説明

ガス分離用の膜構造体

ガス分離用の膜構造体、このような膜構造体を含む脱ガスデバイス、および該膜構造体の製造方法を提案する。多孔質キャリア層を、特にアモルファスPTFEで作られた薄いポリマー膜に、きっかりと結合する。特に、該ポリマー膜は、該キャリア層上に、あるいは該層から製造される。これは、単純かつ安価な構造体の製造、並びに効果的なガス分離を可能とする。特に好ましくは、該ポリマー膜は、液体状態にあるポリマー溶液を、該キャリア層に塗布し、かつこれを乾燥することにより作られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜構造体の製造方法、ガス分離用の膜構造体およびこの種の膜構造体を有する脱ガス装置に関する。
本発明は、特に、液体を脱ガスする分野に係り、そこでは、減圧または真空をガス側において適用して、ガスに対してのみ透過性であり、かつ流体に対しては不透過性の膜を通して、該液体から該ガスを分離する。望ましいのは、該使用する膜または膜構造体が、分離すべき該ガスに対して高度に透過性を呈する場合である。
【背景技術】
【0002】
上記の減圧または真空条件下での脱ガスは、特に所謂液体クロマトグラフ、最も好ましくは所謂高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に対して利用される。これが、本発明の好ましい応用分野である。しかし、本発明は、この分野に限定されない。
液体の脱ガスを行うために、様々な脱ガス装置が、化学分析技術において、特にHPLCに対して利用されている。
従来のPTFE-チューブ式脱ガス装置は、通常のPTFEで作られた、複数の薄いチューブを有している。該チューブまたはその壁は、ガスに対してのみ透過性であり、かつ流体に対しては不透過性である膜を構成する。圧力差によって、該膜または壁を通して、ガスを拡散させ、結果としてこれを分離することができる。この比較的大きな死体積は、欠点の一つとなる。特に、該装置を、低流量を用いる分析において利用する場合に、該液体を交換する際、または分離を開始する際、即ち分析の開始時点においては、待ち時間を著しく長いものとする。該膜の厚みは、該チューブの壁に必要とされる厚みに相当し、また力学的な要件のみならず、製造工程にも依存する。このかなり厚い壁厚は、ガス分離の最適な効率を保証しない。
【0003】
US 6,309,444 B1は、アモルファスPTFEで作られたチューブを備えた脱ガスデバイスを開示している。この材料の改善された拡散または透過特性は、より効果的なまたは改善されたガス分離およびより小さな死体積を保証する。ここにおける一つの欠点は、該膜の厚みが、該チューブ壁の必要とされる厚みによって決定されることである。もう一つの欠点は、アモルファスPTFEが、通常のまたは標準的なPTFEと比較して著しく高価である点にある。
EP 0 973 031 A1は、別の脱ガスデバイスを開示している。通常のPTFE製の、典型的に5μmの薄い膜が、真空下に置くことのできる、該ガス分離側に、別のキャリア層によって支持されている。該キャリア層は、多孔質であり、また例えば厚み約100μmの伸張または延伸されたPTFEフィルタ材料からなる。該膜および該キャリア層は、別々に作られる。該膜は、特にウエハ上に回転塗布することにより製造され、該膜は、これから除去される。設置状態において、該キャリア層は、順にガラスフリットによって支持される。この構造体は、特定の小さな死体積を保証する。この膜の厚みは、主として求められる機械的安定性によって決定される。この組立ては、特に比較的大きな膜表面が必要とされる場合には、比較的困難である。
【0004】
燃料から酸素を分離するためのポリマー膜構造体を製造する方法は、またEP 1 568 403 A1から公知である。ポリマー溶液を、ローラーを用いてPVDF製の多孔質キャリア層に適用し、ついで該適用側から乾燥する。従って、得られる該膜構造体は、最適なものではない。
他の膜構造体も、例えばWO 98/35739 Al、US 4,990,255 A、US 5,238,471 A、EP 1 559 884 A2、EP 1 559 902 Al、US 5,876,604 A、EP 0 969 025 Al、DE 39 41 861 Cl、US 6,896,717 B2、US 6,579,341 B2およびUS 6,572,680 B2から公知である。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、膜構造体の製法、ガス分離用の膜構造体およびこのような膜構造体を有する脱ガス装置を提供する課題に基くものであり、ここで該膜構造体は、その製造が比較的簡単で安価であり、および/または特に効果的なガス分離を行うことが可能である。
この目的は、独立の特許請求の範囲の一つに従って達成される。更なる特徴は、従属する特許請求の範囲の課題である。
第一の局面において、本発明は、ポリマー溶液から、多孔質キャリア層上に、特に孔を含まないポリマー膜を形成する工程を含み、該ポリマー溶液は、該キャリア層(該膜側)を形成することになる、該ポリマー膜側のみから実質的に乾燥される。この乾燥方法は、特に該ポリマー膜の、特に孔を含まないおよび/または規定された構造を得、最も好ましくは該キャリア層またはこれらの層間に場合により設けられる中間層上にスキン状の構造を得るのに寄与する。
【0006】
一局面において、本発明は、ガスに対しては透過性であるが、流体に対しては不透過性である、薄いポリマー製の膜を、多孔質キャリア層に対して、その面積全体に渡り、結合することを含む。これは、特に、該ポリマー膜が、好ましいものとされるような、該キャリア層上に作成され、あるいは該キャリア層から製造される場合に、その製造を著しく容易にする。
もう一つのまたは追加の局面によれば、該孔体積は、特に該ポリマー膜に配合されたポリマーによって、該膜側に向かって減少し、および/または該キャリア層の該膜側面に隣接する端部領域において減少する。
更に、上記態様は、該ポリマー膜の構成を実質的に薄いものとすることを可能とするが、これは、該ポリマー膜を、場合により該キャリア層で安定化し、かつ保持できるからである。該ポリマー膜の、このより薄い構成は、ガスに対する拡散抵抗が、該厚みが減少したことにより低下することから、該ガスのより効果的な分離を保証する。
【0007】
最も好ましくは、該ポリマー膜は、少なくとも実質的にアモルファスPTFE(ポリテトラフルオロエチレンおよび/またはそのコポリマー)からなっている。アモルファスPTFEは、従来のPTFEと比較して、ガスに対して、実質的により高い透過性、即ちより高い透過度またはより低い拡散抵抗を持つことから、該ポリマー膜は、該ガス分離における実質的な改善をなす。
該ポリマー層の厚みの薄い構造による、更なる利点は、特にアモルファスPTFEを使用して該ポリマー層を形成した場合には、材料の少ない消費量のために、該膜の有利な生産が可能となる。
この提案された膜構造は、特に平坦なまたは平面状の膜として使用される。あるいはまた、該膜構造体は、チューブ状の形状にある。この場合、該ポリマー層は、該構造体の内側および/または外側に設けることができる。
【0008】
提案された膜構造体を備える脱ガスデバイスは、特に効果的な脱ガスを可能とし、またそれに対応して、該デバイスは、HPLC等の化学分析技術に対して特に適したものとなる。
該膜構造体の一製造方法は、ポリマー溶液を、該キャリア層またはその上に設けられた中間層に適用し、乾燥して、該ポリマー層を形成することにより特徴付けられる。これは、必要ならば少なくとも1回繰り返して、該第一の膜の製造中に現れる恐れのあるあらゆる孔を、信頼性良く確実に閉じることを可能とし、即ち連続的なまたは封止されたポリマー層を、液体に対して不透過性の、該所望の膜として得ることを確実に可能とする。該提案された方法を利用した場合、極めて薄く、しかも漏れを示さないポリマー層または膜の製造が、極めて容易となる。
もう一つの方法によれば、ポリマーを、該キャリア層またはその上に設けられた中間層上に蒸着させて、該ポリマー層を形成する。この方法も、簡単で経済的な該膜構造体の製造を保証する。
【0009】
該膜構造体を製造するためのもう一つの方法は、該キャリア層を、熱および/または圧力の適用によって平坦な側面に結合して、該平坦な側面の所定領域における孔径を減じ、および/または該ポリマー層または該中間層を形成することを特徴とする。かくして、この場合にも、簡単で経済的な該膜構造体の製造が可能となる。該ポリマー層を担持する該キャリア層の、該平坦な側面上の孔径における減少は、該平坦な側面上での、特に極めて薄く、かつ連続的なまたは漏洩のない、およびより詳しくは孔の形成されていないポリマー層の形成を補佐する。
もう一つの方法は、該ポリマー層を、非-多孔性のまたはほんの僅かに多孔性のキャリア層上に形成し、該層を、次に発泡させることを特徴とする。あるいはまた、第五の方法は、厚いアモルファスポリマー層を、部分的な厚みの範囲において発泡させて、該発泡させた領域に該多孔質キャリア層を形成し、かつ該厚み領域の残部において該薄いポリマー層を形成することを目論むものである。両者において、該膜構造体の製造は、極めて簡単で経済的なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の更なる局面、特徴、特性および利点は、特許請求の範囲および以下の添付図を参照しつつ与えられる好ましい態様の説明から明らかになるであろう。
添付図面において、類似する参照番号が、同一または同様な部品または部材に対して使用されており、反復的な説明が省略されている場合においても、同一または同様な特性、効果およびまたは利点が得られる。
図1は、第一の態様において提案された膜構造体1を示す。この膜構造体1は、多孔質キャリア層2、および該キャリア層に対して、その表面上に直接または間接的に接続されている、薄いポリマー膜3を有している。該膜構造体1は、以下において図9を参照しつつ、詳細に説明されるように、特に液体相または液体からの、ガスの分離を可能とする。該ポリマー膜3は、ガスに対しては透過性または浸透性であるが、液体に対しては不透過性である。従って、該ポリマー膜3は、該膜構造体1の機能性の層を構成する。
【0011】
該キャリア層2は、特に該ポリマー膜3を製造する際の支持体として機能し、また該ポリマー膜3を安定化し、また固定するように機能し、結果として該ポリマー層は、特別薄く形成することができる。該ポリマー膜3は、特に5μm未満の厚みを持つ。好ましくは、その厚みは、1〜4μmなる範囲、特に実質上2μmなる厚みを持つ。特に、該ポリマー膜3の厚みは、該膜構造体1のまたは該キャリア層2の厚みの10%未満である。該厚みが小さいことから、そのガスに対する透過性または浸透性は、極めて高く、即ち該ポリマー膜3を介するガスの拡散抵抗は、比較的低く、従って特に効果的なガス分離が可能となる。
該ポリマー膜3は、好ましくは少なくとも実質上アモルファスPTFE(ポリテトラフルオロエチレンおよび/またはそのコポリマー)、特にデュポン(DuPont)社から、「テフロン(登録商標)(Teflon) AF」、例えば「テフロン(登録商標)AF2400」なる商品名の下に得ることのできる、PTFEからなる。
【0012】
該ポリマー膜3は、最も好ましくはポリマー溶液、特にアモルファスPTFE溶液から作られる。このことを、より詳細に説明する。
アモルファスPTFEは、ガスに対するその透過性または浸透性が著しく高いという、従来のまたは標準的なPTFEを越える利点を有している。従って、該ポリマー膜3に対してアモルファスPTFEを使用した場合、実質的により低い拡散抵抗が得られ、即ち同一の層の厚みに対する、実質的により高い透過性または浸透性、およびそれ故に、実質的に高いガス分離性が得られる。
該ポリマー膜3の、この特に薄い膜構成は、また、特にアモルファスPTFEを使用した場合には、このものが極めて高価であることから、コストの観点から極めて有利である。
最も好ましくは、該ポリマー膜3は、該キャリア層2上に、あるいは該層から作られる。このことを、以下において更に詳細に説明する。
【0013】
完全な表面を得、および/または該ポリマー膜3と該キャリア層2との結合を確保するために、該ポリマー膜3を、好ましくは該キャリア層2に融着するか、あるいはその逆にする。これは、特に、相当する短期間に渡り該ポリマー膜を、その融点まで加熱することによって行うことができる。
該ポリマー膜3それ自体は、1またはそれ以上の層で作ることができる。図1の拡大詳細図である、図2は、2層のポリマー層3'および3''からなる、該ポリマー膜3の2-層構造を、一例としての態様として示すものである。この構造を提案された通りに製造するための、第一の特に好ましい方法を、以下に記載する。
先ず、該キャリア層2を製造または調製する。該キャリア層2は、多孔質構造、即ちガスおよび液体に対して透過性のものである。その平均または最大孔径は、例えば0.1〜10μmなる範囲、好ましくは0.2〜5μmなる範囲、特に1μm未満、および最も好ましくは約0.2〜0.4μmなる範囲内にある。
【0014】
該キャリア層2は、好ましくはポリマー製、特に標準的なPTFE、PVDF、またはUHMW-PE等のポリエチレンで作られる。その所定の多孔度は、例えば伸張または延伸することによって達成できる。
該キャリア層2の厚みは、好ましくは250μm未満、特に10〜100μmなる範囲、最も好ましくは20〜50μmなる範囲内にある。
第一の方法によれば、ポリマー溶液、より好ましくはアモルファスPTFE、特に「テフロン(登録商標)(Teflon) AF」の溶液を、該キャリア層2に適用し、乾燥して、該ポリマー層3を形成する。
第一の別の態様によれば、該ポリマー溶液に、該キャリア層2を浸漬することによって、該ポリマー溶液を適用する。しかし、該キャリア層2は、またある他の方法によって、該ポリマー溶液で含浸することも可能である。
【0015】
次いで、該ポリマー溶液を、該キャリア層2の平坦な側面、あるいは表面(膜側M)から、特に図1における下側から、乾燥する。この乾燥の結果、該ポリマー膜3は、所定の様相で、即ち極めて薄く、かつ漏洩を示さない様相で、特にスキンとして、該キャリア層2の該当する平坦な側面、あるいは表面上に(即ち、特に図1の底部において)形成される。この乾燥中に、依然として流動状態にある該ポリマー溶液は、該膜の側面Mで、あるいは該膜構造1の乾燥側で、好ましくは表面張力および/または毛管作用の結果として、収縮する。このように、結果的に液体に対して不透過性の、連続で漏洩を示さない(孔を含まない)、ポリマー膜3または層3'を形成することができ、その厚みは、特に5μm未満、より好ましくは2μmまたはそれ以下、特に約1μmあるいは更にそれ以下である。
【0016】
上記の片側乾燥法に加えて、あるいはこれとは別に、該ポリマー溶液は、また、例えば該キャリア層2の遠心処理または回転中に、および/または例えば該キャリア層2の該膜側面Mに、減圧または真空を印加したことによる、該構造体1の厚みの方向に作用する加速力の結果として、該キャリア層2の該所定の平坦な側面または表面上に付着されあるいはその上で濃縮され、かくして所定の方法で該ポリマー膜3を製造することができる。
該ポリマー溶液の上記片側析出または配置は、更にあるいはまた、相当する毛管作用の力によって達成または補佐し得る。特に、該キャリア層2の毛管は、例えば該平均または最大孔径の適切な変更または低減により、該ポリマー膜3を形成すべきその平坦な側面または表面に向かって増大する。
例えば、周囲温度にて、10時間を越える期間に渡る、該ポリマー溶液の乾燥または最終的な乾燥後、該溶液を、場合により付随的に、例えば10分を越える期間に及ぶ、棚付き乾燥機での乾燥処理に付して、例えば150℃程度またはそれ以上の温度にて、該ポリマー溶液から該溶媒を除去することができる。
【0017】
幾つかの態様および変法並びに方法を、以下に説明する。これらの間の基本的な差異のみを強調する。これまでに行われた所見を、補足的またはその他の対応する様式で、適用する。
あるいはまた、該ポリマー溶液は、所謂回転塗布(表面上で回転することによる、該ポリマー溶液の均一な分配)により、あるいは噴霧、掻取りまたは分配(特に、例えば表面張力を利用した、液体の塗布または均一な分配による)によって、第二の態様に従って、適用することができる。
既に述べたように、該ポリマー膜3を、該キャリア層2上に融着することにより、あるいはその逆によって、該キャリア層2と該ポリマー膜3との間の、特に堅牢な接続を達成する、任意的な可能性がある。
上述の溶融または融着または別の随意の焼結段階によって、特に該ポリマー膜3の結晶性は、所定の特性、特にガスに対する透過性または浸透性に関して、所定の特性を得るために、適切に変更することができる。
【0018】
第一の態様において、該ポリマー膜3は、好ましくは図2に示した如く、少なくとも2層で構成される。該第一のポリマー層3'を形成した後、所望により、該棚付き乾燥機内の乾燥剤の場合による除去、および/または随意の融着の前またはその後に、該第二のポリマー層3''を、図示したような態様におけるように、再度、特にポリマー溶液を塗布し、乾燥することにより、形成する。該第二のポリマー層3''は、特に、該第一のポリマー層3'中に存在する可能性のあるあらゆるホール、孔、開口等を閉じることができ、結果的に該2つの層3'および3''から作成した該ポリマー膜3は、連続かつ漏れを示さず、即ち液体に対して不透過性である。
該第二のポリマー層3''を得るための該ポリマー溶液の塗布は、特に、該第一のポリマー層3'を得るための該ポリマー溶液の塗布とは異なる方法で行うことができる。
第二の方法に従って、別途または付随的に、ポリマー溶液を塗布する代わりに、該ポリマー膜3を形成する該ポリマー材料を、蒸着または幾つかの他の適当な方法、例えばスパッタリング法により適用することも可能である。必要ならば、該ポリマー材料からの該ポリマー膜3の望ましい製造は、引続き行われる処理、例えば融着によって行うことができる。
【0019】
出来る限り平滑で連続な、該ポリマー膜3を得るための、平坦な側面または表面を形成するためには、該キャリア層2が、小さな孔径または低い有孔率を持つことが有利である。他の一つの態様によれば、結果的に該キャリア層2の孔径または多孔度は、該ポリマー膜3に対する該キャリア層2の厚みを越えて減少するか、あるいは図3に従う第二の態様に示したように、少なくとも該ポリマー膜3に面する該キャリア層2の該平坦な側面領域において低下する。後者は、特にこの平坦な側面上の該キャリア層2を、熱および/または圧力を適用することによって、例えば融着および/または圧着によって変性することにより達成できる。
付随的にあるいはまた、該ポリマー膜3に面する該キャリア層2の該平坦な側面を、できる限り平滑でおよび/または孔を含まないものとするために、あるいは該側面に微細な孔のみを付与して、連続かつ漏れを示さない薄いポリマー膜3の形成を容易にし、またはこれを補佐するためには、幾つかの他の化学的および/または機械的な処置も、利用可能である。
【0020】
特に好ましくは、付随的なまたは別の局面によれば、該キャリア層の孔体積は、該膜側面Mに向かって減少し、および/または図3に示したように、該膜側面Mに隣接する該キャリア層の端部領域において減少する。これは、特に好ましくは該キャリア層2に、特に該膜側面Mに隣接する該キャリア層の端部領域Rに配合された、該ポリマー膜3のポリマーによって達成される。これは、最も好ましくは該ポリマー溶液の片側乾燥中に行われ、そこでは、該プロセスパラメータは、乾燥された際に、該キャリア層2から該膜側面Mに、該ポリマー溶液が完全に収縮できないように、選択される。
接着をもたらしまたはこれを改善するために、および/またはできる限り平滑で、しかも孔を含まず、および/または少なくとも少量の孔のみを含む、該ポリマー膜3の形成に適した表面または支持体を生成するためには、場合により該キャリア層2と該ポリマー膜3との間に、中間層4を設ける。図4における模式的な断面に示された、該提案された膜構造体1の第三の態様は、一定の縮尺で描かれていないが、この種の中間層4を示しており、この態様では、先ず該キャリア層2上に、該中間層が形成され、またその上には、特に上において記載され、あるいは以下において説明されるように、該ポリマー膜3が、その後形成される。
【0021】
該中間層4は、好ましくはその構成において孔を含まず、あるいは特に該キャリア層3よりも実質的に少数の孔のみを持つ。例えば、該中間層4は、ポリマー、特に通常の孔を含まないPTFEからなっている。
あるいはまた、該中間層4は、また、該キャリア層2の厚い領域(sickness region)の、例えば溶融、化学的処理等による、対応する圧着および/または他の改良により形成することもできる。
第三の方法によれば、既に論じた如く、該キャリア層2を、熱および/または圧力によって、平坦な側面上に圧着して、該ポリマー膜3または該中間層4を形成することができる。
第四の方法によれば、該ポリマー膜3を、殆どまたは全く孔を持たないキャリア層上に形成し、これを発泡させる。該発泡は、例えば膨張剤を使用して、および/または加熱または幾つかの他の適当な方法により実施することができる。
第五の方法によれば、厚いアモルファスポリマー層を、厚みの領域の一部分において発泡させて、該発泡された厚み領域内に、および残りの厚み領域内の該薄いポリマー膜3に、該多孔質キャリア層2を形成する。
【0022】
これまでに記載された該本発明により提案された膜構造体1および/または上記製造方法を独立に実施することのできる、もう一つの局面に従えば、該ポリマー膜3は、図4に示した如く、随意の保護層5で覆うことができる。該保護層5は、特に該ポリマー膜3を、機械的および/または化学的作用から保護するように機能する。この保護層は、特に該ポリマー膜3が、例えば幾つかの溶媒に対して抵抗性でない、少なくとも本質的にアモルファスPTFEからなる場合に、適用される。従って、該保護層5は、できる限り多くの一般的な溶媒に対して抵抗性となるように構成される。この目的のために、該保護層5は、例えば通常の孔を含まないPTFEまたは分離すべきガスに対して十分に大きな透過性または浸透性を示す、他の適当なポリマーから作られる。該保護層5は、極めて薄く作ることができ、また僅かに約1μmなる厚みを持つことができるので、従来技術に比して、特により一層効果的または良好なガスの分離が可能となる。
該保護層5は、好ましくは、少なくとも液体と接触する領域において、および/または機械的な応力または作用に暴露される領域において、該ポリマー膜3を完全に覆う。
【0023】
該中間層4および/または該保護層5の形成または調製は、該ポリマー膜3の製造または幾つかの他の適当な方法に従って行うことができることに留意すべきである。
図5は、一定の縮尺ではないが、模式的な断面で、本発明で提案する膜構造体1の第四の態様を示している。ここで、該多孔質キャリア層2は、上記のように、その両側、即ちその平坦な側面両者に、該ポリマー膜3を備えている。
従って、これら2つのポリマー膜3について上に与えられた説明が、当てはまる。必要ならば、該2つのポリマー膜3は、また異なる構成のものであり得、および/または異なる方法で作ることができる。
該膜構造体1は、好ましくは、図1〜5に示された態様に従えば、平滑または平坦であり、また特に平面構成を持つものである。最も好ましくは、該膜構造体1は、また例えばガス分離のために、この形状で使用される。
しかし、該膜構造体1は、また異なる形状、特に各意図された用途に適合する形状を持つことができる。
【0024】
図6の、一定の縮尺ではない、模式的な断面は、第五の態様を示す。ここで、該膜構造体1は、中空円筒または管状構造、特にチューブ形状のものである。該第五の態様において、該ポリマー膜3は、該キャリア層2によって形成される壁上に、内側ライニングを形成する。図7に示されている第六の態様において、該ポリマー膜3は、キャリア層の内側ではなく、その外側に設けられている。図8に示されている第七の態様において、ポリマー膜3は、キャリア層の内側および外側両者に設けられている。
特に第五および第七の態様に示されているような、管状構造を持つ該膜構造体1は、特に、US 6,309,444 B1に記載されているように、脱ガス装置用のガス-透過性パイプまたはガス-透過性ホースとして使用することができる。特に、流体Fは、図6に示したように、内側を通して流される。従って、該流体中に含まれるガスGは、矢印Pによって示されているように、印加された圧力差の結果として、外向きに動径方向に追い出される。該圧力差は、例えば該構造体の外側に減圧または真空を適用するか、および/または該構造体の内側の該流体Fの圧力を高めることによって発生させることができる。
【0025】
しかし、理論的には、特に該第六または第七の態様を利用することにより、反対方向に脱ガスを行うことも可能である。この場合、分離されるガスは、該管状膜構造体1の内側に放出される。該外側ポリマー膜3の表面積は、該構造体の内側の該ポリマー膜3の表面積よりも実質的に大きく、結果として該膜構造体1の外側近傍を流動する液体(図示せず)から、その他の点では同一の圧力条件下で、より一層効果的な分離が可能となる。
図9は、一定の縮尺ではないが、提案される膜構造体1を備えた、提案される脱ガス装置6を、模式的な断面として示す。該膜構造体1は、脱ガスすべき該流体F用のチャンバー7を、分離されたガスGを放出するためのチャンバー8から分離している。該ポリマー膜3は、該流体側と面しており、該多孔質キャリヤ層2は、従ってガス側に配置されている。
【0026】
該流体Fは、特に導入口9を通して方向Sに沿って、該チャンバー7に供給され、好ましくは該流体は、該膜構造体1または該ポリマー膜3を通して平行または平面状に搬送することができ、また出口10を介して、例えば化学的分析装置(図示せず)、例えば液体クロマトグラフ等に、再度放出することができる。
該ガスを放出するための該チャンバー8は、減圧または真空ポンプ11に、好ましくはコネクタまたは出口12を介して接続されている。従って、減圧または真空を、該チャンバー8内で発生させて、該ポリマー膜3を通して、即ち該膜構造体1を介して、拡散させることにより、該流体Fから所望のガスGを分離することが可能となる。
該チャンバー8内での減圧または真空の他に、あるいはそれに加えて、該チャンバー7内の該流体Fを、過度の圧力下に置いて、該ガス分離のための、所望の圧力差を発生または増大することが可能である。
該ガス側において、該膜構造体1または該キャリア層2は、好ましくは突起またはリブ、例えばガラスフリット等を備えた、適当な支持本体13で支持される。
【0027】
一般的には、以下のように述べることができる:
本発明で提案する膜構造体1は、特に効果的なガス分離を可能とする。というのは、分離すべきガスGに対して、高い透過性または浸透性を達成することができるからである。更に、特にアモルファスPTFEを使用した場合、提案される該ポリマー膜3を極めて薄い厚みで作ることができるので、そのコストは、かなり低くなる。
該随意の保護層5は、また通常は化学物質に対して十分に安定ではない、アモルファスPTFEまたは他のポリマーをも、例外なく使用可能とする。
これら種々の態様の、個々の特徴、局面、製造段階等は、また所望により相互に組合わせることができ、あるいは他の膜構造体または脱ガス装置に対して使用し、または組合わせる(combed)こともできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第一の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図2】図1の細部の拡大図である。
【図3】第二の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図4】第三の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図5】第四の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図6】第五の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図7】第六の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図8】第七の態様に従う、本発明で提案する膜構造体の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【図9】本発明で提案する型の膜構造体を含む、本発明で提案する脱ガス装置の、一定の縮尺ではない、模式的な断面を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1・・膜構造体;
2・・多孔質キャリア層;
3・・薄いポリマー膜;
4・・中間層;
5・・保護層;
6・・脱ガス装置;
7、8・・チャンバー;
9・・入口;10・・出口;
11・・真空ポンプ;
12・・コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス分離用膜構造体(1)の製造方法であって、
多孔質キャリア層(2)の一方の膜側面(M)上に、薄いポリマー製の膜(3)が形成されており、該ポリマー膜は、ガス(G)に対して透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、また該ポリマー膜は、その表面上で、該キャリア層(2)の平坦な側面または表面と、直接的または間接的に接続されており、
該ポリマー膜(3)を形成するための、該キャリア層(2)が、ポリマー溶液で含浸されており、あるいは該溶液に浸漬されており、
該ポリマー溶液が、実質的に、該膜側面(M)のみから開始される乾燥され、結果として少なくとも本質的に該ポリマー溶液が、該キャリア層(2)から該膜側面(M)に向かって収縮して、該膜側面(M)上に該ポリマー膜(3)を形成し、また特に該ポリマー膜(3)と隣接する該キャリア層(2)の端部領域(R)における、該キャリア層(2)の孔体積を減じる、
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記ポリマー膜(3)が、前記キャリア層(2)の表面またはその平坦な側面上に直接、あるいは特に中間層(4)を介して、該キャリア層(2)の一表面またはその平坦な側面上に、間接的に形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー溶液が、厚みの方向に加速することにより、および/または減圧を適用することにより、前記キャリア層(2)または前記中間層(4)の前記膜側面(M)上に、少なくとも実質的に析出される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
乾燥後、前記ポリマー膜(3)が、前記キャリア層(2)または前記中間層(4)に融着されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
第一のポリマー層(3')を形成した後、第二のポリマー層(3'')を、特にポリマー溶液の第二回目の適用により、該第一ポリマー層上に形成し、乾燥し、一方で特に該第二のポリマー層(3'')の乾燥後、後者を該第一のポリマー層(3')上に融着させる、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
ガス分離用の成型された膜構造体(1)の製造方法であって、該膜構造体(1)は、多孔質キャリア層(2)、および該キャリア層に間接的に、特に中間層(4)を介して間接的に、あるいは表面上で、該キャリア層(2)と直接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を含み、該ポリマー膜(3)は、ガス(G)に対して透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該キャリア層(2)またはその上に設けられた中間層(4)上に、ポリマーを蒸着させて、該ポリマー層(3)を形成することを特徴とする、前記方法。
【請求項7】
前記ポリマーの蒸着後に、該ポリマーを、前記キャリア層(2)または前記中間層(4)に融着させて、前記ポリマー層(3)を形成する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
ガス分離用の膜構造体(1)の製造方法であって、該膜構造体(1)は、多孔質キャリア層(2)、および該キャリア層に、特に中間層(4)を介して間接的に接続され、あるいは表面上で、該キャリア層(2)に直接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を含み、該ポリマー膜(3)は、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該キャリア層(2)を、熱および/または圧力を適用することによって、平坦な側面上に圧着して、該キャリア層の孔径および/または該平坦な側面の領域内の密度を減じ、および/または該ポリマー層(3)または該中間層(4)を形成することを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
次に、前記ポリマー層(3)を、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法に従って、前記キャリア層(2)または前記中間層(4)上に生成する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
ガス分離用の膜構造体(1)の製造方法であって、該膜構造体(1)は、多孔質キャリア層(2)、および該キャリア層に、特に中間層(4)を介して間接的に接続され、あるいは表面上で、該キャリア層(2)に直接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を含み、該ポリマー膜(3)は、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該ポリマー層(3)を、殆どまたは全く多孔度を持たないキャリア層(2)上に形成し、これを発泡処理することを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
ガス分離用の膜構造体(1)の製造方法であって、該膜構造体(1)は、多孔質キャリア層(2)、および該キャリア層に、特に中間層(4)を介して間接的に接続され、あるいは表面上で、該キャリア層(2)に直接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を含み、該ポリマー膜(3)は、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、厚いアモルファスポリマー層を、部分的な厚みの範囲に渡り発泡させて、該発泡させた厚み領域内に、該多孔質キャリア層(2)を形成し、かつ残りの厚み領域内に該薄いポリマー製の膜(3)を形成することを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
ガス分離用の膜構造体(1)であって、多孔質キャリア層(2)および該キャリア層の表面上に、直接的にあるいは間接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を有し、該ポリマー膜(3)が、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該膜構造体(1)が、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法に従って製造されたものであり、該キャリア層(2)の孔体積が、該膜の側面(M)に向かって減少しており、および/または該ポリマー膜(3)と隣接する該キャリア層(2)の端部領域(R)において減じられていることを特徴とする、前記ガス分離用の膜構造体。
【請求項13】
前記キャリア層(2)の孔体積が、前記ポリマー膜(3)のポリマーを配合し、あるいは導入することにより減少し、または低減される、請求項12記載の膜構造体。
【請求項14】
多孔質キャリア層(2)および該キャリア層の表面上に、直接的にあるいは間接的に結合されている、薄いポリマー製の膜(3)を有し、該ポリマー膜(3)が、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該ポリマー膜(3)が、該キャリア層(2)上に融着されており、あるいはその逆である、特に請求項12または13記載の膜構造体(1)。
【請求項15】
多孔質キャリア層(2)および該キャリア層の表面上に、直接的にあるいは間接的に結合されている、薄いポリマー製の膜(3)を有し、該ポリマー膜が、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、一方で該キャリア層(2)と該ポリマー膜(3)との間には、特に接着促進剤としての、中間層(4)が存在する、特に請求項12〜14の何れか1項に記載のガス分離用の膜構造体(1)。
【請求項16】
前記中間層(4)が、前記キャリア層(2)よりも小さな孔径および/または孔密度を有し、あるいは該中間層(4)が、その構成において少なくとも実質的に孔を含まないものである、請求項15記載の膜構造体。
【請求項17】
多孔質キャリア層(2)および該キャリア層の表面上に、直接的にあるいは間接的に接続されている、薄いポリマー製の膜(3)を有し、該ポリマー膜が、ガス(G)に対しては透過性であるが、流体(F)に対しては不透過性であり、該ポリマー膜(3)が、保護層(5)によって覆われている、特に請求項12〜16の何れか1項に記載のガス分離用の膜構造体(1)。
【請求項18】
前記ポリマー膜(3)が、少なくとも実質的にアモルファスPTFEからなり、および/または該ポリマー膜(3)が、前記キャリア層(2)または中間層(4)上で乾燥されたポリマー溶液によって形成される、請求項12〜17の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項19】
前記ポリマー膜(3)が、5μm未満、好ましくは1〜4μmなる範囲、特に実質的に2μmなる厚みを有し、および/または該ポリマー膜(3)が、前記膜構造体(1)の、または前記キャリア層(2)の厚みの、10%未満の厚みを持つ、請求項12〜18の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項20】
前記ポリマー膜(3)が、1またはそれ以上の層により構成されており、および/または孔を含まない構造を持つものである、請求項12〜19の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項21】
前記ポリマー膜(3)が、前記キャリア層(2)上に、または該キャリア層(2)から作られている、請求項12〜20の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項22】
前記キャリア層(2)が、ポリマー、特にPTFE、PVDF、またはUHMW-PE等のポリエチレンで作られている、請求項12〜21の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項23】
前記キャリア層(2)が、0.1〜10μmなる範囲、特に0.2〜5μmなる範囲内の平均または最大孔径を持つ、請求項12〜22の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項24】
前記キャリア層(2)の孔径および/または密度が、該キャリア層(2)の厚みに渡って変動し、また特に前記ポリマー膜(3)に向かって減少する、請求項12〜23の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項25】
前記キャリア層(2)を、前記ポリマー膜(3)の領域において、圧着および/または融着させて、該キャリア層(2)の孔径および/または密度を減じ、あるいは該ポリマー膜(3)を形成する、請求項12〜24の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項26】
前記キャリア層(2)が、250μm未満、好ましくは10〜100μなる範囲、特に20〜50μmなる範囲内の密度を持つ、請求項12〜25の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項27】
前記膜構造体(1)が、平坦なまたは平滑なおよび/または均一な厚い構造を持つものである、請求項12〜26の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項28】
前記膜構造体(1)が、管状構造を持つものであり、前記ポリマー膜(3)が、特に該構造体の内側および/または外側に設けられている、請求項12〜27の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項29】
前記膜構造体(1)を、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法によって製造する、請求項12〜28の何れか1項に記載の膜構造体。
【請求項30】
ガス分離用の膜構造体(1)を有し、該構造体が、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法によって製造され、および/または請求項12〜29の何れか1項に記載のように組立てられたものであることを特徴とする、脱ガス装置(6)。
【請求項31】
前記膜構造体(1)が、ガス分離側において支持されている、請求項30記載の脱ガス装置。
【請求項32】
前記脱ガス装置(6)が、液体からガスを分離するように構成されている、請求項30または31記載の脱ガス装置。
【請求項33】
前記脱ガス装置(6)が、液体クロマトグラフである、請求項30〜32の何れか1項に記載の脱ガス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−526640(P2009−526640A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554693(P2008−554693)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001409
【国際公開番号】WO2007/093443
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】