説明

ガスタービンの運転のための方法及び該方法の実施のための複合サイクル発電プラント

本発明は、順次燃焼式のガスタービン(GT)の運転のための方法に関し、ガスタービンは、少なくとも1つの圧縮機(12,13)、第1の燃焼室(14)及び該燃焼室の下流側に接続された第1のタービン(15)、並びに第2の燃焼室(16)及び該燃焼室の下流側に接続された第2のタービン(17)を含み、圧縮機(12,13)は空気を吸い込んで該空気を圧縮し、該圧縮された空気は第1の燃料の燃焼のために第1の燃焼室(14)に供給され、第1のタービン(15)から流出するガスは第2の燃料の燃焼のために第2の燃焼室(16)に供給される。このような方法において、第1の燃料及び第2の燃料として互いに異なる燃料を用いることによって、運転における高い融通性及び確実性を達成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順次燃焼式のガスタービンの運転のための方法であって、ガスタービンは、少なくとも1つの圧縮機、第1の燃焼室及び該燃焼室の下流側に接続された第1のタービン、並びに第2の燃焼室及び該燃焼室の下流側に接続された第2のタービンを含んでおり、圧縮機は空気を吸い込んで該空気を圧縮し、該圧縮された空気は第1の燃料の燃焼のために第1の燃焼室に供給され、かつ第1のタービンから流出するガスは第2の燃料の燃焼のために第2の燃焼室に供給されるようになっている形式のもの、該方法をガス化機能付きの複合サイクル発電プラントに使用する方法、並びに前記方法の実施のためのガス化機能付きの複合サイクル発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス化機能付き(IGCC[Integrated Gasification Combined Cycle])の複合サイクル発電プラントは一般的に合成のガス(合成ガス若しくはMbtu ガス)を用いて運転され、合成のガスは石炭、バイオマス若しくは別の燃料をガス化することによって生成される(例えばUS-A-5901547号明細書、参照)。発電プラントの利用可能性を改善して、連続的な発電を達成するために、一般的にガス化装置の整備中には天然ガスか液体燃料による補助運転を必要としている。
【0003】
IGCC-発電プラントは一般的に補助燃料、例えば天然ガス若しくは油(オイル)で始動され、次いでガス化装置が運転されると合成ガスに切り換えられる。補助ガスから合成ガスへの燃料切り換え(FSWO[Fuel Switch Over])は、一般的に負荷変動、脈動及びフラッシュバック(逆火)のおそれを伴う複雑な移行プロセスである。さらにガスタービンの燃料切り換え中の停止のおそれは最大である。
【0004】
ガスタービンの1つの燃焼室内で複数の各バーナーグループのための燃料を個別に切り換えて、負荷変動の程度及び停止のおそれを減少させることは可能である。このようなグループ毎の運転は、混合燃焼にも用いられ、この場合に個別のバーナーグループは異なる燃料組成で、例えば合成ガス/油若しくは合成ガス/天然ガスで運転される。
【0005】
前述の運転における欠点として、逆火及び脈動のおそれが、同一の燃焼室の各バーナーにおける異なる燃料による異なる火炎形状及び圧力低下率に基づき高くなっている。
【0006】
ガスタービンはすでに公知であり(US-A-5577378号明細書、若しくはA.Ergolu et al, Einwicklung des sequentiellen Verbrennungssystem fuer die Gasturbinenfamilie GT24/GT26,ABB Technik 4/1998,S.4-16(1998)(A.Ergolu氏ほかの、タービン群のための順次燃焼式の燃焼システムの開発))、第2の燃焼室による再加熱で作動するようになっている。単段式の燃焼と異なって、第2の燃焼室による再加熱での順次燃焼においては、各燃焼室を異なる燃料で作動させることが可能である。順次燃焼式のガスタービンは、IGCC-発電プラント内で、新たな形式の始動、運転及び混合燃焼を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US-A-5577378号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】A.Ergolu et al, Einwicklung des sequentiellen Verbrennungssystem fuer die Gasturbinenfamilie GT24/GT26,ABB Technik 4/1998,S.4-16(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、ガスタービンの運転のための方法及び該方法の実施のための複合サイクル発電プラントを改善して、従来の手段の欠点を避けて、特に移行段階若しくは切り換え段階においても極めて安定した融通性のある運転を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は請求項1、7及び8に記載の手段によって解決される。本発明にとって重要なことは、ガスタービンの両方の燃焼室を、異なる燃料によって順次に(少なくとも部分的に)燃焼させて運転し、この場合に異なる燃料による運転は特に移行領域、例えば始動段階でも行われるようになっている。
【0011】
本発明に基づく方法は、第1の燃料及び第2の燃料として合成ガス、天然ガス及び液体燃料、殊に油からなるグループ内の1つの燃料を用いることを特徴としている。このような燃料の組合せにより、ガスタービンにとって、広い使用領域及び支障若しくは中断のない極めてフレキシブルな運転を可能にしている。本明細書において、A及び/又はBなる記載は、AとBの少なくともいずれか一方を意味している。 本発明に基づく方法の実施態様では、第1の燃焼室及び/又は第2の燃焼室は、バーナーの複数のグループ(バーナーグループ)を有しており、燃焼室内の各バーナーグループは互いに異なる燃料で作動される。
【0012】
有利な実施態様では、ガスタービンの始動のために、まず第1のステップで第1の燃焼室を、天然ガス及び液体燃料、殊に油からなるグループ内の、補助燃料としての第1の燃料で、ガスタービンがベース負荷の予め規定された所定の割合、殊に約33%に達するまで作動し、かつ第2のステップで付加的に第2の燃焼室を第2の燃料としての合成ガスで、ベース負荷が達成されるまで作動させる。有利には、第2のステップで第1の燃焼室(14)は合成ガスでの運転に切り換えられる。
【0013】
別の実施態様では、第2の燃焼室は、バーナーの複数のグループ(バーナーグループ)を有しており、ガスタービンの始動のために、まず第1のステップで第1の燃焼室を、天然ガス及び液体燃料、殊に油からなるグループ内の補助燃料としての第1の燃料で、ガスタービンがベース負荷の予め規定された所定の割合、殊に約33%に達するまで作動し、かつ第2のステップで付加的に第2の燃焼室を、まず天然ガス及び液体燃料、特に油からなるグループ内の補助燃料と合成ガスとの組合せで作動させ、この場合に合成ガスと補助燃料とは互いに異なるバーナーグループ内で燃焼させられ、次いで第2の燃焼室は第3のステップでは完全に合成ガスで作動される。
【0014】
本発明に基づく複合サイクル発電プラントの実施態様では、第1の燃焼室及び/又は第2の燃焼室は、個別に燃料の供給を受けるようになっている複数のバーナーグループを有しており、該各バーナーグループは選択的に、燃料分配装置を介して個別的に燃料供給部及び/又はガス化装置の出口に接続されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に基づく複合サイクル発電プラントの実施例の概略的な回路図
【図2】第1の燃焼室内の温度(T1)の推移及び圧縮機における調節可能な入口案内コック(VIGV)の調節位置を、図1のガスタービンの急速運転時の負荷(L、ベース負荷BLに対する%)にわたって示す線図
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を図示の実施例に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に基づく複合サイクル発電プラント(複合サイクル発電装置)の概略的な回路図である。複合サイクル発電プラント10は、ガスタービンGTを含んでおり、ガスタービンGTは軸18上に低圧圧縮機12、高圧圧縮機13、高圧タービン15及び低圧タービン17を有していて、発電機11を駆動するようになっている。第1の燃焼室14からの高温ガスは、高圧タービン15内で膨張し、次いで第2の燃焼室16内へ導かれ、そこで引き続き燃焼し、生じた高温の排ガスは低圧タービン17内で膨張するようになっている。低圧タービン17から流出する排ガスは、排ガスボイラー21へ送られて、該排ガスボイラー(排熱回収ボイラー)に接続された水・蒸気回路29内で蒸気タービン(図示省略)のための蒸気を形成するようになっている。冷却された排ガスは、最終的に排ガス出口22を介してフィルター機能のある排気筒若しくは類似のものに放出される。
【0018】
第1の燃焼室14は高圧圧縮機13から圧縮された燃焼空気を受けるようになっており、燃焼空気は低圧圧縮機12によって空気入口23を介して吸い込まれて予め圧縮されたものである。高圧圧縮機13で圧縮された燃焼空気は、高圧圧縮機13の出口(必要に応じて中間段)で分流(分岐)されて、高圧・貫流冷却器19内で冷却されて、冷却空気として第1の燃焼室14及び高圧タービン15に送られるようになっている。低圧圧縮機12で圧縮(予備圧縮若しくは予圧)された空気も、同様に低圧圧縮機12の出口(必要に応じて中間段)で分流されて、低圧・貫流冷却器20内で冷却されて、冷却空気として第2の燃焼室16に送られるようになっている。
【0019】
第1の燃焼室14は、それぞれ複数のバーナーから成る複数のバーナーグループ14a,14bを有しており、各バーナーグループ(バーナーグ群若しくはバーナーユニット)はそれぞれ独立して作動(運転)され、かつそれぞれ異なる種類の燃料を供給されるようになっていてよいものである。第2の燃焼室16も、それぞれ複数のバーナーから成る複数のバーナーグループ16a,16bを有しており、各バーナーグループ(バーナーグ群若しくはバーナーユニット)はそれぞれ独立して作動され、かつそれぞれ異なる種類の燃料を供給されるようになっていてよいものである。バーナーグループ14a,b及び16a,bは図1には概略的に示して、個別の炎で表してある。
【0020】
複合サイクル発電プラント10は、ガスタービンGT、水・蒸気回路29及び付属の蒸気タービンのほかに、ガス化装置24を含んでおり、該ガス化装置内では石炭、バイオマス若しくは合成の燃料ガスに転換可能なほかの原料がガス化されるようになっている。
【0021】
ガス化装置24は図1には概略的に簡単なボックスとして示してあるものの、実際には複数の構成部分、複合サイクル発電プラント10のほかの構成部分への接続部、酸素の発生及び供給、並びに発生したガスの清浄のために用いられる構成部分等を含んでいる。
ガス化装置24は第1の燃料供給部27を介して適切な原料(石炭等)を供給され、発生した合成ガスを、必要に応じて一時貯蔵部を介してガスタービンGTに供給するようになっている。ガスタービンGTはさらに第2の燃料供給部28を介して第2の燃料として天然ガス若しくは液体燃料、例えば油を供給されるようになっており、該第2の燃料は特に運転の補助(支援又は促進)のために用いられるようになっている。
【0022】
ガス化機能を有する複合サイクル発電プラント10に用いられる順次に燃焼可能なガスタービンGTの極めて柔軟な運転を可能にするために、ガスタービンGTの両方の燃焼室14,16は選択的に、ガス化装置24からの合成ガスで作動されるか、若しくは第2の燃料供給部28を介して供給される補助燃料で作動されるようになっているだけではなく、各燃焼室14,16は制御されて同時に両方の燃料で作動されるようにもなっている。このために、燃焼室14,16の個別のバーナーグループ14a,14b,16a,16bは選択的にそれぞれ一種類の燃料で作動されるようになっている。このために、(図1に例として示してある)制御可能若しくは切り換え可能な燃料分配装置25,26を設けてあり、該燃料分配装置は入口側でガス化装置24及び第2の燃料供給部28の出口に接続され、かつ出口側で燃焼室14,16の個別のバーナーグループ14a,14b,16a,16bに接続されている。燃料分配装置25,26内には例えば制御可能な複数の弁を配置してあり、該各弁は、両方の燃料のうちの一方を所定の量でそれぞれ1つのバーナーグループ14a,14b,16a,16bに導くために、開閉され、若しくは切り換えられるようになっている。
【0023】
ガスタービンGTの上述の構成並びにガスタービンGTへの燃料供給の上述の手段により、IGCC-発電装置において、新規な燃料切り換え(FSWO)並びに二種類の燃料の適切な組合せによる供給を可能にしている。ガスタービンGT内の両方の燃焼室14,16の位置的な分離により、各燃焼室内でそれぞれ異なる燃料を燃焼させることができ、負荷変動、脈動若しくは逆火のおそれはなくなっている。1つの燃焼室を合成ガスで作動させるのに対して、別の燃焼室を天然ガス若しくは液体燃料で作動させることができ、各燃料は所定の量で供給される。
【0024】
ガスタービンGTを急速に運転するために、第1の燃焼室14を天然ガス若しくは液体燃料で所定の負荷(L)まで作動させ、次いで第2の燃焼室16をもっぱら合成ガスで作動させることも可能である。図2において、前述の作動状態(運転状態)のための上側の特性線Aは第1の燃焼室14内の温度T1を示しており、第1の燃焼室14は、ベース負荷BLの約33%の負荷までは補助燃料(天然ガス若しくは油)で作動され、この場合に燃焼室内の温度は約15%の負荷まで上昇して、次いで一定に保たれる。33%の負荷からは第2の燃焼室16をも合成ガスで作動させるようになっている。下側の破線の特性線Bは調節可能な入口案内コック(VIGV[Variable Inlet Guide Vanes])の開口を示している。これによって付加的な確実性を達成しており、それというのは両方の燃焼室14,16は異なる同一の燃料で常に一様に作動され、主燃料と補助燃料とは相互に混合されないからである。次いでガスタービンGTは高い負荷まで急速運転され、そこで第1の燃焼室14は、大きな変動を生ぜしめることなく合成ガスに切り換えられる。
【0025】
33%の負荷から第2の燃焼室を補助燃料で作動させることも可能である。さらに、第2の燃焼室16内の複数のバーナーグループ16a,16bのうちの1つを合成ガスで作動させるのに対して、バーナーグループ16a,16bのうちの別の1つを補助燃料で作動させることも可能である。これによって、再熱燃焼室は極めて低い負荷時に問題なく作動されるのに対して、ガス化装置は徐々に始動されて合成ガスを生成し始めるようになっている。
【0026】
全体的に本発明は次のような特徴及び利点を有しており、すなわち、
順次燃焼式のガスタービンGTにおいて、互いに異なる少なくとも2つの燃焼室は、例えば合成ガス、天然ガス若しくは液体燃料(油)のような互いに異なる燃料で作動され得る。
個々の燃焼室内には複数の独立のバーナーグループを設けることができ、各バーナーグループは互いに異なる燃料で付加的に作動される。
ガスタービンは、補助燃料による第1の燃焼室の作動によって、つまり第1の燃焼室内で補助燃料を燃焼させることによって始動されて、約33%の負荷まで急速運転される。次いで第2の燃焼室はまず合成ガスで作動させられ、最終的に高負荷時に第1の燃焼室は合成ガスに切り換えられる。
別の例では、第2の燃焼室の独立の複数のバーナーグループは並列的に若しくは互いに同時に合成ガスと補助燃料とで作動される。合成ガスが十分に生じている場合には第2の燃焼室は完全に合成ガスに切り換えられる。
燃焼室を互いに異なる燃料で独立して作動させることによって、運転の大きな融通性を達成している。
その都度1つの燃焼室内で異なる複数の燃料を広い範囲で調節して同時に燃焼させることによって、高い利用度を達成している。
手段は極めて簡単である。
燃料切り換えの際の脈動のおそれは極めて小さくなっている。
さらに燃料切り換えの際の逆火のおそれも極めて小さくなっている。
【符号の説明】
【0027】
10 複合サイクル発電プラント、 11 発電機、 12 低圧圧縮機、 13 高圧圧縮機、 14 燃焼室、 15 高圧タービン、 16 燃焼室、 17 低圧タービン、 18 軸、 19,20 貫流冷却器、 21 排ガスボイラー、 22 排ガス出口、 23 空気入口、 24 ガス化装置、 25,26 燃料分配装置、 27 燃料供給部、 29 水・蒸気回路、 GT ガスタービン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次燃焼式のガスタービン(GT)の運転のための方法であって、ガスタービン(GT)は、少なくとも1つの圧縮機(12,13)、第1の燃焼室(14)及び該燃焼室の下流側に接続された第1のタービン(15)、並びに第2の燃焼室(16)及び該燃焼室の下流側に接続された第2のタービン(17)を含んでおり、前記圧縮機(12,13)は空気を吸い込んで該空気を圧縮し、該圧縮された空気は第1の燃料の燃焼のために前記第1の燃焼室(14)に供給され、かつ前記第1のタービン(15)から流出するガスは第2の燃料の燃焼のために前記第2の燃焼室(16)に供給されるようになっている形式のものにおいて、第1の燃料及び第2の燃料として互いに異なる燃料を用いることを特徴とする、ガスタービンの運転のための方法。
【請求項2】
第1の燃料及び第2の燃料として、合成ガス、天然ガス及び液体燃料、殊に油のグループの燃料を用いる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の燃焼室(14)及び/又は第2の燃焼室(16)は、バーナー(14a,b;16a,b)の複数のグループを有しており、前記1つの燃焼室(14,16)内の互いに異なるバーナーグループ(14a,b;16a,b)は互いに異なる燃料で作動される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ガスタービン(GT)の始動のために、まず第1のステップで第1の燃焼室(14)を、天然ガス及び液体燃料のグループの補助燃料としての第1の燃料で、ガスタービン(GT)がベース負荷(BL)の所定の割合、殊に約33%に達するまで作動し、第2のステップで付加的に第2の燃焼室(16)を第2の燃料としての合成ガスで、ベース負荷(BL)が達成されるまで作動させる請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第2のステップで第1の燃焼室(14)は合成ガスでの運転に切り換えられる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2の燃焼室(16)は、バーナー(16a,b)の複数のグループを有しており、ガスタービン(GT)の始動のために、まず第1のステップで第1の燃焼室(14)を、天然ガス及び液体燃料のグループ内の補助燃料としての第1の燃料で、ガスタービン(GT)がベース負荷(BL)の所定の割合、殊に約33%に達するまで作動し、第2のステップで付加的に第2の燃焼室(16)を、まず天然ガス及び液体燃料のグループ内の補助燃料と合成ガスとの組合せで作動させ、この場合に合成ガスと補助燃料とは互いに異なるバーナーグループ(16a,b)内で燃焼させられ、次いで第2の燃焼室(16)は第3のステップでは完全に合成ガスで作動される請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ガス化機能を有する複合サイクル発電プラント(10)に、請求項1から6のいずれか1項の方法を使用する方法であって、複合サイクル発電プラント(10)内で、合成ガスは石炭若しくは他の適切な原料からガス化によって生成される形式のものにおいて、生成された合成ガスは、第1の燃料及び/又は第2の燃料に含まれることを特徴とする、複合サイクル発電プラントに請求項1から6のいずれか1項の方法を使用する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法を実施するための複合サイクル発電プラント(10)であって、該複合サイクル発電プラント(10)は、順次に燃焼可能なガスタービン(GT)、並びに石炭若しくは他の適切な原料のガス化による合成ガスの生成のためのガス化装置(24)を含んでおり、前記ガスタービン(GT)は、少なくとも1つの圧縮機(12,13)、第1の燃焼室(14)及び該燃焼室の下流側に接続された第1のタービン(15)、並びに第2の燃焼室(16)及び該燃焼室の下流側に接続された第2のタービン(17)を含んでおり、前記圧縮機(12,13)は空気を吸い込んで該空気を圧縮するようになっており、該圧縮された空気は第1の燃料の燃焼のために前記第1の燃焼室(14)に供給されるようになっており、かつ前記第1のタービン(15)から流出するガスは第2の燃料の燃焼のために前記第2の燃焼室(16)に供給されるようになっている形式のものにおいて、補助燃料の供給のため、殊に天然ガス若しくは液体燃料から成る補助燃料の供給のための燃料供給部(28)を設けてあり、該燃料供給部(28)と前記ガス化装置(24)の出口とは、燃料分配装置(25,26)を介して選択的に第1の燃焼室(14)及び/又は第2の燃焼室(16)に接続されるようになっていることを特徴とする複合サイクル発電プラント。
【請求項9】
第1の燃焼室(14)及び/又は第2の燃焼室(16)は、複数のバーナーグループ(14a,b;16a,b)を有しており、該各バーナーグループ(14a,b;16a,b)は、選択的に燃料分配装置(25,26)を介して個別的に燃料供給部(28)及び/又はガス化装置(24)の出口に接続されるようになっている請求項8に記載の複合サイクル発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−540180(P2009−540180A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513627(P2009−513627)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054394
【国際公開番号】WO2007/141101
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland