説明

ガス放電ランプの駆動方法

本発明は、ガス放電ランプ(1)を駆動する方法を記載する。当該方法は、常に、該ランプ(1)は複数の異なる駆動方式(DS、DS)のうちの1つに従って駆動され、該ランプの電力は複数の異なる電力制御方法(PC、PC)のうちの1つに従って制御され、前記ランプ(1)は、トリガ・イベント(tSW)の前は第1の駆動方式(DS)に従って駆動され、該トリガ・イベント(tSW)が生じると、駆動方式の切り替えが行われて前記ランプが次に第2の駆動方式(DS)に従って駆動され、前記トリガ・イベント(tSW)に時間的に依存して、第1の電力制御方法(PC)から第2の電力制御方法(PC)へ電力制御方法の切り替えが行われ、前記ランプの電力は、次にある時間間隔(t、t)の間、該第2の電力制御方法(PC)に従って制御される、ことを特徴とする方法。本発明はガス放電ランプを駆動する駆動部(4)を更に記載する。当該駆動部(4)は、−トリガ・イベント(tSW)を検出又は予想するイベント管理部(40);−該イベント管理部(40)の出力に基づき、複数の異なる駆動方式(DS、DS)のうち前記ランプ(1)が駆動されるべき1つの方式を選択する駆動方式管理部(41);及び−前記トリガ・イベント(tSW)に時間的に依存して、複数の異なる電力制御方法(PC、PC)のうち前記ランプの電力がある時間間隔(t、t)の間に制御されるべき1つの方法を選択するようにする電力制御方法管理部(42);を有する駆動部。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス放電ランプの駆動方法及びガス放電ランプを駆動する駆動部に関する。
【背景技術】
【0002】
HID(High Intensity Discharge、高輝度放電)ランプ及びUHP(Ultra-High Pressure、超高圧)ランプのようなガス放電ランプでは、ランプ内に配置された2個の電極間の放電アークにより明るい光が生成される。ランプ製造、ガス成分の充填及び電極設計の進歩は、ショートアーク・ランプ及びウルトラショートアーク・ランプの発展をもたらした。ショートアーク・ランプ及びウルトラショートアーク・ランプでは、電極チップは、ランプの放電室内で極めて短い距離、例えば1ミリメートル以下だけ離され、従ってこの離れた距離に渡るアークも短いが、輝度は極めて強い。このようなランプは、明るく近点の白色光源を必要とする用途、例えば画像投影用途にとって有用である。
【0003】
しかしながら、高電圧での動作中に高温に達するので、このようなランプの電極は変化し易い。つまり、電極チップは焼き戻るか、またはアークがチップに加えられる点である電極チップの1又は複数の場所で「構築物」が成長してしまう。このような電極の物理的な変質は、アークが長くなったり短くなったりしてランプの光出力(フラックス)に揺らぎを生じるので、アークの輝度に揺らぎを生じうる。画像投影システムでは、このような光束の変質は、ユーザに知覚され、明らかに望ましくない影響である。
【0004】
従って、投影用途では適切なアーク長が最も重要である。現代のプロジェクタにおいて光束を維持することは、結局の所は、長期に渡って短いアーク長を維持することを意味する。従って、多くの場合、アーク長を維持する目的で専用のランプ駆動方式が用いられる。これらの方式は、電極チップの変質が適切に回避されるように又は電極上の構築物の成長及び溶解が制御され生じアーク長が安定化されるように、異なる電流波形と動作周波数との高度な組み合わせを屡々含む。ランプ駆動方式の選択に依存して、電極表面の変更は、短い時間尺度又は極めて短い時間尺度で効力を生じうる。
【0005】
ある駆動方式では、ランプは、特定の周波数において特定のランプ電流波形で駆動される。電流波形は、特定の間隔で繰り返されるパルス、例えば「非粗動(anti-flutter)」パルスを有してよい。通常、この波形は駆動方式の期間中は変化しない。駆動方式の駆動方式との間の特定の時点における切り替えは、例えば電流波形又は動作周波数が変化することにより、ランプ駆動方式の1又は複数のパラメータが変更されたときに生じる。例えば、電流パルスの振幅又は幅は変更されるか、又は多数の要因により動作周波数は突然に増加若しくは減少されうる。この変化は、例えばランプ電圧が特定の閾に近付くような観察されるランプ・パラメータにより引き起こされるか、所定の時間間隔の終了後に生じる。
【0006】
動作中のガス放電ランプ内の環境は、ランプ充填物の特性並びに高い動作温度及び電圧に大きく依存して、不安定であるか又は急変するものと考えられる。例えば、「安定」動作状態の間でさえ、ランプ電圧は短いが非常に変動し易い。この理由から、ランプ電圧のようなランプ・パラメータは、一般に、定期的、例えば数秒ごとに測定される。ランプ駆動を補正又は調整する如何なる決定も、例えば駆動電流を補正又は調整する決定は、通常、観察される入力パラメータの中央値又は平均値、例えば閉周期電力制御ループではランプ電圧に基づく。PID(比例・積分・微分)制御部による例では、ランプ電圧の値のような入力変数の変化に応答して、ランプ電力を定格ランプ電力のような特定の目標レベルに維持しようとする。ランプ電力の調整は、ランプ駆動方式の突然の変化の後に比較的ゆっくりと生じる。この方法では、例えば、ランプ電圧のグリッチ又はピークはランプ電力に即座に又は直接に影響を与えないが、全体の値に平均化される。
【0007】
上述のように、上述の種類のショートアーク・ランプの高度な駆動方法は、良く知られた切り替え時間における特定のパラメータの突然の変化を屡々有する。しかしながら、ランプ電圧の増大をもたらすランプの動作電流波形又は動作周波数の急激な変化のような突然の変化は、結果としてランプの光出力の揺らぎを生じてしまう。この理由は、ランプ・ドライバの閉周期電力制御が、上述の観察されるパラメータの中央値又は平均値に基づき、遅延をもって動作するためである。結果として、ランプ電力は、ある時間の間、定格又は目標値を超え、集められた光束の増大として電力オーバーシュートが観察されうる。このようなランプの光束の変化は、ランプの利用者の目に見えるので望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、上述の種類のガス放電ランプの光束を安定化させる簡単な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的のために、本願明細書はガス放電ランプを駆動する方法を記載する。当該方法は:常に、該ランプは複数の異なる駆動方式のうちの1つに従って駆動され、該ランプの電力は複数の異なる電力制御方法のうちの1つに従って制御され、前記ランプは、トリガ・イベントの前は第1の駆動方式に従って駆動され、該トリガ・イベントが生じると、駆動方式の切り替えが行われて前記ランプが次に第2の駆動方式に従って駆動され、前記トリガ・イベントに時間的に依存して、第1の電力制御方法から第2の電力制御方法へ電力制御方法の切り替えが行われ、前記ランプの電力は、次にある時間間隔の間、該第2の電力制御方法に従って制御される、ことを特徴とする。
【0010】
冒頭に記載した種類のガス放電ランプを一定のフラックスの要件下で用いる用途では、例えば電極が焼き戻されることを示す、ランプ電圧が下限又は上限の閾に近付く状況を識別するために、通常、ランプ電圧のようなランプ・パラメータが監視される。このような状況に反応して、問題を修正するために、駆動方式の電流波形又は動作周波数は変更される。この変更が行われる時点、つまり「トリガ・イベント」は、該変更が生じるときに登録されてよい。しかしながら、該変更はランプ駆動部自体により開始されるので、上記の時点は事前に知ることができランプ駆動部により予測されうる。本発明による方法は、有利なことに、この知識を用いて電力制御方法の切り替えを、分かっているトリガ・イベントの近傍のある時間間隔の間行い、従って電力制御方法を駆動方式の変化に同期させる。電力制御方法の切り替えは、トリガ・イベント及び駆動方式の切り替えと同時に生じるか、又はトリガ・イベント及び駆動方式の切り替えより先に生じてもよい。
【0011】
一方の電力制御方法から他方の電力制御方法へ切り替える利点は、ランプ電力を特に駆動方式の切り替えの結果として生じる状態に合わせることができる点にある。同種類の電力制御、例えば対応する遅延を有する閉ループ電力制御を適用する代わりに、ランプ電力は、以下に詳細に説明されるように、特に駆動方式の切り替え時に生じうる急激な変化を考慮に入れた方法で制御されうる。
【0012】
ガス放電ランプを駆動する適切な駆動部は、トリガ・イベントを検出又は予測するイベント管理部、及び該イベント管理部の出力に基づき、複数の異なる駆動方式のうち該ランプが駆動されるべき1つの方式を選択する駆動方式管理部を有する。本発明による駆動部は、トリガ・イベントに時間的に依存して、複数の異なる電力制御方法のうち該ランプの電力がある時間間隔の間制御されるべき1つの方法を選択するようにする電力制御方法管理部を更に有する。
【0013】
従属請求項及び以下の説明は、本発明の特に有利な実施例及び特徴を開示する。
【0014】
ガス放電ランプの従来のランプ駆動部で、例えば画像投影用途で用いられる電力制御方法では、ランプ駆動部により観察されるランプ・パラメータは、特定の時間間隔に渡る平均値として決定され及び/又は所定の目標値からの偏差を計算することにより決定されうる。このような計算は、通常は数ミリ秒毎のように定期的間隔で過去に生じた測定値のセット又は集合を必要とする。例えば、平均電圧値は、瞬間電圧値及び以前の50個の測定電圧値又は以前の100個の測定電圧値の平均を得ることにより計算されてもよい。冒頭に既に記載したように、このような平均値の計算は、平均されるべき又は平滑化されるべき測定されたランプ・パラメータの不適切な確率的揺らぎを認めてしまう。更に、偏差の測定は、目標からの観察されたパラメータの偏差が大きいとき、より大きな補正段階を認める。しかしながら、このような従来の駆動方法では、動作周波数又はランプ電流の急増のような特定の駆動方式の要因の急な変化は、平均ランプ電圧の対応する変化に直接に反映されない。むしろ、平均ランプ電圧の調整は遅れてしまい、従来の電力制御方法を用いては、ランプ電力は望まれるほど迅速には補正されない。
【0015】
従って、本発明の特定の好適な実施形態では、少なくとも1つの電力制御方法は、直接的な又は「速い」電力制御方法を有し、ランプ電力が該直接的な電力制御方法に従って制御されている間、ランプ電力は瞬間的なランプ電圧の変化に基本的に直接的に反応する。更に、少なくとも1つの電力制御方法は、PID電力制御方法のような上述の種類の間接的な又は遅い電力制御方法である。本発明のこのような特定の有利な実施形態では、ランプ電圧の変化に対するランプ電力の反応は、ランプ電力が直接的な電力制御方法に従って制御されているときには、ランプ電力が間接的な電力制御方法に従って制御されているときよりも速い。
【0016】
速い電力制御方法では、ランプ電力は例えばランプ電圧の変化に基本的に直接に反応する。過去の履歴の値を必要とする中間又は平均電圧値を用いる代わりに、ランプ電力は、Pは電力、Uは電圧、Iは電流として電力の公式P=U・Iに従う瞬間電圧値に反応してよい。本発明による方法では、速い電力制御方法は、最近に観察された電圧値に応答してランプ電流を単に補正する段階を有してよい。このように、ランプ電圧はランプ駆動方式の変化の結果として急に増大するので、ランプ電流は、実質的に即座に調整されうる。従って、ランプ電力は基本的に一定値に維持されうる。この手法は、ランプの収集された光束の揺らぎを有意に減少させる。
【0017】
遅い間接的な又は閉ループ電力制御方法を用いたランプの「通常」動作中、既に説明したように、ランプの電極は、焼き戻しのような変化を受けやすい。このような変化は、ランプ電圧を徐々に変化させ、例えばランプ電圧を上限の閾に向けて単調に増加させる。トリガ・イベント又は駆動方式の切り替えは、このような閾に達したとき、つまり望ましくない状況を回避するために補正が行われなければならない時点で生じる。従って、本発明の好適な実施形態では、前記トリガ・イベントに時間的に依存した電力制御方法の切り替えは、間接的な電力制御方法から直接的な電力制御方法への切り替えを有する。従って、ランプ電力は、結果として生じるランプ電圧又は電流の急激な増加に対して迅速に調整されうる。
【0018】
直接的な電力制御方法は、例えばランプ電圧のような瞬間の又は最近に観察されたランプ・パラメータに基づくので、ランプ電圧の変動が最良に平均化される、ランプの「通常」動作中の使用には適さない。従って、直接的な電力制御方法は、限られた時間にのみ適用されることが望ましい。そして該限られた時間の後に、ランプ電力の制御は間接的な電力制御方法に戻されることが望ましい。
【0019】
上述のように、駆動方式の切り替えは、ランプ電圧のようなランプ・パラメータの急激な変化を伴う。従って、本発明の更なる実施形態では、前記電力制御方法の切り替えは、前記駆動方式の切り替えと基本的に同時に又は同期して行われる。つまり、電力制御方法の切り替えは、トリガ・イベントに応答して行われる。
【0020】
駆動方式の切り替えはランプ駆動部により開始されるので、トリガ・イベントが生じる時は事前に定められる。従って、本発明の更なる好適な実施形態では、電力制御方法の切り替えは、トリガ・イベントを回避するか又は予測してよい。つまり電力制御方法の切り替えは、トリガ・イベントの前に、例えば駆動方式の切り替えより数ミリ秒だけ前に行われてよい。この種の電力制御方法の切り替えは、例えばランプ駆動部のカウンタが所定値に達したときに生じるトリガ・イベントより先行してよい。この種のトリガ・イベントはランプ駆動部により容易に予見できるからである。このように電力制御方法の切り替えの時間的調整の明らかな利点は、ランプ電力が、駆動方式の切り替えに関連するパラメータの如何なる変化にも速く反応できる点である。
【0021】
切り替えを実行した後に、ランプは、「新しい」ランプ駆動方式及び電力制御方法を用いて場合によっては無期限に駆動されてもよい。しかしながら、例えばある時間間隔の後に元の駆動方式又は電力制御方法に戻すことが好都合であってもよい。この目的のため、間接的な電力制御方法から直接的な電力制御方法への切り替えに反応したランプの動作は、室内実験で監視又は観察されてもよい。例えば、ランプ電圧がトリガ・イベント及びその結果として生じるランプ電圧の急増の後の特定の時間間隔の後に再び安定することが定められてもよい。この時間間隔は、記録され、商業的利用のために製造されるランプ駆動部で用いられてもよい。従って、本発明の好適な実施形態では、ランプ電力の制御は、所定の期間又は時間間隔の終了後に間接的な電力制御方法に戻る。時間間隔は、ランプ駆動部のメモリに値として格納され、適切なカウンタが例えばトリガ・イベントと同時に開始して経過時間をカウントし、カウンタ値が所定値に達したときに、電力制御方法が間接的な方法に戻るべきことを示してよい。
【0022】
或いは、ランプの動作が駆動方式の切り替えの後に安定した場合のみ、電力制御を間接的な方法に戻すことが好都合であってもよい。従って、本発明の更なる好適な実施形態では、ランプ電圧、ランプ電流又は1若しくは複数のカウンタ値のような1若しくは複数のランプ・パラメータが測定又は観察され、時間間隔は1又は複数の観察されたランプ・パラメータが所定の条件を満たすまで継続又は続く。ランプの動作が安定したときのみ電力制御が間接的な方法に戻ることを保証することにより、更に一定の光束が得られる。
【0023】
本発明による駆動部は、ランプの値を監視又は観察する又は所定の時間間隔を計数する従来の駆動部で用いられるような1又は複数のランプ・パラメータ観察部を有してよい。イベント管理部、駆動方式管理部及び電力制御方法管理部のような、予測された又は測定されたパラメータに基づき決定を行うユニットは、適切なソフトウェア・モジュールが実行されうるプロセッサ・チップのようなハードウェア構成要素を有してもよい。
【0024】
本発明による駆動部は、ガス放電ランプを有する適切な従来の投影システム内に実施され、ランプが上述のような本発明による方法を用いて駆動されてもよい。従って、比較的小さな努力で、基本的に一定のフラックスを有する光出力を提供する高品質の投影システムが得られる。本発明による方法及び駆動部は、上述のようなガス放電ランプを用いる如何なる用途並びに安定したアーク及び一定の光束を必要とする如何なる用途にも適用されうることが明らかである。
【0025】
本発明の目的及び特徴は、図と関連した以下の詳細な記載から明らかである。しかしながら、理解されるべき点は、図が単に説明を目的として考案されていること、及びこれらの図が本発明を制限しないことである。
【0026】
図中、同様の番号は同様の対象を表す。更に、図中の対象は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のランプ・ドライバにより制御される駆動方式の切り替え前後のランプ電圧のグラフを示す。
【図2】図1の駆動方式の切り替えに応答して、従来のランプ・ドライバにより制御されるランプ電圧のグラフを示す。
【図3a】本発明によるトリガ・イベント、駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えの間の第1の時間的関係の概略図を示す。
【図3b】本発明によるトリガ・イベント、駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えの間の第2の時間的関係を示す。
【図3c】本発明によるトリガ・イベント、駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えの間の第3の時間的関係を示す。
【図4】本発明による方法により制御されるランプ電力のグラフを示す。
【図5】本発明の一実施形態によるガス放電ランプ及び駆動部を示す。
【図6】本発明によるランプ駆動方法を用いて断続的に動作されるランプについて、集められた光束を時間の関数として表したグラフを示す。
【図7a】本発明によるランプ駆動方法を用いて断続的に動作されるランプについて、集められた光束を電圧の関数として表したグラフを示す。
【図7b】追加の電力補償技術を適用した、本発明によるランプ駆動方法を用いて断続的に動作されるランプについて、集められた光束を電圧の関数として表したグラフを示す。
【図8】図7a及び7bで観察される異なる動作モードについて、集められた光束の広がりの箱ひげ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、従来のランプ・ドライバに典型的な駆動方式の変化の前後のガス放電ランプのランプ電圧のグラフを示す。このような駆動方式の切り替えは、例えば測定又は観察がランプ電流の周波数は電極チップの形状の変化を制御するために増加されるべきであると示す場合に、実行されうる。この例では、駆動方式の切り替えは、時刻tSWで行われ、結果としてランプ電圧を急激に増大させる。ランプ電圧の変化は基本的に切り替えにより「トリガ」されるので、時刻tSWは以下では「トリガ・イベント」とも表される。
【0029】
図2は、従来のランプ・ドライバが用いられた場合に、図1の駆動方式の切り替えがランプ電力に与える影響を示す。このようなランプ・ドライバでは、ランプ電圧は長期に渡り平均化され揺らぎを補償する。この平均値は、電力制御の閉ループ方法、例えばPID制御技術の入力パラメータとして用いられる。このような電力制御方法では、ランプ電圧の変化に対するランプ電力の反応は遅れる。図2から、ランプ電力が、トリガ・イベント(ランプ電圧の急増)に応答して増大していることが明らかに分かる。本例は、132Wのランプの場合に観察された値を示す。トリガ・イベントの前に、ランプはほぼ132Wの定格電力で動作している。トリガ・イベントtSWに続いて、ランプ電力は急激に増大して138Wの最高値に達し、次に定格電力値へ向かって再び徐々に減少する。急激な増大の理由は、既に説明したように、トリガ・イベントtSWの前の古く低い電圧値が現在のランプ電力を計算するためにも用いられるためである。グラフから明らかに分かるように、反応の遅れにより、ランプ電力は有意な時間の間、数ワットだけ定格電力を超えてしまう。この望ましくないランプ電力の増大は、ランプの光出力の増大として、つまりランプの集められたフラックスの増大として観察され、ユーザに知覚されうる。
【0030】
図3aは、本発明によるトリガ・イベントtSW、駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えの間の第1の時間的関係の概略図を示す。
【0031】
ここで、駆動方式の切り替えは、ランプ・ドライバが第1の駆動方式DSから第2の駆動方式DSへ変化する時刻tSWで生じる。トリガ・イベントtSWの前に、ランプ電力は第1の又は「遅い」制御方法PCを用いて制御されている。第1の制御方法PCでは、例えばランプ電圧は長時間に渡り平均化され、不適切な揺らぎを均等化する。この平均ランプ電圧は電力制御の方式で用いられる。本発明によると、トリガ・イベントtSWは予測又は観察される。何れの場合にも、電力制御方法の切り替えは結果として達成され、トリガ・イベントtSWは第2の又は「速い」電力制御方法PCを用いて制御されている。第2の電力制御方法PCでは、平均ランプ電圧値の代わりに、ランプ電圧がランプ電力を調整するために基本的に直接に用いられる。これも閉ループ電力制御方法であってよいが、平均値を用いる代わりに又はPID制御を用いる代わりに、例えば観察される入力パラメータとして瞬間電圧値を用いる。トリガ・イベントtSW、電力制御方法の切り替え及び「速い」電力制御方法PCとの間の第1の時間的関係の本例では、固定時間長tの間、適用される。この時間tは、例えば特定の種類のランプに対する実験で予め定められてもよい。
【0032】
図3bは、トリガ・イベントtSW、駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えの間の第2の時間的関係の概略図を示す。再び、駆動方式の切り替えは、ランプ・ドライバが第1の駆動方式DSから第2の駆動方式DSへ変化する時刻tSWで生じる。しかしながら、本例は、ランプ・ドライバ又は駆動部がトリガ・イベントtSWを見越す又は予測できる可能性を示す。既に説明したように、駆動部は、ランプ電圧のようなランプ・パラメータを監視するユニット又はモジュールを有し、該パラメータの挙動を分析してもよい。このように収集された情報又はデータを用い、ランプ・ドライバは、特定の時刻での駆動方式の切り替えを計画でき、それに応じて実際のトリガ・イベントtSWの前に電力制御方法の切り替えの予定を立てることができる。図3bに示された例では、ランプ電力は、トリガ・イベントtSWの前の時間tまでは第1の又は「遅い」電力制御方法PCを用いて制御され、その後、トリガ・イベントtSWの後、ランプ電圧のような監視されているランプ・パラメータが所定値に安定するまでの時間tの間は「速い」電力制御方法PCが適用される。通常、「速い」電力制御方法PCは、上述の図3aを用いて示されたように、トリガ・イベントtSWの後の所定の期間の間、適用されうる。
【0033】
図3cは、この非同期の計画された切り替えの原理の別の実施例を示す。本例で、最初に、トリガ・イベントtSWで電力制御方法は遅い方法PCから速い方法PCへと切り替えられる。次に、遅延t又は時間tの後に、第1の方式DSから第2の方式DSへの駆動方式の切り替えが行われる。更なる時間t又はtの後に、電力制御方法は切り替えられ遅い方法PCに戻される。この場合には、駆動方式の異なる切り替えイベントと電力制御方法との間の実際の時間的関係は、図3bに示されたものと同等である。
【0034】
図3a、3b及び3cは、明確性のために2つの駆動方式及び2つの電力制御方法に限られているが、当業者には、2つ以上の駆動方式及び2つ以上の電力制御方法が本発明の方法を用いて実施されてもよいこと、本発明が如何様にもこの数字に限定されないことが明らかである。
【0035】
図4は、図3aで説明したランプ電力の駆動方式の切り替えに対する改善された反応を示す。トリガ・イベントに続き、「速い」電力制御方法は、ランプ電圧制御をランプ電流又は電圧の変化に事実上即座に反応させる。「速い」電力制御方法は、例えば電圧の瞬間入力値を導出するために一群の過去の観察を用いない。代わりに、ランプ電力は、最近の測定値を用いて即座に調整されうる。つまり、駆動部は、ランプ電流の変化に可能な限り最短の遅延で応答できる。これは、図2に示された従来の応答の状態とは対照的である。図2では、ランプ電力は定格電力レベルより有意に上のレベルまで急激に上昇し、定格電力レベルまで降下して戻り安定するまでに有意な時間を要していた。
【0036】
図5は、ガス放電ランプ1及び本発明による駆動部4の一実施形態のブロック図を示す。
【0037】
駆動部4は、コネクタ9を介してガス放電ランプ1のアーク管3内の電極2に接続され、DC電圧を分配しうる外部電源8から電力を受ける。本実施形態では、駆動部4は、バック・コンバータ24、通信部25、点火装置32、レベル・コンバータ35、電圧測定部14、電流測定部12及び制御部10を有する。本実施形態の制御部10は、イベント管理部40、駆動方式管理部41及び電力制御方法管理部42を内蔵するように示される。
【0038】
制御部10の機能は、最終的にはバック・コンバータ24、通信部25及び点火装置32を制御することである。基本的に、制御部10は、ランプ電力を制御するとともにランプ電流の波形を指図する。ランプ電力の挙動を決定するために、制御部10は、本例では分圧器14である電圧測定部14により測定されたランプ電圧を監視する。点火装置32は、(例えばキャパシタ、抵抗器及びスパーク・ギャップを有する)点火制御部31、及び2つのチョーク33、34を用いて高電圧を生成しガス放電ランプ1を点火する点火変圧器を有する。
【0039】
バック・コンバータ24は、例えば380VのDC電圧を分配する外部電源8により電力を供給される。バック・コンバータ24は、スイッチ20、ダイオード21、インダクタンス22及びキャパシタ23を有する。制御回路10は、レベル・コンバータ35を介してスイッチ20を制御し、従ってガス放電ランプ1内の電流のレベルも制御する。レベル・コンバータ35を調整することにより、制御部10は、ランプ1に供給される電気出力を調整する。通信部25は、4個のスイッチ27、28、29、30を制御するスイッチ制御部26を有する。ランプ電流の波形は、制御部10からスイッチ制御部26への、ランプ電流が整流されるべき瞬間を指示する適切なドライバ制御信号52により制御される。このように、例えばランプ電流の周波数は、適用されている駆動方式の要件に従って調整されうる。
【0040】
ランプ電圧を測定する電圧測定部14は、キャパシタ23と並列に接続され、制御部10に適切な信号51を供給する2個の抵抗器16、17を有する分圧器の形式で実現される。分圧器は実際のランプ電圧値を供給しないが、代わりに低減された電圧値を供給する。この低減された電圧値は、制御部10の後段で容易に補正され、実際のランプ電圧値を反映することができる。キャパシタ15は、抵抗器17と並列に接続され、測定された信号51の高周波数歪みを低減するよう機能する。
【0041】
ランプ1内の電流を表す入力信号50は、電流測定部12により制御部10に供給される。電流測定部12は、例えば誘導の原則に基づき動作してよい。
【0042】
上述の方法に従って駆動方式の切り替え及び電力制御方法の切り替えを行うために、制御部10の実施は、イベント管理部40、駆動方式管理部41及び電力制御方法管理部42を有する。これらの部分40、41、42は、1又は複数の被監視ランプ値50、51をそれぞれ評価してよい。明確性のため、信号50、51とブロック40、41、42との間の接続は図に示されない。例である本実施形態では、イベント管理部40は、信号51により提供されるランプ電圧の測定値を観察し、それに応じて駆動方式の切り替えを特定の時点で行うことを計画する。イベント管理部40は、これらの段階を実行し、ランプ内のアーク長を安定化させるか、例えばランプ電圧が望ましくない低いレベルまで降下してしまう状況を回避する。イベント管理部40は、適切な制御情報410を駆動方式管理部41へ供給する。駆動方式管理部41は、指定された時点で駆動方式の切り替えを行う。駆動方式管理部41は、駆動方式DS、DSに関連する制御値にアクセスし、信号410に従って適切な値が選択される。イベント管理部40は、電力制御方法の切り替えが駆動方式の切り替えと同調して生じるべきか、又は電力制御方法の切り替えが駆動方式の切り替えより先行すべきか、を決定してよい。イベント管理部40が決定を行うよう設定されるか、又は該決定が被監視ランプ・パラメータ50、51に基づいてもよい。電力制御方法の切り替えが駆動方式の切り替えより先行する場合、イベント管理部40は、メモリ43から情報、例えば時間オフセットtに関する値を読み出す。次に、制御情報410を駆動方式管理部41へ供給する前の時間tで、イベント管理部40は、電力制御方式管理部42へ適切なコマンド420を発行する。コマンド420は、電力制御方式の切り替えを生じさせる。電力制御方法管理部42は、駆動方式PC、PCに関連する制御値にアクセスし、信号420に従って適切な値が選択される。
【0043】
例えば、ランプ1の「通常の」動作中、イベント管理部40は、第1の駆動方式DSから第2の駆動方式DSへの切り替えが近い将来に特定の時間tSWで生じる必要があること、及び遅い電力制御方法PCから速い電力制御方法PCへの切り替えが駆動方式の切り替えよりも時間tだけ先行すべきであること、を観察されたランプ値50、51に基づき決定できる。これに応じて、イベント管理部40は電力制御方法管理部42へ適切なコマンド420を発行する。これにより、駆動方式の切り替えの前に時が来れば電力管理方法の切り替えが行われる。また、イベント管理部40による、駆動方式管理部41への適切なコマンド420によって開始される。
【0044】
従って、イベント管理部40は、1又は複数のランプ・パラメータ50、51を評価でき、ランプ・パラメータが所定の閾に安定したとき、遅い電力制御方法PCの状態へ戻すことを決定できる。このような閾の情報は、イベント管理部40のメモリ43に格納されてもよい。遅い電力制御方法PCへ戻すという決定は、電力制御方法管理部42への適切なコマンド420として与えられる。
【0045】
或いは、イベント管理部40は、電力制御方法管理部42へ適切なコマンド420を発行する前に、メモリ43に格納された値により与えられる所定の時間tが経過するのを単に待ってもよい。
【0046】
同様に、イベント管理部40は、駆動方式が第1の駆動方式DSに戻されるべき時又は戻されるべきか否かを決定し、駆動方式管理部41へ適切なコマンド420を発行する。
【0047】
図示されたユニット40、41、42を有する制御部10は単なる例として理解されるべきであり、ユニット40、41、42の如何なる適切な実施も適用可能である。例えば、電力制御方法管理部42は、「遅い」又は間接的な電力制御方法で用いられる平均又は中間電圧を計算するために必要なユニット又はモジュールを有してもよい。このような平均電圧値は、例えば二乗平均平方根(RMS)アルゴリズムを用いて決定されてもよい。ユニット40、41、42の機能は、必要に応じて分散されてもよい。例えば、制御部10は、適切なソフトウェア・アルゴリズムを用いる方法の特定の機能を実行するプロセッサ、及び該方法の適用中に所定の値又は計算された値を格納するメモリを有してもよい。ユニット40、41、42の他の機能は、1又は複数のプリント基板に内蔵又は実装された適切なハードウェア要素を用いて実現されてもよい。
【0048】
図6は、数時間に亘って測定された、集められた光束[ルーメン(lm)]を時間(t)の関数として表したグラフである。該測定は、ガス放電ランプをPCT/IB2007/052968で開示されたランプ駆動方法を用いて駆動して行った。該ランプ駆動方法では、閉周期電力補償ループが用いられ、所要のランプ電力レベルでランプを駆動した。所要のランプ電力は、ランプ電圧、ランプ内の圧力等の測定値を用いて計算されてもよい。例えば、所要のランプ電力値Pの数学的近似法は、次式で表されるようなランプ電圧Uのn次の多項式関数であってよい。
【0049】
【数1】

ここで、nは正の整数であり、c,cn−1,...,c,c,cは収集効率(etendue)、電極電圧降下、収集光学系の反射率、固有活性及び目標光束のようなパラメータに依存する多項式係数である。これらのパラメータは、当業者に知られるように、従来技術を用いて測定又は予測されてもよい。電力補償の精度は、多項式関数の項の数に依存する。
【0050】
図6の実験値は、4時間の動作期間で得られた。この時間中、ランプ・ドライバは、必要が生じたときにはいつでも駆動方式を複数の異なる駆動方式(DS、DS)の間で断続的に切り替え、電極が大きく焼き戻されるのを回避するか又はランプ電圧が非常に低く降下してしまうのを回避した。示された最初の動作期間と3番目の動作期間のグラフ中の白い四角は、知られている「遅い」制御技術を用いて、つまり平均電圧値又は導関数から得られた電圧値を用いることによってのみランプ電力が制御されたランプの動作中に測定された光束の値を示す。示された動作期間の2番目の時間と第3の時間の間のグラフ中の黒い四角は、ランプが本発明の方法を用いて駆動されていた間、つまり電力制御方法が「遅い」方法から、より直接的な又は「速い」方法に短い時間の間、変更され、駆動方式の切り替え中の変化を迅速に調整したときに測定された光束の値を示す。ランプが本発明の方法を用いて駆動されているとき、グラフから明らかなように、ランプの収集されたフラックスは、ランプが遅い電力制御方法を用いて駆動されていたときと同程度しか変動しなかった。
【0051】
図7aは、図6に示されたのと同様の実験の過程で得られた値を用いたが、PCT/IB2007/052968に記載された電力補償技術を用いずに、本発明によるランプ駆動方法を用いて断続的に動作されるランプについて、集められた光束[ルーメン(lm)]を電圧(V)の関数として表したグラフを示す。再び、ランプが本発明の方法を用いて動作された間に得られた全体的に安定した光束の値(黒い点)と、ランプが単一の遅い電力制御方法のみを用いて動作された間に観察された散在している値(白い四角)との間に明らかな違いが分かる。黒い点は、グラフ中のはっきりと識別できる領域に集まっており、電圧が増大したときでも、ランプの光出力が著しく変動しないことを示している。これらの値と対照的に、白い四角は、グラフ内のもっと広い領域に分散しており、「遅い」電力制御方法のみが用いられた場合に、ランプの光出力がもっと大きな変動を受けていることを示している。
【0052】
図7bに同様のグラフを示す。図7bでは、ランプが本発明のランプ駆動方法を用いて断続的に動作された実験中に、PCT/IB2007/052968に記載された電力補償技術が適用された。図7bの値は、図6のグラフで得られた値と同様である。図7aと比較すると、図7bのグラフは、本発明による電力制御方法の切り替えに加えて上記の補助的な電力補償を用い、更なる改善が得られることを示している。本発明の方法を用いたランプの動作中に得られた光束の測定値(黒い点)は、はっきりと識別できる線に沿っているとさえ見えるからである。動作電圧の変化は、ランプの光出力の目立った揺らぎとは関係さえしない。
【0053】
図8は、図7a及び7bで観察される異なる動作モードについて、集められた光束の広がり[ルーメン]の箱ひげ図を示す。第1の動作モードM1では、ランプ電力は、ランプ電圧の平均値に基づく、「遅い」状態の従来の方法のみを用いて制御された。第2の動作モードM2では、「遅い」電力制御は、PCT/IB2007/052968に開示されたような電力補償により補強された。第3の動作モードM3では、ランプは、本発明の方法を用いて駆動された。最後に、第4の動作モードM4では、ランプは本発明の方法を用いて駆動され、追加の電力補償がPCT/IB2007/052968に従って実行された。光束の変動又は広がりの平均値からの偏差の比率が、各モードM1、M2、M3、M4について示されている。グラフから分かるように、最良の結果、つまり最少の偏差を示す結果は、第3のモードM3及び第4のモードM4で得られた。従って、本発明の方法は、ガス放電ランプを駆動する従来の方法(モードM1、M2)の状態と比較して、光束の安定における有意な改善を提供する。
【0054】
本発明は、好適な実施例及びそれに関する変形の形式で開示されたが、多数の追加の変更及び変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、これら好適な実施例及びそれに関する変形になされ得ることが理解されるだろう。例えば、記載された制御部は、以上に概要を説明した及びPCT/IB2007/052968に開示された電力補償を実行するために必要なユニット又はモジュールを有してもよい。別の可能な実施では、各ランプ駆動方式は、それ自体の電力制御方法に関連付けられ、異なるランプ駆動方式が異なる程度で及び異なる時間規模で揺らぎを生じることで知られているときに有利である。例えば、ランプ駆動方式が非常に短い期間だけ適用されるとき、初期設定で速い電力制御方法を伴ってよい。更に別の例では、駆動方式管理部は、例えばランプ電圧の揺らぎが一時的なものであると分かっているとき、ランプが一定電流で駆動される駆動方式を選択し、適切な信号を切り替え制御部へ発行し、平均ランプ電流が該一時的な揺らぎの間に変化しないようにしてもよい。
【0055】
明瞭さのため、本願明細書を通じ単数表記は複数を排除しないこと、及び「有する」の語は他の段階又は要素を排除しないことが、理解されるべきである。「ユニット(部)」又は「モジュール」の語は、特に示されない限り多数のユニット(部)又はモジュールを有してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ガス放電ランプ
2 電極
3 アーク管
4 駆動部
8 外部電源
9 コネクタ
10 制御部
12 電流測定部
14 電圧測定部
15 キャパシタ
16 抵抗器
17 抵抗器
20 スイッチ
21 ダイオード
22 インダクタンス
23 キャパシタ
24 バック・コンバータ
25 通信部
26 スイッチ制御部
27 スイッチ
28 スイッチ
29 スイッチ
30 スイッチ
31 点火制御部
32 点火装置
33 チョーク
34 チョーク
35 レベル・コンバータ
40 イベント管理部
41 駆動方式管理部
42 電力制御方法管理部
43 メモリ
50 ランプ電流信号
51 ランプ電圧信号
52 ドライバ制御信号
53 レベル制御信号
54 情報信号
410 制御信号
420 制御信号
SW トリガ・イベント
時間間隔
所定の時間間隔
所定の時間間隔
DS 第1の駆動方式
DS 第2の駆動方式
PC 第1の電力制御方法
PC 第2の電力制御方法
M1 第1の動作モード
M2 第2の動作モード
M3 第3の動作モード
M4 第4の動作モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電ランプを駆動する方法であって:
常に、該ランプは複数の異なる駆動方式のうちの1つに従って駆動され、該ランプの電力は複数の異なる電力制御方法のうちの1つに従って制御され、
前記ランプは、トリガ・イベントの前は第1の駆動方式に従って駆動され、該トリガ・イベントが生じると、駆動方式の切り替えが行われて前記ランプが次に第2の駆動方式に従って駆動され、
前記トリガ・イベントに時間的に依存して、
第1の電力制御方法から第2の電力制御方法へ電力制御方法の切り替えが行われ、前記ランプの電力は、次にある時間間隔の間、該第2の電力制御方法に従って制御される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記電力制御方法は、直接的な電力制御方法を有し、
少なくとも1つの前記電力制御方法は、間接的な電力制御方法であり、
前記ランプの電力が直接的な電力制御方法に従って制御されているとき、前記ランプの電力は、前記ランプの電力が間接的な電力制御方法に従って制御されているときよりもランプ電圧の変化に速く反応する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリガ・イベントに時間的に依存した電力制御方法の切り替えは、間接的な電力制御方法から直接的な電力制御方法への切り替えを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間間隔の終了後、前記ランプの電力の制御は、前記間接的な電力制御方法へ戻る、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電力制御方法の切り替えは、前記駆動方式の切り替えと同時に行われる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電力制御方法の切り替えは、前記駆動方式の切り替えより先に行われる、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記時間間隔は、所定の期間の間続く、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
1又は複数のランプ・パラメータが観察され、
前記時間間隔は1つのランプ・パラメータが所定の条件を満たすまで続く、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
ガス放電ランプを駆動する駆動部であって、
−トリガ・イベントを検出又は予想するイベント管理部;
−該イベント管理部の出力に基づき、複数の異なる駆動方式のうち前記ランプが駆動されるべき1つの方式を選択する駆動方式管理部;及び
−前記トリガ・イベントに時間的に依存して、複数の異なる電力制御方法のうち前記ランプの電力がある時間間隔の間に制御されるべき1つの方法を選択するようにする電力制御方法管理部;
を有する駆動部。
【請求項10】
投影システムであって、
ガス放電ランプ、及び
該ガス放電ランプを駆動する請求項9に記載の駆動部、
を有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−505674(P2011−505674A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536562(P2010−536562)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055021
【国際公開番号】WO2009/072051
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】