いることができ、また、複数を混合して用いることもできる。さらに、補助触媒金属として、モリブデン(Mo)やロジウム(Rh)を用いることもできる。
【0029】
次いで、単結晶石英基板を所定温度(たとえば、800℃など)まで加熱した後、所定時間(たとえば、10分間など)にわたってエタノールなどの炭素原料ガスを供給して基板上にカーボンナノチューブを成長させる(ステップS60)。
【0030】
このようにして単結晶石英基板上に形成したカーボンナノチューブをSEMにより観察した結果を説明する。
図5は、フッ酸によってエッチング処理を施したSTカット単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブのSEM写真であり、(a)は0sec,(b)は30sec,(c)は60sec,(d)は120secにわたってエッチング処理を施した基板に形成したカーボンナノチューブのSEM写真である。なお、図5(a)〜(d)のSEM写真は、いずれもSTカットされた単結晶石英基板を大気中にて900℃で8時間にわたってアニール処理を施し、触媒金属となるコバルトを蒸着してパターニングした後、この単結晶石英基板を真空状態かつ800℃の状態に保たれた電気炉に装填したうえで、この電気炉に10分間にわたってエタノールを供給し、単結晶石英基板の表面にカーボンナノチューブを成長させたものを観察したものである。
図5(a)に示すように、エッチング処理を施していない単結晶石英基板ではカーボンナノチューブにキンク(屈曲)が見受けられるのに対し、図5(b),(c)に示すように、30sec,60secにわたってエッチング処理を施した単結晶石英基板では、カーボンナノチューブの配向性および直線性が改善しているのがわかった。しかしながら、図5(d)に示すように、120secにわたってエッチング処理を施した単結晶石英基板では、逆にカーボンナノチューブの配向性および直線性が悪化してしまうことがわかった。
この結果は、上述した、フッ酸を用いてエッチング処理を施した時間と、非接触表面形状測定器(Zygo(登録商標))によって調べた単結晶石英基板の表面粗さとの関係に呼応しており、単結晶石英基板の表面上に形成されるカーボンナノチューブの配向性および直線性が、単結晶石英基板の表面粗さと密接な関係をもつことを裏付けるものである。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態によれば、単結晶石英基板上にカーボンナノチューブを形成するに際して、単結晶石英基板の表面をエッチングすることによって、単結晶石英基板を切断・研磨する際に表面に生じた加工層を除去することができる。したがって、この単結晶石英基板を用いれば、加工層の存在に由来する結晶の格子配列の歪みによって、単結晶石英基板上に形成されるカーボンナノチューブにも歪みが生じてしまうのを抑制することができ、単結晶石英の結晶が本来もつ格子配列に沿って配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。
【0032】
[変形例]
なお、上述した本実施の形態では、単結晶石英基板を用いてカーボンナノチューブを製造するものとしたが、単結晶サファイア基板を用いてカーボンナノチューブを製造するものとしてもよい。また、STカットやATカットの単結晶基板に限られず、たとえば、Xカット,Yカット,Zカットなどの他のカットの単結晶基板を用いてもよい。
【0033】
また、上述した本実施の形態では、カーボンナノチューブを成長させる際に用いる炭素原料ガスとしてエタノールを例示して説明したが、一酸化炭素,メタノール,エーテル,アセチレン, エチレン,エタン,プロピレン,プロパン,メタンなどを用いてもよい。ただし、単結晶基板を加熱する際の温度は、触媒金属の種類や炭素原料ガスの種類に応じて適宜変える必要がある。
【0034】
さらに、上述した本実施の形態では、単結晶基板上に触媒金属を配置する方法として、フォトリソグラフィー法と同時に蒸着法を用いて触媒金属を配置するものとして説明したが(図1のステップS50)、金属触媒の微粒子を直接基板に配置したり、フォトリソグラフィー法と同時にスパッタ法やディップコート法などを用いて配置するものとしてもよい。また、触媒金属をUSYゼオライトなどの担体に担持させ、この担体を疎らな状態で基板上に散布してもよい。
【0035】
また、上述した本実施の形態では、単結晶石英基板に対して鏡面研磨処理(図1のステップS20)を施すものとして説明したが、この処理を省略するものとしてもよい。また、単結晶石英基板をエッチングした後、アニール処理(図1のステップS40)を施すものとして説明したが、この処理を省略するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、カーボンナノチューブの製造業などに利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶基板をエッチング液に浸漬して表面をエッチングする工程と、
前記単結晶基板の前記表面に触媒金属を配置する工程と、
前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程と
を少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
前記エッチング液は、フッ酸系の溶液である
ことを特長とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
前記単結晶基板は、単結晶サファイア基板または単結晶石英基板である
ことを特長とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項4】
前記炭素原料ガスは、一酸化炭素,エタノール,メタノール,エーテル,アセチレン, エチレン,エタン,プロピレン,プロパン,メタンのいずれかである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項5】
前記エッチングする工程の前に、
前記単結晶基板の前記表面に鏡面加工処理を施す工程
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項6】
前記エッチングする工程の後に、
前記単結晶基板に対してアニール処理を施す工程
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項8】
単結晶基板の表面に触媒金属を配置する工程と、
前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程と
を少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法において用いられるカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板であって、
前記表面がエッチングされ、前記表面に単結晶格子面が表出された
ことを特徴とするカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板。
【請求項9】
単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブであって、
前記単結晶基板は、表面がエッチングされており、
前記カーボンナノチューブは、エッチングされた前記単結晶基板の前記表面の上に形成されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−178631(P2011−178631A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45945(P2010−45945)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】