説明

カーボンナノチューブFETを使用するダウンホール検知システム

坑井内の局所条件を検出すべくダウンホールで使用するように構成又は設計された地下検知装置を提供する。検知装置は、ボアホール内のダウンホールで動作するように構成又は設計された少なくとも1つのカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を有するトランジスタを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2007年12月27日に出願された米国仮特許出願第60/016,820号の優先権を主張するものであり、該特許はその内容全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に地下層からのデータを収集するためのダウンホールシステムに関する。より具体的には、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を使用して構成又は設計された装置を有するダウンホール検知システムに関する。このような検知システムを使用して、高温状態のダウンホールデータを収集して記憶することができる。
【背景技術】
【0003】
油脈及びガス鉱床の回収を強化及び観察するために、長年にわたってボアホールの検層及びモニタリングが行われてきた。炭化水素又は水の貯層を探査、開発及び管理し、CO2などの物質を隔離するために、検層作業によって地層に関するデータが取得される。通常、ワイヤライン検層、掘削時測定(MWD)及び掘削時検層(LWD)を含むこのような作業は、データを収集、記憶、及び送信するための様々な検知部品を有するダウンホールツールを使用する。
【0004】
ボアホールの検層では、地下で測定を行う1つの方法として、地表システムに接続された配線に1又はそれ以上のツールを取り付けることが挙げられる。その後、配線によってボアホール内にツールが降ろされ、測定を行いながらボアホールを通じて地表に引き戻される(「検層される」)。通常、この配線は、データ送信能力が限定された導電性ケーブルである。
【0005】
同様に、永続的センサを有する永続的モニタリングシステムが設置され、通常このセンサも電気ケーブルに取り付けられる。坑井の掘削後、掘削孔内に存在する炭化水素及びその他の流体を分析するために、及び掘削孔内の流体流を制御するために様々な検知部品をプロダクションチュービングに固定することができる。この場合、通常、プロダクション検層のために様々な検知部品が使用される。
【0006】
完成した坑井内にセンサを配備することを必要とするその他の用途に、長期にわたる油層のモニタリング及び永続的モニタリングがある。様々な手段によってセンサアレイを坑井内に配備し、処理及び分析のために遠隔測定システムによってセンサデータを収集し、アップホールへ送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,780,575号公報
【特許文献2】米国特許第3,859,851号公報
【特許文献3】米国特許第4,860,581号公報
【特許文献4】米国特許第6,630,890号公報
【特許文献5】国際特許公開WO2005/066618号
【特許文献6】米国特許出願US12/239,822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
掘削技術における最近の動向では、油田又はダウンホール環境の掘削中に、ダウンホールツールが様々なデータを高感度又は高選択性により効果的に収集できることが必要である。この場合、様々なデータを高感度又は高選択性によりリアルタイムで取得できる改善された検知システムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は上述の及びその他のニーズに対処する。具体的には、本開示は、地下調査ツールのために特に有用となり得るダウンホール用の高温システムのための装置及び方法を提供する。
【0010】
上述した背景、並びに油田探査及び開発、貯水層の管理、及びCO2などの物質の隔離の分野で公知のその他の要因を受けて、本明細書では、油田又は地下環境における効果的なデータ取得に適したセンサ装置を備えた検知システムのいくつかの実施形態を開示する。このセンサ装置は、ダウンホールで使用するための高感度かつ小型のセンサを提供するために、1又はそれ以上のカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を使用する。
【0011】
本開示の1つの態様では、地下ツールが、地層を横切る坑井内のダウンホールで動作するように構成される。いくつかの態様では、ツールが、坑井内の局所状態を検知するためにダウンホールで使用するように構成又は設計された検知装置を備え、この検知装置は、ボアホール内のダウンホールで動作するように構成又は設計された少なくとも1つのカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を備える。少なくとも1つのCNT FETを、ボアホール内のダウンホールの物理及び/又は化学特性を検知するように構成又は設計することができる。
【0012】
本開示の或る態様では、少なくとも1つのCNT FETがサイドゲートFETを含む。本明細書における他の態様では、1又はそれ以上のCNT FETがトップゲートFETを含む。さらに他の態様では、CNT FETがバックゲートCNT FETを含む。本開示のさらなる態様では、CNT FETが同軸ゲートFETを含む。
【0013】
少なくとも1つのCNT FETを、約115℃を超える、例えば約200℃のダウンホール温度で使用するように構成又は設計することができる。本開示の或る態様では、CNT FETを化学プローブとして機能するように修飾することができる。本明細書における他の態様では、化学プローブをCNT FETに固定することができる。
【0014】
CNT FETを、ダウンホール用途のための様々な光学装置として機能するように構成又は設計することができる。いくつかの考えられる実施形態では、検知装置が少なくとも1つの光学装置を含み、この光学装置は、ボアホール内のダウンホールの感光性検出器として機能するように構成又は設計された少なくとも1つのCNT FETを備える。地下ツールは、少なくとも1つの光学装置を含む1又はそれ以上の光通信モジュールを含むことができる。地下ツールは、少なくとも1つの光学装置を含む1又はそれ以上のダウンホール流体分析モジュールを含むことができる。
【0015】
さらなる実施形態では、検知装置が化学センサを含む。この化学センサはガス検出器を含むことができる。
【0016】
本開示によるダウンホール化学検知システムは、地表遠隔測定ユニットを含む地表データ取得ユニットと、ダウンホール遠隔測定カートリッジと、地表データ取得ユニットとダウンホール遠隔測定カートリッジとの間の通信インターフェイスと、ダウンホール遠隔測定カートリッジとダウンホールツールの間に動作可能に接続されたダウンホール電気ツールバスとを備え、ダウンホールツールは、坑井内の局所状態を検知するためにダウンホールで使用するように構成又は設計された化学検知装置を含む。化学検知装置は、化学特性を検出するためにボアホール内のダウンホールで動作するように構成又は設計された1又はそれ以上のカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を備える。
【0017】
本開示による流体分析システムは、地層を横切る坑井内の約115℃を超える高温のダウンホールで動作するように構成される。或る態様では、システムが、ボアホール内で関心信号を測定してダウンホールの地層流体の特性を求めるための少なくとも1つの光学センサを備え、この少なくとも1つの光学センサが、ボアホール内で感光性検出器として機能するように構成又は設計された1又はそれ以上のカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を含む。さらなる態様では、CNT FETを、ボアホール内の約115℃を超える温度のダウンホールで動作するように構成又は設計することができる。
【0018】
以下の説明ではさらなる利点及び新規の特徴を示すが、或いは当業者であればこれらの内容を読み又は本発明を実施することによりこれらを把握することができるであろう。添付の特許請求の範囲に示す手段を通じて本発明の利点を得ることができる。
【0019】
添付図面は本発明の好ましい実施形態を示し、本明細書の一部でもある。以下の説明と共に、図面により本発明の原理を実証及び説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本明細書における本開示によるダウンホールツール検知システムの1つの考えられる作業状況を示す図である。
【図2(a)】本開示によるダウンホールツールの1つの構成を示す図である。
【図2(b)】本開示によるダウンホールツールのさらに別の考えられる構成を示す図である。
【図3(a)】サイドゲートCNT FETの構造の概略図である。
【図3(b)】Si FET及びCNT FETのゲート容量及びゲート電圧の比較を示す図である。
【図4】トップゲートCNT FETの概略図である。
【図5】バックゲートCNT FETの概略図である。
【図6】同軸ゲートCNT FETの概略図である。
【図7(a)】高温におけるバックゲートトCNT FETの電流‐電圧特性を示す図である。
【図7(b)】高温におけるバックゲートトCNT FETの電流‐電圧特性を示す図である。
【図8】本開示による化学センサとして構成又は設計されたバックゲートCNT FETの概略図である。
【図9】本開示による受光素子又は光検出器の概略図である。
【図10】本開示によるCNT FETを製造するための1つの考えられる工程を示す図である。
【図11(a)】本開示による1つの考えられる化学センサモジュールを示す図である。
【図11(b)】本開示による化学センサモジュール内のマイクロ流体チップ(MFC)を示す図である。
【図11(c)】本開示によるMFC上の流体フローチャネルの概略図である。
【図12(a)】本開示による溶解化学物質のための1つの考えられるCNT FET化学検知システムを示す図である。
【図12(b)】本開示による溶解化学物質のための1つの考えられるCNT FET化学検知システムを示す図である。
【図13】本開示の実施形態による1つの考えられる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面全体を通じて、同一の参照数字は類似の要素を示すが、これらが必ずしも同一の要素であるとは限らない。本発明は、様々な修正及び代替の形態が可能であるが、図面には特定の実施形態を一例として示し、本明細書ではこれについて詳細に説明する。しかしながら、本発明が、開示する特定の形態に限定されることを意図されるものではないと理解すべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲に含まれる全ての修正物、同等物及び代替形態を対象とする。
【0022】
以下、本発明の例示的な実施形態及び態様について説明する。説明を明確にするために、本明細書では実際の実施構成の特徴を全て説明するとは限らない。当然ながら、あらゆるこのような実際の実施形態の開発においては、実施構成ごとに異なるシステム関連及びビジネス関連の制約の順守のような開発者の特定の目的を達成するために数多くの実施構成特有の決定を行う必要があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間のかかるものである可能性があるが、それにもかかわらず、これらは本明細書における開示の恩恵を受ける当業者のために行われる経常的業務であることを理解されたい。
【0023】
明細書全体を通じて、「1つの実施形態」又は「或る実施形態」又は「いくつかの実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、明細書全体を通じて様々な場所に出現する「1つの実施形態において」又は「或る実施形態において」又は「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を示しているとは限らない。さらに、1又はそれ以上の実施形態において特定の特徴、構造、又は特性を適当な方法で組み合わせることができる。
【0024】
明細書及び特許請求の範囲全体を通じて使用される「ダウンホール」という用語は、地下環境、特に掘削孔内のことを意味する。「ダウンホールツール」は、以下に限定されるわけではないが、検層ツール、撮像ツール、音響ツール、永続的モニタリングツール、及び組み合わせツールを含む、地下環境で使用されるあらゆるツールを意味するために広く使用される。「高温」とは、約115℃を超えるダウンホール温度を意味する。「光学装置」は、電磁放射線を生成し、操作し、又は測定するあらゆる装置、すなわち光を生成又は制御する装置を意味するために使用される。「含む(including)」及び「有する(having)」という単語は、「備える(comprising)」という単語と同じ意味を有するものとする。
【0025】
さらに、発明の態様は、単一の開示した実施形態の全ての特徴よりも少ないものにより成立する。従って、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、本明細書によりこの詳細な説明に明確に組み入れられ、個々の請求項は、それ自体が本発明の独立した実施形態として成立する。
【0026】
本開示は、ボアホール内で、ダウンホールの環境及びツールパラメータに関するデータを検知する目的で構成又は設計された1又はそれ以上のCNT FETを利用する様々なダウンホールツール及びシステムを企図するものである。この場合、本明細書に開示するツール及び検知システムは、ダウンホールツールの構成部品に関する特性、並びに高温高圧下の地層パラメータを効果的に検知して記憶することができる。本開示によって企図される検知システムにより、油田探査及び開発における関心化学物質及び化学特性を測定して記憶することもできる。本明細書における検知システムを、例えば、配線検層ツール、掘削時測定及び掘削時検層ツール、永続的モニタリングシステム、ドリルビット、ドリルカラー、ゾンデなどのツールシステムに組み込むことができる。本開示の解釈上、配線、ケーブルライン、スリックライン又はコイルドチュービング或いは搬送という用語のいずれかの1つを使用する場合、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、上述した配備手段のいずれか、又は他のいずれかの適当な同等手段を本開示とともに使用できることを理解されたい。
【0027】
本開示は、上記で特定した課題又は当業で公知のその他の課題の1又はそれ以上の影響を改善し、或いは少なくとも低減させることを目的としたいくつかの実施形態を提供する。
【0028】
半導体的挙動及び良好な電子伝達特性を有するいくつかのCNTが、耐熱性かつ高速の電子装置に適している。このようなCNTは、多くの場合ジグザグカイラル型構造を有する。しかしながら、本開示の原理に基づいて、半導体的特性を示すその他の一般的なカイラル型を使用することもできる。特に、これらのCNTを電界効果トランジスタ(FET)などのトランジスタに適用したときに、このトランジスタが、Si FETに匹敵する又はこれよりも高い感度で物理及び/又は化学特性を効果的に検知することができる。
【0029】
多くの考えられる実施形態の1つでは、高温ダウンホール油田センサシステムを提供する。他の考えられる実施形態では、高温ダウンホール遠隔測定システムを提供する。高温ダウンホール油田システムは、ダウンホール光学装置、及び任意でダウンホールシステムと地表データ取得システムとの間に延びる通信ファイバ又はケーブルを備え、ダウンホール光学装置は、少なくとも115℃の高温操業に耐えるのに適したCNT FETなどの高温ダウンホール用途のために構成又は設計された1又はそれ以上のトランジスタを備える。
【0030】
本明細書で説明する原理は、高温用途のダウンホールツール及びセンサを使用して、化学センサ、流体分析センサ、又はその他の手段による検知及び通信を容易にする方法及び装置を企図するものである。ダウンホールツールにおけるCNT FETの使用は、検知の際にこれまで得られていたものよりも高い感度及び選択性を提供する。本明細書で説明する原理は、高温環境においても、検知、並びにダウンホールツール及びセンサと関連する地表システムとの間の通信を容易にする。
【0031】
上述したように、より高い分解能の検知ツールに対する需要が急激に増大している。本開示は、高温ダウンホール環境内における検知システムの実現技術を提供する。本明細書で提案する解決法は、ツール及びシステムのコストを削減し、ツールの信頼性を改善し、高感度ツールセンサを提供する。本明細書で説明するツールアーキテクチャは、既存のツールアーキテクチャに対して大幅な拡張能力を提供し、既存のツールがより大きな機能性及び貢献を提供できるようにする。この場合、本開示における発想の結果、現在利用可能なシステムでは実現されなかった新たなツールの設計及び応用が可能となる。
【0032】
いくつかの実施形態では、例えばSchlumberger社のモジュラーフォーメーションダイナミックテスター(MDT)内で1又はそれ以上の流体分析モジュールを使用して、油田の探査及び開発のダウンホール流体分析などの領域で本開示を適用することができる。本明細書で開示するダウンホールツールは、油田環境などの極端な条件に適応性がある。このようなダウンホールツールを使用して、高温条件下でダウンホールデータを収集して記憶することができる。
【0033】
図1は、本開示によるダウンホールツールを利用した地層流体のダウンホール分析及びサンプリングのためのシステムの例示的な実施形態である。図1は、本発明の利用に関する1つの考えられる設定及びその他の作業環境を示しており、これも本開示によって企図される。
【0034】
図1では、ボアホールすなわち掘削孔12を有する坑井サイトの地層面210に作業車10が位置し、ボアホール12内にダウンホールツール20が懸架されている。通常、ダウンホールツール20は、地層面210においてウインチ又はケーブルドラム16に巻き取られるケーブル22の下端から懸架される。ボアホール12は115℃以上のような高温状態に曝される可能性があるので、ダウンホールツール20は高温に耐える必要がある。
【0035】
通常、ボアホール12には、水、泥水ろ過液、地層流体などの混ざったものが含まれる。ダウンホールツール20を使用して、地層を試験し、地層から採取した組成物を分析することができる。ダウンホールツール20を使用して、例えば、流量、温度、圧力、流体特性、ガンマ放射特性などの様々なパラメータを測定することができる。また、ダウンホールツール20は、流体注入、地層破壊、地震のマッピングなどをモニタする機能を有することができる。ダウンホールツール20は、配線ツール、配線検層ツール、ダウンホールツールストリング、又はドリルカラー、ゾンデ、ドリルビット、掘削時測定ツール、掘削時検層ツール、永続的モニタリングシステムなどのその他の公知の配備手段であってもよい。
【0036】
本明細書で開示する検知装置は、マイクロ電気機械システム(MEMS)を含む。本開示は、環境パラメータ及びツールパラメータに関するデータを検知し、記憶し、送信する目的で、高温電子機器を使用するダウンホールツール20を使用することを企図している。この場合、開示する装置は、ダウンホールツール20の構成部品に関する特性、並びに高温及び高圧下での地層パラメータを効果的に検出して記憶することができる。
【0037】
配線ツールの通常の動作期間は5〜50時間であり、LWDツールの場合は1日〜3週間であり、永続的モニタリングツールの場合は1年〜10年又はそれ以上である。従って、ダウンホールツール20に含まれる検知装置には、修理せずに通常の動作期間を延長させることができ、ダウンホールツール20の信頼性及び堅牢性を向上させることができ、また従来の設備を上回るより高い検知感度及び選択性を提供できることが求められる。
【0038】
ケーブル22は、多心検層ケーブル、配線、又は当業者に公知のその他の搬送及び/又は通信手段であってもよい。作業車10は地表システム200を含む。地表システム200は、ダウンホールツール20のための適当な電子制御及び処理システム、並びに遠隔測定能力を有することができる。通常、ケーブル22は地表システム200に電気的に結合される。
【0039】
図2(a)は、本開示による、例えば化学センサモジュール50を利用した、地層流体のダウンホール分析及びサンプリングのためのダウンホールツール検知システムの例示的な実施形態である。図2(a)では、高温用途のためのボアホールシステムが、地層を試験し、地層から採取された組成物を分析するためのボアホールツールストリング20、又はドリルカラー、ゾンデなどのその他の公知の配備手段を含む。ボアホールツール20を、ボアホール内で多心検層ケーブル又は配線22の下端から、或いは当業者に公知のその他の搬送手段により懸架することができる。通常、検層ケーブルは、ボアホールツールのための適当な電子、処理及び遠隔測定システムを有する地表システム200に電気的に結合される。
【0040】
ボアホールツールは、ボアホールツールに必要かつ所望の機能を提供するための様々な電子部品及びモジュールを含み、これらを図2(a)に概略的に示している。ボアホールツールの例は、同一出願人による米国特許第3,780,575号、第3,859,851号、及び第4,860,581号に開示されている。
【0041】
ツール本体内に1又はそれ以上の流体分析モジュール60を提供することができる。地層及び/又はボアホールから得られた流体は、フローライン62内を流れ、流体分析モジュール60及び(単複の)化学センサモジュール50を経由し、その後この流体を送出モジュール64のポートを通じて放出することができる。この場合、化学センサモジュールが、化学センサモジュールほどの感度で化学種を検出できない流体分析モジュールに対する相補的な役割を果たすことができる。或いは、ダウンホールツールを小型化するための要望又は必要性に応じて、化学センサモジュールが流体分析モジュールに取って代わることができる。任意に、フローライン62内の地層流体を、地表へ輸送するために地層から得られた流体を受け入れて保持するための1又はそれ以上の流体収集チャンバ66/68へ導くことができる。
【0042】
プローブ70及び/又はパッカーモジュール72などの流体受入アセンブリ、1又はそれ以上の流体分析モジュール60及び/又は化学センサ50、流路62及び収集チャンバ66/68、及びボアホールツールのその他の動作要素は、電気制御システムにより制御される。このシステムは、ボアホールツールに動作可能に接続された制御プロセッサを含むことができる。本明細書で説明する方法を、プロセッサ内で実行されるコンピュータプログラムの形で具体化することができる。動作時には、プログラムが、例えば、流体分析モジュールからのデータをケーブルを介して受信し、制御信号をボアホールの動作要素へ送信するように結合される。
【0043】
図2(b)は、地表制御システム200及びダウンホールツール20の別の考えられる実施形態を示している。この実施形態では、地表システム200が、データ通信ユニット202と処理及び制御ユニット204とを含む。データ通信ユニット202は、制御信号を出力し、この制御信号がダウンホールツール20に届くようにケーブル又はファイバ22を介してダウンホールツール20に動作可能に接続された制御プロセッサを含むことができる。この例では、ダウンホールツール20が、遠隔測定カートリッジ140、例えば電気ツールバスを有する電子カートリッジ110、及びツールシャトル1601、1602、・・・、160nの配列、及びアレイターミネータ180をボアホール12内に上から下へこの順序で含む。遠隔測定カートリッジ140は、地表システム200と通信する。この構造は、同一出願人による米国特許第6,630,890号に開示されており、該特許の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0044】
図2(b)のダウンホール20は、電子カートリッジ110内に入れられたダウンホール検知及びデータ取得システム、及びツールシャトル1601、1602、・・・、160nの配列を含むことができる。
【0045】
本明細書で説明する方法を、プロセッサ204内で実行されるコンピュータプログラムの形で具体化することができる。このコンピュータプログラムを、プロセッサに付随するコンピュータ使用可能記憶媒体に記憶することができ、或いは外部のコンピュータ使用可能記憶媒体に記憶し、必要に応じて使用するためにプロセッサに電子的に結合することができる。記憶媒体は、ディスクドライブにはめ込まれた磁気ディスク、又は光学的に読み込み可能なCD−ROM、或いは交換通信リンクを介して結合された遠隔記憶装置を含むその他のあらゆる種類の可読装置などの現在公知の記憶媒体のうちのいずれかの1又はそれ以上であってもよく、或いは本明細書で説明する意図及び目的に適する将来的な記憶媒体であってもよい。動作時には、データを受信して制御信号を送信するために、プログラムがダウンホールツール20の動作要素にケーブル22を介して結合される。
【0046】
図3(a)は、CNT FET100の1つの実施形態を示している。CNT FET100は、Si半導体基板104上にSi02層102を有する。Si02層102上には、ソース電極106及びドレイン電極108が提供される。図3(a)の装置は、ソース電極106とドレイン電極108との間にチャネル110を形成するように提供されたカーボンナノチューブ(CNT)を有する電界効果トランジスタ(FET)である。ゲート電極112とチャネル110との間の静電容量(以下「ゲート容量」又は「CG」と呼ぶ)は、10-17〜10-18Fであると推定される。この推定静電容量は、Si FETの静電容量(10-15F前後)よりもかなり小さい。従って、例えば特定の化学種との接触などの外部刺激に起因してゲート電極の表面電荷が僅かに変化しただけも、ゲート電圧は大きく変化する。
【0047】
図3(b)は、Si FET及びCNT FETの計算した感度を示す表である。ソース電極とドレイン電極との間のチャネルに電子が入り込んだ場合、CNT FETは、ゲート容量(CG)の差異に起因して、Si FETよりもかなり高いゲート電圧(VG)を有することができる。
【0048】
図3(a)に示すCNT FETはサイドゲートFETであり、ゲート電極112がチャネル110の近くに配置される。このようなサイドゲートCNT FETのチャネルは短く、これは回路の集積に有利である。
【0049】
図4は、トップゲート型CNT FET100の概略斜視図である。図3のサイドゲートCNT FETとは異なり、トップゲートCNT FETはCNTチャネル110の上部にゲート電極112を有する。トップゲートCNT FETは、電気的に分離されたゲート電極を有する。このような電気的分離は、個々のCNT FETを電気的に制御できるという理由で集積回路において有用である。
【0050】
図5は、CNT FETのさらに別の実施形態を示している。図示のCNT FET100はバックゲート型CNT FETである。バックゲートCNT FETでは、ゲート電極112がSi半導体基板104の裏面に提供される。バックゲートCNT FETは、図3のサイドゲートCNT FETとは異なる構造を有する。バックゲートCNT FETは、化学プローブをバックゲートに取り付けることが容易になるように短いCNTチャネル110を有する。CNTチャネル110をSi34の保護層で被覆することができる。図5では、以下でより詳細に説明するように、CNTの成長のためにSiO2層102上に触媒層114が提供される。
【0051】
図6は、CNT FETの別の種類のゲート構造を示している。図6では、ソース電極106とドレイン電極108との間に同軸ゲート電極112が提供される。図6の同軸ゲート電極のCNT FETでは、CNTが高い幾何学的対称性で被覆され、より良好な電気的性能結果をもたらす。
【0052】
図7(a)及び図7(b)は、約200℃及び大気圧でのバックゲートCNT FETの電流−電圧特性を示している。図7(a)及び図7(b)に示すように、ゲート電圧(VG)が−5Vから+5Vまで変化するにつれて、ソース−ドレイン電圧(ISD)対ソース−ドレイン電流(VSD)が適宜変化する。このことは、バックゲートCNT FETが、200℃で約1時間の間半導体的特性を保持できることを示している。従って、既存のパッケージング技術を使用してCNT FETを適当にパッケージングして高圧条件から保護すれば、CNT FETを高圧のダウンホール環境で使用することができる。
【0053】
本発明者らは、本明細書で説明する種類のCNT FETが、化学センサとして特に有用であることを認識した。特定の化学種がCNT FETのゲート電極に接触した場合、ゲート電極がゲート容量を変化させ、この結果CNT FETのゲート電圧が大きく変化する。図8は、化学センサとして構成又は設計されたバックゲートCNT FETの概略図である。図8のCNT FET100では、バックゲート電極112が、化学プローブを取り付けられるように物理的又は化学的に修飾される。化学修飾ゲート電極は、より高い化学的選択性を有する。或いは、CNT FETに化学プローブを物理的又は化学的に取り付けることもできる。この場合、意図する目的に適したあらゆる化学プローブを使用することができる。例えば、同一出願人による国際特許公開WO2005/066618号は、例えばCO2、H2S、Hg、CH4、C26、H2などの蒸気又はガス、とりわけH+、Na+、Cl−、炭酸塩、硫酸塩、Ba2+、Ca2+、Sr2+などのイオン、或いはアスファルテンなどの重質炭化水素成分を測定するために、本明細書で説明する原理に基づいて使用することができる考えられる化学プローブを開示している。
【0054】
CNT FETを化学センサとして構成又は設計した場合、センサが化学種の検知に対して非常に高速の応答を行うであろう。これは、バリスティック伝導の効果により、半導体CNTがCNT内で電子及び/又は正孔を散乱させずに動かすことができるからである。
【0055】
本発明者らは、CNTを様々な光学装置で使用できることをさらに認識した。CNT FETを光学材料と組み合わせることにより、光学材料内で発生する光キャリアの検出においてCNT FETが高感度を有する高感度光検出器が実現される。半導体のCNTは、直径に依存するエネルギーバンドギャップを有する。直径を制御することにより、半導体CNTが、適切な受光素子、すなわち特にダウンホールでの光通信、蛍光分析及びその他のあらゆる種類の分光法用途に有用な光検出器を提供することができる。例えば、同一出願人による同時係属中の米国特許出願US12/239,822号は、本開示の原理に基づいて実装できる光検出器などの光学装置を有するいくつかの考えられるダウンホールツールを開示している。
【0056】
図9は、受光素子又は光検出器300を概略的に示している。図9の受光素子又は光検出器300は、ゲート電極が存在しないことを除き、バックゲート又はサイドゲートCNT FETと同様のものである。CNTチャネル110にレーザビームなどの光ビームが入射すると、ドレイン電極108とソース電極106の間の電圧に基づいてこれらの間に光電流が発生する。CNTを有するこのような複合構造を内部で光キャリアが発生する全ての光学材料又は多層構造に適用することができ、この結果広い波長において高感度を有する光検出器が実現される。
【0057】
図10は、本開示の原理によるCNT FETを生産するための1つの考えられる工程を示している。ステップ1において、Si半導体基板104にフォトレジスト(PR)コーティング材を施す。必要であれば、その後コーティング材を加熱して溶媒を除去し、フォトマスクを介して紫外線、X線又はガンマ線或いは電子ビームに曝す。次に、コーティング材が展開すると、基板上にPRパターン層が形成される(図10ステップ1)。図10に示すパターン層は、2つの分離した凹部を有する。ナノサイズFe粒子を含む触媒を基板上に堆積させた後、2つの凹部を触媒で満たす(図10ステップ2)。触媒はFeに限定されず、ナノサイズNi、Co及び/又は他のいずれかの遷移金属粒子を含むことができる。
【0058】
ステップ3において、PRパターン層をリフトオフ加工し、満たされた触媒部分のみを残す。次に、ステップ4において、触媒部分を有する基板を反応チャンバ内に配置し、メタン(CH4)の前駆体ガスを中に流す一方で、基板を約2時間の間900℃前後に加熱する。この場合、触媒部分が前駆体ガスに曝され、これが触媒部分と反応し、及び/又はこれを分解してこれらの間にCNTを形成する(図10ステップ4)。前駆体ガスはCH4ガスに限定されず、例えば前駆体ガスとしてC22ガスを使用することもできる。
【0059】
図11(a)〜図11(c)に示すように、前述のCNT FET技術を化学センサに適用することができる。図11の化学センサモジュールは、マイクロ流体チップ又はラボオンチップ(MFC)のパッケージングを有する。MFCに入口及び出口を接続して(図11(a)を参照)パッケージから突出させることにより、流体分析のために地層流体サンプルがMFCを貫流できるようになる。MFCとは、微細加工技術により形成されたマイクロチャネルをガラス基板上に有する装置のことである。MCFのマイクロチャネルと直列にCNT FETが配置される(図11(c)を参照)。個々のCNT FETは、異なる化学種を検出するために異なる化学プローブを有することができる。地層流体サンプルがマイクロチャネルを通過すると、CNT FETがサンプル内の様々な標的化学種を選択的に検出することができる。CNT FETは、電気リードに電気的に接続され(再び図11(a)を参照)、この電気リードはパッケージから突出して、処理及び分析のために電気信号を他のシステム電子機器へ送信する。
【0060】
本明細書で開示する方法及び電子機器を、Schlumberger社の地層テスターツールであるモジュラーフォーメーションダイナミックテスター(MDT)の1又はそれ以上の流体分析モジュールの形で具体化することができる。モジュールは、圧力、温度、流体流、及び振動などの局所的な環境条件を検出するためのセンサを含むことができる。地表データ処理用電子機器を検層設備(図示せず)に結合して、ここで遠隔測定された情報を収集し、記録し、処理し、分析することができる。
【0061】
上述の原理は、MEMS/マイクロ流体装置のみならず、マクロスケールのセンサ装置又はシステムにも適用可能である。図12(a)は、フローライン402に付随するガス検出ユニット400を有するCNT FET検知システムの別の実施形態を概略的に示している。フローライン402は、例えば溶解したガス分子などの化学物質を有する液体のような流体が内部を貫流するように構成又は設計される。フローライン402にはガス検出チャンバ404が接続され、或いは組み込まれる。ガス検出チャンバ404は、関心標的分子「A」のために選択された選択性透過膜406を介してフローライン402と流体連通する。膜406の逆側にはCNT FETセンサ408が位置する。CNT FETセンサ408は、関心分子「A」を選択的に捕捉するプローブ層とともに構成又は設計される。フローライン402内の液体に溶解した化学物質が選択的に分離され、ガス分子「A」が、選択透過膜402を介してガス検出チャンバ内404に入るようになる。その後、ガス分子「A」はチャンバ404内を進んでCNT FETセンサ408に接触する。CNT FETセンサ408は、ガス「A」の検出用プローブでガス分子「A」を捕捉する。
【0062】
単一のフローライン上に複数のガス検出ユニット又はチャンバを配置できることが企図されている。複数のガス検出ユニット又はチャンバを使用して、単一のガス又は複数の標的ガス分子を検出することができる。さらに、複数のガス分子を検出するために、検出ユニット又はチャンバが、異なるプローブ層を有する追加のCNT FETセンサを含むことができる。ガス検出ユニットが、検出後にガス検出ユニットのプローブからガス分子を分離できるようにヒーターをさらに備えることができることをさらに想定している。この結果、ガス検出ユニットを繰り返し使用することができる。
【0063】
図12(b)は、図12(a)に関して上述した原理に基づく装置の1つの考えられる実施形態を示している。図12(b)では、1又はそれ以上のCNT FET検出ユニット408を内部に有するセンサバルクヘッド420内にガス分離膜406が含まれる。膜406によるガス分子の分離後に、センサ408がガス分子を検出して対応する信号を生成し、これがセンサバルクヘッド420から出力される。
【0064】
本明細書で開示する検知システムを、ゾンデを使用する坑井内の配線検層作業に利用することができる。或いは、掘削孔内にゾンデを配備するためにコイルドチュービングを採用することができる。本明細書における検知システムをフローのモニタリング及びプロダクションに関するその他の用途に利用することができ、本明細書に開示する検知システムに基づいてプロダクション検層ツールを構成することができる。上述のCNT FET化学センサを使用して様々な化学的性質及び化学物質を測定することができる。この場合、本開示はまた、本明細書で説明する検知目的のための配線又はスリックラインツールも企図する。追加のモニタリング用途として、とりわけ当業者に公知のダウンホールツールによる流体注入、地層破壊、及び地震のマッピングが挙げられる。
【0065】
図13は、ツールの動作のための1つの考えられる方法500を示しており、この方法では、例えば約115℃又はそれ以上の200℃前後などの高温環境内にツールを配備して(ステップ510)、周囲流体及び/又は地層の環境パラメータ並びに密度、粘度、空隙率及び/又は抵抗率に関するデータを取得する(ステップ520)。さらに、このツールを使用して、加速度、圧力、回転、振動及び/又は温度、或いはツールのメンテナンス又は動作履歴に望ましい又は必要なその他のいずれかのダウンホールツール性能パラメータに関するデータを取得することができる。その後、処理及び分析のために、このようなデータを記録し及び/又は遠隔受信器へ送信する(ステップ530)。
【0066】
前述の説明は、本発明及びそのいくつか実施構成例を例示し説明する目的のためにのみ提示したものである。この説明は、包括的であったり、或いは開示したいずれかの詳細な形に本発明を限定したりすることを意図するものではない。上記の教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。
【0067】
本発明の原理及びその実用的用途を最も良く説明するために、好ましい態様を選択して説明した。前述の説明は、当業者が本発明を様々な実施形態及び態様で、及び企図される特定の用途に適するような様々な修正を加えて最良に利用できるようにすることを目的とするものである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地層を横切る坑井内のダウンホールの地下ツールであって、前記坑井内の局所状態を検知すべくダウンホールで使用するように構成又は設計された検知装置を備え、前記検知装置が1又はそれ以上のトランジスタを備え、該1又はそれ以上のトランジスタが、ボアホール内のダウンホールで動作するように構成又は設計された少なくとも1つのカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を備える、
ことを特徴とする地下ツール。
【請求項2】
前記少なくとも1つのCNT FETが、ボアホール内のダウンホールの物理及び/又は化学特性を検知するように構成又は設計された、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項3】
前記少なくとも1つのCNT FETがサイドゲートFETを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項4】
前記少なくとも1つのCNT FETがトップゲートFETを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項5】
前記少なくとも1つのCNT FETがバックゲートFETを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項6】
前記少なくとも1つのCNT FETが同軸ゲートFETを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項7】
前記少なくとも1つのCNT FETが、約115℃を超えるダウンホール温度で使用するように構成又は設計された、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項8】
前記少なくとも1つのCNT FETが、約200℃のダウンホール温度で使用するように構成又は設計された、
ことを特徴とする請求項7に記載の地下ツール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのCNT FETが、化学プローブとして機能するように修飾された、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項10】
前記少なくとも1つのCNT FETに固定された化学プローブをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項11】
前記検知装置が少なくとも1つの光学装置を含み、該光学装置が、ボアホール内のダウンホールの感光性検出器として機能するように構成又は設計された1又はそれ以上の前記少なくとも1つのCNT FETを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項12】
前記地下ツールが、前記少なくとも1つの光学装置を含む1又はそれ以上の光通信モジュールを備える、
ことを特徴とする請求項11に記載の地下ツール。
【請求項13】
前記地下ツールが、前記少なくとも1つの光学装置を含む1又はそれ以上のダウンホール流体分析モジュールを備える、
ことを特徴とする請求項11に記載の地下ツール。
【請求項14】
前記検知装置が化学センサを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下ツール。
【請求項15】
前記化学センサがガス検出器を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の地下ツール。
【請求項16】
地表遠隔測定ユニットを含む地表データ取得ユニットと、
ダウンホール遠隔測定カートリッジと、
前記地表データ取得ユニットと前記ダウンホール遠隔測定カートリッジとの間の通信インターフェイスと、
ダウンホールツールと、
前記ダウンホール遠隔測定カートリッジと前記ダウンホールツールとの間に動作可能に接続されたダウンホール電気ツールバスと、
を備え、前記ダウンホールツールが、坑井内の局所状態を検出すべくダウンホールで使用するように構成又は設計された化学検知装置を含み、該化学検知装置が、化学特性を検出すべくボアホール内のダウンホールで動作するように構成又は設計された1又はそれ以上のカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を含む、
ことを特徴とするダウンホール化学検知システム。
【請求項17】
少なくとも1つのCNT FETが、化学プローブとして機能するように修飾された、
ことを特徴とする請求項16に記載のダウンホール化学検知システム。
【請求項18】
前記化学検知装置が、少なくとも1つのCNT FETに固定された化学プローブを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載のダウンホール化学検知システム。
【請求項19】
前記化学検知装置がガス検出器を含む、
ことを特徴とする請求項16に記載のダウンホール化学検知システム。
【請求項20】
地層を横切る坑井内の約115℃を超える高温のダウンホールで動作するように構成された流体分析システムであって、ボアホール内の関心信号を測定し、ダウンホールの地層流体の特性を求めるための少なくとも1つの光学センサを備え、該少なくとも1つの光学センサが、ボアホール内のダウンホールで感光性検出器として動作するように構成又は設計された1又はそれ以上のカーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT FET)を含み、該CNT FETが、ボアホール内の約115℃を超える温度のダウンホールで動作するように構成又は設計された、
ことを特徴とする流体分析システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−509359(P2011−509359A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540182(P2010−540182)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003417
【国際公開番号】WO2009/090466
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited