説明

カーボンナノチューブをベースとするグルコースセンサー

本発明は、グルコース感受性基などの分析物を感知する基(分析物感受性基)を含む自己組織化単分子膜(SAM)(280)であって、単層カーボンナノチューブ(SWNT)などのカーボンナノチューブ(CNT)(270)の外壁の表面に、前記ナノチューブ(270)の外壁の表面に堆積されている金属又は金属酸化物の薄層(275)に結合する末端基によって結合された自己組織化単分子膜(SAM)を少なくとも1つ含む、バイオセンサーなどのセンサーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
血液及び尿中のグルコース検知は糖尿病の診断に不可欠である。発酵におけるグルコース量は食品の品質に大きな影響を与えるために、食品産業の発酵におけるグルコースの監視も不可欠である。G.Harsanyi,“Sensors in Biomedical Applications:Fundamentals,Technology and Applications(センサーの生物医学的応用:原理、技術及び応用)” ,Technomic Pub.,Lancaster,PA(2000)を参照されたい。
【背景技術】
【0002】
グルコースオキシダーゼ(GOD)は、そのグルコースに対する高度な選択性及び広範囲のpH値にわたる高度な活性のために、グルコースバイオセンサーにおいて広く利用されてきた。B.J.Whiteら,Biochem.Biophys.Res.Commun.,296,1069(2002)を参照されたい。グルコースバイオセンサーの感受性(検出感度)及び安定性はその定量分析用途のための重要な特徴である。たとえば、V.G.Gavalasら,Analyt.Chim.Acta,67,404(2000);M.Delvauxら,Biosens.Bioelectron.,18,943(2003)を参照されたい。新規な固定化技術及び新しい酵素固定化物質の利用を含めてバイオセンサーの特徴を改良する試みが数多く行われてきた。ガラス状炭素(GC)、黒鉛、カーボンペースト、炭素繊維、多孔質炭素、及び炭素球が、バイオセンサー固定化マトリックス用の電極材として一般に使われている(M.Albareda−Sirventら,Sens.Actuat.,B69,153(2000);S.Sotriropoulouら,Biosens.Bioelectron.,18,211(2003))。一部のGODセンサーは確かに高い感度を示す。しかし、バイオセンサーの寿命はわずか数週間であり安定性は低く、したがって苛酷な環境でのその使用は制限されている。Z.Lironら編,Novel Approaches in Biosensors and Rapid Diagnostic Assays(バイオセンサーの新規な提案及び迅速診断分析),Kluwer,Acad./Plenum Pub.,NY(2001)203ページを参照されたい。
【0003】
カーボンナノチューブ(carbon nanotubes;CNTs)はグラフェン層を折りたたんで炭素シリンダーにすることから生じると考えられる新種の炭素材である。カーボンナノチューブ(CNTs)は単殻単層ナノチューブ(single shell-single-walled nanotubes;SWNTs)又は数殻多層ナノチューブ(several shells-multi-walled nanotubes;MWNTs)で構成することができる。S.Iijimaら,Nature,363,603(1993);S.Iijima,Nature,354,56(1991)を参照されたい。CNTsは、その特別な形状、並びに類のない電子的、機械的、化学的、及び熱的特性のために、電子電界エミッタ、電界効果トランジスタ、アクチュエータ、及びガスセンサーにおける潜在的用途に対する関心が高まってきている。CNTsは前途有望な電極材として認識されてきた。SWNTsは、その原子がすべてチューブ表面に位置しているために高い移動度を示す半導体である。つい最近になって、CNTsはグルコース及びDNA検知用のバイオセンサーとして研究され、その性能は反応速度、可逆性、及び検出限界の点において他の炭素電極の性能よりはるかに優れていることが発見されている。たとえば、S.Sotriropoulouら,Anal.Bioanal.Chem.,375,103(2003);A.Guiseppe−Elieら,Nanotech.,13,559(2002);M.L.Pedanoら,Biosens.Bioelectron.,18,269(2003);K.Bestmanら,Nano Lett.,3,727(2003);M.Gaoら,Synth,Metals.137,1393(2003)を参照されたい。しかし、その潜在的有用性は、ナノチューブπ非局在化システムを乱すことなく、チューブの表面を共有結合的にも非共有結合的にも十分な安定性及び密度にまで機能化する必要性があることにより制限されてきた。
【0004】
Chenら,J.Amer.Chem.Soc.,123,3838(2001)は、1−ピレンブタン酸スクシンイミジルエステル連結基を介してSWNTs上に蛋白質フェリチンを固定化した。この連結基はπ−スタッキングによりSWNTsの壁上に非共有結合的に吸着した。前記蛋白質のアミン基は前記固定されたスクシンイミジルエステルと反応して、蛋白質又は遊離のNH基を含有する他の分子を固定化することができるアミド結合を形成した。しかし、Chenらは、前記機能化されたSWNTsの電気特性は報告しなかった。
【0005】
K.Bestermanら,Nano.Lett.,3,727(2003)は、前記と同一の連結基を使って酵素グルコースオキシダーゼ、E.Cl.1.3.4をカーボンナノチューブ上に結合させた。彼らは、前記酵素の固定化によりSWNTsのコンダクタンス(導電性)が減少することを観察した。標準対照電極を用いて、機能化されたSWNTsのコンダクタンスはpHの変化及びグルコース濃度に感受性であることが発見された。しかし、有用なナノスケールバイオセンサーを生じるためには、SWNTs表面上のセンサー分子の有効密度を増やすことが必要となるであろう。
【0006】
V.M.Mirskyら,Biosensors & Bioelectronics,12,977(1997)は、機能化したチオールの自己組織化単分子膜を金電極上に構築し、ヒト血清アルブミン(HSA)へ抗体を固定化するのに用いることができることを報告した。続いて起きるHSAの結合により、電極容量は減少した。この取組みは、従来の電極の製作に使用するためには前途有望であったが、ナノセンサーを製作するために用いられることはなかった。したがって、生物学的分析物用の耐久性のある感度良好なナノセンサーを調製する方法に対する必要性が引き続き存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
本発明は、グルコース感受性基などの分析物感受性基(分析物を感知する基)を含む自己組織化単分子膜(SAM)であって、単層カーボンナノチューブ(SWNT)などのカーボンナノチューブ(CNT)の外壁の表面に結合している自己組織化単分子膜を少なくとも1つ含む、グルコースセンサーなどのバイオセンサーを提供する。たとえば、前記自己組織化単分子膜は末端チオール基により前記ナノチューブに結合させることができ、前記末端チオール基は前記ナノチューブの外壁の表面に堆積されている金、銀、銅、又はパラジウムなどの金属のサブ単層(submonolayer)などの、SAMのための基材の薄層に結合している。本明細書で使用する用語「サブ単層(submonolayer)」とは、前記CNTの導電性を維持する金などの導電性の金属又は合金の層のことを意味し、たとえば、サブ単層は、それが前記ナノチューブ上に導電性の層を形成するほどには連続していなくてもよい。必要ならば、Ta/TiO又はSiOなどの金属酸化物の薄層などの誘電体層を前記ナノチューブ表面に適用して、遊離のヒドロキシル基を介してSAMを固定するのに使うことができ、あるいは前記金単層をそこへ適用することもできる。このような層は連続していても不連続でもよく、厚さは約1オングストロームから約10マイクロメートルである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記分析物感受性基には、酵素、たとえばGODなどのグルコース感受性生体分子だけではなく、抗体、サイトカイン、抗原、受容体などを含む蛋白質などの生体分子が含まれる。しかしながら、分析物に対するバイオセンサーの感受性を最大限にするためには、ペプチド又は核酸などの生体分子ではない分析物感受性基が好ましい。このような感受性基の分子は、前記標的分析物にキレートする又は共有結合することができる有機官能基を含む。グルコースやその他の糖類の場合には、当該基には、リン酸塩(phosphate)、ホスホン酸塩(phosphonate)、及びボロン酸塩(boronate(ボロン酸(boric acid)))の基を含む。以下に議論するように、水和した−B(OH)基がグルコースの分子に結合すると、Hが遊離し試験液のpHが下がる。pHの低下により次に前記機能化したCNTのコンダクタンス(導電性)に検出可能な変化が引き起こされ、この変化は当技術分野で周知の技術により測定することができる。たとえば、B.R.Azamianら,J.Amer.Chem.Soc.,124,12664(2002)を参照されたい。以下に開示するように、グルコースのボロン酸基への結合は、内部蛍光分析により測定することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(発明の詳細な説明)
以下の説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照し、本発明を実施することができる具体的な実施形態を例証として明らかにする。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするように詳細に説明されるので、他の実施形態を利用し、本発明の範囲から逸脱することなく構造的、論理的、及び電気的変化を加えることができることを理解すべきである。したがって、以下の説明を限定された意味で解釈するべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【0010】
図1A〜Fはグルコースセンサーの形成を図解する断面図である。本実施形態において、シリカの基材210は形成された第1層220を、続いて第2層230を有する。1つの実施形態における第1層は白金、又は第2層230よりも高い融点を有している他の層である。前記第2層はニッケル又はコバルト、又は他の材料であり、その上にカーボンナノチューブが形成されることになる。
【0011】
一般的なフォトリソグラフィー技術を使って、図1Bに示すようにいくつかのアイランド又はプラットホーム(250)を形成する。各アイランドは先に形成された第1層(240)と第2層(235)で構成されている。熱を加えると、図1Cに示すように第2層材料(235)から突起部(260)が形成される。得られた構造物は、カーボンナノチューブの成長のための準備ができた薄いNiアイランド(260)を有する所望のパターンのプラットホーム(240)を形成する。1つの実施形態において、前記プラットホームは1〜5マイクロメートルの長方形であり、1〜5マイクロメートルの間隔が空いている。前記突起部の密度だけでなく、前記大きさも間隔も容易に変更される。
【0012】
エチレン、メタン又はCO環境の下で熱(280)を加えることに続いて、図1Dでは、ナノチューブ270が前記突起部の上及び間に形成されている。確実にナノチューブ堆積のための適温が維持されるように4点温度プローブが1つの実施形態では用いられる。前記プラットホームの大きさと間隔、前記突起部の密度、及び形成されるナノチューブの量を変更することによって、前記アイランド間の導電性が変更される。前記CNTsの成長方向を制御し、前記チューブによる2点間補正(point-to-point correction)を得られるように電界が適用される。前記プラットホームは、導電性材料で形成されているために、得られるバイオセンサーでは電極として機能することができる。
【0013】
金属の不連続サブ単層を前記CNTs(270)上にスパッタすることによって、金層などの金属層を図1Eに示すアイランド(275)として提供することができる。次に、自己組織化単分子膜(SAM)を前記金属アイランド上に形成し、ここで前記金属アイランドは所望するようにさらにパターニングされていてもよい。このSAM(280)は、自然に起こる自己組織化プロセスで形成される。前記CNT上に堆積している、例えば前記金属サブ単層又は酸化物、水素化ケイ素若しくはハロゲン化ケイ素層の表面などの、基材の酸化物、水素化物、ハロゲン化物若しくは水酸化物含有表面と縮合することによるのと同様に、このプロセスの間に、前記SAM成分分子末端のうちの1つの末端が前記基材表面に錯体形成により又はイオン会合により共有結合する。対応する金属性又は誘電性基材層上でSAMsの前駆体として機能する有機配位子(リガンド)を下記の表1にまとめており、ここで、Rには、以下においてHS−(R)−Xのために定義される基が含まれる。
【0014】
【表1】

【0015】
SAM表面上の官能基の配置及び濃度を説明しようと努力が重ねられてきた。長鎖の炭化水素が基材に対して均一にほぼ直角をなして突き出ており、その周囲に秩序ある密集した二次元配列を与えていると合理的に考えられている。たとえば、J.Liuら,Chem.Phys.Lett.,303,125(1999)を参照されたい。系を適切なスルホン酸RSOH又はHS−(R)−Xなどのチオール若しくはジスルフィドX−(R)−S−S−(R)−X[Rはそれぞれ(C〜C30)アルキル、(C〜C14)アリール、(C〜C14)アル(C〜C30)アルキル((C-C14)ar(C-C30)alkyl)、(C〜C30)アルカリール((C-C30)alkaryl)または(C〜C30)アルキル(C〜C14)アル(C〜C30)アルキル((C-C30)alk(C-C14)ar(C-C30)alkyl)リンカーであり、ここでアルキルはNH、N(C〜C)アルキル、O、S、CH=CH、C≡Cなどにより任意に割り込まれている]の溶液に曝露することにより、ω−機能化チオールの単分子層(280)を、金、銀、銅、パラジウム、GaAs若しくはInPの「アイランド」上に吸着させることができる。表1に示すように有機イソシアニドはPt「アイランド」と反応することができる。
【0016】
あるいは、表1に示すように、薄い誘電性の酸化物層、たとえば、SiO、ZrO、In/SnO又はTa層を適用することにより前記カーボンナノチューブ表面に遊離のヒドロキシ(OH)基を提供することができ、これは次に一般式(RSi−(R)−X又は(HO)P(O)−(R)−Xの分子(X及びRは、下記及び上記に定義するとおりであり、Rはハロ(Cl、Br)又はO(C〜C)アルキルである)と反応させることができる。これらのSAMsは、前記個々の分子間でのSi−O−Si又はTa−O−Ta結合の形成によって強化され、厚さは連続する単層でもいくつかの層でもよく、又は不連続(サブ単層)でもよい。ケイ素基材表面は有機過酸化物と反応することができるし、或いは、SiH基の遊離ラジカル付加を介して、又はX−R−SiCl若しくはX−R−Si(OR’)の反応を介して、X−(R)−CH=CHに結合することができる(R’はガラス上などのSiO表面上に遊離のSiOH基を有する(C〜C)アルキルである)。有機リチウム又はグリニャール試薬も表1に示すように水素化ケイ素部分と連結することができる。さらに表1に示すように、多種の金属酸化物がカルボン酸、ヒドロキシアミド及びホスホン酸と結合することができる。
【0017】
Xは、標的分析物に結合することも、又はさらに反応によってそのような結合基に変換されることもできる官能基である。当該基には、ハロ(halo)、CN、NH、SC(O)CH、POH、SCN、エポキシ、ビニル、CO(C〜C)アルキル、OH、COH、SOH、COCF、CB(OH)、及びB(OH)が含まれる。
【0018】
たとえば、V.M.Mirskyら,Biosensors & Bioelectronics,12,977(1997)に教示される通りに、蛋白質の固定化のために、ω−カルボキシアルキルチオール及びω−アミノアルキルチオールなどの酸及びアミノ基を活性化してフタルアミド基、スクシンイミジル基、クロロカルボニル、ニトロフェニル、CHO、及びNCS基を導入することができる。ボロン酸及びボロン酸塩末端チオールは、公開された米国特許出願第2003/0027982A1号、Kettnerら,J.Biol.Chem.,259,15106(1984);及びMattesonら,米国特許第4,525,309号において開示された通りに調製することができる。
【0019】
標的物質は、SAMの表面で末端官能基と反応する官能基を含むことができる。たとえば、糖に対するボロン酸、アルデヒド若しくはアセタール基、又はアミノ酸に対するCOH若しくはNH基のように、前記標的物質に本来備わっている官能基を含んでいてもよい。或いは、標的物質を改変して、たとえば、アビジン若しくはビオチン基を分子中に導入して結合対を作り出すことによって、又は官能基を高分子炭化水素若しくはセルロースなどの有機高分子に導入することによって、適切な官能基を導入してもよい。標的物質とSAMの間の反応及び/又は結合は前記の2つが接触すると自然に起きることもあれば、前記2つの物質の接触の間に触媒されるか、そうでなければ誘発されることもある。たとえば、D.J.Pitchardら,Anal.Chem.,69,3605(1995)、H.Gauら,Science,283,46(1999)を参照されたい。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、金層などの金属層を一般式HS−(R)−X(XはB(OH)又はCB(OH)である)の化合物に曝露することにより自己組織化単分子膜が形成される。含水グルコースの存在の下で、これらの化合物はグルコース(Glu)又は他のジオール含有糖類と反応し、下記一般式のケタール様誘導体を形成する:
【0021】
【化1】

【0022】
の遊離により局所pHは低下し、CNTの導電性が変化する。導電性の増減は当技術分野では周知の方法により検知し測定することができる。
【0023】
したがって、本発明の1つの実施形態は式Iの化合物であって、金表面などの金属表面で自己組織化単分子膜を形成し、糖類の存在の下で蛍光を発することができる化合物である(式中、Fは蛍光体(fluorophore;フルオロフォア)を示し、Rは低級脂肪族又は芳香族基を示し、nとmはそれぞれ0、1、又は2であり、n+mは2又は3の整数であり、pは1から30までであり、[CHCH部分及びホウ素原子に結合したベンゼン環は置換されているか又は置換されていない)。
【0024】
【化2】

【0025】
式Iの化合物は糖類の存在の下で光誘起電子移動(photoinduced electron transfer;PET)機構を介して蛍光を発する。前記センサーの蛍光強度は、糖類のヒドロキシル基がボロン酸に結合することにより調節されるアミン基と蛍光体間の光誘起電子移動に反応して変化する。糖類結合の不存在の下では、蛍光基による蛍光は窒素原子の非共有電子対により消光される。たとえば、グルコースが結合すると、前記非共有電子対は前記結合形成に利用されて蛍光消光には関与しない。ボロン酸とグルコース間のボロン酸エステルの形成によりボロン酸のルイス酸性度は増加し、PETは減少し、センサーの内在蛍光(intrinsic fluorescence)は再発光する。
【0026】
上記式Iでは、蛍光体(F)にはπ電子系を含有するいくつかの原子又は基が含まれる。好ましい蛍光体にはナフチル、アントリル、ピレニル、及びフェナントリル基がある。もっとも好ましい蛍光体はアントリルである。蛍光体形成原子又は基は、1つ又は複数の置換基が蛍光に逆効果にならないかぎり任意に置換される。
【0027】
式Iでは、窒素原子に結合したR基は低級脂肪族(C〜C)又は芳香族官能基である。好ましくは、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、すなわちメチル、エチル、プロピル若しくはブチル基であり、又はフェニル基である。
【0028】
式Iでは、mは0、1又は2である。したがって、本発明の化合物の前記窒素原子はボロン酸部分の近傍に配置されており、前記窒素原子はメチレン基若しくはエチレン基を介して結合しているか、又はフェニルボロン酸のオルト位に直接結合している。好ましくは、mは1であり、したがって前記窒素はメチレン基を介してベンゼン環に結合している。式Iでは、nも0、1又は2であり、n+mは2又は3の整数である。したがって、前記窒素原子と前記ボロン酸は前記蛍光体の近傍に位置している。好ましくは、nは1である。
【0029】
フェニルボロン酸のホウ素原子に結合しているベンゼン環は、1つ又は複数の適切な置換基で、当該置換が蛍光に逆効果にならないかぎり、置換されていてよい。適切な置換基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、及びフェノキシ基がある。
【0030】
式Iにより表される本発明の化合物は、その分子構造中に蛍光体を含有するが、糖類の不存在の下では蛍光を発しない。これは前記蛍光体の蛍光は窒素原子の非共有電子対により消光されるためであると理解されている。つまり、前記窒素の電子は蛍光を抑制するように蛍光体の最低の励起一重項エネルギー状態を占めているからである。しかしながら、本発明の化合物は糖類に結合すると高強度の蛍光を発する。この現象は次のように説明される。すなわち、糖類の存在により、前記窒素原子(N)と前記ホウ素原子(B)の間に結合が生じ、前記糖類と本発明のフェニルボロン酸化合物の強固な複合体(complex)が形成され、そこでは前記電子不足ホウ素原子が電子に富む窒素に結合している。したがって、前記窒素原子の非共有電子対は前記ホウ素原子との結合のためにすでに利用されていて、蛍光消光エレクトロゲン(electrogen)移動プロセスに寄与せず、それによって前記化合物の内在蛍光(intrinsic fluorescence)を発現している。
【0031】
本発明の式Iに入る好ましい化合物は、次の式IIの化合物であり、F(蛍光体)はアントリルであり、Rはメチルであり、n、m及びpはそれぞれ1である。
【0032】
【化3】

【0033】
式IIの化合物は、D−グルコース及びD−フルクトースなどの単糖類の存在の下で高度に増大した強度の蛍光を示す。したがって、前記化合物は単糖類全般又は特に特定の単糖類の検知(検出)における使用に適している。複数の単糖類を含有することもある試料からの特定の単糖類の検知(検出)では、前記試料は、単糖類の分離のために通常前処理(たとえば、クロマトグラフィー)を受け、続いて本発明の蛍光化合物による検知(検出)を受ける。
【0034】
本発明の化合物は表1に示す基材表面上で自己組織化単分子膜を形成する。たとえば、前記化合物式I及び式IIのチオール基が容易に金表面に吸着し、それにより、糖類結合部位として作用する遊離のフェニルボロン酸部分を含む単分子層を形成する。前記チオールはその低濃度溶液、好ましくは0.5〜2.5mM、もっとも好ましくは1〜2mMから吸着される。適切な溶媒には、メタノール、エタノール、及びテトラヒドロフラン(THF)がある。SAMの品質は吸着時間に依存している。適切な吸着時間は約12時間から2、3日までの範囲である。吸着時間が長いほど、もっとも高品質のSAMsを形成するのに好ましい。
【0035】
金属表面はSWNTなどのカーボンナノチューブの表面にサブ単層膜(submonolayer)として適切に形成される。金属酸化物又は酸化ケイ素層などの薄い誘電性層は連続的になりうる。適切な基材材料は赤外線、可視光線、及び/又は紫外線の伝達が良好な材料である。
【0036】
PET機構のために、糖類の不存在の下では、金属で覆われたCNTの金属領域は蛍光を発することはなく、糖類の存在の下では、前記金属表面は蛍光を発する。本発明の前記化合物のPET特性は前記チオール基に結合したアルキレン鎖の長さによって変化することがある。
【0037】
図1の構築物は血糖値を連続して監視するために患者に外科的に移植してもよい。グルコースが存在すると発せられる蛍光信号は、光学的手段により測定される。グルコースをインビトロ試料、すなわち患者の生体から採取した試料中で検知するためには、蛍光を大型蛍光検知装置を使って検知してもよいし、又は蛍光検知マイクロ装置を使って検知してもよく、これらも本発明の一部をなすものとする。
【0038】
この光学装置ではレンズも鏡も使用していないため、前記装置の組立てにおいては厳密な整列化(アラインメント)も間隔保持(スペーシング)も要求されない。しかしながら、一連の光源を使用する場合は、前記マイクロチャネルチップと前記光源の間の整列化が必要になる可能性がある。光源がチップの場合、整列シリコン−ガラスアノード接合又はシリコン−ポリマー−ガラス接合により整列化は実現される。
【0039】
本発明のマイクロシステムは、従来の光学検知システムと比較して多くの利点を提供する。従来の光学検知実験台はかさばり、高価である傾向がある。それとは対照的に、小型化システムのほうが安価であり、コンパクトで、必要な試料の量も少なく、使いやすい。これらの利点は糖尿病患者によるグルコースの自己監視のために特に有用であり、重要である。
本発明を限定を意図するものではない以下の実施例によって説明する。
【実施例】
【0040】
実施例1
2−{N−[10−(2−メルカプトエチル)−9−アントリル]メチル−N−メチルアミノメチル}フェニルボロン酸(II)の調製
(2−ブロモメチル)フェニルボロン酸無水物は以下の通りに調製される。図2〜3に示すように、オルトブロモトルエンを25℃でジエチルエーテル中でマグネシウム(1.1当量)と反応させる。グリニャール試薬を−78℃でトリメチルホウ酸(10当量)ジエチルエーテル溶液に液滴にて添加する。前記混合物をさらに2時間攪拌し、次に室温まで温め、さらに2時間攪拌する。ジエチルエーテルを減圧下で除去すると、固体物が水から再結晶化する。生成物であるフェニルボロン酸を一晩真空オーブン内で乾燥させるとフェニルボロン酸無水物(1)が生成する。
【0041】
前記フェニルボロン酸無水物を、溶媒としての四塩化炭素中でNBS(N−ブロモスクシンイミド)(1.1当量)及び触媒としてのAIBN(アゾイソブチルニトリル)と混合する。前記混合物は2時間200ワットランプによる照射下で還流させる。前記溶液を熱いうちにろ過し、溶媒を除去すると2−ブロモメチルボロン酸無水物(2)が生成する。
【0042】
前記ブロモメチルボロン酸無水物をクロロホルム中で9−メチルアミノメチル−10−ヒドロキシエチルアントラセン(3)(2.1当量)と混合し、2時間還流させる。前記混合物を冷たいうちにろ過し、溶媒を除去する。次に、固体物はジエチルエーテルで洗浄し、酢酸エチルから再結晶化すると生成物が得られ、これを硫酸と一緒に25%過剰の含水(48%)臭化水素酸で処理する。前記混合物を数時間還流させる。水不溶層を分離し、引き続いて水、冷濃硫酸、及び炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、分離し、塩化カルシウムで乾燥させ、蒸留すると、対応する臭化物、2−{N−[10−(2−ブロモエチル)−9−アントリル]メチル−N−メチルアミノメチル}フェニルボロン酸(5)が得られる。
【0043】
95%エタノールとチオ尿素の混合物を水蒸気浴上で還流温度にまでにする。水蒸気を止め、前記臭化物を一部分添加する。5分以内に活発な反応が続いて起こり、(5)のイソチウロニウム臭化物塩が溶液から分離する。前記発熱反応を、さらに熱を加えることなく続行させて完了させる。前記イソチウロニウム臭化物塩をろ過により収集し乾燥させる。前記イソチウロニウム臭化物塩と85%水酸化カリウム水溶液の混合物を還流させながら5時間沸騰させる。次に前記フラスコに分液漏斗、ガス注入チューブ、及び蒸気蒸留用の凝縮装置を装備する。窒素を前記注入チューブから入れ、冷却した硫酸水溶液を液滴にて添加する。前記添加は、反応混合物がコンゴレッド試験紙で酸性になるまで続行し、次に20%過剰の酸を添加する。酸添加終了時、窒素の通気を中断し、注入チューブから蒸気を入れる。油分を蒸留液の水から分離し、塩化カルシウム上で乾燥させる。前記粗生成物を窒素雰囲気の下で減圧しながら約25cm(10インチ)ビグリューカラムにより分画すると式IIの化合物を生成する。
【0044】
【化4】

【0045】
実施例2
カーボンナノチューブ上の金サブ単層上(gold submonolayer)の式IIの化合物の自己組織化単分子膜は以下の通りに調製する。
Superslip(登録商標)顕微鏡用ガラスカバースリップをナノチューブチップの基材として使用する。カバースリップは15秒間ピラニア溶液(Piranha solution;30%H:濃HSO=1:3)中で洗浄し、Milli−Q(登録商標)グレード水を使って慎重に洗い流す。次に前記カバースリップを窒素気流中で乾燥させ、真空蒸発器に入れる。白金膜(厚さ約50nm)をPolaron E5000スパッタコーティング装置を使ってカバースリップ上に堆積させ、ニッケル膜を前記白金膜の上に堆積させる。スパッタコーティング装置は、180秒間2.0×10−2mbar及び20mAの状態の下に維持する。
【0046】
次に前記ニッケルと白金膜は、図1Bのアイランド250により表される互いに入り込んだ指紋を生じるようパターニングして、前記ニッケル層は図1Dに示されるようなアイランド(260)を形成するようアニールする。次にカーボンナノチューブを図1Dに示すように前記アイランドを架橋するよう堆積する。金のサブ単層を前記集合体上にスパッタし、前記金スパッタナノチューブは式IIの化合物の溶液中に15時間浸漬する。前記溶液の濃度は溶媒としてTHF:メタノール=9:1中、1.0mMである。固定化のプロセスはSPR分光法により監視する。SAM形成後、前記チップはメタノールで洗い流し、次に窒素下で乾燥させる。
【0047】
希グルコース液に曝露すると、前記SAM集合体は、検知可能な光信号と、近接する電極間の導電性の検知可能な変化との両方を生じる。
参考文献
1. S. Takahashi, et al., Analytical Sciences 2004, 20, 757-759.
2. H. Murakami, et al., Chemistry Letters 2000, 940-941
3. D. Huh, et al., Engineering in Medicine and Biology, 2002, 24th Annual Conference and the Annual Fall Meeting of the Biomedical Engineering Society EMBS/BMES Conference, 2002, Proceedings of the Second Joint Meeting, Volume 2, Oct. 2002, 1642-1643.
【0048】
本明細書において参照又は言及した特許及び出版物はすべて本発明が関連する当業者の技術レベルを示している。当該参照された特許又は出版物はそれぞれが、個別にその全体として参照により組み込まれている、又は本明細書にその全体として記載されている場合と同程度に、参照によって本明細書に組み込まれているものとする。出願人は、前述の引用した特許又は出版物由来のありとあらゆる材料及び情報を本明細書に物理的に組み込む権利を留保する。
【0049】
本明細書に記載の具体的な方法と組成物は、好ましい実施形態を代表するものであり、例となるものであって、本発明の範囲を限定するものとして意図するものではない。他の目的、態様、及び実施形態が、本明細書を検討すると当業者に思い浮かぶであろうが、前記特許請求の範囲によって定義されている本発明の精神内に包含されるものである。本発明の範囲と精神から逸脱することなく、本明細書に開示されている本発明に対してさまざまな代用及び修正を施されることは当業者には容易に明白となるであろう。
【0050】
本明細書に例示的に記載の本発明は、1つ若しくは複数の要素、又は1つ若しくは複数の限定が不在の下で適切に実施されることがあっても、前記要素及び限定は不可欠なものとして本明細書には具体的に開示されてはいない。本明細書に例示的に記載の方法及びプロセスはステップの異なる順序で適切に実施されることがあり、前記方法及びプロセスは本明細書又は特許請求の範囲で示されたステップの順序に必ずしも限定されるものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用しているように、単数形の“a”、“an”、及び“the”は、文脈が別の方法で明確に指示していないかぎり、複数照応を含むものとする。したがって、たとえば、「1台の検出器(a detector)」への言及は当該検出器の複数、その他を含むものとする。本特許は、本明細書に具体的に開示された具体的な実施例、若しくは実施形態、又は方法に限定されると決して解釈してはならない。本特許は、特許商標局の審査官、又はその他の職員、若しくは従業者の述べる意見によって、当該意見が出願人による応答書に具体的に、無制限無条件に明確に採用されていないかぎり、限定されると決して解釈してはならない。
【0051】
すでに使用されている用語及び表現は説明の用語として使用され、決して限定の用語として使用されるものではなく、当該用語及び表現の使用において、示され説明されている特徴又はその一部のいかなる対等物をも排除する意図はまったくないが、請求されている本発明の範囲内で種々の修正が可能であることは認識されている。したがって、本発明は好ましい実施形態及び随意的な特徴により具体的に開示されているが、本明細書に開示されている概念の修正及び変形が当業者によって用いられることがあること、及び当該修正及び変形が添付された特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲内にあると考えられることは理解されるであろう。
【0052】
本発明は本明細書に広く一般的に説明されている。前記一般的開示内に収まるさらに狭義の種及び亜属集団もそれぞれが本発明の一部を形成する。これには、そのような属からいかなる主題を取り除く但し書き又は消極的限定付きで、本発明の包括的説明が含まれ、削除された材料が本明細書で具体的に列挙されているかどうかとは無関係であるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図1B】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図1C】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図1D】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図1E】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図1F】本発明のバイオセンサーの形成の概略図である。
【図2】化合物4の合成の概略図である。
【図3】式IIの合成の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その外面上に堆積される自己組織化単分子膜(SAM)のための基材の薄層を有し、前記基材上に式−R−Xの基を含むSAMを含む、カーボンナノチューブであって、
Rは有機連結部分であり;Xは結合部分であって、分析物と相互作用すると、検知可能な信号を発生する、又は前記ナノチューブが水環境中で前記基材に曝露されると、前記カーボンナノチューブの導電性を変える;前記カーボンナノチューブ。
【請求項2】
前記基材が金属のサブ単層である請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項3】
前記金属が金、銀、銅、パラジウム、白金、GaAs、又はInPである請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項4】
前記SAMが有機チオールを含む請求項2又は3に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項5】
前記金属が金であり、前記SAMが有機チオ基又は有機スルホニル基を含む請求項3に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項6】
前記基材がSiO層、又はSi−OH、Si−H若しくはSi−Cl基を含むケイ素層である請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項7】
Rが前記基材層のケイ素原子に直接結合している請求項6に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項8】
≡Si−O−R−X基を含む請求項6に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項9】
前記SAMが、前記基材をX−R−SiCl、X−R−Si(OR、(X−R−CO、X−R−CH=CH、X−R−Li又はX−R−MgX(Rは(C〜C)アルキルである)と反応させることを含むプロセスによって形成される、請求項6に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項10】
前記基材が金属酸化物層である請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項11】
前記金属酸化物層がTa/TiOである請求項10に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項12】
前記SAMが、前記基材層をX−R−COH、X−C(O)NHOH又はX−R−POと反応させることを含むプロセスによって形成される、請求項10又は11に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項13】
Rが(C〜C30)アルキル、(C〜C30)アルキル(C〜C12)アリール、(C〜C12)アリール(C〜C30)アルキル又は(C〜C30)アルキル(C〜C12)アル(C〜C30)アルキル(ここで、アルキルはNH、N(C〜C)アルキル、O、S、−CH=CH−、−C≡C−又はその組合せにより任意に割り込まれている)、請求項1、2、6又は10に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項14】
Xが酵素である請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項15】
Xがグルコースオキシダーゼであり、前記分析物がグルコースである請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項16】
Xが−B(OH)であり、前記分析物が糖類である請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項17】
前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである請求項1に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項18】
前記ナノチューブ外面と前記金属サブ単層の間に誘導性酸化物層をさらに含む請求項2に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項19】
その外面上に堆積された誘導性酸化物膜、及び前記酸化物膜上に式(RSi−(R)−X、X−R−COH、X−R−C(O)NHOH又は(HO)P(O)−(R)−Xの化合物の自己組織化単分子膜を有するカーボンナノチューブであって、
はCl、Br又は(C〜C)アルコキシであり;前記化合物の各(RSi−基又は(HO)P(O)−は前記酸化物層に結合しており;Rは有機連結部分であり;Xは結合部分であって、分析物と相互作用すると、検知可能な信号を発生する、又は前記ナノチューブが水環境中の前記分析物に曝露されると前記カーボンナノチューブの伝導度を変える;前記カーボンナノチューブ。
【請求項20】
Rが(C〜C30)アルキル、(C〜C14)アリール、(C〜C30)アルキル(C〜C14)アリール、(C〜C30)アルキル(C〜C14)アル(C〜C30)アルキル又は(C〜C14)アル(C〜C30)アルキル(ここで、アルキルは−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、NH又はN(C〜C)アルキルにより任意に割り込まれている)、請求項19に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項21】
Xが酵素である請求項19に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項22】
Xがグルコースオキシダーゼであり、前記分析物がグルコースである請求項21に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項23】
Xが−B(OH)であり、前記分析物が糖類である請求項19に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項24】
前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである請求項19に記載のカーボンナノチューブ。
【請求項25】
水性媒体中のグルコースの濃度を検知する方法であって、
請求項1又は19に記載のカーボンナノチューブをグルコースを含む水性媒体に接触させること及び前記水性媒体中のグルコースの存在により引き起こされる前記カーボンナノチューブの導電性又は蛍光性の変化を測定することを含む、前記方法。
【請求項26】
前記水性媒体が水である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記水性媒体が血液又は血漿である請求項26に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−545969(P2008−545969A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514863(P2008−514863)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/021302
【国際公開番号】WO2007/064355
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】