説明

ガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システム

【課題】点検の必要性が高いガイドローラを簡便に決定して、ガイドローラの点検作業の効率を向上させることができるガイドローラの点検順位決定方法を提供する。
【解決手段】本発明によるガイドローラの点検順位決定方法において、まず、ウェブ20の幅、隣接するガイドローラ30間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ30間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ30間におけるウェブ20の予測シフト量が算出される。次に、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間において実測されたウェブ20の実測シフト量と、当該1組のガイドローラ30間における予測シフト量とに基づいて、補正係数が算出され、この補正係数を用いて、予測シフト量を補正して補正シフト量が算出される。その後、算出された補正シフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システムに係り、とりわけ、点検の必要性が高いガイドローラを簡便に決定して、ガイドローラの点検作業の効率を向上させることができるガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙、フィルムなどのウェブを搬送しながら、ウェブに印刷を行う印刷装置が知られている。このような印刷装置においては、ウェブを案内するために多数のガイドローラが設けられている。
【0003】
しかしながら、これらのガイドローラの設置精度が低下している場合、ウェブの走行が不安定になるという問題がある。例えば、ウェブの材質や厚み、使用するインキ材料、インキの乾燥条件、ウェブに与える張力、ウェブの搬送速度、版胴に対する圧胴の押圧力等の条件により、印刷中のウェブが横にずれたり(シフトしたり)、蛇行したりして、ウェブにしわ等が発生することがある。
【0004】
このようなことに対処するために、ウェブの搬送速度および張力を測定し、ガイドローラに対するウェブの滑り量を算出して、この滑り量に基づいてウェブの張力を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、ガイドローラ上のウェブを撮像して画像解析を行い、ガイドローラを駆動調整する方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−273700号公報
【特許文献2】特開2007−326657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示すようにしてウェブの張力を調整する場合、装置性能の低下や印刷品質の低下を招く可能性がある。また、このようにウェブの張力を調整するだけではウェブの不具合を解消できない場合には、不具合が発生した箇所の近辺のガイドローラ全てを点検して調整等を行うことが必要となる。この場合、点検作業に多くの時間が費やされ、印刷作業の中断時間が長くなるという問題が生じる。
【0008】
また、印刷装置には、上述したように多数のガイドローラが設けられているため、特許文献2に示すような方法を印刷装置に適用する場合、多くの費用がかかる。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、点検の必要性が高いガイドローラを簡便に決定して、ガイドローラの点検作業の効率を向上させることができるガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定方法において、ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出するステップと、いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出するステップと、算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正して補正シフト量を算出するステップと、算出された補正シフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップと、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0011】
本発明は、予測シフト量を算出するステップにおいて、ウェブの幅をW、隣接するガイドローラ間の最小距離をamin、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離aminと最大距離との差の仮定値をδaとした場合、予測シフト量Shが、
【数1】

により算出され、
補正係数を算出するステップにおいて、実測シフト量をShとした場合、補正係数kが、
【数2】

により算出され、
補正シフト量を算出するステップにおいて、隣接する各ガイドローラ間における補正シフト量Shが、
【数3】

により算出されることを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0012】
本発明は、各ガイドローラとウェブとの間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラにおいてウェブにしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力を算出し、この算出されたしわ発生限界張力が所定張力よりも小さいか否かを判定するステップを更に備え、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップにおいて、しわ発生限界張力が所定張力よりも小さいと判定されたガイドローラを、優先順位決定の対象から除外することを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0013】
本発明は、複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定方法において、ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出するステップと、いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出するステップと、算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求めるステップと、逆算して求められた隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップと、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0014】
本発明は、予測シフト量を算出するステップにおいて、ウェブの幅をW、隣接するガイドローラ間の最小距離をamin、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離aminと最大距離との差の仮定値をδaとした場合、予測シフト量Shが、
【数4】

により算出され、
補正係数を算出するステップにおいて、実測シフト量をShとした場合、補正係数kが、
【数5】

により算出され、
隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求めるステップにおいて、補正シフト量Shとし、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差δaが、
【数6】

により算出されることを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0015】
本発明は、各ガイドローラとウェブとの間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラにおいてウェブにしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力を算出し、この算出されたしわ発生限界張力が所定張力よりも小さいか否かを判定するステップを更に備え、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップにおいて、しわ発生限界張力が所定張力よりも小さいと判定されたガイドローラを、優先順位決定の対象から除外することを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法である。
【0016】
本発明は、複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定システムにおいて、ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出する予測シフト量算出手段と、いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正して補正シフト量を算出する補正シフト量算出手段と、算出された補正シフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定する順位決定手段と、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定システムである。
【0017】
本発明は、複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定システムにおいて、ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出する予測シフト量算出手段と、いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求める逆算手段と、逆算して求められた隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定する順位決定手段と、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、点検の必要性が高いガイドローラを簡便に決定して、ガイドローラの点検作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、グラビア印刷機の一例を示す図。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態におけるガイドローラの順位決定システムを示す図。
【図3】図3(a)は、ガイドローラにより搬送されるウェブを示す上面図。図3(b)は、図3(a)の側面図。
【図4】図4は、予測シフト量を説明する図。
【図5】図5は、摩擦力が低下した場合のウェブの挙動を説明する図。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態におけるガイドローラの順位決定方法を示す図。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態におけるガイドローラの点検作業方法を示す図。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態におけるガイドローラの順位決定システムを示す図。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態におけるガイドローラの順位決定方法を示す図。
【図10】図10は、本発明の実施例において、予測シフト量と補正シフト量との関係を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態におけるガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システムについて説明する。
【0021】
第1の実施の形態
図1乃至図7を用いて、第1の実施の形態におけるガイドローラの点検順位決定方法およびガイドローラの点検順位決定システムについて説明する。
【0022】
まず、図1により、グラビア印刷機1について説明する。図1に示すように、グラビア印刷機1は、ウェブ(紙、フィルムなど)20が巻き付けられた給紙装置2と、この給紙装置2から繰り出されたウェブ20に印刷を施す印刷ユニット3と、印刷されたウェブ20を巻き取る巻取装置4とを備えている。給紙装置2と印刷ユニット3との間には、インフィード装置5が介在されて、給紙装置2とインフィード装置5とにより給紙ユニット6が構成されている。また、印刷ユニット3と巻取装置4との間にはアウトフィード装置7が介在されて、アウトフィード装置7と巻取装置4とにより排紙ユニット8が構成されている。このようなグラビア印刷機1のインフィード装置5、印刷ユニット3、およびアウトフィード装置7には、図1にも示されているように、複数(多数)のガイドローラ30が設けられ、搬送するウェブ20を案内するようになっている。
【0023】
次に、図2を用いて、本実施の形態によるガイドローラの点検順位決定システム10について説明する。ここで、ガイドローラの点検順位決定システム10は、多数のガイドローラ30により案内されて搬送されているウェブ20に不具合(例えば、しわの発生等)が生じた場合に点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定するためのものである。
【0024】
ガイドローラの点検順位決定システム10は、ウェブ20の幅、隣接するガイドローラ30間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ30間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ30間におけるウェブ20の予測シフト量を算出する予測シフト量算出手段11と、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間において実測されたウェブ20の実測シフト量と、この1組のガイドローラ30間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ30間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段12と、算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ30間における予測シフト量を補正して補正シフト量を算出する補正シフト量算出手段13とを有している。
【0025】
このうち、予測シフト量算出手段11は、ウェブ20の幅をW、隣接するガイドローラ30間の最小距離をamin、および、これら隣接するガイドローラ30間の最小距離amin(図4参照)と最大距離amaxとの差の仮定値をδaとした場合、予測シフト量Shを、
【数7】

により算出するようになっている。ここで、最小距離aminおよび最大距離amaxは、図4に示すように、ウェブ20の領域における、ガイドローラ30間の最小距離(最小ピッチ)および最大距離(最大ピッチ)を表している。
【0026】
ここで、図3(a)、(b)に示すように、ウェブ20を多数のガイドローラ30により案内して搬送する際、ウェブ20は、各ガイドローラ30の軸方向に対して直角に進入する。このため、隣接するガイドローラ30間が平行に設置されていない場合、すなわち、一方のガイドローラ30が他方のガイドローラ30に対して傾斜している場合には、ウェブ20がシフト(横ずれ)する。このことから、ガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差を用いることにより、ウェブ20の予測シフト量Shを、式(1)のように算出することができる。
【0027】
しかしながら、上述のようなウェブ20のシフトは、ウェブ20とガイドローラ30との間に摩擦力が十分に働いている場合である。このため、例えば、ウェブ20の搬送速度が上昇する等によりウェブ20とガイドローラ30との間の摩擦力が失われた場合、搬送方向下流側のガイドローラ30に対するウェブ20の進入方向は、図5に示すように、このガイドローラ30の軸方向に対して直角とはならない。この場合、ウェブ20は、各ガイドローラ30の設置角度に関わらず、給紙装置2(図1参照)から巻取装置4に向かって、直線状に、多数のガイドローラ30上を搬送されるようになる。
【0028】
このため、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間におけるウェブ20の実測シフト量を実測し、この実測シフト量と予測シフト量とにより補正係数を算出し、この補正係数を用いて、他の隣接するガイドローラ30間における予測シフト量を補正することにより、これら他の隣接するガイドローラ30間における予測シフト量の精度を、簡便に向上させることができる。
【0029】
すなわち、補正係数算出手段12は、実測シフト量をShとした場合、補正係数kを、
【数8】

により算出するようになっている。
【0030】
そして、補正シフト量算出手段13は、補正シフト量Shを、
【数9】

により算出するようになっている。
【0031】
また、ガイドローラの点検順位決定システム10は、各ガイドローラ30とウェブ20との間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラ30においてウェブ20にしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力を算出し、この算出されたしわ発生限界張力が所定張力(常用張力)よりも小さいか否かを判定する判定手段14を有している。
【0032】
この判定手段14は、ウェブ20の厚さをt、ウェブ20の弾性係数をE、E、ウェブ20のポアソン比をν、ν、ウェブ20とガイドローラ30との間の摩擦係数をμとした場合に、ウェブ20のしわ発生限界張力Tcrを、
【数10】

により算出するようになっている(出典:「ウェブハンドリングの基礎理論と応用」橋本巨著)。この算出されたしわ発生限界張力Tcrが、搬送されているウェブ20の常用張力よりも小さい場合には、判定手段14により、このガイドローラ30上においてウェブ20にしわが発生すると判定される。ここで、ウェブ20のしわは、グリップ力が強いガイドローラ30上において発生する。このことにより、しわが発生すると判定されたガイドローラ30上では、ウェブ20がシフトすることはないと判定することができる。なお、式(4)において、添え字xは、ウェブ20の搬送方向を表し、添え字zは、ガイドローラ30の軸方向を表している。
【0033】
そして、補正シフト量算出手段13は、判定手段14によりしわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30と、このガイドローラ30の搬送方向上流側に隣接するガイドローラ30との間の補正シフト量をゼロ(0)とする。ここでは、これらのガイドローラ30間の補正係数kを0として、補正シフト量Shを算出するが、補正係数kを他のガイドローラ30間の補正係数kと同一にして補正シフト量Shを算出した後、補正シフト量Shをゼロに置き換えるようにしても良い。
【0034】
また、ガイドローラの点検順位決定システム10は、算出された補正シフト量Shに基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定する順位決定手段15を有している。具体的には、補正シフト量Shが大きい順に、優先順位が決定される。このようにして、順位決定手段15は、しわ発生限界張力が常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30と、このガイドローラ30の搬送方向上流側のガイドローラ30との間の補正シフト量Shがゼロとなっていることから、しわ発生限界張力が所定張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30を、優先順位決定の対象から除外するようになっている。
【0035】
このようにして構成されているガイドローラの点検順位決定システム10の各手段は、コンピュータ上で稼働するプログラムモジュール等として実現することができる。ここで、このようなプログラムモジュール等を含む点検順位決定プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な各種の記録媒体に格納され、コンピュータ上のCPU(中央演算処理装置)から逐次読み出されて実行されることにより上述したような機能を実現させることができる。
【0036】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち本実施の形態によるガイドローラの点検順位決定方法について説明する。
【0037】
まず、図2に示すように、予測シフト量算出手段11により、ウェブ20の幅W、隣接するガイドローラ30間の最小距離amin、およびこれら隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差の仮定値δaに基づいて、隣接する各ガイドローラ30間におけるウェブ20の予測シフト量Shが算出される(ステップS1)。この場合、上述した式(1)を用いて、予測シフト量Shが算出される。
【0038】
次に、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間において実測シフト量Shが実測され(ステップS2)、補正係数算出手段12により、実測されたウェブ20の実測シフト量Shと、これら隣接するガイドローラ30間における予測シフト量Shとに基づいて、隣接する各ガイドローラ30間における予測シフト量Shを補正するための補正係数kが算出される(ステップS3)。この場合、式(2)により補正係数kが算出される。
【0039】
次に、判定手段14により、各ガイドローラ30とウェブ20との間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラ30においてウェブ20にしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力Tcrが算出され、この算出されたしわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいか否かが判定される(ステップS4)。この場合、式(4)により、しわ発生限界張力Tcrが算出される。
【0040】
次に、補正係数算出手段12により算出された補正係数kを用いて、隣接する各ガイドローラ30間における予測シフト量Shを補正して補正シフト量Shが算出される(ステップS5)。この場合、式(3)により補正シフト量Shが算出される。
【0041】
この補正シフト量Shが算出される際、上述したステップS4により、しわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30と、このガイドローラ30の搬送方向上流側に隣接するガイドローラ30との間の補正係数kをゼロとして、補正シフト量Shをゼロとする。このことにより、ウェブ20のシフトが発生していないと判定されたガイドローラ30を優先順位決定の対象から除外して、これを点検することを防止し、不要な作業を省くことができる。
【0042】
その後、順位決定手段15により、補正シフト量Shに基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位が決定される(ステップS6)。
【0043】
次に、この優先順位に基づいて、最も優先されるガイドローラ30の点検作業が行われる。この場合、図7に示すように、まず、隣接するガイドローラ30との間の最小距離aminと最大距離amaxとの差δaが測定される(ステップS11)。次に、この差δaが所定の基準値よりも大きいか否かが判定される(ステップS12)。この差δaが所定の基準値よりも大きいと判定された場合、このガイドローラ30の点検、すなわち、位置調整(平行度、偏心等の調整)が行われる(ステップS13)。この際、ガイドローラ30の回転状態の調整、傷、汚れの補修等を行うようにしても良い。
【0044】
点検作業後、ウェブ20を搬送させてウェブ20の不具合が解消しているか否かが確認される(ステップS14)。不具合が解消していると判断された場合、印刷機が正常運用に復旧される(ステップS15)。一方、ステップS14においてウェブ20の不具合が解消していないと判断された場合には、ステップS11に戻り、次に優先されるガイドローラ30についてδaの測定が行われ、上述したステップが繰り返される。このようなステップの繰り返しは、ウェブ20の不具合が解消するまで行われる。
【0045】
なお、ステップS12において、差δaが所定の基準値よりも小さいと判定された場合には、ステップS11に戻り、次に優先されるガイドローラ30についてδaの測定が行われ、上述したステップが繰り返される。
【0046】
このように本実施の形態によれば、ウェブ20を案内する各ガイドローラ30間におけるウェブ20のシフト量を、精度良くかつ簡便に得ることができ、この得られたシフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定することができる。このため、点検の必要性が高いガイドローラ30を簡便に決定して、ガイドローラ30の点検作業の効率を向上させることができる。
【0047】
第2の実施の形態
次に、図8および図9により、本発明の第2の実施の形態におけるガイドローラの点検順位決定システムおよびガイドローラの点検順位決定方法について説明する。
【0048】
図8および図9に示す第2の実施の形態において、補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算する点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図7に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図8および図9において、図1乃至図7に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0049】
図8に示すように、本実施の形態におけるガイドローラの点検順位決定システム10は、補正係数算出手段12により算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ30間における予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ30間の最小距離と最大距離との差を逆算して求める逆算手段16を有している。
【0050】
この逆算手段16は、補正シフトを量Shとした場合、隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差δaを、
【数11】

により算出するようになっている。
【0051】
また、本実施の形態における順位決定手段17は、この逆算手段16により逆算して求められた隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差δaに基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定するようになっている。具体的には、差δaが小さい順に、優先順位が決定される。
【0052】
図9に示すように、ステップS3において補正係数算出手段12により補正係数kが算出された後、この補正係数kを用いて、逆算手段16により、隣接する各ガイドローラ30間におけるウェブ20の予測シフト量Shを補正した場合に算出される補正シフト量Shが所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差δaが逆算される。この場合、式(5)により差δaが逆算して求められる(ステップS7)。
【0053】
この差δaが逆算される際、ステップS4により、しわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30と、このガイドローラ30の搬送方向上流側に隣接するガイドローラ30との間の補正係数kをゼロとする。この場合、これらのガイドローラ30間の差δaは、式(4)においてゼロで除算されることから、算出されない。このことにより、ウェブ20のシフトが発生しないと判定されたガイドローラ30を優先順位決定の対象から除外して、これを点検することを防止し、不要な作業を省くことができる。
【0054】
その後、順位決定手段17により、逆算して求められた差δaに基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位が決定される(ステップS8)。
【0055】
このように本実施の形態によれば、ウェブ20を案内する各ガイドローラ30間におけるウェブ20のシフト量を、精度良くかつ簡便に得ることができ、この得られたシフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定することができる。このため、点検の必要性が高いガイドローラ30を簡便に決定して、ガイドローラ30の点検作業の効率を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明による実施の形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に、適宜組み合わせることも可能である。また、これらの本実施の形態においては、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形も可能である。
【0057】
すなわち、本実施の形態においては、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間におけるウェブ20の実測シフト量Shを実測して補正係数kを算出し、この補正係数kを用いて他の隣接するガイドローラ30間におけるウェブ20の補正シフト量Shを算出する例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、他の隣接するガイドローラ30間におけるウェブ20の実測シフト量Shをそれぞれ実測して、各隣接するガイドローラ30間に対応して補正係数kを算出し、補正シフト量Shをそれぞれ算出するようにしても良い。この場合、ウェブ20の補正シフト量Shの算出精度をより一層向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態においては、ステップS4において、各ガイドローラ30におけるウェブ20のしわ発生限界張力Tcrを算出して、ステップS5において、しわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30を優先順位決定の対象から除外する例について述べた。しかしながら、このことに限られることはなく、ステップS4を行うことなく、ステップS5において、全ての隣接するガイドローラ30間の補正シフト量Shを算出して、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定するようにしても良い。とりわけ、しわ発生限界張力Tcrが常用張力よりも小さいと判定されたガイドローラ30上のウェブ20にしわが発生する等の不具合が目視等により確認される場合には、このガイドローラ30を優先順位決定の対象から除外することなく、点検が必要なガイドローラ30の優先順位を決定することが好ましい。
【0059】
さらに、本実施の形態においては、グラビア印刷機1を例として説明してきたが、このことに限られることはなく、多数のガイドローラ30を用いてウェブ20を案内する他のタイプの印刷機にも本発明を適用することができ、さらには、印刷機に限られることはなく、多数のガイドローラ30を用いてウェブ20を案内するウェブ搬送機構(図示せず)に本発明を適用することもできる。
【実施例】
【0060】
本発明によるガイドローラの点検順位決定システム10またはガイドローラの点検順位決定方法により、ガイドローラ30の点検順位を決定する実施例について説明する。
【0061】
まず、図3に示す6つのガイドローラ30(30a〜30f)において、ウェブ20の幅Wを1mとし、全ての隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差の仮定値δaを0.2mmと仮定する。この場合、ガイドローラ30間の最小距離aminから、各ガイドローラ30間における予測シフト量Shは、表1のように算出される。
【0062】
【表1】

【0063】
次に、いずれか1組の隣接するガイドローラ30間におけるウェブ20の実測シフト量Shを実測する。ここでは、ガイドローラ30cとガイドローラ30dとの間において実測シフト量Shを実測し、この実測シフト量Shが、0.1mmであるとする。
【0064】
次に、この実測シフト量Shと、実測されたガイドローラ30間(ガイドローラ30cとガイドローラ30dとの間)において算出された予測シフト量Shとに基づいて、補正係数kが0.33と算出される。
【0065】
次に、各ガイドローラ30においてウェブ20のしわ発生限界張力Tcrが算出される。ここでは、ウェブ20の厚さtを20μm、ウェブ20の弾性係数E、を4GPa、ウェブ20のポアソン比ν、νを0.3とし、ウェブ20とガイドローラ30との間の摩擦係数μから、ウェブ20のしわ発生限界張力Tcrが、表1のように算出される。
【0066】
次に、補正係数kを用いて、各予測シフト量Shを補正して補正シフト量Shが、表1のように算出される。ここで、ウェブ20の常用張力を100N/mとした場合、ガイドローラ30dとガイドローラ30eとの間では、ウェブ20のしわ発生限界張力Tcrが常用張力(100N/m)よりも小さいため、補正係数kをゼロとして、補正シフト量Shをゼロとする。このようにして算出された予測シフト量Shと補正シフト量Shとの関係を、図10に示す。
【0067】
次に、これらの補正シフト量Shが大きい順に、点検が必要なガイドローラ30の優先順位が決定される。ここでは、ガイドローラ30eとガイドローラ30fとの間の補正シフト量Shが最大であるため、これらのうち搬送方向下流側であるガイドローラ30fの点検の優先度が最も高くなる。
【0068】
また、表1には、補正シフト量Shが所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ30間の最小距離aminと最大距離amaxとの差δaを逆算して求めた例についても示されている。ここでは、補正シフト量Shを0.1mmとして、式(5)を用いて、差δaを逆算して求めている。この場合、これらの差δaが小さい順に、点検が必要なガイドローラ30の優先順位が決定される。すなわち、ガイドローラ30eとガイドローラ30fとの間の差δaが最小であるため、これらのうち搬送方向下流側であるガイドローラ30fの点検の優先度が最も高くなる。
【符号の説明】
【0069】
1 グラビア印刷機
2 給紙装置
3 印刷ユニット
4 巻取装置
5 インフィード装置
6 給紙ユニット
7 アウトフィード装置
8 排紙ユニット
10 ガイドローラの点検順位決定システム
11 予測シフト量算出手段
12 補正係数算出手段
13 補正シフト量算出手段
14 判定手段
15 順位決定手段
16 逆算手段
17 順位決定手段
20 ウェブ
30、30a〜30f ガイドローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定方法において、
ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出するステップと、
いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出するステップと、
算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正して補正シフト量を算出するステップと、
算出された補正シフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップと、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項2】
予測シフト量を算出するステップにおいて、ウェブの幅をW、隣接するガイドローラ間の最小距離をamin、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離aminと最大距離との差の仮定値をδaとした場合、予測シフト量Shが、
【数1】

により算出され、
補正係数を算出するステップにおいて、実測シフト量をShとした場合、補正係数kが、
【数2】

により算出され、
補正シフト量を算出するステップにおいて、隣接する各ガイドローラ間における補正シフト量Shが、
【数3】

により算出されることを特徴とする請求項1に記載のガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項3】
各ガイドローラとウェブとの間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラにおいてウェブにしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力を算出し、この算出されたしわ発生限界張力が所定張力よりも小さいか否かを判定するステップを更に備え、
点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップにおいて、しわ発生限界張力が所定張力よりも小さいと判定されたガイドローラを、優先順位決定の対象から除外することを特徴とする請求項1または2に記載のガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項4】
複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定方法において、
ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出するステップと、
いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出するステップと、
算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求めるステップと、
逆算して求められた隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップと、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項5】
予測シフト量を算出するステップにおいて、ウェブの幅をW、隣接するガイドローラ間の最小距離をamin、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離aminと最大距離との差の仮定値をδaとした場合、予測シフト量Shが、
【数4】

により算出され、
補正係数を算出するステップにおいて、実測シフト量をShとした場合、補正係数kが、
【数5】

により算出され、
隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求めるステップにおいて、補正シフト量Shとし、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差δaが、
【数6】

により算出されることを特徴とする請求項4に記載のガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項6】
各ガイドローラとウェブとの間の摩擦係数に基づいて、各ガイドローラにおいてウェブにしわが発生する限界張力を表すしわ発生限界張力を算出し、この算出されたしわ発生限界張力が所定張力よりも小さいか否かを判定するステップを更に備え、
点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するステップにおいて、しわ発生限界張力が所定張力よりも小さいと判定されたガイドローラを、優先順位決定の対象から除外することを特徴とする請求項4または5に記載のガイドローラの点検順位決定方法。
【請求項7】
複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定システムにおいて、
ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出する予測シフト量算出手段と、
いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、
算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正して補正シフト量を算出する補正シフト量算出手段と、
算出された補正シフト量に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定する順位決定手段と、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定システム。
【請求項8】
複数のガイドローラにより案内されて搬送されているウェブに不具合が生じた場合に点検が必要なガイドローラの優先順位を決定するガイドローラの点検順位決定システムにおいて、
ウェブの幅、隣接するガイドローラ間の最小距離、および当該隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差の仮定値に基づいて、隣接する各ガイドローラ間におけるウェブの予測シフト量を算出する予測シフト量算出手段と、
いずれか1組の隣接するガイドローラ間において実測されたウェブの実測シフト量と、当該1組のガイドローラ間における予測シフト量とに基づいて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、
算出された補正係数を用いて、隣接する各ガイドローラ間における予測シフト量を補正した場合に算出される補正シフト量が所定シフト量となるように、隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差を逆算して求める逆算手段と、
逆算して求められた隣接するガイドローラ間の最小距離と最大距離との差に基づいて、点検が必要なガイドローラの優先順位を決定する順位決定手段と、を備えたことを特徴とするガイドローラの点検順位決定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−201614(P2011−201614A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67865(P2010−67865)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】