説明

ガスタービン吸気用フィルタユニット

【課題】 発電出力を低下させない高効率な吸気用フィルタユニットで年1回義務づけられているガスタービンの定期点検時にフィルタ交換ができる長寿命のガスタービン吸気用フィルタユニットの提案する。
【解決手段】 防塵用フィルタを複数段設けて成るガスタービン吸気用フィルタユニットにおいて、前記防塵用フィルタが気流方向の上流側より、パネル型デミスター、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、ガスタービン吸気用高性能フィルタの3段を配置してなり、前記ガスタービン吸気用高性能フィルタは、気流方向の上流側より低効率濾材と高効率濾材を密接して重ね、これら各濾材の濾材面積が25〜35m/台である濾材構成にし、気流方向に対して上流側の層には、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾材を配し、下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%の濾過効率の濾材を配し、風量50m/分の時の圧力損失を15〜45mmAqとしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンプラントの空気圧縮機等に対する大気塵の付着を軽減することにより、発電出力の低下を防止し、長時間に亘り空気圧縮機等の洗浄、フィルタの交換を不要とするガスタービン吸気用フィルタユニットに関し、更に詳しくは、フィルタユニットの設置スペースをコンパクト化できるガスタービン吸気用フィルタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示す通り、ガスタービンaは運転時に外気bを吸入する。この外気bには微粉塵や雨水、ミスト、排気ガス中のカーボン微粒子、塩分粒子等の大気塵が浮遊しているので、このような大気塵がガスタービン内部の腐食、汚染の原因となると共に、特に空気圧縮機cに付着して空気圧縮機cの性能低下を生じさせ、発電出力を低下させるという問題がある。そこで大気塵の吸い込みを未然に防止するために、ガスタービンaの空気吸込口dには、空気から大気塵を機械的に分離除去して清浄化するための集塵装置(フィルタユニット)eが設置されている。このフィルタユニットeは、特許文献1にも開示されるように、巻取式帯状ガラス繊維の濾材から成る粗フィルタfと、イオン交換繊維フィルタを折込型とした中性能フィルタgの2段式に構成されている。尚、図中hはガスタービンaのタービン部、iはガスタービンaによって駆動される発電機を示す。前記従来のガスタービン吸気用フィルタユニットは、充分に大気塵を除去できないためガスタービンの発電出力の低下を生じさせ、また、粉塵保持容量が小さいため年2〜3回の頻度でフィルタ交換が必要となる。このため、発電出力を低下させない高効率な吸気用フィルタユニットで年1回義務づけられているガスタービンの定期点検時にフィルタ交換ができる長寿命のガスタービン吸気用フィルタユニットの提案が望まれている。
【特許文献1】特開平5−106464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者等は前記要望に応えるべく、パネル型デミスター、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、箱型中性能フィルタ、及び箱型高性能フィルタの4段式としたものを提案したが、吸気用フィルタユニットが大きくなり設置スペースと設備費が大となる問題があり、その対策が望まれている。そこで、低圧損、高効率、長寿命の観点から中性能フィルタと高性能フィルタを複合化すればよいという結論に到り、複合化に関する先行技術を参照したが各々に問題があった。まず、設置スペースを小さくする目的で、実開昭62ー132715号公報に、ケーシング内を流れるガスの下流側に所定の能力を有する濾紙を、その上流側に前記濾紙よりも捕集能力の低い濾紙を多段に設けることが開示されているが、フィルタが小さくならず設置スペースを小さくする目的が達成できないという問題がある。また、塩分粒子を除去する目的で、実公平3−35373号公報に、撥水性を有する2枚の濾材の間に空隙部を有する間隔保持体を挟み込むことが開示されているが、これは塩分粒子が水滴となっても上流側の濾材裏面に沿って液滴を落下させるためであり、濾材の厚みが大きくなり、8000時間以上の寿命をもたせるために濾材面積を大きくとることができず、また、圧力損失も大きくなるという問題がある。また、濾過効率(0.1μmDOP)が99.99%以上(いわゆるULPA)の高効率を得る目的で、特開昭54ー94176号公報に、濾材を2層で構成し、気流方向に対して下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の濾過効率を有する濾材を配し、上流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%未満75%以上の濾過効率を有する濾材を配し、これら2層の濾材を密接に重ね合わせた状態でジグザグ状に折り畳むことが開示されているが、これは2段にするものに比べて寸法上の制約および作り易さの観点から濾材を2層にするとしているが、高効率が目的であり、寿命は考慮されておらずガスタービン用として使用した場合は、濾材の目詰まりが早くフィルタ交換を年2〜3回以上実施する必要があるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のガスタービン吸気用高性能フィルタユニットは、以上の課題を解決するために、防塵用フィルタを複数段設けて成るガスタービン吸気用フィルタユニットにおいて、前記防塵用フィルタが気流方向の上流側より、パネル型デミスター、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、ガスタービン吸気用高性能フィルタの3段を配置してなり、前記ガスタービン吸気用高性能フィルタは、気流方向の上流側より低効率濾材と高効率濾材を密接して重ね、これら各濾材の濾材面積が25〜35m/台である濾材構成にし、気流方向に対して上流側の層には、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾材を配し、下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%の濾過効率の濾材を配し、風量50m/分の時の圧力損失を15〜45mmAqとしたことを特徴とする。尚、前記プレフィルタは吹流し型で濾材面積が2〜8m/台であることが好ましい。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように、本発明のガスタービン吸気用フィルタユニットによれば、例えば法令による年1回の定期点検時のみのフィルタ交換ですむため、フィルタ交換及び圧縮機の洗浄等のメンテナンス作業が軽減される。また、HEPAフィルタ等の高性能フィルタを使用するため、大気塵の付着によるガスタービンの出力低下をおさえられる。また、吸気用フィルタユニットがコンパクトとなり省スペース化が図れ、更に、フィルタが4段式のものに比べて、3段と1段少なくてすむため、使用済みフィルタ等の廃棄物の容積を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のガスタービン吸気用フィルタユニットを構成する前記パネル型デミスターは、雨水の浸入を防止するためのものであり、従来種々公知のものがあるが、例えば、動植物性繊維および合成繊維をスプリング状にカール加工して多くの小さな弾性体をつくり、これを結合剤で被覆結合したものを板状にして金枠内に封入したものが知られている。このデミスターは、一般には、厚みが10〜50mm、風速2m/sの時の濾過効率(JIS8種,比色法)が15〜60%、圧力損失が1〜10mmAqである。前記デミスターは圧力損失が小さく、即ち、通気抵抗が小さく、水滴に対して濾過効率が高いことが特徴で、また、汚れた場合に枠から外して洗浄することで再使用できる。もちろん、前記パネル型デミスターとして雨水の浸入を屈折路で防ぐようにした屈折型の羽根式エリミネータ等も使用できる。
【0007】
また、本発明のガスタービン吸気用フィルタユニットを構成する前記プレフィルタとしては巻取帯状型かあるいは吹流し型を用いるわけであるが、巻取帯状型は図2に示す通り、ガラス繊維製濾材から成る帯状濾材10が吸気空気路11を遮るように張設されており、濾材10が巻き取られている送出用ロール12が上部に設置される一方、その送出用ロール12から取り出された濾材10を巻き取る巻取用ロール13が下部に設置されている。この巻取帯状型プレフィルタは、一般には、濾材材質がガラス繊維及びポリエステル繊維等を用いた不織布であり、濾材厚みが20〜70mm、平均繊維径が15〜60μmで、風速2.5m/sの時の圧力損失が4〜8mmAq、濾過効率(JIS15種,重量法)が60〜90%、粉塵保持容量が500〜1300g/mである。ただし、巻取帯状型は濾材の巻取り用駆動装置の保守メンテナンスが必要となるため完全なメンテナンスフリーとするには、濾材面積を広くした下記吹流し型が好ましい。吹流し型は、図3乃至図5に示す通り、濾材20を多数の袋体21を連続させた形状とし、この濾材20をその開口部22に合わせて複数本の桟23を備えたヘッド部24を介して枠体25に螺子26で取り付けるものである。ただし形態はこれに限定されるものではなく濾材面積を所望のものにできる袋状のものであればよい。この吹流し型プレフィルタは、一般には、濾材は厚みが10〜25mm、材質がポリエステル、アクリル等の有機繊維の乾式不織布、平均繊維径が20〜60μm、目付が300〜600g/m、風速2.5m/sの時の圧力損失が2〜8mmAq、効率(JIS15種,重量法)が60〜90%で、この濾材を用いて濾材面積が2〜8m/台、外形寸法がタテ592mm×ヨコ592mm×奥行き500mmの吹流し型プレフィルタとした。濾材面積が2m/台未満の場合は所望のフィルタユニットの寿命が得られず、濾材面積が8m/台を越える場合は、圧力損失が高くなり好ましくない。従って濾材面積は2〜8m/台が好ましい。尚、このフィルタの性能は風量50m/分の時の圧力損失が2〜8mmAq、効率(JIS15種,重量法)が60〜90%、粉塵保持容量が1000〜4000g/台である。
【0008】
本発明のガスタービン吸気用高性能フィルタは、高効率濾材と低効率濾材との組み合わせで得られるものであるが、高効率濾材としては、粒径0.3μmの粒子に対して90〜99.99%の濾過効率のものを用いるのが好ましい。これは、90%未満では、ガスタービンの圧縮機の塵埃付着が防止できず、99.99%を越える場合は、塵埃付着防止には有効であるが圧力損失が増大し、寿命が短くなる問題を生ずるからである。また、低効率濾材としては、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率のもを用いるのが好ましい。これは、10%未満では下流側の高効率濾材の負担が大きくなり、70%を越える場合は濾材の目詰まりが早くなる問題が生ずるからである。これら高効率濾材30aと低効率濾材30bは、密接して重ね合わせられ、濾材面積を増加させるために吸気空気の流れ方向に対して凹凸となるようジグザグ状に折り畳んでおり、それを箱型の枠体31にシール材32を介して組み込み、その折り曲げ間隔部にシートを波形に屈折したセパレータ33が挿入されている。尚、図示の様に、セパレータ33の屈折の波高さを挿入方向後端側の高さH1を挿入方向先端側H2の高さより大きくしてテーパー状に形成したいわゆる傾斜型セパレータを用いることにより、通常のセパレータの様に屈折の波高さを全長に亘り均等にしたものに比べてフィルタを多風量で高性能にすることができる。この高性能フィルタは、一般には、各濾材の厚みが0.4〜2.0mm、目付が100〜200g/m、風速5.3cm/sの時の圧力損失が5〜45mmAq、効率(0.3μmDOP)が90〜99.9%で、セパレータは材質がアルミニウム、ステンレス等の金属箔、クラフト、合繊等の紙、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムで、該濾材をジグザグに折り畳みセパレータを間挿して、濾材面積が25〜35m/台、外形寸法がタテ610mm×ヨコ610mm×奥行き290mmの高性能フィルタとした。濾材面積が25m/台未満では、圧力損失が高くなって寿命が短くなり、35m/台を越えると濾材と濾材の間隔保持ができないという問題がある。従って、濾材面積は25〜35m/台が好ましい。尚、このフィルタの性能は風量50m/分の時の圧力損失が15〜45mmAq、効率(0.3μmDOP)が90〜99.99%、粉塵保持容量が1000〜3000g/台である。
上流側の低効率濾材に下流側の高効率濾材の負荷を軽減するような濾材面積25〜35m/台と通常(21m/台)に比べて大きいものを選択すると共に、例えば、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾材を選択し、下流側の高効率濾材に上流側の低効率濾材からの通過粉塵により圧力損失が増大しないように濾材面積25〜30m/台と大きいものでかつ空気圧縮機の汚れを防止できる、例えば、粒径0.3μmの粒子に対して90〜99.99%の濾過効率の高効率濾材を選択して配するようにした。これら低効率濾材と高効率濾材同士を密接して重ね合わせることにより、厚みを増大させることなく、濾材面積をフィルタ枠内に多く折り込むことができる。
また、ガスタービンの使用開始時の圧力損失が高くなり、初期発電出力の低下がおこるものの、圧縮機が汚れないために1年間を通じてガスタービンの出力低下がおこらないことになる。これに対して、前記箱型高性能フィルタを最下流側に備えないものでは、使用開始時の圧力損失は低いために、初期に高いガスタービンの出力が得られるものの、1年間通して使用すると圧縮機が汚れるために発電出力が低下し始め、結果として前記した箱型高性能フィルタを備えたガスタービンの所定の出力を途中で下回ることになる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に付き説明する。図1は、本発明ガスタービン吸気用フィルタユニットの実施例を示すもので、図略のガスタービンの吸気用ダクトに連設したケーシング1内にガスタービンの連続運転にとって有害な塵埃等の有害物質を吸気空気中から除去するために、パネル型デミスター2、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ3、更に本発明の高性能フィルタ4から成る3段式のフィルタユニット5を設けるようにした。
【0010】
デミスターは、サラン繊維(サランロック,登録商標)を金枠内に封入固定したもので、定格風速が2.5m/s、圧力損失が3mmAq、濾過効率(JIS8種,重量法)が28%で、寸法がタテ610mm×ヨコ610mm×厚さ35mmのものを前記ケーシング1内に16個(4列4段)設置するようにした。
【0011】
プレフィルタとして巻取帯状型は、濾材は厚みが50mm、材質がガラス繊維、平均繊維径が流入側30μmで流出側が20μmの密度勾配、効率(JIS15種,重量法)が80%で、この濾材を用いたフィルタの性能は風速2.5m/sの時の圧力損失が6mmAq、粉塵保持容量が1000g/mの自動巻取式で、外形寸法が1200mmのものを前記ケーシング1内に2台設置するようにした。また、吹流し型については、濾材は平均繊維径が35μmのポリエステル繊維を塩ビ系樹脂で結合して厚さ15mm、目付を300g/mとし、風速2.5m/sの時の圧力損失が5mmAq、効率(JIS15種,重量法)が80%の濾材を6山折り畳み金枠で固定して、濾材面積が4m/台、外形寸法がタテ592mm×ヨコ592mm×奥行き500mmのフィルタとした。このフィルタの性能は風量50m/分の時の圧力損失が5mmAq、効率(JIS15種,重量法)が80%、粉塵保持容量が2800g/台で、前記ケーシング1内に16個(4列4段)設置するようにした。
【0012】
高性能フィルタは、低効率濾材(厚み0.3mm、目付60g/m、濾過効率(0.3μmDOP)15%、圧力損失0.9mmAqの平均繊維径2.0μmのガラス繊維と有機繊維の混抄した湿式不織布)と高効率濾材(厚み0.4mm、目付70g/m、濾過効率(0.3μmDOP)99.97%、圧力損失28mmAqの平均繊維径0.8μmのガラス繊維の湿式不織布)を密接して重ね合わせて折り込み、アルミニウム箔の傾斜型セパレータを挿入して、ジグザグ状折込型(箱型)としたもので、フィルタとして圧力損失33mmAq、粉塵保持容量2000g/台、濾過効率(0.3μmDOP)99.97%のものが得られる。この様にして得られた外径寸法がタテ610mm×ヨコ610mm×奥行き290mmのものを前記ケーシング1内に16個(4列4段)設置するようにした。尚、従来のごとく、高効率濾材と低効率濾材を別々に610mm×610mm×290mmのフィルタとして2段に設置した場合には圧力損失が38mmAqと高くなるが、本発明のごとく高効率濾材と低効率濾材を密接して重ね合わせることにより構造上の抵抗が下がりフィルタユニットの圧力損失の低減にも寄与できる。
【0013】
前記プレフィルタとして巻取帯状型を用いたものを実施例1、吹流し型を用いたものを実施例2とし、更に、前記デミスターを用いずに前記巻取帯状型プレフィルタと前記高性能フィルタの高効率濾材を取り除いて低効率濾材のみとした箱型中性能フィルタの2段式としたものを従来例1、実施例1の高性能フィルタを、低効率濾材と高効率濾材をそれぞれ単層にして箱型中性能フィルタと箱型高性能フィルタとして4段式としたものを比較例1として、それぞれガスタービン吸気用フィルタユニットとして構成し、これらガスタービン吸気用フィルタユニットに外気を連続的に流し続け、その期間中のガスタービンの出力低下を試験すると共に設置スペースの省スペース化について評価した。前記各吸気用フィルタユニットの構成を下記表1に、また試験結果を下記表2に示す。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】
前記表から明らかなように、特開平5−106464号公報に記載される様に、従来の巻取帯状型プレフィルタと箱型中性能フィルタの2段式では、長時間の使用においてはガスタービンの出力が10%程度低下する。また、フィルタが目詰まりして寿命がくることにより年2〜3回フィルタ交換及び圧縮機の洗浄作業が必要となる。また、比較例1は、ガスタービンの出力低下については効率99.97%と高効率であるため圧縮機の塵埃付着を防止でき、フィルタ寿命の長期化も図れ、フィルタ交換も年1回ですむが、デミスター、プレフィルタ、中性能フィルタ、高性能フィルタと4段式となりフィルタの設置スペースが膨大となり、設備費もかさむことになる。これに対し、本発明の実施例1は、中性能フィルタと高性能フィルタの複合化が図れ、従来4段式では3300mm長さのフィルタユニットが本発明では2300mmで約1000mmの省スペースが図れると共に濾過効率も比較例1同様に優れるため圧縮機の塵埃付着防止ができて、しかも比較例1よりも粉塵保持容量が低圧損化のため大きくなり結果としてフィルタの長寿命化が更にはかれる。但し、プレフィルタが巻取帯状型で自動であるため駆動装置の関係から駆動部の保守点検が必要となる。また、本発明の実施例2は、実施例1のプレフィルタを吹流し型とすることにより、ガスタービンの出力低下を防止でき、省スペース化が図れると共に8000時間以上のメンテナンスフリーを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明ガスタービン吸気用フィルタユニットの構成図
【図2】巻取帯状型プレフィルタの部分切断正面図
【図3】吹流し型プレフィルタの濾材の側面図
【図4】前記濾材のヘッド部の正面図
【図5】前記吹流し型プレフィルタの平面図
【図6】高性能フィルタの斜視図
【図7】前記高性能フィルタの部分切断平面図
【図8】従来のガスタービン吸気用フィルタユニットの構成図
【符号の説明】
【0018】
1 ケーシング
2 パネル型デミスター
3 巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ
4 高性能フィルタ
5 ガスタービン吸気用フィルタユニット
30a 高効率濾材
30b 低効率濾材
31 枠体
32 シール材
33 セパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防塵用フィルタを複数段設けて成るガスタービン吸気用フィルタユニットにおいて、前記防塵用フィルタが気流方向の上流側より、パネル型デミスター、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、ガスタービン吸気用高性能フィルタの3段を配置してなり、前記ガスタービン吸気用高性能フィルタは、気流方向の上流側より低効率濾材と高効率濾材を密接して重ね、これら各濾材の濾材面積が25〜35m/台である濾材構成にし、気流方向に対して上流側の層には、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾材を配し、下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%の濾過効率の濾材を配し、風量50m/分の時の圧力損失を15〜45mmAqとしたことを特徴とするガスタービン吸気用フィルタユニット。
【請求項2】
前記プレフィルタが吹流し型で濾材面積が2〜8m/台であることを特徴とする請求項1記載のガスタービン吸気用フィルタユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−211785(P2007−211785A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111012(P2007−111012)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【分割の表示】特願2004−45538(P2004−45538)の分割
【原出願日】平成6年3月14日(1994.3.14)
【出願人】(000232760)日本無機株式会社 (104)
【Fターム(参考)】