説明

ガス化用バーナ、及びガス化用バーナの燃料供給方法

【課題】ガス化炉内からの熱負荷をバーナ先端部の全域で低減し、ガス化用バーナの長寿命化を図る。
【解決手段】石炭をガス化炉内に気流搬送する石炭供給管52と、石炭供給管52の外側に同心状に設けられガス化炉内に酸化剤を供給する酸化剤供給管54と、石炭供給管52及び酸化剤供給管54の先端に設けられ、石炭供給管52と連通する石炭の供給孔と酸化剤供給管54と連通する複数の酸化剤の供給孔とが形成されたノズルチップ56と、酸化剤供給管54の外周に酸化剤供給管54と間隔を離して設けられた冷却管58とを備え、酸化剤供給管54と冷却管58との間隙から気体70をガス化炉内に噴出するガス化用バーナ50において、気体70を石炭供給管52の軸に対して旋回させながらガス化炉内に噴出させる旋回羽根60を間隙に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス化用バーナ、及びガス化用バーナの燃料供給方法に係り、特に、石炭等の微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に供給するガス化用バーナの寿命を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
気流層石炭ガス化法は、石炭に含まれる灰の溶融温度以上に保持された高温のガス化炉内に、微粉砕された石炭と、酸素、空気等の酸化剤とを供給し、可燃分を一酸化炭素及び水素を主成分とするガスに、灰を有害成分のないスラグに変換する技術である。このガス化法は、高効率で環境保全性に優れ、適用可能な原料種が多い等の優れた特徴を有しているため、石炭ガス化複合発電システムや石炭ガス化燃料電池複合発電システム等の次世代火力発電システムや、石炭液化用、化学原料用等に用いる水素製造システムとして期待されている。
【0003】
このような石炭ガス化システムのガス化炉には、石炭と酸化剤とを供給するガス化用バーナが設置されている。ガス化炉内は灰の溶融温度以上に保持されているため、バーナ近傍の火炎温度は例えば2000℃以上の高温になることもあり、バーナ先端部はガス化炉からの高い熱負荷を受けることになる。このため、一般的にガス化用バーナは、石炭等の微粉固体燃料を気流搬送する内筒の外周に酸化剤供給筒を設置し、さらにこれらの外周に冷却水を内部に通流する外筒を同心円状に配置する多重構造が採用されており、これによりバーナ先端部の温度上昇を防止している。
【0004】
しかしながら、冷却水によりバーナ先端部を冷却しただけでは先端部の保護は十分ではなく、熱疲労による割れや硫化腐食による減肉等が発生してバーナの寿命を著しく低下させていた。
【0005】
この問題を解決するために、例えば特許文献1には、バーナ先端面に、燃料及び酸化剤を供給するノズル吹出口を包囲して開口する凹部を形成し、この凹部に不活性ガスを注入することが記載されている。これによれば、ノズル吹き出し口近傍へのガス化ガスの巻き込みを防止することができ、ノズル吹き出し口での燃焼を抑制することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000―154906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示された技術は、バーナ先端部の全域にわたってガス化炉から受ける熱負荷を低減させることに対して考慮されておらず、バーナの寿命を高めることができないおそれがある。
【0008】
すなわち、バーナの寿命を高めるためには、バーナ先端部全域においてガス化炉から受ける熱負荷を低減させる必要がある。この点、特許文献1の技術では、不活性ガスの注入によってバーナ先端面の内周側の一部では効率的に熱を遮断させて熱負荷を低減できるかもしれないが、不活性ガスの行き渡らないバーナ外周部には何ら熱負荷低減の効果はなく、バーナの長寿命化に対して十分な効果が得られない場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、バーナ先端部の全域にわたってガス化炉内からの熱負荷を低減し、ガス化用バーナの長寿命化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のガス化用バーナは、微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出する燃料ノズルと、この燃料ノズルの外周に燃料ノズルと間隔を離して設けられた冷却媒体通流管とを備えており、燃料ノズルと冷却媒体通流管との間隙から気体をガス化炉内に噴出するものである。そして、この気体を、燃料ノズルの軸に対して旋回させながら噴出することを特徴としている。
【0011】
すなわち、気体に旋回を付与してガス化炉内に噴出させることにより、気体はバーナの径方向外側に向かう運動エネルギーを持って炉内に噴出されるので、冷却媒体通流管の先端部の全域にわたって気体が流れる。このため、バーナ内周の燃料ノズルの先端部のみならず、外周の冷却媒体通流管の先端部の全域にわたって、ガス化炉内で生成されバーナ周囲から巻き込まれたガス化ガスによる熱を遮断することができる。したがって、バーナ先端部の全域にわたってガス化炉内からの熱負荷を低減し、ガス化用バーナの長寿命化を図ることができる。
【0012】
この場合において、気体を、不活性ガス、水蒸気、及びガス化炉で生成されたガスのいずれかとすることができる。例えば、不活性ガスとして、微粉固体燃料をガス化炉内に気流搬送する窒素ガスを用いることができる。
【0013】
また、間隙から噴出する気体の旋回角には適正範囲が存在する。つまり、旋回角を0度として旋回を付与せずにバーナ軸方向に気体を噴出させると、バーナ先端の内周の燃料ノズル先端部における熱流束は大きく低減できるが、外周の冷却媒体通流管の先端部についてはほとんど熱流束の低減効果が見られない。そこで、本発明のように気体に旋回を付与して噴出させることにより、内周部については若干熱流束の低減効果は弱まるものの、その効果は外周部にまで現れ、バーナ先端部の全域において熱流束を低減することが可能となる。
【0014】
しかし、気体の噴出旋回角を大きくしすぎると、石炭や酸素噴流にまで影響を及ぼし、火炎形成領域がバーナ先端部に近づくことによって、かえって熱流束を高くしてしまう。そこで、間隙から噴出される気体の旋回角の適正範囲として20度乃至40度とすることが望ましい。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明のガス化用バーナの燃料供給方法は、微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出する燃料ノズルと、この燃料ノズルの外周に燃料ノズルと間隔を離して設けられた冷却媒体通流管とを備え、燃料ノズルから微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出するとともに、燃料ノズルと冷却媒体通流管との間隙から気体をガス化炉内に噴出するものである。そして、この気体の噴出を、燃料ノズルの軸に対して旋回させながら行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガス化炉内からの熱負荷をバーナ先端部の全域で低減し、ガス化用バーナの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のガス化用バーナが用いられる石炭ガス化複合発電システムの一般的な概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態のガス化用バーナの縦断面を示す図である。
【図3】ガス化用バーナ先端部の熱流束に及ぼす気体の旋回角の影響の解析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用してなるガス化用バーナの実施形態を説明する。まず、図1を用いて、本実施形態のガス化用バーナが用いられる石炭ガス化複合発電システムの一般的な概略構成を説明する。図1に示すように、石炭ガス化複合発電システム10では、石炭供給系12で微粉砕された石炭が、空気分離装置14によって製造され窒素供給系16を介して送られる窒素により気流搬送されてガス化炉18に供給される。併せて、空気分離装置14によって製造された酸素が、酸素供給系20を介してガス化炉18に供給されるとともに、水蒸気供給系22から水蒸気がガス化炉18に供給される。
【0019】
すると、ガス化炉18内に供給された石炭、酸素などが炉内で熱によりガス化されて、石炭中の可燃分が一酸化炭素及び水素を主成分とするガスに、灰が有害成分のないスラグに変換される。スラグはガス化炉18の炉底部に配置されるガスライン24より系外に排出される。一方、生成ガスは、一部の未燃炭素分及び灰分からなるチャーとともにガスライン26を介して熱回収ボイラ28へ送られて顕熱回収される。
【0020】
熱回収ボイラ28の後続には、チャー回収装置30が配置され、この装置において生成ガス中に含まれるチャーをほぼ完全に回収する。回収されたチャーは、リサイクルライン32を介してガス化炉18に再循環される。
【0021】
一方、チャーがほぼ完全に除去された生成ガスは、ガスライン34を介してガス精製装置36に送られ、生成ガス中のS分を取り除かれる。精製されたガスは、その後ガスライン38を介して発電装置40へ送られる。発電装置40は、ガスタービン、蒸気タービン、及び廃熱回収ボイラが備えられており、精製されたガスはガスタービンへ送られ、さらにその燃焼排ガスの顕熱を廃熱回収ボイラにおいて蒸気として回収後、蒸気タービンにおいて発電される。
【0022】
なお、ガス化炉18には、生成ガスリサイクル系42が備えられており、チャーあるいはスラグの付着成長による流路閉塞を回避するための生成ガス冷却用として利用される。例えばチャー回収装置30後続のガスライン34から生成ガスの一部が抜き出されて、リサイクルライン44を介して循環して利用される。
【0023】
このような石炭ガス化複合発電システムにおけるガス化炉18には、微粉固体燃料である石炭、及び酸化剤である酸素などを炉内に供給するガス化用バーナが設けられている。以下、本発明のガス化用バーナの実施形態を説明する。
【0024】
図2は、本実施形態のガス化用バーナの縦断面を示す図である。図2に示すように、ガス化用バーナ50は、その中心部に、微粉固体燃料である石炭をガス化炉内に窒素により気流搬送する石炭供給管52が設けられており、この石炭供給管52の外側に同心状にガス化炉内に酸化剤である酸素を供給する酸化剤供給管54が設けられている。
【0025】
また、石炭供給管52及び酸化剤供給管54の先端には、石炭供給管52と連通する石炭の供給孔と酸化剤供給管54と連通する複数の酸化剤の供給孔とが形成されたノズルチップ56が設けられている。石炭供給管52、酸化剤供給管54及びノズルチップ56は一体構造をなしている。このノズルチップ56の石炭供給孔、及び酸化剤供給孔は、所要のガス流速が得られるように形成されている。
【0026】
また、酸化剤供給管54の外周に酸化剤供給管54と間隔を離して冷却媒体である冷却水57を通流する冷却管58が設けられている。冷却水57は、冷却管58を循環供給するようになっている。
【0027】
続いて、本ガス化用バーナによりガス化炉18に供給される石炭等の動作について説明する。石炭62は、窒素等の不活性ガスにより気流搬送され、バーナの中心部に位置する石炭供給管52に導かれてノズルチップ56の石炭供給孔を介してガス化炉内に噴出される。酸化剤64は、酸化剤供給管54より供給され、ノズルチップ56にて数十〜百数十m/s程度のガス流速によって複数の孔からガス化炉内に噴出される。
【0028】
炉内に噴出された石炭62a及び酸化剤64aは直ちに混合及び反応して高温場を形成するとともに、CO及びH2を多く含むガス化ガスに変換される。酸化剤64aは比較的高速で噴出されるため、炉内にはバーナの周囲から高温のガス化ガス66の巻き込み流が形成される。
【0029】
ガス化炉内は灰の溶融温度以上に保持されているため、バーナ近傍の火炎温度は例えば2000℃以上の高温になることもあり、このような巻き込み流によって、バーナのノズルチップ56の先端部や、特に冷却管58のガス化炉内に面した先端部68は高温に曝されることになる。これにより高い熱負荷を受けると、熱疲労による割れや硫化腐食による減肉等が発生し、バーナの寿命が著しく低下する。
【0030】
この問題を解決するために、ガス化炉内の高い熱負荷からバーナ先端部を保護する様々な工夫がなされてきた。例えば、特開平10−288311号公報には、炉内から高い熱負荷を受けるバーナ先端部、及び側面部に断熱材で形成された溶射層を被覆し、バーナ冷却管先端部の温度上昇を抑えて熱応力を低下させる構造が開示されている。しかしながら、この技術は、溶射による断熱効果によってバーナ冷却管先端部の温度上昇を抑制することが可能であるが、断熱材はガス化炉内で生成される溶融スラグによって侵食される。このため、長時間の運転によって溶射層が薄くなり、ひいては溶射層が剥離し熱遮蔽の効果を維持できなくなってしまうという問題がある。
【0031】
また、特開2002−249786号公報には、酸化剤供給管を冷却水流路内に配置することでバーナ外筒径をできるだけ小型化し、バーナ冷却管先端部の受熱面積を低下させるバーナが開示されている。しかし、この技術では、ガス化炉の大型化によりバーナが大容量化した場合には冷却効果が十分であるとはいえないといった問題がある。
【0032】
本発明者等は、このような問題に鑑み、ガス化用バーナの寿命を向上させるための手段を見出すため、バーナ先端部が炉内から受ける熱流束に関する検討を三次元熱流動解析により実施した。その結果、石炭及び酸素を噴出するノズルチップ56の外周から不活性ガス等の気体を環状に噴出させることによって、噴流火炎からの輻射熱を遮断できることを見いだした。さらに、これだけでなく、周囲に存在する高温かつ可燃性のガス化ガスの巻き込みによる冷却管先端部での局所的な高温場の形成をも効果的に防止でき、バーナ先端部の熱流束を低減できることが明らかとなった。
【0033】
これを踏まえて、本実施形態のガス化用バーナは、酸化剤供給管54及びノズルチップ56と、冷却管58との間隙に、窒素等の不活性ガス、水蒸気、及びガス化炉18で生成されたガスのいずれかの気体70を供給し、ガス化炉18内に噴出する構成となっている。
【0034】
しかし、単に気体を噴出するだけでは、バーナ先端の外周部、つまり冷却管58の先端部68の全域にわたってまではその効果は見られなかった。これは、上述の特許文献1の技術の課題でも述べたとおり、不活性ガス等の気体の注入によってバーナ先端面の内周側では効率的に熱を遮断させて熱負荷を低減できるが、バーナ先端の外周部には不活性ガスが行き渡らず熱負荷低減の効果が得られないというものである。
【0035】
そこでさらに検討を重ねた結果、気体70に旋回を付与させることが効果的であることを見出した。この点を踏まえて、本実施形態のガス化用バーナは、酸化剤供給管54及びノズルチップ56と冷却管58との間隙に、気体を石炭供給管52の軸に対して旋回させながらガス化炉内に噴出させる旋回羽根60が設けられている。旋回羽根60は、間隙の周方向にわたって、所定の方向に捩られた羽根を所定の間隔で配置する構成の他、気体を石炭供給管52の軸に対して旋回させるような周知の構成を適宜採用することができる。
【0036】
これにより、石炭62a及び酸化剤64aの噴流の外周から気体70を噴出させるに際して、気体70は旋回羽根60によってバーナ軸方向に対して旋回が付与され、ガス化用バーナの径方向すなわち冷却管先端部68の位置する方向への慣性力を与えられながら噴出される。すると、バーナ先端部の全域にわたり炉内からの輻射熱を効果的に遮断して熱流束を低減できるため、熱応力、熱疲労による割れや硫化腐食による減肉等の程度を軽減できバーナの長寿命化を図ることが可能となる。
【0037】
つまり、ガス化炉内に供給された石炭62aと酸化剤64aは直ちに混合、反応し、高温かつ高速のガス化ガスを形成させる。このため、この高速流により周囲から巻き込みが発生する。しかし、酸化剤64aの流れの周囲には、図2に示すように、旋回羽根60によって旋回を付与され、バーナ径方向の運動エネルギーを持って炉内に噴出された気体70aが存在する領域が形成される。このため、冷却管先端部68の全域で、炉内からの高い輻射熱を効果的に遮断することができ、また、ノズルチップ56の先端部も気体70aにより炉内の熱から遮断できるので、熱疲労や硫化腐食等の程度を著しく軽減してバーナの長寿命化を図ることが可能となる。
【0038】
次に、酸化剤供給管54及びノズルチップ56と冷却管58との間隙から噴出させる気体の旋回角の適正範囲について説明する。図3は、バーナ先端部の熱流束に及ぼす気体の旋回角の影響の解析結果を示す図である。冷却管の外径は100mmで、その先端の内面は半径5mm、厚さ4mmの形状になっている。曲げ部の内側を80、外側を81とする。本図は、気体を供給しない条件におけるバーナ先端部外周81の熱流束を基準とし、その低減度合いを示したものである。旋回角が0度すなわち旋回を付与せずにバーナ軸方向に気体を噴出させると、バーナ先端部の内周部80における熱流束は大きく低減できるが、外周部81についてはほとんど熱流束の低減効果が見られない。
【0039】
一方、気体の旋回角度を除々に大きくして旋回を付与して噴出させることにより、内周部80については若干熱流束の低減効果は弱まるものの、その効果は外周部81にまで現れ、バーナ先端部の全域において熱流束を低減することが可能となっていることが分かる。しかし、噴出旋回角を大きくしすぎると、内周部80の石炭や酸素噴流にまで影響を及ぼし、火炎形成領域がバーナ先端部に近づくことによって、内周部80及び外周部81の両方でかえって熱流束を高くしてしまうことが明らかとなった。
【0040】
そこで、間隙から噴出される気体の旋回角の適正範囲としては、冷却管先端部68の外周に冷却媒体を行き渡らせる程度の角度であればよく、好ましくは20度〜40度であればよい。
【0041】
なお、気体70の噴出速度については、冷却管先端部68近傍でバーナの径方向への流れ領域を形成可能な速度であればよく、数〜十数m/s程度であればよい。また、本実施形態において使用する気体は特に限定されるものではなく、例えば、図1に示した石炭ガス化複合発電システムの一般的な概略系統において、窒素供給系16より供給される窒素の一部を利用する手段のほか、水蒸気供給系22より供給される水蒸気の一部、あるいは生成ガスリサイクル系42におけるガス化ガスの一部を利用するなどの手段が挙げられる。なお、ガス化ガスについては特にその性状等を限定するものではなく、その抜き出し位置は図1に示すようにチャー回収装置30後続のガスライン34である必要性は全くない。
【0042】
ただし、気体として水蒸気あるいはガス化ガスを利用する場合には、プラントの起動及び停止時において以下の配慮が必要である。すなわち、図2に示した本実施形態のガス化用バーナの縦断面図において、バーナよりも前流に設置される図示されていない気体を供給するラインに窒素供給ラインを接続させ、プラント起動時及び停止時には該窒素供給ラインからパージガスを供給させておき、石炭ガス化運転に切り替わった時点で水蒸気あるいはガス化ガスに切り替える必要がある。
【符号の説明】
【0043】
10 石炭ガス化複合発電システム
18 ガス化炉
50 ガス化用バーナ
52 石炭供給管
54 酸化剤供給管
56 ノズルチップ
57 冷却水
58 冷却管
60 旋回羽根
62,62a 石炭
64,64a 酸化剤
66 ガス化ガス
68 冷却管先端部
70,70a 気体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルの外周に燃料ノズルと間隔を離して設けられた冷却媒体通流管とを備え、前記燃料ノズルと前記冷却媒体通流管との間隙から気体をガス化炉内に噴出するガス化用バーナにおいて、
前記気体を前記燃料ノズルの軸に対して旋回させながらガス化炉内に噴出させることを特徴とするガス化用バーナ。
【請求項2】
前記気体が、不活性ガス、水蒸気、及びガス化炉で生成されたガスのいずれかであることを特徴とする請求項1のガス化用バーナ。
【請求項3】
前記間隙から噴出される前記気体の旋回角を20度乃至40度とすることを特徴とする請求項1のガス化用バーナ。
【請求項4】
微粉固体燃料をガス化炉内に気流搬送する燃料供給管と、該燃料供給管の外側に同心状に設けられガス化炉内に酸化剤を供給する酸化剤供給管と、前記燃料供給管及び前記酸化剤供給管の先端に設けられ、前記燃料供給管と連通する微粉固体燃料の供給孔と前記酸化剤供給管と連通する複数の酸化剤の供給孔とが形成されたノズルチップと、前記酸化剤供給管の外周に酸化剤供給管と間隔を離して設けられた冷却媒体通流管とを備え、前記酸化剤供給管と前記冷却媒体通流管との間隙から気体をガス化炉内に噴出するガス化用バーナにおいて、
前記気体を前記燃料供給管の軸に対して旋回させながらガス化炉内に噴出させる旋回羽根が前記間隙に設けられてなることを特徴とするガス化用バーナ。
【請求項5】
微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルの外周に燃料ノズルと間隔を離して設けられた冷却媒体通流管とを備え、前記燃料ノズルから微粉固体燃料及び酸化剤をガス化炉内に噴出するとともに、前記燃料ノズルと前記冷却媒体通流管との間隙から気体をガス化炉内に噴出するガス化用バーナの燃料供給方法において、
前記気体を前記燃料ノズルの軸に対して旋回させながら前記ガス化炉内に噴出することを特徴とするガス化用バーナの燃料供給方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−255892(P2010−255892A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104427(P2009−104427)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度〜20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、多目的石炭ガス製造技術開発(EAGLE)/パイロット試験設備およびゼロエミッション化技術に関する研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】