説明

カーボンナノマテリアル生成用の一酸化炭素生成のための統合プロセス

一酸化炭素を必要に応じて生成することを可能にし、生成現場への一酸化炭素の輸送又は現場における大量の一酸化炭素の貯蔵の必要性をなくす、カーボンナノチューブ生成反応器上流におけるドライリホーミング又は部分酸化の統合プロセスを説明する。そのような統合プロセスの実施を可能にする装置もまた提供する。カーボンナノチューブ生成プロセスから二酸化炭素の排出を排除することが出来る。これは、二酸化炭素副生成物を再利用し、それを部分酸化プロセスへの供給と混ぜ合わせることによって達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年6月6日付け出願の米国特許出願第60/933,599号及び2007年6月6日付け出願の米国特許出願第60/933,600号及び2007年6月6日付け出願の米国特許出願第60/933,598号に基づく優先権を主張し、これらの特許を引用によってそれらの全体を本明細書に援用する。
【0002】
この開示は、一般的にはカーボンナノマテリアルを製造するためのプロセスに関し、より特定的には、共原料(co-feedstock)の部分酸化に基づいて一酸化炭素を発生させ、そのようにして発生した一酸化炭素を使用してカーボンナノマテリアルを製造するための統合プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びカーボンナノファイバーを含む様々なカーボンナノマテリアルは、適切な商業的プロセスを用いて、Boudart反応により一酸化炭素から生成できる。そのようなプロセスは、一酸化炭素と、分解温度より低く維持されている触媒前駆体ガスとを混合ゾーンに供給することを含んでいても良い。利用可能な別のプロセスは、反応器セル中で、金属触媒粒子を、有効量の炭素含有ガスと、カーボンナノチューブを触媒的に生成するのに十分な温度で接触させることによってカーボンナノチューブを生成することを含む。結果として得られたカーボンナノチューブは相当部分の単層カーボンナノチューブを含み、使用されうる金属触媒粒子はVIII族金属又はVIb族金属を含む。Boudart反応を利用するその他のプロセスを使用してカーボンナノマテリアルを生成することも出来る。
【0004】
上述のプロセスは、ある種の欠点及び欠陥によって特徴付けられる。例えば、高い毒性及び可燃性の一酸化炭素供給ガスの貯蔵及び取扱いは、数多くの安全上の懸念を生じる。加えて、そのようなプロセスは通常、1トンのカーボンナノマテリアル生成につき約4トンの二酸化炭素といった、大量の温室効果ガスの排出をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記欠陥の影響を回避又は縮小するため、並びに総プロセス効率を改善する目的のために、より良いプロセスをカーボンナノマテリアルの生成に使用することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様において、カーボンナノマテリアルを得るための方法が提供される。一つの方法は、炭化水素ストリーム、二酸化炭素ストリーム及び酸素ストリームを組み合わせて混合(combined)ストリームを形成し、変換反応器で、混合ストリーム中の炭化水素を変換プロセスに付して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素の未反応部分及び炭化水素の未反応部分を含む変換ガスストリームを形成し、その後、変換ガスストリームを脱酸素に付することによって変換ガスストリームから酸素の未反応部分を除去して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び炭化水素の未反応部分を含む脱酸素ガスストリームを生成することを含む。酸素の未反応部分を除去する工程は、脱酸素装置中で実施しても良い。
【0007】
次に、例えば一段又は多段膜分離器を使用して、あるいは圧力スイング吸着プロセスを用いて脱酸素ガスストリームから水素を分離し、主ストリーム及び副生成物ストリームを形成することができ、ここで、主ストリームは一酸化炭素、二酸化炭素及び炭化水素の未反応部分を含み、副生成物ストリームは水素を含む。
【0008】
次に、主ストリームはカーボンナノマテリアル生成のためにカーボンナノマテリアル生成ユニットに向け、二酸化炭素及び一酸化炭素は再利用し、変換反応器に向けても良い。あるいは、主ストリームを更なる分離に付して、二酸化炭素の大部分及び炭化水素の未反応部分を除去して実質的に純粋な一酸化炭素ストリームを形成した後に、これをカーボンナノマテリアル生成ユニットに向けてもよい。主ストリームのこのような精製は、ある種のカーボンナノマテリアル、特定的には単層カーボンナノチューブの生成には望ましいであろう。
【0009】
極低温分離プロセスなどの、脱酸素ガスストリームを分離するための他の方法も利用可能であるが、これに限定されない。ある実施態様において、このストリームを分離するための方法は、生成規模及びカーボンナノマテリアル生成プロセスに必要な一酸化炭素の純度に強く依存する。
【0010】
ある実施態様において、この発明は、炭化水素(1種又は複数)、二酸化炭素、及び酸素の混和物を水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素の未反応部分、及び炭化水素の未反応部分を含む変換ガスストリームに変換する変換反応器と、変換反応器と流体連結された脱酸素ユニットとを含む、カーボンナノマテリアルを生成するための装置を提供する。脱酸素ユニットは、変換ガスストリームから酸素の未反応部分を除去し、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び炭化水素の未反応部分を含む脱酸素ガスストリームを生成するために使用しても良い。
【0011】
装置はさらに、脱酸素ガスストリームから水素を分離して、一酸化炭素、二酸化炭素及び炭化水素の未反応部分を含む主ストリームを形成するために、脱酸素ユニットと流体連結された一段又は多段膜分離器を含んでいても良い。
【0012】
ある実施態様において、膜分離器の代わりに、装置はさらに、脱酸素ガスストリームから水素を分離して、一酸化炭素、二酸化炭素、及び炭化水素の未反応部分を含む主ストリームを形成するために、脱酸素ユニットと流体連結された圧力スイング吸着ユニット又は極低温分離ユニットを含んでいてもよい。
【0013】
装置はさらに、膜分離器と流体連結されたカーボンナノマテリアル生成ユニットを含んでいても良く、ここでカーボンナノマテリアル生成ユニットは、カーボンナノマテリアル及び二酸化炭素ストリーム、並びに、二酸化炭素ストリームを変換反応器に向けるためにカーボンナノマテリアル生成ユニットと流体連結された、一酸化炭素を再利用するための手段を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に従ってカーボンナノマテリアルを生成するための装置を概略的に示したものである。
【図2】図2は、本発明の別の実施態様に従ってカーボンナノマテリアルを生成するための装置を概略的に示したものである。
【図3】図3は、本発明のさらに別の実施態様に従ってカーボンナノマテリアルを生成するための装置を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下においては、別途記載のない限り、次の定義及び略語が使用される。
“単層カーボンナノチューブ”という用語は、実質的に化学的に純粋な炭素から作られ、約0.4〜約4ナノメートルの間の直径を有する中空の実質的に円筒形のチューブと定義される。
【0016】
“多層カーボンナノチューブ”という用語は、実質的に化学的に純粋な炭素から作られ、約3〜約100ナノメートルの間の外径を有する、同軸配置された密間隔の実質的に円筒形のチューブと定義される。
【0017】
“カーボンナノチューブ”という用語は、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの両方を意味する。
“カーボンナノファイバー”という用語は、約1〜約100ナノメートルの直径を有し、実質的に化学的に純粋な炭素から作られ、密間隔の円錐台を積み重ねた配置になっている実質的に円筒形の構造と定義される。
【0018】
“カーボンナノマテリアル”という用語は、少なくとも一方向に100ナノメートルより小さいサイズを有する実質的に化学的に純粋な炭素から作られる構造と定義される。カーボンナノマテリアルは、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、及び単層及び多層グラファイト小板を含む。
【0019】
“炭化水素”という用語は、その分子が炭素及び水素のみからなる有機化合物と定義される。
“触媒”という用語は、それ自体が実質的に消費されたり、又はさもなければプロセスにおいて化学変化することなく、化学反応の速度又は収率を変える物質と定義される。
【0020】
“貴金属”という用語は、ほとんどの卑金属とは対照的に、腐食又は酸化に対して高抵抗性で、容易に溶解しない金属を意味する。例としては、白金、パラジウム、金、銀、タンタルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
“卑金属”という用語は、容易に酸化可能ないずれかの貴重でない貴金属を意味する。例としては、ニッケル、モリブデン、タングステン、コバルトなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
“Boudart反応”という用語は、下記の化学反応(I)を意味する。
2CO → C + CO (I)
“リホーミング”という用語は、典型的には触媒の存在下で、熱、圧力を使用することにより分子を化学的に組み換えて(リホームして)異なる生成物を形成する化学プロセスを意味する。
【0023】
“ドライリホーミング”という用語は、化合物、例えばメタンなどの炭化水素を二酸化炭素を用いてリホーミングし、合成ガスを生成するプロセスを意味する。
“スチームリホーミング”という用語は、化合物、例えばメタンなどの炭化水素を水を用いてリホーミングし、合成ガスを生成するプロセスを意味する。
【0024】
“syngas(合成ガス)”という用語は“synthesis gas”の略語で、様々な量の一酸化炭素と水素を含有するガス混和物を意味する。
“部分酸化”という用語はドライリホーミングの一種で、予熱された(一種又は複数の)炭化水素及び酸素を燃焼室に注入することにより、(一種又は複数の)炭化水素含有ガスを、水素と、一酸化炭素と、二酸化炭素、水、及びその他の炭化水素などの追加の微量成分との混和物に変換するプロセスを意味する。燃焼室では(一種又は複数の)炭化水素の酸化が、完全燃焼に必要な酸素の化学量論量より少ない量で起こる。
【0025】
“接触部分酸化”という用語は、適切な担体構造上の白金、パラジウム、又はロジウムなどの貴金属、又はニッケルなどの卑遷移金属のような触媒の存在下で実施される部分酸化を意味する。
【0026】
“コールドボックス”という用語は、少なくとも一酸化炭素と水素の混和物を一酸化炭素と水素のそれぞれのストリームに分離するために使用できる、熱交換器及び蒸留カラムのような極低温プロセス設備を含有する装置を意味する。混和物中に低分子量炭化水素が存在する場合、それらもこの装置を用いて分離できる。
【0027】
“膜”という用語は、流体混和物中に存在する何らかの種を他の種より高い比率で通過させる薄いバリアを意味する。
“圧力スイング吸着”という用語は、吸着剤を用いて流体混和物の少なくとも一つの種を高い圧力で優先的に吸着させ、吸着された材料の少なくとも一部をそれより低い圧力で放出させる分離プロセスを意味する。
【0028】
カーボンナノマテリアル生成用反応器の上流にリホーミング又は部分酸化プロセスを組み込むことは、一酸化炭素を必要に応じて生成することを可能にするので、一酸化炭素を生成現場に輸送したり、大量の一酸化炭素を現場に貯蔵する必要性をなくす。この統合プロセスでは、カーボンナノチューブ生成プロセスから、ほとんどすべての二酸化炭素排出を排除することができる。これは、二酸化炭素副生成物を再利用し、それを部分酸化プロセスへの供給と混和することによって達成できる。この統合プロセスは、この統合プロセスを用いなければ比較的少量の水素副生成物がその精製及び圧縮を不経済なものにするような、様々な規模又は分散生成プラントに、より適しうる。
【0029】
合成ガスを、メタンのような炭化水素のドライリホーミングのプロセスによって得ても良い。様々な炭化水素を使用しても良く、そのような炭化水素を使用するドライリホーミングのプロセスは当技術分野で知られている。ドライリホーミングの一つの可能な経路、すなわち部分酸化は、反応(II)によって概略的に示すことができる。
【0030】
2CH+CO+O → 3CO+3H+HO (II)
より特定的には、反応(II)によって示された部分酸化のプロセスは、典型的には例えば約700℃〜約1,400℃の間などの高い温度、及び例えば約150気圧までの高い圧力で実施される。該プロセスは触媒の存在下で実施してもよい。適当な触媒は、当技術分野で知られている様々な入手可能な選択肢から選ぶことができる。例えば、使用できる触媒は、例えば白金、パラジウム、又はロジウムなどの貴金属、あるいはニッケルなどの遷移卑金属を含んでいても良い。該金属はアルミナ又はゼオライトなどの多孔質担体中に包埋しても良い。
【0031】
反応(II)によって示された部分酸化のプロセスの実施のために、様々な条件を使用しても良い。部分酸化のための最も適切な条件、すなわち、温度、圧力、触媒、及び炭化水素/酸素比率を選んでも良い。例えば約1,000℃を超える温度、例えば約1,300℃、及び150気圧までの圧力を使用しても良い。
【0032】
反応スキーム(II)によって示されるようにして生成された合成ガスは、水素、一酸化炭素、残存する未反応二酸化炭素、及び残存する未反応酸素を含んでいても良い。この混和物を、すべてのその他の成分、すなわち、水素、未反応二酸化炭素、及び未反応酸素を除去することにより、さらに処理して、精製一酸化炭素を得ても良い。精製プロセスは次のように記載しても良い。
【0033】
該合成ガスストリームを部分酸化のプロセスを用いて脱酸素することによって、酸素の未反応部分を合成ガスストリームから除去しても良い。脱酸素プロセスを実施するのに必要な適切なプロセス及び設備は、多数の知られている選択肢から選んでも良い。結果として、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む脱酸素ガスストリームを形成しても良い。
【0034】
水素を脱酸素ガスストリームから分離して、一酸化炭素、二酸化炭素及び炭化水素の未反応部分を含む主ストリーム、及び水素を含む副生成物ストリームを形成しても良い。脱酸素合成ガスからのそのような水素の分離は、膜を用いる分離によって達成しても良い。
【0035】
適切な膜を選択しても良い。ポリマー性や金属性の多孔質担体などを含む様々な膜を使用しても良く、これらの膜は当技術分野で知られている。膜は、多孔質アルミナ担体上に堆積した薄い二酸化ケイ素の層を含んでいても良い。孔は約5〜約10ナノメートルの直径を有していても良い。二酸化ケイ素の層は、アルミナ基板上に、アルゴン雰囲気下約600℃〜650℃の間の温度で、所望の水素透過度に到達するまでテトラエチルオルトシリケートを化学気相蒸着することによって形成しても良い。一酸化炭素ストリームからこのようにして分離された水素は、さらに精製される必要はない。その代わり、以下に記載のように、所望により燃料として使用するために回収し取り出してもよい。
【0036】
上記のようにして水素を分離した後、一酸化炭素、二酸化炭素及び炭化水素の未反応部分を含む主ストリームをカーボンナノマテリアル生成ユニットに向け、前述のBoudart反応(I)を用いてカーボンナノマテリアル及び二酸化炭素ストリームを生成しても良い。Boudart反応の結果形成されたものを含む二酸化炭素ストリームを再利用し、部分酸化に使用しても良い。カーボンナノマテリアルを生成するためにBoudart反応を実施するのに必要な条件は当技術分野で知られており、当業者は最適の条件を選んでも良い。
【0037】
所望のカーボンナノマテリアルの特定の種類、サイズ及び純度によっては、主ストリームから二酸化炭素及び炭化水素の未反応部分を除去し、実質的に純粋な一酸化炭素をカーボンナノマテリアル生成ユニットに供給することが望ましいこともある。これは、例えば膜処理法、圧力スイング吸着プロセス、吸収法などのいくつかの利用可能な方法のいずれかによって達成しても良い。いずれの場合も、精製一酸化炭素ストリームをカーボンナノマテリアル生成ユニットに向けても良く、二酸化炭素及び炭化水素ストリームはリホーマーユニットに再利用しても良い。
【0038】
次に図1を参照すると、炭化水素1は前処理反応器Aに向けられる。炭化水素前処理反応器ユニットは硫黄の除去ができ、存在しうる各種オレイフィンの飽和、及び所望により炭化水素1のプレリホームも可能にする。前処理反応器Aを出た後、炭化水素はライン3を経由して炭化水素変換反応器Bに入る。炭化水素変換反応器Bは、接触部分酸化プロセスを実施するための接触部分酸化装置であっても良い。炭化水素変換反応器Bは、それぞれ自熱接触リホーミングプロセス、又は非接触部分酸化プロセスを実施するための自熱接触リホーマー、又は非接触部分酸化装置であってもよい。
【0039】
炭化水素ストリーム3、酸素ストリーム2及び再利用された二酸化炭素ガスストリーム9はすべて炭化水素変換反応器Bに向けても良い。ここで、変換プロセスは約700℃〜約1,400℃の間の温度、及び150気圧までの圧力、所望により適切な触媒の存在下で実施できる。
【0040】
次に、反応生成物はライン4経由で炭化水素変換反応器Bから出る。ガスストリームは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、未反応酸素、メタンなどの未反応炭化水素、及び水を含んでいても良い。様々な熱回収プロセスの後、このガスストリーム4を、脱酸素ユニットCに向けて微量の未反応酸素が除去する。次に、ガスストリーム5は、第二段階の膜Fからの再利用ストリーム11と組み合わせて圧縮ユニットDにより圧縮し、ライン6を経由して第一段の膜ユニットEに向ける。透過された廃ガスストリーム10は水素の大部分を含有しても良く、燃料として取り出すことができる。比較的高圧の一酸化炭素豊富ストリーム7を、第二段階の膜ユニットFに向けて、高純度の一酸化炭素ストリームを生成する。これはカーボンナノマテリアル生成ユニットGの供給原料8としてさらに使用され、カーボンナノマテリアルが生成される。次に、ナノカーボン生成ユニットGからの二酸化炭素副生成物ストリーム9は、炭化水素変換ユニットBにまた再利用される。
【0041】
ナノカーボン生成ユニットGは、ナノカーボン生成反応器、流出ガスストリームから固体のナノカーボン生成物を分離するための分離器、未反応供給ガスを分離及び再利用するための装置、及び所望により二酸化炭素副生成物ストリームから望ましくない副生成物を分離するための装置を含むいくつかのサブユニットを含んでいてもよい。
【0042】
次に図2を参照すると、合成ガスは、メタンなどの炭化水素のドライリホーミングプロセスによって酸素を使用せずに得ても良い。酸素を使用しないドライリホーミングの一つの可能性ある経路は、反応(III)によって概略的に示すことができる。
【0043】
CH+CO → 2CO+2H (III)
より特定的には、反応(III)によって示されたドライリホーミングのプロセスは、典型的には例えば約700℃〜約1,000℃の間などの高い温度、及び例えば約150気圧までの高い圧力で実施される。該プロセスは触媒の存在下で実施してもよい。適当な触媒は知られている様々な選択肢から選ぶことができる。例えば、使用できる触媒は、例えば白金、パラジウム、又はロジウムなどの貴金属、あるいはニッケルなどの遷移卑金属を含んでいても良い。この金属はアルミナ又はゼオライトのような多孔質担体中に包埋しても良い。
【0044】
実施に際しては、リホーマーユニットの最適な操作性のため及びプロセス設備上のコークス形成を回避するために、所望によりドライ及びスチームリホーミングの組み合わせを使用してもよい。スチームリホーミングの一つの可能な経路は、反応(IV)によって概略的に示すことができる。
【0045】
CH+HO → CO+3H (IV)
スチームリホーミングを使用する場合、それに利用される最適の条件(すなわち、温度、圧力、触媒)を選んでも良い。カーボンナノマテリアル生成に関しては、リホーマーで生成される一酸化炭素の量を最大化し、生成される水素の量を最小化するのが望ましい。従って、リホーマーへの供給は、コークス形成を回避するのに必要なだけのスチームを含んでいても良い。
【0046】
図2の一態様において、反応スキーム(III)によって示されるようにして生成された合成ガスは、水素、一酸化炭素、残存する未反応二酸化炭素、残存する未反応炭化水素を含む。この混和物を、その他すべての成分、すなわち水素、未反応二酸化炭素、及び未反応炭化水素を所望の程度に除去することによってさらに処理して、精製一酸化炭素を得ても良い。精製のプロセスは以下のように記載しても良い。
【0047】
水素及び未反応炭化水素を除去しても良く、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む主ストリームと、水素及び未反応炭化水素を含む副生成物ストリームが残る。合成ガスからの水素及び未反応炭化水素のそのような分離は、上記のような一つ又は複数の膜を用いることによって達成しても良い。膜(一つ又は複数)は図1に関して記載したのと同じであることができる。あるいは、そのような分離は、例えば圧力スイング吸着プロセス及び/又は極低温分離プロセスなどのその他の適切なプロセスを用いて達成しても良い。
【0048】
膜(一つ又は複数)を用いて水素及び未反応炭化水素を分離した後、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む主ストリームをカーボンナノマテリアル生成ユニットに向けて、前述のBoudart反応(I)を用いてカーボンナノマテリアル及び二酸化炭素ストリームが生成する。あるいは、主ストリームから二酸化炭素を所望程度に除去して、実質的に純粋な一酸化炭素ストリームを生成し、次いでこれをカーボンナノマテリアル生成ユニットに向けてもよい。二酸化炭素ストリーム(主ストリーム中に存在していた二酸化炭素の未反応部分及びBoudart反応の結果形成された二酸化炭素を含む)を上記のように再利用し、ドライリホーミングプロセス又はドライ及びスチームリホーミングの組み合わせプロセスで使用しても良い。
【0049】
図2を参照して、これをさらに詳細に説明する。図2から分かる通り、炭化水素201を前処理反応器2Aに向けても良い。炭化水素前処理反応器ユニットは硫黄の除去ができ、存在しうる各種オレイフィンの飽和、及び所望により炭化水素201のプレリホームも可能にする。未処理炭化水素ストリームの一部202は、炭化水素変換反応器2Bのための燃料を供給してもよい。
【0050】
前処理反応器2Aを出た後、炭化水素はライン203を経由して炭化水素変換反応器2Bに入っても良い。図2に示されているように、炭化水素変換反応器2Bは、二酸化炭素ドライリホーミングプロセス及び接触スチームリホーミングプロセスの両方を実施するように適応されている。所望であれば、様々なその他の炭化水素変換反応器2Bが選択できる。
【0051】
炭化水素ストリーム203、スチーム215及び再利用された二酸化炭素ガスストリーム10は炭化水素変換反応器2Bに入っても良く、ここで変換プロセスが約700℃〜約1,000℃の間の温度、及び150気圧までの圧力、所望により適切な触媒の存在下で実施できる。反応生成物は、ガスストリーム204として炭化水素変換反応器2Bを出ても良い。
【0052】
図2で、ガスストリーム204は、水素、一酸化炭素、未反応スチーム、未反応二酸化炭素、及びメタンなどの未反応炭化水素を含む。次に、ガスストリーム204は、ガスストリーム204を必要な下流温度に冷却するためのプロセス加熱ボイラー、各種熱交換器及び冷却塔(図示せず)を含む熱回収装置2Cに向けても良い。従って、ガスストリーム205は、ガスストリーム204と同じ化学組成ではあるが、ガスストリーム204より低い温度で熱回収装置2Cを出ても良い。このプロセスで、プロセススチーム215及びエクスポートスチーム214を水213から生成しても良い。
【0053】
次に、ガスストリーム205は第一段の膜ユニット2Dに入っても良く、ここで水素のほとんど及び二酸化炭素のほとんどが残りのガスストリームから分離され、その結果、二つの別のストリームが形成される。これらの二つのストリームは、一酸化炭素の大部分を未反応二酸化炭素の一部及び未反応炭化水素の一部と共に含む主ストリーム206、及び主に水素を未反応二酸化炭素の大部分と共に含む透過された廃ガスストリーム216である。
【0054】
次に、透過された廃ガスストリーム216は燃料として炭化水素変換ユニット2Bに向けても良い。燃料の燃焼からの生成物は、流出ストリーム217を通ってユニット2Bから出ても良い。次に、比較的高圧の一酸化炭素の豊富な主ストリーム206は、第二段の膜ユニット2Eに向けても良く、そこで一酸化炭素及び残存する未反応二酸化炭素はさらに分離されて、高純度の一酸化炭素ストリーム207及び二酸化炭素の豊富な透過ストリーム211が生成される。
【0055】
一酸化炭素ストリーム207は、カーボンナノマテリアル生成ユニット2Fのための供給原料としてさらに使用して、カーボンナノマテリアル208及び廃二酸化炭素ストリーム209を生成しても良い。二酸化炭素の豊富な透過ストリーム211は、圧縮ユニット2Gを通って圧縮し、次いでライン212を通って第一段の膜ユニット2Dにまた再利用しても良い。そして、カーボンナノマテリアル生成ユニット2Fからの廃二酸化炭素ストリーム209は、圧縮ユニット2Hを通ってストリーム210経由で炭化水素変換ユニット2Bに圧縮及び再利用しても良い。
【0056】
場合によっては、カーボンナノマテリアル生成ユニット2Fは、カーボンナノマテリアル生成反応器、流出ガスストリームから固体のカーボンナノマテリアル生成物208を分離するための装置、未反応供給ガスを分離及び再利用するためのサブユニット、及び場合により二酸化炭素副生成物ストリームから望ましくない副生成物を分離するための装置を含むいくつかのサブユニット(図示せず)を含んでいてもよい。
【0057】
図2によって示されている装置及びプロセスの多くの変形が可能である。リホーマーに必要な熱は、リホーマーからの水素生成物の一部の燃焼によって発生させることができる。あるいは、水素生成物を売って、天然ガスをリホーマーの燃料に使用することが出来る。さらに、カーボンナノマテリアル反応器ユニット2Fにおける発熱反応によって放出された熱を使用してリホーマーへの供給を予備加熱し、それによりプロセスに必要な燃料の量を削減しても良い。
【0058】
ある実施態様においては、追加量の二酸化炭素を外部源から取り込み、リホーマーへの供給と混和して追加の利点を達成することができる。リホーマーに供給される炭化水素がメタンの場合、等モル量までの外部二酸化炭素もまたストリーム218から反応器に供給しても良い。これらの条件下で、総プロセスは総反応(V)によって概略的に示すことができる。
【0059】
CH+CO → 2C+2HO (V)
このプロセスは二酸化炭素を消費するための手段を提供し、それ故に地球温暖化への明らかな寄与因子と思われている大気中へのその放出が防止される。総反応(V)は発熱性なので、プロセスの各種ユニットの運転の効率的なエネルギー統合により、カーボンナノチューブの生成と外部生成された二酸化炭素の隔離との組み合わせを、化石燃料の追加の燃焼をほとんど又は全くせずに成し遂げることができる。
【0060】
図3を参照して記載された他の場合において、合成ガスは、反応スキーム(III)によって示されるドライリホーミングのプロセスによって得ても良い。ドライリホーミングのプロセスは、所望によりスチームリホーミングの利用を含む、図2に関して記載されたものと実質的に同様であっても良い。前述のように、二酸化炭素副生成物は再利用してリホーマーへの供給と混和しても良く、リホーマーによって生成される一酸化炭素の量が増加する。
【0061】
しかしながら、何らかの追加的特徴を使用しても良い。これらの追加的特徴は、合成ガスから水素と未反応炭化水素を分離するために、膜分離器の代わりにコールドボックスを使用することを含んでいても良い。この特徴は大規模生成プラントで使用しても良い。また、プロセスは、価値ある共生成物として水素を生成することも可能にする。
【0062】
図3を参照して、これをさらに詳細に説明することができる。図3から分かるように、炭化水素301は前処理反応器3Aに向けても良い。図2と同様、炭化水素前処理反応器3Aは、硫黄の除去、存在しうる各種オレイフィンの飽和、及び所望により炭化水素301のプレリホームを可能にする。炭化水素ストリーム302の一部は、炭化水素変換反応器3Bの燃料を供給しても良い。
【0063】
前処理反応器3Aを出た後、炭化水素はライン303を経由して炭化水素変換反応器3Bに入っても良い。図3の炭化水素変換反応器3Bは、二酸化炭素ドライリホーミングプロセス及び接触スチームリホーミングプロセスの両方を実施するように適応されている。所望であれば、様々なその他の炭化水素変換反応器3Bが選択できる。
【0064】
炭化水素ストリーム303、スチーム316及び再利用された二酸化炭素ガスストリーム313は、炭化水素変換反応器3B内部で約700℃〜約1,000℃の間の温度で反応しても良い。反応生成物はライン304を通って炭化水素変換反応器3Bを出ても良い。ガスストリーム304は、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及びメタンなどの未反応炭化水素を含んでいても良い。次に、このガスストリーム304は、熱回収装置3Cに向けても良い。熱回収装置3Cは、ガスストリーム304を冷却するためのプロセス加熱ボイラー、各種熱交換器、及び冷却塔(図示せず)を含有していても良い。
【0065】
必要な下流温度に冷却されたガスストリーム304は、次に、二酸化炭素除去ユニット3Dにガスストリーム305として入っても良い。ガスストリーム305は、ガスストリーム304と同じ化学組成ではあるが、ガスストリーム304より低い温度で熱回収手段3Cを出る。水314からのプロセススチーム316及びエクスポートスチーム315も熱回収手段3Cで発生させても良い。二酸化炭素除去ユニット3Dにおいては、二酸化炭素ストリーム312と枯渇二酸化炭素ストリーム306をガスストリーム305から得ても良い。
【0066】
分離された二酸化炭素ガス312を、次に、二酸化炭素圧縮ユニット3Hに向け、その後ストリーム313として炭化水素変換ユニット3Bに再利用しても良い。枯渇二酸化炭素ストリーム306は、一酸化炭素分離ユニット3Eに移動して、生成物である一酸化炭素ストリーム307及び未精製(raw)水素ストリーム309を生成しても良い。使用しうる典型的な一酸化炭素分離装置は、コールドボックス、膜システム又は圧力スイング吸着ユニットを含むことが出来る。最も適切な一酸化炭素分離装置を選んでも良い。一酸化炭素分離ユニット3Eを出た廃ガスストリーム318を再利用し、炭化水素変換ユニット3Bの燃料として使用しても良い。流出ストリーム319は、炭化水素変換ユニット3Bに供給された燃料の燃焼からの生成物を含んでいても良い。
【0067】
一酸化炭素分離ユニット3Eで発生した一酸化炭素307は、カーボンナノマテリアル生成ユニット3Fに向けても良い。カーボンナノマテリアル生成ユニット3Fからの廃二酸化炭素ストリーム311は、二酸化炭素圧縮ユニット3Hに向けても良く、次に、圧縮ストリームは炭化水素変換反応器3Bに向けても良い。ストリーム308は、固体のナノカーボン生成物を含有し、例えばスクリーン又はフィルタ上に堆積した固体のカーボンナノマテリアルを含んでいても良い。あるいは、ストリーム308は、カーボンナノマテリアル生成物に富む流出ガス(一酸化炭素、二酸化炭素など)のストリームを含んでいても良い。
【0068】
ナノカーボン生成ユニット3Fは、カーボンナノマテリアル生成反応器、流出ガスストリームから固体のカーボンナノマテリアル生成物を分離するための装置、未反応供給ガスを分離及び再利用するための装置、及び場合により二酸化炭素副生成物ストリームから望ましくない副生成物を分離するための装置などのいくつかのサブユニット(図示せず)を含んでいてもよい。
【0069】
未精製水素ストリーム309は、典型的には吸着材料を含む圧力スイング吸着装置3Gに入っても良い。通常、この吸着材料は活性炭又はゼオライト5A吸着材料である。圧力スイング吸着プロセスの生成物は高圧の水素であっても良く、これはストリーム310としてユニット3Gを出ることになる。このストリーム中に存在する残りのガスはライン317経由でユニット3Gを出ることになり、炭化水素変換ユニット3Bの燃料ガスとして使用しても良い。
【0070】
上記プロセスの多くの変形を考案することが出来る。例えば、リホーマーに必要な熱は、リホーマーからの水素生成物の一部の燃焼によって発生させても良い。あるいは、水素生成物を売っても良く、天然ガスをリホーマーの燃料に使用することが出来る。さらに、カーボンナノマテリアル反応器ユニット3Fにおける発熱反応によって放出された熱を使用してリホーマーへの供給材料を予備加熱し、それによりプロセスに必要な燃料の量を削減しても良い。
【0071】
ある実施態様においては、追加量の二酸化炭素を外部源から取り込み、リホーマーへの供給と混和して追加の利点を達成することができる。リホーマーに供給される炭化水素がメタンの場合、等モル量までの外部二酸化炭素もストリーム320を経由して反応器に供給しても良い。これらの条件下で、総プロセスは総反応(V)によって概略的に示すことができる。取り込まれた二酸化炭素をリホーマーに追加することは、プロセスによって生成される水素副生成物の量を減少させる。
【0072】
このプロセスは二酸化炭素を消費するための手段を提供し、それ故に地球温暖化への明らかな寄与因子と思われている大気中へのその放出が防止される。総反応(V)は発熱性なので、プロセスの各種ユニットの運転の効率的なエネルギー統合により、カーボンナノチューブの生成と外部生成された二酸化炭素の隔離との組み合わせを、化石燃料の追加の燃焼をほとんど又は全くせずに成し遂げることができる。
【0073】
前述のすべてのプロセス統合スキームは、カーボンナノマテリアル生成プロセスから実質的にすべての二酸化炭素排出を排除するのに役立ちうる。また、二酸化炭素を取り込んで、プロセスへの供給の一部として役立たせることも可能である。従って、統合プロセスは、価値ある生成物(カーボンナノマテリアル)の形態で二酸化炭素を隔離する有効な方法として役立ち得る。
【0074】
本明細書中に記載されたプロセス及び装置は単なる例示であり、当業者であれば本開示の精神及び範囲から離れることなく変形及び修飾をなし得ることは理解されるであろう。すべてのそのような変形及び修飾は、上記開示の範囲内に含まれるものと意図している。さらに、所望の結果を得るために様々な態様を組み合わせることができるので、開示されているすべての代表例は必ずしもどれか一つを選ぶということではない。従って、我々の開示は以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブを生成するための方法であって、
(a)一酸化炭素、二酸化炭素、水素及び炭化水素を含む合成ガスを生成し;
(b)合成ガスから水素及び炭化水素を分離して、一酸化炭素及び二酸化炭素の生成物ガスストリームと水素及び炭化水素の副生成物ガスストリームとを生成し;
(c)生成物ガスストリーム中の一酸化炭素を用いてカーボンナノチューブを生成し;そして
(d)生成物ガスストリームからの二酸化炭素、及びカーボンナノチューブ生成からの二酸化炭素を再利用する;
ことを含む方法。
【請求項2】
合成ガスの生成が、
(a)炭化水素ガスストリームと二酸化炭素ガスストリームを組み合わせて混合ガスストリームを形成し;
(b)混合ガスストリームを変換して合成ガスを形成する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
混合ガスストリームの変換が、700℃〜1,000℃の間の温度、及び150気圧までの圧力でドライリホーミングすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
混合ガスストリームの変換がスチームリホーミングをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
リホーミングが、白金、パラジウム、ロジウム、又はニッケルの触媒の存在下で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
炭化水素ガスストリームを前処理して不純物を除去することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
炭化水素がメタンである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
合成ガスの生成が、
(a)炭化水素ガスストリーム、二酸化炭素ガスストリーム、及び酸素ガスストリームを組み合わせて混合ガスストリームを形成し;
(b)混合ガスストリームを変換して、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、未反応炭化水素、及び未反応酸素を含む変換ガスストリームを形成し;そして
(c)変換ガスストリームを脱酸素して未反応酸素を除去し、合成ガスを形成する;
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
混合ガスストリームの変換が、白金、パラジウム、ロジウム、又はニッケルの触媒の存在下において、700℃〜1,400℃の間の温度、及び150気圧までの圧力で炭化水素を接触リホーミングすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
炭化水素ガスストリームを前処理して不純物を除去することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
炭化水素がメタンである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
生成物ガスストリームを一酸化炭素ストリーム及び二酸化炭素ストリームに分離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
副生成物ガスストリーム中の水素を精製し、純水素を回収することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
カーボンナノチューブを生成するための装置であって、
(a)一酸化炭素、二酸化炭素、水素、及び炭化水素で構成される合成ガスを生成するための合成ガス生成ユニット;
(b)合成ガスから水素及び炭化水素を分離して、一酸化炭素及び二酸化炭素の生成物ガスストリームと水素及び炭化水素の副生成物ガスストリームとを得るための分離ユニット;
(c)生成物ガスストリーム中の一酸化炭素を用いてカーボンナノチューブを生成するためのカーボンナノチューブ生成ユニット;及び
(d)カーボンナノチューブ生成ユニットからの二酸化炭素を合成ガス生成ユニットに再利用するための二酸化炭素再利用装置;
を含む装置。
【請求項15】
合成ガス生成ユニットが、二酸化炭素ガス源、炭化水素ガス源、二酸化炭素ガスと炭化水素ガスとを組み合わせて混合ガスストリームにするための組み合わせ手段、及び混合ガスストリームを変換して合成ガスを形成するための変換反応を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
変換反応器がドライリホーマーユニット又はドライリホーマーユニット及びスチームリホーマーユニットの組み合わせである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
炭化水素がメタンである、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
合成ガス生成ユニットが、二酸化炭素ガス源、炭化水素ガス源、酸素ガス源、二酸化炭素ガス、炭化水素ガス及び酸素ガスを組み合わせて混合ガスストリームにするための組み合わせ手段、並びに混合ガスストリームを変換して、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、未反応炭化水素、及び未反応酸素を含む変換ガスストリームを形成するための変換反応、並びに変換ガスストリームから未反応酸素を除去し、合成ガスを形成するための脱酸素ユニットを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
変換反応器が、白金、パラジウム、ロジウム又はニッケルの触媒を有する接触リホーマーユニットである、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
炭化水素がメタンである、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
分離ユニットが、膜分離器、圧力スイング吸着ユニット、又は極低温分離器である、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
生成物ガスストリームを一酸化炭素ガスストリーム及び二酸化炭素ガスストリームに分離するための精製ユニットをさらに含み、ここでこの精製ユニットは、膜分離器、圧力スイング吸着ユニット、又は極低温分離器である、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
副生成物ガスストリームから水素を精製及び回収するための精製ユニットをさらに含む、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−528974(P2010−528974A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511294(P2010−511294)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/065746
【国際公開番号】WO2009/011984
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(509335247)リンデ・エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】