説明

ガスタービンエンジンアセンブリ

【課題】空気密度の低い高高度飛行中でも十分な出力が得られる航空用ガスタービンシステムを提供する。
【解決手段】ファンアセンブリ14と、このアセンブリより下流にあるコアエンジンアセンブリ13とを有する推進用ガスタービンエンジン11を備えたガスタービンエンジンアセンブリ10。コアエンジンは、ブースタタービンがブースタファンに回転可能に結合されるように、直列流れ構成で互いに結合されたブースタ圧縮器102と高圧圧縮器22と高圧タービンアセンブリ24とブースタタービンアセンブリ104と低圧タービンアセンブリ16と動力発生用補助エンジン12とを備える。この補助エンジンは、推進用エンジンに入る空気流40の一部が補助エンジンで使用するために抜き出されるように、推進用ガスタービンエンジンのコアエンジンと連通して結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ガスタービンエンジンアセンブリに関し、より詳細には、航空機の推進力および補助動力用に使用されるガスタービンエンジンを動作させるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは一般に、空気を圧縮するための圧縮機を備える。圧縮された空気は燃料と混合され、燃焼器に送られる。燃料/空気混合気は燃焼室内で点火されて、高温の燃焼ガスを発生する。燃焼ガスはタービンに送られ、タービンは、圧縮機に動力を与えるとともに実質的な仕事を発生するためのエネルギーを、燃焼ガスから抽出する。次いで排気ガスが排気ノズルから排出され、それによって反力、すなわち推進力を発生する。
【0003】
現代の航空機の油圧負荷および電気負荷は大きい。ガスタービンエンジンに要求される電気負荷は、フライトコンピュータ、通信機器、航行機器、レーダ、環境制御システム、高度ウェポンシステム、および防衛システムが航空機に結合されることによって増大する。ガスタービンに要求される油圧負荷は、操縦装置、ポンプ、アクチュエータ、およびその他の補機が航空機に結合されることによって増大する。少なくともいくつかの知られた航空機では、油圧ポンプ、直流発電機および交流発電機に動力を与えるために、機械的軸動力が用いられる。より具体的には、電気および油圧機器は通常、タービンに結合されたシャフトによって駆動される補機ギアボックスに結合される。追加の電力または流体動力が要求されると、所定の最高温度および/または動力の動作レベルに到達するまで、追加の燃料が燃焼器に加えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高度が上昇するにつれて空気密度は低下するので、航空機がより高い高度で操縦されるとき、エンジンは、より低い高度で発生することができるのと同じ軸動力を発生するために、より激しく仕事をしなければならない。仕事が増大した結果として、タービンは、所定のエンジン動作限界を超えないように軸動力が制限または低減されなければならないような、上昇した温度で動作することがある。
【0005】
少なくともいくつかの知られたガスタービンエンジンでは、電力および流体動力は、補助動力装置(APU)によっても発生される。APUは、航空機に推力を供給するガスタービンエンジンとは無関係に作動される小型のターボシャフトエンジンである。より具体的には、APUの動作も空気密度の影響を受け、所定の温度および性能限界によっても動作が制限されるので、APUは一般に、航空機が地上にあるとき、または航空機の飛行中の緊急事態にのみ作動される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、ガスタービンエンジンアセンブリを組み立てるための方法が提供される。この方法は、直列流れ構成で互いに結合された圧縮器、高圧タービン、およびブースタタービンを有するコアエンジンを備える、少なくとも1つの推進用ガスタービンエンジンを提供することと、推進用ガスタービンエンジンの動作中に、ガスタービンエンジンに入る空気流の少なくとも一部が、コアエンジンの高圧タービンより上流で推進用ガスタービンエンジンから選択的に抜き出され、動力を発生させるために補助エンジンへと送られるように、補助エンジンを推進用ガスタービンエンジンに結合することとを含む。
【0007】
別の態様では、ガスタービンエンジンアセンブリが提供される。このガスタービンエンジンアセンブリは、少なくとも1つの推進用ガスタービンエンジン、および動力を発生するために使用される補助エンジンとを備える。推進用ガスタービンエンジンは、ファンアセンブリ、および前記ファンアセンブリより下流にあるコアエンジンを備える。コアエンジンは、直列流れ構成で互いに結合された圧縮器、高圧タービン、低圧タービン、およびブースタタービンを備えており、ブースタタービンは、高圧および低圧タービンの間に回転可能に結合されるようになっている。補助エンジンは、少なくとも1つのタービン、および吸入部を備える。吸入部は、ブースタタービンより上流にあり、推進用エンジンに入る空気流の一部が補助エンジンで使用するために抜き出されるように、推進用ガスタービンエンジンのコアエンジンと流れ連通している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、複合サイクル内で以下でより詳細に説明するように互いに結合された推進用ガスタービンエンジン11、および補助動力装置または補助動力エンジン12を備える、ガスタービンエンジンアセンブリ10の例示的な概略図である。より具体的には、ガスタービンエンジンアセンブリ10は、以下でより詳細に説明するように、航空機(図示せず)のための軸動力および推進力の発生を促進する。
【0009】
ガスタービン11は、コアエンジン13、ファンアセンブリ14、および低圧タービンアセンブリ16を備える。ファンアセンブリ14と低圧タービン16は、第1のシャフト18によって結合されている。コアエンジン13は、コア駆動ファン20、高圧圧縮機22、燃焼器(図示せず)、および高圧タービン24を備える。例示的な実施形態では、コア駆動ファン20、圧縮機22、燃焼器、ならびにタービン24および16は、軸方向に流れ連通して互いに結合されている。コア駆動ファン20、圧縮機22、および高圧タービン24は、第2のシャフト28によって結合されている。ガスタービンエンジン11はまた、吸気側32および排気側34を備える。一実施形態では、エンジン11は、オハイオ州シンシナティのGeneral Electric Aircraft Enginesから市販の、F118−GE−100ターボファンエンジンである。
【0010】
動作に際しては、矢印40で表される吸気がファンアセンブリ14に入り、その空気は圧縮され、矢印41で表されるように下流に排出され、上昇した圧力および温度でコアエンジン13へと、より具体的にはコア駆動ファン20へと向かい、空気は圧縮機22に向けて送られる。一実施形態では、エンジン11はバイパスダクト(図示せず)を備え、ファンアセンブリ14から排出される空気41の一部がコアエンジン11に入るのではなくバイパスダクト内に送られるようになっている。
【0011】
圧縮機22からの高度に圧縮された空気45は、燃焼器へと送達され、そこで燃料と混合され、点火される。燃焼ガスはタービン24および16を推進し、タービン24および16は、圧縮機22、コア駆動ファン20、およびファンアセンブリ14をそれぞれ駆動する。例示的な実施形態では、コアエンジンの排気44は、エンジン11から排出されて、ガスタービンエンジンアセンブリ10から推進力を発生する。
【0012】
例示的な実施形態では、コアエンジン排気44は、コアエンジン排気44および補助動力エンジン12から排出されたエンジン排気52と流れ連通して結合された、可変面積バイパス噴射器50へと送られる。代替実施形態では、コアエンジン排気44は、コアエンジン排気44と流れ連通して結合された混合用ダンパ(図示せず)へと送られる。別の代替実施形態では、コアエンジン排気流44およびファン空気は、補助エンジン排気52とは別に放出されて、推力を発生する。
【0013】
補助動力エンジン12は、以下でより詳細に説明するようにエンジン11と流れ連通して結合されており、圧縮機60、高圧タービン62、および低圧タービン64を備える。圧縮機60と高圧タービン62は、燃焼ガスがタービン62を推進するときタービン62が圧縮器60を駆動するように、第1のシャフト66によって連結される。補助エンジン12はまた、矢印70で表される、航空機内で使用するための軸動力出力を提供するように低圧タービン64に結合された、第2のシャフト68を備える。たとえば、動力出力70は、これらに限定されないが、交流発電機、直流発電機、および/または油圧ポンプなどの機器を駆動するために使用されることができる。一実施形態では、補助動力エンジン12は、オハイオ州シンシナティのGeneral Electric Companyから市販の、本発明によって修正された、T700−GE−701エンジンなどのターボシャフトエンジンである。
【0014】
補助ダクティング(図示せず)は、コアエンジン13に向かって送られる圧縮空気41の一部が補助動力エンジン12へと向けられることが可能になるように、補助動力エンジン12をエンジン11に結合する。より具体的には、この例示的な実施形態では、矢印80で表される補助空気流が、コアエンジンタービン24より上流のある位置でコアエンジン13から抜き出される。さらにこの例示的な実施形態では、空気流80は、高圧圧縮器22から抜き出され、補助エンジン圧縮器60に向けて送られる。代替実施形態では、補助動力エンジン12は1対のエンジン11と流れ連通して結合され、各エンジン11から高圧空気流80を受け取る。別の実施形態では、1対の補助動力エンジン12が単一のエンジン11と流れ連通して結合され、エンジン12はどちらも、エンジン11から高圧空気流80を受け取る。より具体的には、この例示的な実施形態では、圧縮器22は多段圧縮器であり、空気80は、補助エンジン12の圧力、温度、および流れ要件に基づいて、圧縮器22内のどの圧縮段からも抜き出されることができる。
【0015】
別の実施形態では、空気80は、圧縮器22より上流または下流で、これらに限定されないが、ブースタ段間、ブースタ排出部、ファン段間、ファン排出部、圧縮器吸気部、圧縮器段間、または圧縮器排出抽気ポートのいずれか、またはこれらのいかなる組み合わせからも抜き出される。さらなる代替実施形態では、空気80は圧縮器22より上流で抜き出される。一実施形態では、圧縮器22に流入する空気の最高約10%またはそれ以上が、補助エンジン12で使用するために抜き出される。さらなる実施形態では、ファンアセンブリ14に流入する空気の最高約10%またはそれ以上が、補助エンジン12で使用するために抜き出される。別の実施形態では、空気は、これらに限定されないが、ファンアセンブリ14とコア駆動ファン20、コア駆動ファン20と圧縮器22、ならびに圧縮器22とタービン24の、中間または間のいかなる位置、またはそれらのいかなる組み合わせからも抜き出される。
【0016】
別の実施形態では、エンジン11は、加圧または圧縮された空気を補助動力エンジン12に供給する。たとえば一実施形態では、航空機の機室に供給される圧縮空気は、航空機の環境制御システム内で使用された後、補助動力エンジン12に送られる。さらなる実施形態では、補助動力エンジン12は、エンジン11からの空気流と周囲空気流の混合空気流を受け取る。
【0017】
補助エンジン12へと向けられる補助空気流80は、ガスタービンエンジンアセンブリ10に入る吸気の空気流40よりも高圧および高温である。さらに、補助空気流80は、ガスタービンエンジンアセンブリ10に入る空気流40よりも圧力および温度が上昇しているので、空気流80の密度は、より低い高度において補助エンジン12に入る空気流の密度とほぼ等しい。したがって、補助エンジン12の動力出力は吸気の密度に比例するので、コアエンジン11の動作中は、補助エンジン12は、より低い高度で可能になるのと実質的に同様の動作特性および性能特性をもちながら、より高い高度で動作することができる。たとえば、F110/Fl18系統のエンジンで使用される場合、補助エンジン12は、海水面で独立に動作したときに得られるのとほぼ同じ馬力および動作特性を、高度9〜12000メートル(30〜40000フィート)でもたらす。したがって、飛行高度では、コアエンジン11から抜き出される比較的少量の高圧空気により、補助動力エンジン12は、海水面で動作している補助動力エンジン12による動力レベルと同様のレベルの動力を出力することが可能になる。
【0018】
この例示的な実施形態では、補助空気流80は、補助エンジン圧縮器60へと供給される前に中間冷却器90を通って送られる。中間冷却器90は、そこを通って流れ互いに熱伝達を行う2つの空気流(図示せず)を有し、したがって中間冷却器90は、最小の圧力損失でかなりの量のエネルギーを熱として交換するように設計されている。例示的な実施形態では、補助空気流80は熱源となり、第2の空気流はヒートシンクとして使用される。一実施形態では、第2の空気流は、ファン排出空気流である。別の実施形態では、第2の空気流は、機外に排出される前にエンジンナセルを通って送られ中間冷却器90内を通過する周囲空気流である。より具体的には、熱の伝導によって中間冷却器90を通過して送られる他の空気流の温度が上昇するにつれて、中間冷却器90内で補助空気流80の動作温度低下が促進される。代替実施形態では、タービンエンジンアセンブリ10は、中間冷却器90を備えていない。
【0019】
中間冷却器90は、流量を増加させる、または既存のタービンのハードウェアを交換することなく、補助動力エンジン12に供給される抽気80のポンド当たりの仕事量の増大を促進する。制御システム92は、発電機制御システム(図示せず)に結合され、補助動力エンジン12の動作速度の調整を容易にする。一実施形態では、制御システム92が、可変流れ面積絞り弁94を制御することによってエンジン12に供給される吸気80を絞り、かつ/または可変流れ面積出口ノズル96もしくは可変流れ面積バイパス噴射器50を制御することによってエンジン背圧を制御して、補助動力エンジン12の動作の制御を容易にする。
【0020】
補助動力エンジン12からの排気流52は、コアエンジン13から排出される排気流44とほぼ等しい排出圧力で、コアエンジン排気44に向かって送られる。具体的には、この例示的な実施形態では、補助エンジン排気流52は、コアエンジン13を出る排出流44と補助エンジン排気流52との混合を促進する可変面積バイパス噴出器50を通って送られる。より具体的には、この例示的な実施形態では、排気流52は推進用コアエンジンノズル(図示せず)より上流で、コアエンジン排気流44へと再導入される。次いで混合された排気流98は、エンジンノズル(図示せず)から排出される。一代替実施形態では、排気流52はコアエンジン排気流44と混合されるのではなく、排気流44とは無関係に周囲に排出される。
【0021】
したがって、補助動力エンジン12は作動されると、航空機内で使用するためのより大きい軸動力の発生を促進する。より具体的には、補助動力エンジン12は軸動力を発生するために選択的に動作することができるので、補助動力エンジン12は、必要なときだけ使用されることができ、したがって、航空機の燃料節約を促進する。さらに、ガスタービンアセンブリ10の設計によって、補助動力エンジン12の動作速度がコアエンジン11の動作速度と無関係になるように、補助動力エンジン12を推進用エンジン11と無関係に動作させることが可能になる。したがって、補助動力エンジン12はコアエンジン11の非動作時に作動されることができ、さらに、エンジン11の動作開始に必要な動力を供給するために使用されることもできる。
【0022】
補助動力エンジン12の動作は、空気流80を必要な分だけ抽気することによって、高度、設備、または歪みの影響が克服されるように、エンジン11のサージマージンの改善を促進する。さらに、補助動力エンジン12はまた、高圧の抽気を取り出すことによって、かなりの動力を発生させながらコアエンジン11の動作性能の改善を促進する。さらに、推進用エンジン11および補助動力エンジン12の油圧機械制御装置またはデジタル制御装置は、動作状態および性能パラメータ値(圧力、温度、RPMなど)を一方から他方へと相互交換するように構成される。
【0023】
図2は、複合サイクル内で以下でより詳細に説明するように互いに結合された、推進用ガスタービンエンジン11および補助動力装置または補助動力エンジン12を備える、ガスタービンエンジンアセンブリ100の代替実施形態の例示的な概略図である。エンジン100は、図1で示したエンジン10とほぼ同様であり、エンジン10の構成要素と同じエンジン100内の構成要素は、図1で用いたのと同じ参照番号を用いて図2に示す。ガスタービンエンジンアセンブリ10と同様、ガスタービンエンジン100は、以下でより詳細に説明するように、航空機(図示せず)のための軸動力および推進力の発生を促進する。
【0024】
ガスタービン11は、コアエンジン13、ファンアセンブリ14、および低圧タービンアセンブリ16、ブースタファン102、およびブースタタービン104を備える。ファンアセンブリ14と低圧タービン16は、第1のシャフト18によって結合されている。ブースタファン102とブースタタービン104は、第2のシャフト110によって互いに結合されており、圧縮器22と高圧タービン24は、第3のシャフト112によって結合されている。コアエンジン13は、コアドライブファン20、高圧圧縮器22、燃焼器(図示せず)、および高圧タービン24を備える。例示的な実施形態では、ブースタファン102、圧縮器22、燃焼器、ならびにタービン24、26および16は、軸方向に流れ連通して互いに結合されている。ガスタービンエンジン11はまた、吸気側32および排気側34を備える。
【0025】
動作に際しては、矢印40で表される吸気がファンアセンブリ14に入り、その空気は圧縮され、矢印41で表されるように下流へと排出され、上昇した圧力および温度でコアエンジン13に、より具体的にはブースタファン102に向かい、そこで空気は圧縮機22に向けて送られる。一実施形態では、エンジン11はバイパスダクト(図示せず)を備え、ファンアセンブリ14から排出される空気41の一部がコアエンジン11に入るのではなくバイパスダクト内に送られるようになっている。
【0026】
補助動力エンジン12は、コアエンジン13へと送られる圧縮空気41の一部が補助動力エンジン12に向けられるように、補助ダクティング(図示せず)によってエンジン11に流れ連通して結合される。より具体的には、この例示的な実施形態では、補助空気流80は、コアエンジンタービン24より上流のある位置で、コアエンジン13から抜き出される。さらに、この例示的な実施形態では、空気流80は高圧圧縮器22から抜き出され、補助エンジンの圧縮器60に向けて送られる。代替実施形態では、補助動力エンジン12は1対のエンジン100と流れ連通して結合され、高圧空気流80を各エンジン100から受け取る。別の代替実施形態では、1対の補助動力エンジン12が、単一のエンジン100と流れ連通して結合され、エンジン12はどちらも、高圧空気流80をエンジン100から受け取る。より具体的には、この例示的な一実施形態では、圧縮器22は多段圧縮器であり、空気80は、補助エンジン12の圧力、温度、および流れ要件に基づいて、圧縮器22内のどの圧縮段からも抜き出されることができる。
【0027】
別の実施形態では、空気80は、圧縮器22より上流または下流で、これらに限定されないが、ブースタ段間、ブースタ排出部、ファン段間、ファン排出部、圧縮器吸気部、圧縮器段間、または圧縮器排出抽気ポートのいずれか、またはこれらのいかなる組み合わせからも抜き出される。さらなる代替実施形態では、空気80は、圧縮器22より上流で抜き出される。別の実施形態では、空気は、これらに限定されないが、ファンアセンブリ14とブースタファン102の中間、ブースタファン102と圧縮器22の中間、ならびに圧縮器22とタービン24の中間のいかなる位置、またはそれらのいかなる組み合わせからも抜き出される。
【0028】
上記の動力システムは、コスト効率が良く、軸動力の発生を増大させる。この動力システムは、ブースタタービンを備えるガスタービンエンジンと流れ連通して結合された補助タービンエンジンを備え、補助タービンに供給される吸気は、コアエンジン内を流れる空気から抜き出されるようになっている。このようにして、補助エンジンが通常の吸入手段など従来の手段で周囲吸気流を受け取った場合に供給される空気よりも高密度の空気が、補助エンジンに供給される。したがって、主エンジンから取り出される少量の高圧空気によって、より小さいエンジンが、海水面で動作するときと同様のレベルの動力を出力することが可能になる。その結果、増大された空気密度により、コスト効率が高く信頼できる方法で、補助エンジンからのシャフトタービン動力発生の増大が促進される。
【0029】
ガスタービンエンジンアセンブリの例示的な実施形態を以上で詳細に説明した。それらのアセンブリは、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものでなく、むしろ、各アセンブリの構成要素は、独立に、本明細書に記載された他の構成要素から分離して利用されることができる。たとえば、各タービン構成要素および/または補助タービンエンジン構成要素は、コアエンジンおよび補助タービンエンジンのその他の構成要素と組み合わせて使用されることができる。
【0030】
本発明を様々な特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明は特許請求の範囲の精神および範囲内の変更形態と共に実施されることができることを、当分野の技術者は認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ガスタービンエンジンアセンブリの例示的な概略図である。
【図2】ガスタービンエンジンアセンブリの代替実施形態の例示的な概略図である。
【符号の説明】
【0032】
10 ガスタービンエンジンアセンブリ
11 ガスタービンエンジン
12 補助動力エンジン
13 コアエンジンアセンブリ
14 ファンアセンブリ
16 低圧タービンアセンブリ
18 第1のシャフト
20 ブースタファン
22 圧縮器
24 高圧タービンアセンブリ
32 吸気側
34 排気側
40 空気流
60 圧縮器
62 高圧タービン
64 低圧タービン
66 第1のシャフト
68 第2のシャフト
80 空気流
90 中間冷却器
92 制御システム
94 可変流れ面積絞り弁
96 可変流れ面積排出ノズル
100 ガスタービンエンジンアセンブリ
102 ブースタファン
104 ブースタタービン
110 第2のシャフト
112 第3のシャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの推進用ガスタービンエンジン(11)と動力発生用の補助エンジン(12)とを具備するガスタービンエンジンアセンブリであって、
前記推進用ガスタービンエンジン(11)は、
ファンアセンブリ(14)と、
前記ファンアセンブリより下流にあり、ブースタ圧縮器(102)と高圧圧縮器(22)と高圧タービンアセンブリ(24)とブースタタービンアセンブリ(104)とを有するコアエンジンアセンブリ(13)と、
前記ブースタタービンが前記ブースタファンに回転可能に結合されるように、直列流れ構成で結合された低圧タービンアセンブリ(16)とを具備し、
前記補助エンジンが、少なくとも1つのタービン(62)および吸入部を有し、前記少なくとも1つの推進用エンジンに入る空気流(40)の一部が前記補助エンジンで使用するために抜き出されるように、前記吸入部が、前記ブースタタービンより上流で前記推進用ガスタービンエンジンのコアエンジンと流れ連通して結合されている、ことを特徴としたガスタービンエンジンアセンブリ。
【請求項2】
前記補助エンジン(12)が、前記少なくとも1つの推進用ガスタービンエンジン(11)から前記コアエンジンの高圧タービン(24)より上流で抜き出された空気(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記補助エンジン(12)が、前記圧縮器(22)の段間および前記圧縮器の排出部のうち少なくとも一方から抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記補助エンジン(12)が、前記圧縮器(22)と前記高圧タービン(24)の間のある位置から抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記コアエンジン(11)がさらに、前記ブースタタービン(104)に回転可能に結合されたブースタファン(20)を備え、前記補助エンジンが、前記ブースタファンの吸入部と前記ブースタファンの排出部との間にある少なくとも1つの段間から抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記コアエンジン(11)がさらに、前記ブースタタービン(104)に回転可能に結合されたブースタファン(20)を備え、前記補助エンジンが、前記ブースタファンと前記圧縮器の間のある位置から選択的に抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記補助エンジン(12)が、前記ファンアセンブリ(14)と前記圧縮器(22)の間のある位置から選択的に抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記補助エンジン(12)が、前記ファンアセンブリ(14)の吸入部と、前記ファンアセンブリの排出部との間にある少なくとも1つの段間位置から選択的に抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記コアエンジン(11)がさらに、前記ブースタタービン(104)に回転可能に結合されたブースタファン(20)を備え、前記補助エンジン(12)が、前記ブースタファンと前記ファンアセンブリの間のある位置から選択的に抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記コアエンジン(11)がさらに、前記ブースタタービン(104)に回転可能に結合されたブースタファン(20)を備え、前記補助エンジン(12)が、前記ブースタファンと前記ファンアセンブリの間のある位置から選択的に抜き出された空気流(80)を受け取ることを特徴とする請求項1記載のガスタービンエンジンアセンブリ(10)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−194247(P2006−194247A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−475(P2006−475)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY