説明

ガスバリア性固体電解質材料及びその製造方法並びに膜電極接合体

【課題】ガスバリア性及びプロトン伝導性に優れたガスバリア性固体電解質材料を提供することを解決すべき課題とする。
【解決手段】プロトン伝導性高分子材料と、そのプロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるガスバリア性高分子材料と、ジイソシアナート化合物によりガスバリア性高分子材料が架橋された架橋構造とを有するガスバリヤ性固体電解質材料とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア性固体電解質材料及びその製造方法並びにそのガスバリア性固体電解質材料を含有する膜電極接合体(MEA)に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、自動車や家庭用の電源として、広範な普及が期待されている。電解質の種類に応じて各種の燃料電池が研究されているが、電解質にプロトン伝導体を用いるものとしては、リン酸型燃料電池や高分子固体電解質型燃料電池が代表的なものである。特に高分子固体電解質型燃料電池は、軽量、小型で低温動作が可能なことから、電気自動車用電源や家庭用の発電装置として注目されている。
【0003】
プロトン伝導体を電解質とする燃料電池では、燃料電極に供給された水素や炭化水素ガス等の燃料が燃料電極であるアノードで酸化され、電子とプロトンを生成する。プロトンは電解質であるプロトン伝導体を伝導して対極の酸化剤電極であるカソードに到達して、酸化剤電極に供給された酸素と燃料極から外部負荷を通って供給される電子と反応して水を生成する。この際、燃料電極と酸化剤電極の間には使用する燃料と酸素の反応で水が生成する際の自由エネルギー変化に相当する電圧が最大電圧として発生し、これが、電気エネルギーとして外部に取り出される。
【0004】
しかしながら、ここで説明したのは理想的な燃料電池の動作であり、実際の燃料電池ではこれに付随した様々な現象が起こり、燃料電池の性能低下や材料劣化が生じる。それらの問題の一つとして、プロトン伝導体として用いるイオン交換膜等のガス透過の問題が挙げられる。プロトン伝導体は理想的には、プロトンのみを透過して、燃料である水素ガス及び酸化剤である酸素ガスなどの反応ガスの透過を完全に遮蔽することが望ましい。しかし、現在使用されているイオン交換膜では無視できないほどのガス透過量がある。
【0005】
このガス透過により、ガスが混ざり合い、その結果セル電圧の低下が引き起こされる。さらに、透過したガスの反応により、イオン交換膜が燃焼して膜に穴があいて劣化し、最悪の場合、電池の運転が不可能になる可能性が考えられている。
【0006】
従来、高分子電解質膜に内部電極と導電性電解質膜を接合することにより、MEA内部で内部電極とカソード電極とを導電性電解質膜によって電気的に接続し、電気化学回路を形成することによって、電解質膜中を透過する反応ガスを内部電極部分で酸化、或いは還元することによって対極への反応ガスの透過を抑制し、反応ガスが混合することを防止することによって電解質膜の劣化を防止し、MEAの耐久性を飛躍的に向上させる技術が開示されている(特許文献1〜3)。
【0007】
特許文献1〜3に記載の技術においては、ガスの透過性を制御するために、従来の電解質膜に加えて導電性電解質膜を接合することから、MEA全体としての膜厚が厚くなる特有の問題がある。更に、内部電極を挿入することによりプロトン伝導性が影響を受けてしまい、内部電極を有していないMEAとの比較においては十分な発電性能の実現が困難であった。
【特許文献1】特開2004−127901号公報
【特許文献2】特開2005−285733号公報
【特許文献3】特開2007−184190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、MEAの膜厚を薄くするために従来の電解質膜にガスバリア性樹脂を配合することを検討した。ガスバリア性樹脂を配合することによりガスの透過性が抑制でき、膜厚を薄くすることが可能になってMEA全体としても膜厚を薄くすることが可能になるものと期待された。
【0009】
しかしながら、ガスバリア性樹脂を電解質中に配合することによりガスの透過性を抑制できるものの、プロトン伝導性についても低下してしまうことが明らかになった。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、ガスバリア性、及びプロトン伝導性に優れたガスバリア性固体電解質材料及びその製造方法並びにそのガスバリア性固体電解質材料を利用した膜電極接合体を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する請求項1に係るガスバリア性固体電解質材料の特徴は、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を反応させることにより前記反応性官能基間を架橋する架橋構造と、
を有することにある。
【0012】
上記課題を解決する請求項2に係るガスバリア性固体電解質材料の特徴は、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、を非プロトン性極性溶媒に溶解させて高分子材料溶液とする溶解工程と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を前記高分子材料溶液に混合して反応させる架橋工程と、
を有する製造方法にて製造され得ることにある。
【0013】
上記課題を解決する請求項3に係るガスバリア性固体電解質材料の特徴は、請求項2において、前記溶解工程後、前記架橋工程前に、前記高分子材料溶液を製膜する製膜工程を有することにある。
【0014】
上記課題を解決する請求項4に係るガスバリア性固体電解質材料の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、前記反応性官能基はOH基であり、前記結合性官能基はイソシアナート基であることにある。
【0015】
上記課題を解決する請求項5に係るガスバリア性固体電解質材料の特徴は、請求項1〜4の何れか1項において、前記ガスバリア性高分子材料の含有量は全体の質量を基準として1〜8%であることにある。
【0016】
上記課題を解決する請求項6に係るガスバリア性固体電解質材料の製造方法の特徴は、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、を非プロトン性極性溶媒に溶解させて高分子材料溶液とする溶解工程と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を前記高分子材料溶液に混合して反応させる架橋工程と、
を有することにある。
【0017】
上記課題を解決する請求項7に係るガスバリア性固体電解質材料の製造方法の特徴は、請求項6において、前記溶解工程後、前記架橋工程前に、前記高分子材料溶液を製膜する製膜工程を有することにある。
【0018】
上記課題を解決する請求項8に係る膜電極接合体の特徴は、プロトン及び電子伝導性を示す導電性電解質材料を厚み方向の一部に有し、プロトン伝導性を示すプロトン伝導性電解質材料を残部に有する固体電解質膜と前記固体電解質の一方の側に設けられた燃料電極と他方の側に設けられた酸化剤電極とを有する膜電極接合体であって、
前記プロトン伝導性電解質材料の少なくとも一部及び/又は前記導電性電解質材料は、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料を含むことにある。
【0019】
上記課題を解決する請求項9に係る膜電極接合体の特徴は、請求項8において、前記導電性電解質材料は請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料と前記ガスバリア性固体電解質材料中に分散されている炭素材料とを有することにある。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明においては、従来、そのまま混合していたガスバリア性高分子材料をプロトン伝導性高分子材料に混合した状態で架橋させた構造をもつことにより、ガスバリア性高分子材料の混合によるガスバリア性が向上できると共に、プロトン伝導性高分子材料のプロトン伝導性を十分に発揮させることが可能になった。従って、電解質膜に採用した場合などにおいて、従来と同様のガスバリア性能及びプロトン伝導性能が従来よりも薄い膜厚で発揮されるものである。
【0021】
請求項2に係る発明においては、ガスバリア性高分子材料とプロトン伝導性高分子材料とを混合・溶解させた後に、架橋させることにより、ガスバリア性が向上できると共に、プロトン伝導性高分子材料のプロトン伝導性を十分に発揮させることが可能になった。従って、電解質膜に採用した場合などにおいて、従来と同様のガスバリア性能及びプロトン伝導性が従来よりも薄い膜厚で発揮されるものである。
【0022】
請求項3に係る発明においては、架橋工程前に、溶解工程にて得た高分子材料溶液を製膜することにより、製膜を容易に行うことができる上に、得られた膜は架橋により強固なものになる。
【0023】
請求項4に係る発明においては、反応性官能基としてOH基をもつガスバリア性高分子材料を採用し、結合性官能基としてイソシアナート基をもつ架橋剤を合わせて採用することにより、容易に反応を進めることができる。また、OH基をもつガスバリア性高分子材料は高いガスバリア性能を発揮することが期待できる。
【0024】
請求項5に係る発明においては、ガスバリア性高分子材料の含有量を全体の質量を基準として1〜8%とすることにより、優れたガスバリア性と優れたプロトン伝導性とが両立可能である。
【0025】
請求項6に係る発明においては、ガスバリア性高分子材料とプロトン伝導性高分子材料とを混合・溶解させた後に、架橋させることにより、ガスバリア性が向上できると共に、プロトン伝導性高分子材料のプロトン伝導性を十分に発揮させることが可能になった。従って、電解質膜に採用した場合などにおいて、従来と同様のガスバリア性能及びプロトン伝導性を従来よりも薄い膜厚で発揮することができる。
【0026】
請求項7に係る発明においては、架橋工程前に、溶解工程にて得た高分子材料溶液を製膜することにより、製膜を容易に行うことができる上に、得られた膜は架橋により強固にできる。
【0027】
請求項8に係る発明においては、上述したガスバリア性固体電解質材料を膜電極接合体の一部に有することにより、膜厚を薄く保ったままガス透過性を低減できる。
【0028】
請求項9に係る発明においては、導電性電解質膜に本発明のガスバリア性固体電解質材料を含有することにより、性能が高いMEAを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明のガスバリア性固体電解質材料及びその製造方法並びに膜電極接合体について実施形態に基づき以下詳細に説明する。
【0030】
(ガスバリア性固体電解質材料及びその製造方法)
本実施形態のガスバリア性固体電解質材料は、プロトン伝導性高分子材料と、架橋剤にて架橋されたガスバリア性高分子材料とが絡み合った構造を有する。
【0031】
プロトン伝導性高分子材料はプロトン伝導性基をもつ高分子材料である。プロトン伝導性基はスルホ基、ホスホ基、カルボニル基などである。プロトン伝導性高分子材料としては、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等が挙げられる。具体的には、ナフィオン(商標)などのように、すべて(又は一部)の水素原子がフッ素原子にて置換されたフッ素置換オレフィン系高分子材料からなる主鎖にプロトン伝導性基が結合した構造をもつものが例示できる。ここで、プロトン伝導性高分子材料としてはプロトン伝導性が高ければ、ガス透過性が必要な範囲を満たしていなくても適用可能である。適用するガスバリア性高分子材料により十分なガスバリア性能を付与できるからである。つまり、ガス透過性が非常に高いために、従来、単独で使用することができないような材料であっても本実施形態のガスバリヤ性固体電解質材料に適用されるプロトン伝導性高分子材料として採用することができる場合が考えられる。プロトン伝導性高分子材料の分子量は特に限定しないが、単独で存在する場合に固体である分子量を採用することが望ましい。また、非プロトン性極性溶媒に速やかに溶解可能な分子量にすることが望ましい。
【0032】
ガスバリア性高分子材料はオレフィンからなる第1構造と、その第1構造がもつ水素原子を置換する反応性官能基とからなる高分子材料である。オレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレンに相当する構造や、その他、炭素及び水素からなるものであれば特に限定しない。また、炭素−炭素二重結合は積極的に含有させることは内が特に排除するものではない。反応性官能基としては、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上である。これらの反応基がオレフィンの水素を置換して導入される。複数種類の反応性官能基を有するものであっても良い。反応性官能基の導入方法としてはオレフィンに直接導入する方法の他、その反応性官能基を有するモノマー(例えば重合性の官能基としてビニル基をもつ化合物)を単独、又は、エチレンやプロピレンと共重合させることにより製造することができる。具体的に望ましいガスバリア性高分子材料としてはポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体が例示できる。ガスバリア性高分子材料の分子量は特に限定しないが、単独で存在する場合に固体である分子量を採用することが望ましい。また、非プロトン性極性溶媒に速やかに溶解可能な分子量にすることが望ましい。
【0033】
プロトン伝導性高分子材料及びガスバリア性高分子材料は双方とも非プロトン性極性溶媒に溶解可能である。非プロトン性極性溶媒に双方の高分子材料を溶解させた状態で混合することにより、両者の分子鎖が絡まり合った状態にできる。そして、そのような状態で架橋剤を反応させることにより、非プロトン性極性溶媒を除去した後も両者の相互関係を保つことができる。非プロトン性極性溶媒としては特に限定しないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(AN)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、アセトンが例示できる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、DMF、DMSOが主な溶媒として挙げられる。
【0034】
プロトン伝導性高分子材料及びガスバリア性高分子材料の混合割合は特に限定しないが、本ガスバリア性固体電解質材料全体の質量を基準として、ガスバリア性高分子材料が1%以上含有することが望ましく、3%以上含有することがより望ましい。この範囲にすると、十分なガスバリア性能を発揮できる。ガスバリア性高分子材料の含有量は電解質膜としての機能を十分に果たすためには8%以下が望ましく、5%以下にすることがより望ましい。
【0035】
ガスバリア性高分子材料は反応性官能基間を2官能性の架橋剤にて架橋した構造を有する。架橋剤は結合性官能基を2つ以上もつ。結合性官能基は反応性官能基の種類に応じて適正に選択する。架橋剤は結合性官能基を2以上もつが、それらは同一種類でも異なる種類でも構わない。架橋剤はプロトン伝導性高分子材料とガスバリア性高分子材料とを非プロトン性極性溶媒に溶解した状態でガスバリア性高分子材料に対して反応させるものである。プロトン伝導性高分子材料とガスバリア性高分子材料とを混合・溶解した状態で架橋反応を進行させることにより、本実施形態のガスバリヤ性固体電解質材料は非プロトン性極性溶媒はもちろん、水にも溶解できなくなる。従って、燃料電池などに採用する場合に、高い耐久性を示すことが期待できる。
【0036】
反応性官能基が活性水素をもつアミノ基、OH基である場合には結合性官能基はカルボニル基、ハロゲン、エポキシ基、イソシアナート基が好ましい官能基として挙げられる。特にエポキシ基、イソシアナート基を採用すると容易に反応を進行させることができると共に結合後の生成物の安定性が高くできるため好ましい。
【0037】
反応性官能基がハロゲンである場合には結合性官能基はハロゲン、OH基、ONa基が好ましい官能基として挙げることができる。特に反応性が高いONa基を採用することが好ましい。
【0038】
反応性官能基がエポキシ基、イソシアナート基である場合には結合性官能基はアミノ基、OH基が好ましい官能基として挙げられる。アミンとの反応によりウレア結合が、OH基との反応によりウレタン結合が生成し、それらが有する活性水素に対して、反応性官能基が更に反応することができる。
【0039】
(膜電極接合体:MEA)
本実施形態のMEAは電解質膜とその両面に配設される触媒層とを有する。触媒層の更に外面側にガス拡散層を配設することもできる。本実施形態のMEAは上述したガスバリヤ性固体電解質材料を電解質膜中に含む。電解質膜には膜厚方向の一部に導電性をもつ導電性電解質膜を有する。導電性電解質膜を設ける位置としては特に限定しないが、電解質膜のカソード側に接するように配設することが望ましい。また、導電性電解質膜に対して所定の電位になるように、外部の電源から電位を印加することもできる。また、MEAを構成するカソード又はアノードに電気的に接続する形態を採用することも可能である。
【0040】
ガスバリヤ性固体電解質材料は導電性を付与できる材料を混合することにより、導電性電解質膜を形成することができる。導電性を付与できる材料としてはカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボン繊維、フラーレン、カーボンナノホーンなどの炭素材料や、金属微粒子(白金などの貴金属が望ましい)などが挙げられる。これらの導電性を付与する材料を含有させる量としては特に限定しないが、電解質材料の質量を基準として、5質量%〜20質量%程度が例示できる。導電性電解質膜はガスバリヤ性固体電解質材料から形成する以外に通常のプロトン伝導性高分子材料から形成することもできる。
【0041】
電解質膜としては一般的なプロトン伝導性高分子材料が採用できる。プロトン伝導性高分子材料はプロトン伝導性基をもつ高分子材料である。プロトン伝導性基はスルホ基、ホスホ基、カルボニル基などである。プロトン伝導性高分子材料としては、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等が挙げられる。具体的には、ナフィオン(商標)などのように、すべて(又は一部)の水素原子がフッ素原子にて置換されたフッ素置換オレフィン系高分子材料からなる主鎖にプロトン伝導性基が結合した構造をもつものが例示できる。電解質膜の一部乃至全部として上述したガスバリヤ性固体電解質材料を採用することもできる。
【0042】
触媒層は、多孔膜であり、例えばイオン交換樹脂粒子と触媒活性物質を担持した導電性担体とから構成することができる。触媒層の形成はプロトン伝導性高分子材料からなる微粒子と導電性担体とを適正な分散媒中に分散させて形成したペーストを前述の電解質膜や後述するガス拡散層の表面に塗布、製膜する方法や、適正な基材上に塗布、製膜する方法など一般的な方法を採用可能である。触媒層に採用されるプロトン伝導性高分子材料は、電解質膜と同様の高分子材料から形成することが好ましい。触媒活性物質としては、白金、ルテニウムやロジウム等の貴金属粒子が例示される。触媒を担持する導電性担体としては、カーボンブラック、アセチレンブラックやカーボンナノチューブなどの炭素材料が例示される。
【0043】
ガス拡散層は、ガス流路に供給されるガスを触媒層に供給する機能をもつ。また、発電反応により生じる電子を外部回路に移動させる機能や、電池反応により生成する水や未反応ガス等を外部に放出する機能ももつ。ガス拡散層は、電子伝導性を有する多孔質体を基材として構成されることが好ましく、例えば、カーボン繊維よりなるカーボンペーパーやカーボンクロス等のカーボン基材により構成することができる。このガス拡散層においては、必要に応じて、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)等を含浸させて撥水性を付与したり、さらにカーボンブラック等のカーボン粉末をPTFEとともに混練したカーボンペーストを塗布したりしてもよい。
【実施例】
【0044】
(試験用の導電性電解質膜の調製)
十分に乾燥したガスバリア性高分子材料(日本合成化学、ソアノールA4412:エチレン−ビニルアルコール共重合体:エチレン含有量44モル%)0.69gに、3Aモルキュラーシーブで脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NMP:和光純薬、1級試薬)2.49gを加え、50℃で2時間撹拌することにより、ガスバリヤ性高分子材料を21.7質量%含有するNMP溶液を得た。
【0045】
プロトン伝導性高分子材料としてのフッ素系電解質溶液(旭化成、Aciplex 5%溶液)を十分に乾燥させて粉末状としたフッ素系電解質1.01gをNMP11.42gに溶解させてフッ素系電解質を8.05質量%含有するNMP溶液を得た。
【0046】
両者の溶液を種々の所定割合(表1に記載)にて均一に混合して、高分子材料溶液とした(溶解工程)。この高分子材料溶液に対して溶解している高分子材料の質量を基準として約10質量%の高導電性カーボンファイバ(昭和電工、VGCF)0.05gと、2,4−ジイソシアン酸トリレン(TDI:和光純薬 1級試薬)0.034gとを均一に混合してペースト状にした。このペーストをクリアランス300μmのアプリケータを用い、60℃に保持されたPTFEフィルム上に塗布・乾燥し、その後、真空乾燥機を用いて100℃、4時間減圧下で反応させることにより架橋反応を進行させると共に含有する溶媒を揮散させて、本実施例のガスバリヤ性固体電解質材料を含有する導電性電解質膜を得た。
【0047】
【表1】

【0048】
(ガス透過係数、プロトン伝導度、及び電気抵抗の測定)
各実施例及び比較例の導電性電解質膜について、ガス透過係数、プロトン伝導度及び電気抵抗の測定を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】

【0050】
ガスバリア性高分子材料の含有量が4%程度と同程度である実施例1の導電性電解質膜と比較例1の導電性電解質膜とを比較する。ガスバリア性高分子材料を添加した比較例1の導電性電解質膜はガスバリア性高分子材料を添加していない比較例3の導電性電解質膜と比較すると、表2より明らかなように、ガス透過係数が2/3程度と低下させることができた。
【0051】
ガスバリア性高分子材料に加えて架橋剤も添加した実施例1の導電性電解質膜はガスバリア性高分子材料を添加していない比較例3の導電性電解質膜と比較すると、表2より明らかなように、ガス透過係数が1/3程度と低下させることができた。
【0052】
実施例1の導電性電解質膜は比較例3の導電性電解質膜に対してプロトン伝導度が1割弱(8%程度)上昇しているのに対して、比較例1の導電性電解質膜はプロトン伝導度が5%程度減少していることが分かった。また、電気抵抗の値も実施例1の導電性電解質膜では比較例3の導電性電解質膜の1.35倍程度でとどまるのに対し、比較例1の導電性電解質膜では1.76倍程度と大きな違いがあった。
【0053】
つまり、実施例1の導電性電解質膜(ガスバリア性高分子材料及び架橋剤を添加)は従来の導電性電解質膜(比較例3相当)と比べて電気抵抗は僅かに高くなっているものの、ガス透過係数は半分程度、プロトン伝導度は1割弱上昇といったように非常に優れた性質を示すことが明らかになった。それに対して、比較例1の導電性電解質膜(ガスバリア性高分子材料を添加)は実施例1の導電性電解質膜ほどのガスバリア性は示さないのにプロトン伝導度及び電気抵抗共に実施例1の導電性電解質膜よりも十分でない値を示すことが分かった。これはガスバリア性高分子材料に対して、架橋剤を反応させて架橋構造を形成したことによる効果であると推測される。架橋剤により架橋した架橋構造を導入することにより、プロトン伝導度(及び電気抵抗)への好ましくない影響を抑制しながら、ガスバリア性を向上させることができることが分かった。
【0054】
ガスバリア性高分子材料の添加のみで実施例1の導電性電解質膜と同程度のガスバリア性を実現することを目指した比較例2の導電性電解質膜ではガスバリア性は実施例1の導電性電解質膜と同程度にすることができたものの、プロトン伝導度は比較例3に対して3/4程度(実施例1の導電性電解質膜に対して2/3程度)、電気抵抗は比較例3に対して2.2倍以上(実施例1の導電性電解質膜に対して1.6倍以上)といったように十分ではなく、ガスバリア性のみを向上させることはできなかった。
【0055】
なお、詳細は記載しないが、ガスバリア性高分子材料を含有させる適正範囲を探る目的で、ガスバリア性高分子材料の含有量を変化させた結果、ガスバリア性固体電解質材料全体の質量を基準として、ガスバリア性高分子材料が1%含有させることにより従来の電解質材料(ガスバリア性高分子材料及び/又は架橋剤を含有しない材料)より優れたガスバリア性能を示すことが分かった。また、3%含有させることにより従来の電解質材料よりも十分に優れたガスバリア性能を示すことが分かった。この場合に、プロトン伝導度については特に問題になるような低下は認められなかった。更に、ガスバリア性固体電解質材料全体の質量を基準として、ガスバリア性高分子材料が8%含有させた場合であっても、プロトン伝導度については特に問題になるような低下は認められず、5%含有させた場合ではプロトン伝導度の問題になるような低下は全く認められなかった。従って、ガスバリア性高分子材料の添加割合としては、本ガスバリヤ性固体電解質材料全体の質量を基準として、1%以上含有させることが望ましく、3%以上含有することが更に望ましいことが分かった。また、8%以下の含有量とすることが望ましく、5%以下にすることがより望ましいことが分かった。
【0056】
(MEAの製造及び評価)
実際にMEAを作成し、その性能を評価した。MEAの作成方法を以下に示す。
・内部電極付電解質膜の調製
実施例1、比較例1〜3のそれぞれについて導電性電解質膜(内部電極)を調製した。それぞれの導電性電解質膜の膜厚はガス透過係数から十分なガスの透過抑制が期待できるように設定した。具体的に設定した膜厚としては、表3に示すように、実施例1(本発明のガスバリヤ性固体電解質材料。ガスバリア性高分子材料及び架橋剤を含む)が13μm、比較例1(実施例1の導電性電解質膜と同じ含有量でガスバリア性高分子材料を含む。架橋剤は無し)が20μm、比較例2(実施例1の導電性電解質膜の2倍量のガスバリア性高分子材料を含む。架橋剤は無し)が13μm、そして比較例3(ガスバリア性高分子材料及び架橋剤は双方共に含まない)が30μmとした。
【0057】
これらの導電性電解質膜に膜厚30μmのフッ素系電解質膜(Gore Seleect 30μm)を重ね合わせて各実施例及び比較例の電解質膜を調製した。
【0058】
【表3】

【0059】
・ガス拡散層の作製手順
カーボンブラック(キャボット社製:Valcan XC−72R)とPTFEディスパージョン(ダイキン製:D1)とを混合し、カーボンブラックとPTFEの質量比率が1:1になるような、撥水化ペーストを作製した。
【0060】
その撥水化ペーストを市販のカーボンペーパー(東レ製:TGP−H60)に、デッピング法により浸漬しカーボンペーパー内に撥水化ペーストを含浸させた。
【0061】
室温で乾燥した後、大気中、380℃で1時間熱処理し、撥水化ペーストをカーボンペーパーに定着させ、ガス拡散層とした。
・MEA(膜電極接合体)の作製手順
白金触媒(ジョンソン・マッセイ製:HiSPEC4000)と高分子電解質溶液(旭化成製:5質量%Aciplex溶液)とを質量比で、1:15の割合になるように混合した触媒ペーストをPTFEフィルム上にアプリケータを用いてキャステイングし、室温で乾燥させ、触媒層シートを作製した。
【0062】
転写法(デカール法)を用いて、各実施例及び比較例の電解質膜の両面に、ホットプレスを用い、触媒層を転写し、触媒コート電解質膜を作製する。
【0063】
適正な大きさのガス拡散層を触媒コート電解質膜に、ホットプレス法により接合し、各実施例及び比較例のMEAとした。
・燃料電池の起動性の評価方法
各実施例及び比較例のMEAを燃料電池の評価セルに組み込み各実施例及び比較例の評価用セルとした。これら評価用セルに対し、セルを窒素ガスでパージし、残留空気を置換した。評価用セルは、図1に示すように、MEA4とその燃料電池用膜電極接合体4を両面側から挟持すると共にMEA4と共にガス流路を形成する一対のセパレータ5とを有する。MEA4は電解質膜41とその電解質膜41の両側に配設された触媒層42A及び42Bと更にその外側に配設されたガス拡散層43A及び43Bとを有する。電解質膜41は導電性電解質膜が配置される側をカソード側とした。なお、図1は概略図であり、構成要素の大きさは図示の都合上、正確な大きさを反映していない部分がある。
【0064】
各実施例及び比較例の評価用セルに対して、セル温度を70℃に昇温保持した後、アノード側に、露点温度70℃に加湿した純水素を300CCM、カソード側に、露点温度70℃に加湿した空気1500CCM流し、開回路状態(OCV)で、30分間保持を行った。
【0065】
セル温度、アノード及びカソードのガス流量を保持したまま、負荷電源装置を用いて、電流密度を0A/cm2(OCV)から (0.05A/cm2)/分の一定速度で、1.0 A/cm2まで電流密度を上昇させた際のセル電圧の経時変化を測定した。結果を図2に示す。
【0066】
図2より明らかなように、実施例1の評価用セルにおいては、すべての電流密度において高いセル電圧を示すことが明らかになり、優れた出力特性を示すことが分かった。それに対して、8%のガスバリア性高分子材料を含有させた比較例2の評価用セルは電流密度が0.5A/cm2までは比較例1及び3の評価用セルよりも高いセル電圧を示すものの、それ以上では急激にセル電圧が低下することが分かった。これは比較例2の導電性電解質膜の膜厚が薄いため、電流密度が低い領域においては比較例1及び3の導電性電解質膜よりも優れた特性をもつものの、プロトン伝導度及び電気抵抗といった基本的な特性が十分ではないために電流密度が高い領域においては導電性電解質膜におけるプロトンや電流の供給が十分にされないためであると推測される。
【0067】
4%のガスバリア性高分子材料を含有させた比較例1の評価用セルは電流密度が0.7A/cm2までは比較例3の評価セルよりも高いセル電圧を示すものの、それ以上では急激にセル電圧が低下することが分かった。これは比較例2と同様に、比較例1の導電性電解質膜は比較例3よりも膜厚が薄いため、電流密度が低い領域においては比較例3の導電性電解質膜よりも優れた特性をもつものの、プロトン伝導度及び電気抵抗といった基本的な特性が十分でないために電流密度が高い領域においてはプロトンや電流が十分に流れないためであると推測される。
【0068】
ガスバリア性高分子材料を含有させていない比較例3の評価用セルは電流密度が0.7A/cm2を超えて以降、比較例1及び2の評価セルよりも高いセル電圧を示すものの、実施例1の評価セルよりも低いセル電圧であった。
【0069】
つまり、実施例1の評価用セルにおいては、架橋剤を加えない評価用セル(比較例1及び2)、ガスバリア性高分子材料及び架橋剤を含まない評価用セル(比較例3)と比べてすべての発電領域において性能の向上が認められた。
【0070】
ここで、実施例1のMEAと比較例3のMEAとについて水素及び酸素のリーク(透過)量をガスクロマトグラフィーにて評価した。実際の測定はカソード側の触媒層を省略した以外は上述した評価セルと同じ条件で行った。その結果、実施例1及び比較例3のMEAは双方共、水素及び酸素のリークが認められなかった。なお、対照試験として、導電性電解質膜を採用せずに、膜厚30μmのフッ素系電解質膜(Gore Seleect 30μm)のみを用いた内部電極も有さない通常の電解質膜を採用したMEAを作成して評価を行ったところ、水素のリーク量が300ppm、酸素のリーク量が60ppmであった。つまり、本実施例1のMEAに採用した本実施例1の導電性電解質膜は従来の導電性電解質膜である比較例3の導電性電解質膜と同様に水素及び酸素のリーク防止効果を有することが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施例にて用いた評価用セルの断面概略図である。
【図2】各実施例及び比較例の評価用セルにおけるI−V特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
4…燃料電池用膜電極接合体 41…電解質膜 42A…触媒層(アノード側) 42B…触媒層(カソード側) 43A…ガス拡散層(アノード側) 43B…ガス拡散層(カソード側)
5…セパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を反応させることにより前記反応性官能基間を架橋する架橋構造と、
を有することを特徴とするガスバリア性固体電解質材料。
【請求項2】
非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、を非プロトン性極性溶媒に溶解させて高分子材料溶液とする溶解工程と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を前記高分子材料溶液に混合して反応させる架橋工程と、
を有する製造方法にて製造され得ることを特徴とするガスバリア性固体電解質材料。
【請求項3】
前記溶解工程後、前記架橋工程前に、前記高分子材料溶液を製膜する製膜工程を有する製造方法にて製造され得る請求項2に記載のガスバリア性固体電解質材料。
【請求項4】
前記反応性官能基はOH基であり、前記結合性官能基はイソシアナート基である請求項1〜3の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料。
【請求項5】
前記ガスバリア性高分子材料の含有量は全体の質量を基準として1〜8%である請求項1〜4の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料。
【請求項6】
非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり、プロトン伝導性基を化学構造中に有するプロトン伝導性高分子材料と、
オレフィンからなる第1構造と、アミノ基、OH基、ハロゲン、エポキシ基、及びイソシアナート基からなる群から選択される1種以上であり前記第1構造に結合する反応性官能基と、を有する化学構造をもち、非プロトン性極性溶媒に溶解可能であり且つ前記プロトン伝導性高分子材料に分子鎖が絡まっているガスバリア性高分子材料と、を非プロトン性極性溶媒に溶解させて高分子材料溶液とする溶解工程と、
前記反応性官能基に反応して結合可能な結合性官能基を2つ以上もつ架橋剤を前記高分子材料溶液に混合して反応させる架橋工程と、
を有することを特徴とするガスバリア性固体電解質材料の製造方法。
【請求項7】
前記溶解工程後、前記架橋工程前に、前記高分子材料溶液を製膜する製膜工程を有する請求項6に記載のガスバリア性固体電解質材料の製造方法。
【請求項8】
プロトン及び電子伝導性を示す導電性電解質材料を厚み方向の一部に有し、プロトン伝導性を示すプロトン伝導性電解質材料を残部に有する固体電解質膜と前記固体電解質の一方の側に設けられた燃料電極と他方の側に設けられた酸化剤電極とを有する膜電極接合体であって、
前記プロトン伝導性電解質材料の少なくとも一部及び/又は前記導電性電解質材料は、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料を含むことを特徴とする膜電極接合体。
【請求項9】
前記導電性電解質材料は請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性固体電解質材料と前記ガスバリア性固体電解質材料中に分散されている炭素材料とを有する請求項8に記載の膜電極接合体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−230970(P2009−230970A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73383(P2008−73383)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】