説明

ガス分析装置

【課題】ガスセンサをより効果的に冷却することができるガス分析装置を提供する。
【解決手段】ガス分析装置11は、煙道内へ突出するように設けられた支持筒21と、支持筒21内における先端に固定されて煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサ41と、支持筒21内にガスセンサ41の基端部を冷却するための冷却用空気を送る空気供給管72とを備えている。ガス分析装置11は、支持筒21内に位置するガスセンサ41に沿って空気供給管72を配置し、ガスセンサ41の基端部に対し直交成分を含む方向で冷却用空気を吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙道内の被検出ガスに含まれる酸素及び窒素酸化物等の所定の成分を検出して分析するガス分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、地球環境の保全といった観点から、例えば内燃機関及び各種の燃焼炉から排出される排気ガス中の窒素酸化物濃度の低減が望まれている。このため、前記排気ガス中の窒素酸化物を検出して分析するガス分析装置の開発が盛んに行われている。ガス分析装置の分析結果は内燃機関及び燃焼炉の燃焼状態等のフィードバック制御等に利用される。こうしたガス分析装置としては、煙道内の測定点近傍にガスセンサを配置する直接挿入タイプがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
直接挿入タイプのガス分析装置は排気管内の排ガスを採取する円筒状のプローブを備えており、当該プローブは焼却炉等における煙道壁の孔に挿入され、取付けフランジを介して当該煙道壁に固定されている。プローブの先端部には多孔質の金属焼結フィルタが設けられていると共に同じく先端内部にはガスセンサが設けられている。ガスセンサのガス検出素子としては、例えばジルコニア等のセラミックスからなる固体電解質を用いたものが知られている。煙道内の排ガスはフィルタを通過してプローブ内に導かれ、その導かれてきた排ガスはガスセンサにより検出される。ガスセンサの基端部にはリード線を引き出すためのターミナル部が設けられており、このターミナル部はリード線を介して外部の制御装置に接続されている。
【0004】
特許文献1に記載のガス分析装置では、ターミナル部に接続された複数本のリード線を整列して外部に引き出すために、ガスセンサの基端部にリード線押さえ部材が装着されている。しかし、ガスセンサを高温環境下で使用するようにした場合、こうしたリード線押さえ部材には熱による損傷が発生するおそれがあるため、ガスセンサの基端部を冷却する冷却空気を送る空気供給管が備えられている。
【特許文献1】特開2006−184266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のガス分析装置では、センサチップの基端とリード線との接続部は過度に高温になると絶縁抵抗が低下し、センサからの出力電流にリーク電流が混入することにより、検出精度が低下するおそれがある。なお、センサチップの基端はガスセンサに内蔵されているため、冷却するにはガスセンサを冷却することとなる。そこで、ガスセンサをより効果的に冷却することが望まれている。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスセンサをより効果的に冷却することができるガス分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、煙道内へ突出するように設けられた支持筒と、前記支持筒内における先端に固定されて煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサと、前記支持筒内に前記ガスセンサの基端部を冷却するための冷却用空気を送る空気供給管とを備えたガス分析装置において、前記空気供給管を前記支持筒内に位置する前記ガスセンサに沿って配置し、同ガスセンサの基端部に対し直交成分を含む方向で前記冷却用空気を吹き付けることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、ガスセンサにおけるリード線の引き出し部位であるガスセンサに沿って冷却用空気が吹き付けられることにより効率よく冷却される。また、空気供給管からガスセンサの基端部に対して直交成分を含んで冷却用空気が吹き付けられるため、冷却用空気が少なくとも当該基端部に吹き付けられて当該基端部が冷却され、当該基端部の温度上昇が抑制される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガス分析装置において、前記空気供給管の先端は、前記支持筒の先端部の固定部材に支持されることをその要旨としている。
同構成によれば、空気供給管は先端部の固定部材に支持されるため、ガスセンサに対して位置が固定され、冷却用空気が安定してガスセンサに吹き付けられる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガス分析装置において、前記空気供給管の基端部は前記支持筒の基端部に取り付けられる支持部材に支持されることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、空気供給管は支持筒の基端部に取り付けられる支持部材に支持されるため、ガスセンサに対して位置が固定され、冷却用空気が安定してガスセンサに吹き付けられ、冷却が促進される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガス分析装置において、ガスセンサをより効果的に冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を例えばエンジン、ボイラ、工業用炉等の排気管に取り付けられて当該排気管内の煙道を流れる高温の被測定ガスとしての排ガスに含まれる所定成分(例えば、窒素酸化物)を検出して分析するガス分析装置に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。本実施形態のガス分析装置は煙道内の測定点近傍にガスセンサを配置する直接挿入タイプである。
【0014】
<全体構成>
図1に示されるように、ガス分析装置11は煙道を流れる排ガスに含まれる所定の成分を検出する発信器11aと当該発信器11aに電気的に接続された分析器11bとを備えている。発信器11aは煙道内に挿入固定されており、分析器11bは外部に設置されている。即ち、煙道壁12には発信器11aを挿通可能とした筒状の発信器挿入口13が突設されており、発信器挿入口13の先端外周縁には環状のフランジ部14が形成されている。この発信器挿入口13を介して発信器11aは煙道内に挿入されており、当該発信器11aは前記フランジ部14に固定されている。
【0015】
<発信器>
図1及び図2に示されるように、発信器11aは、一端が開口した円筒状の支持筒21を備えており、当該支持筒21の基端側の開口端縁にはフランジ部22が形成されている。支持筒21は前記発信器挿入口13に挿入され、煙道壁12のフランジ部14の外面と当該支持筒21のフランジ部22の内面との間にシール部材Sを介在させた状態で、前記フランジ部14側からボルト23を挿通し、当該ボルト23にナット24を締め付けることにより、支持筒21は煙道壁12に固定されている。両フランジ部14,22により密接状態で挟み込まれたシール部材Sにより、煙道の内外、即ち両フランジ部14,22間の気密が確保されている。また、前記ボルト23の雄ねじ部23aは前記ナット24の外端面から突出している。
【0016】
<支持筒>
図1及び図2に示されるように、支持筒21の先端部25には、先端壁31が複数個(本実施形態では4つ)のボルト37によって着脱可能に取り付けられている。支持筒21の先端壁31には後述するガスセンサ41の先端部を収容固定可能とした収容部32が貫通して形成されており、当該収容部32の内周面には雌ねじ部33が形成されている。この雌ねじ部33は支持筒21の先端壁31の内面から外面側へ向かう所定区間に亘って形成されている。また、支持筒21の先端壁31には、当該支持筒21の内部と前記収容部32の内部とを連通するL字状の連通路34が形成されている。ここで、先端壁31はセンサ取り付け部材を構成している。
【0017】
さらに、図6及び図8に示されるように、前記先端壁31の開口部周縁には環状のフィルタ支持部35が突設されており、当該フィルタ支持部35の先端部には円板状のフィルタ36が嵌め込まれている。フィルタ36の上から有蓋筒状のフィルタカバー85が着脱可能に螺合されている。フィルタカバー85の先端壁には開口部85aが形成されており、当該開口部85aからフィルタ36が露出している。フィルタ36は、金属の粉末を焼き固めて作った金属焼結フィルタであり、当該フィルタ36はその一端が開口した有底筒状に形成されている。
【0018】
また、図1及び図2に示されるように、支持筒21の基端側の発信器挿入口13に対向する位置には、複数個の空気排出孔75が当該支持筒21の周方向に所定間隔をおいて支持筒21に対し垂直に形成されている。
【0019】
<ガスセンサ>
図1及び図2に示されるように、前記収容部32にはガスセンサ41が固定されている。ガスセンサ41は筒状のセンサケース42を備えており、当該センサケース42の外周面における先端寄りにはセンサナット43が形成されている。また、センサケース42の外周面において、センサナット43よりも先端側には雄ねじ部44が形成されており、当該雄ねじ部44よりも先端側には複数個のガス導入孔45が当該センサケース42の周方向に所定間隔をおいて配置形成されている。センサケース42の先端部を前記先端壁31の収容部32に挿入して、当該センサケース42の雄ねじ部44を前記雌ねじ部33に締め付けることにより、センサケース42は先端壁31に固定されている。雄ねじ部44の雌ねじ部33に対する締め付けに伴うガスセンサ41の先端方向への移動は、センサナット43が嵌合孔26に嵌合した状態で先端壁31の内面に当接することにより規制される。
【0020】
センサケース42の内部には酸素イオン伝導性固体電解質体により板状又は棒状に形成された高温作動型のセンサ素子(図示略)、及び当該センサ素子を加熱するヒータ(図示略)が収容されている。前記センサ素子には一対の電極が設けられており、両電極間の化学ポテンシャル(電位に相当)の差(電位差に相当)に起因して発生する電流を測定することにより、被測定ガス中の所定成分(正確には、その濃度)を検知することが可能となっている。
【0021】
前記両電極には当該センサ素子からの出力電圧を取り出す複数本(本実施形態では8本。)のリード線46の一端が接続されており、当該各リード線46の他端はセンサケース42の基端部に装着されたリード線押さえ部材47を介して外部に導出されている。また、前記ヒータには電力供給用の複数本のリード線46の一端が接続されており、当該各リード線46の他端も前記リード線押さえ部材47を介して外部に導出されている。複数本のリード線46は、例えばガラス繊維被覆電線、純ニッケルセラミック電線等の耐熱繊維で被覆された耐熱性及び絶縁性を有する電線が使用されている。
【0022】
図4に示されるように、リード線押さえ部材47は弾性、耐熱性及び絶縁性を有するゴム材料(例えばフッ素ゴム及びシリコンゴム)により円板状に形成されており、リード線46の本数と同数のリード線挿通孔47aが環状に配置形成されている。各リード線46はリード線押さえ部材47の各リード線挿通孔47aにそれぞれ1本ずつ挿通されている。また、各リード線46はリード線挿通管48に挿通されることにより束ねられている。一端がガスセンサ41に接続された各リード線46の他端はそれぞれ単一の雄型コネクタ49が接続されている。なお、リード線押さえ部材47はセンサ出力取出し用のリード線の引き出し部位であるガスセンサの基端部を構成する。
【0023】
<接続管>
図1及び図2に示されるように、支持筒21の基端部に形成したフランジ部22には、両端が開口した円筒状の接続管61が固定されている。接続管61の先端側には円板状のフランジ部61aが形成され、接続管61の基端側には互いに反対側に位置する一対の固定部材62が形成されている。接続管61のフランジ部61aには複数の挿通孔67が形成されている。挿通孔67にボルト66が挿通され、支持筒21のフランジ部22に形成されたボルト止め穴27にボルト66が固定されている。接続管61の固定部材62にはボルト挿通孔63が形成され、端子箱51の一側壁51aの外面に固定されている。
【0024】
<端子箱>
端子箱51の一側壁51aの中央には挿通孔54が形成されており、当該挿通孔54の周囲には図1における上下方向において互いに反対側に位置する一対の円弧状のボルト挿通孔55が形成されている。そして、端子箱51の一側壁51aのボルト挿通孔55及び固定部材62のボルト挿通孔63に当該端子箱51の内側からボルト64を挿通し、ナット65を締め付けることにより、接続管61は端子箱51の一側壁51aの外面に固定されている。
【0025】
また、一端が分析器11bに接続された出力取出用ケーブル58の他端が、前記他側壁51bに固定されたケーブル用継手59を介して、端子箱51内に導入されている。出力取出用ケーブル58の他端には雌型コネクタ60が接続されており、当該雌型コネクタ60は端子箱51内において前記雄型コネクタ49と接続されている。
【0026】
また、端子箱51の前記一側壁51a及び他側壁51bに直交すると共に互いに対向する一対の側壁はそれぞれ着脱可能とされた蓋(図示略)とされている。前記両蓋を取り外すことにより、端子箱51は側方に開放される。
【0027】
<空気供給管、校正用ガス供給用配管>
支持筒21の内周面には、ガスセンサ41を冷却するための冷却用空気を供給する空気供給管72及び、分析器11bを校正するための校正用ガスを供給する校正用ガス供給用配管71が挿入されている。空気供給管72及び校正用ガス供給用配管71は、接続管61のフランジ部61aに形成された各挿通孔68,69にそれぞれ挿通支持されるとともに、それぞれの基端部が接続管61の外側に位置している。
【0028】
図3に示されるように、接続管61は、その中心が支持筒21のフランジ部22及びガスセンサ41の中心に対して挿通孔68,69が形成された側、すなわち空気供給管72及び校正用ガス供給用配管71が挿通された側に偏心した状態で固定されている。なお、接続管61のフランジ部61aは空気供給管72及び校正用ガス供給用配管71の基端部を支持するとともに、支持筒21の基端部のフランジ部22に取り付けられた支持部材を構成する。
【0029】
空気供給管72の先端部は支持筒21の先端部25に形成された嵌合穴28に挿通支持されるとともに、閉口されている。空気供給管72はガスセンサ41に沿って配置され、ガスセンサ41の基端部に対向する位置には冷却用空気を吹き出す複数個の噴出孔73が形成されている。これら噴出孔73は、ガスセンサ41の中心軸に対して直交するとともに、同一径で開口形成されている。これにより、特にガスセンサ41の基端部(センサケース42の基端部に装着されたリード線押さえ部材47の近傍)へ直交となるように冷却用空気が吹き出すようになっている。空気供給管72の先端は、支持筒21の先端部25に形成された嵌合穴28に溶接により固定支持されている。空気供給管72の末端は、外部の圧縮空気供給源(図示略)に接続部材(図示略)を介して接続されている。従って、前記圧縮空気供給源からの冷却用空気は、空気供給管72及び噴出孔73を通って、ガスセンサ41の基端部へ供給される。空気供給管72の先端部が閉口されているため、空気供給管72に供給された冷却用空気は全て噴出孔73から吹き出すこととなる。
【0030】
校正用ガス供給用配管71の先端部は支持筒21の先端部25に形成された挿通孔29に溶接により固定支持されるとともに、先端壁31に形成された連通路34における当該先端壁31内面側の開口部に挿入されている。校正用ガス供給用配管71の末端は、外部の校正用ガス供給源(図示略)に接続部材(図示略)を介して接続されている。従って、前記校正用ガス供給源からの校正用ガスは、校正用ガス供給用配管71及び連通路34を通って前記収容部32へ供給される。
【0031】
<保護カバー>
図7に示されるように、先端壁31の外周面には環状の凹部83が形成されている。凹部83の内底面には2つの雌ねじ部87が形成されており、各雌ねじ部87は先端壁31の周方向において対向して配置されている。
【0032】
図8に併せ示されるように、先端壁31には保護カバー88が取り付けられている。保護カバー88は円筒状の支持部材89及び当該支持部材89の先端縁に突設された半円筒状の壁部材90を備えている。支持部材89の内径は先端壁31の外径とほぼ同じ又は若干大きく設定されており、当該支持部材89は先端壁31に外嵌可能とされている。また、図6に示されるように、支持部材89には複数個(本実施形態では8つ)の係合孔89aが形成されており、各係合孔89aは支持部材89の周方向において等間隔に配置されている。詳述すると、支持部材89には互いに反対側に位置するように形成された一対の係合孔89a,89aを1組とする複数組(本実施形態では4組)の係合孔89aが形成されている。各係合孔89a,89aは先端壁31に形成された両雌ねじ部87,87に一致する。
【0033】
さて、各係合孔89a,89aのうち互いに反対に位置する2つの係合孔89aが先端壁31の両雌ねじ部87に一致するように、支持部材89は先端壁31の先端側に外嵌されている。そしてこの状態で、支持部材89の両係合孔89a,89aにそれぞれボルトBを外方から挿通して雌ねじ部87に締め付けることにより、保護カバー88は先端壁31に脱落不能に支持されている。即ち、図6に示されるように、ボルトBを雌ねじ部87に締め付けた状態において、ボルトBの頭部は支持部材89の係合孔89aに係合する。これにより支持部材89、ひいては保護カバー88の先端方向への移動が規制され、当該保護カバー88の先端壁31からの抜け止めが図られる。ちなみに、壁部材90は被測定ガスの取込口(フィルタ36が取り付けられるフィルタ支持部35の先端開口部)が形成されたフィルタ支持部35よりも先端方向へ突出しており、当該壁部材90がフィルタ支持部35よりも被測定ガスの流れの上流側に位置するように、保護カバー88は取り付けられている。また、ボルトBを雌ねじ部87に締め付けた状態において、当該ボルトBは支持部材89の外周面から突出することはない。
【0034】
<実施形態の作用>
次に、前述のように構成したガス分析装置の作用を説明する。
<ガスセンサの校正作業>
排ガスの測定をするに際して、ガスセンサ41の校正を予め行う。即ち、前記校正用ガス供給源から所定の校正用ガス(例えば酸素ガス)を供給する。この校正用ガスは、校正用ガス供給用配管71及び先端壁31の連通路34を介して収容部32内に流れ込み、各ガス導入孔45を介してセンサケース42内に収容された前記センサ素子に接触する。すると、センサ素子の両電極間には所定の電圧(起電力)が発生し、当該電圧に起因して発生する電流は各リード線46、雄型コネクタ49、雌型コネクタ60及び出力取出用ケーブル58を介して分析器11bに出力される。分析器11bは入力された当該電流を基準電流として記憶する。以上で、ガスセンサ41の校正作業は完了となる。
【0035】
<排ガスの取り込み>
校正作業の完了後、煙道内を流れる高温の排ガスは、フィルタ36の先端面を介して支持筒21(正確には、先端壁31)の収容部32内に流れ込む。そして、収容部32内に流入した排ガスは、各ガス導入孔45を介してセンサケース42内に収容された前記センサ素子に接触する。当該センサ素子の両電極間には、自身に接触した排ガスに含まれる所定成分(ここでは、窒素酸化物)の濃度に応じた実電圧(起電力)が発生し、当該実電圧に起因して発生する実電流は各リード線46、雄型コネクタ49、雌型コネクタ60及び出力取出用ケーブル58を介して分析器11bに出力される。分析器11bは入力された実電流と予め記憶された前記基準電流とを比較し、当該基準電流に対する実電流の変化量に基づいて、排ガス中の所定成分濃度を分析する。
【0036】
<冷却用空気の供給>
煙道内を流れる高温の排ガスの分析時、次のような空気の流れが発生する。前記圧縮空気源から常時供給される冷却用空気は、空気供給管72の複数の噴出孔73からガスセンサ41の基端部へ噴出して基端部を冷却しながら支持筒21内に供給される。そして、噴出孔73から噴出した冷却用空気は支持筒21内に充満し、空気排出孔75から流出し、発信器挿入口13の内面と支持筒21の外面との隙間から煙道内へ排出される。この時、空気供給管72の複数の噴出孔73はガスセンサ41に沿ってその基端部へ垂直に指向して開口形成されているので、噴出孔73から噴出した冷却用空気はガスセンサ41の基端部へ垂直に向かって流れる。具体的には、空気供給管72の複数の噴出孔73はガスセンサ41に沿って配置され、ガスセンサ41の中心軸に対し垂直に開口形成されている。このため、ガスセンサ41の基端部近傍が冷却される。即ち、噴出孔73からの冷却用空気は拡散することなく、当該冷却用空気はガスセンサ41の基端部に効率的に供給される。なお、図5に示されるように、噴出孔73は、左端の噴出孔73aを支持筒21の先端部25側方向へ、右端の噴出孔73cを基端側方向へ斜めに開口形成し、噴出孔73bを直交方向へ開口形成してもよい。左端の噴出孔73aのように先端部25側へ斜めに開口すると、ガスセンサ41の基端部及び本体部が効率よく冷却される。また、右端の噴出孔73cのように支持筒21の基端側へ斜めに開口すると、ガスセンサ41の基端部が効率よく冷却されるとともに、空気排出孔75からの冷却用空気の排出をよくすることができる。このようにすることによって、噴出孔73a,73b,73cをガスセンサ41に対して直交方向、支持筒21の先端部25側又は基端側へ斜めに開口形成し、少なくとも一部がガスセンサ41に直交して冷却用空気が供給されるようにする。すなわち、ガスセンサ41の基端部に対して直交成分を含んで冷却用空気が吹き付けるようにすることで、ガスセンサ41の基端部が効率よく冷却され、当該基端部の温度上昇が抑制されることとなる。
【0037】
このように、ガスセンサ41の基端部に冷却用空気が供給されることにより、当該基端部に装着されたリード線押さえ部材47及び各リード線46が冷却される。即ち、冷却用空気とリード線押さえ部材47及び各リード線46との間で熱交換が行われることにより、当該リード線押さえ部材47及び各リード線46の熱は奪われる。このため、リード線押さえ部材47及び各リード線46の温度上昇が抑制され、それらの熱による損傷も回避できる。そして、リード線押さえ部材47及び各リード線46との熱交換後の冷却用空気は空気排出孔75から煙道内へ排出される。
【0038】
<ガスセンサの交換手順>
次に、前述のように構成したガス分析装置におけるメンテナンス時のガスセンサの交換手順について説明する。
【0039】
<ガスセンサの取り外し>
まず、ガスセンサ41の支持筒21からの取り外し作業について説明する。ガスセンサ41を支持筒21から取り外す場合には、まず外部の圧縮空気供給源と空気供給管72の末端とを接続する接続部品を解除する。そして、外部の校正用ガス供給源と校正用ガス供給用配管71の末端とを接続する接続部品を解除する。次に、発信器挿入口13のフランジ部14のボルト23及びナット24を取り外し、フランジ部14と支持筒21のフランジ部22との固定を解除する。そして、端子箱51を把持し、発信器挿入口13から支持筒21を引き抜く。その後、端子箱51の蓋を外し、端子箱51内部にある雄型コネクタ49と雌型コネクタ60との接続を解除する。
【0040】
次に、支持筒21の先端壁31のボルト37を取り外し、先端壁31と支持筒21の先端部25との固定を解除する。そして、先端壁31を把持し、ガスセンサ41を先端部25の嵌合孔26から引き抜く。この引き抜きに併せて、雄型コネクタ49に接続されている各リード線46を端子箱51の挿通孔54及び嵌合孔26から引き抜く。
【0041】
そして、ガスセンサ41を把持して所定方向へ回転させると、雌ねじ部33の雄ねじ部44に対する螺合が解除され、先端壁31からのガスセンサ41の取り外しが可能となる。以上で、ガスセンサ41の取り外し作業は完了となる。
【0042】
<ガスセンサの取り付け>
次に、ガスセンサ41の支持筒21への取付け作業について説明する。ガスセンサ41を支持筒21に取り付ける場合には、先端壁31にガスセンサ41を把持して取り外すときと反対方向へ回転させると、雌ねじ部33が雄ねじ部44に螺合される。このとき、ガスセンサ41の先端方向への移動はセンサナット43が支持筒21の先端壁31内面に当接することにより規制される。次に、先端壁31を把持し、雄型コネクタ49に接続されている各リード線46からガスセンサ41を先端部25の嵌合孔26に挿入する。そして、支持筒21の先端部25に先端壁31をボルト37にて固定する。
【0043】
次に、雄型コネクタ49と接続された各リード線46を端子箱51の挿通孔54に挿通し、端子箱51内で雄型コネクタ49と雌型コネクタ60を接続し、端子箱51の蓋を取り付ける。
【0044】
次に、端子箱51及び支持筒21を把持し、発信器挿入口13から支持筒21を挿入する。そして、発信器挿入口13のフランジ部14と支持筒21のフランジ部22とをボルト23にナット24を締め付け固定する。最後に外部の圧縮空気供給源と空気供給管72の末端とを、外部の校正用ガス供給源と校正用ガス供給用配管71の末端とを接続部品にてそれぞれ接続する。以上でガスセンサ41の交換作業は完了となる。
【0045】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)ガスセンサ41におけるリード線46の引き出し部位であるガスセンサ41の基端部に沿って冷却用空気が吹き付けられることにより効率よく冷却される。また、空気供給管72からガスセンサ41の基端部に対して直交成分を含んで冷却用空気が吹き付けられるため、冷却用空気が少なくとも当該基端部に吹き付けられて当該基端部が冷却され、当該基端部の温度上昇が抑制される。
【0046】
(2)空気供給管72は先端壁31に支持されるため、ガスセンサ41に対して位置が固定され、冷却用空気が安定してガスセンサ41に吹き付けられる。また、空気供給管72の先端が閉口されるため、空気供給管72に送られた冷却用空気は全て噴出孔73(吹き出す部位)から吹き出すことにより、ガスセンサ41の基端部の冷却が促進される。
【0047】
(3)空気供給管72は接続管61に支持されるため、ガスセンサ41に対して位置が固定され、冷却用空気が安定してガスセンサ41に吹き付けられるので、冷却が促進される。
【0048】
(4)支持筒21の基端部に空気排出孔75を設けたことにより、支持筒21内部に供給された冷却用空気は支持筒21の空気排出孔75から支持筒21外部に排出され、支持筒21と発信器挿入口13との間を通過し、煙道内へ流れる。このため、支持筒21と発信器挿入口13との隙間にダストが堆積することがなく、メンテナンス等の際に支持筒21を容易に外すことができる。詳述すると、通常支持筒21と発信器挿入口13との隙間にダストが入り込み堆積して固着してしまう。そうするとメンテナンス等の際に支持筒21を容易に外すことができなくなる。よって、冷却用空気を支持筒21の空気排出孔75から支持筒21外部へ排出するとともに、支持筒21と発信器挿入口13との間を通過して煙道内へ流れるようにすることで、ダストが堆積することがなくなり、固着を防止し、メンテナンス等の際に支持筒21を容易に外すことができる。
【0049】
(5)複数個の空気排出孔75を支持筒21に形成したため、支持筒21と発信器挿入口13との間への空気の通過が促進され、支持筒21と発信器挿入口との隙間にダストの堆積がより抑制される。
【0050】
(6)先端壁31には煙道内を流れる被測定ガスの取込口としてのフィルタ支持部35(正確には、その開口部)を形成するようにした。そして先端壁31にはフィルタ支持部35よりも先端壁31の先端方向へ突出する壁部材90を着脱可能に設け、当該壁部材90はフィルタ支持部35よりも被測定ガスの流れの上流側に位置させるようにした。このため、被測定ガスの流れは壁部材90により遮られ、フィルタ支持部35には壁部材90を回り込んだ被測定ガスが緩やかに取り込まれる。そしてその取り込まれた被測定ガスがガスセンサ41により検出される。このため、被測定ガスの勢いを抑制しないままフィルタ支持部35へ導くようにした場合と異なり、被測定ガスを安定的に分析することができる。
【0051】
(7)また、被測定ガスの流れは壁部材90により遮られ、フィルタ支持部35には壁部材90を回り込んだ被測定ガスが緩やかに取り込まれるため、被測定ガスのダストによるフィルタ36の詰まりを抑制することができる。
【0052】
(8)さらには、壁部材90は先端壁31に対して着脱可能であるので、被測定ガスの流れの状況に応じて選択的に取着することが可能となる。即ち、勢いがある煙道内にガスセンサ41を挿入する場合等には積極的に壁部材90を先端壁31に取着して被測定ガスの流れの勢いを抑制し、勢いのない緩やかな場合には壁部材90を取り外して被測定ガスを積極的に取り込むようにする。
【0053】
(9)先端壁31と壁部材90の基端部に設けられた支持部材89との間の係合構造体を介して、壁部材90を先端壁31に着脱可能に取り付けるようにした。即ち、支持部材89は先端壁31(正確には、フランジ部83)に外嵌可能に構成すると共に当該支持部材89には2つの係合孔89aを形成するようにした。そして、支持部材89を先端壁31に外嵌した状態で前記係合孔89aに外方からボルト23を挿通して雌ねじ部87に締め付けることにより、当該ボルトBは係合孔89aに係合可能な状態で先端壁31に固定されるようにした。
【0054】
ここで、壁部材90は煙道内の被測定ガスの流れを遮るだけなので、先端壁31に完全に固定する必要はなく、当該先端壁31から外れない程度に支持されていればよい。このため、本実施形態のように、例えば支持部材89の係合孔89aとボルトBとの係合関係により保護カバー88を先端壁31に支持する程度で十分に脱落防止が図られる。また、保護カバー88を先端壁31に装着してボルトBを締め付けるだけであるので、保護カバー88と先端壁31との固定構造が複雑化することもない。
【0055】
(10)保護カバー88には複数個の係合孔89aが周方向に所定間隔毎に設けるようにした。詳述すると、係合孔89aは互いに反対側に位置する一対の係合孔89aを1組とする複数組が設けられている。また、先端壁31の外周面の雌ねじ部87,87は保護カバー88に形成された各係合孔89aのうち互いに反対側に位置する2つの係合孔89aに一致するように設けられている。このため、係合孔89aの配置間隔に応じて壁部材90の先端壁31に対する取り付け位置を被測定ガスの流れの上流側に位置させるように調節することができる。
【0056】
(11)ボルトBは支持部材89の外周面から突出しないようにした。このため、支持筒21を発信器挿入口13に円滑に挿入することができ、発信器11aの煙道壁12への取付け作業が容易になる。ボルトBが支持部材89の外周面から突出している場合には、その突出した部位が支持筒21の発信器挿入口13への挿入の際に当該発信器挿入口13の開口端部に当接したり当該発信器挿入口13の内周面に当接したりし、支持筒21の発信器挿入口13への円滑な挿入が阻害されるおそれがある。そして、支持筒21を発信器挿入口13に挿入する際の姿勢を厳密に管理する必要性も生じ、発信器11aの煙道壁12への取付け作業効率の低下につながる。そうした問題は、発信器挿入口13の内周面と支持筒21の外周面との間隔が小さく設定されているときほど顕著である。本実施形態によれば、支持筒21の外周面から何ら突出することはないので、前述のような問題はない。さらに、支持筒21、ひいてはガス分析装置11の外観性が向上する。
【0057】
(12)先端壁31のフィルタ支持部35の先端部には円板状のフィルタ36が嵌め込まれており、その上から有蓋筒状のフィルタカバー85が螺合されている。このため、フィルタカバー85を取り外すことによりフィルタ36の着脱が可能となる。よってフィルタ36の交換、清掃を容易に行うことができる。
【0058】
(13)複数本のリード線46は、ガラス繊維被覆電線、純ニッケルセラミック電線等を用いた耐熱繊維被覆された耐熱性及び絶縁性を有する電線を使用するようにした。このため、高温環境下で使用するようにした場合でも熱による損傷が発生しない。
【0059】
(14)接続管61の中心を支持筒21のフランジ部22及びガスセンサ41の中心に対して挿通孔68,69が形成された側、すなわち空気供給管72及び校正用ガス供給用配管71が挿通された側に偏心した状態で固定するようにした。このため、空気供給管72及び校正用ガス供給用配管71を外部の圧縮空気供給源、校正用ガス供給源に接続部品を介してそれぞれ接続する際に空間があるため容易に接続することができる。
【0060】
(別の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、フランジ部には2つの雌ねじ部87を形成するようにしたが、単一の雌ねじ部87を形成するようにしてもよい。また、3つ、4つ又はそれ以上の雌ねじ部87を形成するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態において、ボルトBを例えばピン(図示略)に置換するようにしてもよい。その場合、雌ねじ部87は単なる嵌合穴とすればよい。このようにした場合、前記ピンは被係合体を構成し、当該ピンと支持部材89とから係合構造体が構成される。
【0062】
・上記実施形態においては、壁部材90を先端壁31に対して着脱可能に、且つ被測定ガスの流れの上流側に位置するよう調節可能に構成したが、先端壁31に壁部材90を固定するようにしてもよい。このようにすれば被測定ガスを安定的に分析することができると共にダストによるフィルタ36の詰まりを抑制することもできる。
【0063】
・上記実施形態においては、支持筒21に空気排出孔75を複数個の空気排出孔75を形成したが、単一の空気排出孔75を形成するようにしてもよい。このようにしても、(4)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0064】
・上記実施形態においては、複数個の噴出孔73を同一径で開口形成したが、空気排出孔75側から支持筒21の先端部25側へ向けて噴出孔73の口径を徐々に大きく開口するようにしてもよい。このようにすると、ガスセンサ41の基端部及び本体部が効率よく冷却される。
【0065】
・上記実施形態においては、図1に示されるように、支持筒21に対し空気排出孔75を垂直に開口形成したが、先端壁31の方向又はフランジ部22の方向へ向くように斜めに開口してもよい。空気排出孔75を先端壁31の方向を向くように斜めに開口すると、冷却用空気の排出がよくなるので、支持筒21と発信器挿入口13との隙間へのダストの堆積をより一層抑制することができる。また、空気排出孔75をフランジ部22の方向へ向くように斜めに開口すると、フランジ部22への排ガスの接触を防止するとともに温度低下を防止するので、支持筒21の基端部及びフランジ部22の腐食が抑制される。
【0066】
・上記実施形態においては、支持筒21に空気排出孔75を形成したが、空気排出孔75にダスト除去部材としてのフィルタを固定するようにしてもよい。このようにすると、通常煙道内は負圧で排ガスが流れているが、万一煙道内が正圧となった場合に排ガス中のダストはフィルタに捕らえられ、支持筒21内へダストが流れ込むことを抑制することができる。このフィルタには金網等のメッシュフィルタを使用してもよいし、フィルタ36に使用する金属焼結フィルタを使用してもよい。金属焼結フィルタを使用すると、メッシュが細かいため、支持筒21内へダストが流れ込むことを一層抑制することができる。さらに、空気排出孔75に替えてベンド管を設けてもよい。このようにしても支持筒21内へダストが流れ込むことを抑制することができる。
【0067】
・上記実施形態において、1本の空気供給管72を設けるようにしたが、複数本の空気供給管72を設けるようにしてもよい。このようにすると、ガスセンサ41の基端部及び本体部が効率よく冷却される。
【0068】
・上記実施形態においては、空気供給管72に複数個の噴出孔73を形成するようにしたが、単一の噴出孔73を形成するようにしてもよい。このようにしても、(1)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0069】
・上記実施形態においては、空気供給管72に複数個の噴出孔73を形成するようにしたが、ガスセンサ41の基端部を効率よく冷却できれば単一の噴出孔73を形成するようにしてもよい。また、空気供給管72から複数個又は単一のノズルをガスセンサ41の基端部に対して直交成分を含むようにして冷却用空気が供給されるように突出形成するようにしてもよい。このようにしても、(1)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
【0070】
・上記実施形態においては、図5に示されるように、噴出孔73は、左端の噴出孔73aを支持筒21の先端部25側方向へ、右端の噴出孔73cを基端側方向へ斜めに開口形成し、噴出孔73bを直交方向へ開口形成したが、噴出孔73a,73b,73cをすべて支持筒21の先端部25側方向又は基端側方向(フランジ部22の方向)へ同一方向を向くように斜めに開口してもよい。噴出孔73をすべて支持筒21の先端部25側方向へ斜めに開口すると、ガスセンサ41の基端部及び本体部が効率よく冷却される。噴出孔73をすべて基端側方向へ斜めに開口すると、ガスセンサ41の基端部が効率よく冷却されるとともに、空気排出孔75からの冷却用空気の排出をよくすることができる。このように、ガスセンサ41の基端部に対して直交成分を含んで冷却用空気が吹き付けるようにすることで、ガスセンサ41の基端部が効率よく冷却され、当該基端部の温度上昇が抑制されることになる。
【0071】
・上記実施形態においては、空気供給管72に複数個の噴出孔73を形成するようにしたが、空気供給管72からガスセンサ41の基端部の外周を覆うように環状の空気供給管を設け、ガスセンサ41の基端部に対して直交成分を含むようにして冷却用空気が供給されるように同ノズルに複数個の噴出孔を設けるようにしてもよい。このようにした場合、ガスセンサ41の基端部の一部分だけでなく、基端部全周に亘って冷却用空気が吹き付けられるので、冷却用空気が円滑に供給される。
【0072】
・リード線押さえ部材47は弾性、耐熱性及び絶縁性を有するゴム材料(例えばフッ素ゴム及びシリコンゴム)により形成したが、耐熱性及び絶縁性を有する高温用耐火繊維のセラミックファイバー、ガラス繊維により形成してもよい。また、マシナブルセラミックス(マイカ)により形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ガス分析装置の正断面図。
【図2】ガス分析装置の分解正断面図。
【図3】ガス分析装置を接続管側から見た側面図。
【図4】ガスセンサのリード線を固定するリード線押さえ部材の斜視図。
【図5】ガスセンサの基端部に対する空気供給管からの冷却用空気の供給を示す図。
【図6】ガス分析装置の要部正断面図。
【図7】ガス分析装置の先端部の分解斜視図。
【図8】ガス分析装置の先端部の斜視図。
【符号の説明】
【0074】
11…ガス分析装置、11a…発信器、11b…分析器、12…煙道壁、13…発信器挿入口、14…フランジ部、21…支持筒、22…フランジ部、23…ボルト、23a…雄ねじ部、24…ナット、25…先端部、26…嵌合孔、27…ボルト止め穴、28…嵌合穴、31…先端壁、32…収容部、33…雌ねじ部、34…連通路、35…フィルタ支持部材、36…フィルタ、37…ボルト、41…ガスセンサ、42…センサケース、43…センサナット、44…雄ねじ部、45…ガス導入孔、46…リード線、47…リード線押さえ部材、47a…リード線挿通孔、48…リード線挿通管、49…雄型コネクタ、51…端子箱、51a…一側壁、51b…他側壁、55…ボルト挿通孔、56…空気供給管、58…出力取り出し用ケーブル、59…ケーブル用継手、60…雌型コネクタ、61…接続管、62…固定部材、63…ボルト挿通孔、64…ボルト、65…ナット、66…ボルト、67,68,69…挿通孔、71…校正用ガス供給用配管、72…空気供給管、73…噴出孔、75…空気排出孔、76…フィルタ、83…凹部、85…フィルタカバー、85a…開口部、87…雌ねじ部、88…保護カバー、89…支持部材、89a…係合孔、90…壁部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙道内へ突出するように設けられた支持筒と、
前記支持筒内における先端に固定されて煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサと、
前記支持筒内に前記ガスセンサの基端部を冷却するための冷却用空気を送る空気供給管とを備えたガス分析装置において、
前記空気供給管を前記支持筒内に位置する前記ガスセンサに沿って配置し、同ガスセンサの基端部に対し直交成分を含む方向で前記冷却用空気を吹き付ける
ことを特徴とするガス分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載のガス分析装置において、
前記空気供給管の先端は、前記支持筒の先端部の固定部材に支持される
ことを特徴とするガス分析装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のガス分析装置において、
前記空気供給管の基端部は前記支持筒の基端部に取り付けられる支持部材に支持される
ことを特徴とするガス分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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