説明

ガスセンサ

【課題】結露に起因する素子破壊や感度低下等の不具合の発生を防止する。
【解決手段】ガスセンサ1のケース21の厚さ方向の端面に、筒状部25とベース部35とからなるガス検出室26を設けた。ベース部35のガス検出室26側の表面35A上に平板状ヒータ36を設け、平板状ヒータ36に形成された貫通孔39にステー33の端子台38を装着した状態で、ステー33をベース部35に固定し、ガス検出室26内におけるステー33の先端部の突出位置が所定位置となるように位置決めした。検出素子31および温度補償素子32を複数のステー33およびリード線34を介してケース21内の回路基板30に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガスセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば高温かつ多湿の環境下で検査対象ガスに含まれる可燃性ガスを検出するガスセンサとして、検出素子に結露水が接触することを防止するために発熱体ユニットを備え、ガスセンサ内部での結露の発生を防止するガスセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば固体高分子膜型燃料電池の酸素極側の排出系に配置され、燃料極側から固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩する水素ガスを検出するガスセンサとして、検査対象ガスの導入口と検出素子との間に検査対象ガスを加熱するヒータを備え、ガスセンサ内部での結露の発生を防止するガスセンサが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−121754号公報
【特許文献2】国際公開第03/042678号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術に係るガスセンサでは、通電停止時の検出素子は、この検出素子の雰囲気を介した熱伝達、つまり発熱体やヒータからの輻射熱により加熱されるだけである。このため、ガスセンサ内部での結露の発生を防止するために必要とされる所望の加熱量が不足し、検出素子に結露水が接触することになり、この状態で検出素子に通電が行われると、素子表面に局所的な温度分布の不均一が発生し、素子破壊や感度低下等の不具合が発生してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、結露に起因する素子破壊や感度低下等の不具合の発生を防止することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサは、検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、発熱体(例えば、実施の形態での平板状ヒータ36)を具備する基板(例えば、実施の形態でのベース部35)と、前記基板に固定され、前記発熱体から突出すると共に、検出素子(例えば、実施の形態での検出素子31)を支持する支持部材(例えば、実施の形態でのステー33)とを備えることを特徴としている。
【0005】
上記のガスセンサによれば、検出素子を支持する支持部材が、基板に設けられた発熱体から突出した状態で固定されることから、検出素子に接続された支持部材および基板を直接的に加熱することができる。これにより、検出素子への通電停止時であっても、検出素子自体に加えて支持部材および基板において結露が発生してしまうことを防止することができ、たとえガスセンサ内部の他の部位で結露水が発生した場合であっても、結露水が支持部材を介して検出素子に到達することを防止することができる。
【0006】
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサでは、前記検出素子は略球形であって、1対の前記支持部材にリード線(例えば、実施の形態でのリード線34)を介して接続されていることを特徴としている。
【0007】
上記のガスセンサによれば、検出素子への通電停止時であっても、検出素子自体に加えて支持部材、リード線および基板を直接加熱することができるので結露が発生してしまうことを防止することができ、たとえガスセンサ内部の他の部位で結露水が発生した場合であっても、結露水が支持部材およびリード線を介して検出素子に到達することを防止することができる。
【0008】
さらに、請求項3に記載の本発明のガスセンサでは、検査対象ガスが導入されるガス検出室のガス導入口(例えば、実施の形態でのガス導入部28)に、連通孔を有する発熱体(例えば、実施の形態での導入部ヒータ44)または多孔質の発熱体(例えば、実施の形態での導入部ヒータ44)を備えることを特徴としている。
【0009】
上記のガスセンサによれば、検査対象ガスは連通孔を有する発熱体または多孔質の発熱体を通過する際に加熱されることから、ガス検出室内に導入される検査対象ガスの温度が露点以下に低下してしまうことを防止することができ、ガス検出室内で結露が発生してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明のガスセンサによれば、検出素子への通電停止時であっても、検出素子自体に加えて支持部材および基板において結露が発生してしまうことを防止することができ、たとえガスセンサ内部の他の部位で結露水が発生した場合であっても、結露水が支持部材を介して検出素子に到達することを防止することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサによれば、検出素子への通電停止時であっても、検出素子自体に加えて支持部材、リード線および基板を直接加熱することができるので結露が発生してしまうことを防止することができ、たとえガスセンサ内部の他の部位で結露水が発生した場合であっても、結露水が支持部材およびリード線を介して検出素子に到達することを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のガスセンサによれば、ガス検出室内に導入される検査対象ガスの温度が露点以下に低下してしまうことを防止することができ、ガス検出室内で結露が発生してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るガスセンサについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るガスセンサ1は、例えば図1に示すように、燃料電池システム10aに備えられている。この燃料電池システム10aは、燃料電池2と、電流制御器3と、蓄電装置4と、負荷5と、S/C出力制御器6と、過給器(S/C)7と、燃料供給装置8と、出力電流センサ9と、制御器10とを備えて構成され、ガスセンサ1は、燃料電池2に接続された各配管11,12,13,14のうち、酸素極側の出口側配管14に設けられている。
【0012】
燃料電池2は、例えば電気自動車等の動力源として車両に搭載されており、固体高分子電解質膜を水素極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セルを多数組積層して構成されている。
燃料電池2の水素極に接続された入口側配管11には、例えば高圧の水素タンク等を具備する燃料供給装置8から水素ガスを含む燃料ガスが供給され、水素極の触媒電極上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。
酸素極に接続された入口側配管12には、例えば酸素等の酸化剤ガスあるいは空気が過給器(S/C)7から供給され、この酸素極において、水素イオンと電子と酸素とが反応して水が生成される。そして、水素極側および酸素極側共に出口側配管13、14から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0013】
ここで、酸素極側の出口側配管14には、鉛直方向の上部に、例えばガス接触燃焼式のガスセンサ1が取り付けられ、このガスセンサ1により酸素極側の出口側配管14から水素ガスが排出されていないことを確認できるようになっている。
【0014】
また、過給器(S/C)7は、例えば車両の外部から空気を取り込んで圧縮し、この空気を反応ガスとして燃料電池2の酸素極に供給する。
この過給器(S/C)7を駆動するモータ(図示略)の回転数は、制御器10から入力される制御指令に基づき、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータを具備するS/C出力制御器6によって制御されている。
【0015】
燃料電池2から取り出される発電電流(出力電流)は電流制御器3に入力されており、この電流制御器3には、例えば電気二重層コンデンサや電解コンデンサ等からなる複数のキャパシタセルが互いに直列に接続されて構成されたキャパシタ等からなる蓄電装置4が接続されている。
そして、燃料電池2および電流制御器3と蓄電装置4とは、例えば走行用モータ(図示略)と、例えば燃料電池2や蓄電装置4の冷却装置(図示略)や空調装置(図示略)等の各種補機類からなる負荷5と、S/C出力制御器6とに対して並列に接続されている。
【0016】
この燃料電池システム10aにおいて制御器10は、例えば車両の運転状態や、燃料電池2の水素極に供給される燃料ガスに含まれる水素の濃度や、燃料電池2の水素極から排出されるオフガスに含まれる水素の濃度や、燃料電池2の発電状態、例えば各複数の燃料電池セルの端子間電圧や、燃料電池2から取り出される出力電流等に基づき、過給器(S/C)7から燃料電池2へ供給される空気の流量に対する指令値および燃料供給装置8から燃料電池2へ供給される燃料ガスの流量に対する指令値を出力し、燃料電池2の発電状態を制御する。
このため、制御器10には、燃料電池2から取り出される出力電流の電流値を検出する出力電流センサ9から出力される検出信号が入力されている。
さらに、制御器10は、燃料電池2に対する発電指令(FC出力指令値)に基づき、電流制御器3により燃料電池2から取り出される出力電流の電流値を制御する。
【0017】
ガスセンサ1は、例えば図2に示すように、出口側配管14の長手方向に沿って長い直方形状のケース21を備えている。ケース21は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部22を備えている。フランジ部22にはカラー23が設けられ、このカラー23内にボルト24が挿入されて、出口側配管14の取付座に締め付け固定されるようになっている。
【0018】
ケース21の厚さ方向の端面には、後述するベース部35を介して、セラミックスにより形成された筒状部25が設けられ、この筒状部25は出口側配管14の貫通孔に外周側から挿入されている。
筒状部25の内部はガス検出室26として形成され、ガス検出室26の内部側面には、内周側に向かってセラミックスからなるフランジ部27が一体に形成され、フランジ部27の内周部分がガス導入部28として開口形成されている。
また、筒状部25の外周面にはシール材29が装着され、出口側配管14の貫通孔の内周壁に密接して気密性を確保している。
【0019】
ケース21内には樹脂で封止された回路基板30が設けられ、ガス検出室26内に配置された、例えば2対の検出素子31および温度補償素子32は、回路基板30に接続された通電用の複数のステー33(支持部材)およびリード線34により回路基板30に接続されている。
通電用のステー33は、ケース21と筒状部25との間に配置された略円環板状のベース部35を貫通し、基端部がケース21内の回路基板30に接続されると共に、先端部がガス検出室26内に突出した状態でベース部35により固定されている。
【0020】
ベース部35は、例えばアルミナあるいはガラスエポキシ等の絶縁性材料から平板状に形成され、ベース部35のガス検出室26側の表面35A上には、例えばチタン酸バリウム等からなるPTC(positive temperature coefficient)サーミスタ等の平板状ヒータ36が設けられ、裏面35B上には、例えば導電性の抵抗体(例えば、銀系やパラジュウム系の導電金属等)の印刷および焼成により形成され、電気回路の一部の導体パターンをなす裏面側ヒータ37が設けられている。これにより、ベース部35を表面側と裏面側との両側から加熱することによりベース部35の表面側と裏面側との間で温度差が増大してしまうことを防止することができ、ガス検出室26側での結露の発生を抑制すると共に、ベース部35の熱変形の発生を防止することができる。
【0021】
なお、平板状ヒータ36は、例えば外形が円形板状とされ、径方向の両端部に通電用の電気端子が設けられている。
また、平板状ヒータ36を、例えばPTCサーミスタとすることにより、このPTCサーミスタを構成するチタン酸バリウムを主成分とする半導体セラミックの材料組成により、任意にキュリー温度を設定することができ、このキュリー温度から電気抵抗が急減に増大するという性質を利用して、平板状ヒータ36を定温発熱体とすることができる。
つまりPTCサーミスタは、PTC素子に電圧が印加されるとジュール熱により自己発熱し、PTC素子の温度がキュリー温度を超えると、PTC素子の抵抗値は対数的に増大する。これにより、PTC素子に通電される電流が減少し、電力の増大が抑制されることから、発熱温度が低下する。そして、PTC素子の抵抗値が低下すると、PTC素子に通電される電流が増大し、再度、電力が増大することから、発熱温度が増大する。この一連の動作が繰り返されることで、PTCサーミスタは、自己制御機能を有する定温発熱体として機能する。
【0022】
また、例えば銅合金、鉄合金、ニッケル合金等の複合合金材から形成されたステー33には、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フェノール、エポキシ等の樹脂による射出成形や熱硬化によって形成された位置決め用の端子台38が長手方向の所定位置に設けられている。
【0023】
そして、ベース部35の表面側の平板状ヒータ36に形成された貫通孔39にステー33の端子台38が装着された状態で、ステー33がベース部35に固定されることで、ガス検出室26内におけるステー33の先端部の突出位置が所定位置となるように位置決めされている。なお、ステー33に端子台38が設けられていることで、ステー33が平板状ヒータ36の加熱によって過熱状態となってしまうことが抑制されている。
なお、絶縁性のベース部35の表面上に、例えば印刷あるいはエッチング等によって電気回路が形成されている場合に、この電気回路とステー33とが半田付けあるいは溶接等によって接合されてもよい。
【0024】
さらに、ガス検出室26内において、平板状ヒータ36およびステー33の端子台38の表面を覆うようにして、例えばエポキシ等の樹脂からなる被覆層40が設けられ、ステー33の先端部は被覆層40から突出している。これにより、平板状ヒータ36に水が接触することを防止することができる。
また、ガス検出室26内での各素子31,32周辺の温度および湿度を検出する状態センサ41が被覆層40により固定され、状態センサ41はケース21内の回路基板30に接続されている。
また、ベース部35の裏面35B上の端部には、ガスセンサ1の配置位置周辺の温度を検出するための温度センサ42が設けられ、この温度センサ42はケース21内の回路基板30に接続されている。
【0025】
そして、ガス導入部28には、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って基端部から先端部に向かい順次、例えば金属またはセラミックからなる、網状または多孔質状の防爆構造体43(例えば、焼結フィルタ)と、例えば多孔質状または複数の連通孔を有するPTCサーミスタ等の導入部ヒータ44と、例えば樹脂からなる撥水フィルタ45とが配置されている。これにより、検査対象ガスは、外部から順次、撥水フィルタ45と、導入部ヒータ44と、防爆構造体43とを通過してガス検出室26内に導入され、検査対象ガスを露点よりも高い温度に保持することができる。しかも、導入部ヒータ44を防爆構造体43に接触させることによって、防爆構造体43を直接的に加熱することができ、防爆構造体43で結露が発生することを防止することができる。
【0026】
また、筒状部25の内壁面25Aは金属板46により被覆され、さらに、金属板46の表面は撥水層47により被覆されている。この金属板46により、ガス検出室26内で各素子31,32から離間した位置に重力によって相対的に結露が発生しやすい領域を設けることができ、しかも、この金属板46周辺で発生した結露水は、撥水層47によって鉛直方向下方、つまりガス導入部28に向かい流動し、各素子31,32に接触することが防止される。
【0027】
なお、検出素子31は周知の素子であって、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイルの表面が、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒を坦持するアルミナ等の坦体で略球形に被覆されて形成されている。
温度補償素子32は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子31と同等のコイルの表面がアルミナ等の坦体で略球形に被覆されて形成されている。
そして、被検出ガスである水素ガスが検出素子31の触媒に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子31と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子31よりも低温の温度補償素子32との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
【0028】
制御器10は、例えば燃料電池2の運転状態等に応じて、ガスセンサ1および各ヒータ36,37,44の作動状態、例えば作動開始および作動停止の各タイミングや、例えば検出素子31および温度補償素子32と各ヒータ36,37,44とに対する通電状態等を制御する。
【0029】
例えば、制御器10は、状態センサ41および温度センサ42の検出温度に基づいて各ヒータ36,37,44への通電を制御し、例えば燃料電池2の運転時等においては、状態センサ41により検出されるガス検出室26内の温度および湿度が、結露の発生が抑制される所定範囲の値となるよう制御すると共に、例えば温度センサ42により検出される温度が相対的に低温である場合には、各ヒータ36,37,44への通電を行い、一方、温度センサ42により検出される温度が相対的に高温である場合には、各ヒータ36,37,44への通電を停止して消費電力の過剰な増大を抑制する。
このとき、制御器10は、例えば各ヒータ36,37,44へ通電される電流値に対するフィードバック制御や、例えばスイッチング素子のオン/オフ動作等に基づくチョッパ制御(つまり、通電のオン/オフの切替制御)等によって各ヒータ36,37,44への通電量を制御する。
【0030】
上述したように、本実施の形態によるガスセンサ1によれば、各素子31,32を支持するステー33が、ベース部35に設けられた平板状ヒータ36から突出した状態で固定されることから、各素子31,32に接続されたステー33およびベース部35を直接的に加熱することができる。これにより、各素子31,32への通電停止時であっても、各素子31,32自体に加えてステー33およびベース部35において結露が発生してしまうことを防止することができ、たとえガスセンサ1内部の他の部位で結露水が発生した場合であっても、結露水がステー33を介して各素子31,32に到達することを防止することができるため、結露水が各素子31,32に接触して、各素子31,32が破損したり劣化するのを防止し、各素子31,32の耐久性を向上させることができると共にガスセンサ1の検出精度を向上させることができる。
【0031】
なお、上述した実施の形態においては、ガスセンサ1を接触燃焼式のセンサとしたが、これに限定されず、例えば被検出ガスが検出素子表面の酸素と接触離脱した際に生じる素子抵抗値に応じてガス濃度を検出する半導体式等の他の方式によるガスセンサであってもよい。
【0032】
なお、上述した実施の形態においては、平板状ヒータ36およびステー33の端子台38の表面を覆うようにして被覆層40が設けられるとしたが、これに限定されず、例えばエポキシ等の樹脂からなる被覆層50によって平板状ヒータ36の全表面が被覆されてもよい。この場合、例えば図3に示すように、ステー33の端子台38が被覆層50と一体に形成されてもよい。
また、上述した実施の形態においては、被覆層40を設けるとしたが、これに限定されず、被覆層40は省略されてもよい。
【0033】
なお、上述した実施の形態においては、平板状ヒータ36をPTCサーミスタとしたが、これに限定されず、例えば焼結体ヒータ等の他のヒータであってもよいし、例えばベース部35の表面上での導電性の抵抗体の印刷および焼成により形成され、電気回路の一部の導体パターンをなすヒータであってもよい。
【0034】
なお、上述した実施の形態においては、状態センサ41および温度センサ42を備えるとしたが、これに限定されず、例えば温度センサ42、あるいは、状態センサ41および温度センサ42は省略されてもよい。
【0035】
なお、上述した実施の形態においては、ガス導入部28には、防爆構造体43と導入部ヒータ44と撥水フィルタ45とを備えるとしたが、これに限定されず、例えば防爆構造体43および撥水フィルタ45の少なくとも何れかを省略してもよい。
また、上述した実施の形態においては、例えば図4に示すように、導入部ヒータ44の全表面が、例えばエポキシ等の樹脂からなる被覆層51によって被覆されてもよく、この場合、導入部ヒータ44には、例えば図5に示すように、厚さ方向に貫通する複数の連通孔44aが設けられていればよい。この被覆層51を備える導入部ヒータ44は、例えば超音波溶着やエポキシ接着剤等によりガス導入部28に固定される。
【0036】
また、上述した実施の形態においては、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って基端部から先端部に向かい順次、防爆構造体43と導入部ヒータ44と撥水フィルタ45とを備えるとしたが、これに限定されず、例えば図6に示すように、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って基端部から先端部に向かい順次、導入部ヒータ44と防爆構造体43と撥水フィルタ45とを備えてもよいし、例えば図7に示すように、ガスセンサ1の厚さ方向に沿って基端部から先端部に向かい順次、導入部ヒータ44と撥水フィルタ45と防爆構造体43とを備えてもよい。
【0037】
なお、上述した実施の形態においては、筒状部25の内壁面25A上に金属板46と撥水層47とを備えるとしたが、これに限定されず、例えば図8に示すように、金属板46を省略して、筒状部25の内壁面25A上に撥水層47のみを設けてもよい。
また、上述した実施の形態においては、必要に応じて、撥水層47の代わりに親水層を設けてもよい。
【0038】
なお、上述した実施の形態においては、ベース部35の裏面35B上には、例えば導電性の抵抗体の印刷および焼成により形成された裏面側ヒータ37を備えるとしたが、これに限定されず、例えばPTCサーミスタや焼結体ヒータ等の他のヒータであってもよいし、例えばベース部35がガラスエポキシ等からなる場合には、セラミックの表面に印刷により裏面側ヒータ37を形成し、このセラミックを半田や金属のボンディング等によってベース部35に接合してもよい。
【0039】
なお、上述した実施の形態において、ベース部35と筒状部25との間には、シール材が配置されて気密性が確保されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係るガスセンサを具備する燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るガスセンサの側断面図である。
【図3】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサの側断面図である。
【図4】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサの側断面図である。
【図5】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサのガス導入部に配置されたヒータの断面図である。
【図6】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサの側断面図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサの側断面図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係るガスセンサの側断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ガスセンサ
28 ガス導入部(ガス導入口)
31 検出素子
33 ステー(支持部材)
34 リード線
36 平板状ヒータ(発熱体)
44 導入部ヒータ(発熱体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、
発熱体を具備する基板と、
前記基板に固定され、前記発熱体から突出すると共に、検出素子を支持する支持部材とを備えることを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記検出素子は略球形であって、1対の前記支持部材にリード線を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
検査対象ガスが導入されるガス検出室のガス導入口に、連通孔を有する発熱体または多孔質の発熱体を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−107137(P2008−107137A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288565(P2006−288565)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】